(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055714
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】好きな香りのお香作り方法
(51)【国際特許分類】
A61Q 13/00 20060101AFI20240411BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20240411BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A61Q13/00 101
A61K8/9789
C11B9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022171818
(22)【出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】515038745
【氏名又は名称】三谷 干城
(72)【発明者】
【氏名】三谷 干城
(72)【発明者】
【氏名】山室 和恵
【テーマコード(参考)】
4C083
4H059
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083FF01
4C083KK02
4H059BC10
4H059CA18
4H059DA09
4H059EA36
(57)【要約】
【課題】市販のばらのお香キットは、採算性からばらの花から採取したばらオイルは使えず、科学的に香りが再現・合成されたオイルを使うので、好みのばらの香りは作れないという課題がある。
【解決手段】容易に自分の好みのばらの花の香りを含ませたお香を作るため、ばらの花びらから水蒸気蒸留法でばら湯を蒸留し、このばら蒸留湯を、市販ばらキットで使う蒸留水の代わりに使い、お香の香りを自分の好きなばらの香りを含ませたものに変えることができることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
お気に入りの植物の花の香りのお香を作ることを特徴とする好きな香りのお香作り方法。
【請求項2】
お香作りのプロセスは、お香の主たる標準材料となるパウダーに水を蒸留した蒸留水及びお香の香りを出すオイルとを練り合わせて作ることを特徴とする請求項1記載の好きな香りのお香作り方法。
【請求項3】
前記香りを出すオイルの収集が大変困難なばらの花に関することを特徴とする請求項1または請求項2記載の好きな香りのお香作り方法。
【請求項4】
前記香りを出すオイル、すなわちばらオイルは科学的に香りを再現され一定の香りを発生するオイルであることを特徴とする請求項3項に記載の好きな香りのお香作り方法。
【請求項5】
前記請求項2項記載の蒸留水の代わりに、好きな香りを水蒸気蒸留法で採取したばら蒸留湯を用いることを特徴とする好きな香りのお香作り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自分の好みの植物の香りを生かしたお香を作る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、香りのお香は、特にばらは、パウダーと蒸留水とばらオイルを混ぜたあらかじめ決まった画一的な香りである。
【0003】
他方、ばらの香りは、微香・中香・強香の三種類に分類され、ばらの花から採取されるばらオイルは、0.02%程度しか取れないとされている。すなわち10kgのばらの花から2gしか取れないので、やむを得ず科学的に合成されたばらオイルが使われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
市販のばらのお香キットは、採算性からばらの花から採取したばらオイルは使えず、科学的に香りが再現・合成されたオイルを使うので、好みのばらの香りは作れないという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、市販のばらキットを使い、画一的な香りのばらのお香から、好きな香りのばらのお香を作る方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、容易に自分の好みのばらの花の香りを含ませたお香を作るため、ばらの花びらから水蒸気蒸留法でばら湯を蒸留し、このばら蒸留湯を、市販ばらキットで使う蒸留水の代わりに使い、お香の香りを自分の好きなばらの香りを含ませたものに変えることができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容易に且つ安価にオリジナルな好きな香りのお香を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の従来方法を示す説明図である。
【
図2】本発明の実施の従来方法に用いるパウダーと蒸留水とばらオイルの写真である。
【
図3】本発明の実施の形態1によるばら蒸留湯を作り出す水蒸気蒸留装置と蒸留作業の写真である。
【発明を実施するための形態】
実施の形態1.
【0010】
図1~
図3を用いて本発明の実施の形態1における好きな香りのお香作り方法について説明する。
図1は本発明の実施の形態1による好きな香りのお香作り方法の説明のための、現在のキットを用いたお香作り状況を表す写真である。
図2において、1はお香作りの標準材料で、一例として101はタブ粉のようなパウダーで、102は蒸留水、103はばらオイルで構成される。
図1において11はお香作りの作業工程の説明で、前記標準材料1の3種類は乳鉢110に入れられ粘土状になるまでよく練られる混練り111。次の拡張112ではこの練られた標準材料1が一定の厚みになる。拡張112後、外形成型113、型押し114の後お香完成115となる。
【0011】
前記お香作りでは、香りにつながるばらオイル103の量が自然界では非常に少なく(0.02重量%)、高価なため、科学的に香りが再現・合成されたオイルを使う。そのため大量生産され、香りが決まっており、自分の好みの香りのお香が作れない。
【0012】
そこで、
図3に示す水蒸気蒸留装置と蒸留作業12を用いてばら蒸留湯127を作り、これを前記蒸留水102の代わりに用いて、お気に入りの香りのお香を作る。図に置いて121はヒータで122は窯である。123は沸騰した蒸気が通る配管であり、この蒸気を冷やす冷却タンク124に通じる。125は冷却され蒸気が液体状になったばら蒸留湯127を採取する採取口である。冷却タンク124は図示しない例えば水道の蛇口から冷水を引き、作業中冷やされている。126はばら蒸留湯127を受けるビーカーである。
【0013】
次にばら蒸留湯を取り出す手順について説明する。図示していないお気に入りのばらの花弁を所定量だけ窯122の中に入れ、同時にあらかじめ決められた量の水も窯122にいれて、ヒータ121で加熱する。沸騰した水蒸気はばらの香り成分を含んでおり、配管123を通り冷却タンク124に進む。冷却タンク124の中の配管123はらせん状の形をしている。例えば水道から冷水が常に冷却タンク124の中を流れており、ばらの香り成分を含んだ配管123中の水蒸気は凝結し、ばら蒸留湯127となり、この蒸留湯127は採取口125から流出し、ビーカー126に集められる。
【0014】
このばら蒸留湯を
図1キットの蒸留水102の代わりに使うことにより、市販のばらオイルの香りに好みのばらの香りが組み合わされ、お香制作者独自の香りのお香を作ることができる。
【0015】
本実施の形態1では、ばらについて述べたが、香りの強い市販のキットたとえばシトラス、ゆず、梅、ラベンダー、キンモクセイでも同様の効果がある。
【0016】
本実施の形態1ではばら蒸留湯を採取するのに水蒸気蒸留法を用いたが、他の方法、例えばばらの花弁を加温しながら圧力をかけて絞り出す方法でもばら蒸留湯と同様の効果がある。
【0017】
本実施の形態1では科学的に香りが再現・合成された廉価なばらオイルを使ったが、ばらの花から採取した非常に高価なばらオイルとの組み合わせであっても、自分の好みのばらの花の香りを作り出せ、同様の効果がある。
【符号の説明】
【0018】
1 標準材料 、103 ばらオイル、12 水蒸気蒸留装置