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特開2024-55626プログラム、情報処理装置、方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055626
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20240411BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162708
(22)【出願日】2022-10-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】517019991
【氏名又は名称】株式会社プレシジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寿彦
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA23
(57)【要約】
【課題】入力された電子問診票、電子カルテといった医療行為の記録内容を簡易な手順により追記/修正する。
【解決手段】プロセッサ29とメモリ25とを備えるサーバ30を動作させるためのプログラムであって、メモリ25には電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであり、プログラムは、プロセッサ29に、第1のユーザから、入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、第1のユーザまたは第1のユーザと異なる第2のユーザから、電子カルテテンプレートの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、発話データ中に含まれる電子カルテテンプレートの入力項目に基づいて、修正を希望する電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップとを実行させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記メモリには電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、前記構造化データは、電子カルテテンプレートの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであり、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1のユーザから、前記入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記電子カルテテンプレートの前記構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、
前記発話データ中に含まれる前記電子カルテテンプレートの前記入力項目に基づいて、修正を希望する前記電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記メモリには電子問診票の構造化データが格納され、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診返答内容と問診設問が関連付けられたデータであり、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1のユーザから、前記問診設問を用いて前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける第4ステップと、
前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける第5ステップと、
前記発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する第6ステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項3】
一つの前記問診項目または前記入力項目に紐付けられた単語は複数存在する、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記メモリには、専門用語の同義語辞書が格納され、
前記第3ステップまたは前記第6ステップにおいて、前記同義語辞書を用いて修正を希望する前記問診項目または前記電子カルテテンプレートの内容を特定する
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プログラムは、さらに前記プロセッサに、
前記第3ステップまたは第6ステップにおいて特定した前記電子カルテテンプレートの内容、または前記問診項目に対応する前記問診返答内容について、前記発話データの入力を受け付け、受け付けた前記発話データを音声認識して音声認識データを取得し、この音声認識データに基づいて修正または追記を希望する修正内容を特定する第7ステップと、
前記第7ステップにおいて特定した前記修正内容で前記電子カルテテンプレートまたは前記問診返答内容の修正及び追記の少なくとも一方を行う第8ステップと
を実行させる、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第5ステップにおいて、前記電子カルテテンプレートの内容または前記問診返答内容の修正及び追記のいずれを行うかについての選択入力を受け入れ、受け入れた前記選択入力に基づいて、前記問診返答内容の修正及び追記の一方を行う
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第7ステップにおいて、前記第2のユーザからの前記発話データに基づき、前記発話データの連続性から複数の前記入力項目または前記問診項目の候補から一つの前記問診返答内容の候補を特定し、前記入力項目または前記問診項目を特定するためのデータの入力と前記電子カルテテンプレートの内容または前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力とを行う
請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第7ステップにおいて、前記音声認識データから、名詞である前記入力項目とこの入力項目に接続する助詞との組み合わせ、または名詞である前記問診項目とこの問診項目に接続する助詞との組み合わせを特定し、これら入力項目または前記問診項目と助詞との組み合わせに基づいて、前記入力項目または前記問診項目を特定するためのデータの入力と前記電子カルテテンプレートの内容または前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力とを行う
請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第7ステップにおいて、前記発話データまたは音声認識データを前記メモリに格納し、この音声認識データに基づいて、前記入力項目または前記問診返答内容の前記修正内容を異なる前記入力項目または前記問診返答内容の候補に関連付ける入力を受け入れ、前記候補から前記電子カルテテンプレートの内容または前記問診返答内容を特定する入力を受け入れる
請求項5に記載のプログラム。
【請求項10】
前記音声認識データは表記とそれに関連付けられた読みとを含み、
前記第7ステップにおいて、前記読みに基づいて、問診項目に関連付けられた問診回答候補を検索して、前記表記の候補を取得し、その候補の中から選択して特定する前記入力内容または前記問診内容の入力を受け入れる
請求項6に記載のプログラム。
【請求項11】
前記電子問診票の構造化データにおいて、前記問診項目には個々の前記問診項目を識別するための識別子が関連付けられており、
前記第7ステップにおいて、前記音声認識データに含まれる前記識別子により、複数の前記問診項目の候補から一つの前記問診返答内容の候補を特定し、前記問診項目を特定するためのデータの入力と前記問診返答内容の修正内容の特定のためのデータ入力とを行う
請求項5に記載のプログラム。
【請求項12】
前記電子問診票の構造化データは、前記問診返答内容に入力可能な単語、及び/または文字の種類に関する情報を有し、
前記第7ステップにおいて、前記情報に基づいて前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力を行う
請求項5に記載のプログラム。
【請求項13】
前記電子問診票の構造化データにおいて、前記問診項目に対応する前記問診返答内容は選択肢を含み、
前記第7ステップにおいて、前記問診返答内容が前記選択肢である場合、前記問診返答内容に対応する前記音声認識データが前記選択肢を表す文字データであれば、前記文字データに対応する前記選択肢により前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力を行う
請求項5に記載のプログラム。
【請求項14】
前記電子問診票の構造化データにおいて、前記問診項目に対応する前記問診返答内容の候補を含み、
前記第6ステップにおいて、特定された前記問診返答内容の候補に基づいて、前記問診返答内容の候補を提示する
請求項2に記載のプログラム。
【請求項15】
前記メモリには、前記問診項目に対応して、複数の音声認識エンジンが格納され、
前記第7ステップにおいて、前記第6ステップで特定された前記問診返答内容の候補に基づいて、前記音声認識エンジンのうち少なくとも1つの前記音声認識エンジンを選択する
請求項5に記載のプログラム。
【請求項16】
前記発話データには複数の前記問診項目及び前記問診返答内容の少なくとも一方が複数含まれており、
前記第7ステップにおいて、前記音声認識データに前記問診項目及び前記問診返答内容の区切りを示す単語が含まれていたら、この単語を認識して、複数の前記問診項目及び前記問診返答内容の少なくとも一方について前記修正内容を特定する
請求項5に記載のプログラム。
【請求項17】
前記第7ステップにおいて、前記問診項目に関連する複数の入力項目をもち、各前記入力項目に入力することが可能か評価する評価機能と、前記問診返答内容を形態素解析または最大長マッチなどを用いて単語または文字列を同定し、前記評価機能で可能と判断された単語また文字列を各項目の入力内容として確定する機能を持つ
請求項5に記載のプログラム。
【請求項18】
前記第3ステップにおいて、電子カルテテンプレートの入力内容に含まれる個人情報を匿名化または改変を行った前記入力内容により前記内容または前記問診項目を特定する、請求項1に記載のプログラム。
【請求項19】
前記メモリには、前記入力項目と関連付けられた前記入力内容が格納され、
前記第7ステップにおいて、前記入力内容に含まれる個人情報を匿名化または改変を行って前記問診返信内容を生成し、生成した前記問診返信内容をもとに音声データを作成し、前記音声データと前記問診返答内容をもとに学習された学習モデルを用いて、音声認識をおこなう
請求項15に記載のプログラム。
【請求項20】
前記問診項目は電子カルテの入力項目に対応付けられている、請求項5に記載のプログラム。
【請求項21】
前記プログラムは、さらに前記プロセッサに、
前記第8ステップにおいて修正及び追記の少なくとも一方を行った前記問診返答内容を前記電子カルテの前記入力内容に取り込む第9ステップ
を実行させる、請求項15に記載のプログラム。
【請求項22】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記メモリには電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、前記構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであり、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1のユーザから、前記入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記電子カルテテンプレートの前記構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、
前記発話データ中に含まれる前記電子カルテテンプレートの前記入力項目に基づいて、修正を希望する前記電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップと
を実行する、情報処理装置。
【請求項23】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記メモリには電子問診票の構造化データが格納され、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診内容とが関連付けられたデータであり、
前記プロセッサは、
第1のユーザから、前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける第1ステップと、
前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、
前記発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する第3ステップと
を実行する、情報処理装置。
【請求項24】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
前記メモリには電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、前記構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであり、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1のユーザから、前記入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記電子カルテテンプレートの前記構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、
前記発話データ中に含まれる前記電子カルテテンプレートの前記入力項目に基づいて、修正を希望する前記電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップと
を実行する、方法。
【請求項25】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
前記メモリには電子問診票の構造化データが格納され、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診内容とが関連付けられたデータであり、
前記プロセッサは、
第1のユーザから、前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける第1ステップと、
前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、
前記発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する第3ステップと
を実行する、方法。
【請求項26】
電子カルテテンプレートの構造化データが格納されたメモリであって、前記構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであるメモリと、
第1のユーザから、前記入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける手段と、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記電子カルテテンプレートの前記構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける手段と、
前記発話データ中に含まれる前記電子カルテテンプレートの前記入力項目に基づいて、修正を希望する前記電子カルテテンプレートの内容を特定する手段と
を具備する、システム。
【請求項27】
電子問診票の構造化データが格納されたメモリであって、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診内容とが関連付けられたデータであるメモリと、
第1のユーザから、前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける手段と、
前記第1のユーザと異なる第2のユーザから、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける手段と、
前記発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する手段と
を具備する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療施設を受診する際に、患者の既往歴や受診の理由等を事前に患者が問診票に記載し、看護師や医師などの医療従事者が、問診票に記載された内容に基づいて医療行為を行うことは周知である。近年、患者の回答である問診内容をタブレット等の情報処理装置を介して入力し、入力された問診内容を電子カルテの入力内容として取り込むことが可能な、電子問診票と呼ばれる技術が提案されている。
【0003】
上述した技術に関連する技術として、特許文献1に開示された技術がある。
【0004】
特許文献1には、医療支援装置に関する技術が開示されている。医療支援装置において、問診項目表示手段は問診項目を表示器に表示する。問診項目選択手段は複数の前記問診項目から一の前記問診項目を選択する。音声認識手段は、選択された辞書を用いて、入力された音声の音声認識を行い、音声に対する語句候補を抽出する。語句候補表示手段は抽出された語句候補を表示器に表示する。選択操作受付手段は語句候補から一の語句候補の選択操作を受付ける。記憶制御手段は、選択操作された一の語句候補を、選択した一の前記問診項目に対する回答として記憶手段に記憶させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-156844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術では、音声認識する際に問診項目をまずユーザが選択する必要がある。このため、既に患者等が入力した電子問診票の内容を修正するには、修正をする医療従事者等が個別に問診項目を手入力等で選択する手間がかかる。
【0007】
なお、かかる課題は、電子カルテのテンプレートに規定された入力項目に対応する入力内容を修正する際にも同様に生じうる。
【0008】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、入力された電子問診票、電子カルテといった医療行為の記録内容を簡易な手順により追記/修正する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムである。メモリには電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータである。プログラムは、プロセッサに、第1のユーザから、入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、第1のユーザまたは第1のユーザと異なる第2のユーザから、電子カルテテンプレートの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、発話データ中に含まれる電子カルテテンプレートの入力項目に基づいて、修正を希望する電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、入力された電子問診票、電子カルテといった医療行為の記録内容を簡易な手順により追記/修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るシステムの全体の構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る端末装置の機能的な構成を示す図である。
図3】一実施形態に係る端末装置の機能的な構成を示す図である。
図4】一実施形態に係るサーバの機能的な構成を示す図である。
図5】一実施形態に係る電子カルテデータベースのデータ構造を示す図である。
図6】一実施形態に係る電子問診票データベースのデータ構造を示す図である。
図7】一実施形態に係るシステムにおける処理流れの一例を示すフローチャートである。
図8】一実施形態に係るシステムにおける処理流れの他の例を示すフローチャートである。
図9】一実施形態に係るシステムにおける処理流れのまた他の例を示すフローチャートである。
図10】一実施形態に係る端末装置で表示される画面の一例を表す模式図である。
図11】一実施形態に係る端末装置で表示される画面の別の一例を表す模式図である。
図12】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
図13】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
図14】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
図15】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
図16】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
図17】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
図18】一実施形態に係る端末装置で表示される画面のまた別の一例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0013】
また、以下の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0014】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0015】
また、以下の説明において、「xxxテーブル」といった表現により、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワークのような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。
【0016】
また、以下の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0017】
また、以下の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部及び/又はインタフェース部などを用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス)とされてもよい。
【0018】
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0019】
また、以下の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0020】
また、以下の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0021】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0022】
<0 システムの概要>
本開示に係るシステムは、電子カルテのテンプレート及び電子問診票のテンプレートの生成、及び、電子カルテ及び電子問診票の入力内容の追記/修正を行うシステムである。
【0023】
本明細書において、電子カルテの保存内容は電子カルテテンプレートに基づいて生成され、同様に、電子問診票データは電子問診票に基づいて生成される。また、電子問診票は電子カルテテンプレートと紐付けられ(項目間の関連付けがされ)、必要に応じて電子カルテテンプレートから電子問診票が生成される。
【0024】
電子カルテテンプレートは、入力項目とこの入力項目に関連付けられた入力内容とを有する構造化データである。ここに、構造化データとは、ストレージに配置される前に事前定義され、ある定められた構造となるように整形されたデータである。これに対して、非構造化データとは、ネイティブな形式のまま保存され、使用時まで処理されないデータである。電子カルテは、この電子カルテテンプレートに基づいてその入力項目が規定される。
【0025】
電子問診票は、問診項目とこの問診項目に関連付けられた問診設問及び問診返答内容とを有する構造化データである。問診項目は電子問診票の各項目のインデックスであり、医療従事者がどの項目であるかを特定するために、医学用語を用いた比較的短い内容である。問診項目は、電子カルテテンプレートの入力項目と共通であってもよく、むしろ、問診項目と入力項目とが共通であることが、後述する医療従事者による問診返答内容の修正作業を行う観点からは好ましい。問診設問は、実際に患者に対して問いかけを行う設問であり、患者が閲覧してその内容を容易に理解できる表現になっている。問診設問は選択肢形式であったり自由回答形式であったり、その設問形式は多様である。問診返答内容は、問診設問に対して実際に患者が返答した内容であり、問診設問が選択肢形式であればいずれかの選択肢を選択したものであり、自由回答形式であれば自由文が入力される。また、電子問診票データは、上述した問診返信内容が問診項目に関連付けられたデータである。本開示に係るシステムでは、電子問診票データは電子カルテテンプレートに基づいて生成され、また、既存の電子問診票がこれも既存の電子カルテテンプレートに関連付けられうる。
【0026】
電子カルテテンプレートと電子問診票との関連付けとは、少なくとも電子カルテテンプレートの入力項目と電子問診票の問診項目とが関連付けられていることを意味する。つまり、入力された電子問診票データを電子カルテに取り込むことを前提に、電子カルテテンプレートの入力項目の中から患者に対して入力を求める項目を問診項目として選択し、この問診項目に対する問診返信内容が電子カルテの入力内容として取り込まれることを念頭に置いて、入力項目と問診項目との関連付けがされ、さらに、問診項目に対応する問診返信内容が入力内容として関連付けられている。
【0027】
ここで、電子カルテテンプレート及び電子カルテの入力項目及び入力内容は医療従事者が入力/修正/追記し、また、医療従事者が閲覧することを前提に作成されている。このことは、入力項目及び入力内容は医学的知識を前提とし、また、医学的に正確なものである必要がある。
【0028】
一方、電子問診票は患者が閲覧して入力することを前提としている。医療現場において看護師等の医療従事者が問答形式で問診票の問診設問を患者に尋ね、患者からの回答に基づいて医療従事者が問診返信内容を代理記録することはあり得る。しかしながら、このような医療従事者を介した電子問診票の入力作業は医療従事者の負担になるとともに、電子問診票の問診返信内容入力に多くの時間を要することになり、問診票を電子化したメリットを十分に享受できているとはいえない。
【0029】
また、電子問診票は、患者が自ら閲覧し記録することから、その問診設問は患者にとって理解が容易なものであることが好ましい。このことは、電子カルテ(テンプレート)の入力項目をそのまま電子問診票の問診設問とした場合、患者が問診設問で尋ねられている内容を容易にかつ正確に理解できない可能性を排除できない。加えて、問診設問を患者が理解できたとしても、問診設問に対する問診返信内容をそのまま電子カルテの入力内容にするには、やはり医学的に正確なものでない可能性も排除できない。
【0030】
そこで、本開示に係るシステムでは、電子カルテテンプレートに基づく電子問診票において、患者による電子問診票の入力をスムーズにする目的で、入力項目に基づく問診設問を患者が容易に回答可能なものに修正等を行う。また、問診返信内容を選択肢にするなどして、同様に電子問診票の入力をスムーズにするとともに、医学的に正確な問診返信内容に近付けている。
【0031】
また、本開示に係るシステムでは、患者が入力した電子問診票の問診返信内容を電子カルテに取り込む前作業として、患者が入力した問診返信内容に対して医学的等の観点から修正/追記を行う際に、医療従事者が音声入力で修正/追記内容を発話し、この発話データを音声認識して音声認識データを取得し、この音声認識データを用いて問診返信内容の修正/追記を行っている。この際、本開示に係るシステムは、音声認識データに含まれる問診項目を手がかりに修正/追記を行うべき問診返信内容を特定し、同様に音声認識データに含まれる問診返信内容の修正候補を抽出し、この問診返信内容の修正候補を医療従事者に提示して問診返信内容の修正/追記を行っている。
【0032】
<一実施形態>
<1 システム全体の構成図>
図1は、本実施形態の電子カルテシステム1の全体の構成を示す図である。図1に示すように、電子カルテシステム1は、複数の端末装置(図1では、端末装置10及び端末装置20を示している。以下、総称して「端末装置10」ということもある)と、サーバ30とを含む。端末装置10、20とサーバ30とは、ネットワーク80を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク80は、有線または無線ネットワークにより構成される。本実施形態では、サーバ30はWebサーバ(クラウドサーバを含む)としての機能を有するサーバであり、端末装置10、20との間でWebページにより情報のやり取りを行う。また、端末装置10、20にはWebページを閲覧するためのWebページブラウザがインストールされているが、サーバ30のサービスを提供するための専用アプリケーションがインストールされ、専用アプリケーションにより閲覧可能に構成してもよい。
【0033】
端末装置10のハードウェア構成と端末装置20のハードウェア構成とは共通するので、端末装置10のハードウェア構成について説明することで、端末装置20のハードウェア構成の説明を省略する。なお、端末装置10の構成要素と同一の端末装置20の構成要素については、参照符号を2から始まるものとして、参照符号の体系を同じにしている。
【0034】
端末装置10は、患者が操作する装置である。患者は、端末装置10の出力装置14に表示される電子問診票の問診設問を閲覧し、この問診設問に対応する問診返信内容を入力装置13により入力する。なお、医療従事者が患者による端末装置10の操作、つまり電子問診票の問診返信内容の入力を支援することもあり得る。端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、ラップトップPC等により実現される。この他、端末装置10は、例えば移動体通信システムに対応したタブレットや、スマートフォン等の携帯端末であるとしてもよい。
【0035】
端末装置10は、ネットワーク80を介してサーバ30と通信可能に接続される。端末装置10は、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に対応した無線基地局81、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11等の無線LAN(Local Area Network)規格に対応した無線LANルータ82等の通信機器と通信することにより、ネットワーク80に接続される。図1に示すように、端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0036】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置(例えば、キーボードや、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス等)である。出力装置14は、ユーザに対し情報を提示するための出力装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。記憶部16は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0037】
端末装置20は、医療従事者または電子カルテシステム1の管理者が操作する装置である。ここに、医療従事者とは、医師、看護師、医療知識を有する検査技師等を含む概念である。なお、以下の説明において、医療従事者とシステム1の管理者とを区別して説明する時以外は、医療従事者にはシステム1の管理者が含まれるものとする。
【0038】
医療従事者は、端末装置20を用いて電子カルテテンプレートと既存の電子問診票との関連付け(紐付け)操作を行い、また、既存の電子カルテテンプレートから電子問診票を生成する。電子問診票の紐付け、及び新規電子問診票の生成の際に、医療従事者は、電子問診票の問診設問の修正/追記/削除(ここにいう削除とは、問診設問を全く削除すること以外に、複数の問診設問を1つの問診設問にまとめ、全体として問診設問の数を減少させることも含む)を行い、また、問診設問に対応する問診返信内容の選択肢の生成/修正/追記/削除を行う。
【0039】
また、医療従事者は、端末装置10を使用して患者が入力した電子問診票の問診返信内容を閲覧し、主に、電子カルテの入力内容に電子問診票の問診返信内容を取り込む際に、医学的観点から修正/追記を行うべきと判断した問診返信内容の箇所について、発話データを端末装置20に入力し、修正/追記を指示する。端末装置20は、発話データを音声認識して音声認識データを取得し、この音声認識データに基づいて問診返信内容の修正/追記を行う。そして、医療従事者は、修正/追記を行った問診返信内容を電子カルテの入力内容として取り込む指示を行う。
【0040】
サーバ30は、本実施形態の電子カルテシステム1の管理者により管理され、端末装置20の利用者である医療従事者により適宜格納内容が修正/追加/削除がされる。サーバ30は電子カルテ装置であり、医療施設において医療従事者が図略の端末装置を介して電子カルテの入力項目及び入力内容を閲覧し、入力内容の修正/追記を行う。また、端末装置20を介して医療従事者が行った電子カルテテンプレート及び電子問診票の編集操作を受け入れ、この編集操作に基づいて納内容が修正/追加/削除がされる。
【0041】
サーバ30は、ネットワーク80に接続されたコンピュータである。サーバ30は、通信IF32と、入出力IF33と、メモリ35と、ストレージ36と、プロセッサ39とを備える。
【0042】
通信IF32は、サーバ30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。入出力IF33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。メモリ35は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。ストレージ36は、データを保存するための記憶装置であり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0043】
<1.1 端末装置10の機能的な構成>
図2は、図1に示す端末装置10の機能的な構成の例を表すブロック図である。図2に示す端末装置10は、例えば、PC、携帯端末、またはウェアラブル端末により実現される。図2に示すように、端末装置10は、通信部120と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカー172と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0044】
通信部120は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部120は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ30)へ送信する。通信部120は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0045】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、または情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、キーボード、マウス、リーダー等により実現されてもよい。端末装置10が携帯端末等である場合には、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。入力装置13は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0046】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0047】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカー172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカー172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0048】
記憶部180は、例えば、メモリ15、および記憶部16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、およびプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、電子問診票データ182、画像データ183を記憶する。
【0049】
電子問診票データ182は、サーバ30に格納されている電子問診票3027に基づいて生成され、患者が端末装置10を操作して問診返信内容の入力を行った電子問診票のデータである。
【0050】
画像データ183は、患者に対して電子問診票を提示する際に使用される画像データである。
【0051】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるアプリケーションプログラム181を読み込み、アプリケーションプログラム181に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、記憶部180に格納されたアプリケーションプログラム181に従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、データ処理部193と、提示制御部194と、電子問診票入力部195と、電子問診票データ送出部196としての機能を発揮する。
【0052】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、または情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、キーボード、マウス等から入力される指示に基づく情報を受け付ける。
【0053】
また、操作受付部191は、マイク171から入力される音声指示を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部191は、マイク171から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。操作受付部191は、例えば、受信した音声信号を分析して所定の名詞を抽出することで、ユーザからの指示を取得する。
【0054】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ30等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部192は、ユーザから入力された業務内容をサーバ30へ送信する。また、送受信部192は、ユーザに関する情報を、サーバ30から受信する。
【0055】
データ処理部193は、端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、アプリケーションプログラム181に従って演算を行い、演算結果をメモリ15等に出力する処理を行う。
【0056】
提示制御部194は、サーバ30から提供された情報をユーザに対して提示するため、出力装置14を制御する。具体的には、例えば、提示制御部194は、サーバ30から送信される情報をディスプレイ141に表示させる。また、提示制御部194は、サーバ30から送信される情報をスピーカー172から出力させる。
【0057】
電子問診票入力部195は、提示制御部194によりディスプレイ141に表示された電子問診票の問診設問に対して患者が入力した問診返信内容の入力(この問診返信内容の入力は、予め設定された問診設問の選択肢のいずれかに対する選択入力を含む)を受け入れ、受け入れた問診返信内容の入力を、この問診返信内容に関連付けられた問診項目に紐付けて電子問診票データ182に格納する。
【0058】
電子問診票データ送出部196は、電子問診票入力部195により問診返信内容の入力が受け入れられ、記憶部180に電子問診票データ182として格納された電子問診票データ182をサーバ30に送出する。
【0059】
<1.2 端末装置20の機能的な構成>
図3は、図1に示す端末装置20の機能的な構成の例を表すブロック図である。図3に示す端末装置10は、例えば、PC、携帯端末、またはウェアラブル端末により実現される。
【0060】
端末装置20の機能的な構成は端末装置10の機能的な構成と共通するものが多いので、端末装置10の機能的な構成と異なる部分を中心に説明を行う。
【0061】
記憶部280は、例えば、メモリ25、およびストレージ26等により実現され、端末装置20が使用するデータ、およびプログラムを記憶する。記憶部180は、例えば、電子問診票データ282、音声認識データ283、専門用語データ284、教師データ285、学習モデル286を記憶する。
【0062】
電子問診票データ282は、患者が端末装置10を操作して問診返信内容の入力を行った電子問診票のデータであり、後述する電子問診票データ取得部295がサーバ30の記憶部302から取得した電子問診票データ3026である。なお、電子問診票データ282は、電子問診票データ3026の一部であってもよい。つまり、詳細は後述するが、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票データ3026は、サーバ30(つまり電子カルテ装置)が管理する全ての電子問診票データであるが、端末装置20において後述する修正/追記を行う電子問診票データは特定の患者が入力した特定の電子問診票に係るデータであってもよいからである。
【0063】
音声認識データ283は、制御部290の音声認識部296が音声認識を行った結果得られた音声認識データである。音声認識データ283は、一例として、漢字と平仮名が混じったデータであり、また、漢字とその読み仮名である平仮名とのペアのデータであってもよい。
【0064】
専門用語データ284は、制御部290の修正項目特定部297が、音声認識データ283に基づいて電子問診票の問診返信内容の修正/追記を行う際に、修正/追記を行うべき問診返信内容に係る問診項目を特定するために用いる専門用語データである。ここにいう専門用語は、いわゆる医学用語を少なくとも含み、さらに、問診項目に用いられている専門的な用語を含む。好ましくは、専門用語データ284は、これら医学用語等の同義語辞書を有する。
【0065】
学習モデル286は、医療従事者等が発してマイク271により取得した発話データに基づいて音声認識部296が音声認識を行い、音声認識データ283を生成する際に用いられる学習モデルである。つまり、学習モデル286は、記憶部280に一時的に格納された発話データを入力データとし、音声認識データ283を出力する。
【0066】
学習モデル286は、教師データ285に基づき、図略のモデル学習プログラムに従って機械学習モデルに機械学習を行わせることにより得られる。教師データ285は、一般的に機械学習により音声認識を行う際に用いられる、多数の話者の発話データとこの発話データに対応し、正しく音声認識されたテキストデータとの対からなるものである。この際、端末装置20が複数の学習モデル286及び教師データ285を有していてもよい。特に、電子問診票の問診項目によって学習モデル286(ひいてはその前提となる教師データ285)を適宜選択することが好ましいので、記憶部280が複数の学習モデル286及びこの学習モデル286に対応する教師データ285を有することが好ましい。
【0067】
本実施形態に係る学習モデル286は、例えば、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数、及びパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る予測モデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であってもよいが、多層のネットワークモデル(以下、多層化ネットワークと呼ぶ)であるとする。多層化ネットワークを用いる予測モデルは、入力層と、出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層あるいは隠れ層とを有する。予測モデルは、人工知能ソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとしての使用が想定される。
【0068】
本実施形態に係る多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)が用いられ得る。DNNとしては、例えば、画像を対象とする畳み込みニューラルネットワーク(Convolution Neural Network:CNN)を用いてもよい。
【0069】
また、上記はあくまで予測モデルの例示であり、予測モデルとしては、他の構成を備えてもよい。例えば、予測モデルは、狩猟情報および環境情報を変数とし、各変数に過去の実績から導出された係数が付された関数により記述されるルールベースのモデルであってもよい。
【0070】
好ましくは、教師データ285は、過去に蓄積された発話データと電子カルテテンプレート3024とを含む。つまり、一般的な音声認識用の教師データのみならず、既に電子カルテとして取り込まれている、電子問診票データ282に対する音声認識に適した実際のデータであることが好ましい。但し、過去に蓄積された電子カルテテンプレート3024には、患者の氏名、生年月日、連絡先、非常にまれな疾患などの個人情報が当然に含まれている。個人情報保護法は、かかる個人情報についての管理手法を厳格に定めている。従って、かかる制限のある電子カルテテンプレート3024を音声認識処理に用いることは、扱いを厳格に行う必要があると共に、個人情報漏洩の危険性を孕むことになる。そこで、本開示に係るシステム1では、実際の電子カルテテンプレート3024に対して少なくとも一部を匿名化するか、また、改変することで、個人情報保護を図るとともに、データ活用の利便性を高めている。
【0071】
具体的には、教師データ285として、実際の電子カルテテンプレート3024に対して数字の一部を所定値だけ増減する、他の患者の電子カルテテンプレート3024と同一問診項目で問診返信内容を入れ替えるなどの改変を行うことで、実際の電子カルテデータ3023の改変を行っている。他、固有名詞をマスキングすることで、個人情報を匿名化している。同時に単語として、形態素解析を行い、非常にまれな単語は表示をマスキングしている。
【0072】
また、教師データ285として、漢字とその読み仮名との関係についてのデータを含めておくことが好ましい。このような教師データ285により機械学習を行った学習モデル286を用いれば、後述する修正項目特定部297による修正内容特定の際に、読み仮名を発話データとして入力すれば、読み仮名から他の類似の音を持つ漢字への置換指示行うことができる。
【0073】
制御部290は、プロセッサ29が記憶部280に記憶されるアプリケーションプログラム281を読み込み、アプリケーションプログラム281に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部290は、端末装置20の動作を制御する。制御部290は、記憶部280に格納されたアプリケーションプログラム281に従って動作することにより、操作受付部291と、送受信部292と、データ処理部293と、提示制御部294と、電子問診票データ取得部295と、音声認識部296と、修正項目特定部297と、修正内容入力部298と、電子問診票データ送出部299としての機能を発揮する。
【0074】
操作受付部291、送受信部292、データ処理部293、及び提示制御部294の動作は、端末装置10の操作受付部191、送受信部192、データ処理部193、及び提示制御部194と同様であるので、これらの説明は省略する。
【0075】
電子問診票データ取得部295は、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票データ3026を取得し、電子問診票データ282として記憶部280に格納する。
【0076】
音声認識部296は、医療従事者がマイク271を介して入力した発話データに基づいて、この発話データを学習モデル286に入力することで、出力結果としての音声認識データ283を取得する。
【0077】
この際、音声認識部296は、発話データに含まれる、電子問診票の問診項目に相当する発話データを音声認識して、どの問診項目に係る発話データであるかを判定し、この判定結果に基づいて、判定結果である問診項目に適した学習モデル286を、記憶部280に複数格納されている学習モデル286から選択し、選択した学習モデル286に基づいて音声認識処理を行うことが好ましい。
【0078】
修正項目特定部297は、音声認識部296の出力結果である音声認識データ283を参照し、この音声認識データ283と専門用語データ284とを照合して、音声認識データ283に含まれる電子問診票の問診項目を特定する。そして、修正項目特定部297は、特定した問診項目に引き続き医療従事者が発話した発話データに基づく音声認識データ283から、修正/追記をすべき問診返信内容を特定する。つまり、発話データ(ひいては音声認識データ283)において問診項目と問診返信内容とが連続的に(ここにいう連続的とは、発話者である医療従事者が問診項目とこの問診項目に対応する、修正/追記した内容である問診返信内容とが一連に発話されていると客観的に認識できる程度の時間間隔という意味である。すなわち、時間間隔が全くない場合のみならず、一連に発話されていると客観的に認識できればそれは連続的の範疇に入りうる)発話されていることを修正項目特定部297が認識し、この連続性に基づいて、発話者である医療従事者が修正/追記を指示した問診返信内容を音声認識データ283から抽出し、この音声認識データ283に基づいて問診返信内容の修正/追記の候補を抽出する。
【0079】
さらに、修正項目特定部297は、上述した連続性に基づいて、発話データ(音声認識データ283)に含まれる問診項目の候補を複数抽出し、いずれの問診項目についての修正/追記指示であるかを、端末装置20の操作者(つまり医療従事者)に提示してもよい。この後、修正内容入力部298は、端末装置20の操作者からの問診項目の選択指示を受け入れて、修正/追記内容を確定する。
【0080】
ここに、発話者である医療従事者の発話データは、名詞である問診項目とこの問診項目に接続する「は」などの助詞と、この助詞に引き続き発話される、修正/追記の対象である問診返信内容との一連のまとまりを有すると考えられる。そこで、修正項目特定部297は、予め特定の助詞(一例として「は」)をキーとして、この助詞の前に発話された発話データは問診項目に対応するものであると推測し、問診項目の特定を行うとともに、特定した問診項目に連続して発話された助詞(例えば「は」)に引き続き発話された発話データを、この問診項目に関連付けられた問診返信内容であり、発話者が修正/追記をするために発話した問診返信内容であると判定し、音声認識データ283に基づいて、修正/追記の対象となる問診返信内容を特定する。
【0081】
さらに、修正項目特定部297は、問診項目と助詞との連続性から問診返信内容まで特定できることから、問診返信内容が一定の選択肢で表現できるものである場合、問診返信内容の候補(選択肢)を予め用意し、問診返信内容の候補を操作者(発話者である医療従事者)に提示して問診返信内容の候補の選択を求めてもよい。この後、修正内容入力部298は、端末装置20の操作者からの問診返信内容の選択指示を受け入れて、修正/追記内容を確定する。
【0082】
なお、上述した修正項目特定部297の動作は、教師データ285にパターン(例えば問診項目と助詞と問診返信内容との関連付け、及び、問診返信内容の候補)を設けておき、この教師データ285に基づいて学習モデル286を学習させることにより、音声認識部296の動作として実現することも可能である。
【0083】
また、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票3027の問診項目に、それぞれの問診項目を特定するための識別子、例えば番号が付されており、この識別子が電子問診票データ282にも含まれている場合、修正項目特定部297は、音声認識データ283に問診項目の識別子が含まれていると判定したら、この識別子に基づいて修正/追記の対象である問診項目を特定し、さらに、特定した問診項目に対応付けられた問診返信内容の修正/追記内容が音声認識データ283に含まれていると判定し、問診返信内容の修正/追記内容を特定してもよい。
【0084】
さらに、問診返信内容として入力可能な単語、及び/または文字の種類を特定、限定する情報(図略)が記憶部280に格納されていてもよい。この場合、修正項目特定部297は、音声認識データ283から問診返信内容を特定する際に、音声認識データ283に含まれるテキストデータがこれら特定、限定された情報に合致するか否かを判定し、合致したら、修正/追記対象の問診返信内容の入力であるとして特定してもよい。一例として、問診項目が「患者の連絡先」であるならば、問診返信内容は数字列である必要がある。従って、音声認識データ283が数字列である部分を問診返信内容として特定してもよい。あるいは、音声認識部296が、かかる情報に基づいて、問診項目が「患者の連絡先」であるならば、この問診項目に続いて発話された問診返信内容は数字列でなければならないとして、音声認識処理を行ってもよい。
【0085】
さらに、問診返信内容が選択肢である場合、修正項目特定部297は、いずれかの選択肢が音声認識データ283に含まれているならば、発話者である医療従事者が修正/追記を指示するために発話した音声認識データ283はこの選択肢を表すものであるとし、修正/追記の対象となる問診返信内容を特定してもよい。また、修正項目特定部297は、音声認識データ283に基づいて問診項目を特定したら、特定した問診項目に関連付けられた問診返信内容の選択肢を提示してもよい。この後、修正内容入力部298は、操作者である医療従事者等からの選択入力を受け入れ、受け入れた選択入力に基づいて問診返信内容の修正/追記を確定する。
【0086】
ここで、発話者である医療従事者は、問診項目、問診返信内容の区切りを示す、予め定めた単語、例えば「改行」と発話し、音声認識部296による音声認識の結果、予め定めた単語が音声認識データ283に含まれていた場合、修正項目特定部297は、この単語により問診項目、問診返信内容の区切りが入力されたものと判断する。さらに、修正項目特定部297は、この区切りとなる単語の後における音声認識データ283についても問診項目及び問診返信内容の特定を行う。このようにして、発話者が一連の発話を行ったとしても、問診項目及び問診返信内容の特定を確実に行うことができる。
【0087】
例えば、問診項目の一例である既往歴の項目は、そのあと、発症年、疾患名、治療方法、治療医療機関などの情報を入れることでさらなる複数の関連項目、ひいては電子カルテテンプレート3023の入力項目を入力することが求められる。「既往歴は、34歳で大腸がん、名古屋病院で手術。治癒、改行、2002年から前立腺がん、当院で前立腺がん切除手術。治癒、」との発話データに対する音声認識処理としては、まず「既往歴」という関連項目を確認し、次に別の関連項目または「改行」という言葉を確認するまでの文章を確認し、その中から、病名である「前立腺がん」、治療名である「前立腺がん切除手術、手術、治癒」、時期を意味する「34歳」、「2002年から」、医療機関名を意味する「名古屋病院」「当院」を探索し、発症年は時期、疾患名は疾患名、治療方法は治療、治療医療機関は医療機関名を同定して、既往歴の項目をさらに細かく構造化することができる。そのために、修正項目特定部297は、各サブ項目名と、各サブ項目に入力が許される単語一覧を持ち、その単語一覧をもとに判定をする。
【0088】
修正内容入力部298は、修正項目特定部297により特定されて端末装置20の操作者に提示された問診項目及び問診返信内容について、操作者からの(選択入力及び承諾/キャンセル等の入力を含む)入力を受け入れ、受け入れた入力に基づいて問診項目及び問診返信内容を修正/追記し、これら問診項目等の入力を確定する。そして、修正内容入力部298は、確定した問診項目及び問診返信内容を用いて、電子問診票データ282の修正/追記を行う。
【0089】
この際、修正内容入力部298は、修正項目特定部297が特定した問診項目及び/または問診返信内容のそれぞれについて、修正/追記のいずれを行うかの選択を操作者に提示し、操作者からの選択指示に基づいて問診項目及び問診返信内容を修正/追記してもよい。
【0090】
また、修正内容入力部298は、修正項目特定部297により特定された問診項目/問診返信内容が、操作者が意図するものでない場合、記憶部280に格納されている音声認識データ283を参照して、特定動作のやり直しを修正項目特定部297に指示してもよい。また、修正内容入力部298は、修正項目特定部297により特定された問診返信内容は意図したものであるが、この問診返信内容に関連付けられた問診項目が操作者の意図と異なる場合、音声認識データ283を参照して、特定された問診返信内容を異なる問診項目に関連付ける入力を操作者から受け入れてもよい。
【0091】
電子問診票データ送出部299は、修正内容入力部298により確定された電子問診票データ282をサーバ30に送出する。
【0092】
<1.3 サーバ30の機能的な構成>
図4は、サーバ30の機能的な構成の例を示す図である。図4に示すように、サーバ30は、通信部301と、記憶部302と、制御部303としての機能を発揮する。
【0093】
通信部301は、サーバ30が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0094】
記憶部302は、例えば、電子カルテDB3022と、電子カルテデータ3023と、電子カルテテンプレート3024と、電子問診票DB3025と、電子問診票データ3026と、電子問診票3027と、関連付けデータ3028等とを有する。
【0095】
電子カルテDB3022は、サーバ30を利用する医療施設を受診したことがある患者についての電子カルテデータ3023を管理するためのデータベースである。電子カルテDB3022は、複数の医療施設における電子カルテデータ3023を管理してもよい。詳細は後述する。
【0096】
電子カルテデータ3023は、電子カルテDB3022により管理される電子カルテデータであり、サーバ30を利用する医療施設を受診したことがある患者についての電子カルテデータ3023である。電子カルテデータ3023そのものは既知であるので、その詳細は割愛するが、電子カルテデータ3023は、入力項目とこの入力項目に関連付けられた入力内容とを有する。電子カルテデータ3023のデータ形式には特段の限定はないが、本実施例の電子カルテデータ3023は、XAML(Extensible Application Markup Language)で記述されたデータをJSON(JavaScript Object Notation)(JavaScriptは登録商標)形式に変換したものである。電子カルテデータ3023は、その入力項目に数字列などの識別子が付与されていることが好ましく、この識別子も電子カルテデータ3023を構成する。
【0097】
電子カルテテンプレート3024は、電子カルテデータ3023を生成する際のテンプレートデータである。電子カルテテンプレート3024は、入力項目とこの入力項目に関連付けられた入力内容を規定する構造化データである。電子カルテテンプレート3024のデータ形式にも特段の限定はないが、本実施例の電子カルテテンプレート3024は、電子カルテデータ3023と同様に、XAMLで記述されたデータをJSON形式に変換したものである。電子カルテデータ3023と同様に、電子カルテテンプレート3024は、その入力項目に数字列などの識別子が付与されていることが好ましく、この識別子も電子カルテテンプレート3024を構成する。
【0098】
個々の電子カルテテンプレート3024には、それぞれの電子カルテテンプレート3024を識別するための識別子が関連付けられている。一例として、電子カルテテンプレート3024の識別子は所定桁の数字列である。電子カルテテンプレート3024の識別子は、後述する電子問診票作成モジュール3033により付与される。
【0099】
電子問診票DB3025は、サーバ30を利用する医療施設を受診したことがある患者についての電子問診票データ3026を管理するためのデータベースである。電子問診票DB3025は、複数の医療施設における電子問診票データ3026を管理してもよい。詳細は後述する。
【0100】
電子問診票データ3026は、電子問診票DB3025により管理される電子問診票データであり、サーバ30を利用する医療施設を受診したことがある患者についての電子問診票データ3026である。本実施例の電子問診票データ3026は、端末装置10により生成されて電子問診票データ182として記憶部180に格納されたものであり、また、端末装置20において修正/追記がされて電子問診票データ282として記憶部280に格納されたものである。
【0101】
電子問診票データ3026は、問診項目とこの問診項目に関連付けられた問診設問及び問診返信内容とを有する。電子問診票データ3026のデータ形式には特段の限定はないが、本実施例の電子問診票データ3026は、電子カルテデータ3023と同様に、XAMLで記述されたデータをJSON形式に変換したものである。電子問診票データ3026は、その問診項目に数字列などの識別子が付与されていることが好ましく、この識別子も電子問診票データ3026を構成する。
【0102】
電子問診票3027は、電子問診票データ3026を生成する際のテンプレートデータである。電子問診票3027は、問診項目とこの問診項目に関連付けられた問診設問及び問診内容を規定する構造化データである。電子問診票3027のデータ形式にも特段の限定はないが、本実施例の電子問診票3027は、電子問診票データ3026と同様に、XAMLで記述されたデータをJSON形式に変換したものである。電子問診票データ3026と同様に、電子問診票3027は、その入力項目に数字列などの識別子が付与されていることが好ましく、この識別子も電子問診票3027を構成する。
【0103】
個々の電子問診票3027には、それぞれの電子問診票3027を識別するための識別子が関連付けられている。一例として、電子問診票3027の識別子は所定桁の数字列である。電子問診票3027の識別子は、後述する電子問診票作成モジュール3033により付与される。
【0104】
関連付けデータ3028は、電子カルテテンプレート3024と電子問診票3027との関連付けを記述するデータである。関連付けデータ3028は、一例として、電子カルテテンプレート3024の識別子と電子問診票3027の識別子との関連付けを記述するデータである。関連付けデータ3028は、電子問診票作成モジュール3033により生成される。
【0105】
制御部303は、プロセッサ29が記憶部302に記憶されるアプリケーションプログラム3021を読み込み、アプリケーションプログラム3021に含まれる命令を実行することにより実現される。制御部303は、アプリケーションプログラム3021に従って動作することにより、受信制御モジュール3031、送信制御モジュール3032、電子問診票作成モジュール3033、電子カルテデータ生成モジュール3034として示す機能を発揮する。
【0106】
受信制御モジュール3031は、サーバ30が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0107】
送信制御モジュール3032は、サーバ30が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0108】
電子問診票作成モジュール3033は、電子問診票3027を生成する。電子問診票作成モジュール3033による電子問診票3027の生成手順には、大きく分けて2種類の手順がある。
【0109】
まず、第1の手順は、既存の電子カルテテンプレート3024に基づいて、新規に電子問診票3027を生成する手順である。この場合、既存の電子カルテテンプレート3024の入力項目及び入力内容は、それぞれ新規の電子問診票3027の問診項目及び問診返信内容として生成される。
【0110】
この際、電子問診票作成モジュール3033は、新規に作成した電子問診票3027に対して固有の識別子を付与する。一例として、電子問診票3027が複数の医療施設で共有される場合、識別子の最初の桁(先頭の桁)を、複数の医療施設で共有されることを示す特有の数字にした上で、それ以降の桁について、電子問診票3027を作成した順に連番となる数字列を付与する手法が挙げられる。また、電子問診票3027が単独の医療施設でのみ利用される場合、複数の医療施設で共有されることを示す特有の数字以外の数字を識別子の最初の桁の数字とし、それ以降の桁について、電子問診票3027を作成した順に連番となる数字列を付与する手法が挙げられる。さらに、単独の医療施設でのみ利用される電子問診票3027についてこのように識別子を付与した後、既に付与した識別子と衝突しない識別子を再付与してもよい。
【0111】
次に、第2の手順は、既存の電子問診票3027と、これも既存の電子カルテテンプレート3024とを関連付ける手順である。この場合、電子問診票3027の問診項目及び問診返信内容は、関連付けられた電子カルテテンプレート3024の入力項目及び入力内容に上書きされる。この場合でも、上述の場合と同様に、電子問診票作成モジュール3033は、関連付けた電子問診票3027に対して識別子を付与する。
【0112】
次いで、電子問診票作成モジュール3033は、作成した(以降、既存の電子カルテテンプレート3024に関連付けたことも「作成した」という行為に含めて説明する)電子問診票3027の問診設問の修正を行う。これは、電子問診票は医療施設において端末装置10を用いて患者が入力する(医療従事者が支援する場合も含む)ものであり、正確な医療知識を持つとは限らない患者が円滑に問診設問を見て問診返信内容を入力するためには、電子カルテテンプレート3024の入力項目及び入力内容とは異なる表現等を採用することが好ましい場合があるからである。
【0113】
また、本実施形態では、問診項目に対して複数の問診設問の回答候補(問診返信内容の候補)が関連付けられていてもよいものとする。つまり、問診返信内容は複数の回答候補から選択された一の回答候補でありうる。
【0114】
そこで、電子問診票作成モジュール3033は、一例として、問診設問に対する複数の回答候補を自由回答形式の問診設問に変更する。つまり、電子問診票作成モジュール3033は、複数の回答候補を1つの問診設問に対する自由回答形式の問診設問に集約する。
【0115】
また/あるいは、電子問診票作成モジュール3033は、問診設問に対する複数の回答候補のそれぞれを問診設問に変更し、変更した問診設問に対して「はい」「いいえ」といった回答候補を関連付ける。つまり、電子問診票作成モジュール3033は、複数の回答候補のそれぞれを問診設問に分割し、この問診設問に対する回答候補を「はい」「いいえ」といった回答が容易なものに変更する。
【0116】
これら電子問診票3027の問診設問等に対する修正は、サーバ30に接続された端末装置20を操作する医療従事者からの指示により行われる。
【0117】
そして、電子問診票作成モジュール3033は、上述の手順により修正した問診設問及び問診返信内容(の候補)を、端末装置20を介して医療従事者に提示し、修正の可否入力を医療従事者に求める。そして、電子問診票作成モジュール3033は、修正の可否入力に基づいて電子問診票3027を修正する。修正された電子問診票3027は、記憶部302に格納される。
【0118】
電子カルテデータ生成モジュール3034は、端末装置10から取得した電子問診票データ3026に基づいて電子カルテデータ3023を生成する。
【0119】
<2 データ構造>
図5及び図6は、サーバ30が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、図5及び図6は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0120】
図5及び図6に示すデータベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
【0121】
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するための主キーとなるカラムが設定されるが、カラムへの主キーの設定は必須ではない。サーバ30の制御部303は、各種プログラムに従ってプロセッサ29に、記憶部302に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0122】
図5は、電子カルテDB3022のデータ構造を示す図である。図5に示すように、電子カルテDB3022のレコードの各々は、例えば、項目「電子カルテID」と、項目「患者ID」と、項目「診療科ID」と、項目「電子カルテデータ」を含む。電子カルテDB3022の各項目は、電子カルテデータ生成モジュール3034が電子カルテデータ3023を生成した際にこの電子カルテデータ生成モジュール3034により入力される。電子カルテDB3022が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
【0123】
項目「電子カルテID」は、本実施形態のシステム1(特にサーバ30)により管理される電子カルテを特定するためのIDである。項目「患者ID」は、項目「電子カルテID」により特定される電子カルテにより管理される医療情報に係る患者を特定するためのIDである。項目「診療科ID」は、項目「電子カルテID」により特定される電子カルテにより管理される医療情報に係る診療科を特定するためのIDである。項目「電子カルテデータ」は、項目「電子カルテID」により特定される電子カルテに係る電子カルテデータ3023のファイル名に関する情報である。
【0124】
図6は、電子問診票DB3025のデータ構造を示す図である。図7に示すように、電子問診票DB3025のレコードの各々は、例えば、項目「電子問診票ID」と、項目「患者ID」と、項目「診療科ID」と、項目「入力日時」と、項目「電子問診票データ」とを含む。電子問診票DB3025の各項目は、電子問診票作成モジュール3033が電子問診票データ3026を生成する際に、この電子問診票作成モジュール3033により入力される。電子問診票DB3025が記憶する情報は、適宜変更・更新することが可能である。
【0125】
項目「電子問診票ID」は、本実施形態のシステム1(特にサーバ30)により管理される電子カルテを特定するためのIDである。項目「患者ID」は患者を特定するためのIDであり、電子カルテDB3022の項目「患者ID」と共通である。項目「診療科ID」は診療科を特定するためのIDであり、電子カルテDB3022の項目「診療科ID」と共通である。項目「入力日時」は、項目「電子問診票データ」により特定される電子問診票データ3026が入力された日時を示す情報である。項目「電子問診票データ」は、項目「電子問診票ID」により特定される電子問診票に係る電子問診票データ3026のファイル名に関する情報である。
【0126】
<3 動作例>
以下、サーバ30の動作の一例について説明する。
【0127】
図7は、サーバ30の動作の一例を表すフローチャートである。図7は、端末装置20の操作者(つまりシステム1を利用する医療従事者など)からのリクエストにより、電子カルテテンプレート3024から新規に電子問診票3027を生成する際の動作の例を示すフローチャートである。
【0128】
ステップS700において、制御部303は、端末装置20からのリクエストに応じて、記憶部302に格納されている電子カルテテンプレート3024を呼び出す。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により電子カルテテンプレート3024を呼び出す。
【0129】
次いで、ステップS701において、制御部303は、ステップS700において呼び出された電子カルテテンプレート3024に基づいて、電子問診票3027を新規に生成する。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、電子カルテテンプレート3024に基づいて電子問診票3027を新規に生成する。
【0130】
そして、ステップS702において、制御部303は、ステップS701において生成した電子問診票3027に名称、ID等を設定し、記憶部302に格納する。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、生成した電子問診票3027を記憶部302に登録する。
【0131】
図8は、サーバ30の動作の一例を表すフローチャートである。図8は、端末装置20の操作者(つまりシステム1を利用する医療従事者など)からのリクエストにより、記憶部302に格納されている電子問診票3027の問診設問、問診返信内容の編集を行う際の動作の例を示すフローチャートである。
【0132】
ステップS800において、制御部303は、記憶部302に格納されている電子問診票3027のうち、編集を行う電子問診票3027を選択し、記憶部302から呼び出す。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、記憶部302に格納されている電子問診票3027のうち、編集対象とする電子問診票3027を選択し、記憶部302から呼び出す。次いで、電子問診票作成モジュール3033は、呼び出した電子問診票3027の名称等、この電子問診票3027を特定するための情報を端末装置20のディスプレイ241に表示させる。
【0133】
次に、ステップS801において、制御部303は、ステップS800で呼び出した電子問診票3027について端末装置20からの編集指示入力を受け入れる。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、端末装置20のディスプレイ241に「編集」ボタンを表示させ、端末装置20の入力装置23による「編集」ボタンの指示入力を受け入れる。
【0134】
次に、ステップS802において、制御部303は、ステップS801において編集指示入力があった電子問診票3027の問診設問及び問診返信内容を端末装置20のディスプレイ241に表示させ、編集を行う問診設問等の選択指示入力を受け入れる。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、ステップS801において「編集」ボタンの指示入力を受け入れた電子問診票3027の問診設問及び問診返信内容をディスプレイ241に表示させ、端末装置20の操作者が編集を希望する問診設問等の選択指示入力を受け入れる。
【0135】
次に、ステップS803において、制御部303は、ステップS802において選択指示入力を受け入れた問診設問等について、具体的な編集内容についての入力を端末装置20から受け入れる。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、ステップS802において選択指示入力を受け入れた問診設問等についての具体的な編集内容のメニューを提示するプルダウンメニューを端末装置20のディスプレイ241に表示させ、端末装置20の入力装置23による具体的な編集内容についての選択指示入力を受け入れる。
【0136】
さらに、ステップS804において、制御部303は、ステップS803において入力を受け入れた編集内容に基づく問診設問等の編集作業を行う。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、ステップS803において選択指示入力を受け入れた具体的な編集内容に基づく編集作業を行う。
【0137】
さらに、ステップS805において、制御部303は、ステップS804において行った編集作業の結果である編集内容を端末装置20に提示する。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、ステップS804において行った編集作業の結果を、端末装置20のディスプレイ241に表示させる。この後、電子問診票作成モジュール3033は、端末装置20の操作者からの編集内容の承諾入力を入力装置23を介して受け入れる。
【0138】
そして、ステップS806において、制御部303は、ステップS805において提示した編集内容により電子問診票3027を修正し、修正した電子問診票3027を記憶部302に格納する。具体的には、例えば、制御部303は、電子問診票作成モジュール3033により、承諾入力を受け入れた編集内容により電子問診票3027を修正し、修正した電子問診票3027を記憶部302に格納する。
【0139】
図9は、端末装置20の動作の一例を表すフローチャートである。図9は、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票データ3026について、端末装置20の操作者が音声入力により主に問診返信内容の修正/追記を行う際の動作の例を示すフローチャートである。
【0140】
ステップS900において、制御部290は、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票データ3026のうち、修正/追記を行う電子問診票データ3026を呼び出す。具体的には、例えば、制御部290は、電子問診票データ取得部295により、制御部290は、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票データ3026のうち、修正/追記を行う電子問診票データ3026を呼び出し、呼び出した電子問診票データ3026を電子問診票データ282として記憶部280に格納する。
【0141】
次に、ステップS901において、制御部290は、ステップS900において呼び出した電子問診票データ282の入力内容をディスプレイ241に表示させる。具体的には、例えば、制御部290は、電子問診票データ取得部295により、ステップS900において呼び出した電子問診票データ282の入力内容である問診項目及び問診返信内容をディスプレイ241に表示させる。
【0142】
次に、ステップS902において、制御部290は、ステップS901において表示した電子問診票データ282の入力内容について、修正/追記を行うべき箇所の選択入力を端末装置20の操作者から受け入れる。具体的には、例えば、制御部290は、修正項目特定部297により、端末装置20のディスプレイ241に表示されている電子問診票データ282の入力内容のうち、修正/追記を希望する項目の選択指示入力を、入力装置23を介して受け入れる。
【0143】
次いで、ステップS903において、制御部290は、修正/追記を行うべき箇所についての修正内容の音声入力を、音声入力部27のマイク271を介して受け入れる。具体的には、例えば、制御部290は、音声認識部296により、修正/追記を行うべき箇所についての修正内容の音声入力を、音声入力部27のマイク271を介して受け入れ、発話データとして記憶部280に格納する。
【0144】
次いで、ステップS904において、制御部290は、ステップS903において受け入れた発話データに対して音声認識処理を行い、この音声認識結果から修正/追記をすべき内容を特定する。具体的には、例えば、制御部290は、制御部290は、ステップS903において受け入れた発話データに対して音声認識部296により音声認識処理を行って音声認識データ283を得る。次いで、修正項目特定部297は、この音声認識データ283に基づいて、修正/追記をすべき電子問診票データ282の内容を特定する。
【0145】
ステップS905において、制御部290は、ステップS904において特定した修正内容である音声認識内容をディスプレイ241に提示する。具体的には、例えば、制御部290は、修正項目特定部297により、ステップS904において特定した修正内容である音声認識内容をディスプレイ241に提示する。
【0146】
そして、ステップS906において、制御部290は、ステップS905において提示した修正内容(音声認識内容)について端末装置20の操作者からの承諾の可否入力を受け入れ、受け入れた承諾の可否入力が承諾を受け入れる旨の入力内容であるかどうかを判定する。具体的には、例えば、制御部290は、修正項目特定部297により、ステップS905において提示した修正内容(音声認識内容)について端末装置20の操作者が入力装置23を介して入力した、承諾の可否入力を受け入れ、受け入れた承諾の可否入力が承諾を受け入れる旨の入力内容であるかどうかを判定する。そして、承諾を受け入れる旨の入力であると判定したら(ステップS906においてYES)プログラムはステップS907に進み、承諾を受け入れない旨の入力であると判定したら(ステップS906においてNO)プログラムはステップS903に戻り、再度端末装置20の操作者からの音声入力を受け入れる。
【0147】
ステップS907において、制御部290は、ステップS904において特定した音声認識内容で電子問診票データ282の内容を修正する。具体的には、例えば、制御部290は、修正内容入力部298により、ステップS904において特定した音声認識内容で電子問診票データ282の内容を修正する。この後、電子問診票データ送出部299は、修正した電子問診票データ282をサーバ30に送出し、サーバ30の電子問診票作成モジュール3033は、端末装置20から送出された電子問診票データ282を記憶部302に格納する。
【0148】
この後、ステップS908において、サーバ30の制御部303は、ステップS907において修正入力された電子問診票データ3026を電子カルテデータ3023に取り込む。具体的には、例えば、制御部303は、電子カルテデータ生成モジュール3034により、端末装置20から送出されてきた電子問診票データ3026を電子カルテデータ3023に取り込む。
【0149】
<4 画面例>
以下、端末装置20に出力される画面の一例を、図10図18を参照して説明する。
【0150】
図10は、端末装置20の操作者が、電子問診票3027の入力項目を修正する際に、端末装置20のディスプレイ241に表示される画面の一例を示す図である。
【0151】
端末装置20のディスプレイ241の画面1000には、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票3027の名称等1001が表示され、また、これら電子問診票3027についての編集指示入力及び削除指示入力を行うためのボタン1002、1003がそれぞれ表示されている。
【0152】
端末装置20の操作者は、入力装置23によりこれらボタン1002、1003をクリックする等の操作入力をすることで、表示されている電子問診票3027について編集指示または削除指示をする。なお、画面1000には、電子カルテテンプレート3024に基づいて新規に電子問診票3027を生成する指示を行うためのボタン1004も表示されている。
【0153】
図11は、端末装置20の操作者が、図10において編集指示を行った際に、端末装置20のディスプレイ241に表示される画面の一例を示す図である。
【0154】
端末装置20のディスプレイ241の画面1100には、図10において編集指示入力がされた電子問診票3027の問診設問1101及びこの問診項目に関連付けられた問診返信内容1102が表示されている。問診設問1101の画面上における左横には、この問診設問1101の選択入力を指示するチェックボックス1103が表示されている。さらに、問診設問1101の画面上における右横には、問診設問1101についての編集指示入力及び削除指示入力を行うためのボタン1104、1105がそれぞれ表示されている。
【0155】
端末装置20の操作者は、編集を行う問診設問1101について入力装置23を介してチェックボックス1103をクリックする等の操作入力をすることで選択指示入力をした後、入力装置23によりボタン1104、1105をクリックする等の操作入力をすることで、選択されている問診設問1101について編集指示または削除指示をする。
【0156】
図12は、端末装置20の操作者が、図11において編集指示を行った際に、端末装置20のディスプレイ241に表示される画面の一例を示す図である。
【0157】
端末装置20のディスプレイ241の画面1200には、編集指示を行ったことにより、編集指示の具体的な内容を指示するためのプルダウンメニュー1201が表示される。端末装置20の操作者は、入力装置23を介してこのプルダウンメニュー1201を操作することで、編集指示の具体的な内容を指示する入力を行う。図12では、端末装置20の操作者は、選択した問診設問1101に関連付けられた問診返信内容を1つの設問の回答に集約する編集指示を行っている。
【0158】
図13は、端末装置20の操作者が、図12において編集指示を行った際に、端末装置20のディスプレイ241に表示される画面の一例を示す図である。
【0159】
端末装置20のディスプレイ241の画面1300には、編集指示を行ったことにより、選択した問診設問1101に関連付けられた問診返信内容が自由記載形式になったことで問診返信内容の選択肢が削除されたことが表示されている。
【0160】
図14は、端末装置20の操作者が、図11において編集指示を行った際に、端末装置20のディスプレイ241に表示される画面の他の例を示す図である。
【0161】
端末装置20のディスプレイ241の画面1400において、端末装置20の操作者は、プルダウンメニュー1401を操作することで、選択した問診設問1101に関連付けられた問診返信内容の選択肢をそれぞれ設問(問診項目)にする編集指示を行っている。
【0162】
図15は、端末装置20の操作者が、図14において編集指示を行った際に、端末装置20のディスプレイ241に表示される画面の一例を示す図である。
【0163】
端末装置20のディスプレイ241の画面1500には、編集指示を行ったことにより、選択した問診設問1101に関連付けられた問診返信内容がそれぞれ問診設問に変更され、問診返信内容は「はい」「いいえ」の選択肢になったことが表示されている。
【0164】
図16は、端末装置20の操作者が、サーバ30の記憶部302に格納されている電子問診票データ3026を呼び出した際に、呼び出した内容を端末装置20のディスプレイ241に表示した際の画面の一例を示す図である。
【0165】
端末装置20のディスプレイ241の画面1600には、呼び出された電子問診票データ3026の名称1601、問診項目1602及び問診返信内容1603が表示されている。
【0166】
図17は、端末装置20の操作者が、例えば図16に示される電子問診票データ3026の内容を修正するために、端末装置20に対して音声入力をし、この音声入力に基づく音声認識データ283が端末装置20のディスプレイ241に表示された画面の一例を示す図である。
【0167】
端末装置20のディスプレイ241の画面1700には、音声認識データ283である問診項目1701及びこの問診項目1701に関連付けられた問診返信内容1702が表示されている。問診項目1701には、この問診項目1701を識別するための数字列1703も表示されている。図17に示すように、音声認識部296及び修正項目特定部297は、音声認識データ283から、問診返信内容1702として入力すべき箇所を特定しており、問診返信内容1702として特定された箇所には下線1704が付されている。
【0168】
図18は、図17に示す音声認識結果に基づいて修正/追記がされた電子問診票データ282が端末装置20のディスプレイ241に表示された画面の一例を示す図である。
【0169】
端末装置20のディスプレイ241の画面1600には、問診項目1802の識別子1801、問診項目1802及び修正された問診返信内容1803が表示されている。
【0170】
<5 一実施形態の効果>
以上詳細に説明したように、本実施形態のシステム1によれば、入力された電子問診票、電子カルテといった医療行為の記録内容を簡易な手順により追記/修正することができる。この点について以下、詳細に説明する。
【0171】
医療業界はミスが許されない業界である。そして、医療業界では、テンプレートによる構造化データのニーズがとても高い。構造化データは、医療エラーを減らすことができる。電子カルテのテンプレートにより、業務フローを統一することが可能である。
【0172】
しかしながら、構造化データを電子カルテに入力することはとても手間のかかることである。例えば、ある医療施設の入退院支援センターでは、大体6ページにわたる入力内容があり、その内容をどこの項目に入力するのかを指示し、そこに入力することは、1患者当たり20分程度かかっていた。本実施形態に係るシステム1によれば、この業務を5分程度に減らすことができた。
【0173】
今まで、音声認識を用いて、構造化データを入れることが現場で利用されていなかった理由は、3つの理由である。一つは音声認識の精度が十分ではない事、二つめは音声認識よりも入力が簡単な方法があったからで、3つ目は間違いを修正することが困難であること、である。
【0174】
本実施形態に係るシステム1では、この一つ目の問題である音声認識の精度の問題は、利用シーンを制限し、同時にテンプレートの項目名と、その項目内容の候補を表示し、入力される音声のパターンを絞ることで解消した。本開示に係るシステム1では、音声認識に伴うWER(Word Error Rate)が6%から1%程度に下がる。
【0175】
二つ目の問題は、音声認識よりも、簡単な入力である、選択肢問題による入力を音声認識の前に行い、その結果を表示することで、その入力では不十分な部分を、音声認識で修正または追記することで解消した。
【0176】
三つ目の間違いを修正することが困難である問題は、入力後に、他の候補を表示し、他の候補を選択できるようにすることと、どのような音声をもとにこの入力がされたのかを確認することを容易にすることで解消している。
【0177】
さらに、第二の問題を効率化するために、選択肢問題の入力を、電子問診票として患者に入力させることで、選択肢問題の入力の手間を減らすことができる。看護師の患者の聞き込みにかかっていた20分を15分程度に減らすことができた。
【0178】
上記のことにより、聞き取り20分、入力20分の、合計40分かかっていた手間を20分に半減することができた。このことにより、看護師の時給を仮に2000円とすると、一人当たりの生産性が二倍になり、1つの医療施設では、1千万程度のコスト削減ができる。
【0179】
なお、電子問診票は、通常のアンケートと異なり、知識レベルが異なるコミュニケーションであり、問診票は、医学知識が少ない人に、医学情報を入力してもらう必要が多く、従って医学用語に変換をした形でカルテには記載する必要があり、患者の勘違いなどが多く、入力を修正することも多い。したがって、電子問診票の初期入力を音声認識を用いて修正することはその効果が大きくなる。
【0180】
<6 付記>
なお、上記した実施形態は本開示を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【0181】
一例として、上述した一実施形態では、音声認識により電子問診票データの修正/追記を行っていたが、電子問診票、電子カルテテンプレート、電子カルテデータについても音声認識による修正/追記を行ってもよい。
【0182】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどが用いられる。
【0183】
また、本実施例に記載の機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラム又はスクリプト言語で実装できる。
【0184】
さらに、実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段又はCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【0185】
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0186】
(付記1)
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、メモリには電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、構造化データは、電子カルテテンプレートの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであり、プログラムは、プロセッサに、第1のユーザから、入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、第1のユーザまたは第1のユーザと異なる第2のユーザから、電子カルテテンプレートの構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、発話データ中に含まれる電子カルテテンプレートの入力項目に基づいて、修正を希望する電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップとを実行させる、プログラム。
(付記2)
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、メモリには電子問診票の構造化データが格納され、構造化データは、電子問診票の問診項目と問診返答内容と問診設問が関連付けられたデータであり、プログラムは、プロセッサに、第1のユーザから、問診設問を用いて問診項目に対する問診返答内容の入力を受け付ける第4ステップと、第1のユーザと異なる第2のユーザから、第1のユーザから入力を受け付けた問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける第5ステップと、発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、第2のユーザが修正を希望する問診項目を特定する第6ステップとを実行させる、プログラム。
(付記3)
一つの問診項目または入力項目に紐付けられた単語は複数存在する、付記1または付記2に記載のプログラム。
(付記4)
メモリには、専門用語の同義語辞書が格納され、第3ステップまたは第6ステップにおいて、同義語辞書を用いて修正を希望する問診項目または電子カルテテンプレートの内容を特定する付記3に記載のプログラム。
(付記5)
プログラムは、さらにプロセッサに、第3ステップまたは第6ステップにおいて特定した電子カルテテンプレートの内容、または問診項目に対応する問診返答内容について、発話データの入力を受け付け、受け付けた発話データを音声認識して音声認識データを取得し、この音声認識データに基づいて修正または追記を希望する修正内容を特定する第7ステップと、第7ステップにおいて特定した修正内容で電子カルテテンプレートまたは問診返答内容の修正及び追記の少なくとも一方を行う第8ステップと
を実行させる、付記1または付記2に記載のプログラム。
(付記6)
第5ステップにおいて、電子カルテテンプレートの内容または問診返答内容の修正及び追記のいずれを行うかについての選択入力を受け入れ、受け入れた選択入力に基づいて、問診返答内容の修正及び追記の一方を行う付記5に記載のプログラム。
(付記7)
第7ステップにおいて、第2のユーザからの発話データに基づき、発話データの連続性から複数の入力項目または問診項目の候補から一つの問診返答内容の候補を特定し、入力項目または問診項目を特定するためのデータの入力と電子カルテテンプレートの内容または問診返答内容の修正内容の特定のためのデータ入力とを行う付記5に記載のプログラム。
(付記8)
第7ステップにおいて、音声認識データから、名詞である入力項目とこの入力項目に接続する助詞との組み合わせ、または名詞である問診項目とこの問診項目に接続する助詞との組み合わせを特定し、これら入力項目または問診項目と助詞との組み合わせに基づいて、入力項目または問診項目を特定するためのデータの入力と電子カルテテンプレートの内容または問診返答内容の修正内容の特定のためのデータ入力とを行う付記7に記載のプログラム。
(付記9)
第7ステップにおいて、発話データまたは音声認識データをメモリに格納し、この音声認識データに基づいて、入力項目または問診返答内容の修正内容を異なる入力項目または問診返答内容の候補に関連付ける入力を受け入れ、候補から電子カルテテンプレートの内容または問診返答内容を特定する入力を受け入れる付記5に記載のプログラム。
(付記10)
音声認識データは表記とそれに関連付けられた読みとを含み、第7ステップにおいて、読みに基づいて、問診項目に関連付けられた問診回答候補を検索して、表記の候補を取得し、その候補の中から選択して特定する入力内容または問診内容の入力を受け入れる付記6に記載のプログラム。
(付記11)
電子問診票の構造化データにおいて、問診項目には個々の問診項目を識別するための識別子が関連付けられており、第7ステップにおいて、音声認識データに含まれる識別子により、複数の問診項目の候補から一つの問診返答内容の候補を特定し、問診項目を特定するためのデータの入力と問診返答内容の修正内容の特定のためのデータ入力とを行う付記5に記載のプログラム。
(付記12)
電子問診票の構造化データは、問診返答内容に入力可能な単語、及び/または文字の種類に関する情報を有し、第7ステップにおいて、情報に基づいて問診返答内容の修正内容の特定のためのデータ入力を行う付記5に記載のプログラム。
(付記13)
電子問診票の構造化データにおいて、問診項目に対応する問診返答内容は選択肢を含み、第7ステップにおいて、問診返答内容が選択肢である場合、問診返答内容に対応する音声認識データが選択肢を表す文字データであれば、文字データに対応する選択肢により問診返答内容の修正内容の特定のためのデータ入力を行う付記5に記載のプログラム。
(付記14)
電子問診票の構造化データにおいて、問診項目に対応する問診返答内容の候補を含み、第6ステップにおいて、特定された問診返答内容の候補に基づいて、問診返答内容の候補を提示する付記2に記載のプログラム。
(付記15)
メモリには、問診項目に対応して、複数の音声認識エンジンが格納され、第7ステップにおいて、第6ステップで特定された問診返答内容の候補に基づいて、音声認識エンジンのうち少なくとも1つの音声認識エンジンを選択する付記5に記載のプログラム。
(付記16)
発話データには複数の問診項目及び問診返答内容の少なくとも一方が複数含まれており、第7ステップにおいて、音声認識データに問診項目及び問診返答内容の区切りを示す単語が含まれていたら、この単語を認識して、複数の問診項目及び問診返答内容の少なくとも一方について修正内容を特定する付記5に記載のプログラム。
(付記17)
第7ステップにおいて、問診項目に関連する複数の入力項目をもち、各入力項目に入力することが可能か評価する評価機能と、問診返答内容を形態素解析または最大長マッチなどを用いて単語または文字列を同定し、評価機能で可能と判断された単語また文字列を各項目の入力内容として確定する機能を持つ付記5に記載のプログラム。
(付記18)
第3ステップにおいて、入力内容に含まれる個人情報を匿名化または改変を行った入力内容により内容または問診項目を特定する、付記1に記載のプログラム。
(付記19)
メモリには、入力項目と関連付けられた入力内容が格納され、第7ステップにおいて、入力内容に含まれる個人情報を匿名化または改変を行って問診返信内容を生成し、生成した問診返信内容をもとに音声データを作成し、音声データと問診返答内容をもとに学習された学習モデルを用いて、音声認識をおこなう付記15に記載のプログラム。
(付記20)
問診項目は電子カルテの入力項目に対応付けられている、付記5に記載のプログラム。
(付記21)
プログラムは、さらにプロセッサに、第8ステップにおいて修正及び追記の少なくとも一方を行った問診返答内容を電子カルテの入力内容に取り込む第9ステップを実行させる、付記15に記載のプログラム。
(付記22)
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、メモリには電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであり、プログラムは、プロセッサに、第1のユーザから、入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、第1のユーザまたは第1のユーザと異なる第2のユーザから、電子カルテテンプレートの構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、発話データ中に含まれる電子カルテテンプレートの入力項目に基づいて、修正を希望する電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップとを実行する、情報処理装置。
(付記23)
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、メモリには電子問診票の構造化データが格納され、構造化データは、電子問診票の問診項目と問診内容とが関連付けられたデータであり、プロセッサは、第1のユーザから、問診項目に対する問診返答内容の入力を受け付ける第1ステップと、第1のユーザと異なる第2のユーザから、第1のユーザから入力を受け付けた問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、第2のユーザが修正を希望する問診項目を特定する第3ステップとを実行する、情報処理装置。
(付記24)
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、メモリには電子カルテテンプレートの構造化データが格納され、構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであり、プログラムは、プロセッサに、第1のユーザから、入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける第1ステップと、第1のユーザまたは第1のユーザと異なる第2のユーザから、電子カルテテンプレートの構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、発話データ中に含まれる電子カルテテンプレートの入力項目に基づいて、修正を希望する電子カルテテンプレートの内容を特定する第3ステップとを実行する、方法。
(付記25)
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、メモリには電子問診票の構造化データが格納され、構造化データは、電子問診票の問診項目と問診内容とが関連付けられたデータであり、プロセッサは、第1のユーザから、問診項目に対する問診返答内容の入力を受け付ける第1ステップと、第1のユーザと異なる第2のユーザから、第1のユーザから入力を受け付けた問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける第2ステップと、発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、第2のユーザが修正を希望する問診項目を特定する第3ステップとを実行する、方法。
(付記26)
電子カルテテンプレートの構造化データが格納されたメモリであって、構造化データは、電子カルテの入力項目と入力内容とが関連付けられたデータであるメモリと、第1のユーザから、入力項目に対する入力内容の入力を受け付ける手段と、第1のユーザまたは第1のユーザと異なる第2のユーザから、電子カルテテンプレートの構造化データの修正のための発話データの入力を受け付ける手段と、発話データ中に含まれる電子カルテテンプレートの入力項目に基づいて、修正を希望する電子カルテテンプレートの内容を特定する手段とを具備する、システム。
(付記27)
電子問診票の構造化データが格納されたメモリであって、構造化データは、電子問診票の問診項目と問診内容とが関連付けられたデータであるメモリと、第1のユーザから、問診項目に対する問診返答内容の入力を受け付ける手段と、第1のユーザと異なる第2のユーザから、第1のユーザから入力を受け付けた問診返答内容を修正するための発話データの入力を受け付ける手段と、発話データ中に含まれる専門用語に基づいて、第2のユーザが修正を希望する問診項目を特定する手段とを具備する、システム。
【符号の説明】
【0187】
1…電子カルテシステム 10、20…端末装置 15…メモリ 16…記憶部 19…プロセッサ 25…メモリ 26…ストレージ 29…プロセッサ 30…サーバ 35…メモリ 36…ストレージ 39…プロセッサ 180、280、302…記憶部 181、281、3021…アプリケーションプログラム 182、282、3026…電子問診票データ 190、290、303…制御部 195…電子問診票入力部 196…電子問診票データ送出部 283…音声認識データ 284…専門用語データ 285…教師データ 286…学習モデル 295…電子問診票データ取得部 296…音声認識部 297…修正項目特定部 298…修正内容入力部 299…電子問診票データ送出部 3022…電子カルテDB 3023…電子カルテデータ 3024…電子カルテテンプレート 3025…電子問診票DB 3027…電子問診票 3033…電子問診票作成モジュール 3034…電子カルテデータ生成モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2023-03-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、
前記メモリには電子問診票の構造化データが格納され、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診返答内容と問診設問が関連付けられたデータであり、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
第1のユーザから、前記問診設問を用いて前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける第4ステップと、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから発話データの入力を受け付け、前記発話データには、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容に対する修正または追記の内容及び前記問診項目が含まれる第5ステップと、
前記発話データを音声認識した音声認識データに含まれる前記問診項目に基づいて、前記第1のユーザまたは前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する第6ステップと
前記第6ステップにおいて特定した前記問診項目に対応する前記問診返答内容について、前記音声認識データに基づいて前記問診項目に対応する前記問診返答内容についての修正または追記を希望する修正内容を特定する第7ステップと、
前記第7ステップにおいて特定した前記修正内容で前記問診返答内容の修正及び追記の少なくとも一方を行う第8ステップと
を実行させる、プログラム。
【請求項2】
一つの前記問診項目に紐付けられた単語は複数存在する、請求項に記載のプログラム。
【請求項3】
前記メモリには、専門用語の同義語辞書が格納され、
前記第6ステップにおいて、前記同義語辞書を用いて修正を希望する前記問診項目の内容を特定する
請求項に記載のプログラム。
【請求項4】
前記第5ステップにおいて、前記問診返答内容の修正及び追記のいずれを行うかについての選択入力を受け入れ、受け入れた前記選択入力に基づいて、前記問診返答内容の修正及び追記の一方を行う
請求項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第7ステップにおいて、前記第1のユーザまたは前記第2のユーザからの前記発話データに基づき、前記発話データの連続性から複数の前記問診項目の候補から一つの前記問診返答内容の候補を特定し、前記問診項目を特定するためのデータの入力と前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力とを行う
請求項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第6ステップ及び前記第7ステップにおいて、前記音声認識データから名詞である前記問診項目とこの問診項目に接続する助詞との組み合わせを特定し、前記問診項目と助詞との組み合わせに基づいて、前記問診項目を特定するためのデータの入力と前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力とを行う
請求項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記第7ステップにおいて、前記発話データまたは前記音声認識データを前記メモリに格納し、この音声認識データに基づいて、前記問診返答内容の前記修正内容を異なる前記問診返答内容の候補に関連付ける入力を受け入れ、前記候補から前記問診返答内容を特定する入力を受け入れる
請求項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記音声認識データは表記とそれに関連付けられた読みとを含み、
前記第6ステップ及び前記第7ステップにおいて、前記読みに基づいて、前記問診項目に関連付けられた前記問診返答内容の候補を検索して、前記表記の候補を取得し、その候補の中から選択して特定する前記問診返答内容の入力を受け入れる
請求項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記電子問診票の前記構造化データにおいて、前記問診項目には個々の前記問診項目を識別するための識別子が関連付けられており、
前記第6ステップ及び前記第7ステップにおいて、前記音声認識データに含まれる前記識別子により、複数の前記問診項目の候補から一つの前記問診返答内容の候補を特定し、前記問診項目を特定するためのデータの入力と前記問診返答内容の修正内容の特定のためのデータ入力とを行う
請求項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記電子問診票の前記構造化データは、前記問診返答内容に入力可能な単語、及び/または文字の種類に関する情報を有し、
前記第7ステップにおいて、前記情報に基づいて前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力を行う
請求項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記電子問診票の前記構造化データにおいて、前記問診項目に対応する前記問診返答内容は選択肢を含み、
前記第7ステップにおいて、前記問診返答内容が前記選択肢である場合、前記問診返答内容に対応する前記音声認識データが前記選択肢を表す文字データであれば、前記文字データに対応する前記選択肢により前記問診返答内容の前記修正内容の特定のためのデータ入力を行う
請求項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記電子問診票の前記構造化データにおいて、前記問診項目に対応する前記問診返答内容の候補を含み、
前記第ステップにおいて、特定された前記問診返答内容の候補に基づいて、前記問診返答内容の候補を提示する
請求項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記メモリには、前記問診項目に対応して、複数の音声認識エンジンが格納され、
前記第7ステップにおいて特定された前記問診返答内容の候補に基づいて、前記音声認識エンジンのうち少なくとも1つの前記音声認識エンジンを選択する
請求項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記発話データには複数の前記問診項目及び前記問診返答内容の少なくとも一方が複数含まれており、
前記第6ステップ及び前記第7ステップにおいて、前記音声認識データに前記問診項目及び前記問診返答内容の区切りを示す単語が含まれていたら、この単語を認識して、複数の前記問診項目及び前記問診返答内容の少なくとも一方について前記修正内容を特定する
請求項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記第ステップにおいて、前記問診項目に関連する複数の入力項目をもち、各前記入力項目に入力することが可能か評価する評価機能と、前記問診返答内容を形態素解析または最大長マッチなどを用いて単語または文字列を同定し、前記評価機能で可能と判断された単語また文字列を各項目の入力内容として確定する機能を持つ
請求項に記載のプログラム。
【請求項16】
前記問診項目は電子カルテの入力項目に対応付けられている、請求項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記プログラムは、さらに前記プロセッサに、
前記第8ステップにおいて修正及び追記の少なくとも一方を行った前記問診返答内容を前記電子カルテの入力内容に取り込む第9ステップ
を実行させる、請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
プロセッサとメモリとを備えた情報処理装置であって、
前記メモリには電子問診票の構造化データが格納され、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診返答内容と問診設問が関連付けられたデータであり、
前記プロセッサは、
第1のユーザから、前記問診設問を用いて前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける第ステップと、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから発話データの入力を受け付け、前記発話データには、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容に対する修正または追記の内容及び前記問診項目が含まれるステップと、
前記発話データを音声認識した音声認識データに含まれる前記問診項目に基づいて、前記第1のユーザまたは前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する第ステップと
前記第6ステップにおいて特定した前記問診項目に対応する前記問診返答内容について、前記音声認識データに基づいて前記問診項目に対応する前記問診返答内容についての修正または追記を希望する修正内容を特定する第7ステップと、
前記第7ステップにおいて特定した前記修正内容で前記問診返答内容の修正及び追記の少なくとも一方を行う第8ステップと
を実行する、情報処理装置。
【請求項19】
プロセッサとメモリとを備えたコンピュータにより実行される方法であって、
前記メモリには電子問診票の構造化データが格納され、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診返答内容と問診設問が関連付けられたデータであり、
前記プロセッサは、
第1のユーザから、前記問診設問を用いて前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける第ステップと、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから発話データの入力を受け付け、前記発話データには、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容に対する修正または追記の内容及び前記問診項目が含まれるステップと、
前記発話データを音声認識した音声認識データに含まれる前記問診項目に基づいて、前記第1のユーザまたは前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する第ステップと
前記第6ステップにおいて特定した前記問診項目に対応する前記問診返答内容について、前記音声認識データに基づいて前記問診項目に対応する前記問診返答内容についての修正または追記を希望する修正内容を特定する第7ステップと、
前記第7ステップにおいて特定した前記修正内容で前記問診返答内容の修正及び追記の少なくとも一方を行う第8ステップと
を実行する、方法。
【請求項20】
電子問診票の構造化データが格納されたメモリであって、前記構造化データは、前記電子問診票の問診項目と問診返答内容と問診設問が関連付けられたデータであるメモリと、
第1のユーザから、前記問診設問を用いて前記問診項目に対する前記問診返答内容の入力を受け付ける手段と、
前記第1のユーザまたは前記第1のユーザと異なる第2のユーザから発話データの入力を受け付け、前記発話データには、前記第1のユーザから入力を受け付けた前記問診返答内容に対する修正または追記の内容及び前記問診項目が含まれる手段と、
前記発話データを音声認識した音声認識データに含まれる前記問診項目に基づいて、前記第1のユーザまたは前記第2のユーザが修正を希望する前記問診項目を特定する手段と
前記問診項目を特定する手段により特定した前記問診項目に対応する前記問診返答内容について、前記音声認識データに基づいて前記問診項目に対応する前記問診返答内容についての修正または追記を希望する修正内容を特定する手段と、
前記修正内容を特定する手段により特定した前記修正内容で前記問診返答内容の修正及び追記の少なくとも一方を行う手段と
を具備する、システム。