(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055592
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】棚板ずれ防止棚柱及び棚柱セット
(51)【国際特許分類】
A47B 96/14 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
A47B96/14 B
A47B96/14 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162650
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000107572
【氏名又は名称】スガツネ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112140
【弁理士】
【氏名又は名称】塩島 利之
(74)【代理人】
【識別番号】100119297
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 正男
(72)【発明者】
【氏名】菅佐原 純
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 聖宏
(57)【要約】
【課題】棚板のずれを防止できる棚柱を提供する。
【解決手段】本発明の一態様の棚板ずれ防止棚柱1は、第1部11と第2部12を備える。第1部11には、棚板ずれ防止棚柱1を壁部4に取り付けるためのねじの取付け穴13が形成される。第2部12は、棚受5に支持された棚板6が壁部4と平行な方向にずれるのを防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部と第2部を備える棚柱であって、
前記第1部には、前記棚柱を壁部に取り付けるためのねじの取付け穴が形成され、
前記第2部が、棚受に支持された棚板が前記壁部と平行な方向にずれるのを防止する棚板ずれ防止棚柱。
【請求項2】
前記棚板ずれ防止棚柱が断面略L字状であることを特徴とする請求項1に記載の棚板ずれ防止棚柱。
【請求項3】
前記第1部には、前記棚受が取り付けられる複数の取付け穴が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の棚板ずれ防止棚柱。
【請求項4】
前記第1部は、前記ねじの取付け穴が形成されるウェブ部と、ウェブ部から前記壁部に向かって立ち上がる一対のフランジ部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の棚板ずれ防止棚柱。
【請求項5】
前記第2部の側面と前記一対のフランジ部の一方の側面とがフラットに形成され、又は前記第2部の側面が前記一対のフランジ部の一方の側面に連続する曲面に形成されることを特徴とする請求項4に記載の棚板ずれ防止棚柱。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の一対の前記棚板ずれ防止棚柱が対向する一対の壁部に左右対称に配置されることを特徴とする棚柱セット。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の前記棚板ずれ防止棚柱と、
前記壁部に取り付けるためのねじの取付け穴が形成され、棚受が取り付けられる複数の取付け穴が形成される棚柱と、を備える棚柱セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板のずれを防止できる棚柱及びこの棚柱を備える棚柱セットに関する。
【背景技術】
【0002】
棚柱は、陳列棚、本棚、下駄箱等の本体の壁部に取り付けられたり、建築物の部屋の壁部に取り付けられたりする。棚柱には、棚板を支持するための棚受が取り付けられる。棚受には、棚板が載せられる。棚受の高さを調節できるように、棚柱には複数の取付け穴が形成される(特許文献1参照)。
【0003】
予期せぬ棚柱への接触や地震等により、棚受に載せられた棚板がずれる場合がある。これを防止するために、特許文献1には、棚受に樹脂パーツを嵌め込み、樹脂パーツを棚板の縁に係合させて、棚板のずれを防止する構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の構造においては、棚板の数量に応じて樹脂パーツを設ける必要があり、棚受への樹脂パーツの装着に手間がかかるという課題がある。また、棚受に装着された樹脂パーツが目立ち、意匠性が低下するという課題がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するもので、棚板のずれを防止できる棚柱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、第1部と第2部を備える棚柱であって、前記第1部には、前記棚柱を壁部に取り付けるためのねじの取付け穴が形成され、前記第2部が、棚受に支持された棚板が前記壁部と平行な方向にずれるのを防止する棚板ずれ防止棚柱である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、棚板ずれ防止棚柱によって棚板のずれを防止できる。また、前方から見ると、第2部が棚板と第1部との間に生ずる隙間を隠し、第2部の側面が均一に見えるので、意匠性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットの斜視図である。
【
図2】本実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットの平面図である。
【
図3】本実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットの平面図である。
【
図4】本実施形態の棚板ずれ防止棚柱の正面図である。
【
図5】本実施形態の棚板ずれ防止棚柱の平面図である。
【
図6】本実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットの側面図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットの斜視図である。
【
図9】本発明の第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットの平面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱の正面図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱の平面図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットの側面図である。
【
図13】本発明の第3の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を示す図(
図13(a)は正面図、
図13(b)は斜視図、
図13(c)は平面図)である。
【
図14】本発明の第4の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を示す図(
図14(a)は正面図、
図14(b)は斜視図、
図14(c)は平面図)である。
【
図15】本発明の第5の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を示す図(
図15(a)は正面図、
図15(b)は斜視図、
図15(c)は平面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態の棚板ずれ防止棚柱及び棚柱セットを説明する。ただし、本発明の棚板ずれ防止棚柱及び棚柱セットは、種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
(第1の実施形態)
【0011】
図1及び
図2は、本発明の第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱を備える棚柱セットを示す。1は本実施形態の棚板ずれ防止棚柱、2は通常の棚柱である。棚柱セット3は、棚板ずれ防止棚柱1と、通常の棚柱2と、を備える。4は、陳列棚、本棚、下駄箱等の本体の壁部である。4は、建築物の部屋の壁部でもよい。5は棚受、6は棚板である。
【0012】
以下では、説明の便宜上、棚板6を壁部4と平行な前方から見たときの方向、すなわち
図1及び
図2の前後、左右、上下の各方向を用いて、棚板ずれ防止棚柱1及び棚柱セット3の構成を説明する。棚板ずれ防止棚柱1及び棚柱セット3の配置は、これに限られるものではない。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の棚板ずれ防止棚柱1は、断面略L字状で上下方向に延びる。棚板ずれ防止棚柱1は、第1部11と、第1部11に対して略直角で第1部11と一体に形成される第2部12と、を備える。棚板ずれ防止棚柱1の材質は、限定されるものではなく、例えばステンレス、アルミニウム合金、樹脂等である。
【0014】
図2に示すように、第1部11は、ウェブ部11aと、ウェブ部11aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部11bと、を備える。なお、「断面略L字状」は、第1部11と第2部12が全体的に断面L字状であることを意味し、本実施形態のように第1部11がフランジ部11bを備える場合も含む。また、「略直角」は、第2部12が第1部11に対して全体的に直角であることを意味し、本実施形態のように第1部11がフランジ部11bを備える場合も含む。
【0015】
図3に示すように、棚板ずれ防止棚柱1は、対向する左右一対の壁部4それぞれに取り付けられる。左側の棚板ずれ防止棚柱1と右側の棚板ずれ防止棚柱1は、左右対称である。
【0016】
図4は右方向から見た棚板ずれ防止棚柱1の正面図を示し、
図5は棚板ずれ防止棚柱1の平面図を示す。棚板ずれ防止棚柱1は、第1部11と、第2部12と、を備える。
図5に示すように、第1部11は、断面コ字状であり、ウェブ部11aと、ウェブ部11aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部11bと、を備える。
図4に示すように、ウェブ部11aには、棚板ずれ防止棚柱1を壁部4に取り付けるための皿ねじ等のねじが通される取付け穴13が形成される。また、ウェブ部11aには、棚受5が取り付けられる複数の取付け穴14が形成される。
【0017】
ウェブ部11aの複数の取付け穴14は、棚板ずれ防止棚柱1の上下方向に一定のピッチで形成される。取付け穴14の形状は、特に限定されるものではなく、四角状、四角を基礎として上下方向の中央部が括れた形状、円状等である。棚板ずれ防止棚柱1を左右兼用できるように、すなわち、棚板ずれ防止棚柱1を上下反転させても取付け穴14を使用できるように、取付け穴14は上下対称に形成されるのが望ましい。また、取付け穴14に取り付けた棚受5が第2部12と干渉しないように、取付け穴14の幅方向の中心線L1はウェブ部11aの幅方向の中心線L2よりも第2部12から離れているのが望ましい。
図2に示すように、ウェブ部11aと棚板6との間には、隙間δ1があってもなくてもよい。
【0018】
図5に示すように、第2部12は、板状である。第2部12の側面12-1と第1部11のフランジ部11bの側面11-1は、フラットに形成される。すなわち、第2部12の側面12-1と第1部11のフランジ部11bの側面11-1との間に段差はなく、これらは同一平面に配置される。第2部12の長さL2は、第1部11の長さL1よりも短いのが望ましい。
図2に示すように、第2部12と棚板6との間には、隙間δ2があってもなくてもよい。
【0019】
図6に示すように、棚板ずれ防止棚柱1に取り付けられる棚受5は、例えば水平部5aと垂直部5bを備える略L字状に形成される。水平部5aの後端には、下方に曲げられた爪15が形成される。垂直部5bの下端には、下方に曲げられた爪16が形成される。爪15と爪16を棚板ずれ防止棚柱1の任意の高さの一対の取付け穴14に嵌め、棚受5を押し下げれば、棚受5が一対の取付け穴14に掛け止めされる。棚板ずれ防止棚柱1のウェブ部11aと壁部4との間には、爪15,16を収容可能な隙間δ3が形成される。なお、棚受5の構成は限定されるものではなく、他の構成の棚受を用いることができ、棚受を1つの取付け穴14のみに取り付けてもよい。
【0020】
図2に示すように、棚柱2は、断面コ字状で上下方向に延びる。棚柱2は、ウェブ部2aと、ウェブ部2aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部2bと、を備える。ウェブ部2bには、棚柱2を壁部4に取り付けるための皿ねじ等のねじが通される取付け穴22(
図1参照)が形成される。また、ウェブ部2bには、棚受25が取り付けられる複数の取付け穴23(
図1参照)が形成される。棚柱2の取付け穴23の形状は、棚板ずれ防止棚柱1の取付け穴14の形状と同一であることが望ましいが、異なっていてもよい。棚柱2に取り付けられる棚受25の構成は、棚板ずれ防止棚柱1に取り付けられる棚受5の構成と同一であることが望ましいが、異なっていてもよい。
図2に示すように、棚柱2と棚板6との間には、隙間δ4があってもなくてもよい。
【0021】
以下に本実施形態の棚板ずれ防止棚柱1の作用と効果を説明する。
【0022】
予期せぬ棚板ずれ防止棚柱1への接触や地震等により、棚板6が前方へずれようとすると、棚板6が棚板ずれ防止棚柱1の第2部12に当たる。このため、棚板6の前方へのずれが防止される。棚板6の後方へのずれは、棚板6の奥側の壁部4a(
図2参照)に当たることによって防止される。
【0023】
前方から見ると、第2部12が棚板6と第1部11との間に生ずる隙間δ1を隠し、第2部12の側面が均一に見えるので、意匠性が向上する。
【0024】
棚板ずれ防止棚柱1が断面略L字状であるので、第1部11と第2部12とによって棚板6のずれを効果的に防止することができる。
【0025】
棚板ずれ防止棚柱1に棚受5が取り付けられる複数の取付け穴14を形成するので、棚板ずれ防止棚柱1が棚板6を支持することができる。
【0026】
棚板ずれ防止棚柱1の第1部11が、ウェブ部11aと、ウェブ部11aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部11bと、を備えるので、棚板ずれ防止棚柱1のウェブ部11aと壁部4との間に棚受5の爪15,16を収容する隙間δ3を形成することができる。
【0027】
棚板ずれ防止棚柱1の第2部12の側面12-1とフランジ部11bの側面11-1をフラットに形成するので、前方から見たときの棚板ずれ防止棚柱1の意匠性がより向上する。
【0028】
一対の棚板ずれ防止棚柱1を対向する一対の壁部4に左右対称に配置するので、左右の棚板ずれ防止棚柱1で棚板6の前方のずれを防止できる。
【0029】
棚柱セット3が、棚板ずれ防止棚柱1と、通常の棚柱2を備えるので、棚板6を多様に支持することができる。
(変形例)
【0030】
図7は、本発明の第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1を備える変形例の棚柱セット31を示す。陳列棚、本棚、下駄箱等の本体には、対向する一対の壁部4が形成される。ただし、本体には、棚板6の奥側の壁部が存在しない。
【0031】
変形例の棚柱セット31は、4つの棚板ずれ防止棚柱1(1a~1d)を備える。具体的には、変形例の棚柱セット31は、前側の一対の棚板ずれ防止棚柱1a,1bと、後ろ側の一対の棚板ずれ防止棚柱1c,1dと、を備える。4つの棚板ずれ防止棚柱1a~1dの第1部11、第2部12及び取付け穴14の形状は、同一である。棚板ずれ防止棚柱1aを上下反転させたものが棚板ずれ防止棚柱1b,1cである。棚板ずれ防止棚柱1aを平面内で180度させたものが棚板ずれ防止棚柱1dである。前側の一対の棚板ずれ防止棚柱1a,1bが棚板6の前方へのずれを防止する。後側の一対の棚板ずれ防止棚柱1c,1dが棚板6の後方へのずれを防止する。変形例の棚柱セット31のように、棚柱セット31が通常の棚柱2を備えていなくてもよい。
(第2の実施形態)
【0032】
図8及び
図9は、本発明の第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱41を備える棚柱セット43を示す。棚柱セット43は、棚板ずれ防止棚柱41と、通常の棚柱42と、を備える。4は壁部、6は棚板である。
【0033】
図8に示すように、第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱41は、第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1と同様に、断面略L字状で上下方向に延びる。棚板ずれ防止棚柱41は、第1部51と、第1部51に対して略直角な第2部52と、を備える。第1部51には、棚板ずれ防止棚柱41を壁部4に取り付けるための皿ねじ等のねじが通される取付け穴53が形成される。
図9に示すように、第1部51は、ウェブ部51aと、ウェブ部51aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部51bと、を備える。
【0034】
図10は右方向から見た棚板ずれ防止棚柱41の正面図を示し、
図11は棚板ずれ防止棚柱41の平面図を示す。第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱41は、棚板6を支持する機能を有さない。すなわち、棚板ずれ防止棚柱41には、棚受が取り付けられる複数の取付け穴が形成されていない。棚板ずれ防止棚柱41には、棚板ずれ防止棚柱41を壁部4に取り付けるための皿ねじ等のねじが通される取付け穴53のみが形成される。
【0035】
図9に示すように、棚柱42の構成は、
図2に示す棚柱2の構成と略同一である。ただし、
図9に示す棚柱42のフランジ部42bの立ち上がり高さは、
図2に示す棚柱2のフランジ部2bの立ち上がり高さよりも高い。
【0036】
図12に示すように、棚柱42に取り付けられる棚受45の構成は、
図6に示す棚受5の構成と略同一である。ただし、
図12に示す棚受45の水平部45aの後端には、上方に曲げられた爪46が形成され、垂直部45bの下端には、U字状に曲げられた爪47が形成される。
【0037】
第2の実施形態の棚板ずれ防止棚柱41は、第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1と同様な作用と効果を奏する。
(第3の実施形態)
【0038】
図13は、本発明の第3の実施形態の棚板ずれ防止棚柱60を示す。第3の実施形態の棚板ずれ防止棚柱60は、第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1と同様に、断面略L字状で上下方向に延びる。棚板ずれ防止棚柱60は、第1部61と、第2部62と、を備える。第1部61は、ウェブ部61aと、ウェブ部61aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部61bと、を備える。
【0039】
第1部61には、棚板ずれ防止棚柱60を壁部4に取り付けるための皿ねじ等のねじが通される取付け穴13が形成される。また、第1部61には、棚受5が取り付けられる複数の取付け穴14が形成される。取付け穴13と取付け穴14の形状は、第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1と同一であるので、同一の符号を附してその説明を省略する。
【0040】
第2部62は断面円弧状である。「断面略L字状」は、本実施形態のように第2部62が断面円弧状である場合も含む。第2部62の側面62-1は、第1部61のフランジ部61bの側面61-1に連続する曲面に形成される。すなわち、第2部62の側面62-1と第1部61のフランジ部61bの側面61-1との間に段差はない。このため、前方から見たときの棚板ずれ防止棚柱60の意匠性が向上する。
(第4の実施形態)
【0041】
図14は、本発明の第4の実施形態の棚板ずれ防止棚柱70を示す。第4の実施形態の棚板ずれ防止棚柱70は、第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1と同様に、断面略L字状で上下方向に延びる。棚板ずれ防止棚柱70は、第1部71と、第1部71に対して略直角な第2部72と、を備える。第1部71は、ウェブ部71aと、ウェブ部71aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部71bと、を備える。
【0042】
第1部71には、棚板ずれ防止棚柱70を壁部4に取り付けるための皿ねじ等のねじが通される取付け穴13が形成される。また、第1部71には、棚受5が取り付けられる複数の取付け穴14が形成される。取付け穴13と取付け穴14の形状は第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1と同一であるので、同一の符号を附してその説明を省略する。
【0043】
第2部72は、板状である。第1部71のフランジ部71bは、第2部72よりも前方に配置される。「断面略L字状」は、本実施形態のように第1部71のフランジ部71bが第2部72よりも前方に配置される場合も含む。
(第5の実施形態)
【0044】
図15は、本発明の第5の実施形態の棚板ずれ防止棚柱80を示す。第5の実施形態の棚板ずれ防止棚柱80は、第1の実施形態の棚板ずれ防止棚柱1と同様に、断面略L字状で上下方向に延びる。棚板ずれ防止棚柱80は、第1部81と、第1部81に対して略直角な第2部82と、を備える。第1部81は、ウェブ部81aと、ウェブ部81aから壁部4に向かって立ち上がる一対のフランジ部81bと、を備える。
【0045】
第5の実施形態では、第1部81と第2部82とが別体であると共に、これらが接着、溶着、圧入、ねじ止め等の公知の結合手段により結合される。フランジ部81bには、嵌合溝81b1が形成される。第2部82には、嵌合溝81b1に嵌る嵌合突起82aが形成される。第2部82の側面82-1と第1部81のフランジ部81bの側面81-1は、フラットに形成される。
【0046】
第5の実施形態の棚板ずれ防止棚柱80のように、第1部81と第2部82が別体でもよい。なお、嵌合溝81b1と嵌合突起82aを形成する代わりに、
図1に示すような断面コ字状の棚柱2の側面に板状の第2部を上記結合手段により結合させてもよい。
【0047】
なお、本発明の棚板ずれ防止棚柱及び棚柱セットは上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲で他の実施形態に具現化できる。
【0048】
例えば、上記実施形態では、棚板ずれ防止棚柱の第1部がウェブ部とフランジ部とから構成されているが、第1部を板状に形成してもよい。
【0049】
上記実施形態では、対向する一対の壁部に一対の棚板ずれ防止棚柱を配置しているが、対向する一対の壁部のいずれか一方にのみ棚板ずれ防止棚柱を配置してもよい。
【0050】
上記実施形態では、棚板ずれ防止棚柱及び/又は棚柱に棚板の跳ね上がりを防止する棚板固定装置を取り付けていないが、棚板の跳ね上がりを防止する棚板固定装置を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1,41,60,70,80…棚板ずれ防止棚柱
2,42…棚柱
3,31,43…棚柱セット
4…壁部
5…棚受
6…棚板
11,51,61,71,81…第1部
11a,51a,61a,71a,81a…ウェブ部
11b,51b,61b,71b,81b…フランジ部
11-1,61-1,81-1…フランジ部の側面
12,52,62,72,82…第2部
12-1,62-1,82-1…第2部の側面
13,53…ねじの取付け穴
14…棚受の取付け穴