(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055695
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】放送受信装置及び放送受信方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/16 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
H04B1/16 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162819
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100183760
【弁理士】
【氏名又は名称】山鹿 宗貴
(72)【発明者】
【氏名】松倉 雄二郎
【テーマコード(参考)】
5K061
【Fターム(参考)】
5K061AA09
5K061BB06
5K061BB17
5K061CC18
5K061FF12
5K061GG19
(57)【要約】
【課題】ステーションリストの更新等が完了するまでにかかる時間を短く抑えること。
【解決手段】放送受信装置は、周波数チャンネルのなかから受信可能な放送信号を検出する放送信号検出部と、検出された放送信号に多重された第1番組名を取得する番組名取得部と、放送信号に多重された第1番組名のなかで、放送信号の検出を開始してから所定時間内に取得できなかった第1番組名に対して、仮である第2番組名を取得する仮名取得部と、第1の放送信号に多重された全ての番組に対して第1番組名又は第2番組名が取得されると、取得された全ての番組の番組名を用いて、第1の放送信号についてステーションリストを作成又は更新するリスト処理部と、放送信号検出部による検出対象の周波数チャンネルを、第1の周波数チャンネルから、放送信号検出部による検出処理が未実施の第2の周波数チャンネルに変更するチャンネル変更部と、備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数チャンネルのなかから受信可能な放送信号を検出する放送信号検出部と、
前記放送信号検出部により検出された放送信号に多重された第1番組名を取得する番組名取得部と、
前記放送信号に多重された第1番組名のなかで、前記放送信号の検出を開始してから所定時間内に取得できなかった第1番組名に対して、仮である第2番組名を取得する仮名取得部と、
第1の前記放送信号に多重された全ての番組に対して前記第1番組名又は前記第2番組名が取得されると、取得された前記全ての番組の番組名を用いて、前記第1の放送信号についてステーションリストを作成又は更新するリスト処理部と、
前記放送信号検出部による検出対象の周波数チャンネルを、前記第1の放送信号を放送する第1の前記周波数チャンネルから、前記放送信号検出部による検出処理が未実施の第2の前記周波数チャンネルに変更するチャンネル変更部と、備える、
放送受信装置。
【請求項2】
前記放送信号に多重された番組数、1つの前記第1番組名を取得するのにかかる時間間隔、前記放送信号の受信にかかった時間の履歴、の少なくとも1つに基づいて、前記所定時間を設定する時間設定部を更に備える、
請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記番組名取得部は、前記所定時間の経過後も前記第1番組名の取得処理を継続し、
前記リスト処理部は、
前記取得処理によって新たに取得された第1番組名を、前記ステーションリスト内で、対応する前記第2番組名と差し替え、
前記第2番組名が前記第1番組名に差し替えられた後の、各前記第1番組名を、所定の条件に従ってソートする、
請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記放送信号に多重された番組に対応する識別子と、前記放送受信装置における前記番組のこれまでの再生回数と、を関連付けて記憶する記憶部を更に備え、
前記リスト処理部は、前記ステーションリストにおいて、前記第1番組名と前記第2番組名を、前記再生回数に基づく順序でソートする、
請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記放送信号に多重された番組に対応する識別子と、前記識別子と関連付けられた割り込み放送の情報と、を取得する割り込み情報取得部を更に備え、
前記リスト処理部は、前記ステーションリストにおいて、前記第1番組名と前記第2番組名を、前記割り込み放送の情報に基づく順序でソートする、
請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記ステーションリストの少なくとも一部を表示装置に表示させる表示制御部を更に備える、
請求項2から請求項5の何れか一項に記載の放送受信装置。
【請求項7】
周波数チャンネルのなかから受信可能な放送信号を検出し、
前記検出された放送信号に多重された第1番組名を取得し、
前記放送信号に多重された第1番組名のなかで、前記放送信号の検出を開始してから所定時間内に取得できなかった第1番組名に対して、仮である第2番組名を取得し、
第1の前記放送信号に多重された全ての番組に対して前記第1番組名又は前記第2番組名が取得されると、取得された前記全ての番組の番組名を用いて、前記第1の放送信号についてステーションリストを作成又は更新し、
前記放送信号の検出対象の周波数チャンネルを、前記第1の放送信号を放送する第1の前記周波数チャンネルから、前記放送信号の検出処理が未実施の第2の前記周波数チャンネルに変更する、処理を、コンピュータに実行させる、
放送受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置及び放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の番組が多重された放送信号を受信可能な放送受信装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この種の放送受信装置は、例えば、周波数チャンネルのなかから受信可能な放送信号を検出し、検出された放送信号に多重された全ての番組の番組名を取得するとステーションリストを作成又は更新し、選局対象を次の周波数チャンネルに変更して同様の処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば放送信号に多重される番組数が多い場合や番組名以外にも多くの情報が放送信号に多重される場合、番組名の放送頻度が低下する。そのため、放送受信装置は、放送信号を検出してから例えば数十秒以上かけないと、この放送信号に多重された全ての番組の番組名を取得できない場合がある。この場合、ステーションリストの作成又は更新が完了するまでに時間がかかりすぎる虞がある。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑み、ステーションリストの作成又は更新が完了するまでにかかる時間を短く抑えることができる放送受信装置及び放送受信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る放送受信装置は、周波数チャンネルのなかから受信可能な放送信号を検出する放送信号検出部と、放送信号検出部により検出された放送信号に多重された第1番組名を取得する番組名取得部と、放送信号に多重された第1番組名のなかで、放送信号の検出を開始してから所定時間内に取得できなかった第1番組名に対して、仮である第2番組名を取得する仮名取得部と、第1の放送信号に多重された全ての番組に対して第1番組名又は第2番組名が取得されると、取得された全ての番組の番組名を用いて、第1の放送信号についてステーションリストを作成又は更新するリスト処理部と、放送信号検出部による検出対象の周波数チャンネルを、第1の放送信号を放送する第1の周波数チャンネルから、放送信号検出部による検出処理が未実施の第2の周波数チャンネルに変更するチャンネル変更部と、備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、放送受信装置及び放送受信方法において、ステーションリストの作成又は更新が完了するまでにかかる時間を短く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る放送受信装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態において放送受信装置のMPU(Micro Processor Unit)により実行される放送受信プログラムの処理を示すフローチャートである。
【
図3A】
図2のステップS101で検出されたアンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得した場合の、ステーションリストの更新例を示す図である。
【
図3B】
図2のステップS101で検出されたアンサンブルに多重された一部のサービスラベルを取得できなかった場合の、ステーションリストの更新例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態においてサブチューナを用いて実行される処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の変形例1で実行されるラベルソート処理を示すフローチャートである。
【
図6A】本発明の変形例1で保存される受信履歴の一例を示す図である。
【
図6B】
図5のステップS304のソート処理後のステーションリストの一例を示す図である。
【
図7】本発明の変形例2で実行されるラベルソート処理を示すフローチャートである。
【
図8A】本発明の変形例2においてアンサンブルの受信時に得られるデータの一部を示す図である。
【
図8B】
図7のステップS405のソート処理後のステーションリストの一例を示す図である。
【
図9】本発明の変形例3で実行されるラベルソート処理を示すフローチャートである。
【
図10A】本発明の変形例3においてアンサンブルの受信時に得られるデータの一部を示す図である。
【
図10B】
図9のステップS505のソート処理後のステーションリストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、本発明の一実施形態に係る放送受信装置及び放送受信方法に関する。以下においては、本発明の一実施形態として、DAB(Digital Audio Broadcasting)のアンサンブルを受信可能な放送受信装置及び放送受信方法を例に取り説明する。
【0011】
本実施形態では、処理対象のデジタル放送信号の一例としてDABのアンサンブルを挙げるが、別の実施形態では、DABと異なる規格に準拠した別のフォーマットのデジタル放送信号を処理対象としてもよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る放送受信装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、放送受信装置1は、MPU100、HMI(Human Machine Interface)110、DAB信号処理回路120A、120B、出力回路130、オーディオアンプ140、スピーカ150、フラッシュROM(Read Only Memory)160、ディスプレイ170を備える。なお、
図1では、本実施形態の説明に必要な主たる構成要素を図示しており、例えば放送受信装置1として必須な構成要素である筐体など、一部の構成要素については、その図示を適宜省略する。
【0013】
放送受信装置1は、例えば道路を走行する車両に搭載された車載型の装置である。放送受信装置1は、これ単独の装置であってもよく、また、ナビゲーション装置やIVI(In-Vehicle Infotainment)の一部をなす装置であってもよい。放送受信装置1は、車載型の装置に限らず、スマートフォン、フィーチャフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、PND(Portable Navigation Device)、携帯ゲーム機等の他の形態の装置であってもよい。
【0014】
MPU100は、フラッシュROM160に記憶された放送受信プログラム162を実行する。すなわち、MPU100を備える放送受信装置1は、放送受信プログラム162を実行するコンピュータの一例である。
【0015】
MPU100は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュROM等を備えており、放送受信装置1全体を制御する。例えば、MPU100は、フラッシュROM160に記憶された放送受信プログラム162をはじめとする各種プログラムをワークエリアであるRAM上に展開し、展開されたプログラムに従って放送受信装置1を制御する。
【0016】
MPU100は、例えばシングルプロセッサ又はマルチプロセッサであり、少なくとも1つのプロセッサを含む。複数のプロセッサを含む構成とした場合、MPU100は、単一の装置としてパッケージ化されたものであってもよく、放送受信装置1内で物理的に分離した複数の装置で構成されてもよい。
【0017】
フラッシュROM160に記憶された放送受信プログラム162は、周波数チャンネルのなかから受信可能な放送信号を検出し、検出された放送信号に多重された第1番組名を取得し、放送信号に多重された第1番組名のなかで、放送信号の検出を開始してから所定時間内に取得できなかった第1番組名に対して、仮である第2番組名を取得し、第1の放送信号に多重された全ての番組に対して第1番組名又は第2番組名が取得されると、放送信号の検出対象の周波数チャンネルを、第1の放送信号を放送する第1の周波数チャンネルから、放送信号の検出処理が未実施の第2の周波数チャンネルに変更する、処理(言い換えると、上記一連の処理を含む放送受信方法)を、コンピュータの一例である放送受信装置1に実行させる。
【0018】
放送受信プログラム162の実行により、例えば、ステーションリストの作成又は更新が完了するまでにかかる時間を短く抑えることができる。放送受信プログラム162の詳細は後述する。
【0019】
MPU100は、機能ブロックとして、表示制御部100A、放送信号検出部100B、番組名取得部100C、仮名取得部100D、リスト処理部100E、チャンネル変更部100F、時間設定部100G、割り込み情報取得部100Hを備える。各機能ブロックは、MPU100が実行する放送受信プログラム162により実現される。各機能ブロックは、一部又は全部が専用の論理回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0020】
HMI110には、ハードウェア又はソフトウェア若しくはこれらを組み合わせた種々のユーザインタフェースが想定される。例示的には、HMI110は、放送受信装置1本体のフロントパネルに実装されたメカニカルスイッチキー、タッチパネル環境下で提供されるGUI(Graphical User Interface)、リモートコントローラ等である。ユーザは、HMI110に対する操作により、例えば、受信局を指定したり、放送受信装置1に対してステーションリスト作成処理を実行させたり、ステーションリスト更新処理を実行させたりすることができる。
【0021】
例えば、HMI110に対してユーザによる選局操作が行われると、選局操作により指定された選択局の情報がMPU100内のフラッシュROMに格納される。MPU100は、例えば放送受信装置1の電源投入直後やユーザによる選局操作時、フラッシュROMに格納された選択局の情報に従い、DAB信号処理回路120A及び120Bの選局動作を制御する。
【0022】
DAB信号処理回路120A及び120Bは、アンサンブルの受信処理を行う回路である。DAB信号処理回路120Aは、アンテナ122A、RF部124A、復調部126A及び信号検出部128Aを備える。DAB信号処理回路120Bは、アンテナ122B、RF部124B、復調部126B及び信号検出部128Bを備える。DAB信号処理回路120AとDAB信号処理回路120Bの構成は同じである。そのため、DAB信号処理回路120Bについては、DAB信号処理回路120Aの説明をもって、その詳細な説明を省略する。
【0023】
なお、本実施形態では、2つのDAB信号処理回路120A、120Bのそれぞれにアンテナ122A、122Bが備えられるが、別の実施形態では、2つのアンテナ122A及び122Bに代えて、RF部124A及びRF部124Bに接続された1つのアンテナが備えられてもよい。すなわち、2つのDAB信号処理回路120A、120Bが1つのアンテナを共用する構成としてもよい。
【0024】
アンテナ122Aは、各放送局で放送される放送電波を受けて受信信号を出力する。RF部124Aは、アンテナ122Aより入力される受信信号のなかから、選択局のアンサンブルを抽出して、復調部126Aに出力する。
【0025】
アンサンブルは、概略的には、復調の際にフレーム同期に用いられる同期チャンネル、サービス構成情報等が含まれるFIC(Fast Information Channel)、音声サービスやデータサービスが含まれるMSC(Main Service Channel)で構成される。
【0026】
FICは、FIB(Fast Information Block)で構成されており、SID(Service Identifier)、EID(Ensemble Identifier)、SCIdS(Service Component Identifier within the Service)等の各識別子及び識別子に関連付けられたラベルデータ(例えばラジオ放送サービス名(ラジオ放送番組名)を示すサービスラベル)を含む。FIBは、FIG(Fast Information Group)及びCRC(Cyclic Redundancy Check)を含む。FIGは、その用途によりType 0からType 7の8種類で分類される。
【0027】
FIGには、DAB-DABリンクの実行に必要なハードリンク・サービス情報、FI(Frequency Information)、OEサービス(Other Ensemble Services)情報、SL(Service Link)情報が含まれる。
【0028】
復調部126Aは、RF部124Aより入力されるアンサンブルを復調し、復調されたアンサンブルからサービス(すなわち番組)を選択して復調する。これにより、音声信号及び表示用データが得られる。表示用データは、例えばサービスラベルを含む。
【0029】
信号検出部128Aは、例えば、復調部126Aにてアンサンブルが復調されたことによって得られる多重化データを検出し、また、エラーレートに基づいてアンサンブルの受信信号品質を検出する。信号検出部128Aは、例えば、受信電波の電界強度や受信電波のSN比に基づいてアンサンブルの受信信号品質を検出してもよい。
【0030】
復調部126Aによる復調処理によって得られた音声信号SAは、出力回路130に出力される。これと同様に、復調部126Bによる復調処理によって得られた音声信号SBも、出力回路130に出力される。
【0031】
出力回路130は、セレクタを含む。出力回路130は、MPU100の指示に従い、DAB信号処理回路120Aより入力される音声信号SAとDAB信号処理回路120Bより入力される音声信号SBの一方をオーディオアンプ140に出力する。
【0032】
本実施形態では、DAB信号処理回路120Aをメインチューナと位置付け、DAB信号処理回路120Bをサブチューナと位置付ける。MPU100は、原則、音声信号SAを出力するように出力回路130を制御する。
【0033】
但し、DAB信号処理回路120Aによるアンサンブルの受信信号品質が劣化し(例えば受信信号品質を示す値が第1の閾値未満であり)且つDAB信号処理回路120Bによるアンサンブルの受信信号品質が良好(例えば受信信号品質を示す値が第1の閾値以上)であれば、MPU100は、音声信号SBを出力するように出力回路130を制御する。また、音声信号SBを出力するように出力回路130が制御されている状態で、DAB信号処理回路120Bによるアンサンブルの受信信号品質が劣化し且つDAB信号処理回路120Aによるアンサンブルの受信信号品質が良好になると、MPU100は、出力回路130の出力を、音声信号SBから音声信号SAに切り替える。
【0034】
出力回路130より出力される音声信号は、オーディオアンプ140によるボリュームに応じた利得調整を経て、スピーカ150から音声として出力再生される。
【0035】
復調部126Aによる復調処理によって得られた表示用データは、ディスプレイ170に出力される。これにより、例えば再生中のサービスのサービスラベルがディスプレイ170に表示される。
【0036】
フラッシュROM160には、ステーションリスト164が格納される。ステーションリスト164は、アンサンブルラベル、サービスラベル、SID、SCIds、種別(Primary, Secondary)、ハードリンク・サービス情報、FI、OEサービス、SL情報等の各情報を関連付けて保持するリストデータである。ステーションリスト164は、「サービスリスト」と呼称されてもよい。
【0037】
MPU100は、例えば、DAB信号処理回路120Aを制御して、DABのステーションリスト更新処理を実行する。概説すると、MPU100は、DAB信号処理回路120Aに受信制御信号を出力して、アンサンブルを放送する1つの周波数チャンネルの選局を指示する。DAB信号処理回路120Aでは、MPU100より入力される受信制御信号に従って受信処理が行われる。対象の周波数チャンネルでアンサンブルが検出されなければ(すなわち、受信可能なアンサンブルが検出されなければ)、次の周波数チャンネルに対して受信処理が行われる。ステーションリスト更新処理は、最も低い周波数チャンネルから昇順で実行されてもよく、また、最も高い周波数チャンネルから降順で実行されてもよい。受信可能なアンサンブルが検出されて復調処理が成功すると、ステーションリストの更新に必要なサービス構成情報が得られる。DAB信号処理回路120Aは、取得されたサービス構成情報をMPU100に出力する。
【0038】
MPU100は、DAB信号処理回路120Aより入力されるサービス構成情報を用いて、フラッシュROM160に格納されたステーションリスト164を更新する。すなわち、MPU100は、ステーションリスト更新処理を実行する。
【0039】
なお、ステーションリスト164がフラッシュROM160に格納されていない場合、「ステーションリスト更新処理」は、「ステーションリスト作成処理」に読み替えられる。すなわち、MPU100は、ステーションリスト164がフラッシュROM160に格納されていない場合、上記の如き処理を行うことにより、ステーションリスト164を作成してフラッシュROM160に格納する。
【0040】
以降においては、ステーションリスト164がフラッシュROM160に格納されていることを前提として説明する。ステーションリスト164がフラッシュROM160に格納されていないケースでは、「更新」が適宜「作成」に読み替えられる。
【0041】
HMI110に対するユーザの操作により、MPU100は、ステーションリスト164に含まれるサービスラベルのリストをディスプレイ170に表示させることができる。例示的には、リストの一部(ディスプレイ170の画面内に収まる範囲のリスト)が表示される。ユーザは、例えば、ディスプレイ170に表示されたリストのなかから、再生対象のサービスを選択することができる。
【0042】
このように、MPU100は、ステーションリスト164の少なくとも一部をディスプレイ170(表示装置の一例)に表示させる表示制御部100Aとして動作する。
【0043】
例えばアンサンブルに多重されるサービス数が多い場合やサービスラベル以外にも多くの情報がFICに多重される場合、サービスラベルの放送頻度が低下する。そのため、放送受信装置1は、アンサンブルを検出してから例えば数十秒以上かけないと、このアンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得できない場合がある。この場合、1つのアンサンブルに対する処理に時間がかかるため、ステーションリスト更新処理を開始してから完了するまでに時間がかかりすぎてしまう。
【0044】
そこで、放送受信装置1は、アンサンブルに多重されたサービスラベルの取得に時間がかかる場合、その取得処理を中断して選局対象を次の周波数チャンネルを変更するとともに、未取得のサービスラベルについては代替ラベルを付与する。これにより、サービスラベルの放送頻度が低いアンサンブルが含まれる場合でも、ステーションリスト更新処理にかかる時間が短く抑えられる。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態においてMPU100により実行される放送受信プログラム162の処理を示すフローチャートである。例えば、MPU100がステーションリスト更新処理の実行を指示するユーザ操作を受け付けると、
図2に示されるフローチャートの処理の実行が開始される。フローチャートの処理の実行が開始されると、MPU100は、DAB信号処理回路120Aに受信制御信号を出力して、1つの周波数チャンネルの選局を指示する
【0046】
図2に示されるように、MPU100は、選局中の周波数チャンネルが有局か否かを判定する(ステップS101)。言い換えると、MPU100は、選局中の周波数チャンネルでアンサンブルが検出されたか否かを判定する。MPU100は、例えば、選局中の周波数チャンネルに対して復調処理ができた場合にはアンサンブルが検出されたと判定し、上記周波数チャンネルに対して復調処理ができなかった場合にはアンサンブルが検出されなかったと判定する。
【0047】
このように、ステップS101において、MPU100は、周波数チャンネルのなかから受信可能なアンサンブル(放送信号の一例)を検出する放送信号検出部100Bとして動作する。
【0048】
アンサンブルが検出されない場合(ステップS101:NO)、MPU100は、DABの全ての周波数チャンネルをサーチしたか否かを判定する(ステップS102)。DABの全ての周波数チャンネルをサーチした場合(ステップS102:YES)、MPU100は、本フローチャートの処理を終了する。未サーチの周波数チャンネルが残っている場合(ステップS102:NO)、MPU100は、選局対象を次の周波数チャンネルに変更して(ステップS103)、次の周波数チャンネルをDAB信号処理回路120Aに受信させ、次の周波数チャンネルに対してステップS101以降の処理を実施する。
【0049】
MPU100は、計時手段であるタイマ102を備える。アンサンブルが検出された場合(ステップS101:YES)、MPU100は、タイマ102のカウント値をリセットして(ステップS104)、タイマ102のカウントを開始する(ステップS105)。タイマ102は、例えばアンサンブルの検出時点を基点としてカウントアップを開始する。
【0050】
MPU100は、次いで、放送信号検出部100Bにより検出されたアンサンブル(放送信号の一例)に多重されたサービスラベル(第1番組名の一例)を取得する番組名取得部100Cとして動作する。
【0051】
そして、MPU100は、ステップS101で検出されたアンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得したか否かを判定する(ステップS106)。MPU100は、例えば、取得済みのSID数と取得済みのサービスラベル数とを比較し、両者の数が一致する場合には全てのサービスラベルを取得したと判定し、両者の数が一致しない場合には未取得のサービスラベルが残っていると判定する。
【0052】
未取得のサービスラベルが残っている場合(ステップS106:NO)、MPU100は、タイムアウトしたか否かを判定する(ステップS107)。例示的には、MPU100は、タイマ102のカウント値が所定値を超えた場合、タイムアウトしたと判定する。タイムアウトしていなければ(ステップS107:NO)、MPU100は、ステップS106の判定処理に戻る。
【0053】
ステップS101で検出されたアンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得した場合(ステップS106:YES)、アンサンブルの検出時点から、所定値が示す時間(言い換えると所定時間)内に、アンサンブルに多重された全てのサービスのサービスラベルを取得したことを示す。これに対し、タイムアウトした場合(ステップS107:YES)、アンサンブルの検出時点から、所定時間内に、アンサンブルに多重された全てのサービスのなかの少なくとも1つのサービスのサービスラベルを取得できなかったことを示す。
【0054】
このように、ステップS106~S107において、MPU100は、放送信号検出部100Bによりアンサンブル(放送信号の一例)を検出してから所定時間内にアンサンブルに多重された全てのサービスのサービスラベル(第1番組名の一例)を取得したか否かを判定する判定部として動作する。
【0055】
ステップS101で検出されたアンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得した場合(ステップS106:YES)、MPU100は、このアンサンブルについてステーションリスト164を更新する(ステップS109)。MPU100は、未サーチの周波数チャンネルが残っていれば(ステップS102:NO)、選局対象を次の周波数チャンネルに変更して(ステップS103)、次の周波数チャンネルに対してステップS101以降の処理を実施する。
【0056】
図3Aは、ステップS101で検出されたアンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得した場合の、ステーションリスト164の更新例を示す図である。
図3Aに示されるように、MPU100は、このアンサンブルから取得した全てのサービスラベルをアルファベット順にソートする。
【0057】
タイムアウトの場合(ステップS107:YES)、MPU100は、サービスラベルが未取得のサービスに対して代替ラベルを付与する(ステップS108)。MPU100は、代替ラベルとして定型のテキスト(例えば「サービスラベル未取得」)を付与する。
【0058】
MPU100は、過去に取得されたサービスラベルを代替ラベルとして付与してもよい。
【0059】
例えば、フラッシュROM160に、受信履歴166が保存されている。受信履歴166は、例えば、過去の受信情報(アンサンブルID、周波数チャンネル、SID、サービスラベル等を関連付けた情報)を含む。MPU100は、過去の受信情報のなかから、アンサンブルID及び周波数チャンネルがステップS101で検出されたアンサンブルと同じで且つサービスラベルを取得できなかったSIDと一致するSIDを検索する。該当するSIDが過去の受信情報から見付かると、MPU100は、見付かったSIDと関連付けられたサービスラベルを代替ラベルとして付与する。すなわち、このサービスラベルは、過去に取得されたサービスラベルであり、後述の
図6A及び
図6Bでは、例えば「サービスA(履歴)」と標記される。
【0060】
このように、ステップS108において、MPU100は、アンサンブル(放送信号の一例)に多重されたサービスラベル(第1番組名の一例)のなかで、アンサンブルの検出を開始してから所定時間内に(言い換えるとタイムアウトするまでに)取得できなかったサービスラベルに対して、代替ラベル(仮である第2番組名の一例)を取得する仮名取得部100Dとして動作する。
【0061】
MPU100は、このアンサンブルについてステーションリスト164を更新する(ステップS109)。未サーチの周波数チャンネルが残っていれば(ステップS102:NO)、MPU100は、選局対象を次の周波数チャンネルに変更して(ステップS103)、次の周波数チャンネルに対してステップS101以降の処理を実施する。
【0062】
図3Bは、ステップS101で検出されたアンサンブルに多重された一部のサービスラベルを取得できなかった場合(すなわち、ステップS107でタイムアウトした)場合の、ステーションリスト164の更新例を示す図である。
図3Bに示されるように、MPU100は、ステップS101で検出されたアンサンブルから取得したサービスラベル(第1番組名の一例)を上位にソートし、代替ラベル(第2番組名の一例)を下位にソートする。サービスラベルは、例えばアルファベット順にソートされる。代替ラベルは、例えばSIDの数値順でソートされる。このようなソートを、便宜上「基本ソート」と記す。
【0063】
このように、MPU100は、アンサンブルの検出時点から所定時間を超えた場合、未取得のサービスラベルが残っていても、選局対象を次の周波数チャンネルに変更する。そのため、アンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得しない限り選局対象を次の周波数チャンネルに変更しない構成と比べて、ステーションリスト164の更新処理の完了までにかかる時間が短く抑えられる。
【0064】
ステップS109において、MPU100は、アンサンブル(第1の放送信号の一例)に多重された全てのサービス(番組の一例)に対してサービスラベル(第1番組名の一例)又は代替ラベル(第2番組名の一例)が取得されると、取得された全てのサービスのラベル(サービスラベル又は代替ラベル)を用いて、アンサンブルについてステーションリスト164を更新(又は作成)するリスト処理部100Eとして動作する。リスト処理部100Eとして動作するMPU100は、ステーションリスト164において、ステップS101で検出されたアンサンブルから取得したサービスラベル(第1番組名の一例)及び代替ラベル(第2番組名の一例)を所定の条件に従ってソートする。
【0065】
また、ステップS103において、MPU100は、アンサンブル(第1の放送信号の一例)に多重された全てのサービス(番組の一例)に対してサービスラベル(第1番組名の一例)又は代替ラベル(第2番組名の一例)が取得されると、放送信号検出部100Bによる検出対象の周波数チャンネルを、第1の放送信号を放送する第1の周波数チャンネル(現在の周波数チャンネル)から、放送信号検出部100Bによる検出処理が未実施の第2の周波数チャンネル(次の周波数チャンネル)に変更するチャンネル変更部100Fとして動作する。
【0066】
図2のフローチャートの終了後、例えば、メインチューナであるDAB信号処理回路120Aを用いて、ユーザが聴取するサービスが再生される。
【0067】
ここで、代替ラベルがステーションリスト164に含まれる場合、MPU100は、サブチューナであるDAB信号処理回路120Bを用いて、
図4のフローチャートに示される処理の実行を開始する。このフローチャートの処理の実行が開始されると、MPU100は、DAB信号処理回路120Bに受信制御信号を出力して、1つの周波数チャンネルの選局を指示する。
【0068】
図4に示されるように、MPU100は、選局中の周波数チャンネルにおいて未取得のサービスラベルがあるか否かを判定する(ステップS201)。例示的には、MPU100は、ステーションリスト164のなかから、選局中の周波数チャンネルで放送されるアンサンブルのリストをチェックして、代替ラベルがあるか否かを判定する。代替ラベルがなければ(ステップS201:NO)、MPU100は、DABの全ての周波数チャンネルをサーチしたか否かを判定する(ステップS202)。DABの全ての周波数チャンネルをサーチした場合(ステップS202:YES)、MPU100は、本フローチャートの処理を終了する。未サーチの周波数チャンネルが残っていれば(ステップS202:NO)、MPU100は、選局対象を次の周波数チャンネルに変更して(ステップS203)、次の周波数チャンネルに対してステップS201以降の処理を実施する。
【0069】
代替ラベルがある場合(ステップS201:YES)、MPU100は、選局中の周波数チャンネルで放送されるアンサンブルに多重されたサービスラベルの取得処理を行う。そして、MPU100は、アンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得したか否かを判定する(ステップS204)。
【0070】
アンサンブルに多重された全てのサービスラベルを取得した場合(ステップS204:YES)、MPU100は、このアンサンブルについてステーションリスト164を更新する(ステップS205)。
【0071】
ステップS205では、ステーションリスト164に登録された代替ラベルが今回取得されたサービスラベルに差し替えられて、例えばアルファベット順にソートされる。これにより、例えば
図3Bに示される代替ラベルを含むリストが最新のサービスラベルのリスト(
図3A参照)に更新される。
図2のステーションリスト更新処理にかかる時間を短く抑えつつも、最新の全てのサービスラベルが登録されたステーションリスト164を得ることができる。
【0072】
このように、番組名取得部100Cとして動作するMPU100は、タイムアウト後も(所定時間の経過後も)サービスラベル(第1番組名の一例)の取得処理を継続する。また、リスト処理部100Eとして動作するMPU100は、上記取得処理によって新たに取得されたサービスラベル(第1番組名の一例)を、ステーションリスト164内で、対応する代替ラベル(第2番組名の一例)と差し替え、代替ラベルがサービスラベルに差し替えられた後の各サービスラベルを所定の条件に従って(例えばアルファベット順で)ソートする。
【0073】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
【0074】
上記の実施形態では、タイムアウトの判定に用いられる所定時間が固定値であるが、別の実施形態では、上記所定時間が動的に変更されてもよい。
【0075】
傾向として、アンサンブルに多重されたサービス数(便宜上「サービス数α」と記す。)が多いほど、全てのサービスラベルを取得するまでに時間がかかる。そのため、MPU100は、サービス数αが多いほど、上記所定時間を長い時間に設定してもよい。
【0076】
傾向として、1つのサービスラベルを取得するのにかかる時間間隔(便宜上「時間間隔β」と記す。)が長いほど、全てのサービスラベルを取得するまでに時間がかかる。そのため、MPU100は、時間間隔βが長いほど、上記所定時間を長い時間に設定してもよい。
【0077】
受信履歴166には、過去の受信情報として、例えばアンサンブルの受信にかかった時間の履歴が含まれる。この時間は、他の情報(アンサンブルID、周波数チャンネル、SID等)と関連付けて保存されている。アンサンブルの受信にかかった時間(便宜上「時間γ」と記す。)とは、例えば、アンサンブルを検出してから全てのサービスラベルを取得するまでにかかった前回の時間であり、また、タイムアウトした場合は上記所定時間である。
【0078】
この場合、MPU100は、履歴で示される時間γに応じて上記所定時間を設定してもよい。MPU100は、例えば、履歴で示される時間γが短い場合、上記所定時間を短めに設定し、また、履歴で示される時間γが長い場合、上記所定時間を長めに設定する。
【0079】
このように、MPU100は、アンサンブル(放送信号の一例)に多重されたサービス数(番組数の一例)、1つのサービスラベルを取得するのにかかる時間間隔、アンサンブルの受信にかかった時間の履歴、の少なくとも1つに基づいて、上記所定時間を設定する時間設定部100Gとして動作してもよい。
【0080】
上記所定時間がアンサンブル毎に適正な時間に設定されるため、例えば、ステーションリスト164の更新処理の完了までにかかる時間を短く抑えつつも、当該更新処理中に、より多くのサービスラベルを取得することができる。
【0081】
アンサンブルに多重された全てのサービスラベルの取得に時間がかかると推測される場合(例えば、サービス数αが第1の数以上、時間間隔βが第1の時間間隔以上、履歴で示される時間γが第1の時間以上、など)、ステーションリスト164の更新処理の完了までにかかる時間が長くなりがちである。
【0082】
そこで、別の実施形態では、上記の如く推測される場合、MPU100は、例えばアンサンブルに多重された全てのSIDを取得した時点で、放送信号検出部100Bによる検出対象の周波数チャンネルを、次の周波数チャンネルに変更してもよい。この場合、ステーションリスト164の更新処理の完了までにかかる時間をより一層短く抑えることが可能となる。
【0083】
上記の実施形態では、サービスラベルがアルファベット順でソートされ、また、代替ラベルがSIDの数値順でソートされるが、ソートの仕方はこれに限らない。
【0084】
図5は、変形例1において、ステーションリスト164の更新処理(
図2のステップS109)時に実行される、ラベルソート処理を示すフローチャートである。
【0085】
図5に示されるように、MPU100は、再生回数ソート機能がオンに設定されているか否かを判定する(ステップS301)。ユーザは、例えばHMI110を用いて再生回数ソート機能のオンとオフとを切り替えることができる。再生回数ソート機能がオフであれば(ステップS301:NO)、MPU100は、
図2のステップS101で検出されたアンサンブルから取得したサービスラベルを上位にソートし、代替ラベルを下位にソートする(ステップS302)。すなわち、MPU100は、
図3Bに例示される基本ソートでラベルをソートする。
【0086】
図6Aは、変形例1に係る受信履歴166の一例を示す図である。
図6に示されるように、変形例1では、放送受信装置1における各サービスの再生回数の履歴が受信履歴166に含まれる。この再生回数は、他の情報(アンサンブルID、周波数チャンネル、SID等)と関連付けて保存されている。
【0087】
このように、記憶部の一例であるフラッシュROM160は、SID(放送信号に多重された番組に対応する識別子の一例)と、放送受信装置1におけるサービス(番組の一例)のこれまでの再生回数と、を関連付けて記憶する。
【0088】
再生回数ソート機能がオンの場合(ステップS301:YES)、MPU100は、受信履歴166のなかから、
図2のステップS101で検出されたアンサンブルに対応する各SIDと関連付けられた再生回数をチェックして(ステップS303)、再生回数に基づく順序でラベルをソートする(ステップS304)。すなわち、リスト処理部100Eとして動作するMPU100は、ステーションリスト164において、サービスラベル(第1番組名に一例)と代替ラベル(第2番組名の一例)を、再生回数に基づく順序でソートする。
【0089】
図6Bは、ステップS304のソート処理後のステーションリスト164の一例を示す図である。ここでは、6つのサービスラベルのうち、3つのサービスラベルが取得されたものとする。
図6Bでは、便宜上、ステーションリスト164の右側に、対応する再生回数を付記する。
【0090】
図6Bに示されるように、MPU100は、例えば、再生回数が多いサービスのラベルほど上位に位置するようにソートを行う。なお、再生回数が同じラベル同士は、基本ソートに従ってソートされる。再生回数が多いサービスのラベルが上位に位置するようにソートすることにより、ユーザにとって利便性の高いステーションリスト164が提供される。
【0091】
図7は、変形例2において、ステーションリスト164の更新処理(
図2のステップS109)時に実行される、ラベルソート処理を示すフローチャートである。
【0092】
図7に示されるように、MPU100は、ジャンルソート機能がオンに設定されているか否かを判定する(ステップS401)。ユーザは、例えばHMI110を用いてジャンルソート機能のオンとオフとを切り替えることができる。ジャンルソート機能がオフであれば(ステップS401:NO)、MPU100は、
図3Bに例示される基本ソートでラベルをソートする(ステップS402)。
【0093】
図8Aは、変形例2においてアンサンブルの受信時に得られるデータの一部を示す図である。ここでは、6つのサービスラベルのうち、3つのサービスラベルが取得されたものとする。受信データには、PTY(Program Type)が含まれる。PTYは、例えば、ポップ、ジャズ、ラジオ、ロック等のジャンルの情報を含む。
【0094】
ジャンルソート機能がオンの場合(ステップS401:YES)、MPU100は、
図2のステップS101で検出されたアンサンブルの受信データに含まれる、各SIDに関連付けられたPTY(すなわちジャンル)をチェックする(ステップS403)。
【0095】
MPU100は、次いで、ジャンルの優先度をチェックする(ステップS404)。ジャンルの優先度は、例えばHMI110に対するユーザの操作に従って予め設定されている。ここでは、ポップ、ジャズ、ラジオ、ロックの順に優先度が設定されているものとする。
【0096】
MPU100は、ジャンルの優先度に基づく順序でラベルをソートする(ステップS405)。
【0097】
図8Bは、ステップS405のソート処理後のステーションリスト164の一例を示す図である。
図8Bでは、便宜上、ステーションリスト164の右側に、対応するジャンルを付記する。
【0098】
図8Bに示されるように、MPU100は、例えば、優先度の高いジャンルに関連付けられたサービスのラベルほど上位に位置するようにソートを行う。なお、ジャンルが同じラベル同士は、基本ソートに従ってソートされる。優先度の高いジャンルに関連付けられたサービスのラベルが上位に位置するようにソートすることにより、ユーザにとって利便性の高いステーションリスト164が提供される。
【0099】
図9は、変形例3において、ステーションリスト164の更新処理(
図2のステップS109)時に実行される、ラベルソート処理を示すフローチャートである。
【0100】
図9に示されるように、MPU100は、割り込みソート機能がオンに設定されているか否かを判定する(ステップS501)。ユーザは、例えばHMI110を用いて割り込みソート機能のオンとオフとを切り替えることができる。割り込みソート機能がオフであれば(ステップS501:NO)、MPU100は、
図3Bに例示される基本ソートでラベルをソートする(ステップS502)。
【0101】
図10Aは、変形例3においてアンサンブルの受信時に得られるデータの一部を示す図である。ここでは、6つのサービスラベルのうち、3つのサービスラベルが取得されたものとする。受信データには、割り込み放送のタイプを示すBit flagが含まれる。例えば、Bit flagのb1は、「Rord Traffic flash」を示し、Bit flagのb2は、「Transport flash」を示す。
【0102】
MPU100は、放送信号検出部100Bにより検出されたアンサンブル(放送信号の一例)に多重されたサービス(番組の一例)に対応するSID(識別子の一例)と、SIDと関連付けられた割り込み放送の情報(Bit flag)と、を取得する割り込み情報取得部100Hとして動作する。
【0103】
割り込みソート機能がオンの場合(ステップS501:YES)、MPU100は、
図2のステップS101で検出されたアンサンブルの受信データに含まれる、各SIDに関連付けられたBit flag(すなわち割り込み放送)をチェックする(ステップS503)。
【0104】
MPU100は、次いで、割り込み放送の優先度をチェックする(ステップS504)。割り込み放送の優先度は、例えばHMI110に対するユーザの操作に従って予め設定されている。ここでは、Bit flagについて、b8、b7、b6、b5の順に優先度が設定されているものとする。
【0105】
MPU100は、割り込み放送の優先度に基づく順序でラベルをソートする(ステップS505)。
【0106】
図10Bは、ステップS505のソート処理後のステーションリスト164の一例を示す図である。
図10Bでは、便宜上、ステーションリスト164の右側に、対応するBit flagを付記する。
【0107】
図10Bに示されるように、MPU100は、例えば、優先度の高い割り込み放送のあるサービスのラベルほど上位に位置するようにソートを行う。なお、優先度が設定された同じ割り込み放送のあるサービスのラベル同士は、基本ソートに従ってソートされる。また、優先度が設定されていない割り込み放送があるサービスや割り込み放送がないサービスについては、基本ソートでのソートが行われる。優先度の高い割り込み放送のあるサービスのラベルが上位に位置するようにソートすることにより、ユーザにとって利便性の高いステーションリスト164が提供される。
【0108】
このように、リスト処理部100Eとして動作するMPU100は、ステーションリスト164において、サービスラベル(第1番組名に一例)と代替ラベル(第2番組名の一例)を、割り込み放送の情報に基づく順序でソートする。
【符号の説明】
【0109】
1 :放送受信装置
100 :MPU
100A :表示制御部
100B :放送信号検出部
100C :番組名取得部
100D :仮名取得部
100E :リスト処理部
100F :チャンネル変更部
100G :時間設定部
100H :割り込み情報取得部
102 :タイマ
120A :DAB信号処理回路
120B :DAB信号処理回路
162 :放送受信プログラム
164 :ステーションリスト
166 :受信履歴