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  • 特開-空気清浄・除菌清掃装置 図1
  • 特開-空気清浄・除菌清掃装置 図2
  • 特開-空気清浄・除菌清掃装置 図3
  • 特開-空気清浄・除菌清掃装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055715
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】空気清浄・除菌清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022171819
(22)【出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】511116432
【氏名又は名称】株式会社バンブーケミカル研究所
(72)【発明者】
【氏名】鶴羽 正幸
(72)【発明者】
【氏名】入江 僚
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ある程度広い面積をもつ平面の表面及び空気中に浮遊しているウイルスや菌の不活化と除菌を行う機能と、平面部の清掃機能を兼ね備えた装置を提供する。
【解決手段】空気清浄・除菌清掃装置は、充電が可能なホーム位置から出発し、連続的に平面部を走行中に清掃部材15で清掃しながら、空気除菌室26にファンモーター23で吸引した空気及び平面部の表面に、空気除菌用深紫外LED25及び平面除菌用深紫外LEDからの光を各々照射することによりウイルスの不活化と除菌を行い、自動走行中は深紫外LEDの照射光が外部に漏洩しない構造となっている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、走行駆動部と、清掃部と、制御部とからなる清掃装置において、清掃用モーターと減速機、小歯付プーリーと、歯付きベルトと、大歯付プーリーと、軸受部と、清掃円板と、清掃部材とで構成される清掃部と、平面除菌用LEDが前記清掃円板と、清掃部材の中央付近に下向きに配置され、更に本体下部の外周に対象の平面に接する様に弾性体を有してLED照射光の外部への漏洩を防ぎ、光電センサーと、電池部と、制御部、スイッチと、弾性部材とで構成される平面除菌部と、ファンモーター、フィルター、空気除菌用深紫外LED、空気除菌室を有する空気飛沫除菌部とで構成されることを特徴とする空気清浄・除菌清掃装置
【請求項2】
本体内に下向きに取り付けられたLED、及び空気除菌室内に取り付けられたLEDが波長250nm~300nmの深紫外LEDを配置したことを特徴とする請求項1に記載の空気清浄・除菌清掃装置
【請求項3】
清掃部、平面除菌部、空気飛沫除菌部の各機能は制御部の設定によって、選択することができる。3機能同時選択も可能とすることを特徴とする請求項1、及び2の空気清浄・除菌清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レストランや食堂のテーブル、事務所や住宅の床、体育館の床などのある程度広い面積をもつ平面の表面に付着しているウイルスの不活化や一般の菌の除菌、及び屋内空間の空気中のウイルスの不活化や一般の菌の除菌を行い、また同時に平面の表面に付着しているゴミや汚れを自動で清掃ができる装置に関するものである。このウイルスの不活化、除菌性能を発揮するのは、本装置に搭載され、走行中にウイルスの不活化や除菌に適した波長をもつLEDの平面部、及び室内空間の空気を本装置内に取込んでの照射によってその目的が達せられ、更に同時に平面部の自動的な清掃機能を兼ね備えた装置を提供する。本装置は電源として蓄電池を搭載し、充電が可能なホーム位置から出発し、平面部全域を走行中に専用清掃材で連続的にくまなく清掃しながら、また平面の表面に除菌用のLEDが照射されてウイルスの不活化と、除菌機能が発揮される。本発明の空気清浄・除菌清掃装置は、例えば、部屋の壁面、及び障害物に接近すると、センサーで検出し、搭載されている制御部で自動制御されて、走行の向きを変えて次のルートを走行し、部屋の壁面、障害物への衝突を防ぐ様に構成されている。
【背景技術】
【0002】
一般的に、床などを走行しながら清掃するロボット機能をもつ製品は現在、一般家庭でも普及し、自動運転で掃除が出来て、省人効果を発揮している。
本発明は、従来の平面部の自動清掃機能に加えて、平面部に付着しているウイルスや大腸菌などの一般の菌に対して不活化と除菌の機能を発揮する。また同時に特に、新型コロナウイルスの感染が懸念される状態では、室内空間の空気中に浮遊する感染力の強いウイルスに対して、積極的にウイルスの不活化の機能を発揮する。また、本発明の空気清浄・除菌清掃装置は、平面の表面に付着しているウイルスに対して、ウイルス不活化と除菌するために、波長250nm~300nmをもつLEDを装置内に組み込んで自動走行中に平面に向かって照射して除菌する。また同時に屋内空間の空気を本装置内に送風ファンによって取込んで、空気除菌室で空気に対してLEDを照射して、空気中のウイルスの不活化と除菌が行われ、その効果を発揮する。この深紫外LEDの照射光は、直接人体の目や皮膚に当たると有害となる問題があり、安全性の確保に注意が必要である。そのため、自動走行中は、深紫外LEDの照射光が外部に漏洩しない構造となっている。本発明の空気清浄・除菌清掃装置の中に深紫外LEDが取り付けられて人体への安全性の確保の方法が本発明の訴求点の一つである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-83008公報
【特許文献2】特開2021-29710公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、床面への紫外光の照射による床面の劣化や変色を抑制可能なロボット掃除機及び床面除菌ロボットを提供する。本特許文献1のロボット掃除機は、自走しつつ床面を掃除するロボット掃除機本体2と、ロボット掃除機本体2と通信可能に構成され、ロボット掃除機本体2で掃除を行う掃除領域を設定可能な端末装置3と、を備え、ロボット掃除機本体2は、床面に紫外光を照射する発光ダイオードからなる光源25を有し、端末装置3は、掃除領域内で、光源25による紫外光の照射を行う照射領域と、光源25による紫外光の照射を行わない非照射領域とを設定可能に構成されると共に、照射領域内での紫外光の照射強度を設定可能に構成され、ロボット掃除機本体2は、端末装置3での設定に応じて、照射領域のみで、設定された照射強度で光源25による紫外光の照射を行うよう光源25を制御する光源制御部266を有する。本特許文献1は要約すると、床面を自走しながら掃除を行い、発光ダイオードから床面に深紫外光を照射するロボット掃除機で、通信可能な端末装置より掃除領域と照射領域や照射強度を設定することができるという内容である。本特許文献1の場合、自動的に床面を清掃しながら、同時に発光ダイオードの紫外線光で床面を除菌できる機能を持つが、室内空間の空気中に浮遊するウイルスに対しては、別の除菌手段が必要であるという問題がある。
また、深紫外LEDは直接目で見たり、皮膚に浴びたりすると人体に影響を及ぼす可能性があるが、この掃除ロボットには本体の下部の周辺に複数個取付けられているだけで、床面と発光ダイオードの幅広い隙間から照射光が漏洩する構造であり、照射光の機器外部への遮断機能がついていないため、人体に対する安全性が保証できないという問題もある。
また特許文献2は、掃除モードと空気清浄モードとが切り替え自在な自走式掃除機100であって、床面F上を移動して当該床面Fを掃除する本体部101と、本体部101に収容された吸引装置44と、吸引装置44を制御する制御部150とを備え、本体部101は、吸引口102(第一通気口)と、吸引口102とは異なる部位に配置された排出口103(第二通気口)と、吸引口102及び排出口103を連通する流路104とを有し、制御部150は、掃除モードにおいては、吸引口102から排出口103に向かう第一気流Y1が流路104内に発生するように吸引装置44を制御し、空気清浄モードにおいては掃除モードよりも小さい駆動力で吸引装置44を制御する。即ち特許文献2は掃除モードと空気清浄モードが切り替え可能な自走式掃除機で、空気清浄モードにおいては掃除モードよりも小さい駆動力で吸引装置44を制御するという内容である。この特許文献2は掃除時に、周囲の清浄度合いに応じて空気清浄を行うことができる。しかし、切り替え式のために、掃除を行いながら空気清浄を行うことができないことや、床面の除菌機能が無いこと、また空気清浄は空気フィルターが装備されているのみで、これはウイルスの捕集機能までで、積極的に不活化や除菌する機能を有していない。従って、新型コロナウイルス等の感染力の強いウイルスを紫外線照射により、積極的に不活性化や除菌する機能はついていないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、例えば、広い部屋の床上を自動的に走行中に、床面の表面に付着しているウイルスを含む各種の菌、または空気中に含まれるウイルスや各種の菌に対する不活性化と除菌、及び装置内に備えた清掃装置で平面の清掃が自動的にできることを目的とした装置を提供することである。すなわち、本発明は、床面、空気中などに付着しているかも知れない感染力の強いウイルス菌や、大腸菌をはじめとする各種菌に対して、短時間に高い確率でウイルスの不活性化と除菌ができ、また同時に平面の表面の汚れ、ゴミ等も清掃できる装置を提供することができる。更に機器の内部構造の工夫によって人体の目や皮膚に不安全とされる深紫外LEDの照射において、照射光の装置から外部への漏洩対策も施されており、人体への安全性が確実に確保できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の空気清浄・除菌清掃装置は、例えば新型コロナウイルスの様な特に感染力の強いウイルス、及び一般的な大腸菌等の菌に対して、対象物の表面または、装置内部に取込んだ空気に深紫外LEDを照射することによって確実に不活化、又は殺菌させる機能を有する除菌機能を有する装置を提供することができる。また、同時に前記の不活化、除菌と同時に機器内に平面の汚れ、ゴミを取除く清掃機能が配置されている装置であり、従来の課題の解決につながるものである。また、本特許で使用する深紫外LEDは、環境維持に対しても優位性がある。実施例として、本体1と、駆動ローラー2a,2bと、従動ローラー3と、走行駆動モーター4a、4b減速機5a,5bと、操舵機構部6、操舵用モーター7と、清掃用モーター8と減速機9、小歯付きプーリー10と、歯付きベルト11と、大歯付きプーリー12と、軸受部13と、清掃円板14と、清掃部材15と、平面除菌用深紫外LED16と、光電センサー17と、電池部18と、充電端子部19と、制御部20と、スイッチ21と、弾性部材22と、ファンモーター23と、フィルター24と、空気除菌用深紫外LED25と、空気除菌室26とで構成される。
本発明の空気清浄・除菌清掃装置の実施形態は、本体1に組み込まれて、走行駆動モーター4a,4b、減速機5a,5bによって回転駆動が駆動ローラー2a,2bに伝動されて、従動ローラー3と共に回転し平面の上を走行する。
前記駆動ローラー2a,2bは操舵用モーター7によって動く操舵機構部6によって両駆動ローラーが角度と個別に回転速度を変えて、本空気清浄・除菌清掃装置の走行する方向が制御部20の電気的指令によって決められて指令の走行方向に走行する様になっている。従って、上記の通り本空気清浄・除菌清掃装置の走行は、全て自動的に行われ、平面の端部や障害物に接近すると、本体1内に取付けられた光電センサー17によって検出され、制御部20の指令に従って、衝突等を避けて進む方向が決められて走行する。
また、本体1に組み込まれた清掃用モーター8と減速機9の出力軸に取付けられた小歯付きプーリー10から、歯付きベルト11によって回転駆動が大歯付きプーリー12に伝動され、軸受部13で回転支持された清掃円板14とこれに容易に着脱できる様に装着された清掃部材15とが回転し、平面上をこすりながら走行して、汚れやゴミを拭き取る。また、前記清掃円板14と清掃部材15は、中心部が空洞となったドーナツ状の形状をしており、その中央部に前記本体1に固定された複数の平面除菌用深紫外LED16によって照射され、本空気清浄・除菌清掃装置の走行する平面上に付着しているウイルスや一般の菌の不活性化と除菌が行われる。また、本体1の下部の外周部には、弾性部材22が取付けられており、走行中の深紫外LED16の照射光が機器の下部の弾性部材22に囲まれた中央部のみの範囲を照射し、外部に照射光が漏れない様な対策が取られ、人体に対する安全性が確保されている。また、ファンモーター23により本体1周辺の空気が吸気される。吸気された空気はフィルター24を通り空気除菌室26で、複数の空気除菌用深紫外LED25により除菌される。除菌された空気は本体外部に出ていき、また新たに空気を吸気することにより部屋が除菌されていく。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば感染力の強い新型コロナウイルス、及び大腸菌などの一般の菌に対して99.9%まで菌を不活化、又は死滅させることが可能な深紫外LEDを走行中に対象の平面、及び装置内に吸気で取込んだ空気に照射させることで、表面または空気中に付着している可能性のある菌を殺菌、又はウイルスを不活化させ、又同時に、平面上に付着しているゴミや汚れも除去できる装置を提供することができる。また、ウイルスの感染が拡大している際には、この除菌のためのLEDの照射で、これまで人手で、一日に何回も床面の清掃や除菌を行っていたため、清掃の作業負荷が大幅に軽減される。従って、本発明の空気清浄・除菌清掃装置は、1台で、床平面の清掃と除菌、並びに空気中のウイルスの除菌が同時に平行して行うことができるため、実施により大きな効果が発揮される。本発明の空気清浄・除菌清掃装置の実施、運用によって、新型コロナウイルス等の感染力の強いウイルスに対して、99.9%の高い確率で確実に不活化が可能となり、労力の大幅な軽減と、人手不足の解決につながる発明である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態による空気清浄・除菌清掃装置の立体図
図2】本発明の実施形態による空気清浄・除菌清掃装置の正面断面図
図3】本発明の実施形態による空気清浄・除菌清掃装置の平面図
図4】本発明の実施形態による空気清浄・除菌清掃装置の側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図1図4を用いて、本発明の実施形態による空気清浄・除菌清掃装置を説明する。尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
【実施例0010】
図1図4に示すように、本実施形態は、本体1と、駆動ローラー2a,2bと、従動ローラー3と、走行駆動モーター4a、4b減速機5a,5bと、操舵機構部6、操舵用モーター7と、清掃用モーター8と減速機9、小歯付きプーリー10と、歯付きベルト11と、大歯付きプーリー12と、軸受部13と、清掃円板14と、清掃部材15と、平面除菌用深紫外LED16と、光電センサー17と、電池部18と、充電端子部19と、制御部20と、スイッチ21と、弾性部材22と、ファンモーター23と、フィルター24と、空気除菌用深紫外LED25と、空気除菌室26とで構成される。
【産業上の利用可能性】
【0011】
レストランや食堂のテーブル、会議室の大型テーブル、事務所や住宅の床、体育館の床などのある程度広い面積をもつ平面の表面に対する除菌、並びに空気中に浮遊しているウイルスや菌の不活化と除菌処理を行い、また同時に表面に付着しているゴミ等を清掃ができる装置に関するものである。
このウイルスの不活化、除菌性能を発揮するのは、走行中に除菌に適した波長をもつLEDの平面部、及び本装置内の空気除菌室に取込んだ空気への照射によってその目的が達せられ、また同時に平面部の清掃機能を兼ね備えた装置を提供する。
【背景技術】
本発明は、これまで人手による清掃が主であったレストランのテーブル拭きや比較的広い床においても、労力が掛かっていた。しかも、新型コロナ禍においては、平面の除菌は、一日の清掃回数も必然的に多くなり、人手不足に輪を掛けているのが実情である。この様な状況下で、自動的に比較的広い面積の平面の上に付着するウイルス、及び大腸菌等の一般の菌を不活性化と除菌が可能で、また、室内空間の空気中に浮遊するウイルスに対する除菌、更に同時に平面上に付着しているゴミや汚れも除去できる装置を提供することができ、その目的が達せれる。
【符号の説明】
【0012】
本体1、駆動ローラー2a,2b、従動ローラー3、走行駆動モーター4a、4b、減速機5a,5b、操舵機構部6、操舵用モーター7、清掃用モーター8、減速機9、小歯付きプーリー10、歯付きベルト11、大歯付きプーリー12、軸受部13、清掃円板14、清掃部材15、平面除菌用深紫外LED16、光電センサー17と、電池部18、充電端子部19、制御部20、スイッチ21、弾性部材22、ファンモーター23、フィルター24、空気除菌用深紫外LED25、空気除菌室26
図1
図2
図3
図4