(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055684
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】補助収納ボックス
(51)【国際特許分類】
B60R 7/04 20060101AFI20240411BHJP
B60N 3/08 20060101ALI20240411BHJP
B60N 3/10 20060101ALI20240411BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B60R7/04 C
B60N3/08
B60N3/10 A
B60N3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162799
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑野 智明
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 裕介
(72)【発明者】
【氏名】辻 咲くら
(72)【発明者】
【氏名】明地 龍之介
(72)【発明者】
【氏名】横居 智也
【テーマコード(参考)】
3B088
3D022
【Fターム(参考)】
3B088CA06
3B088KA06
3B088KB01
3B088LB01
3D022CA07
3D022CC18
3D022CD09
3D022CD17
3D022CD24
(57)【要約】
【課題】ゴミ箱として使用する場合にも高い機能性を実現することができる補助収納ボックスを提供する。
【解決手段】補助収納ボックス13は、ボックス本体2と蓋体3とを備えた収納ボックス1の内部に収納され、収納ボックス1に対し、着脱自在な補助収納ボックス13であって、ボックス本体2の内部に収納する着脱自在な補助ボックス本体14と、第1面22aが補助ボックス本体14と対向するように蓋体3の裏面側に着脱自在に保持され、蓋体3がボックス本体2を閉塞したとき補助ボックス本体14の開口部19を閉塞する補助蓋体15と、補助ボックス本体14の上部の開口部19に形成された蓋受け部としての外向フランジ16と、を備え、補助蓋体15の第1面22aは、補助蓋体15が開口部19を閉塞したとき外向フランジ16に対し弾性的に接触して開口部19を密閉する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックス本体と蓋体とを備えた収納ボックスの内部に収納され、前記収納ボックスに対し、着脱自在な補助収納ボックスであって、
前記ボックス本体の内部に収納する着脱自在な補助ボックス本体と、
第1面が前記補助ボックス本体と対向するように前記蓋体の裏面側に着脱自在に保持され、前記蓋体が前記ボックス本体を閉塞したとき前記補助ボックス本体の開口部を閉塞する補助蓋体と、
前記補助ボックス本体の上部の前記開口部に形成された蓋受け部と、を備え、
前記補助蓋体の前記第1面は、前記補助蓋体が前記開口部を閉塞したとき前記蓋受け部に対し弾性的に接触して前記開口部を密閉することを特徴とする補助収納ボックス。
【請求項2】
前記補助蓋体の前記第1面は、シール部材を介して前記蓋受け部に弾性的に接触して、前記開口部を密閉することを特徴とする請求項1に記載の補助収納ボックス。
【請求項3】
前記補助蓋体は、平板部と、前記平板部の周囲から前記第1面と反対側の第2面に突出する側壁部と、を有し、前記補助蓋体は、前記蓋体との間に第1のティッシュ収納部を形成することを特徴とする請求項1に記載の補助収納ボックス。
【請求項4】
前記補助ボックス本体は、前記第2面側を前記開口部に対向させた状態にて、前記補助蓋体を揺動可能に支持する支持部を有し、
前記補助蓋体は、前記揺動によって前記開口部を閉塞したときに前記補助ボックスとの間に第2のティッシュ収納部を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の補助収納ボックス。
【請求項5】
前記補助蓋体は、前記収納ボックスから取り出された前記補助収納ボックスに対して着脱自在であって、前記補助蓋体が前記補助収納ボックスに装着されたとき前記開口部を開閉自在であることを特徴とする請求項1に記載の補助収納ボックス。
【請求項6】
前記蓋受け部は、前記蓋体が前記ボックス本体を閉塞したときに前記補助蓋体の前記第1面が接触する第1の外向フランジと、前記第1の外向フランジの外側の上部に形成され、前記第2面側を前記開口部に対向させた状態にて、前記補助蓋体が前記補助ボックス本体を閉塞したときに前記第2面が接触する第2の外向フランジと、を有することを特徴とする請求項1に記載の補助収納ボックス。
【請求項7】
前記蓋体との間に前記第1のティッシュ収納部を形成した前記補助蓋体は、前記蓋体と一体的に揺動することを特徴とする請求項3に記載の補助収納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室内に設けられた収納ボックスの補助収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の車室内には、物品を収納する収納ボックスが設けられている。近年、このような収納ボックスにおいては、ユーザの利便性を向上するために、様々な物品の収納に対応することが求められている。
【0003】
例えば、周知のとおり、センタコンソールやダッシュボード等には、内部の広いスペースを利用して、コンソールボックスやグローブボックス等の大容量の収納ボックスが設けられている。
【0004】
このような、大容量の収納ボックスの利便性をさらに向上するために、従来、様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1(特開平07-266993公報)には、コンソールボックスの内部に着脱自在な収納ボックス(補助収納ボックス)が開示されている。補助収納ボックスは、車内の適宜の場所に設置して使用することができる。また、この補助収納ボックスには、上面の開口部にフォルダ孔を有する回動蓋が設けられている。フォルダ孔を有する回動蓋はゴミ入れの蓋、または、小物入れの蓋として利用される。さらに、フォルダ孔には、缶、ビン、食品入りの容器を挿入して保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のような補助収納ボックスをゴミ箱として利用する場合、衛生上の観点等に基づく機能性のさらなる向上を行うことが望ましい。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、ゴミ箱として使用する場合にも高い機能性を実現することができる補助収納ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様による補助収納ボックスは、ボックス本体と蓋体とを備えた収納ボックスの内部に収納され、前記収納ボックスに対し、着脱自在な補助収納ボックスであって、前記ボックス本体の内部に収納する着脱自在な補助ボックス本体と、第1面が前記補助ボックス本体と対向するように前記蓋体の裏面側に着脱自在に保持され、前記蓋体が前記ボックス本体を閉塞したとき前記補助ボックス本体の開口部を閉塞する補助蓋体と、前記補助ボックス本体の上部の前記開口部に形成された蓋受け部と、を備え、前記補助蓋体の前記第1面は、前記補助蓋体が前記開口部を閉塞したとき前記蓋受け部に対し弾性的に接触して前記開口部を密閉する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の補助収納ボックスによれば、ゴミ箱として使用する場合にも高い機能性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】補助収納ボックスを収納して補助蓋体を蓋体に対し開いた状態のコンソールボックスの斜視図
【
図3】補助収納ボックスを収納して補助蓋体を蓋体に対し閉じた状態のコンソールボックスの斜視図
【
図4】補助ボックス本体を右斜め前方から見た斜視図
【
図7】補助ボックス本体に補助蓋体を取り付けた状態において補助蓋体を補助ボックス本体に対し開いた状態の補助収納ボックスの斜視図
【
図8】補助ボックス本体に補助蓋体を取り付けた状態において補助蓋体を補助ボックス本体に対し閉じた状態の補助収納ボックスの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して本発明の形態を説明する。
【0012】
なお、以下の説明に用いる図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものである。したがって、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるのもではない。
【0013】
本実施形態における補助収納ボックスが適用される収納ボックスの一例として、コンソールボックスの構成について説明する。本実施形態のコンソールボックスは、センタコンソール(図示せず)に設けられている。なお、センタコンソールは、車両の車室内において、運転席と助手席との間に設けられている。
【0014】
図1に示すように、コンソールボックス1は、ボックス本体2と、蓋体3と、を有して構成されている。
【0015】
ボックス本体2の内部には、ボックスインナ4が設けられている。このボックスインナ4は、略直方体形状をなす中空部材によって構成されている。このボックスインナ4の上部には、当該ボックスインナ4の内部空間を上方に開放する開口部5が設けられている。ここで、開口部5の左右側縁部には、それぞれ一対をなす第1の位置決め用凹部5aが設けられている。これら第1の位置決め用凹部5aは、例えば、ボックス本体2の左右側縁部にそれぞれ凹設された平面視矩形形状をなす凹部によって構成されている。また、開口部5の前縁部には、一対をなす第2の位置決め用凹部5bが設けられている。これら第2の位置決め用凹部5bは、例えば、ボックス本体2の前縁部からそれぞれ延出するU字溝によって構成されている。
【0016】
蓋体3は、ボックス本体2の上部において、開口部5を開閉可能な位置に設けられている。
【0017】
蓋体3は、蓋体アウタ6と、蓋体インナ7と、ロック部8と、を有して構成されている。
【0018】
蓋体アウタ6は、例えば、弾性を有する樹脂部材によって構成されている。これにより、蓋体3は、乗員の腕を載置可能なアームレストとしても機能する。
【0019】
この蓋体アウタ6は、蓋体インナ7に対し、ビス9等によって一体的に固定されている。
【0020】
蓋体インナ7は、平面視矩形形状をなす凹部7aを有する。この凹部7aを平面視した際の外形寸法は、例えば、ボックスティッシュの底面の外形寸法よりもやや大きく設定されている。
【0021】
なお、ボックスティッシュの各面については、便宜上、以下の通り定義する。
【0022】
すなわち、ボックスティッシュのティッシュ取り出し口が設けられた面を上面、上面に対向する面を底面と定義する。
【0023】
さらに、蓋体インナ7は、支持部32と、スリット33と、を有する。
【0024】
支持部32は、蓋体インナ7の後部において、凹部7aを形成する壁部に対をなして設けられている。各支持部32は一対の突起部32aと、一対の突起部32aの間に支持された軸部32bと、を有する。これら支持部32は、後述する補助蓋体15を揺動可能に支持することが可能となっている。
【0025】
スリット33は、凹部7aよりも前部においてボックス本体2と対向する蓋体インナ7の面であって、且つ、開口部5に対向する位置に、対をなして設けられている。この各スリット33は、突起を挿入して固定するための孔状の形状となっている。これらスリット33は、後述する補助蓋体15を蓋体インナ7に対して着脱可能に固定することが可能となっている。
【0026】
さらに、蓋体インナ7は、後端部に設けられたヒンジ(図示せず)を介してボックス本体2に支持されている。これにより、蓋体3は、ボックス本体2の後端部を支点として揺動自在となっている。この揺動により、蓋体3は、ボックス本体2の開口部5を閉塞する閉塞位置と、ボックス本体2の開口部5を開放する開放位置と、の間で変位することが可能となっている。なお、ボックス本体2に対する蓋体3の開放位置は、アームストッパ29によって規定されている。
【0027】
ロック部8は、蓋体インナ7の前端部に設けられている。このロック部8は、フック8aと、レバー8bと、を一体的に有している。
【0028】
フック8aは、蓋体3が開口部5を閉塞する際に、ボックス本体2に設けられた穴部10に対し挿入される。そして、ボックス本体2の穴部10に挿入されたフック8aは、係止部11に対し、係止される。なお、フック8aは、ロック部8の内部に設けられたバネ(図示せず)等の付勢力によって係止部11側に付勢されている。
【0029】
レバー8bは、蓋体3によって開口部5を開放する際に、引き上げられる。これによって、レバー8bは、係止部11に対するフック8aの係止を解除する構造を有している。
【0030】
このように構成されたコンソールボックス1の内部には、物品等を収納するための補助収納ボックス13が収納されている(
図2、
図3参照)。
【0031】
補助収納ボックス13は、コンソールボックス1に対して着脱自在に保持可能である。この補助収納ボックス13は、
図2、
図3、
図7に示すように、補助ボックス本体14と、補助蓋体15と、を有して構成されている。
【0032】
補助ボックス本体14は、ボックス本体2(ボックスインナ4)の内部に収容可能な、中空且つ縦長な略直方体形状を有している。
【0033】
この補助ボックス本体14の上部には、内部空間を開放する開口部19が形成されている。また、補助ボックス本体14の下端部は、当該補助ボックス本体14を自立可能とするための平坦面が形成されている。
【0034】
さらに、補助ボックス本体14は、
図4に示すように、外向フランジ16と、固定部17と、支持部18と、を有する。
【0035】
外向フランジ16は、第1の外向フランジ16aと、第2の外向フランジ16bと、を有して構成されている。第1の外向フランジ16aは、補助ボックス本体14の上部に形成された開口部19の外周に設けられている。そして、第1の外向フランジ16aは、補助ボックス本体14の側壁20に対し外向きに形成されている。
【0036】
第2の外向フランジ16bは、第1の外向フランジ16aに対し、壁部16cを介して階段状に接続されている。すなわち、第1の外向フランジ16aの前縁部及び左右側縁部には、上向きに延在する壁部16cが形成されている。そして、この壁部16cの上端部において、第2の外向フランジ16bは、壁部16cに対し外向きに形成されている。
【0037】
なお、外向フランジ16を構成する第1の外向フランジ16aおよび第2の外向フランジ16bの表面(上面)は、平面形状となっている。このため、外向フランジ16は、後述する補助蓋体15に対して当接する蓋受け部として機能する。
【0038】
固定部17は、第1の固定部17aと、第2の固定部17bと、を有する。
【0039】
第1の固定部17aは、補助ボックス本体14の左右において、それぞれ一対をなす突起によって構成されている。これら第1の固定部17aは、各第1の位置決め用凹部5aにそれぞれ対応する位置において、外向フランジ16と一体形成されている。これら第1の固定部17aの上面には、それぞれ一対をなす穴部12が形成されている。
【0040】
第2の固定部17bは、開口部19の前端部に設けられた一対の突起によって構成されている。これら第2の固定部17bは、例えば、第2の位置決め用凹部5bにそれぞれ対応する位置において、開口部19の前端部からそれぞれ延出するU字溝によって構成されている。
【0041】
このように構成された固定部17は、補助ボックス本体14をボックス本体2に収納するとき、ボックス本体2の第1,第2の位置決め用凹部5a,5bの各々に対して嵌合される。すなわち、各第1の固定部17aは、各々対応する第1の位置決め用凹部5aに嵌合される。また、各第2の固定部17bは、各々対応する第2の位置決め用凹部5bに嵌合される。これらの嵌合により、補助ボックス本体14は、ボックス本体2に対し、所定に位置決めされる。
【0042】
図4に示すように、支持部18は、補助ボックス本体14の後部において、第1の外向フランジ16aに対をなして設けられている。これら一対の支持部18の間隔は、蓋体インナ7に設けられた一対の支持部32の間隔と等しくなるように設定されている。各支持部18は、第1の外向フランジ16aに設けられた一対の突起部18aと、一対の突起部18aの間に支持された軸部18bと、を有する。これら支持部18は、後述する補助蓋体15を揺動可能に支持することが可能となっている。
【0043】
補助蓋体15は、蓋体3に対して着脱自在に装着することが可能である(
図2、
図3参照)。そして、蓋体3に装着された補助蓋体15は、蓋体3と一体的に揺動することにより、補助ボックス本体14の開口部19を開閉することが可能となっている。
【0044】
また、補助蓋体15は、補助ボックス本体14に対しても着脱自在に装着することが可能である(
図7、
図8参照)。そして、補助蓋体15は、補助ボックス本体14に対して揺動することにより、補助ボックス本体14の開口部19を開閉することが可能となっている。
【0045】
補助蓋体15は、平板部22と、側壁部24と、外向フランジ23と、を有している。
【0046】
平板部22は、例えば、補助ボックス本体14の第1の外向フランジ16aに当接して開口部19を閉塞可能な、平面視略矩形形状を有する。この平板部22を平面視した際の外形寸法は、開口部19の外形寸法に対し略同等以上となっている。また、平板部22を平面視した際の外形寸法は、第1の外向フランジ16aの外形寸法未満となっている。さらに、平板部22を平面視した際の外形寸法は、ボックスティッシュの底面の外径寸法と略同等となっている。
【0047】
また、平板部22は、孔部30を有している。孔部30は、平板部22の略中央部において角丸長方形の形状を有して形成されている。孔部30は、例えば、ティッシュ等の取り出し口として設けられている。
【0048】
さらに、平板部22の一方の面である第1面22aには、シール部材27が設けられている。
【0049】
シール部材27は、第1面22aの外周に沿って環状に設けられている。このシール部材27は、例えば、ゴム材等の弾性部材によって形成されている。そして、シール部材27は、第1面22aに対して両面テープ等の接着手段によって接着されている。
【0050】
このように第1面22aに接着されたシール部材27は、
図5、
図6に示すように、平板部22が開口部19を閉塞するとき、第1の外向フランジ16aの面に対し弾性的に当接可能である。このシール部材27の当接により、平板部22は、開口部19の外周側を密閉することが可能となっている。
【0051】
側壁部24は、平板部22における第1面22aと反対側の面である第2面22bの縁部から、環状に突出されている。
【0052】
この側壁部24の後部からは、一対の取り付け部25が突出されている。これら一対の取り付け部25の間隔は、蓋体インナ7に設けられた一対の支持部32の間隔、及び、補助ボックス本体14に設けられた一対の支持部18の間隔と等しくなるように設定されている。各取り付け部25の突出端部には、円弧状の係止溝(図示せず)が形成されている。
【0053】
このように構成された一対の取り付け部25は、一対の支持部32或いは一対の支持部18に対して選択的に取り付けることが可能である。すなわち、
図2、
図3に示すように、平板部22の第2面22b側を蓋体3(蓋体インナ7)に対向させた状態において、一対の取り付け部25は、一対の支持部32に対して取り付けることが可能である。或いは、
図7、
図8に示すように、平板部22の第2の面22b側を補助ボックス本体14に対向させた状態において、一対の取り付け部25は、一対の支持部18に対して取り付けることが可能である。
【0054】
このような取り付けは、軸部32b或いは軸部18bに対して係止溝を係止させることによって実現される。この係止は、係止溝を弾性変形させながら、軸部32b或いは軸部18bを係止溝に押し込むことによって行われる。このため、係止溝の開口部は、軸部32b及び軸部18bの直径よりも小さく設定されている。
【0055】
外向フランジ23は、側壁部24の高さ方向の中途の位置から外向きに延出されている。この外向フランジ23の平面視形状は、補助ボックス本体14の第2の外向フランジ16bの平面視形状と略一致する形状となっている。この外向フランジ23は、蓋体インナ7における凹部7aの周辺の面及び第2の外向フランジ16bに対して当接することが可能となっている。
【0056】
この外向フランジ23は、前部に、一対の固定部26を有している。各固定部26は、外向フランジ23の第2面(すなわち、平板部22の第2面22bと同じ側の面)から突出されている。これら一対の固定部26の間隔は、蓋体インナ7に設けられた一対のスリット33の間隔、及び、補助ボックス本体14に設けられた一対の第2の固定部17bの間隔と等しくなるように設定されている。各固定部26は、先端部に略丸型形状の突起を有している。各固定部26の突起は、スリット33の各々に対し、押し込みによって挿入することが可能となっている。挿入された固定部26は、スリット33によって保持される。或いは、第2の面22b側を補助ボックス本体14に対向させた状態において、各固定部26の突起は、U字溝形状をなす一対の第2の固定部17bに対して接触しない位置において収容することが可能となっている。
【0057】
次に、このように構成された補助収納ボックス13の作用について説明する。
【0058】
まず、補助収納ボックス13(補助ボックス本体14及び補助蓋体15)をコンソールボックス1の内部に収納した状態で使用する際の作用について説明する。
【0059】
補助ボックス本体14をボックスインナ4に収納する際に、補助ボックス本体14の各固定部17a,17bは、ボックスインナ4の各位置決め用凹部5a,5bに嵌合される。
【0060】
これらの嵌合により、ボックスインナ4に対する補助ボックス本体14の収容位置が一義的に定められる。したがって、補助ボックス本体14は、ボックス本体2に対して的確に位置決めすることができ、容易に収納することができる。
【0061】
一方、補助蓋体15は、蓋体インナ7の固定部32に対し、取り付け部25を介して着脱自在に取り付けることが可能である。また、補助蓋体15は、蓋体インナ7に取り付けられた状態において、固定部32の軸部32bを軸として揺動することが可能である。さらに、補助蓋体15の固定部26は、スリット33に対し、着脱可能に固定することが可能である。
【0062】
そして、このように蓋体3に固定された補助蓋体15は、蓋体3と一体的に揺動することが可能である。
【0063】
さらに、蓋体3に固定された補助蓋体15は、蓋体インナ7の凹部7aとの内部空間に、
図5、
図6に示すように第1のティッシュ収納部31を形成する。
【0064】
第1のティッシュ収納部31には、例えば、ティッシュが収納されたボックス(以下、ボックスティッシュ50と言う。)を収納することが可能となっている。
【0065】
具体的には、蓋体3に対して補助蓋体15を開放した状態において、第1のティッシュ収納部31には、ボックスティッシュ50を収納することができる。
【0066】
より具体的には、ボックスティッシュ50は、孔部30に対しボックスティッシュ50のティッシュ取り出し口の開口面を対向させた状態において、第2面22bの上側に装着することが可能となっている。このようにボックスティッシュ50を収納することにより、蓋体3が開口部19を開放した際に、孔部30の第1面22a側から容易にティッシュを取り出すことができる。
【0067】
また、補助蓋体15は、蓋体3に対し、軸部32bを軸として容易に開閉することができる。このため、第1のティッシュ収納部31に収納されているボックスティッシュ50の交換を容易に行うことができる。
【0068】
さらに、補助蓋体15を蓋体3と一体的に揺動させることにより、ユーザ等は、蓋体3の一度の開閉動作によって孔部30、及び、開口部19に容易にアクセスすることが可能となっている。
【0069】
これにより、例えば、補助ボックス本体14をゴミ箱として使用する場合、一度の開閉動作によってティッシュ取り出し口とゴミ箱にアクセスすることが可能となっている。
【0070】
このように収納されたボックスティッシュ50とゴミ箱は、互いに近接する位置に配置されている。これにより、使用済みのティッシュは、容易にゴミ箱に収納することができる。
【0071】
このように構成された補助ボックス本体14と補助蓋体15によって、補助収納ボックス13は、利便性を向上することができる。
【0072】
また、補助蓋体15の第1面22aに設けられたシール部材27は、補助蓋体15が蓋体3と一体的に開口部19を閉塞するとき、第1の外向フランジ16aの面に対し弾性的に当接される。このシール部材27の当接により、補助蓋体15は、開口部19の外周側を密閉することができる。
【0073】
したがって、例えば、補助ボックス本体14をゴミ箱として使用するとき、補助収納ボックス13からゴミが散乱することを防止でき、車室内を衛生上の観点に基づく高い機能性を実現することができる。
【0074】
次に、
図4、
図7、
図8を参照して、補助収納ボックス13(補助ボックス本体14及び補助蓋体15)をコンソールボックス1から外部に取り出して、屋外等で使用する際の作用について説明する。
【0075】
補助ボックス本体14の下端部は、平坦面を有している。このため、例えば、屋外において使用する場合であっても、補助ボックス本体14を自立させることが可能である。
【0076】
補助蓋体15は、屋外で使用する際、蓋体インナ7から取り外した状態において、補助ボックス本体14に取り付けることが可能である。具体的には、補助蓋体15は、補助ボックス本体14の開口部19に対し、第2面22bを対向させた状態にて取り付けることが可能である。
【0077】
このように取り付けられた補助蓋体15は、補助ボックス本体14の軸部18bに対し、取り付け部25を介して揺動自在に保持される。そして、補助蓋体15の外向フランジ23は、補助蓋体15が揺動によって開口部19を閉塞したとき、第2の外向フランジ16bの上面に対して当接される。このように補助蓋体15が補助ボックス本体14の開口部19を閉塞した際に、補助蓋体15の第2面22bと補助ボックス本体14の開口部19との間に形成された空間は、第2のティッシュ収納部34(
図7参照)として利用することが可能である。
【0078】
すなわち、第2のティッシュ収納部34には、例えば、ボックスティッシュ50を収納することができる。具体的には、第2のティッシュ収納部34には、補助蓋体15が開口部19を開放した状態において、ボックスティッシュ50を収納することが可能となっている。ボックスティッシュ50は、孔部30に対しボックスティッシュ50のティッシュ取り出し口の面を対向させた状態において配置されることが好ましい。
【0079】
このように収納されたボックスティッシュ50は、当該ボックスティッシュ50の底面の縁部を第1の外向フランジ16aに当接されることによって、補助ボックス本体14の開口部19に保持することが可能である。このように収納されたボックスティッシュ50は、孔部30に対し第1面22aから容易にティッシュを取り出すことができる。
【0080】
また、補助ボックス本体14をゴミ箱として利用する場合において、補助ボックス本体14の上部には、ボックスティッシュ50を収納することができる。このように構成された補助収納ボックス13は、屋外においてもボックスティッシュ50を一体的に収納した状態で持ち運ぶことが可能となるため利便性を更に向上することができる。
【0081】
このような実施形態によれば、補助収納ボックス13は、ボックス本体2と蓋体3とを備えたコンソールボックス1の内部に収納され、コンソールボックス1に対し、着脱自在な補助収納ボックス13であって、ボックス本体2の内部に収納する着脱自在な補助ボックス本体14と、第1面22aが補助ボックス本体14と対向するように蓋体3の裏面側に着脱自在に保持され、蓋体3がボックス本体2を閉塞したとき補助ボックス本体14の開口部19を閉塞する補助蓋体15と、補助ボックス本体14の上部の開口部19に形成された外向フランジ16と、補助蓋体15の第1面22aに設けられ、補助蓋体15が開口部19を閉塞したとき外向フランジ16に対し弾性的に接触して開口部19を密閉するシール部材27と、を有する。これらの構成により、補助収納ボックスは、ゴミ箱として使用する場合にも高い機能性を実現することができる。
【0082】
なお、本実施形態において、補助蓋体15をティッシュ収納部として使用する例について説明したが、ティッシュ取り出し用の孔部30を塞ぐことによって物品等の収納部として使用してもよい。
【0083】
また、本実施形態において、コンソールボックスに適用した場合の例を説明したが、グローブボックス等の他の収納部に適用してもよい。
【0084】
以上の実施の形態に記載した発明は、それらの形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0085】
また、上述の実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0086】
1・・・コンソールボックス
2・・・ボックス本体
3・・・蓋体
4・・・ボックスインナ
5・・・開口部
5a・・・第1の位置決め用凹部
5b・・・第2の位置決め用凹部
6・・・蓋体アウタ
7・・・蓋体インナ
7a・・・凹部
8・・・ロック部
8a・・・フック
8b・・・レバー
9・・・ビス
10・・・穴部
11・・・係止部
12・・・穴部
13・・・補助収納ボックス
14・・・補助ボックス本体
15・・・補助蓋体
16・・・外向フランジ
16a・・・第1の外向フランジ
16b・・・第2の外向フランジ
16c・・・壁部
17・・・固定部
17a・・・第1の固定部
17b・・・第2の固定部
18・・・支持部
18a・・・突起部
18b・・・軸部
19・・・開口部
20・・・側壁
22・・・平板部
22a・・・第1面
22b・・・第2面
23・・・外向フランジ
24・・・側壁部
25・・・取り付け部
26・・・固定部
27・・・シール部材
29・・・アームストッパ
30・・・孔部
31・・・第1のティッシュ収納部
32・・・支持部
32a・・・突起部
32b・・・軸部
33・・・スリット
34・・・第2のティッシュ収納部
50・・・ボックスティッシュ