(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055683
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】車両用カメラユニット
(51)【国際特許分類】
B60R 1/25 20220101AFI20240411BHJP
【FI】
B60R1/25
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162798
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 玲央
(72)【発明者】
【氏名】服部 憲昭
(72)【発明者】
【氏名】福間 健太
(57)【要約】
【課題】 払拭機構、可動機構などを設けることなく、カメラに雨滴などの汚れの付着を抑制して、運転支援機能の作動時間を長くし、且つ車両の製造コストを低減できる車両用カメラユニットの提供。
【解決手段】 車両用カメラユニット10は、車両1の側方に装着されるカメラ筐体13と、このカメラ筐体13に設けられる前斜方カメラ14と、カメラ筐体に設けられ、前斜方カメラ14よりも前方および車幅方向の外側に配置される後斜方カメラ15と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側方に装着されるカメラ筐体と、
前記カメラ筐体に設けられる前斜方カメラと、
前記カメラ筐体に設けられ、前記前斜方カメラよりも前方および車幅方向の外側に配置される後斜方カメラと、
を備えた車両用カメラユニット。
【請求項2】
前記カメラ筐体は、前記前斜方カメラおよび前記後斜方カメラの上下の少なくとも一方を覆うように前記車幅方向の外側に突出するフードを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用カメラユニット。
【請求項3】
前記カメラ筐体は、少なくとも上方側の前記フードを有し、
上方側の前記フードは、前方から後方に向けて、下部側に傾斜する斜面を有することを特徴とする請求項2に記載の車両用カメラユニット。
【請求項4】
前記斜面は、前記車幅方向の外側に向けて、下部側にも傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の車両用カメラユニット。
【請求項5】
前記カメラ筐体は、前方から後方に向けて、前記車幅方向の外側に傾斜する前方側面部および上部側に傾斜する前方上面部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用カメラユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる車両用カメラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両には、前方の走行環境を撮影するカメラの他、側方、後方などを撮影するカメラが設けられている。このようなカメラは、車両の周囲を撮影して、その撮影画像をドライバに提供する。また、カメラが撮影した周囲の画像を利用して運転支援を行う運転支援装置が搭載された車両が登場している。
【0003】
このように車両に設けられたカメラは、レンズに塵、水滴などが付着すると、視界が遮られる。運転支援装置は、カメラの視界が悪くなると、機能が強制的に終了するようになっている。そのため、カメラの視界を良好に保つような種々の提案がされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、カメラの視界を遮る塵、水滴などを除去するための風圧発生装置が提案されている。また、特許文献2には、カメラのレンズに付着した水滴を適切に除去する車載用撮像装置が提案されている。
【0005】
これら従来の風圧発生装置または車載用撮像装置は、カメラのレンズ付近に風圧を発生させてレンズへの汚れ付着を軽減させる技術となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-286216号公報
【特許文献2】特開2017-222307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来の風圧発生装置および車載用撮像装置は、ドアミラーに搭載されており、このドアミラーに払拭機構または可動機構を設けて、カメラの視界を良好にする技術である。しかしながら、車両は、払拭機構または可動機構をドアミラーに設けることにより構造が複雑となり、生産ラインでの工数が増大する他、製造コストも高くなる原因となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、その目的とするところは、払拭機構、可動機構などを設けることなく、カメラに雨滴などの汚れの付着を抑制して、運転支援機能の作動時間を長くし、且つ車両の製造コストを低減できる車両用カメラユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様の車両用カメラユニットは、車両の側方に装着されるカメラ筐体と、前記カメラ筐体に設けられる前斜方カメラと、前記カメラ筐体に設けられ、前記前斜方カメラよりも前方および車幅方向の外側に配置される後斜方カメラと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、払拭機構、可動機構などを設けることなく、カメラに雨滴などの汚れの付着を抑制して、運転支援機能の作動時間を長くし、且つ車両の製造コストを低減できる車両用カメラユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】車両用カメラユニットを備えた車両の前部を示す側面図
【
図5】フロントフェンダに搭載された車両用カメラユニットの構成を示す縦断面図
【
図6】フロントフェンダに搭載された車両用カメラユニットの構成を示す上面図
【
図7】フロントフェンダに搭載された車両用カメラユニットの構成を示す下面図
【
図8】車両用カメラユニットがスナップフィット機構によってフロントフェンダに装着される状態を説明する図
【
図9】車両用カメラユニットがスナップフィット機構によってフロントフェンダに装着された状態を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1および
図2に示すように、車両1は、前方カメラ装置11と、2つの前後斜方カメラ装置12と、を有している。
【0013】
前方カメラ装置11は、前方の走行環境を認識するための撮像手段である。一方、2つの前後斜方カメラ装置12は、左右の前斜方および後斜方の走行環境を認識する撮像手段である。
【0014】
前方カメラ装置11は、車両1の車室内前部のフロントガラス2に近接する上部の位置に固定される。ここでの前方カメラ装置11は、例えば、2つのカメラを備えたステレオカメラ装置である。前方カメラ装置11は、車両1の前方領域FIのステレオ画像を取得する。なお、前方カメラ装置11は、ステレオカメラに限定することなく、単眼カメラの構成であってもよい。
【0015】
本実施の形態の車両用カメラユニットである2つの前後斜方カメラ装置12は、車両1の左右の側方に配置されたフロントフェンダ3に突出するように設けられる。即ち、2つの前後斜方カメラ装置12は、左右のフロントフェンダ3において、車両1の車幅方向の外側に突出するように配設される。また、2つの前後斜方カメラ装置12は、前輪4が収容配置されるホイールハウス6の上方のフロントフェンダ3に設置される。
【0016】
右側のフロントフェンダ3に設けられる前後斜方カメラ装置12は、車両1の右前斜方領域FRIおよび右後斜方領域RRIの画像を取得する。左側のフロントフェンダ3に設けられる前後斜方カメラ装置12は、車両1の左前斜方領域FLIおよび左後斜方領域RLIの画像を取得する。
【0017】
ここで、前後斜方カメラ装置12の構成について、以下に詳しく説明する。なお、以下の説明では、左側のフロントフェンダ3に設けられる前後斜方カメラ装置12の構成のみを例示する。また、右側のフロントフェンダ3に設けられる前後斜方カメラ装置12は、左側の前後斜方カメラ装置12と左右対称の構成を有するため、詳細な説明を省略する。
【0018】
前後斜方カメラ装置12は、
図3および
図4に示すように、外装部品であるカメラ筐体13と、前斜方カメラ14と、後斜方カメラ15と、を有している。即ち、前後斜方カメラ装置12は、カメラ筐体13に2つのカメラ14,15が設けられた1ユニット構成部品のカメラアッセンブリである。
【0019】
前斜方カメラ14は、後斜方カメラ15よりも車両1の後方に設けられる。即ち、後斜方カメラ15が車両1の前方側とし、前斜方カメラ14が車両1の後方側として、順にカメラ筐体13に設けられる。
【0020】
カメラ筐体13は、前方側面部21と、前方上面部22と、後方上面部23と、下面部24と、を有する。そして、カメラ筐体13は、前斜方カメラ14が配置される側面25と、後斜方カメラ15が配置される後面26と、を有する。
【0021】
前斜方カメラ14は、レンズ14aが車両1の斜め前方を若干臨むようにカメラ筐体13の側面25に配設される。この前斜方カメラ14は、所定の画角が設定されており、左前斜方領域FLIを撮影する。なお、前斜方カメラ14は、車両1の車幅方向に沿った横方向を臨むようにカメラ筐体13に設けられていてもよい。
【0022】
後斜方カメラ15は、レンズ15aが車両1の斜め後方に向けられた状態でカメラ筐体13の後面26に配設される。この後斜方カメラ15は、所定の画角が設定されており、左後斜方領域RLIを撮影する。
【0023】
ところで、カメラ筐体13は、後方上面部23を上方に有する庇状の上部フード31および下面部24を下方に有する庇状の下部フード32が形成される。これら上部フード31および下部フード32は、車両1の車幅方向の外側に延設する。そのため、カメラ筐体13は、側面25、後面26、上部フード31および下部フード32によって形成された凹部33を有する。
【0024】
そして、カメラ筐体13は、凹部33内に収まるように、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15が配置される。即ち、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15は、カメラ筐体13の凹部33において、上方が上部フード31に覆われ、下方が下部フード32に覆われた状態に配置される。
【0025】
即ち、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15は、上下方向における上部フード31と下部フード32の間に設けられる。なお、上部フード31および下部フード32は、前斜方カメラ14のレンズ14aおよび後斜方カメラ15のレンズ15aを覆うように車幅方向の外側に突出形成される。
【0026】
カメラ筐体13の前部の側方に位置する前方側面部21は、車両1の前方から後方に向かって、車両1の車幅方向の外側に所定の角度に傾斜する斜面を有する。
【0027】
カメラ筐体13の前部の上方に位置する前方上面部22は、車両1の前方から後方に向かって、車両1の上方側に所定の角度に傾斜する斜面を有する。
【0028】
カメラ筐体13の中途から後部の上方に位置する後方上面部23は、車両1の前方から後方に向かって、車両1の下方側に所定の角度に傾斜する斜面を有する。さらに、後方上面部23の斜面は、
図5に示すように、車両1の車幅方向の外側に向けて下方に傾斜している。
【0029】
即ち、上部フード31は、車両1の前方から後方および車両1の車幅方向の外側に向けて、下方側に傾斜した斜面の後方上面部23を有する。なお、カメラ筐体13の下面部24は、車両1の前方から後方に向かって、車両1の前後方向に略平行な面となっている。
【0030】
ところで、後斜方カメラ15は、
図6および
図7に示すように、カメラ筐体13の凹部33内において、前斜方カメラ14よりも、車両1の車幅方向の外側となるように配置される。
【0031】
具体的には、前斜方カメラ14は、レンズ14aの中心(主点)O1がフロントフェンダ3から車両1の車幅方向の外側に所定の距離L1を有して離れた位置に設けられる。また、後斜方カメラ15は、レンズ15aの中心(主点)O2がフロントフェンダ3から車両1の車幅方向の外側に所定の距離L2を有して離れた位置に設けられる。
【0032】
即ち、後斜方カメラ15は、車両1の進行方向に対して、反対側(180°)の後方を画角内に収めるため、フロントフェンダ3の表面よりも車両1の車幅方向外側に突出させる必要がある。一方、前斜方カメラ14は、前方カメラ装置11があるため、車両進行方向(0°)の前方を画角内に収めなくてもよく、車両1の車幅方向外側に突出させる必要がない。
【0033】
ところで、前後斜方カメラ装置12は、フロントフェンダ3への組付けに関して、スナップフィット機構によって艤装される。前後斜方カメラ装置12は、
図8および
図9に示すように、カメラ筐体13に装着するコネクタ部16を有している。このコネクタ部16には、カプラなどの端子、リジット爪17および、撓み爪18を有している。
【0034】
前後斜方カメラ装置12は、先ず、コネクタ部16の端子が、図示しない車両1側の電源ケーブル、撮像ケーブルなどの端子と接続される。そして、前後斜方カメラ装置12は、コネクタ部16側がフロントフェンダ3に形成された孔部8に挿入される。
【0035】
このとき、前後斜方カメラ装置12は、コネクタ部16のリジット爪17がフロントフェンダ3の孔部8を形成する縁部内壁に引っ掛かるように傾けられて、コネクタ部16側から孔部8に挿入される。
【0036】
そして、前後斜方カメラ装置12がフロントフェンダ3側に押し込まれると、撓み爪18が孔部8を通過する際に変形してコネクタ部16側に撓る。変形した撓み爪18は、孔部8を通過してフロントフェンダ3内に全て入り込み元の状態に戻る。
【0037】
すると、撓み爪18の端部がフロントフェンダ3の内面に当接して、前後斜方カメラ装置12がフロントフェンダ3に保持固定される。このようにして、前後斜方カメラ装置12は、フロントフェンダ3に装着される。なお、前後斜方カメラ装置12は、フロントフェンダ3への装着時に水密保持する、図示しない防水シールなどが設けられている。
【0038】
以上に説明した前後斜方カメラ装置12は、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15を1つのカメラユニットとしてカメラ筐体13に配置して、フロントフェンダ3に搭載されている。なお、後斜方カメラ15は、前斜方カメラ14より車両1の前方に配置される。
【0039】
このように、前後斜方カメラ装置12は、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15を1つのカメラユニット化にすることで、車両1の組付けラインでの工数および部品追加による周辺部品への変化点を抑制することができる。
【0040】
前後斜方カメラ装置12は、後斜方カメラ15が前斜方カメラ14より車両1の車幅方向の外側に位置するようにカメラ筐体13に設けられる。即ち、車両1の後方斜め方向を臨む後斜方カメラ15の画角の光軸が通過するレンズ15aの中心(主点)O2が前斜方カメラ14の画角の光軸が通過するレンズ14aの中心(主点)O1よりも車両1の車幅方向の外側に位置している。
【0041】
そのため、前後斜方カメラ装置12は、車両1の前方から来る視界不良の原因となる原因となる雨滴(水滴)、塵などの汚れ(
図4、
図6、
図7の矢印D参照)が前斜方カメラ14のレンズ14aおよび後斜方カメラ15のレンズ15aに付着する事象が軽減される。このように、前後斜方カメラ装置12は、視界不良の原因となる雨滴、塵などの汚れが前斜方カメラ14および後斜方カメラ15のレンズ14a,15aに付着することを前斜方カメラ14および後斜方カメラ15の配置により抑制する。
【0042】
また、前後斜方カメラ装置12は、カメラ筐体13の前部に車両1の車幅方向の外側に傾斜する斜面を有した前方側面部21が設けられる。そのため、前後斜方カメラ装置12は、車両1の前方から来る雨滴、塵などの汚れ(矢印D)が前方側面部21の表面に沿って車幅方向の外側に流れる。これにより、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15は、レンズ14a,15aに視界不良の原因となる雨滴、塵などの汚れが付着する事象が軽減される。
【0043】
さらに、前後斜方カメラ装置12は、カメラ筐体13の前部に車両1の上方に傾斜する斜面を有した前方上面部22が設けられる。そのため、前後斜方カメラ装置12は、車両1の前方から来る視界不良の原因となる雨滴、塵などの汚れ(矢印D)が前方上面部22の表面に沿って上方に流れる。これにより、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15は、レンズ14a,15aに視界不良の原因となる雨滴、塵などの汚れが付着する事象が軽減される。
【0044】
また、前後斜方カメラ装置12は、カメラ筐体13の中途から後部にかけて車両1の下部側に傾斜すると共に、車幅方向の下部側に傾斜する斜面を有した後方上面部23を有した上部フード31が設けられる。そのため、前後斜方カメラ装置12は、車両1の上方から来る雨滴、塵などの汚れ(
図4~
図7の矢印RD参照)が上部フード31の後方上面部23の表面に沿って車両1の後方および車幅方向の外側に流れる。
【0045】
さらに、カメラ筐体13の上部に庇形状の上部フード31の上面となる後方上面部23を車両1の後方および外方に傾斜させることで、フロントフェンダ3の上部から伝ってくる雨水なども、車両1の後方および外方へ流水する。これにより、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15は、レンズ14a,15aに視界不良の原因となる汚れが付着する事象が軽減される。
【0046】
なお、前後斜方カメラ装置12は、カメラ筐体13の下部に下面部24を有した下部フード32が設けられる。そのため、前後斜方カメラ装置12は、車両1の前輪4による跳ね上げ、巻き上げなどによる下方から来る雨水、泥などの汚れ(
図4~
図7の矢印SP参照)が下部フード32の下面部24に遮られる。これにより、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15は、レンズ14a,15aに視界不良の原因となる汚れが付着する事象が軽減される。
【0047】
このように、前後斜方カメラ装置12は、車両1の前方、上方および前輪4による跳ね上げ、巻き上げによって、視界不良の原因となる雨滴、塵、雨水、泥などの汚れが前斜方カメラ14および後斜方カメラ15のレンズ14a,15aに付着することをカメラ筐体13の形状により抑制する。即ち、前後斜方カメラ装置12は、カメラ筐体13の形状によって、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15のレンズ14a,15aへの雨滴、塵、雨水、泥などの汚れの侵入を軽減する。
【0048】
以上の説明から、前後斜方カメラ装置12は、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15に視界不良の原因となる汚れが付着し難い構成となっている。そのため、車両1は、前後斜方カメラ装置12に設けられた前斜方カメラ14および後斜方カメラ15の視界不良による運転支援機能が中断され難くなるという利点がある。
【0049】
また、前後斜方カメラ装置12は、従来のような払拭機構または可動機構を設けることなく、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15の視界を良好に保つことができる。さらに、前後斜方カメラ装置12は、従来のような払拭機構または可動機構を有していないため、構造が複雑とならず、車両1の生産ラインでの工数の増大を抑制すると共に、車両1の製造コストも低減することができる。
【0050】
従って、本実施の形態の車両用カメラユニットである前後斜方カメラ装置12は、従来のような払拭機構、可動機構などを設けることなく、カメラに雨滴などの汚れの付着を抑制して、運転支援機能の作動時間を長くし、且つ車両1の製造コストを低減できる構成となる。なお、車両1の前後斜方カメラ装置12は、筐体13に上部フード31または下部フード32のいずれか一方が形成された構成であってもよい。即ち、前斜方カメラ14および後斜方カメラ15は、上方または下方のいずれか一方が上部フード31または下部フード32に覆われた構成であってもよい。
【0051】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0052】
例えば、各形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0053】
1・・・車両
2・・・フロントガラス
3・・・フロントフェンダ
4・・・前輪
6・・・ホイールハウス
8・・・孔部
11・・・前方カメラ装置
12・・・前後斜方カメラ装置
13・・・カメラ筐体
14・・・前斜方カメラ
14a,15a・・・レンズ
15・・・後斜方カメラ
16・・・コネクタ部
17・・・リジット爪
18・・・撓み爪
21・・・前方側面部
22・・・前方上面部
23・・・後方上面部
24・・・下面部
25・・・側面
26・・・後面
31・・・上部フード
32・・・下部フード
33・・・凹部
FI・・・前方領域
FLI・・・左前斜方領域
FRI・・・右前斜方領域
RLI・・・左後斜方領域
RRI・・・右後斜方領域
L1,L2・・・距離
O1,O2・・・中心