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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055545
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20240411BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B41J2/175 151
B41J2/175 119
B41J2/01 451
B41J2/01 401
B41J2/01 303
B41J2/175 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162564
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【弁理士】
【氏名又は名称】古市 昭博
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】半場 栄治
(72)【発明者】
【氏名】山本 明広
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB56
2C056EC07
2C056EC11
2C056EC26
2C056EC28
2C056EC37
2C056FA10
2C056HA37
2C056HA38
2C056HA58
(57)【要約】
【課題】インクカートリッジに付された状態標識を検出することで、インクカートリッジのインクの状態を把握する。
【解決手段】プリンタ10は、インクヘッド32と、インク残量V2を少なくとも含む状態情報52が記録された状態標識51が付されたインクカートリッジ50を、状態標識51が露出するように収容するカートリッジ収容部60と、状態情報52を検出可能な検出センサ42を有するセンサヘッド40と、インクヘッド32またはセンサヘッド40を主走査方向Yに移動させる移動機構81と、制御装置90とを備えている。制御装置90は、センサヘッド40を主走査方向Yに移動させる移動制御部93と、センサヘッド40が主走査方向Yに移動しているときに、インクカートリッジ50に付された状態標識51に記録された状態情報52を検出センサ42に検出させる検出制御部94と、を備えている。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するインクヘッドと、
前記インクヘッドに供給するインクが収容されたインクカートリッジであって、前記インクカートリッジに収容されたインクのインク残量を少なくとも含む状態情報が記録された状態標識が付された前記インクカートリッジを、前記状態標識が露出するように収容するカートリッジ収容部と、
前記状態標識に記録された前記状態情報を検出可能な検出センサを有するセンサヘッドと、
前記インクヘッドまたは前記センサヘッドを主走査方向に移動させる移動機構と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記センサヘッドを前記主走査方向に移動させる移動制御部と、
前記センサヘッドが前記主走査方向に移動しているときに、前記インクカートリッジに付された前記状態標識に記録された前記状態情報を前記検出センサに検出させる検出制御部と、
を備えた、プリンタ。
【請求項2】
前記制御装置は、
印刷時に、前記インクヘッドから吐出したインクのインク消費量をカウントするカウント部と、
前記カウント部によってカウントされた前記インク消費量に基づいて、前記インクカートリッジに収容されているインクのインク残量を推定する残量推定部と、
前記残量推定部によって推定されたインク残量に応じた前記状態情報が記録された前記状態標識を、前記インクヘッドから吐出させたインクによって前記インクカートリッジに印刷する標識印刷部と、
を備えた、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項3】
前記標識印刷部は、前記インクカートリッジに予め設定された印刷領域のうち、前記インク残量に応じた大きさの塗潰し領域にインクを吐出することで前記状態標識を印刷する、請求項2に記載されたプリンタ。
【請求項4】
前記制御装置は、
被印刷物に印刷される印刷画像が記憶された記憶部と、
前記印刷画像に基づいて、前記インクヘッドからインクを吐出させることで、前記被印刷物に印刷を行う被印刷物印刷部と、
を備え、
前記カウント部は、前記被印刷物印刷部によって前記被印刷物に印刷しているときに、前記インクヘッドから吐出したインクの前記インク消費量をカウントし、
前記標識印刷部は、前記被印刷物印刷部によって前記被印刷物に印刷した後、前記状態標識を前記インクカートリッジに印刷する、請求項2に記載されたプリンタ。
【請求項5】
前記状態情報には、前記インクカートリッジに収容されているインクの消費期限が含まれている、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項6】
前記状態標識は、一次元バーコードまたは二次元バーコードによって実現されている、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項7】
前記インクヘッドは、
下地インクを吐出する下地インクヘッドと、
カラーインクを吐出するカラーインクヘッドと、
を有し、
前記標識印刷部は、前記インクカートリッジに前記下地インクヘッドから前記下地インクを吐出して下地層を形成し、前記下地層に前記カラーインクヘッドから前記カラーインクを吐出して前記状態標識を印刷する、請求項2に記載されたプリンタ。
【請求項8】
前記検出制御部は、前記カートリッジ収容部に前記インクカートリッジが収容されたタイミングで、前記インクカートリッジに付された前記状態標識に記録された前記状態情報を前記検出センサに検出させる、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項9】
前記カートリッジ収容部に前記インクカートリッジが収容されたとき、前記状態標識は、平面視において、前記センサヘッドが前記主走査方向に移動しているときにおける前記検出センサの移動軌跡上に配置されている、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項10】
前記カートリッジ収容部は、前記センサヘッドよりも下方に配置されている、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項11】
前記カートリッジ収容部は、平面視において、少なくとも一部は前記センサヘッドよりも後方に配置されている、請求項1に記載されたプリンタ。
【請求項12】
被印刷物を支持する支持台を備え、
前記カートリッジ収容部は、前記支持台と前記主走査方向に並んで配置されている、請求項1に記載されたプリンタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、インクが収容されたインクカートリッジが装着される装着部と、インクを吐出するインクジェットヘッドとを備えたインクジェットプリンタが開示されている。インクカートリッジの外側表面の一部には、インクエンド情報を印刷するためのインクエンド表示用印刷面が形成されている。
【0003】
例えばインクジェットプリンタは、装着部に装着されたインクカートリッジがインクエンド状態になったことを検出する。このとき、インクジェットプリンタは、インクカートリッジに形成されたインクエンド表示用印刷面に、インクジェットヘッドからインクを吐出することで、インクエンド情報を印刷する。ユーザは、インクエンド表示用印刷面に印刷されたインクエンド情報を目視することで、インクカートリッジがインクエンド状態になったことを知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-224047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のインクジェットプリンタでは、インクカートリッジに収容されたインクの状態に関する状態情報が、インクカートリッジの表面に印刷されている。しかしながら、インクカートリッジに印刷された状態情報は、ユーザが目視するためのものであり、インクジェットプリンタが取得可能な情報ではなかった。本願発明者は、インクカートリッジに印刷された情報を利用して、インクジェットプリンタにおいて、インクカートリッジに収容されたインクの状態を得ることを考えている。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクカートリッジに付された状態標識を検出することで、インクカートリッジに収容されたインクの状態を把握することができるプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプリンタは、インクを吐出するインクヘッドと、カートリッジ収容部と、センサヘッドと、移動機構と、制御装置とを備えている。前記カートリッジ収容部は、前記インクヘッドに供給するインクが収容されたインクカートリッジであって、前記インクカートリッジに収容されたインクのインク残量を少なくとも含む状態情報が記録された状態標識が付された前記インクカートリッジを、前記状態標識が露出するように収容する。前記センサヘッドは、前記状態標識に記録された前記状態情報を検出可能な検出センサを有している。前記移動機構は、前記インクヘッドまたは前記センサヘッドを主走査方向に移動させる。前記制御装置は、移動制御部と、検出制御部とを備えている。前記移動制御部は、前記センサヘッドを前記主走査方向に移動させる。前記検出制御部は、前記センサヘッドが前記主走査方向に移動しているときに、前記インクカートリッジに付された前記状態標識に記録された前記状態情報を前記検出センサに検出させる。
【0008】
前記プリンタによれば、インクカートリッジは、状態標識がカートリッジ収容部から露出するようにカートリッジ収容部に収容されている。そのため、検出センサによって状態標識に記録された状態情報を検出する際、カートリッジ収容部から露出した状態標識を検出すればよいため、状態情報を検出し易くすることができる。よって、検出センサによって状態情報を検出することで、インクカートリッジに収容されたインク残量などのインクの状態を把握することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、インクカートリッジに付された状態標識を検出することで、インクカートリッジに収容されたインクの状態を把握することができるプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係るプリンタを示す斜視図である。
図2】実施形態に係るプリンタを示す正面図である。
図3】実施形態に係るプリンタのブロック図である。
図4】プリントヘッドの底面の構成を示す模式図である。
図5】プリントヘッド、センサヘッド、支持台、および、カートリッジ収容部を模式的に示した平面図である。
図6】インクカートリッジを示す平面図である。
図7】状態標識をインクカートリッジに印刷する制御手順を示したフローチャートである。
図8】インクカートリッジに付された状態標識を検出する制御手順を示したフローチャートである。
図9】他の実施形態におけるインクカートリッジを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化される。
【0012】
図1は、本実施形態に係るプリンタ10を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るプリンタ10を示す正面図である。図3は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。以下において、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれプリンタ10の前、後、左、右、上、下を示している。符号Yは主走査方向を示している。本実施形態では、主走査方向Yは例えば左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。副走査方向Xは、主走査方向Yと異なる方向である。副走査方向Xは、平面視において主走査方向Yと交差(ここでは直交)している。副走査方向Xは、例えば前後方向である。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものではない。
【0013】
図2に示すように、プリンタ10は、被印刷物5にインクを吐出して、被印刷物5に対して印刷を行うものである。被印刷物5は、例えば記録紙である。ただし、被印刷物5は、記録紙に限定されない。例えば被印刷物5には、PCV、ポリエステルなどの樹脂材料から形成されたシート、金属板、ガラス板、木材板などの比較的に厚みを有するものが含まれる。また、被印刷物5は、例えばスマートフォンケースなどの立体物であってもよい。
【0014】
プリンタ10は、インクジェット式のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、いわゆるフラットベッドタイプのプリンタであり、後述の支持台25(図2参照)が副走査方向Xに移動することで、被印刷物5も副走査方向Xに移動するように構成されている。ただし、プリンタ10は、いわゆるロールtoロールタイプのプリンタであってもよく、支持台25を副走査方向Xに移動させずに、ロール状の被印刷物5のみを副走査方向Xに移動させるように構成されていてもよい。
【0015】
図1に示すように、プリンタ10は、ケース11と、カバー12とを備えている。ケース11は、直方体形状であり、内部空間を有している。当該内部空間において、被印刷物5に対して印刷が行われる。図2に示すように、ケース11の前部には開口15が形成されている。
【0016】
カバー12は、開口15を開閉自在にケース11に支持されている。ここでは、カバー12は、後端を軸に回転可能に構成されている。図1に示すように、カバー12の前部および上部には、窓16が設けられている。窓16は、透明または半透明の部材、例えばアクリル板によって形成されている。ユーザは、窓16を通じてケース11の内部空間を視認することができる。
【0017】
本実施形態では、図1に示すように、プリンタ10は、操作パネル20を備えている。操作パネル20は、ケース11に設けられている。操作パネル20は、プリンタ10の状態や、後述のインクカートリッジ50(図2参照)に関する情報(例えばインクカートリッジ50に収容されたインクの状態に関する情報)を表示する表示画面21と、操作キー22とを有している。ユーザは、例えば操作キー22を操作することで、表示画面21に各種の情報を表示することができる。
【0018】
次に、本実施形態に係るプリンタ10の内部構成について説明する。図2に示すように、プリンタ10は、支持台25を備えている。支持台25は、被印刷物5を支持するものである。ここでは、支持台25の上面に被印刷物5が載置されている。支持台25上において被印刷物5に対して印刷が行われる。また、支持台25に支持された被印刷物5にインクが吐出される。支持台25の上面は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がっており、被印刷物5を支持する支持面として構成されている。
【0019】
プリンタ10は、ガイドレール28と、プリントヘッド30と、センサヘッド40とを備えている。ガイドレール28は、ケース11の内部空間においてケース11に固定されている。ガイドレール28は、支持台25よりも上方に配置されている。ガイドレール28は、主走査方向Yに延びている。
【0020】
プリントヘッド30は、印刷に関するものである。プリントヘッド30は、支持台25よりも上方に配置されている。プリントヘッド30は、主走査方向Yに移動可能に構成されている。図4は、プリントヘッド30の底面の構成を示す模式図である。図4に示すように、プリントヘッド30は、インクキャリッジ31と、インクヘッド32と、光照射装置35とを備えている。
【0021】
図2に示すように、インクキャリッジ31は、ガイドレール28に摺動自在に係合している。インクキャリッジ31は、ガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0022】
インクヘッド32は、支持台25よりも上方に配置されている。インクヘッド32は、支持台25に支持された被印刷物5に向かってインクを吐出する。インクヘッド32は、インクキャリッジ31に搭載されている。ここでは、インクヘッド32は、底面が下方に向かって露出するようにインクキャリッジ31に設けられ、かつ、インクキャリッジ31に支持されている。なお、インクヘッド32の数は特に限定されない。本実施形態では、図4に示すように、インクヘッド32の数は5つである。5つのインクヘッド32は、主走査方向Yに並んで配置されている。ここでは、5つのインクヘッド32に対して、左から右に向かって符号32A、32B、32C、32D、32Eを適宜付すことにする。
【0023】
各インクヘッド32は、それぞれ異なる色のインクを吐出する。本実施形態では、インクヘッド32Aは、下地インク(例えばホワイトインク)を吐出する。本実施形態では、インクヘッド32Aは、下地インクヘッドの一例である。インクヘッド32Bは、シアンインクを吐出する。インクヘッド32Cは、マゼンタインクを吐出する。インクヘッド32Dは、イエローインクを吐出する。インクヘッド32Eは、ブラックインクを吐出する。本実施形態では、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクは、カラーインクの一例であり、インクヘッド32B、32C、32D、32Eは、カラーインクヘッドの一例である。ただし、各インクヘッド32から吐出されるインクの色の種類は上記5種類に限定されない。また、インクの材料は何ら限定されず、従来からのインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。本実施形態では、インクヘッド32から吐出されるインクは、光が照射されると乾燥が促進される光硬化型インクである。インクに照射される光とは、例えば紫外線であり、ここでは、インクは、紫外線が照射されると硬化が促進される紫外線硬化型インクである。
【0024】
本実施形態では、図4に示すように、各インクヘッド32は、複数のノズル33と、複数のノズル33が形成されたノズル面34とを有している。ノズル面34は、インクヘッド32の底面を構成している。1つのインクヘッド32において、複数のノズル33は、副走査方向Xに並んで配置されている。ここで、1つのインクヘッド32において、副走査方向Xに並んだ複数のノズル33の列のことをノズル列33aという。本実施形態では、1つのインクヘッド32において、ノズル列33aの数は2つであるが、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。なお、本実施形態では、各インクヘッド32から、1色のインクが吐出されるように構成されているが、1つのインクヘッド32から複数の色のインクが吐出されるように構成されてもよい。例えば本実施形態のように1つのインクヘッド32においてノズル列33aの数が2つの場合、一方のノズル列33aを構成するノズル33から第1のインクが吐出され、他方のノズル列33aを構成するノズル33から、第1のインクとは色が異なる第2のインクが吐出されてもよい。
【0025】
光照射装置35は、インクヘッド32から吐出されたインクに光を照射する装置である。ここでは、図2に示すように、光照射装置35は、支持台25に支持された被印刷物5に吐出されたインクに光を照射可能に構成されている。本実施形態では、インクヘッド32(詳しくはノズル33)から吐出されたインクは、紫外線硬化型インクであるため、光照射装置35は、インクヘッド32から吐出されたインクに紫外線を照射する紫外線照射装置である。
【0026】
図4に示すように、光照射装置35は、インクキャリッジ31に設けられており、インクキャリッジ31およびインクヘッド32と共に主走査方向Yに移動可能に構成されている。本実施形態では、光照射装置35は、インクキャリッジ31の左側に設けられているが、インクキャリッジ31の右側に設けられていてもよい。
【0027】
光照射装置35は、照射本体36(図4参照)と、光源37(図3参照)とを有している。図4に示すように、照射本体36は、例えば直方体形状であり、中空のものである。照射本体36の底面には、照射口38が形成されている。照射口38は、下方に向かって開口している。照射口38の形状は、四角形状であるが、特に限定されない。図3の光源37は、光(ここでは紫外線)を発するものであり、照射本体36の内部に配置されている。光源37から発せられた光は、照射口38を通り、被印刷物5に吐出されたインクに照射される。
【0028】
図2に示すように、センサヘッド40は、支持台25よりも上方に配置されている。センサヘッド40は、プリントヘッド30と主走査方向Yに並んで配置されている。ここでは、センサヘッド40は、プリントヘッド30の左方に配置されているが、プリントヘッド30の右方に配置されていてもよい。センサヘッド40は、主走査方向Yに移動可能に構成されている。センサヘッド40は、センサキャリッジ41と、検出センサ42と、を有している。
【0029】
センサキャリッジ41は、ガイドレール28に摺動自在に係合してる。センサキャリッジ41は、ガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0030】
検出センサ42は、支持台25よりも上方に配置されている。検出センサ42は、センサキャリッジ41に設けられており、かつ、センサキャリッジ41に支持されている。図示は省略するが、検出センサ42は、下方に配置されたものを検出する検出部を有している。検出センサ42は、インクカートリッジ50に付された状態標識51に記録された状態情報52(図6参照)を検出するためのセンサである。また、検出センサ42は、支持台25に支持された被印刷物5の主走査方向Yの両端(ここでは左右両端)における支持台25に対する位置を検出するセンサでもある。検出センサ42の種類は、特に限定されないが、例えば光学式である。検出センサ42は例えばフォトセンサである。検出センサ42は、カラーを検出することが可能であり、例えばRGBでカラーを表現することが可能なカラーセンサであってもよい。
【0031】
本実施形態では、図2に示すように、プリントヘッド30とセンサヘッド40とは連結可能なものである。センサヘッド40は、プリントヘッド30と離反して単独で主走査方向Yに移動可能である。プリントヘッド30は、センサヘッド40と連結し、センサヘッド40と共に主走査方向Yに移動可能である。ただし、プリントヘッド30は、センサヘッド40と離反して単独で主走査方向Yに移動可能であってもよい。
【0032】
本実施形態では、図2に示すように、プリンタ10は、支持台25に対して、プリントヘッド30(例えばインクヘッド32)、または、センサヘッド40を主走査方向Yに移動させる第1移動機構81と、プリントヘッド30およびセンサヘッド40に対して、支持台25に支持された被印刷物5を副走査方向Xに移動させる第2移動機構82とを備えている。また、詳しい構成は省略するが、プリンタ10は、支持台25を昇降させる昇降機構83を備えている。
【0033】
第1移動機構81は、インクヘッド32またはセンサヘッド40を主走査方向Yに移動させる移動機構の一例である。ここでは、第1移動機構81は、印刷時にプリントヘッド30を主走査方向Yに移動させ、状態標識51(図6参照)などを検出するときにセンサヘッド40を主走査方向Yに移動させる。なお、第1移動機構81の構成は特に限定されない。第1移動機構81は、図示は省略するが、例えば左右のプーリと、ベルトと、スキャンモータとを有している。左のプーリはガイドレール28の左端部の周囲に設けられ、右のプーリはガイドレール28の右端部の周囲に設けられている。ベルトは、例えば無端状のベルトであり、左右のプーリに巻き掛けられている。ベルトには、センサヘッド40のセンサキャリッジ41が取り付け固定されている。スキャンモータは、左右のプーリの一方に接続されている。ここでは、スキャンモータが駆動することでプーリが回転し、左右のプーリの間においてベルトが走行する。このことで、センサヘッド40が主走査方向Yに移動する。センサヘッド40にプリントヘッド30が連結されているときには、センサヘッド40と共に、プリントヘッド30(ここでは、インクキャリッジ31、インクヘッド32および光照射装置35)が主走査方向Yに移動する。
【0034】
第2移動機構82は、支持台25を副走査方向Xに移動させることで、支持台25に支持された被印刷物5を副走査方向Xに移動させる。なお、第2移動機構82の構成は特に限定されない。ここでは、第2移動機構82は、図示は省略するが、支持台25を支持する支持台キャリッジと、支持台キャリッジをスライド可能に支持し、副走査方向Xに延びた左右一対のスライドレールとを備えている。第2移動機構82は、図示は省略するが、更にスライドレールの前方および後方に設けられた前後一対のスライドプーリと、前後一対のスライドプーリに巻き掛けられたスライドベルトとを備えている。このスライドベルトには、支持台キャリッジが固定されている。前後一対のスライドプーリのうちの何れかには、フィードモータが接続されている。ここでは、フィードモータが駆動してスライドベルトが走行することで、支持台キャリッジと共に支持台25が副走査方向Xに移動する。よって、支持台25に支持された被印刷物5も副走査方向Xに移動する。
【0035】
図5は、プリントヘッド30、センサヘッド40、支持台25、および、カートリッジ収容部60を模式的に示した平面図である。図6は、インクカートリッジ50を示す平面図である。本実施形態では、図5に示すように、プリンタ10は、インクカートリッジ50と、インクカートリッジ50を収容するカートリッジ収容部60と、を備えている。インクカートリッジ50には、インクヘッド32(詳しくはノズル33(図4参照))から吐出されるインクが収容されている。ここでは、インクカートリッジ50は、図示しないチューブを介してインクヘッド32(図4参照)に接続されている。インクカートリッジ50に収容されたインクは、チューブを通ってインクヘッド32に供給される。本実施形態では、インクカートリッジ50の数は、プリンタ10において使用することが可能なインクの色の数と同じである。インクカートリッジ50の数は、インクヘッド32の数と同じであり、ここでは5つである。1つのインクカートリッジ50が1つのインクヘッド32に接続されている。
【0036】
本実施形態では、インクヘッド32A、32B、32C、32D、32Eに接続されるインクカートリッジ50のことを、それぞれインクカートリッジ50A、50B、50C、50D、50Eとする。ここでは、インクカートリッジ50Aには、インクヘッド32Aに供給する下地インク(例えばホワイトインク)が収容されている。インクカートリッジ50Bには、インクヘッド32Bに供給するシアンインクが収容されている。インクカートリッジ50Cには、インクヘッド32Cに供給するマゼンタインクが収容されている。インクカートリッジ50Dには、インクヘッド32Dに供給するイエローインクが収容されている。インクカートリッジ50Eには、インクヘッド32Eに供給するブラックインクが収容されている。本実施形態では、インクカートリッジ50は消耗品である。そのため、インクカートリッジ50は、インクカートリッジ50に収容されているインクのインク残量が所定の量以下になると、新しいインクカートリッジ50に交換される。
【0037】
インクカートリッジ50の大きさや形状は、特に限定されない。本実施形態では、図6に示すように、インクカートリッジ50は、主走査方向Yよりも副走査方向Xに長い直方体形状である。また、図2に示すように、インクカートリッジ50の上下方向の長さは、主走査方向Yの長さよりも長く、かつ、副走査方向Xの長さ(図6参照)よりも短い。本実施形態では、5つのインクカートリッジ50A~50Eは、同じ大きさであるが、異なった大きさであってもよい。例えば5つのインクカートリッジ50A~50Eのうちの一部のインクカートリッジ50は、他のインクカートリッジ50と比較して副走査方向Xに長さが長くてもよい。
【0038】
本実施形態では、図6に示すように、インクカートリッジ50には、状態標識51が付されている。なお、状態標識51が付されるインクカートリッジ50の位置は、特に限定されない。本実施形態では、状態標識51は、インクカートリッジ50の前端部の上面に付されている。また、状態標識51をインクカートリッジ50に付す方法も特に限定されない。本実施形態では、状態標識51は、インクカートリッジ50に直接印刷されることで、インクカートリッジ50に付される。ただし、状態標識51は、状態標識51が描かれたもの(例えば用紙)が、インクカートリッジ50に取り付けられたり、貼り付けられたりすることで、インクカートリッジ50に付されてもよい。
【0039】
ここでは、状態標識51には、状態情報52が記録されている。ここで、「状態標識51に状態情報52が記録されている」とは、検出センサ42によって状態標識51を検出することで状態情報52が得られる状態のことをいう。ここで、状態標識51を検出するとは、状態標識51に記録された状態情報52を検出することと同じ意味である。状態情報52は、検出センサ42が状態標識51を検出することで得られる情報のことをいう。状態情報52は、インクカートリッジ50に収容されているインクの状態に関する情報である。本実施形態では、状態情報52には、インクカートリッジ50に収容されたインクのインク残量に関する情報が含まれる。インクカートリッジ50に収容されたインクのインク残量とは、インクカートリッジ50に収容されたインクの使用量と言い換えることが可能である。
【0040】
状態標識51の種類は、特に限定されない。本実施形態では、図6に示すように、インクカートリッジ50には、印刷領域AR1が予め設定されている。例えば印刷領域AR1は、インクカートリッジ50のうちのカートリッジ収容部60から前方に突出した部分(例えば前端部)の上面に設定されている。状態標識51は、印刷領域AR1に印刷される。ここでは、印刷領域AR1は、インクカートリッジ50のインク残量に応じた塗潰し領域AR2を有している。塗潰し領域AR2は、インクヘッド32(詳しくは、インクヘッド32B~32E)から吐出されたインク(詳しくは、カラーインク)によって塗り潰される領域である。本実施形態では、塗潰し領域AR2は、インク残量が少なくなる程、大きくなる。印刷領域AR1に対する塗潰し領域AR2の割合が、所定の割合よりも大きくなったとき、インク残量が少なく、インクカートリッジ50を交換するタイミングとなる。ここでは、インク残量に応じた大きさの塗潰し領域AR2が、インクによって塗り潰されることで、状態標識51がインクカートリッジ50に付されたことになる。
【0041】
本実施形態では、印刷領域AR1は、複数の分割領域AR3(例えば8つの分割領域)に分割されている。各分割領域AR3には、インク残量の範囲が設定されている。そして、現在のインク残量に含まれるインク残量の範囲に対応した分割領域AR3が、塗潰し領域AR2になり、インクヘッド32から吐出されたインクによって塗り潰される。ここでは、インク残量が少なくなる程、塗潰し領域AR2となる分割領域AR3の数が多くなる。
【0042】
図5に示すように、カートリッジ収容部60は、インクカートリッジ50を収容するものである。本実施形態では、図2に示すように、カートリッジ収容部60は、ケース11の内部空間に配置され、ケース11に固定されている。カートリッジ収容部60は、プリントヘッド30またはセンサヘッド40が主走査方向Yに移動するときに、プリントヘッド30およびセンサヘッド40と干渉しない位置に配置されている。また、カートリッジ収容部60は、支持台25が主走査方向Xに移動しているとき、および、支持台25が昇降しているときに、支持台25と干渉しない位置に配置されている。
【0043】
本実施形態では、カートリッジ収容部60は、プリントヘッド30(例えばインクヘッド32)よりも下方に配置され、かつ、センサヘッド40(例えば検出センサ42)よりも下方に配置されている。また、カートリッジ収容部60は、ガイドレール28よりも下方に配置されている。図5に示すように、平面視において、少なくともカートリッジ収容部60の一部は、センサヘッド40よりも後方に配置されている。ここでは、平面視において、カートリッジ収容部60の全体は、センサヘッド40の検出センサ42よりも後方に配置されている。平面視において、カートリッジ収容部60の一部(ここでは後部)は、プリントヘッド30よりも後方に配置されている。本実施形態では、カートリッジ収容部60は、センサヘッド40よりも前方に配置されておらず、かつ、プリントヘッド30よりも前方に配置されていない。言い換えると、カートリッジ収容部60は、センサヘッド40およびプリントヘッド30よりも前方に突出していない。
【0044】
カートリッジ収容部60は、支持台25と主走査方向Yに並んで配置されている。カートリッジ収容部60は、支持台25の主走査方向Y側に配置されている。本実施形態では、カートリッジ収容部60は、平面視において支持台25の左方に配置されているが、支持台25の右方に配置されていてもよい。
【0045】
ここでは、カートリッジ収容部60は、5つのインクカートリッジ50A~50Eをまとめて収容する。5つのインクカートリッジ50A~50Eは、主走査方向Yに並ぶようにしてカートリッジ収容部60に収容されている。詳しくは、図2に示すように、カートリッジ収容部60には、内部に収容空間が形成されており、かつ、前方に開口した収容開口61が形成されている。収容開口61は、上記収容空間と連通している。収容開口61にインクカートリッジ50が挿入されて、収容空間に配置されたとき、インクカートリッジ50は、インクヘッド32に接続された状態になる。このことによって、インクカートリッジ50は、接続先のインクヘッド32にインクを供給可能な状態になる。
【0046】
ここでは、図2に示すように、収容開口61は、5つ形成されており、5つの収容開口61は、主走査方向Yに並んで配置されている。以下では、5つの収容開口61に対して、左から右に向かって符号61A、61B、61C、61D、61Eを適宜付すことにする。収容開口61Aに挿入されたインクカートリッジ50は、下地インク(例えばホワイトインク)を吐出するインクヘッド32Aに接続される。そのため、収容開口61Aには、下地インクが収容されたインクカートリッジ50Aが挿入される。収容開口61Bに挿入されたインクカートリッジ50は、シアンインクを吐出するインクヘッド32Bに接続されるため、収容開口61Bには、シアンインクが収容されたインクカートリッジ50Bが挿入される。収容開口61Cに挿入されたインクカートリッジ50は、マゼンタインクを吐出するインクヘッド32Cに接続されるため、収容開口61Cには、マゼンタインクが収容されたインクカートリッジ50Cが挿入される。収容開口61Dに挿入されたインクカートリッジ50は、イエローインクを吐出するインクヘッド32Dに接続されるため、収容開口61Dには、イエローインクが収容されたインクカートリッジ50Dが挿入される。また、収容開口61Eに挿入されたインクカートリッジ50は、ブラックインクを吐出するインクヘッド32Eに接続されるため、収容開口61Eには、ブラックインクが収容されたインクカートリッジ50Eが挿入される。
【0047】
本実施形態では、図5に示すように、インクカートリッジ50をカートリッジ収容部60に収容したとき、インクカートリッジ50の一部(ここでは前端部)は、カートリッジ収容部60よりも前方に突出している。ここでは、インクカートリッジ50の前端部の上面には、状態標識51が付されている。そのため、インクカートリッジ50をカートリッジ収容部60に収容したとき、インクカートリッジ50に付された状態標識51が、カートリッジ収容部60から前方に露出するように、インクカートリッジ50はカートリッジ収容部60に収容される。ここでは、インクカートリッジ50をカートリッジ収容部60に収容したとき、状態標識51は、カートリッジ収容部60よりも前方の位置に配置されている。5つのインクカートリッジ50A~50Eをカートリッジ収容部60に収容したとき、5つのインクカートリッジ50A~50Eに付された状態標識51は、主走査方向Yに並んで配置されており、副走査方向Xの位置が揃っている。
【0048】
また、図示は省略するが、インクカートリッジ50をカートリッジ収容部60に収容したとき、左側面視において、状態標識51は、センサヘッド40の検出センサ42の真下に配置される。言い換えると、図5に示すように、状態標識51は、平面視において、センサヘッド40が主走査方向Yに移動しているときにおける検出センサ42の移動軌跡M1上に配置されている。すなわち、センサヘッド40が主走査方向Yに移動しているときに、検出センサ42は、カートリッジ収容部60内のインクカートリッジ50に付された状態標識51上(言い換えると、状態標識51の真上)を通過するように構成されている。そして、検出センサ42は、状態標識51上を通過するとき、状態標識51に記録された状態情報52を検出可能に構成されている。なお、カートリッジ収容部60の上下方向の位置は、検出センサ42が状態標識51上を通過したときに、状態標識51を検出することができる程度の高さであることが好ましい。
【0049】
本実施形態では、図2に示すように、プリントヘッド30(例えばインクヘッド32)およびセンサヘッド40(例えば検出センサ42)が、カートリッジ収容部60に収容されたインクカートリッジ50上を通過することができるために、ガイドレール28は、カートリッジ収容部60の収容開口61よりも左方に突出している。そのため、プリントヘッド30およびセンサヘッド40は、ガイドレール28に沿って主走査方向Yの最も左端にまで移動したとき、カートリッジ収容部60に収容されたインクカートリッジ40上を通過し、収容開口61よりも左方の位置に配置される。
【0050】
本実施形態では、図2に示すように、プリンタ10は、制御装置90を備えている。制御装置90は、印刷に関する制御や、インクカートリッジ50に付された状態標識51を検出することに関する制御などを行う。制御装置90の構成は特に限定されない。制御装置90は、例えばマイクロコンピュータである。制御装置90は、例えばI/Fと、CPUと、ROMと、RAMと、を備えている。制御装置90は、ケース11の内部に設けられている。ただし、制御装置90は、ケース11の外部に設置されたコンピュータなどで実現されてもよい。この場合、制御装置90は、有線または無線を介してプリンタ10の制御基板(図示せず)と通信可能に接続されている。
【0051】
本実施形態では、図3に示すように、制御装置90は、操作パネル20(例えば表示画面21および操作キー22)、インクヘッド32(例えばインクヘッド32A~32E)、光照射装置35(詳しくは光源37)、検出センサ42、第1移動機構81、第2移動機構82、および、昇降機構83に通信可能に接続されている。制御装置90は、操作パネル20、インクヘッド32、光照射装置35、検出センサ42、第1移動機構81、第2移動機構82、および、昇降機構83を制御する。
【0052】
本実施形態では、制御装置90は、記憶部91と、被印刷物印刷部92と、移動制御部93と、検出制御部94と、カウント部95と、残量推定部96と、標識印刷部97と、通知部98とを備えている。制御装置90を構成する各部91~98は、1つまたは複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよいし、所定のソフトウェアによってプログラムされたものであってもよい。
【0053】
次に、本実施形態に係るプリンタ10の制御装置90による制御手順について説明する。ここでは、まず状態標識51をインクカートリッジ50に印刷するときの制御手順について図7のフローチャートに沿って説明する。ここでは、状態標識51は、例えば被印刷物5に対しての印刷が行われた後にインクカートリッジ50に印刷されることで、インクカートリッジ50に付される。
【0054】
本実施形態では、被印刷物5への印刷は、図3の被印刷物印刷部92によって実行される。図3に示すように、例えば記憶部91には、被印刷物5に印刷する印刷画像99が予め記憶されている。被印刷物印刷部92は、記憶部91に記憶された印刷画像99に基づいて、支持台25に支持された被印刷物5(図2参照)に印刷を行う。被印刷物5に対して印刷を行うとき、図2に示すように、被印刷物5を支持台25に支持させる。そして、図3の被印刷物印刷部92は、第1移動機構81を作動させて、インクヘッド32を主走査方向Yに移動させている間、インクヘッド32から被印刷物5に向かってインクを吐出させて、1ライン分の印刷を行う。なお、1ライン分の印刷の際、インクヘッド32と共に光照射装置35が主走査方向Yに移動し、被印刷物5に吐出されたインクに光が照射される。1ライン分の印刷の後、被印刷物印刷部92は、被印刷物5を支持する支持台25を副走査方向Xに所定の距離だけ移動させるように、第2移動機構82を制御する。その後、被印刷物印刷部92は、インクヘッド32および光照射装置35を主走査方向Yに移動させて、次の1ライン分の印刷を行う。このように、1ライン分の印刷と、支持台25における副走査方向Xへの移動とを交互に繰り返し行うことで、被印刷物5に印刷画像99の印刷を行うことができる。
【0055】
本実施形態では、被印刷物印刷部92による被印刷物5への印刷中、図7のステップS101が実行される。ステップS101では、図3のカウント部95は、印刷時に、インクヘッド32から吐出したインクのインク消費量V1をカウントする。ここでは、カウント部95は、インクヘッド32(ここでは、5つのインクヘッド32A~32E)毎に、被印刷物印刷部92によって被印刷物5へ印刷しているときに、インクヘッド32から吐出したインク消費量V1をカウントする。ここで、インク消費量V1とは、インクヘッド32から吐出されたインクの量のことである。インク消費量V1とは、インクカートリッジ50がカートリッジ収容部60に収容されて、インクヘッド32に接続されてからのインクの消費量のことである。本実施形態では、例えばインクカートリッジ50がインクヘッド32に接続されたことを検出する接続センサ(図示せず)が設けられている。当該接続センサによって、インクカートリッジ50がインクヘッド32に接続されたことを検出されたときに、インク消費量V1をリセットする。なお、カウント部95によってカウントされたインクヘッド32毎のインク消費量V1は、記憶部91(図3参照)に記憶される。
【0056】
このように、被印刷物5への印刷が終了して、インクヘッド32毎のインク消費量V1のカウントが終了した後、図7のステップS103に進む。ステップS103では、図3の残量推定部96は、カウント部95によってカウントされたインク消費量V1に基づいて、インクカートリッジ50に収容されているインクのインク残量V2を推定する。ここでは、残量推定部96は、インクカートリッジ50(ここでは、5つのインクカートリッジ50A~50E)毎にインク残量V2を推定する。本実施形態では、記憶部91には、インクカートリッジ50に収容されることが可能なインクの最大量(図示せず)が予め記憶されている。残量推定部96は、上記のインクの最大量から、カウント部95によってカウントされたインク消費量V1との差を、インクカートリッジ50のインク残量V2と推定する。なお、残量推定部96によって推定されたインクカートリッジ50毎のインク残量V2は、図3の記憶部91に記憶される。
【0057】
次に、図7のステップS105では、図3の標識印刷部97は、状態標識51をインクカートリッジ50に印刷することで、インクカートリッジ50に付す。標識印刷部97は、残量推定部96によって推定されたインク残量V2に応じた状態情報52が記録された状態標識51を、インクヘッド32から吐出させたインクによってインクカートリッジ50に印刷する。ここでは、標識印刷部97は、インクカートリッジ50ごとに、図6に示すように、印刷領域AR1に状態標識51を印刷する。
【0058】
本実施形態では、標識印刷部97は、インクカートリッジ50に予め設定された印刷領域AR1のうち、インク残量V2に応じた大きさの塗潰し領域AR2にインクを吐出することで状態標識51を印刷する。ここでは、インク残量V2に応じて、印刷領域AR1に対する塗潰し領域AR2の割合が変更される。詳しくは、塗潰し領域AR2は、インク残量V2が少ない程、大きくなるように設定されており、インク残量V2が多い程、小さくなるように設定されている。本実施形態では、標識印刷部97によって状態標識51が印刷されているときにおいて、前回の印刷までの状態情報52(詳しくはインク残量V2)が記録された状態標識51が、インクカートリッジ50の印刷領域AR1に既に印刷されていることがあり得る。この場合、標識印刷部97は、インク残量V2に応じた大きさの塗潰し領域AR2のうち、まだインクが吐出されていない領域を、インクヘッド32から吐出されたインクで塗り潰すとよい。
【0059】
本実施形態では、図3の標識印刷部97は、図2に示すように、インクヘッド32を主走査方向Yに移動させる。ここでは、標識印刷部97は、第1移動機構81を制御することで、インクヘッド32は、ガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動する。そして、標識印刷部97は、インクヘッド32が主走査方向Yに移動しているときに、状態標識51をインクカートリッジ50に印刷する。ここでは、インクヘッド32は主走査方向Yに移動しているとき、インクカートリッジ50の印刷領域AR1の真上を通過する。標識印刷部97は、インクヘッド32が印刷領域AR1上に位置しているときに、インクヘッド32からインクを吐出させることで、インク残量V2に応じた大きさの塗潰し領域AR2を塗り潰し、状態標識51をインクカートリッジ50に付すことができる。ここでは、インクヘッド32が主走査方向Yに移動している間、全てのインクカートリッジ50に対して状態標識51を印刷する。ただし、状態標識51に記録された状態情報52に実質的に変更がない場合には、変更がないインクカートリッジ50に対する状態標識51の印刷が省略されてもよい。以上のようにして、状態標識51をインクカートリッジ50に印刷することができる。
【0060】
次に、インクカートリッジ50に付された状態標識51を検出する制御手順について図8のフローチャートに沿って説明する。本実施形態では、例えばインクカートリッジ50をカートリッジ収容部60に収容(言い換えると、インクカートリッジ50をインクヘッド32に接続)したタイミングで、状態標識51の検出が行われる。言い換えると、図3の検出制御部94は、カートリッジ収容部60にインクカートリッジ50が収容されたタイミングで、インクカートリッジ50に付された状態標識51に記録された状態標識51を検出センサ42に検出させる。
【0061】
ここでは、まず図8のステップS201では、図3の移動制御部93は、センサヘッド40を主走査方向Yに移動させる。ここでは、移動制御部93は、第1移動機構81(図2参照)を制御することで、センサヘッド40はガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動する。このとき、検出センサ42もガイドレール28に沿って主走査方向Yに移動する。なお、ステップS201において、センサヘッド40は、プリントヘッド30と連結されずに、単独で主走査方向Yに移動してもよいし、プリントヘッド30と連結された状態で、プリントヘッド30と共に主走査方向Yに移動してもよい。
【0062】
次に、図8のステップS203では、図3の検出制御部94は、カートリッジ収容部60に収容されたインクカートリッジ50に付された状態標識51に記録された状態情報52を検出する。ここでは、検出制御部94は、センサヘッド40が主走査方向Yに移動しているときに、状態標識51に記録された状態情報52を検出センサ42に検出させる。センサヘッド40が主走査方向Yに移動しているとき、検出センサ42は、支持台25上を通過し、かつ、カートリッジ収容部60に収容されたインクカートリッジ50に付された状態標識51上を通過する。そのため、検出制御部94は、状態標識51の真上を検出センサ42が通過するときに、状態標識51に記録された状態情報52を検出センサ42に検出させる。ここでは、検出制御部94は、状態情報52に含まれるインク残量V2を検出センサ42に検出させる。詳しくは、検出制御部94は、印刷領域AR1における塗潰し領域AR2の大きさを検出センサ42によって検出することで、インク残量V2を検出する。
【0063】
本実施形態では、検出制御部94は、カートリッジ収容部60に収容されたすべてのインクカートリッジ50(ここでは、5つのインクカートリッジ50A~50E)にそれぞれ付された状態標識51の状態情報52を検出している。しかしながら、例えば図8のステップS201の前において、カートリッジ収容部60に新たに収容されたインクカートリッジ50に付された状態標識51の状態情報52のみを検出してもよい。なお、検出制御部94によって検出した状態情報52は、図3の記憶部91に記憶される。
【0064】
次に、図8のステップS205では、図3の通知部98は、インクカートリッジ50に収容されているインクの状態を通知する。ここでは、通知部98は、検出センサ42によって検出された状態情報52に基づいて、インクの状態をユーザに通知する。このときの通知の内容は、特に限定されない。例えば通知部98は、インクカートリッジ50毎に、状態情報52に含まれるインク残量V2を、ユーザに通知してもよい。また、通知部98は、インク残量V2が、所定の量以下の場合には、インクカートリッジ50を新しいインクカートリッジ50に交換する旨の通知をユーザに行ってもよい。
【0065】
なお、通知部98がユーザに通知する具体的な方法は特に限定されない。例えば通知部98は、操作パネル20の表示画面21(図2参照)に、インクカートリッジ50毎のインク残量V2や、インクカートリッジ50を交換する旨のメッセージを表示することで、ユーザにインクの状態を通知してもよい。また、通知部98は、例えばブザー(図示せず)から音を出すことで、インクの状態をユーザに通知してもよいし、LEDなどの光源(図示せず)から光を発せさせることで、インクの状態をユーザに通知してもよい。
【0066】
以上、本実施形態では、図2に示すように、プリンタ10は、インクを吐出するインクヘッド32と、カートリッジ収容部60と、センサヘッド40と、第1移動機構81と、制御装置90とを備えている。図5に示すように、カートリッジ収容部60は、インクヘッド32に供給するインクが収容されたインクカートリッジ50であって、インクカートリッジ50に収容されたインクのインク残量V2を少なくとも含む状態情報52が記録された状態標識51が付されたインクカートリッジ50を、状態標識51が露出するように収容する。センサヘッド40は、状態標識51に記録された状態情報52を検出可能な検出センサ42(図2参照)を有している。第1移動機構81は、インクヘッド32またはセンサヘッド40を主走査方向Yに移動させる。図3に示すように、制御装置90は、移動制御部93と、検出制御部94とを備えている。移動制御部93は、図8のステップS201に示すように、センサヘッド40を主走査方向Yに移動させる。検出制御部94は、図8のステップS203に示すように、センサヘッド40が主走査方向Yに移動しているときに、インクカートリッジ50に付された状態標識51に記録された状態情報52を検出センサ42に検出させる。
【0067】
このことによって、図5に示すように、インクカートリッジ50は、状態標識51がカートリッジ収容部60から露出するようにカートリッジ収容部60に収容されている。そのため、検出センサ42によって状態標識51に記録された状態情報52を検出する際、カートリッジ収容部60から露出した状態標識51を検出すればよいため、状態情報52を検出し易くすることができる。よって、検出センサ42によって状態情報52を検出することで、インクカートリッジ50に収容されたインクの状態(例えばインク残量V2)を把握することができる。
【0068】
本実施形態では、図3に示すように、制御装置90は、カウント部95と、残量推定部96と、標識印刷部97とを備えている。カウント部95は、図7のステップS101に示すように、印刷時に、インクヘッド32から吐出したインクのインク消費量V1をカウントする。残量推定部96は、図7のステップS103に示すように、カウント部95によってカウントされたインク消費量V1に基づいて、インクカートリッジ50に収容されているインクのインク残量V2を推定する。標識印刷部97は、図7のステップS105に示すように、残量推定部96によって推定されたインク残量V2に応じた状態情報52が記録された状態標識51を、インクヘッド32から吐出させたインクによってインクカートリッジ50に印刷する。このことによって、インクヘッド32から実際に吐出されたインク消費量V1から、インクカートリッジ50のインク残量V2を推定しているため、インク残量V2を正確に推定し易い。また、インクヘッド32から吐出されたインクによって、インクカートリッジ50に印刷される状態標識51が印刷されて更新されるため、状態標識51を最新のものにし易い。
【0069】
本実施形態では、図3の標識印刷部97は、図6に示すように、インクカートリッジ50に予め設定された印刷領域AR1のうち、インク残量V2に応じた大きさの塗潰し領域AR2にインクを吐出することで状態標識51を印刷する。このことによって、塗潰し領域AR2の大きさが、インク残量V2に対応している。そのため、ユーザは、塗潰し領域AR2の大きさを知ることで、インクカートリッジ50のインク残量V2を把握することができる。よって、ユーザは、視覚的にインク残量V2を把握し易くすることができる。
【0070】
本実施形態では、図3に示すように、制御装置90は、記憶部91と、被印刷物印刷部92とを備えている。記憶部91には、被印刷物5に印刷される印刷画像99が記憶されている。被印刷物印刷部92は、印刷画像99に基づいて、インクヘッド32からインクを吐出させることで、被印刷物5に印刷を行う。図3のカウント部95は、被印刷物印刷部92によって被印刷物5に印刷しているときに、インクヘッド32から吐出したインクのインク消費量V1をカウントする。標識印刷部97は、被印刷物印刷部92によって被印刷物5に印刷した後、状態標識51をインクカートリッジ50に印刷する。被印刷物印刷部92による被印刷物5への印刷のときに、インクヘッド32からより多くのインクが吐出され、インク消費量V1が多くなると考えられる。そのため、被印刷物印刷部92による被印刷物5への印刷の後に、状態標識51が印刷されることで、より正確なインク残量V2に則した状態情報52が記録された状態標識51をインクカートリッジ50に付すことができる。
【0071】
本実施形態では、図3の検出制御部94は、カートリッジ収容部60にインクカートリッジ50が収容されたタイミングで、インクカートリッジ50に付された状態標識51に記録された状態情報52を検出センサ42に検出させる。このことによって、カートリッジ収容部60に収容されたときのインクカートリッジ50のインクの状態を、インクカートリッジ50に付された状態標識51の状態情報52を検出することによって把握することができる。
【0072】
本実施形態では、図5に示すように、カートリッジ収容部60にインクカートリッジ50が収容されたとき、状態標識51は、平面視において、センサヘッド40が主走査方向Yに移動しているときにおける検出センサ42の移動軌跡M1上に配置されている。このことによって、センサヘッド40を主走査方向Yに移動させるという簡単な制御によって、状態標識51に記録された状態情報52を検出センサ42が検出することができる。
【0073】
本実施形態では、図2に示すように、カートリッジ収容部60は、センサヘッド40よりも下方に配置されている。図5に示すように、カートリッジ収容部60は、平面視において、少なくとも一部はセンサヘッド40よりも後方に配置されている。このことによって、センサヘッド40を上下方向に移動させることなく、主走査方向Yに移動させることで、インクカートリッジ50の状態標識51に記録された状態情報52を検出センサ42が検出することができる。
【0074】
本実施形態では、図2に示すように、プリンタ10は、被印刷物5を支持する支持台25を備えている。図5に示すように、カートリッジ収容部60は、支持台25と主走査方向Yに並んで配置されている。このことによって、インクヘッド32を主走査方向Yに移動させて、支持台25に支持された被印刷物5に向かってインクヘッド32からインクを吐出して印刷することができると共に、センサヘッド40を主走査方向Yに移動させて、カートリッジ収容部60に収容されたインクカートリッジ50の状態情報52を検出センサ42が検出することができる。
【0075】
なお、上記実施形態では、状態標識51に記録された状態情報52には、インクカートリッジ50に収容されているインクのインク残量V2が含まれており、状態標識51は、図6に示すように、印刷領域AR1において、インク残量V2に応じた大きさの塗潰し領域AR2をインクで塗り潰すことでインクカートリッジ50に付されていた。
【0076】
しかしながら、本発明に係る状態情報には、インク残量V2以外のインクの状態を示す情報が含まれてもよい。本発明に係る状態標識の種類も特に限定されない。図9は、他の実施形態におけるインクカートリッジ50を示す平面図である。図9に示すように、インクカートリッジ50には、状態標識51Aが付されている。状態標識51Aには、状態情報52Aが記録されている。状態情報52Aには、インク残量V2の他に、インクの状態に関する情報が含まれている。ここでは、状態情報52Aには、インクカートリッジ50に収容されたインクの消費期限が含まれている。
【0077】
本実施形態では、状態標識51Aは、バーコードによって実現される。状態標識51Aは、図9のように一次元バーコードによって実現されてもよいし、二次元バーコードによって実現されてもよい。
【0078】
本実施形態では、図3の標識印刷部97は、図3の被印刷物印刷部92によって被印刷物5に印刷した後、状態標識51Aをインクカートリッジ50の印刷領域AR1に印刷する。このとき、印刷領域AR1には、被印刷物5への印刷前における状態情報52Aが記録された状態標識51Aが、印刷領域AR1に既に印刷されていることがあり得る。ここでは、標識印刷部97は、既に印刷された状態標識51Aに重ねるようにして、新たな状態標識51Aを印刷する。
【0079】
そこで、本実施形態では、標識印刷部97は、インクカートリッジ50(詳しくは印刷領域AR1)に、インクヘッド32A(図4参照)から下地インクを吐出して下地層L1(図9参照)を形成する。この下地層L1は、印刷領域AR1に形成されるため、既に印刷された状態標識51Aの上に形成される。このとき、既に印刷された状態標識51Aは、下地層L1に隠れた状態になり、下地層L1を介して見え難くなる。このように、印刷領域AR1に下地層L1を形成した後、標識印刷部97は、下地層L1に、インクヘッド32B~32E(図4参照)からカラーインクを吐出して、新たな状態標識51Aを印刷する。すなわち、新たな状態標識51Aは、下地層L1の上に形成されることになる。ここでは、標識印刷部97は、インクヘッド32からインクを吐出して、一次元バーコードまたは二次元バーコードを下地層L1上に印刷することで、状態標識51Aをインクカートリッジ50に付す。
【0080】
本実施形態では、インクヘッド32Aによって下地層L1を形成した後、インクヘッド32B~32Eによって状態標識51Aの印刷が行われる。この下地層L1と状態標識51Aの印刷は、例えばインクヘッド32が主走査方向Yの右側から左側、すなわちインクカートリッジ50の右方からインクカートリッジ50に向かう方に移動しているときに行われる。ここでは、インクカートリッジ50に近い方に、下地インクが吐出されるインクヘッド32Aが配置され、インクカートリッジ50から遠い方に、カラーインクが吐出されるインクヘッド32B~32Eが配置されている。そのため、インクヘッド32が主走査方向Yに移動する際、インクヘッド32Aがインクカートリッジ50上を通過した後に、インクヘッド32B~32Eがインクカートリッジ50上を通過することになる。よって、インクヘッド32が主走査方向Yにおける左側に移動する過程で、インクカートリッジ50の印刷領域AR1に、下地層L1と状態標識51の印刷を順に行うことができるため、印刷領域AR1に対して効率よく印刷を行うことができる。
【0081】
本実施形態では、図3の検出制御部94は、インクカートリッジ50に付された状態標識51Aを検出センサ42で検出し、状態標識51Aに記録された状態情報52Aのインク消費期限を得る。図3の通知部98は、インク消費期限と現在の日時とを比較し、インク消費期限が現在の日時よりも前の場合には、インクカートリッジ50を交換する旨の通知をユーザに対して行う。または、通知部98は、インクカートリッジ50毎のインク消費期限を、表示画面21(図1参照)に表示するなどして、ユーザに通知してもよい。
【0082】
以上、本実施形態では、図9に示す状態情報52Aには、インクカートリッジ50に収容されているインクの消費期限が含まれている。このことによって、状態標識51Aを検出センサ42が検出することで、インクカートリッジ50に収容されたインクの消費期限を容易に把握することができる。
【0083】
本実施形態では、状態標識51Aは、一次元バーコードまたは二次元バーコードによって実現されている。このことによって、ユーザが視覚的に分かり難い状態標識51Aであっても、検出センサ42によって状態標識51Aを検出することで、状態情報52Aを得ることができる。
【0084】
本実施形態では、図4に示すように、インクヘッド32は、下地インクを吐出する下地インクヘッドの一例であるインクヘッド32Aと、カラーインクを吐出するカラーインクヘッドの一例であるインクヘッド32B~32Eと、を有している。図3の標識印刷部97は、図9に示すように、インクカートリッジ50にインクヘッド32Aから下地インクを吐出して下地層L1を形成し、下地層L1にインクヘッド32B~32Eからカラーインクを吐出して状態標識51Aを印刷する。例えばインクカートリッジ50には、既に状態標識51Aが印刷されていることがあり得る。このような場合であっても、既に印刷された状態標識51Aの上に下地インクで下地層L1を形成することで、既に印刷された状態標識51Aを隠すことができる。そして、下地層L1の上に、新たな状態標識51Aを印刷することで、状態標識51Aを鮮明に印刷して、検出センサ42によって正確に検出し易くすることができる。
【符号の説明】
【0085】
5 被印刷物
10 プリンタ
25 支持台
32 インクヘッド
32A インクヘッド(下地インクヘッド)
32B~32E インクヘッド(カラーインクヘッド)
40 センサヘッド
42 検出センサ
50 インクカートリッジ
51、51A 状態標識
52、52A 状態情報
60 カートリッジ収容部
81 第1移動機構(移動機構)
90 制御装置
91 記憶部
92 被印刷物印刷部
93 移動制御部
94 検出制御部
95 カウント部
96 残量推定部
97 標識印刷部
AR1 印刷領域
AR2 塗潰し領域
V1 インク消費量
V2 インク残量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9