(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055703
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】バスケットの吊り下げ装置
(51)【国際特許分類】
B66C 1/42 20060101AFI20240411BHJP
B25J 15/08 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B66C1/42 J
B25J15/08 M
B66C1/42 B
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162833
(22)【出願日】2022-10-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-29
(71)【出願人】
【識別番号】512266327
【氏名又は名称】株式会社テックワザワ
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】和澤 伸一
【テーマコード(参考)】
3C707
3F004
【Fターム(参考)】
3C707AS01
3C707DS01
3C707ES03
3C707ES13
3C707ET03
3C707EU07
3C707EV03
3C707KS30
3C707LV06
3F004AA01
3F004AB14
3F004EA21
(57)【要約】
【課題】簡単な構造でありながらバスケットの吊り上げ操作を行う際に、正常にバスケットがチャックされたか否かを検出することができるバスケットの吊り下げ装置の提供を目的とする。
【解決手段】ベース部材と、前記ベース部材に後端側を軸着した複数のアーム部材と、前記複数のアーム部材を相互に開閉操作するシャフト部材とを備え、前記複数のアーム部材はそれぞれ先端側にチャック部と、アーム部材の途中を前記シャフト部材に連節した開閉リンク部材を有し、前記シャフト部材を上昇させた上昇位置で前記複数のアーム部材が閉の状態になり、前記シャフト部材を下降させ前記開閉リンク部材が水平状態になると前記複数のアーム部材が全開状態になり、前記シャフト部材をさらに下降させると前記複数のアーム部材が閉の方向に後退することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、前記ベース部材に後端側を軸着した複数のアーム部材と、前記複数のアーム部材を相互に開閉操作するシャフト部材とを備え、
前記複数のアーム部材はそれぞれ先端側にチャック部と、アーム部材の途中を前記シャフト部材に連節した開閉リンク部材を有し、
前記シャフト部材を上昇させた上昇位置で前記複数のアーム部材が閉の状態になり、
前記シャフト部材を下降させ前記開閉リンク部材が水平状態になると前記複数のアーム部材が全開状態になり、
前記シャフト部材をさらに下降させると前記複数のアーム部材が閉の方向に後退することを特徴とするバスケットの吊り下げ装置。
【請求項2】
前記複数のアーム部材の閉の状態、バスケットを正常にチャックした状態、及び閉の方向に後退した状態を検出するセンサー手段を有していることを特徴とする請求項1記載のバスケットの吊り下げ装置。
【請求項3】
前記シャフト部材を上下方向にストローク操作する駆動部を有し、前記駆動部によるシャフト部材のストローク量にて前記複数のアーム部材の閉の状態、バスケットを正常にチャックした状態、及び閉の方向に後退した状態を検出することを特徴とする請求項2記載のバスケットの吊り下げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを入れて搬送や洗浄等の各種処理をするのに用いられるバスケットの吊り下げ装置に関し、特にバスケットを正常にチャックできたか否かの検出機構に係る。
【背景技術】
【0002】
工場内で複数のワークや材料等を吊り下げ移送したり、ワークを入れて洗浄等の各種処理を行うのに、ワークや材料等を収容するバスケットが使用されている。
この種のバスケットを吊り下げるのに、開閉操作できる複数のチャック部や爪部等の間隔が狭くなる閉の状態で、バスケットの開口部や引っ掛け部の間に挿入した後に間隔が広がる開の方向に操作し、バスケットをチャック保持し、吊り上げ移送することが行われている。
したがって、チャック部がバスケットの引っ掛け部に正しくチャックされないと、バスケットを吊り上げることができないことになるが、正しくチャックされたか否かの確認作業が大変であった。
また、吊り上げ途中でチャック部が外れると、危険でもあった。
【0003】
例えば、特許文献1には吊り下げ移送用把持装置として、ロックを解放する操作ケーシングが本来操作すべき場所以外では動かないようにした技術を開示する。
しかし、構造が複雑であり、バスケットの吊り下げ装置としては汎用性に劣るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡単な構造でありながらバスケットの吊り上げ操作を行う際に、正常にバスケットがチャックされたか否かを検出することができるバスケットの吊り下げ装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバスケットの吊り下げ装置は、ベース部材と、前記ベース部材に後端側を軸着した複数のアーム部材と、前記複数のアーム部材を相互に開閉操作するシャフト部材とを備え、前記複数のアーム部材はそれぞれ先端側にチャック部と、アーム部材の途中を前記シャフト部材に連節した開閉リンク部材を有し、前記シャフト部材を上昇させた上昇位置で前記複数のアーム部材が閉の状態になり、前記シャフト部材を下降させ前記開閉リンク部材が水平状態になると前記複数のアーム部材が全開状態になり、前記シャフト部材をさらに下降させると前記複数のアーム部材が閉の方向に後退することを特徴とする。
【0007】
ここで、バスケットとは、各種原材料やワーク等の物体を内部に収容して吊り下げ移送するためのものをいい、容器状のケース体,線材や帯材等を用いて製作された枠体等、その構造に制限はない。
【0008】
バスケットには、先端側にチャック部を有する複数のアーム部材が閉の状態で引っ掛け部の内側に挿入され、このアーム部材が開くことでこの引っ掛け部に係止し、チャックされる。
ここでチャック部が全開状態となる前に、このチャック部が正常に引っ掛け部に係止すると、それ以上アーム部材が開かないので、その状態を維持すればよい。
しかし、チャック部が正常に引っ掛け部に係止されないと、さらに複数のアーム部材のチャック部が開き、開閉リンク部材が全開となる水平状態を過ぎると、その後は複数のアーム部材が閉じる方向に後退することになるので、この状態を検出することができると安全であり、改めてバスケットのチャック操作を行えばよい。
【0009】
よって、本発明においては、複数のアーム部材の閉の状態、バスケットを正常にチャックした状態、及び閉の方向に後退した状態を検出するセンサー手段を有しているのが好ましい。
センサー手段としては、光学式センサー,磁気式センサーのいずれでもよい。
開閉リンク部材の上昇,水平,下降のそれぞれの位置を検出してもよく、シャフト部材を上下方向にストローク操作する駆動部を有し、前記駆動部によるシャフト部材のストローク量にて前記複数のアーム部材の閉の状態、バスケットを正常にチャックした状態、及び閉の方向に後退した状態を検出することもできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るバスケットの吊り下げ装置にあっては、バスケットをチャックする複数のアーム部材の開閉操作機構として、上下動するシャフトと複数のアーム部材の途中とをリンク連節し、このリンクの動きによりバスケットが正常にチャックされなかった場合を検出できるので、簡単な構造でありながら精度高く、バスケットが正常にチャックされたか否かを検出することができる。
また、バスケットを正常にチャックできなかった場合には、アーム部材の先端側のチャック部がバスケットの開口部の内側方向に閉じるので安全である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るバスケットの吊り下げ装置の構造例を示す。
【
図2】(a)は複数のアーム部材が閉の状態にあり、(b)は複数のアーム部材が開き、正常にバスケットをチャックした状態を示す。
【
図3】(a)は開閉リンク部材が水平になり、複数のアーム部材が全開の状態を示し、(b)は複数のアーム部材が閉の方向に後退する状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るバスケットの吊り下げ装置の構造例を以下図に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0013】
図1に示した実施例は、バスケット1として棒材と板材とを組み合せて枠体にした例になっている。
バスケット1の上部の開口部1aは、枠形状に形成され、この開口部1aを利用して吊り下げる例になっている。
図1では、開口部の構造が分かりやすいように一部を一点鎖線で示した。
左右の開口部1aが引っ掛け部となる。
【0014】
吊り下げ装置10は、図示を省略した移送装置に連結部18等を介して連結されている。
連結部18からは外筒15が垂設され、内側に駆動部16により上下動制御されたシャフト部材14が設けられている。
駆動部16は、エアーシリンダー方式でもモータ方式でもよい。
外筒15の下端部には、ベース部材11が固定され、シャフト部材14の下端側がこのベース部材11を貫通し、下側に突出している。
ベース部材11からは、複数のアーム部材が相互に開閉可能に設けられている。
アーム部材の本数は、バスケット1の開口部1aの構造に合せて、2本,3本等の複数設けられる。
図1に示した実施例は、第1アーム部材12と第2アーム部材13とを対向して配置した例になっている。
【0015】
第1アーム部材12は、後端側をベース部材11の一方の端部に軸着部12aにて回動自在に軸着してあり、先端側にバスケット1の開口部1aの枠部材に係止するチャック部12bを有する。
また、第1アーム部材12の途中には、ブラケット12dを介して第1リンク部材12cの一端を軸着し、この第1リンク部材12cの他端をシャフト部材14の先端側に取り付けた上下方向調整可能な連節ブラケット14aに軸着してある。
本実施例では、シャフト部材14の下端部におねじ部を形成し、連節ブラケット14aの高さ調整をダブルナット14bで行う例になっている。
【0016】
第2アーム部材13も第1アーム部材12と同様に、後端側をベース部材11の他方の端部に軸着部13aにて軸着し、アーム部材の先端側にチャック部13bを有する。
第2アーム部材13の途中には、ブラケット13dを介してシャフト部材14側の連節ブラケット14aとリンク部材13cにて連節してある。
【0017】
これにより、シャフト部材14を駆動部の駆動により上昇させると、連節ブラケット14aが上昇し、第1アーム部材12と第2アーム部材13の先端側チャック部12b,13bが相互に閉じる。
この状態で、
図2(a)に示すように両側のチャック部12b,13bをバスケット1の開口部1aに位置させる。
その状態でシャフト部材14を下降させると、連節ブラケット14aが下降し、左右のリンク部材12c,13cが水平方向に向けて広がり、左右のリンク部材12c,13cが水平状態の全開となる前に両側のチャック部12b,13bがバスケット1の開口部1aに係止する。
駆動部16が、このときのトルク負荷等を検知し、バスケット1のチャック状態が維持され、バスケット1が上昇及び移送される。
【0018】
シャフト部材14の下降により、複数のアーム部材のチャック部が開の方向に開くが、何らかの理由によりバスケット1の開口部1aに正しく係止されなかった場合には、リンク部材12c,13cが
図3(a)に示した水平状態の全開位置を経由して、
図3(b)に示すように、さらにシャフト部材14が下降することになる。
すると、複数のアーム部材の先端部のチャック部12b,13bが閉じる方向に後退することになる。
この後退する状態をセンサーにて検出することで、バスケット1が正しくチャックされない状態で上昇するのを防止できる。
【0019】
シャフト部材14が上昇し、アーム部材が閉の状態になる位置、シャフト部材14が下降し、チャック部がバスケットの開口部に係止する位置、及びシャフト部材14がさらに下降し、アーム部材が閉の方向に後退する位置を検出するセンサー手段としては、上下動する連節ブラケット14aの位置や、リンク部材12c,13cの傾き等にて検出することができる。
また、シャフト部材14の上部等にストロークセンサー17を取り付けて、シャフト部材14のストローク量にて検出することもできる。
【符号の説明】
【0020】
1 バスケット
1a 開口部
11 ベース部材
12 第1アーム部材
12b チャック部
13 第2アーム部材
13b チャック部
14 シャフト部材
14a 連節ブラケット
15 外筒
16 駆動部
17 ストロークセンサー