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特開2024-55696電動アシスト自転車に取り付ける駆動輪を持った側車と制御方法
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  • 特開-電動アシスト自転車に取り付ける駆動輪を持った側車と制御方法 図1
  • 特開-電動アシスト自転車に取り付ける駆動輪を持った側車と制御方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055696
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】電動アシスト自転車に取り付ける駆動輪を持った側車と制御方法
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/40 20100101AFI20240411BHJP
   B62K 27/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B62M6/40
B62K27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162822
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】722010080
【氏名又は名称】和田 實
(71)【出願人】
【識別番号】503208910
【氏名又は名称】有限会社和田テクノレイ
(72)【発明者】
【氏名】和田 實
(72)【発明者】
【氏名】赤垣春義
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高齢者でも容易に複数人の移動が可能な免許不要の交通手段を提供する。
【解決手段】本発明は電動アシスト自転車に取り付ける駆動輪を持った側車とその制御方法に関するものである。近年高齢者が運転する自動車事故が多発し高齢者の免許返納が勧められている。しかし高齢者が普通免許を返納すると、代替の交通手段が必要とされる。その代替手段として電動アシスト自転車が考えられるが、電動アシスト自転車は一人しか乗れず、足の不自由な家族を同伴するなど複数人の運搬手段とはならない。一方道路交通法では側車に人を乗せることが認められており、側車を電動アシスト自転車に取り付ける方法が考えられる。しかし単に側車を取り付けただけでは電動アシスト自転車に負荷がかかり、またこぎ手にも負担がかかるので実用的とは言えず顧みられなかった。以上の問題点を克服するため本発明は側車を駆動輪とし、同時に駆動輪の制御方法を発明・提示した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動アシスト自転車の進行方向の左側に取り付ける側車であって、側車が駆動輪となる側車。
【請求項2】
同上の側車の駆動輪が電動アシスト自転車の移動速度と同期する制御装置を装備した側車。
【請求項3】
同乗の側車の制御機構にあって、左折や右折時に側車が円滑に追随するよう速度調整機構を装備した側車。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電動アシスト自転車に取り付ける駆動輪を持った側車とその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
側車を取り付けた自転車は従前から良く知られ公知であるが、電動アシスト自転車に取り付けられている事例は知られていない。
【0003】
その理由は、電動アシスト自転車の登場により利用者の利便性が増し、側車を必要とする理由が希薄でニーズが少なかったことにもよるが、側車を取り付けると側車の荷重を補償する過剰の動力が必要となり、又左折や右折が難しくなるという技術上の課題も背景にあると考えられる。
【0004】
以上の理由から、荷物等を運ぶために電動アシスト自転車の前部や後部に小規模な荷物や子供用の荷台を取り付けている事例が知られているのみで、側車とした場合の左折や右折が難しくなるという技術上の課題を回避した方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
過大な動力を持つ自動2輪などの場合は側車が取り付けられることも有り実用化されているが、その場合でも左折や右折が難しくなるという技術上の課題は解消されているわけではなく、そのために特開平6-278675に見られるように、側車を傾けて左折や右折を円滑にするような方法が考案されているが、実用化されているとはいいがたい・
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
高齢者が運転する自動車事故が多発し高齢者の免許返納が勧められている。
【0007】
高齢者が普通免許を返納すると、代替の交通手段が必要とされる。
【0008】
バスやタクシーなどの交通手段は費用も掛かり、乗りたいときに直ちにという事にならず、即応性に欠ける。
【0009】
そのため免許返納を躊躇う高齢者も多く、問題解決手段が求められている。
【0010】
代替手段の一つとして、免許不要の電動アシスト自転車や電動車椅子などが市販されている。
【0011】
電動アシスト自転車は上限の速度が20km毎時、電動車椅子は6km毎時であるので、免許返納の代替交通手段として電動アシスト自転車が向いている。
【0012】
しかし、電動アシスト自転車は一人しか乗れず、足の不自由な家族を同伴するなど複数の運搬手段とは出来ず、人に頼らなければならないのが実情である
【0013】
一方で道路交通法では側車に人を乗せることが認められており、側車を自転車に取り付ける方法が考えられる。
【0014】
実際、東南アジアでは生活の中で日常的に活用されているほか、日本国内でも一部の若手健常者のリクリエーションや観光目的に活用される事例が散見される。
【0015】
上記の側車付自転車を免許返納の代替交通手段とすることも考えられるが、高齢者には駆動負担が重すぎるため、高齢者が活用できる手段としては適していない。
【0016】
高齢者の負担を軽くするために電動アシスト自転車に側車を取り付ける方法が考えられる。
【0017】
しかし単に側車を取り付けただけでは電動アシスト自転車に負荷がかかり、またこぎ手にも負担がかかるので、高齢者の免許返納時の代替手段とは到底みなされることはなかった。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は以上述べた高齢者の免許返納を促進するため、複数の人が移動可能な代替手段を提供するものである。
【0019】
電動アシスト自転車の進行方向左側に取り付けた側車を、電動アシスト自転車と速度同期する駆動輪とすることにより、高齢者でも肉体的に無理なく乗れるような複数人の乗車が可能な交通手段とすることができる。
【0020】
側車には電動アシスト自転車と同期する制御手段だけではなく、左折・右折時にも円滑に追随するよう側車の駆動速度を調整する制御手段を持たせることにより、スムーズで安全な移動手段とすることが出来る。

【発明の効果】
【0021】
本発明により、高齢者でも容易に複数人の移動が可能な免許不要の交通手段を提供できるため、高齢者の免許返納の促進に有用かつ貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】側車の概念図
図2】制御のブロック図
【符号の説明】
【0023】
1. 電動アシスト自転車に変更
2. 側車
3. 駆動輪化
4. 電池搭載
5. 応力センサー(トルクセンサー)、取り付け部
6. 角度センサー若しくは左折/右折表示機、ハンドル部
【発明を実施するための形態】
【0024】
電動アシスト自転車と側車の締結部に取り付けられた応力センサーが常に所定の範囲内(例えば±1%以内=0.2km毎時)に収まるように制御することにより電動アシスト自転車と側車駆動輪の速度を概ね一定に保持することが出来る。
【0025】
電動アシスト自転車のトルクの信号で側車駆動輪の速度を同期させることも可能である。
【0026】
左折・右折時には回転半径の差を補うために左折時には駆動輪の速度を落とし、右折時には速度を上げるよう制御する。
【0027】
同上の制御センサーは電動アシスト自転車のハンドル軸に取り付けた角度センサー若しくは方向指示器の信号を基に制御することが可能である。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
図1
図2