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特開2024-55633遠隔制御装置、遠隔制御プログラム、及び遠隔制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055633
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】遠隔制御装置、遠隔制御プログラム、及び遠隔制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/80 20180101AFI20240411BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20240411BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20240411BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20240411BHJP
   F24F 130/00 20180101ALN20240411BHJP
   F24F 130/30 20180101ALN20240411BHJP
【FI】
F24F11/80
F24F11/56
F24F11/46
F24F110:10
F24F130:00
F24F130:30
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162724
(22)【出願日】2022-10-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 駿介
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 信
(72)【発明者】
【氏名】下谷 大輝
(72)【発明者】
【氏名】金 峰岩
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】三宅 治良
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AA01
3L260AA04
3L260AA05
3L260AA08
3L260AA20
3L260AB02
3L260BA02
3L260BA41
3L260BA64
3L260CA02
3L260CA12
3L260CA20
3L260CA39
3L260CB62
3L260CB63
3L260CB68
3L260EA07
3L260EA09
3L260EA27
3L260FA02
3L260FA03
3L260FB01
3L260HA06
3L260JA01
3L260JA18
(57)【要約】
【課題】空調機との間で双方向にデータ通信を行うことができない場合であっても、空調機の現在の稼働状態を推定する。
【解決手段】スマートリモコン1は、ユーザから受け付けた指示を、赤外線を用いてエアコン2に送信するだけの単方向の赤外線通信を行い、季節に関する情報である季節情報、及び自宅7における室内温度を取得し、取得した季節情報を用いて現在の季節を推定すると共に、推定した季節毎に応じたエアコン2の推奨設定温度と取得した室内温度とを比較し、エアコン2によって室内温度が推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、エアコン2の設定温度を推奨設定温度に設定し、エアコン2によって室内温度が推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、エアコン2に対する制御を行わないようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行う通信部と、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定する推定部と、
前記推定部で推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と前記取得部で取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする制御部と、
を備えた遠隔制御装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記季節情報を用いて現在の季節が夏季であるか冬季であるかを推定し、
前記制御部は、前記推定部で推定された現在の季節が夏季である際に、前記室内温度が、夏季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第1推奨設定温度未満である場合には、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度に設定し、前記室内温度が前記第1推奨設定温度以上である場合には、前記空調機に対する制御を行わないようにすると共に、前記推定部で推定された現在の季節が冬季である際に、前記室内温度が、冬季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第2推奨設定温度を超える場合には、前記空調機の設定温度を前記第2推奨設定温度に設定し、前記室内温度が前記第2推奨設定温度以下である場合には、前記空調機に対する制御を行わないようにする
請求項1に記載の遠隔制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、現在の季節が夏季であって、かつ、前記室内温度が前記第1推奨設定温度以上である場合、及び、現在の季節が冬季であって、かつ、前記室内温度が前記第2推奨設定温度以下である場合に、前記空調機に対する制御を行わないようにする代わりに、前記空調機の電源をオフにする制御を行う
請求項2に記載の遠隔制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、及び前記第2推奨設定温度の少なくとも一方を変更する制御を行う
請求項3に記載の遠隔制御装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記空調機が設置された住宅を自宅として登録しているユーザの位置情報、及び前記空調機が設置された住宅の室内における照度の少なくとも一方を更に取得し、
前記制御部は、現在の季節が夏季の際に前記室内温度が前記第1推奨設定温度未満である場合、又は、現在の季節が冬季の際に前記室内温度が前記第2推奨設定温度を超える場合には、ユーザの位置情報、及び前記照度の少なくとも一方を用いて、前記空調機が設置された住宅におけるユーザの在宅状況を特定し、ユーザが不在であると特定した場合には前記空調機に対する制御を行わないようにする
請求項2に記載の遠隔制御装置。
【請求項6】
前記取得部は、ユーザが携帯する携帯機器から得られるユーザの位置情報を取得し、
前記制御部は、取得した位置情報によって表されるユーザの位置がユーザの自宅から規定距離以上離れている場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定し、
ユーザの位置がユーザの自宅から前記規定距離未満である場合、又は、ユーザの自宅が未登録の場合、ユーザの自宅にユーザが在宅していると特定し、現在の季節に応じて、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する制御を行う
請求項5に記載の遠隔制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定した場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする代わりに、前記空調機の電源をオフにする制御を行う
請求項6に記載の遠隔制御装置。
【請求項8】
ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、前記第2推奨設定温度、及び前記規定距離の少なくとも1つを変更する制御を行う
請求項7に記載の遠隔制御装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記空調機が設置された住宅の室内に備えられた照度センサから前記室内の照度を取得し、
前記制御部は、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する前に、前記取得した照度が前記室内の窓のカーテンを閉じて前記室内の照明を消灯している状態での前記室内の照度を表す規定照度未満である場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定し、前記空調機に対する制御を行わないようにする
請求項6に記載の遠隔制御装置。
【請求項10】
前記取得部は、前記空調機が設置された住宅の室内に備えられた照度センサから前記室内の照度を取得し、
前記制御部は、前記取得した照度が前記室内の窓のカーテンを閉じて前記室内の照明を消灯している状態での前記室内の照度を表す規定照度未満である場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定する
請求項5に記載の遠隔制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、取得した照度が前記規定照度以上であったとしても、前記取得した照度が住宅における平均照度未満である場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定し、前記取得した照度が前記平均照度以上である場合、ユーザの自宅にユーザが在宅していると特定し、現在の季節に応じて、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する制御を行う
請求項10に記載の遠隔制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定した場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする代わりに、前記空調機の電源をオフにする制御を行う
請求項11に記載の遠隔制御装置。
【請求項13】
ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、前記第2推奨設定温度、前記規定照度、及び前記平均照度の少なくとも1つを変更する制御を行う
請求項12に記載の遠隔制御装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する前に、前記推定部で推定された現在の季節に応じて前記空調機を冷房運転、又は、暖房運転で稼働させると共に、前記空調機を冷房運転する場合には前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度に設定し、前記空調機を暖房運転する場合には前記空調機の設定温度を前記第2推奨設定温度に設定し、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に前記取得部で得られた前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に前記取得部で得られた前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、前記推定部で推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行う
請求項2~請求項13の何れか1項に記載の遠隔制御装置。
【請求項15】
現在の季節が夏季の場合、前記規定符号が負に設定され、現在の季節が冬季の場合、前記規定符号が正に設定されている
請求項14に記載の遠隔制御装置。
【請求項16】
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行う通信部と、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得する取得部と、
前記取得部で取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定する推定部と、
前記推定部で推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた稼働時間に亘って稼働させた後に前記取得部で得られた前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に前記取得部で得られた前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、前記推定部で推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う制御部と、
を備えた遠隔制御装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記推定部で推定された現在の季節が夏季の場合、前記空調機を冷房運転で稼働すると共に、前記空調機の設定温度を、夏季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第1推奨設定温度に設定し、前記推定部で推定された現在の季節が冬季の場合、前記空調機を暖房運転で稼働すると共に、前記空調機の設定温度を、冬季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第2推奨設定温度に設定する制御を行う
請求項16に記載の遠隔制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、前記第2推奨設定温度、及び前記空調機の稼働時間の少なくとも一方を変更する制御を行う
請求項17に記載の遠隔制御装置。
【請求項19】
コンピュータに、
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、
推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする処理を実行させるための
遠隔制御プログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、
推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に取得した前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に取得した前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う処理を実行させるための
遠隔制御プログラム。
【請求項21】
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、
推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする処理をコンピュータが実行する
遠隔制御方法。
【請求項22】
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、
推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に取得した前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に取得した前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う処理をコンピュータが実行する
遠隔制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調機に対して赤外線方式で制御を行う遠隔制御装置、遠隔制御プログラム、及び遠隔制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信回線に接続されたスマートリモコンを用いて住宅内の空調機を遠隔制御する方法が従来から知られており、例えば特許文献1には、ユーザがスマートフォンからスマートリモコンに指示を送信すると、スマートリモコンが受信した指示に応じた制御データを空調機に送信して空調機の制御を行う空気調和システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-207254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される従来技術は、空調機とスマートリモコンの通信方式にECHONETLite(登録商標)を用いてデータ通信を行っている。ECHONETLiteでは空調機とスマートリモコンとの間で双方向にデータ通信が可能である。したがって、ECHONETLite方式に対応したスマートリモコンは、空調機の電源状態や、空調機が冷房、暖房、及び除湿等のうちどのような種類の運転を行っているのかといった動作モードや、風量及び温度等の条件設定を事前に空調機から取得して、現在の空調機の稼働状態から相対的な運転指示を行うことができる。
【0005】
しかしながら、ユーザが使用している空調機のスマートリモコンが、必ずしもECHONETLite方式に対応しているとは限らない。例えば空調機のスマートリモコンが赤外線方式である場合、赤外線方式ではデータの送信方向がスマートリモコンから空調機への単方向に限定されるため、スマートリモコンは空調機の現在の稼働状態を取得することができない。換言すれば、遠隔地にいるユーザも空調機における現在の稼働状態を知ることができない。
【0006】
このように、空調機の制御に赤外線方式のスマートリモコンを用いる場合、スマートリモコンは、空調機における現在の稼働状態を把握していないユーザの指示に従って空調機の制御を行うことになる。したがって、例えば節電を目的としたデマンドレスポンス(Demand Response:DR)制御を行わなければならない状況であっても、ユーザの指示に対応した制御データをそのまま空調機に送信した場合、例えば停止していた空調機の電源をオンにしたり、消費電力が増加する方向に設定温度を設定したりといった、空調機に対して節電に反する運転を実行させてしまうことがあるといった問題が生じる。
【0007】
本開示は上記事実を鑑みてなされたものであり、空調機との間で双方向にデータ通信を行うことができない場合であっても、空調機の現在の稼働状態を推定することができる遠隔制御装置、遠隔制御プログラム、及び遠隔制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様に係る遠隔制御装置は、空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行う通信部と、季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定する推定部と、前記推定部で推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と前記取得部で取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする制御部と、を備える。
【0009】
第2態様に係る遠隔制御装置は、第1態様に係る遠隔制御装置において、前記推定部は、前記季節情報を用いて現在の季節が夏季であるか冬季であるかを推定し、前記制御部は、前記推定部で推定された現在の季節が夏季である際に、前記室内温度が、夏季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第1推奨設定温度未満である場合には、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度に設定し、前記室内温度が前記第1推奨設定温度以上である場合には、前記空調機に対する制御を行わないようにすると共に、前記推定部で推定された現在の季節が冬季である際に、前記室内温度が、冬季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第2推奨設定温度を超える場合には、前記空調機の設定温度を前記第2推奨設定温度に設定し、前記室内温度が前記第2推奨設定温度以下である場合には、前記空調機に対する制御を行わないようにする。
【0010】
第3態様に係る遠隔制御装置は、第2態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、現在の季節が夏季であって、かつ、前記室内温度が前記第1推奨設定温度以上である場合、及び、現在の季節が冬季であって、かつ、前記室内温度が前記第2推奨設定温度以下である場合に、前記空調機に対する制御を行わないようにする代わりに、前記空調機の電源をオフにする制御を行う。
【0011】
第4態様に係る遠隔制御装置は、第3態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、及び前記第2推奨設定温度の少なくとも一方を変更する制御を行う。
【0012】
第5態様に係る遠隔制御装置は、第2態様に係る遠隔制御装置において、前記取得部は、前記空調機が設置された住宅を自宅として登録しているユーザの位置情報、及び前記空調機が設置された住宅の室内における照度の少なくとも一方を更に取得し、前記制御部は、現在の季節が夏季の際に前記室内温度が前記第1推奨設定温度未満である場合、又は、現在の季節が冬季の際に前記室内温度が前記第2推奨設定温度を超える場合には、ユーザの位置情報、及び前記照度の少なくとも一方を用いて、前記空調機が設置された住宅におけるユーザの在宅状況を特定し、ユーザが不在であると特定した場合には前記空調機に対する制御を行わないようにする。
【0013】
第6態様に係る遠隔制御装置は、第5態様に係る遠隔制御装置において、前記取得部は、ユーザが携帯する携帯機器から得られるユーザの位置情報を取得し、前記制御部は、取得した位置情報によって表されるユーザの位置がユーザの自宅から規定距離以上離れている場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定し、ユーザの位置がユーザの自宅から前記規定距離未満である場合、又は、ユーザの自宅が未登録の場合、ユーザの自宅にユーザが在宅していると特定し、現在の季節に応じて、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する制御を行う。
【0014】
第7態様に係る遠隔制御装置は、第6態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定した場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする代わりに、前記空調機の電源をオフにする制御を行う。
【0015】
第8態様に係る遠隔制御装置は、第7態様に係る遠隔制御装置において、ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、前記第2推奨設定温度、及び前記規定距離の少なくとも1つを変更する制御を行う。
【0016】
第9態様に係る遠隔制御装置は、第6態様に係る遠隔制御装置において、前記取得部は、前記空調機が設置された住宅の室内に備えられた照度センサから前記室内の照度を取得し、前記制御部は、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する前に、前記取得した照度が前記室内の窓のカーテンを閉じて前記室内の照明を消灯している状態での前記室内の照度を表す規定照度未満である場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定し、前記空調機に対する制御を行わないようにする。
【0017】
第10態様に係る遠隔制御装置は、第5態様に係る遠隔制御装置において、前記取得部は、前記空調機が設置された住宅の室内に備えられた照度センサから前記室内の照度を取得し、前記制御部は、前記取得した照度が前記室内の窓のカーテンを閉じて前記室内の照明を消灯している状態での前記室内の照度を表す規定照度未満である場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定する。
【0018】
第11態様に係る遠隔制御装置は、第10態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、取得した照度が前記規定照度以上であったとしても、前記取得した照度が住宅における平均照度未満である場合、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定し、前記取得した照度が前記平均照度以上である場合、ユーザの自宅にユーザが在宅していると特定し、現在の季節に応じて、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する制御を行う。
【0019】
第12態様に係る遠隔制御装置は、第11態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、ユーザの自宅にユーザは不在であると特定した場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする代わりに、前記空調機の電源をオフにする制御を行う。
【0020】
第13態様に係る遠隔制御装置は、第12態様に係る遠隔制御装置において、ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、前記第2推奨設定温度、前記規定照度、及び前記平均照度の少なくとも1つを変更する制御を行う。
【0021】
第14態様に係る遠隔制御装置は、第2態様~第13態様の何れかの態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度、又は、前記第2推奨設定温度に設定する前に、前記推定部で推定された現在の季節に応じて前記空調機を冷房運転、又は、暖房運転で稼働させると共に、前記空調機を冷房運転する場合には前記空調機の設定温度を前記第1推奨設定温度に設定し、前記空調機を暖房運転する場合には前記空調機の設定温度を前記第2推奨設定温度に設定し、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に前記取得部で得られた前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に前記取得部で得られた前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、前記推定部で推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行う。
【0022】
第15態様に係る遠隔制御装置は、第14態様に係る遠隔制御装置において、現在の季節が夏季の場合、前記規定符号が負に設定され、現在の季節が冬季の場合、前記規定符号が正に設定されている。
【0023】
第16態様に係る遠隔制御装置は、空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行う通信部と、季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得する取得部と、前記取得部で取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定する推定部と、前記推定部で推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた稼働時間に亘って稼働させた後に前記取得部で得られた前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に前記取得部で得られた前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、前記推定部で推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う制御部と、を備える。
【0024】
第17態様に係る遠隔制御装置は、第16態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、前記推定部で推定された現在の季節が夏季の場合、前記空調機を冷房運転で稼働すると共に、前記空調機の設定温度を、夏季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第1推奨設定温度に設定し、前記推定部で推定された現在の季節が冬季の場合、前記空調機を暖房運転で稼働すると共に、前記空調機の設定温度を、冬季における前記空調機の推奨設定温度として予め定められた第2推奨設定温度に設定する制御を行う。
【0025】
第18態様に係る遠隔制御装置は、第17態様に係る遠隔制御装置において、前記制御部は、ユーザの指示に従って、前記第1推奨設定温度、前記第2推奨設定温度、及び前記空調機の稼働時間の少なくとも一方を変更する制御を行う。
【0026】
第19態様に係る遠隔制御プログラムは、コンピュータに、空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする処理を実行させるためのプログラムである。
【0027】
第20態様に係る遠隔制御プログラムは、コンピュータに、空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に取得した前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に取得した前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う処理を実行させるためのプログラムである。
【0028】
第21態様に係る遠隔制御方法は、空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないようにする処理をコンピュータが実行する方法である。
【0029】
第22態様に係る遠隔制御方法は、空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に取得した前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に取得した前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う処理をコンピュータが実行する方法である。
【発明の効果】
【0030】
第1態様、第16態様、第19態様、第20態様、第21態様、及び第22態様によれば、空調機との間で双方向にデータ通信を行うことができない場合であっても、空調機の現在の稼働状態を推定することができる、という効果を有する。
【0031】
第2態様によれば、夏季と冬季の場合に、空調機の節電につながる制御を実行することができる、という効果を有する。
【0032】
第3態様によれば、空調機に対して何も制御を行わない場合と比較して、空調機の消費電力を低減できる場合がある、という効果を有する。
【0033】
第4態様によれば、第1推奨設定温度、及び第2推奨設定温度をユーザの好みに設定することができる、という効果を有する。
【0034】
第5態様によれば、室内温度だけから空調機の稼働状態を推定する場合と比較して、空調機の稼働状態を精度よく推定することができる、という効果を有する。
【0035】
第6態様によれば、室内温度とユーザの位置情報を組みあわせて空調機の稼働状態を推定することができる、という効果を有する。
【0036】
第7態様によれば、空調機に対して何も制御を行わない場合と比較して、空調機の消費電力を低減できる場合がある、という効果を有する。
【0037】
第8態様によれば、第1推奨設定温度、第2推奨設定温度、及び規定距離をユーザの好みに設定することができる、という効果を有する。
【0038】
第9態様によれば、室内温度、ユーザの位置情報、及びユーザの自宅の照度を組みあわせて空調機の稼働状態を推定することができる、という効果を有する。
【0039】
第10態様によれば、ユーザの自宅の照度と規定照度との比較によって、ユーザの在宅状況を特定することができる、という効果を有する。
【0040】
第11態様によれば、ユーザの自宅の照度と規定照度との比較のみでユーザの在宅状況を特定する場合と比較して、ユーザの自宅の照度から得られるユーザの在宅状況を精度よく特定することができる、という効果を有する。
【0041】
第12態様によれば、ユーザの不在時に、空調機に対して何も制御を行わない場合と比較して、空調機の消費電力を低減できる場合がある、という効果を有する。
【0042】
第13態様によれば、第1推奨設定温度、第2推奨設定温度、規定照度、及び平均照度をユーザの好みに設定することができる、という効果を有する。
【0043】
第14態様によれば、設定温度を季節に応じて第1推奨設定温度、又は、第2推奨設定温度に設定した空調機を実際に稼働させることなく空調機の稼働状態を推定する場合と比較して、空調機の稼働状態を精度よく推定することができる、という効果を有する。
【0044】
第15態様によれば、夏季において、空調機の稼働後の室内温度が稼働前の室内温度より低下した場合、稼働させる前の空調機の電源はオフであったと特定し、冬季において、空調機の稼働後の室内温度が稼働前の室内温度より上昇した場合、稼働させる前の空調機の電源はオフであったと特定することができる、という効果を有する。
【0045】
第17態様によれば、空調機を季節に応じた推奨設定温度で稼働させることによって、空調機の稼働状態を推定することができる、という効果を有する。
【0046】
第18態様によれば、第1推奨設定温度、第2推奨設定温度、及び空調機の稼働時間をユーザの好みに設定することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】遠隔制御システムのシステム構成例を示す図である。
図2】スマートリモコンの機能構成例を示す図である。
図3】スマートリモコンにおける電気系統の要部構成例を示す図である。
図4】室内温度を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】室内温度及びユーザの位置情報を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】GPS判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】室内温度及び自宅の照度を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】照度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】照度追加判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】室内温度、ユーザの位置情報、及び自宅の照度を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】室内温度の温度差を用いてエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】室内温度及び室内温度の温度差を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】室内温度、ユーザの位置情報、及び室内温度の温度差を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】室内温度、自宅の照度、及び室内温度の温度差を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】室内温度、ユーザの位置情報、自宅の照度、及び室内温度の温度差を用いたエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0049】
<第1実施形態>
図1は、遠隔制御システム100のシステム構成例を示す図である。遠隔制御システム100は、スマートリモコン1、エアコン2、センサ3、ユーザ端末4、及びサーバ5を含み、スマートリモコン1、ユーザ端末4、及びサーバ5はインターネット6を通じて相互に接続されている。
【0050】
スマートリモコン1は、例えばユーザ端末4を通じてユーザから受け付けた指示に従ってエアコン2を制御する遠隔制御装置の一例である。スマートリモコン1は、赤外線を用いてエアコン2を制御する赤外線方式の遠隔制御装置である。したがって、スマートリモコン1は、ユーザの指示に対応した制御コードをエアコン2に送信することはできるが、制御コードを受信したエアコン2からの応答を受信することはできない。すなわち、スマートリモコン1は、スマートリモコン1からエアコン2に制御コードを送信するだけの単方向の赤外線通信に対応した遠隔制御装置である。
【0051】
スマートリモコン1によるエアコン2の制御には、例えばエアコン2の電源のオンオフ制御、運転モードの切り替え、及び各運転モードにおける設定温度の制御が含まれる。エアコン2の運転モードには、例えば冷房運転及び暖房運転が含まれる。
【0052】
エアコン2は、スマートリモコン1から制御コードを赤外線通信によって受信し、受信した制御コードに従ってエアコン2の稼働状態を変化させる空調機の一例である。
【0053】
エアコン2は、一例としてユーザの住宅に取り付けられている。なお、「住宅」は戸建てや集合住宅といった居住用途の建物を想定しているが、例えば会社、工場、倉庫、店舗、及び乗り物のように内部に人が存在し、又は立ち入る可能性のある構造物全体であってもよい。本開示の例では、住宅をユーザの自宅7として説明する。
【0054】
センサ3は、エアコン2が設置された住宅の室内に取り付けられる測定器の一例であり、少なくとも1つのセンサ3が自宅7に取り付けられる。自宅7に取り付けられるセンサ3の種類は、エアコン2の稼働状態や人の在宅状況を推定するために用いられる物理量を測定するものであればその種類に制約はない。センサ3の種類については後ほど説明する。
【0055】
ユーザ端末4は、ユーザが操作する情報機器の一例であり、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータが用いられるが、説明の便宜上、スマートフォンが用いられているものとする。ユーザは、ユーザ端末4を操作することで、インターネット6を介してエアコン2に対する指示をスマートリモコン1に送信する。
【0056】
サーバ5は、遠隔制御システム100で用いられる各種データを記憶するデータサーバの一例である。したがって、サーバ5には、例えばユーザによっていつどのような指示が行われたのかといったユーザの操作履歴、及びセンサ3の測定値が時系列に沿って記憶されている。
【0057】
センサ3は、インターネット6に接続するインターフェースを備えている場合、例えばセンサ3で測定した測定値を時系列に沿ってサーバ5に記録する。一方、センサ3がインターネット6に接続するインターフェースを備えていない場合、センサ3は、例えばスマートリモコン1のようにインターネット6に接続するインターフェースを備えている情報機器を介して、測定した測定値を時系列に沿ってサーバ5に記録する。この場合、センサ3とスマートリモコン1との間は、例えばWi-Fi(登録商標)、bluetooth(登録商標)、及びzigbee(登録商標)といった近距離無線通信手段、又は有線で接続すればよい。以降では一例として、センサ3がインターネット6に接続するインターフェースを備えているものとして説明を行う。
【0058】
なお、スマートリモコン1が近距離無線通信手段によってセンサ3から測定値を取得する形態に加えて、スマートリモコン1がサーバ5を介してセンサ3の測定値を取得する形態も、センサ3から測定値を取得する形態の一例である。
【0059】
センサ3は、センサ3毎にユーザ端末4から指示された予め定められた間隔で測定対象の測定を行い、遅滞なく、すなわち、リアルタイムに測定値をサーバ5に送信する。しかしながら、センサ3の測定タイミングはこれに限られない。例えばセンサ3は、スマートリモコン1から測定要求を受け付けた場合に測定対象の測定を行ってもよい。また、センサ3は、予め定められた間隔で測定対象の測定を行いながら、スマートリモコン1から測定要求を受け付けた場合にも測定対象の測定を行うようにしてもよい。
【0060】
なお、スマートリモコン1とインターネット6の接続は有線であっても無線であってもどちらでもよい。
【0061】
図2は、スマートリモコン1の機能構成例を示す図である。図2に示すように、スマートリモコン1は、通信部1A、取得部1B、推定部1C、及び制御部1Dの各機能部を有する。
【0062】
通信部1Aは、制御部1Dの制御に基づいて、ユーザから受け付けた指示に対応した制御コードを、赤外線を用いてエアコン2に送信する単方向の赤外線通信を行う。また、通信部1Aは、センサ3及びサーバ5と双方向にデータ通信を行うことも可能である。
【0063】
取得部1Bは通信部1Aを介して、各々のセンサ3から測定値を取得する。
【0064】
推定部1Cは、取得部1Bが取得したセンサ3の測定値から現在の季節を推定する。エアコン2は、主に夏季又は冬季に使用されることが多いため、一例として、推定部1Cは現在の季節が夏季であるか、それとも冬季であるかを推定する。「現在の季節」とは、推定部1Cで季節を推定しようとしている時点における季節のことである。当然のことながら、推定部1Cが推定する季節は夏季及び冬季に限られず、春及び秋といったその他の季節であってもよい。
【0065】
制御部1Dは、通信部1A、取得部1B、及び推定部1Cと連携してエアコン2の稼働状態を特定し、エアコン2の稼働状態に応じてエアコン2に対する制御を決定する。
【0066】
具体的には、制御部1Dは、推定部1Cによって推定された現在の季節に応じて予め設定されているエアコン2の推奨設定温度と、取得部1Bが取得したセンサ3の測定値の一例である、エアコン2が取り付けられた部屋の室内温度(以降、単に「室内温度」という)とを比較する。そのうえで、制御部1Dは、エアコン2によって室内温度が推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、エアコン2の設定温度を推奨設定温度に設定する制御コードをエアコン2に送信するように通信部1Aを制御する。一方、エアコン2によって室内温度が推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、制御部1Dは、エアコン2に対する制御を行わないようにする。
【0067】
推定部1Cで推定された現在の季節が夏季の場合、エアコン2は暖房運転よりも冷房運転を行っている可能性が高いため、制御部1Dは、冷房運転における推奨設定温度と室内温度とを比較するが、冷房運転が継続されると室内温度は屋外温度よりも低下するように変化する。この場合において、「室内温度が推奨設定温度を超える」とは、室内温度が推奨設定温度未満まで低下している状態をいう。一方、推定部1Cで推定された現在の季節が冬季の場合、エアコン2は冷房運転よりも暖房運転を行っている可能性が高いため、制御部1Dは、暖房運転における推奨設定温度と室内温度とを比較するが、暖房運転が継続されると室内温度は屋外温度よりも上昇するように変化する。この場合において、「室内温度が推奨設定温度を超える」とは、室内温度が推奨設定温度を超えて上昇している状態をいう。すなわち、推定部1Cによって推定された季節によって、室内温度が推奨設定温度を超えるという意味合いが異なる。
【0068】
図2に示した機能構成を有するスマートリモコン1は、例えばコンピュータ10を用いて構成される。図3は、スマートリモコン1における電気系統の要部構成例を示す図である。
【0069】
コンピュータ10は、図2に示したスマートリモコン1の各機能部の処理を担うプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)11、コンピュータ10の起動処理を行う起動プログラム(Basic Input Output System:BIOS)を記憶するROM(Read Only Memory)12、CPU11の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)13、不揮発性メモリ14、及び入出力インターフェース(I/O)15を備える。CPU11、ROM12、RAM13、不揮発性メモリ14、及びI/O15はバス16を介して各々接続されている。
【0070】
不揮発性メモリ14は、不揮発性メモリ14に供給される電力が遮断されても記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。したがって、不揮発性メモリ14には、例えばコンピュータ10をスマートリモコン1として機能させる遠隔制御プログラムが記憶される。なお、不揮発性メモリ14は、必ずしもコンピュータ10に内蔵されている必要はなく、例えばメモリカードのようにコンピュータ10に着脱される記憶装置であってもよい。
【0071】
I/O15には、例えば通信ユニット17、入力ユニット18、及び表示ユニット19が接続される。
【0072】
通信ユニット17はインターネット6に接続され、センサ3、ユーザ端末4、及びサーバ5と通信を行う通信プロトコルを備える。また、通信ユニット17は、エアコン2と単方向の赤外線通信を行う通信プロトコルを備える。
【0073】
入力ユニット18は、ユーザの指示を受け付けてCPU11に通知する装置であり、例えば各種ボタンが含まれる。ユーザの指示をユーザ端末4から受け付ける場合、I/O15に必ずしも入力ユニット18が接続されていなくてもよい。
【0074】
表示ユニット19は、CPU11によって処理された各種情報を出力する装置であり、液晶ディスプレイ、及び有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイのような表示デバイスが含まれる。CPU11によって処理された各種情報をユーザ端末4で表示する場合、I/O15に必ずしも表示ユニット19が接続されていなくてもよい。
【0075】
次に、スマートリモコン1の作用について詳細に説明する。
【0076】
[形態A1:室内温度を用いたエアコン制御処理]
図4は、節電を目的としたデマンドレスポンス(Demand Response:DR)制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。DR制御指示は、ユーザの操作によってユーザ端末4から受信する以外に、例えばインターネット6上に電力供給会社や自治体等が設置した外部サーバ(図示省略)から、電力需給ひっ迫警報の発令に伴い受信することもある。
【0077】
図4に示すエアコン制御処理を規定する遠隔制御プログラムは、例えば不揮発性メモリ14に予め記憶されている。CPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される遠隔制御プログラムを読み込み、図4に示すエアコン制御処理を実行する。
【0078】
ユーザの自宅7には、エアコン2が設置された部屋の室内温度を測定する温度センサ3A(図1参照)がセンサ3として設置されているものとする。
【0079】
まず、ステップS10において、CPU11は、季節に関する情報である季節情報を取得して、現在の季節を推定する季節判定処理を実行する。
【0080】
CPU11は、季節情報として、例えばユーザの自宅7の外に設置された屋外温度センサ(図示省略)から、ユーザの自宅7周辺の屋外温度を取得する。CPU11は、取得した屋外温度がα℃(αは実数)以上であれば現在の季節は夏季と判定し、取得した屋外温度がβ℃(βは実数、α>β)未満であれば現在の季節は冬季と判定する。例えば温度α=25℃、及び温度β=10℃といった値が予め不揮発性メモリ14に記憶されており、CPU11は、不揮発性メモリ14から温度α及び温度βを取得して屋外温度と比較すればよい。なお、温度α=25℃、及び温度β=10℃の値は一例であり、温度α及び温度βはユーザの指示によって変更可能である。
【0081】
また、CPU11は、ユーザの自宅7がある地域の屋外温度を、インターネット6に接続された気象情報を提供する外部サーバ(図示省略)から取得してもよい。
【0082】
また、CPU11が取得する季節情報は屋外温度に限られない。例えばCPU11は、インターネット6に接続された外部サーバ(図示省略)から季節情報として、季節判定処理を実行している時点の日付を取得してもよい。CPU11は、例えば取得した日付が7月1日から9月末日の間であれば、現在の季節を夏季と推定し、取得した日付が11月1日から2月末日であれば、現在の季節を冬季と推定してもよい。
【0083】
ステップS20において、CPU11は、ステップS10で推定した現在の季節に応じた推奨設定温度を取得する。
【0084】
具体的には、夏季における推奨設定温度と冬季における推奨設定温度がそれぞれ予め不揮発性メモリ14に記憶されており、CPU11は、ステップS10で推定した現在の季節に対応した推奨設定温度を不揮発性メモリ14から取得する。説明の便宜上、夏季における推奨設定温度を「夏季推奨設定温度」と表し、冬季における推奨設定温度を「冬季推奨設定温度」と表す。夏季推奨設定温度は第1推奨設定温度の一例であり、冬季推奨設定温度は第2推奨設定温度の一例である。また、夏季推奨設定温度及び冬季推奨設定温度をあわせて「季節に応じた推奨設定温度」と表す。
【0085】
例えば夏季推奨設定温度は28℃に設定され、冬季推奨設定温度は20℃に設定されるが、それぞれ28℃及び20℃の値に固定されるものではない。CPU11は、ユーザの指示に従って、夏季推奨設定温度、及び冬季推奨設定温度の少なくとも一方を変更することができる。例えば、夏季推奨設定温度を温度αに設定し、冬季推奨設定温度を温度βに設定してもよい。
【0086】
ステップS30において、CPU11は、温度センサ3Aから最新の室内温度を取得する。
【0087】
ステップS40において、CPU11は、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えるか否かを判定する。すなわち、CPU11は、現在の季節が夏季である場合には、室内温度が夏季推奨設定温度未満であるか否かを判定し、現在の季節が冬季である場合には、室内温度が冬季推奨設定温度を超えているか否かを判定する。室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えている場合にはステップS50に移行する。
【0088】
この場合、エアコン2は稼働しており、かつ、エアコン2の設定温度が季節に応じた推奨設定温度を超える温度に設定されていると考えられる。したがって、ステップS50において、CPU11は、エアコン2の設定温度を季節に応じた推奨設定温度に設定し、図4に示すエアコン制御処理を終了する。
【0089】
すなわち、CPU11は、現在の季節が夏季である場合には、エアコン2の設定温度を夏季推奨設定温度に設定し、現在の季節が冬季である場合には、エアコン2の設定温度を冬季推奨設定温度に設定する。現在の季節が夏季である場合にはエアコン2の設定温度が上げられ、現在の季節が冬季である場合にはエアコン2の設定温度が下げられるため、エアコン2の消費電力がエアコン制御処理を実行する前よりも低減されることになる。
【0090】
一方、ステップS40の判定処理で室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていないと判定された場合、すなわち、現在の季節が夏季であれば、室内温度が夏季推奨設定温度以上である場合、及び、現在の季節が冬季であれば、室内温度が冬季推奨設定温度以下である場合には、室内温度がユーザにとって快適と感じる温度になっていないことから、エアコン2は最初から稼働していなかったと考えられる。したがって、CPU11は、エアコン2に対する制御を行うことなく図4に示すエアコン制御処理を終了して、引き続きエアコン2を稼働しないようにする。CPU11は、エアコン2を稼働させないことで、エアコン2の消費電力がエアコン制御処理を実行する前よりも増加しないようにしている。
【0091】
上記の例では、ステップS40の判定処理で室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていないと判定された場合、エアコン2は稼働していないという前提に立っているため、エアコン2に対する制御を行わずにエアコン制御処理を終了した。しかしながら、実際には、エアコン2の温度設定が季節に応じた推奨設定温度を超えない範囲の温度に設定された状態でエアコン2が稼働しているという状況も考えられる。このような場合、そもそもエアコン2が稼働していても室内温度がユーザにとって快適と感じる温度になっていないことから、エアコン2を停止しても、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えている状態でエアコン2を停止した場合よりもユーザの快適性に与える影響は小さい。したがって、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていない場合、CPU11は、ユーザの快適性よりも節電を優先し、エアコン2に対する制御を行わないようにする代わりに、エアコン2の電源をオフにしてエアコン2を停止する制御を行ってもよい。仮にエアコン2が稼働していない状況でエアコン2を停止する制御を行ったとしても、エアコン2の稼働状態には影響を与えないことから、こうした場合にエアコン2を停止する制御を行っても何ら問題はない。エアコン2が稼働していれば、エアコン2の電源をオフにすることにより、エアコン2の消費電力がエアコン制御処理を実行する前よりも低減されることになる。
【0092】
[形態A2:室内温度、及びユーザの位置情報を用いたエアコン制御処理]
図4に示したエアコン制御処理は、温度センサ3Aから取得した室内温度を用いてエアコンの稼働状態を推定したが、推定したエアコン2の稼働状態が実際のエアコン2の稼働状態と異なる場合がある。例えば夏季にユーザの自宅7の屋外温度が夏季推奨設定温度未満となるような日が現れた場合、実際にはエアコン2が稼働していなくても、エアコン2の設定温度が夏季推奨設定温度を超える温度に設定された状態でエアコン2が稼働していると推定されることがある。
【0093】
したがって、ここではエアコン2が設置された自宅7の住所をサーバ5に登録しているユーザの位置情報を取得し、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えている場合、ユーザの位置情報を用いて自宅7におけるユーザの在宅状況を特定し、ユーザが不在の場合にはエアコン2に対する制御を行わないようにするエアコン制御処理について説明する。なお、位置情報は、例えば緯度と経度の組み合わせによって表される。
【0094】
図5は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5に示すエアコン制御処理を規定する遠隔制御プログラムは、例えば不揮発性メモリ14に予め記憶されている。CPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される遠隔制御プログラムを読み込み、図5に示すエアコン制御処理を実行する。
【0095】
なお、ユーザの自宅7の住所は予めサーバ5に登録されており、ユーザ端末4は、例えばGPS(Global Positioning System)を利用して、ユーザ端末4を携帯するユーザの位置情報を出力する機能を備えているものとする。
【0096】
図5に示すエアコン制御処理が図4に示したエアコン制御処理と異なる点は、ステップS42及びステップS44の処理が追加された点である。したがって、以降では図4に示したエアコン制御処理と異なる点を中心にして説明を行う。
【0097】
図5のステップS40の判定処理において、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていると判定された場合にはステップS42に移行する。
【0098】
この場合、エアコン2は稼働していると一旦推定されているが、ステップS42において、CPU11は、更にGPS判定処理を実行する。GPS判定処理は、ユーザ端末4から得られるユーザの位置情報を取得してユーザの在宅状況を特定し、ユーザの在宅状況からエアコン2の稼働状態を推定する処理である。詳細なGPS判定処理の動作については後ほど説明する。
【0099】
ステップS44において、CPU11は、GPS判定処理によってエアコン2の稼働状態を表す稼働フラグが停止中に設定されているか否かを判定する。
【0100】
GPS判定処理によって稼働フラグが停止中に設定されている場合、CPU11は、エアコン2に対する制御を行うことなく図5に示すエアコン制御処理を終了して、引き続きエアコン2を稼働しないようにする。一方、GPS判定処理によって稼働フラグが稼働中に設定されている場合にはステップS50に移行し、既に説明したように、CPU11は、エアコン2の設定温度を季節に応じた推奨設定温度に設定して、図5に示すエアコン制御処理を終了する。
【0101】
すなわち、図5に示すエアコン制御処理では、室内温度を用いてエアコン2の稼働状態を推定し、エアコン2が稼働していると推定された場合には、更にユーザの位置情報を用いてエアコン2の稼働状態を再度推定する。
【0102】
次に、GPS判定処理の動作について説明する。図6は、図5のステップS42において、CPU11によって実行されるGPS判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0103】
まず、ステップS100において、CPU11は、ユーザの自宅7の住所に対応する位置情報をサーバ5から取得する。
【0104】
ステップS110において、CPU11は、ユーザが携帯するユーザ端末4からユーザの位置情報を取得する。
【0105】
ステップS120において、CPU11は、ステップS100で取得したユーザの自宅7の位置情報と、ステップS110で取得したユーザの位置情報を用いて、自宅7からユーザまでの距離(「ユーザ距離」という)を算出する。なお、ユーザ距離は直線距離であっても、道路沿いに沿った距離であってもどちらでもよい。ユーザ距離を道路沿いに沿った距離で算出する場合、CPU11は、例えば自宅7周辺の道路状況を表した地図データを自宅7の位置情報と共にサーバ5から取得し、取得した地図データを参照してユーザ距離を算出すればよい。
【0106】
ステップS130において、CPU11は、ステップS120で算出したユーザ距離が規定距離未満であるか否かを判定する。規定距離とは、ユーザが在宅しているか否かの閾値を表す距離であり、ユーザが自宅から規定距離以上離れていると、ユーザは自宅に在宅していないことを表す。規定距離は、例えば不揮発性メモリ14に予め記憶され、ユーザの指示によって変更可能である。ユーザ距離が規定距離未満である場合にはステップS140に移行する。
【0107】
この場合、ユーザは自宅7周辺にいる可能性が高く、ユーザの位置情報には誤差も含まれるため、CPU11は、ユーザが自宅7に在宅していると特定する。室内温度と季節に応じた推奨設定温度の比較によってエアコン2が稼働していると推定され、更に、ユーザの位置情報によってもユーザが自宅7に在宅していると特定されたことから、CPU11は、エアコン2が稼働していると再度推定する。したがって、ステップS140において、CPU11は、エアコン2の稼働状態を表す稼働フラグを稼働中に設定して図6に示すGPS判定処理を終了する。
【0108】
一方、ユーザ距離が規定距離以上である場合にはステップS150に移行する。この場合、ユーザは自宅7から規定距離以上離れているため、CPU11は、ユーザは自宅7におらず、自宅7を不在にしていると特定する。室内温度と季節に応じた推奨設定温度の比較によって一旦はエアコン2が稼働していると推定したが、ユーザの位置情報によってユーザが自宅7を不在にしていると特定されたことから、CPU11は、エアコン2は稼働していないと推定し直す。したがって、ステップS150において、CPU11は、稼働フラグを停止中に設定して図6に示すGPS判定処理を終了する。
【0109】
図5のステップS44の判定処理では稼働フラグを用いて、GPS判定処理によってエアコン2が停止中と推定されたのか、それとも稼働中と推定されたのかを判定して、以降の処理を振り分ける。
【0110】
なお、ユーザによっては、自宅7の住所を予めサーバ5に登録していないことがある。この場合、図6のステップS100において、ユーザの自宅7の位置情報を取得することができないため、ユーザ距離を算出することができない。このように、自宅7の住所が未登録のユーザに対しては、CPU11は、図6のステップS130の判定処理において、ユーザ距離が規定距離未満であると判定し、ユーザが自宅7に在宅していると特定すればよい。
【0111】
室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていない場合、及びユーザが自宅7を不在にしていると特定した場合、CPU11は、エアコン2に対する制御を行わないで図5に示したエアコン制御処理を終了する代わりに、エアコン2の電源をオフにしてエアコン2を停止する制御を行ってもよい。
【0112】
[形態A3:室内温度、及び自宅7の照度を用いたエアコン制御処理]
図5に示したエアコン制御処理では、ユーザの位置情報を用いて自宅7におけるユーザの在宅状況を特定する例について説明したが、ユーザの在宅状況の特定に用いることができる測定値はユーザの位置情報に限られない。
【0113】
ここではユーザの自宅7におけるエアコン2が設置された室内の照度を取得し、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えている場合、取得した照度を用いて自宅7におけるユーザの在宅状況を特定し、ユーザが不在の場合にはエアコン2に対する制御を行わないようにするエアコン制御処理について説明する。
【0114】
図7は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示すエアコン制御処理を規定する遠隔制御プログラムは、例えば不揮発性メモリ14に予め記憶されている。CPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される遠隔制御プログラムを読み込み、図7に示すエアコン制御処理を実行する。
【0115】
なお、ユーザの自宅7には、エアコン2が設置された室内に備えられたセンサ3であって、エアコン2が設置された室内の照度を測定する照度センサ3B(図1参照)が設置されているものとする。
【0116】
図7に示すエアコン制御処理が図4に示したエアコン制御処理と異なる点は、ステップS46及びステップS48の処理が追加された点である。したがって、以降では図4に示したエアコン制御処理と異なる点を中心にして説明を行う。
【0117】
図7のステップS40の判定処理において、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていると判定された場合にはステップS46に移行する。
【0118】
この場合、エアコン2は稼働していると一旦推定されているが、ステップS46において、CPU11は、更に照度判定処理を実行する。照度判定処理は、照度センサ3Bから室内の照度を取得してユーザの在宅状況を特定し、ユーザの在宅状況からエアコン2の稼働状態を推定する処理である。詳細な照度判定処理の動作については後ほど説明する。
【0119】
ステップS48において、CPU11は、照度判定処理によってエアコン2の稼働状態を表す稼働フラグが停止中に設定されているか否かを判定する。
【0120】
照度判定処理によって稼働フラグが停止中に設定されている場合、CPU11は、エアコン2に対する制御を行うことなく図7に示すエアコン制御処理を終了して、引き続きエアコン2を稼働しないようにする。一方、照度判定処理によって稼働フラグが稼働中に設定されている場合にはステップS50に移行し、CPU11は、エアコン2の設定温度を季節に応じた推奨設定温度に設定して、図7に示すエアコン制御処理を終了する。
【0121】
すなわち、図7に示すエアコン制御処理では、室内温度を用いてエアコン2の稼働状態を推定し、エアコン2が稼働していると推定された場合には、更にエアコン2が設置された室内の照度を用いてエアコン2の稼働状態を再度推定する。
【0122】
次に、照度判定処理の動作について説明する。図8は、図7のステップS46において、CPU11によって実行される照度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0123】
まず、ステップS200において、CPU11は規定照度を取得する。規定照度とは、エアコン2が設置された室内の窓のカーテンを閉じて窓から差し込む日光を抑制し、室内の照明を消灯した状態で照度センサ3Bによって測定される室内の照度である。規定照度はユーザの自宅7毎に予め測定される照度であり、例えば不揮発性メモリ14に記憶されるが、サーバ5の記憶装置に記憶しておいてもよい。なお、規定照度は必ずしもユーザの自宅7毎に測定した照度を用いる必要はなく、例えば各々のユーザに共通する予め定めた規定照度を用いてもよい。規定照度はユーザの指示によって変更可能である。
【0124】
ステップS210において、CPU11は、自宅7の室内に備えられた照度センサ3Bからエアコン2が設置された室内の現在の照度を取得する。
【0125】
ステップS220において、CPU11は、ステップS210で取得した室内の照度がステップS200で取得した規定照度未満であるか否かを判定する。室内の照度が規定照度未満である場合にはステップS230に移行する。
【0126】
この場合、ユーザの自宅7のエアコン2が設置された部屋の窓のカーテンは閉じられ、部屋の照明も消灯した状態であると推定されるため、CPU11は、ユーザは自宅7におらず、自宅7を不在にしていると特定する。室内温度と季節に応じた推奨設定温度の比較によって一旦はエアコン2が稼働していると推定したが、室内の照度によってユーザが自宅7を不在にしていると特定されたことから、CPU11は、エアコン2は稼働していないと推定し直す。したがって、ステップS230において、CPU11は、稼働フラグを停止中に設定して図8に示す照度判定処理を終了する。
【0127】
一方、ステップS220の判定処理において、室内の照度が規定照度以上であると判定された場合にはステップS240に移行する。
【0128】
この場合、ユーザの自宅7のエアコン2が設置された部屋の窓のカーテンは閉じられ、部屋の照明も消灯した状態ではないことから、ユーザが自宅7に在宅している可能性がある。しかしながら、例えばユーザが、エアコン2が設置された部屋の照明は消灯したが、当該部屋の窓のカーテンは閉めずに外出しているような状況の場合、ユーザは不在だが室内の照度は規定照度以上になることがあるため、室内の照度が規定照度以上である場合、室内の照度と規定照度との比較だけではユーザの在宅状況を特定することは難しい。したがって、ステップS240において、CPU11は、更に照度追加判定処理を実行して、室内の照度を用いた別の観点からユーザの在宅状況を特定する。
【0129】
図9は、図8のステップS240において、CPU11によって実行される照度追加判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0130】
まず、ステップS300において、CPU11は、ユーザの自宅7の平均照度を取得する。平均照度とは、例えば直近1年間といった予め定めた期間において照度センサ3Bによって測定された照度の平均値である。平均照度は、各々のスマートリモコン1のCPU11によってユーザの自宅7毎に算出される照度であり、例えば不揮発性メモリ14に記憶される。しかしながら、サーバ5が各々のユーザの自宅7に設置された照度センサ3Bによって測定された照度を用いて各々のユーザの自宅7毎に平均照度を算出してサーバ5の記憶装置に記憶し、CPU11がユーザの自宅7における平均照度をサーバ5から取得してもよい。平均照度はユーザの指示によって変更可能である。
【0131】
ステップS310において、CPU11は、図8のステップS210で取得した室内の照度がステップS300で取得した平均照度未満であるか否かを判定する。室内の照度が平均照度未満ではない場合、すなわち、室内の照度が平均照度以上である場合にはステップS320に移行する。
【0132】
この場合、室内の照度が平均照度以上あることから、ユーザが自宅7を不在にしている可能性よりもユーザが自宅7に在宅している可能性の方が高いと考えられるため、CPU11は、ユーザが自宅7に在宅していると特定する。したがって、ステップS320において、CPU11は、稼働フラグを稼働中に設定して図9に示す照度追加判定処理を終了する。
【0133】
一方、ステップS310の判定処理で室内の照度が平均照度未満であると判定された場合にはステップS330に移行する。
【0134】
この場合、室内の照度が平均照度以上ないことから、ユーザが自宅7に在宅している可能性よりもユーザが自宅7を不在にしている可能性の方が高いと考えられるため、CPU11は、ユーザが自宅7を不在にしていると特定する。したがって、ステップS330において、CPU11は、稼働フラグを停止中に設定して図9に示す照度追加判定処理を終了する。
【0135】
図7のステップS48の判定処理では、照度判定処理によって設定された稼働フラグを用いて、照度判定処理によってエアコン2が停止中と推定されたか、それとも稼働中と推定されたかを判定して、以降の処理を振り分ける。
【0136】
なお、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていない場合、及びユーザが自宅7を不在にしていると特定した場合、CPU11は、エアコン2に対する制御を行わないで図7に示したエアコン制御処理を終了する代わりに、エアコン2の電源をオフにしてエアコン2を停止する制御を行ってもよい。
【0137】
[形態A4:室内温度、ユーザの位置情報及び自宅7の照度を用いたエアコン制御処理]
図5には、室内温度とユーザの位置情報を用いて推定したエアコン2の稼働状態に応じてエアコン2の制御を行うエアコン制御処理を示した。また、図7には、室内温度とユーザの自宅7の照度を用いて推定したエアコン2の稼働状態に応じてエアコン2の制御を行うエアコン制御処理を示した。
【0138】
図5におけるGPS判定処理と図7における照度判定処理は、異なる観点から自宅7におけるユーザの在宅状況を特定する処理である。したがって、各々の処理を組み合わせることによって、GPS判定処理と照度判定処理の何れか一方を実行する場合と比較して、ユーザの在宅状況を精度よく特定することができる場合がある。
【0139】
図10は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図10に示すエアコン制御処理を規定する遠隔制御プログラムは、例えば不揮発性メモリ14に予め記憶されている。CPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される遠隔制御プログラムを読み込み、図10に示すエアコン制御処理を実行する。
【0140】
図10に示すエアコン制御処理が図4に示したエアコン制御処理と異なる点は、ステップS42、ステップS44、ステップS46、及びステップS48の処理が追加された点である。したがって、以降では図4に示したエアコン制御処理と異なる点を中心にして説明を行う。
【0141】
図10のステップS40の判定処理において、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていると判定された場合にはステップS42に移行する。ステップS42では、図6に示したGPS判定処理が実行される。GPS判定処理の結果、ユーザが自宅7を不在にしていると特定され、稼働フラグが停止中に設定されている場合には、ステップS44の判定処理によって、エアコン2に対する制御を行うことなく図10に示すエアコン制御処理を終了して、引き続きエアコン2を稼働しないようにする。
【0142】
一方、GPS判定処理の結果、ユーザが自宅7に在宅していると特定され、稼働フラグが稼働中に設定されていたとしても、実際にはユーザが自宅7を不在にしている場合も考えられる。例えばユーザが外出しようとして自宅7の玄関を出ようとしている状況でGPS判定処理が実行されると、ユーザは自宅7にいないが在宅していると特定されることがある。
【0143】
したがって、図10のステップS44の判定処理において、ステップS42で実行されたGPS判定処理によって稼働フラグが稼働中に設定されていると判定された場合には、ステップS46に移行する。そのうえで、ステップS46において、CPU11は、図8を用いて説明した照度判定処理を実行して、ユーザの位置情報とは異なる観点からユーザの在宅状況を特定する。
【0144】
照度判定処理の結果、ユーザが自宅7を不在にしていると特定され、稼働フラグが停止中に設定されている場合には、ステップS48の判定処理によって、エアコン2に対する制御を行うことなく図10に示すエアコン制御処理を終了して、引き続きエアコン2を稼働しないようにする。一方、照度判定処理によって稼働フラグが稼働中に設定されている場合にはステップS50に移行し、既に説明したように、CPU11は、エアコン2の設定温度を季節に応じた推奨設定温度に設定して、図10に示すエアコン制御処理を終了する。
【0145】
なお、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていない場合、並びに、GPS判定処理若しくは照度判定処理によってユーザが自宅7を不在にしていると特定した場合、CPU11は、エアコン2に対する制御を行わないで図10に示したエアコン制御処理を終了する代わりに、エアコン2の電源をオフにしてエアコン2を停止する制御を行ってもよい。
【0146】
このように、スマートリモコン1はDR制御指示を受け付けた場合、エアコン2が設置された部屋の室内温度と季節に応じた推奨設定温度とを比較してエアコン2の稼働状態を推定する。エアコン2が稼働していると推定された場合、スマートリモコン1は、GPS判定処理及び証明判定処理の少なくとも一方を実行して、エアコン2の稼働状態を更に詳細に推定してもよい。
【0147】
<第2実施形態>
第1実施形態に係る遠隔制御システム100のスマートリモコン1は、図4図5図7、及び図10に示した各エアコン制御処理を実行する前におけるエアコン2の稼働状態のままでエアコン2の稼働状態を推定した。具体的には、スマートリモコン1は、エアコン2が稼働中であればエアコン2が稼働したままでエアコン2の稼働状態を推定し、エアコン2が停止中であればエアコン2が停止したままでエアコン2の稼働状態を推定した。
【0148】
第2実施形態では、エアコン2の電源をオンにして一旦エアコン2を稼働させ、エアコン2の電源をオンにする前のエアコン2の稼働状態を推定するスマートリモコン1のエアコン制御処理について説明する。
【0149】
図11は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示すエアコン制御処理を規定する遠隔制御プログラムは、例えば不揮発性メモリ14に予め記憶されている。CPU11は、不揮発性メモリ14に記憶される遠隔制御プログラムを読み込み、図11に示すエアコン制御処理を実行する。
【0150】
なお、第2実施形態におけるスマートリモコン1の機能構成は、図2に示した第1実施形態におけるスマートリモコン1の機能構成例と同じであり、第2実施形態におけるスマートリモコン1の電気系統の要部構成は、図3に示した第1実施形態におけるスマートリモコン1の電気系統の要部構成例と同じである。
【0151】
また、ユーザの自宅7には、エアコン2が設置された部屋の室内温度を測定する温度センサ3A(図1参照)がセンサ3として設置されているものとする。
【0152】
まず、ステップS400において、CPU11は、図4のステップS10と同じ季節判定処理を実行して、現在の季節を推定する。
【0153】
ステップS410において、CPU11は、図4のステップS20と同じ処理を実行して、ステップS400で推定した現在の季節に応じた推奨設定温度を取得する。既に説明したように、現在の季節に応じた推奨設定温度は、ユーザの指示に従って変更可能である。
【0154】
ステップS420において、CPU11は、温度センサ3Aから最新の室内温度を取得する。
【0155】
ステップS430において、CPU11は、エアコン2の設定温度をステップS410で取得した推奨設定温度に設定したうえで、エアコン2の電源をオンにする制御を行い、エアコン2を稼働させる。この場合、CPU11は、ステップS400で推定した現在の季節に応じた運転モードでエアコン2を稼働させる。具体的には、現在の季節が夏季であれば、CPU11は冷房運転を行い、現在の季節が冬季であれば、CPU11は暖房運転を行う。
【0156】
エアコン2の電源をオンにする前からエアコン2が稼働している場合には、ステップS430の処理によって、エアコン2の設定温度が推奨設定温度に設定された状態で、エアコン2が引き続き稼働し続けることになる。一方、エアコン2の電源をオンにする前にはエアコン2が稼働していなかった場合には、ステップS430の処理によって、エアコン2の設定温度が推奨設定温度に設定された状態で、エアコン2が稼働し始めることになる。
【0157】
CPU11は、ステップS430でのエアコン2の稼働制御にあわせて、ステップS430でエアコン2を稼働させてからの経過時間(「稼働時間」という)を測定するタイマを起動する。稼働時間の測定には、例えばCPU11に内蔵されるタイマを使用すればよい。
【0158】
ステップS440において、CPU11は、ステップS430でエアコン2を稼働させてからの稼働時間が規定稼働時間を経過したか否かを判定する。
【0159】
規定稼働時間とは、ステップS430でエアコン2の電源をオンにする前のエアコン2の稼働状態を推定するのに必要となるエアコン2の稼働時間であり、具体的には、エアコン2に設定した推奨設定温度に向かって室内温度が変化するのに要する時間であり、例えば15分に設定される。このように、規定稼働時間は、エアコン2の稼働時間を規定する予め定めた稼働時間の一例である。規定稼働時間は、例えば不揮発性メモリ14に予め記憶され、ユーザの指示によって変更可能である。
【0160】
エアコン2の稼働時間が規定稼働時間に達していない場合、ステップS430でエアコン2の設定温度を推奨設定温度に設定したことによって生じる室内温度の変化が、まだ温度センサ3Aの測定結果に反映されていない状況が考えられる。したがって、ステップS440の判定処理を繰り返し実行して室内温度が変化するまで待機する。
【0161】
一方、エアコン2の稼働時間が規定稼働時間を経過した場合にはステップS450に移行する。
【0162】
この場合、エアコン2が規定稼働時間に亘って稼働したことで、ステップS430でエアコン2の設定温度を推奨設定温度に設定したことによる室内温度の変化が現れていることになる。
【0163】
したがって、ステップS450において、CPU11は、温度センサ3Aから規定稼働時間が経過した後の室内温度を取得する。説明の便宜上、ステップS420で取得した、エアコン2の稼働前の室内温度を「稼働前室内温度」と表し、ステップS450で取得した、エアコン2の稼働後の室内温度を「稼働後室内温度」と表す。稼働後室内温度は第1室内温度の一例であり、稼働前室内温度は第2室内温度の一例である。
【0164】
ステップS460において、CPU11は、稼働後室内温度に対する稼働前室内温度の温度差、すなわち、稼働後室内温度から稼働前室内温度を引いた温度差を算出する。
【0165】
現在の季節が夏季である場合、図11のエアコン制御処理を実行する前にエアコン2が稼働していなければ、冷房運転によって稼働後室内温度が稼働前室内温度よりも低下する傾向が見られる。したがって、この場合の温度差の符号は負となる。一方、図11のエアコン制御処理を実行する前からエアコン2が稼働していれば、ユーザは、エアコン2の設定温度を夏季推奨設定温度よりも低い温度に設定していることが多いため、稼働後室内温度が稼働前室内温度よりも上昇する傾向が見られる。したがって、この場合の温度差の符号は正となる。
【0166】
また、現在の季節が冬季である場合、図11のエアコン制御処理を実行する前にエアコン2が稼働していなければ、暖房運転によって稼働後室内温度が稼働前室内温度よりも上昇する傾向が見られる。したがって、この場合の温度差の符号は正となる。一方、図11のエアコン制御処理を実行する前からエアコン2が稼働していれば、ユーザは、エアコン2の設定温度を冬季推奨設定温度よりも高い温度に設定していることが多いため、稼働後室内温度が稼働前室内温度よりも低下する傾向が見られる。したがって、この場合の温度差の符号は負となる。
【0167】
不揮発性メモリ14には、図11のエアコン制御処理を実行する前にエアコン2が稼働していないと推定される場合の温度差の符号(「規定符号」という)が季節毎に予め記憶されている。具体的には、現在の季節が夏季である場合、規定符号として負が記憶され、現在の季節が冬季である場合、規定符号として正が不揮発性メモリ14に記憶されている。
【0168】
したがって、ステップS470において、CPU11は、ステップS400で推定した現在の季節に応じた規定符号を不揮発性メモリ14から取得する。なお、規定符号を必ずしも不揮発性メモリ14に記憶しておく必要はなく、サーバ5の記憶装置に予め記憶しておいてもよい。
【0169】
ステップS480において、CPU11は、ステップS460で算出した温度差の符号が、ステップS470で取得した規定符号と同じであるか否かを判定する。温度差の符号が規定符号と同じであればステップS490に移行する。
【0170】
この場合、図11のエアコン制御処理を実行する前にはエアコン2は稼働していなかったと推定される。したがって、ステップS490において、CPU11は、ステップS430で稼働させたエアコン2の電源をオフにする制御を行い、図11のエアコン制御処理を終了する。
【0171】
一方、ステップS480の判定処理で温度差の符号が規定符号と異なると判定された場合、図11のエアコン制御処理を実行する前からエアコン2は稼働していたものと推定される。したがって、引き続きエアコン2を稼働中のままにしておくため、ステップS490の処理を実行することなく図11のエアコン制御処理を終了する。
【0172】
このように、第2実施形態に係るエアコン制御処理によれば、エアコン2の稼働状態を推定するため、エアコン2の電源をオンにしてエアコン2を規定稼働時間に亘って稼働させる。そのうえで、第2実施形態に係るエアコン制御処理は、エアコン2の稼働前後の室内温度の変化から、エアコン制御処理を実行する前のエアコン2の稼働状態を推定する。
【0173】
スマートリモコン1は、第2実施形態に係るエアコン制御処理を実行する前にエアコン2が稼働していなければ、規定稼働時間の間だけエアコン2が稼働させることになるが、最終的にエアコン2の電源をオフに設定することから、節電の主旨に沿った制御を行うことになる。
【0174】
また、スマートリモコン1は、第2実施形態に係るエアコン制御処理を実行する前からエアコン2が稼働している場合、引き続きエアコン2を稼働させることになるが、エアコン2の設定温度を推奨設定温度に変更することから、節電の主旨に沿った制御を行うことになる。
【0175】
[形態B1:A1のエアコン制御処理への第2実施形態に係るエアコン制御処理の適用]
図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理を、図4に示した第1実施形態に係る形態A1のエアコン制御処理に組み合わせて、エアコン2の稼働状態を推定してもよい。
【0176】
図12は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0177】
図12に示すエアコン制御処理が図4に示した形態A1のエアコン制御処理と異なる点は、ステップS50の処理がステップS49の稼働制御処理に置き換えられた点である。稼働制御処理とは、図11に示したエアコン制御処理のうち、ステップS430以降の処理に対応した処理である。すなわち、ステップS49における稼働制御処理の動作は既に説明済みであるため再度の説明を省略する。
【0178】
CPU11は、図12のステップS40の判定処理において、室内温度が季節に応じた推奨設定温度を超えていると判定された場合にはステップS49に移行する。
【0179】
この場合、エアコン2は稼働していると一旦推定されているが、ステップS49において、CPU11は、更に稼働制御処理を実行する。
【0180】
なお、図11のステップS430以降の処理に対応した稼働制御処理では、稼働制御処理のステップS430において、エアコン2の設定温度を図12のステップS20で取得した推奨設定温度に設定したうえで、図12のステップS10で推定した現在の季節に応じた運転モードでエアコン2を稼働させる。また、この場合の稼働前室内温度は、図12のステップS30で取得した室内温度が用いられる。
【0181】
図4の形態A1に示したエアコン制御処理に加えて、更に、図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理も実行されることから、図4の形態A1に示したエアコン制御処理のみでエアコン2の稼働状態を推定する場合と比較して、エアコン2の稼働状態を精度よく推定することができる。
【0182】
[形態B2:A2のエアコン制御処理への第2実施形態に係るエアコン制御処理の適用]
図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理を、図5に示した第1実施形態に係る形態A2のエアコン制御処理に組み合わせて、エアコン2の稼働状態を推定してもよい。
【0183】
図13は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0184】
図13に示すエアコン制御処理が図5に示した形態A2のエアコン制御処理と異なる点は、ステップS50の処理がステップS49の稼働制御処理に置き換えられた点である。
【0185】
CPU11は、図13のステップS44の判定処理において、ステップS42で実行されたGPS判定処理によって稼働フラグが稼働中に設定されていると判定された場合には、ステップS49に移行する。
【0186】
この場合、エアコン2は稼働していると一旦推定されているが、ステップS49において、CPU11は、更に稼働制御処理を実行する。
【0187】
なお、図11のステップS430以降の処理に対応した稼働制御処理では、稼働制御処理のステップS430において、エアコン2の設定温度を図13のステップS20で取得した推奨設定温度に設定したうえで、図13のステップS10で推定した現在の季節に応じた運転モードでエアコン2を稼働させる。また、この場合の稼働前室内温度は、図13のステップS30で取得した室内温度が用いられる。
【0188】
図5の形態A2に示したエアコン制御処理に加えて、更に、図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理も実行されることから、図5の形態A2に示したエアコン制御処理のみでエアコン2の稼働状態を推定する場合と比較して、エアコン2の稼働状態を精度よく推定することができる。
【0189】
[形態B3:A3のエアコン制御処理への第2実施形態に係るエアコン制御処理の適用]
図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理を、図7に示した第1実施形態に係る形態A3のエアコン制御処理に組み合わせて、エアコン2の稼働状態を推定してもよい。
【0190】
図14は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0191】
図14に示すエアコン制御処理が図7に示した形態A3のエアコン制御処理と異なる点は、ステップS50の処理がステップS49の稼働制御処理に置き換えられた点である。
【0192】
CPU11は、図14のステップS48の判定処理において、ステップS46で実行された照度判定処理によって稼働フラグが稼働中に設定されていると判定された場合には、ステップS49に移行する。
【0193】
この場合、エアコン2は稼働していると一旦推定されているが、ステップS49において、CPU11は、更に稼働制御処理を実行する。
【0194】
なお、図11のステップS430以降の処理に対応した稼働制御処理では、稼働制御処理のステップS430において、エアコン2の設定温度を図14のステップS20で取得した推奨設定温度に設定したうえで、図14のステップS10で推定した現在の季節に応じた運転モードでエアコン2を稼働させる。また、この場合の稼働前室内温度は、図14のステップS30で取得した室内温度が用いられる。
【0195】
図7の形態A3に示したエアコン制御処理に加えて、更に、図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理も実行されることから、図7の形態A3に示したエアコン制御処理のみでエアコン2の稼働状態を推定する場合と比較して、エアコン2の稼働状態を精度よく推定することができる。
【0196】
[形態B4:A4のエアコン制御処理への第2実施形態に係るエアコン制御処理の適用]
図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理を、図10に示した第1実施形態に係る形態A4のエアコン制御処理に組み合わせて、エアコン2の稼働状態を推定してもよい。
【0197】
図15は、DR制御指示を受け付けた場合に、スマートリモコン1のCPU11によって実行されるエアコン制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0198】
図15に示すエアコン制御処理が図10に示した形態A4のエアコン制御処理と異なる点は、ステップS50の処理がステップS49の稼働制御処理に置き換えられた点である。
【0199】
CPU11は、図15のステップS48の判定処理において、ステップS46で実行された照度判定処理によって稼働フラグが稼働中に設定されていると判定された場合には、ステップS49に移行する。
【0200】
この場合、エアコン2は稼働していると一旦推定されているが、ステップS49において、CPU11は、更に稼働制御処理を実行する。
【0201】
なお、図11のステップS430以降の処理に対応した稼働制御処理では、稼働制御処理のステップS430において、エアコン2の設定温度を図15のステップS20で取得した推奨設定温度に設定したうえで、図15のステップS10で推定した現在の季節に応じた運転モードでエアコン2を稼働させる。また、この場合の稼働前室内温度は、図15のステップS30で取得した室内温度が用いられる。
【0202】
図10の形態A4に示したエアコン制御処理に加えて、更に、図11に示した第2実施形態に係るエアコン制御処理も実行されることから、図10の形態A4に示したエアコン制御処理のみでエアコン2の稼働状態を推定する場合と比較して、エアコン2の稼働状態を精度よく推定することができる。
【0203】
以上、実施形態を用いて遠隔制御システム100の一態様について説明したが、開示した遠隔制御システム100の形態は一例であり、遠隔制御システム100の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、各エアコン制御処理における内部順序を変更してもよい。
【0204】
また、本開示では、一例としてスマートリモコン1でのエアコン制御処理をソフトウェアで実現する形態について説明した。しかしながら、図4図15に示した各フローチャートと同等の処理を、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はPLD(Programmable Logic Device)に実装し、ハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、エアコン制御処理をソフトウェアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0205】
このように、スマートリモコン1のCPU11を例えばASIC、FPGA、PLD、GPU(Graphics Processing Unit)、及びFPU(Floating Point Unit)といった特定の処理に特化した専用のプロセッサに置き換えてもよい。
【0206】
また、スマートリモコン1は、1つのCPU11によって実現される形態の他、複数のCPU11、又はCPU11とFPGAとの組み合わせというように、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせで実行してもよい。更に、エアコン制御処理は、スマートリモコン1の筐体の外部に位置する、物理的に離れた場所に存在するプロセッサとの協働によって実現されるものであってもよい。
【0207】
実施形態では、スマートリモコン1の不揮発性メモリ14に遠隔制御プログラムが記憶されている例について説明したが、遠隔制御プログラムの記憶先は不揮発性メモリ14に限定されない。本開示の遠隔制御プログラムは、コンピュータ10で読み取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば遠隔制御プログラムをCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk-Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、遠隔制御プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。ROM12、不揮発性メモリ14、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0208】
更に、スマートリモコン1は、インターネット6に接続された外部サーバ(図示省略)から遠隔制御プログラムをダウンロードし、ダウンロードした遠隔制御プログラムを、例えば不揮発性メモリ14に記憶してもよい。この場合、スマートリモコン1のCPU11は、外部装置からダウンロードした遠隔制御プログラムを読み込んでエアコン制御処理を実行する。
【0209】
上記に示した実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0210】
(付記項1)
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、
推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないように制御する
遠隔制御装置。
【0211】
(付記項2)
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行い、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得し、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定し、
推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に取得した前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に取得した前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う
遠隔制御装置。
【0212】
(付記項3)
エアコン制御処理を実行するようにコンピュータによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的記憶媒体であって、
前記エアコン制御処理が、
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行う通信ステップと、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得する取得ステップと、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定する推定ステップと、
推定した季節毎に前記空調機の推奨設定温度として予め定められた推奨設定温度と取得した前記室内温度とを比較し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われている場合、前記空調機の設定温度を前記推奨設定温度に設定し、前記空調機において前記室内温度が前記推奨設定温度を超えるような運転が行われていない場合、前記空調機に対する制御を行わないように制御する制御ステップと、
を含む非一時的記憶媒体。
【0213】
(付記項4)
エアコン制御処理を実行するようにコンピュータによって実行可能なプログラムを記憶した非一時的記憶媒体であって、
前記エアコン制御処理が、
空調機に対する指示を、赤外線を用いて前記空調機に送信する一方、前記指示に対する前記空調機からの応答は受信することができない単方向の赤外線通信を行う通信ステップと、
季節に関する情報である季節情報、及び前記空調機が設置された住宅における室内温度を取得する取得ステップと、
取得した前記季節情報を用いて現在の季節を推定する推定ステップと、
推定された現在の季節に応じて予め定められた運転モード、かつ、設定温度で前記空調機を稼働させると共に、前記空調機を予め定めた期間に亘って稼働させた後に取得した前記室内温度である第1室内温度に対する、前記空調機の稼働前に取得した前記室内温度である第2室内温度の温度差の符号が、推定された季節に応じて予め定められた符号である規定符号となっている場合、前記空調機の電源をオフにする制御を行い、前記温度差の符号が前記規定符号と異なる場合には、前記空調機をそのまま稼働し続ける制御を行う制御ステップと、
を含む非一時的記憶媒体。
【符号の説明】
【0214】
1 スマートリモコン
1A 通信部
1B 取得部
1C 推定部
1D 制御部
2 エアコン
3 センサ
3A 温度センサ
3B 照度センサ
4 ユーザ端末
5 サーバ
6 インターネット
7 自宅
10 コンピュータ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 不揮発性メモリ
15 I/O
16 バス
17 通信ユニット
18 入力ユニット
19 表示ユニット
100 遠隔制御システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15