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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055701
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】携帯型温度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/07 20220101AFI20240411BHJP
【FI】
G01J5/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162831
(22)【出願日】2022-10-08
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594142311
【氏名又は名称】株式会社ティアンドデイ
(74)【代理人】
【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦
(72)【発明者】
【氏名】両角 佑太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 友太
【テーマコード(参考)】
2G066
【Fターム(参考)】
2G066AC13
2G066BA57
2G066BA60
2G066CA16
(57)【要約】
【課題】測定位置にかかわらず確実なボタン操作性と測定結果の可読性を確保し、かつ温度センサの位置を被測定対象物の測定箇所に容易に合わせて正確な温度測定ができる携帯型温度測定装置を提供する。
【解決手段】
携帯型温度測定装置本体部10の第1の面13に表示部16と操作部21とが配置され、第2の面14に本体部10内に配置される赤外線センサに赤外線を導く第1の開口部23が配置され、第1の開口部23は、第2の面14の外周辺近くに配置され、第1の開口部23近くの本体部周辺部分に、被測定対象物の測定箇所に照準を合わせるための照準部50を備えている。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に赤外線センサを有する本体部と把持部とを備えた携帯型温度測定装置であって、
前記本体部は、第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、前記第1の面に配置された表示部及び操作部と、前記第2の面に配置され、前記赤外線センサに赤外線を導く第1の開口部と、被測定対象物の測定箇所に照準を合わせるための照準部と、を有し、
前記第1の面側から見たとき、前記把持部の延在方向に直交する方向の前記把持部の幅よりも前記第1の面の幅のほうが大きくなっており、前記第1の開口部は、前記本体部において前記把持部と反対側の外周辺近くに配置され、前記照準部は、前記第1の面を平面視したときに前記第1の開口部の近くの前記本体部の外周部に設けられていることを特徴とする携帯型温度測定装置。
【請求項2】
前記第1の開口部と前記照準部とが、前記把持部の延在方向に沿った仮想中心線上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の携帯型温度測定装置。
【請求項3】
前記第1の面の中心部を含むいずれの径方向の寸法も、前記第1の面と第2の面との間の最大距離の寸法よりも大きくしたことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型温度測定装置。
【請求項4】
前記照準部は、前記外周辺から外側に突出する突起であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯型温度測定装置。
【請求項5】
前記照準部は、前記外周辺から内側に窪む窪みであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯型温度測定装置。
【請求項6】
前記照準部は、前記第1の面内において面上に設けられた目印であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯型温度測定装置。
【請求項7】
前記第1の面において、前記操作部は前記表示部と前記把持部との間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の携帯型温度測定装置。
【請求項8】
前記本体部は、内部に発光素子と受光素子とを含む距離センサを有し、
前記第2の面の前記第1の開口部の近くに前記距離センサに光を導く第2の開口部を設けたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の携帯型温度測定装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型温度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触で被測定対象物の温度を測定する携帯型の温度測定装置が知られている。かかる携帯型温度測定装置は、一般にスティック状(棒状)をした本体の先端部に温度検出のための赤外線センサ(温度センサ)が設けられ、先端部以外の本体表面に計測結果を表示する表示部やボタンスイッチなどの操作部が設けられている(例えば特許文献1参照)。測定においては、先が狭くされた本体先端部を被測定対象物、例えば体温計であれば人の額などに向け操作ボタンを操作することで温度を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-99646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる棒状の携帯型温度測定装置は先端部を被測定対象物の測定箇所に合わせやすいメリットはあるものの、表示部が先端とは異なる表面に配置されているため、測定後に表示部で測温結果を確認するときに、表示部の位置を目に対向するように移動させる必要があるという煩雑さがあった。また、携帯型温度測定装置の先端部を被測定対象物の測定箇所に合わせてから、測定のためにボタン操作をするときも、例えば体温計で額の温度を測定するなど携帯型温度測定装置の位置が目線よりも高い位置にある場合には、ボタン自体が見えづらくなってしまい確実なボタン操作ができなくなるという問題もあった。また、棒状のため平面部に十分なスペースがなく表示部を大きくすることが難しく、文字が小さい場合などでは、測定結果を認識するのに時間がかかるなどの問題もあった。
【0005】
本発明は、このような問題の少なくとも1つを解決し、容易に正確な温度測定を行うことができる携帯型温度測定装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態の構成として、携帯型温度測定装置は、内部に赤外線センサを有する本体部と、把持部とを備えた携帯型温度測定装置であって、本体部は、第1の面と、第1の面に対向する第2の面と、第1の面に配置された表示部及び操作部と、第2の面に配置され、赤外線センサに赤外線を導く第1の開口部と、被測定対象物の測定箇所に照準を合わせるための照準部と、を備え、第1の面側から見たとき、把持部の延在方向に直交する方向の把持部の幅よりも第1の面の幅のほうが大きく、第1の開口部は、本体部において把持部と反対側の外周辺近くに配置され、照準部は、第1の開口部の近くの本体部の外周部に設けられたものである。
【0007】
かかる実施形態においては、第1の面に表示部と操作部を設け、第2の面に本体部内側に配置される赤外線センサに赤外線を導く第1の開口部を設けることにより、操作者は、携帯型温度測定装置の測定位置にかかわらず操作部を直視しながら操作でき、また携帯型温度測定装置を測定箇所から動かすことなく測定結果を容易に認識できるので操作性を高めることができる。また第1の面側から見たとき、把持部の延在方向に直交する方向の把持部の幅よりも第1の面の幅のほうが大きくすることで表示部の面積を大きく設定することができ可読性を高めることができる。更に、第2の面に配置される第1の開口部を把持部と反対側の本体部の外周辺に沿って配置し、第1の開口部近くの本体部の外周部に照準部を設けている。このような構成により、赤外線センサが操作者から直接目視できない第2の面の側にあったとしても、照準部が見える位置を被測定対象物の測定箇所が見える位置に合わせることで、赤外線センサが向く方向や位置を適切に測定箇所に合わせ込むことができ、容易に正確な温度測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1を示し、図1(a)は正面図、図1(b)は背面図、図1(c)は左側側面図である。
図2図1のA-A’線における断面図である。
図3】実施形態1の使用説明図であり、図3(a)は使用説明側面図、図3(b)は使用側面正面図である。
図4】実施形態1に用いるハードウエア構成図である。
図5】実施形態2を示し、図5(a)は正面図、図5(b)は背面図である。
図6】実施形態3を示し、図6(a)は正面図、図6(b)は背面図である。
図7】実施形態4を示し、図7(a)は正面図、図7(b)は背面図、図7(c)は左側側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る携帯型温度測定装置について図を参照しながら説明する。
【0010】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る携帯型温度測定装置100を示す。図1(a)は携帯型温度測定装置100の正面図、図1(b)は背面図、図1(c)は左側側面図である。
図1に示すように、携帯型温度測定装置100は、正面からみたときに略円形状に見える本体部10と、携帯型温度測定装置100を手に保持するために設けられ、本体部に結合された把持部11とを備える。本体部10は内部に赤外線センサを有する。
【0011】
本体部10は内部にCPUなど電子部品などが取り付けられた回路基板30を収納している。また、把持部11は本体部10に結合しており、内部に携帯型温度測定装置100を駆動するための電源として乾電池あるいは充電池などの電池31を備えている。
本体部10は、前面側に位置する第1の面13と、第1の面13と対向する背面側に位置する第2の面14と、第1の面13と第2の面14とをつなぐ第3の面15を備える。
第1の面13及び第2の面14は、それぞれ平面でもよいし一部あるいは全体が曲面であってもよいし、更には部分的に機能的あるいは装飾的な凹凸などがあってもよい。
携帯型温度測定装置100は、第1の面13の側からみたとき、把持部11の延在方向に直交する方向の把持部11の幅よりも、同方向における第1の面13の幅のほうが大きくなるように形成されている。
また、第1の面における中心部を含むいずれの径方向の寸法も、第1の面から第2の面の最大距離の寸法より大きく形成されている。なお、本実施形態では第3の面15を設けているが、例えば第2の面14を曲面として第1の面13に直接接続してもよい。
【0012】
第1の面13上には、例えばLCD(Liquid Crystal Display)あるいはLED(light-emitting diode)などからなる表示部16が配置され、また表示部16と把持部11の間のスペースに例えばプッシュボタン17,18,20及びリングボタン19からなる操作部21が配置されている。例えばプッシュボタン17は温度測定ボタンであり、プッシュボタン18は被測定対象物MTの識別符号読取りボタンであり、リングボタン19は機能選択ボタンであり、プッシュボタン20はリングボタン19で選択された機能の決定ボタンである。このように配置することにより、操作者は把持部11を片手で保持した状態で、その親指などで操作部21を操作することができるようになり、操作性を高めることができる。
【0013】
第2の面14上には、本体部10の内部に配置されている赤外線センサ22に赤外線を導く第1の開口部23が、外周辺12の近くに配置されている。また、赤外線センサ22の近傍に距離センサ24が設けられている。距離センサ24には発光素子24aと受光素子24bが備えられており、発光素子24aからの光が被測定対象物MTにより反射される光を受光素子24bが測ることで距離を認識できるようにしている。
【0014】
本体部10の第2の面14には発光素子24aの光及び被測定対象物MTからの反射光を導くための第2の開口部25が設けられている。第1の開口部23から赤外線センサ22の間には赤外線を集光するための導波管33が配置されている。また、第2の開口部25と距離センサ24の間にも導波管34が配置されている。
【0015】
図2図1のA-A’断面図の一例である。
図2に示すように、回路基板30には赤外線センサ22と距離センサ24が取り付けられている。赤外線センサ22と本体部10との間に導波管33が設けられ、導波管33の開口部33aが本体部10の第1の開口部23を形成している。また、距離センサ24と本体部10との間に導波管34が設けられ、導波管34の開口部34aが第2の開口部25を形成している。
距離センサ24は、受発光を効果的に行うために、第2の面14側に近く配置されている。一方、赤外線センサ22は、内面が円錐面あるいは放物面を備えた導波管33により赤外線を集光して受光強度を高めるため、距離センサ24より内側に配置されている。また、赤外線センサ22が距離センサ24より内側に配置されていることから、比較的長い導波管33により赤外線センサ22からの視野角が狭められ、その結果、被測定対象物以外の物体が見えづらくなっている。
【0016】
この実施形態においては、導波管33と導波管34は樹脂などにより一体に形成され、必要に応じて内部に金メッキ、銀メッキ、ニッケル・クロム、ロジウムなどの反射率の高いメッキが施されている。なお、導波管は一体でなく、別体として設けてもよい。また、導波管33,34は必ずしも用いる必要はなく、本体部10に温度測定のための赤外線を通過する開口(第1の開口部23)や、距離センサの発光素子の光を通過する開口(第2の開口部25)を直接設けるだけでもよい。第1の開口部23の位置は、把持部11と反対側の本体部10の外周辺12近くに配置される。また、本体部10には、例えば第1の面13、第2の面14、あるいは第3の面15にブザーやLEDなどの発光素子からなる警告部32を設けてもよい。
【0017】
ところで、被測定対象物MTから発せられる赤外線の量を測定して温度を計測する場合、被測定対象物MTと携帯型温度測定装置100の距離によって計測値が異なり、距離が適切でないと正確な計測値が得られないという問題がある。
このような問題を避けるため、距離センサ24を配置し所定の距離が認識された場合にブザー、あるいはLEDランプなど警告部32で警告してもよい。例えば、温度測定用のプッシュボタン17を操作したときに、距離センサ24が計測した距離が適切な範囲の場合には、赤外線センサ22の測定結果を表示部16に表示する。もし、距離が適切な範囲から外れている場合には、警告部32が警告を発して、再測定を促すようにする。あるいは、温度測定用のプッシュボタン17の操作前に、距離センサ24が所定の距離範囲に入ったことを認識したとき、警告部32にて警告を発し、そのタイミングで操作者がプッシュボタン17を操作することで温度測定を行ってもよい。
【0018】
更に、携帯型温度測定装置100は、赤外線センサ22に赤外線を導く第1の開口部23を、第2の面14の外周辺12の近くに配置すると共に、その近くに第1の開口部23の位置を示す照準部50として突起26を第3の面に配置している。
「照準部」は、被測定対象物の測定箇所に照準を合わせるための部位である。一般に、
照準部は、第1の面13を平面視したときに第1の開口部23の近くの本体部10の外周部(ここでは外周辺12)に設けられている。実施形態1の「照準部」は、外周辺12の外側に突出する突起26の態様で構成されている。第1の開口部23と照準部50とは、把持部11の延在方向に沿った仮想中心線CL上に位置している。
【0019】
突起26と赤外線センサ22が近くに配置されているので、操作者は突起26を照準として用い、被測定対象物MTの測定部分に合わせることで容易に正確な測定位置の温度測定を可能にすることができる。
また、距離センサ24も赤外線センサ22の近くに配置されているので、突起26で測定箇所に照準を合わせると、自ずと被測定対象物MTの測定部分までの距離が正しく得られることになるので、精度の高い温度測定に寄与することができる。
【0020】
ところで、第1の面13を広くすることにより表示部16を大きくすれば可読性を高めることができるが、第2の面14側に赤外線センサ22及びそのための第1の開口部23を設けると、第1の面13を広くした分だけ赤外線センサ22の位置が認識しづらくなり、操作者に不安を与えたり、正確な温度測定が難しくなることがある。
しかし、上記の構成をとることにより、第1の面13を広くしても確実にしかも容易に赤外線センサを被測定対象物MTの測定箇所に合わせことができる。なお、図1では突起26は第3の面上に設けられ且つ第2の面14寄りの部分に形成されている。これにより、突起26の位置を被測定対象物MTに近づけ正確な測定に寄与することができる。
しかし、照準としての機能を損なわない範囲で突起26の位置は第3の面15上の第1の面13から第2の面14に向かう方向のどの位置に設けてもよいし、あるいは第1の面から第2の面に連なる棒状の突起にしてもよい。
【0021】
すなわち、第2の面14に配置される第1の開口部23を把持部11と反対側の本体部10の外周辺12に沿って配置し、第1の開口部23近くの本体部10の外周部に照準部50を設ける構成により、赤外線センサ22が操作者から直接目視できない第2の面14の側にあったとしても、照準部50が見える位置を被測定対象物の測定箇所が見える位置に合わせることで、赤外線センサ22が向く方向や位置を適切に測定箇所に合わせ込むことができる。これにより容易に正確な温度測定を行うことができる。
【0022】
本体部10と把持部11は、例えば樹脂ケース部材で形成される。図2に示されるように照準部50となる突起26は、樹脂ケース部材で本体部10と一体に形成してある。しかし、突起26は別体として構成し、本体部10に固着するものであってもよい。
【0023】
第1の面13に表示部16と操作部21を配置し、第2の面14に赤外線センサ22に赤外線を導く第1の開口部23を配置し、第1の開口部23の近くに照準部50を設けるという構成により、本体部10の厚さ方向の寸法(第1の面13から第2の面14の最大距離の寸法)を、例えば単3乾電池を収納する把持部11の部分の厚さ方向の寸法(第1の面13から第2の面14に向かう方向の寸法)と同程度に薄くすることができる。
これにより、容易に正確な温度測定を可能にするとともに軽量化も達成でき、日常生活の中で使いやすい携帯型温度測定装置100を提供できる。
【0024】
図3は、実施形態1の使用説明図である。図3(a)は、携帯型温度測定装置100を用い被測定対象物MTとして人の体温を計測する場合の説明側面図であり、図3(b)は説明正面図である。
図3に示すように、操作者(図示を省略)は携帯型温度測定装置100を手に持って被測定対象物MTの顔の前に持っていき、突起26を測定箇所である額の位置に合わせる。この場合、操作者は温度測定後に携帯型温度測定装置100を測定箇所に合わせた状態で測定の結果を視認できるので操作性に優れている。
【0025】
図4は、実施形態1に用いるハードウエア構成図である。
図4に示すように、携帯型温度測定装置100は、プロセッサ40と、メモリ41,ストレージ42などで構成される記憶部43と、入出力I/F(Interface)44と、通信I/F(Interface)45とを有している。入出力I/F44には、赤外線センサ22、距離センサ24、操作部21、表示部16、ブザーあるいは警告用LEDからなる警告部32が含まれる。入出力I/F44として被測定対象物MTの識別符号読取り部(図示を省略)を有していてもよい。これらの要素はバスBSに接続されている。
【0026】
メモリ41には温度測定データや識別符号データが蓄積される。ストレージ42にはプロセッサ40に携帯型温度測定装置100の制御や各機能を行わせるプログラム、作動のための初期データ等が記憶されている。通信I/F45は、スマートフォン(スマート端末)等の外部機器との間で通信を行うI/F(Interface)部分である。通信I/F45は、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)通信機能を備えたものであってもよい。通信I/F45を介した通信により、例えばメモリ41に蓄積された温度データや識別符号データを外部機器に送信することができる。また、スマートフォン等の外部機器は無線通信によりそれらのデータをクラウドサーバーに送信する機能を有していてもよい。
【0027】
また、ハードウエア構成110の各構成要素は乾電池あるいは充電池などの電池31によって駆動する。必要に応じて商用電源を用いてもよい。
プロセッサ40は、例えば、温度測定用のプッシュボタン17が操作され、距離センサ24が測定した被測定対象物MTまでの距離が適切な範囲にあるときには赤外線センサ22の測定結果を表示部16に表示させる機能、また被測定対象物MTまでの距離が適切な範囲が外れているときにはブザーあるいは発光素子による警告部32が警告を発する機能を有していてもよい。
【0028】
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係る携帯型温度測定装置200を示す。図5(a)は携帯型温度測定装置200の正面図であり、図5(b)は背面図である。照準部50以外は、実施形態1と共通する構成となっていることから共通部分の説明を省略する。
【0029】
図5に示すように、実施形態2に係る携帯型温度測定装置200では、照準部50として第1の面13から第2の面14に渡って窪み(凹部)51が設けられている。実施形態2の「照準部」は、外周辺12から内側に窪む窪み51の態様で構成されている。
窪み51の場合、窪み51から測定箇所を望むことができるので測定位置精度をより認識しやすくなる。また、照準部50と第1の開口部23とを突起26の場合に比べ更に近づけることができる。
【0030】
[実施形態3]
図6は、実施形態3に係る携帯型温度測定装置300を示す。図6(a)は携帯型温度測定装置300の正面図であり、図6(b)は背面図である。照準部50以外は、実施形態1と共通する構成となっていることから共通部分の説明を省略する。
【0031】
図6に示すように、実施形態3に係る携帯型温度測定装置300では、照準部50として第1の面13の面内において、その面上の外周辺12近くに目印52が設けられている。実施形態3の「照準部」は、第1の面13内において面上に設けられた目印52の態様で構成されている。
この目印52は印刷やフィルムの貼り付けによる着色部でもよいし、第1の面13に設けた窪みや突起でもよい。本体部10の外周外側に突出する部分や、第1の面13から第2の面14に抜ける大きな窪みを設けなくてよいので構成が簡略化される。
【0032】
[実施形態4]
図7は、実施形態4に係る携帯型温度測定装置400を示す。図7(a)は携帯型温度測定装置400の正面図であり、図7(b)は背面図、図7(c)は左側側面図である。照準部50以外は、実施形態1と共通する構成となっていることから共通部分の説明を省略する。
【0033】
図7に示すように、実施形態4に係る携帯型温度測定装置400では、照準部50として第2の面14内において、外周辺12の近くの面に突起53が設けられている。突起53は第2の面の外周部から第3の面を超えて突出することで形成されている。突起53が被測定対象物MTに近いところに配置できるので測定位置精度を高めることができる。また、突起53が操作者から離れた位置に設けられることで操作者に圧迫感を感じさせないメリットがある。
【0034】
[変形例]
(1)上述の各実施形態の説明においては、第1の開口部23と照準部50とは、把持部11の反対側の本体部10の外周部で、把持部11の延在方向に沿った仮想中心線CL上に位置している。この位置においては、本体部10の中心を被測定対象物MTにあわせることになるので、一番自然な形で測定が可能になる。
しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1の開口部23(赤外線センサ22)と照準部50のそれぞれの位置は、仮想中心線CL上から左右にずらして設けてもよく、この場合においても照準として同様の作用・効果を得ることができる。
【0035】
(2)上述の各実施形態の説明においては、本体部10の第1の面13の外周形状を略円形とした。しかしながら本発明はこれに限られるものでない。例えば、本体部10の第1の面13の外周形状を、楕円形、四角、ひし形など面の広さを十分にとれる形状としてもよく、この場合においても上記と同様の作用・効果を得ることができる。
【0036】
(3)上述の各実施形態では、携帯型温度測定装置としてヒトの温度を測定する体温計を例として説明を行った。しかしながら本発明はこれに限られるものでなく、物体の温度を測定するものであればどのようなものでも適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
10…本体部、11…把持部、12…外周辺、13…第1の面、14…第2の面、15…第3の面、16…表示部、 17,18,20…プッシュボタン、19…リングボタン、21…操作部、22…赤外線センサ、23…第1の開口部、24…距離センサ、24a…発光素子、24b…受光素子、25…第2の開口部、26…突起、30…回路基板、31…電池、32…警告部、33,34…導波管、33a,34a…開口部、40…プロセッサ、41…メモリ、42…ストレージ、43…記憶部、44…入出力I/F、45…通信I/F、50…照準部、51…窪み、52…目印、53…突起、100,200,300,400…携帯型温度測定装置


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7