(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055729
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】太陽電池のバックパネル、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/049 20140101AFI20240411BHJP
【FI】
H01L31/04 562
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211492
(22)【出願日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】111138115
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廖▲徳▼超
(72)【発明者】
【氏名】袁敬堯
(72)【発明者】
【氏名】謝育淇
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151BA18
5F151JA05
5F251BA18
5F251JA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、太陽電池のバックパネル及びその製造方法を開示する。
【解決手段】太陽電池のバックパネルは、プリプレグとその上に形成されるフッ素含有高分子層とを有する。プリプレグは繊維基材に樹脂組成物を含浸させることで形成され、樹脂組成物の総重量を100重量部として、その樹脂組成物は、第1のエポキシ樹脂を5~70重量部、硬化剤を1~20重量部、及び促進剤を0.01~10重量部含んでなる。第1のエポキシ樹脂はリン原子を含有し、その第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量は0.1wt%~5wt%である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維基材に樹脂組成物を含浸させることで形成されるプリプレグと、
前記プリプレグに形成されるフッ素含有高分子層とを有する太陽電池のバックパネルであって、
前記樹脂組成物の総重量を100重量部として、前記樹脂組成物が
リン原子の含有量が0.1wt%~5wt%である第1のエポキシ樹脂5~70重量部と、
硬化剤1~20重量部と、
促進剤0.01~10重量部と、を含む
ことを特徴とする、太陽電池のバックパネル。
【請求項2】
前記第1のエポキシ樹脂の構造が、下記式:
【化1】
式(a)、
【化2】
式(b)、
【化3】
式(c)、及び
【化4】
式(d)の少なくとも1つで表し、
式(a)~(d)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXが
【化5】
を表し、残りのXが
【化6】
を表し、mが0~12の整数であり、
R
1が水素原子又は炭素数が1~4の炭化水素基を表し、
R
4及びR
5がそれぞれ水素原子、メチル基又は
【化7】
を表し、
Qが―、―CH
2―、
【化8】
、
―S―、
【化9】
又は―O―を表し、
Yが-(CH
2)
n-又はフェニレンを表し、nが0~6の整数である、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項3】
前記第1のエポキシ樹脂に9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドがグラフトされる、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項4】
前記第1のエポキシ樹脂のエポキシ当量が200g/eq~1000g/eqであり、前記第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量が100g/mol~1000g/molである、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項5】
前記樹脂組成物がさらに1~50重量部の第2のエポキシ樹脂を含み、前記第2のエポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eq~2000g/eqである請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項6】
前記第2のエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ブタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールp-キシレンノボラック型エポキシ樹脂、フェノールジフェニレンノボラック型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、フェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノールノボラック型エポキシ樹脂及びそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項5に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項7】
前記繊維基材の厚さが0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、太陽電池のバックパネルの光透過率が85%以上である、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項8】
フッ素含有高分子層の材料が、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、ポリパーフルオロエチレンプロピレン、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン又はそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項9】
前記プリプレグの架橋度が20%~100%であり、前記プリプレグが太陽電池モジュール内のポリマー層に直接接合するために用いる、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項10】
繊維基材に樹脂組成物を含浸させることでプリプレグを形成すること、
前記プリプレグにフッ素含有高分子層を形成することを含む太陽電池のバックパネルの製造方法であって、
前記樹脂組成物の総重量を100重量部として、前記樹脂組成物が
リン原子の含有量が0.1wt%~5wt%である第1のエポキシ樹脂5~70重量部と、
硬化剤1~20重量部と、
促進剤を0.01~10重量部と、を含む
ことを特徴とする、太陽電池のバックパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池に用いられるバックパネル及びその製造方法に関し、特に耐候性がよい太陽電池に用いられるバックパネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽電池モジュールは、主にカバーガラスと、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)層と、太陽電池と、バックパネルとからなる。バックパネルは、太陽電池モジュールの中で最も外部との接触面積が大きい部材であり、太陽電池モジュール全体を支えるだけでなく、外部環境から太陽電池を保護する役割も担っている。
【0003】
大量の光エネルギーを受け取るため、太陽電池モジュールは屋外に設置されることが多いが、そのためには屋外の日差しや雨に耐える耐候性・耐熱性が求められる。また、太陽電池モジュールには、外部環境からの微粒子や液体、水の浸入を防ぐために、優れたバリア性と耐衝撃性が求められる。外部からの微粒子や液体、水が不幸にも太陽電池モジュールに浸入した場合、太陽電池にダメージを与え、さらには太陽電池の光電変換効率に影響を与える可能性がある。そのため、バックパネルの耐候性、耐熱性、バリア性、耐衝撃性は、太陽電池モジュールの寿命を左右する重要な要素である。
【0004】
現在市販されているバックパネルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートが基材とされる構造である。PETシートの一方側には、バックパネルに耐候性、耐熱性、バリア性、耐衝撃性を付与するフッ素含有高分子層が熱ラミネートにより設けられている。そのもう一方側には、バックパネルを太陽電池モジュールに接合するためのポリフッ化ビニル(PVF)層が接着剤を介して設けられている。最後に、バックパネル構造体を60℃の温度で7日間熟成させることで、バックパネル製造は完了する。
【0005】
つまり、バックパネルの製造過程において、PETシートに少なくとも1回ラミネート加工と接着剤の塗布工程を行うため、バックパネル工場では異なる2種類の工程設置が必要である。また、バックパネルを太陽電池モジュールに適用する場合、別途ラミネートパッケージ工程が必要となり、工程全体がさらに複雑化する。
【0006】
従って、バックパネルの構造を改善することで、バックパネルの製造工程を改善し、耐候性、耐熱性、バリア性、耐衝撃性に優れたバックパネルにすることは、太陽電池モジュール産業において解決したい重要な課題の一つとなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の不足を解消することができる太陽電池のバックパネルおよびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的方案は、太陽電池のバックパネルを提供することである。前記太陽電池のバックパネルは、プリプレグとその上に形成されるフッ素含有高分子層とを有する。プリプレグは繊維基材に樹脂組成物を含浸させることで形成され、樹脂組成物の総重量を100重量部として、その樹脂組成物は、第1のエポキシ樹脂を5~70重量部、硬化剤を1~20重量部、及び促進剤を0.01~10重量部含んでなる。第1のエポキシ樹脂はリン原子を含有し、その第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量は0.1wt%~5wt%である。
【0009】
いくつかの実施形態において、第1のエポキシ樹脂の構造は、下記式:
【化1】
式(a)、
【化2】
式(b)、
【化3】
式(c)、及び
【化4】
式(d)の少なくとも1つで表される。
【0010】
式(a)~(d)中の少なくとも一つのXは
【化5】
を表し、残りのXは
【化6】
を表す。
【0011】
式(a)中のR
1は水素原子又は炭素数が1~4の炭化水素基を表す。
R
4及びR
5は、それぞれ水素原子、メチル基又は
【化7】
を表す。mは0~12の整数である。
【0012】
式(b)及び(c)中のQは―、―CH
2―、
【化8】
、
【化9】
、
―S―、又は―O―を表す。
【0013】
式(d)中のYは-(CH2)n-又はフェニレン基を表し、nは0~6の整数である。
【0014】
いくつかの実施形態において、第1のエポキシ樹脂に9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドがグラフトされる。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1のエポキシ樹脂のエポキシ当量は200g/eq~1000g/eqであり、第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量は100g/mol~1000g/molである。
【0016】
いくつかの実施形態において、樹脂組成物がさらに1~50重量部の第2のエポキシ樹脂を含み、第2のエポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eq~2000g/eqである。
【0017】
いくつかの実施形態において、第2のエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(bisphenol A epoxy resin)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(bisphenol F epoxy resin)、ブタジエン型エポキシ樹脂(polybutadiene epoxy resin)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(cresol formaldehyde novolac epoxy resin)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(phenol formaldehyde novolac epoxy resin)、フェノールビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(phenol biphenyl ormaldehyde novolac epoxy resin)、フェノールp-キシレンノボラック型エポキシ樹脂(phenol p-xylene formaldehyde novolac epoxy resin)、フェノールジフェニレンノボラック型エポキシ樹脂(phenol biphenylene formaldehyde novolac epoxy resin)、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂(phenol dicyclopentadiene formaldehyde novolac epoxy resin)、フェニルノボラック型エポキシ樹脂(benzaldehyde novolac epoxy resin)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(propylene glycol formaldehyde novolac epoxy resin)、レゾルシノールノボラック型エポキシ樹脂(resorcinol novolac epoxy resin)及びそれらの組合せからなる群より選ばれる。
【0018】
いくつかの実施形態において、繊維基材の厚さは0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、太陽電池のバックパネルの光透過率は5%以上である。
【0019】
いくつかの実施形態において、フッ素含有高分子層の材料は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリパーフルオロエチレンプロピレン(FEP)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリ塩化ビニル(PVF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDF)又はそれらの組合せからなる群より選ばれる。
【0020】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用するもう一つの技術的方案は、太陽電池のバックパネルの製造方法を提供することである。前記太陽電池のバックパネルの製造方法は、繊維基材に樹脂組成物を含浸させることでプリプレグを形成して、そのプリプレグにフッ素含有高分子層を形成することを含む。樹脂組成物の総重量を100重量部として、その樹脂組成物は、第1のエポキシ樹脂を5~70重量部、硬化剤を1~20重量部、及び促進剤を0.01~10重量部含んでなる。第1のエポキシ樹脂はリン原子を含有し、その第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量は0.1wt%~5wt%である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有利な効果のひとつは、本発明によって提供される太陽電池のバックパネル及び太陽電池の製造方法は、「第1のエポキシ樹脂はリン原子を含有し、第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量は0.1wt%~5wt%である」、および「フッ素含有高分子層20がプリプレグ10に形成される」という技術的方案によって、バックパネルの耐熱性及び耐候性を向上させることができる。
【0022】
本発明の特徴と技術的内容をさらに理解するために、以下の本発明の詳細な説明と図面を参照するが、提供された図面は参照と説明のみを目的としており、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1の実施形態における太陽電池のバックパネルの側面模式図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態における太陽電池のバックパネルの側面模式図である。
【
図3】本発明における太陽電池のバックパネルの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明で開示する「太陽電池のバックパネル及びその製造方法」についての実施形態を特定の具体的な実施例を通じて説明するが、当業者は、本明細書で開示された内容から本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施例を通じて実施または適用することができ、本明細書の様々な詳細は、本発明の概念から逸脱することなく、異なる観点および用途に基づいて修正および変更することもできる。又、本発明の図面は、模式的なもので、実際の大きさで描かれていないことが予め記載される。以下の実施形態は、本発明の関連する技術的内容をさらに詳細に説明するが、開示された内容は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。また、本明細書で使用される「又は」という用語は、場合に応じて、関連する列挙項目のいずれか又は複数項目の組み合わせを含むべきである。
【0025】
素材の選択により、本発明のバックパネルは、良好な耐候性、耐熱性、バリア性、耐衝撃性を有する。バックパネルの製造過程において、ラミネートパッケージ工程をするだけでバックパネルを製造できるため、従来のバックパネル工場では異なる2種類の工程設置の要求を解決した。
【0026】
また、川下のメーカーでは、太陽電池モジュールの組み立てにもラミネートパッケージの工程設置が必要となるため、バックパネル工程を太陽電池モジュール工程に組み込むことで、工場の省スペース化、時間短縮を図ることができる。
【0027】
そのことから、本発明のバックパネルは、良好な物性を有するだけでなく、簡単なプロセスで製造できることがわかる。また、本発明のバックパネルは、別途バックパネル工場を必要とせず、太陽電池モジュールの組立工場で直接適用することが可能である。
【0028】
また、本発明のバックパネルは、光透過率が85%以上であるため、両面発電用の太陽電池モジュールに適用することができる。片面に光を透過させる太陽電池モジュール(白色バックパネルを使用する)と比較して、両面に光を透過される(透明バックパネルを使用する)太陽電池モジュールは光変換効率を約20%向上させることができる。
【0029】
図1に示すように、本発明のバックパネルは、プリプレグ10と、その上に形成されたフッ素含有高分子層20とを有する。プリプレグ10は、太陽電池モジュール内のポリマー層と接合するためのバックパネルのパッケージ表面。フッ素含有高分子層20は、外界に露出し、主に太陽電池を保護する構造のバックパネルの外側面。すなわち、本発明のプリプレグ10およびフッ素含有高分子層20は、いずれも光透過性を有している。
【0030】
本発明におけるプリプレグ10は、既存技術におけるバックパネルと比較して、既存のバックパネルにおけるPETシートやPVF層に該当するとともに、太陽電池モジュールに組み合わせて基板として機能させることができるため、既存技術におけるバックパネルよりも厚みが薄く軽量で、工程も簡略化することが可能である。
【0031】
プリプレグ10は、繊維基材に樹脂組成物を含浸させて、部分硬化または完全硬化したものであり、具体的には、プリプレグ10の架橋度を20%~100%に制御することが可能である。
【0032】
バックパネルを太陽電池モジュールに組み込む際、プリプレグ10は太陽電池モジュール内のポリマー層に接合されるため、プリプレグ10の架橋度を30%~80%に制御することで、その後のポリマー層へのプリプレグ10の接合を容易にすることができる。好ましくは、プリプレグ10の架橋度は、50%~60%に制御することができる。
【0033】
本発明の樹脂組成物は、第1のエポキシ樹脂を5~70重量部、第2のエポキシ樹脂を0~50重量部、硬化剤を1~20重量部、促進剤を0.01~10重量部、加工助剤を0.01~10重量部含んでなる。本発明において、樹脂組成物は、ハロゲンを含まない。
【0034】
第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量が5wt%以下であることで、樹脂組成物の硬化後の耐候性、耐熱性を向上させることができる。好ましくは、第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量は、0.1wt%以上5wt%以下である。さらに好ましくは、第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量は、2wt%以上3wt%以下である。
【0035】
具体的には、第1のエポキシ樹脂の構造は、下記式:
【化10】
式(a)、
【化11】
式(b)、
【化12】
式(c)、及び
【化13】
式(d)の少なくとも1つで表してもよい。
【0036】
式(a)~(d)中の少なくとも一つのXは、
【化14】
を表し、残りのXは
【化15】
を表す。
【0037】
式(a)中のR
1は、水素原子又は炭素数が1~4の炭化水素基を表す。R
4及びR
5は、それぞれ水素原子、メチル基又は
【化16】
を表す。mは、0~12の整数である。
【0038】
式(b)、(c)中のQは―、―CH
2―、
【化17】
、
【化18】
、
―S―、又は―O―を表す。
【0039】
なお、前述「―」はQが炭素結合であることを示し、すなわち、式(b)、(c)の主の構造がビフェニルであってもよいことを示す。一つの例示的な実施形態において、Qはメチレン基(―CH2―)を表す。
【0040】
式(d)中のYは、-(CH2)n-又はフェニレン基を表し、nは0~6の整数である。
【0041】
一つの例示的な実施形態において、第1のエポキシ樹脂の構造が式(d)で表される場合、バックパネルは、好ましい耐候性及び耐熱性を備えることができる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
式(a)~(d)に示すように、第1のエポキシ樹脂に9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド(DOPO)がグラフトされることで、樹脂組成物の硬化後の耐候性、耐熱性が向上する。
【0043】
いくつかの実施形態において、第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量は、100g/mol~1000g/molである。第一のエポキシ樹脂の重量平均分子量が高すぎると含浸ムラが発生しやすくなり、低すぎると含浸模様が生じて、光透過性が悪くなる場合がある。好ましくは、第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量は、100g/mol以上1000g/mol以下である。さらに好ましくは、第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量は、300g/mol~700g/molである。
【0044】
いくつかの実施形態において、第1のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、200g/eq~1000g/eqである。好ましくは、第1のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、200g/eq~700g/eqである。より好ましくは、第1のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、200g/eq~300g/eqである。
【0045】
本発明において、樹脂組成物に第2のエポキシ樹脂を選択的に添加して、樹脂組成物の架橋後の物理的強度を高め、さらにバックパネルのバリア性及び耐衝撃性を向上させることができる。第2のエポキシ樹脂は、二官能性エポキシ樹脂または多官能性エポキシ樹脂であってもよい。二官能性または多官能性エポキシ樹脂とは、一分子中に重合反応に関与しうる官能基を2個以上有することを意味する。第2のエポキシ樹脂の分子構造は、第1のエポキシ樹脂と異なり、具体的には、第2のエポキシ樹脂はリン原子を含んでいない。
【0046】
一つの例示的な実施形態において、樹脂組成物は、第2のエポキシ樹脂を1~50重量部含有し、第2のエポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eq~2000g/eqである。好ましくは、第2のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、200g/eq~800g/eqである。より好ましくは、第2のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、200g/eq~500g/eqである。
【0047】
第2のエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ブタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールp-キシレンノボラック型エポキシ樹脂、フェノールジフェニレンノボラック型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、フェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノールノボラック型エポキシ樹脂及びそれらの組合せからなる群より選ばれる。
【0048】
いくつかの実施形態において、硬化剤は、アミン系化合物、無水物系化合物、フェノール樹脂、ポリチオール化合物、イソシアネート化合物、アルキド樹脂からなる群より選ばれる。
【0049】
硬化剤は、1級アミン、2級アミン、或いは3級アミンが挙げられる。例えば、アミン系化合物として、脂肪族アミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、エチレンジアミン)、ポリアミド、脂環式アミン(例えば、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン)、芳香族アミン(例えば、m-キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタフェニレンジアミン)、ジシアンジアミド、アジピン酸ジアミドヒドラジド、またはそれらの組合せが挙げられる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0050】
例えば、硬化剤は、スチレンマレイン酸無水物、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、無水メチルナジック酸、ドデセニルコハク酸無水物、クロレンド酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリット酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸二無水物、トリメリット酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、またはそれらの組合せからなる群より選ばれる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
硬化剤は、o-クレゾールノボラック型樹脂、フェノールノボラック型樹脂、フェノールビフェニルノボラック型樹脂、フェノールp-キシレンノボラック型樹脂、フェノールジフェニレンノボラック型樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型樹脂、フェニルノボラック型樹脂、ビスフェノールAノボラック型樹脂、レゾルシノールノボラック型樹脂、メラミンフェノールノボラック樹脂またはそれらの組合せが挙げられる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
促進剤は、エポキシ樹脂(第1のエポキシ樹脂及び第2のエポキシ樹脂)と硬化剤の架橋反応を促進するもので、添加量によって樹脂組成物の硬化際の反応速度に影響を与える。
【0053】
促進剤は、3級アミン及びその塩類(例えば、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン)、4級アミン塩化合物、イミダゾール類(例えば、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール)、トリペンチルフェノール酸アンモニウム、モノフェノールまたはポリフェノール化合物(例えば、サリチル酸)、三フッ化ホウ素およびその有機錯体(例えば、三フッ化ホウ素エーテル錯体、三フッ化ホウ素アンモニウム錯体、三フッ化ホウ素・モノエチルアンモニウム錯体)、リン酸、トリフェニルフォスファイト又はそれらの組合せが挙げられる。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
いくつかの実施形態において、加工助剤は、カップリング剤、可塑剤、分散剤、酸化防止剤、熱及び光安定剤、又は補強フィラーであってもよい。カップリング剤は、繊維基材と樹脂組成物との界面の親和性を向上させるために用いることができる。その他の加工助剤は、樹脂組成物の硬化後の加工特性、物性、電気特性、あるいは光又は熱の耐性を調整することができる。
【0055】
例えば、カップリング剤として、トリメトキシシラン(TMS)、ジメトキシシラン(DMS)、チタネート・アルミネートまたはそれらの組合せが挙げられる。可塑剤として、ジメチルフタレート、トリオクチルトリメリテート、ジノニルフタレートまたはそれらの組合せが挙げられる。分散剤として、低分子量の酸性ポリエステル、長鎖脂肪アルコール、またはそれらの組み合わせが挙げられる。酸化防止剤として、ジラウリルチオジプロピオン酸エステル、ジ-t-ブチルヒドロキシトルエンまたはそれらの組合せが挙げられる。熱及び光安定剤として、ベンゾフェノンが挙げられる。難燃剤として、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェートが挙げられる。補強フィラーとして、炭酸カルシウム、二硫化モリブデン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
繊維基材は、様々な織り方で織られた織布であっても、不織布であってもよく、繊維基材の織り目は、平織り、綾織り、サテン織り、リブ織りなどであってもよい。繊維基材の材料は、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエステル繊維、石英繊維、またはそれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0057】
本発明では、バックパネルの光透過性を向上させるために、繊維径が7~13ミクロン(好ましくは8~12ミクロン、より好ましくは9~11ミクロン)の繊維を使用して繊維基材を製織する。繊維基材は、経糸数が30~80、緯糸数が30~80であり、好ましくは、経糸数が30~40、緯糸数が30~40である。繊維基材は、面密度が100~300g/m2であり、好ましくは、面密度が200~250g/m2である。繊維基材の厚さは0.05mm~0.5mm、好ましくは0.1mm~0.3mmである。
【0058】
他のいくつかの実施形態では、バックパネルは、
図2に示すように、接着剤層30を含んでいてもよく、これは、フッ素含有高分子層20がプリプレグ10に強固に接着されるように、プリプレグ10とフッ素含有高分子層20の間に設けられる。
【0059】
図3に示すように、本発明の太陽電池のバックパネルの製造方法は、繊維基材に樹脂組成物を含浸させてプリプレグ10を形成し(ステップS1)、プリプレグの上にフッ素含有高分子層20を形成する(ステップS2)ことを含む。
【0060】
本発明のバックパネルが良好な耐候性、耐熱性、バリア性、耐衝撃性を有することを証明するために、実施例1、比較例1、2のバックパネルをそれぞれ用意し、実施例1、比較例1、2のバックパネルにエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)層を接合して、太陽電池モジュールに組み込んだときの状態を模擬した。次に、実施例1、比較例1、2の太陽電池モジュールについて、パッケージ強度試験、水分透過率解析、耐候性解析(紫外線老化試験、湿熱環境試験)を行い、結果を表1に示す。
【0061】
実施例1において、バックパネルはプリプレグ10とフッ素含有高分子層20とからなり、プリプレグ10は、第1のエポキシ樹脂(式(a)~(d)で表される第1のエポキシ樹脂からなり、全リン量が2.6wt%、全エポキシ当量が350g/eqである)75重量部、第2のエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量が186g/eqである)25重量部、硬化剤(フェノール樹脂)34.87重量部、促進剤(2-メチルイミダゾール)0.05重量部をブタノン207.5重量部に溶解して樹脂組成物を形成したものである。その後、繊維基材(ガラス繊維布)を前記樹脂組成物に浸漬し、浸漬機を180℃の温度に設定し、1~5分間乾燥してプリプレグ10を得た。実施例1の第1のエポキシ樹脂は、式(a)で表される第1のエポキシ樹脂30重量部、式(b)で表される第1のエポキシ樹脂15重量部、式(c)で表される第1のエポキシ樹脂15重量部、式(d)で表される第1のエポキシ樹脂40重量部からなるものである。
【0062】
なお、乾燥時間を調整する場合、プリプレグの最低溶融粘度を2000ポイズ~10000ポイズにすることで、その後の含浸体の熱ラミネート時に均一なラミネート強度と良好な光透過性が得られる。
【0063】
比較例1と実施例1との相違点は、比較例1のバックパネルがプリプレグ10のみからなり、フッ素含有高分子層20を有していないことである。
【0064】
比較例1では、プリプレグ10は、第1のエポキシ樹脂(式(a)~(d)で表される第1のエポキシ樹脂からなり、全リン量が2.6wt%、全エポキシド当量が350g/eqである)75重量部、第2のエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量が186g/eqである)25重量部、硬化剤(フェノール樹脂)34.87重量部、促進剤(2-メチルイミダゾール)0.05重量部をブタノン207.5重量部に溶解して樹脂組成物を形成したものである。その後、繊維基材(ガラス繊維布)を前記樹脂組成物に浸漬し、浸漬機を180℃の温度に設定し、1~5分間乾燥してプリプレグ10を得た。比較例1の第1のエポキシ樹脂は、式(a)で表される第1のエポキシ樹脂30重量部、式(b)で表される第1のエポキシ樹脂15重量部、式(c)で表される第1のエポキシ樹脂15重量部、式(d)で表される第1のエポキシ樹脂40重量部からなるものである。
【0065】
比較例2と実施例1との相違点は、比較例2のプリプレグ10を形成する樹脂組成物が、第1のエポキシ樹脂を含まないことである。
【0066】
比較例2では、バックパネルがプリプレグ10とフッ素含有高分子層20とからなり、プリプレグ10は、第2のエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量が186g/eqである)100重量部、硬化剤(フェノール樹脂)34.87重量部、促進剤(2-メチルイミダゾール)0.05重量部をブタノン207.5重量部に溶解して樹脂組成物を形成したものである。その後、繊維基材(ガラス繊維布)を前記樹脂組成物に浸漬し、浸漬機を180℃の温度に設定し、1~5分間乾燥してプリプレグ10を得た。
【0067】
【0068】
表1に、紫外線老化試験は、IEC 61215規格に準拠し、波長280nm~320nm、出力0.90W/m2のUVBを0~2000時間照射し、各試料の黄変指数(ΔB)を測定して、結果を表1に示した。湿熱環境試験は、温度85℃、相対湿度85%で行う。
【0069】
表1の結果から分かるように、本発明のプリプレグ10は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)層とのパッケージ強度が良好(85N~95N)であるので、従来のバックパネルのPETシートやPVF層に代わることが可能である。本発明のバックパネルは、水分透過率が低い(0.6cc/24時間以下)ので、太陽電池モジュールへの水分の侵入を防ぐことができる。
【0070】
表1の結果から、本発明のバックパネルは紫外線や湿熱環境下でも色相が大きく変化することなく、良好な耐候性を有していることがわかる。具体的には、紫外線を2000時間照射した後のバックパネルの色相変化が3.5以下、85℃、相対湿度85%で2000時間後のバックパネルの色相変化が0.45以下である。
【0071】
[実施例の有益効果]
本発明の有利な効果の一つは、本発明によって提供される太陽電池のバックパネル及び太陽電池の製造方法は、「第1のエポキシ樹脂はリン原子を含有し、第1のエポキシ樹脂中のリン原子の含有量は0.1wt%~5wt%である」、および「フッ素含有高分子層20がプリプレグ10に形成される」という技術的方案によって、バックパネルの耐熱性及び耐候性を向上させることができる。
【0072】
さらに、「第1のエポキシ樹脂に9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドがグラフトされる」という技術的方案によって、太陽電池のバックパネルの耐熱性と耐候性を向上させることができる。
【0073】
さらに、「樹脂組成物がさらに1~50重量部の第2のエポキシ樹脂を含み」、「第2のエポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eq~2000g/eqである」という技術的方案によって、太陽電池のバックパネルのバリア性および耐衝撃性を向上させることができる。
【0074】
以上に開示された内容は、本発明の実施可能な好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の説明及び図面の内容を用いてなされた均等な技術的変更はすべて本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 プリプレグ
20 フッ素含有高分子層
30 接着剤層
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維基材に樹脂組成物を含浸させることで形成されるプリプレグと、
前記プリプレグに形成されるフッ素含有高分子層とを有する太陽電池のバックパネルであって、
前記樹脂組成物の総重量を100重量部として、前記樹脂組成物が
リン原子の含有量が0.1wt%~5wt%である第1のエポキシ樹脂5~70重量部と、
硬化剤1~20重量部と、
促進剤0.01~10重量部と、を含み、
前記第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量が100g/mol~1000g/molである、
ことを特徴とする、太陽電池のバックパネル。
【請求項2】
前記第1のエポキシ樹脂の構造が、下記式:
【化1】
式(a)、
【化2】
式(b)、
【化3】
式(c)、及び
【化4】
式(d)の少なくとも1つで表し、
式(a)~(d)のそれぞれにおいて、少なくとも一つのXが
【化5】
を表し、残りのXが
【化6】
を表し、mが0~12の整数であり、
R
1が水素原子又は炭素数が1~4の炭化水素基を表し、
R
4及びR
5がそれぞれ水素原子、メチル基又は
【化7】
を表し、
Qが―、―CH
2―、
【化8】
、
―S―、
【化9】
、
又は―O―を表し、
Yが-(CH
2)
n-又はフェニレンを表し、nが0~6の整数である、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項3】
前記第1のエポキシ樹脂に9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイドがグラフトされる、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項4】
前記第1のエポキシ樹脂のエポキシ当量が200g/eq~1000g/eqである、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項5】
前記樹脂組成物がさらに1~50重量部の第2のエポキシ樹脂を含み、前記第2のエポキシ樹脂のエポキシ当量が100g/eq~2000g/eqである請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項6】
前記第2のエポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ブタジエン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、フェノールp-キシレンノボラック型エポキシ樹脂、フェノールジフェニレンノボラック型エポキシ樹脂、フェノールジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、フェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノールノボラック型エポキシ樹脂及びそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項5に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項7】
前記繊維基材の厚さが0.05ミリメートル~0.5ミリメートルであり、太陽電池のバックパネルの光透過率が85%以上である、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項8】
フッ素含有高分子層の材料が、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体、ポリパーフルオロエチレンプロピレン、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン又はそれらの組合せからなる群より選ばれる、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項9】
前記プリプレグの架橋度が20%~100%であり、前記プリプレグが太陽電池モジュール内のポリマー層に直接接合するために用いる、請求項1に記載の太陽電池のバックパネル。
【請求項10】
繊維基材に樹脂組成物を含浸させることでプリプレグを形成すること、
前記プリプレグにフッ素含有高分子層を形成することを含む太陽電池のバックパネルの製造方法であって、
前記樹脂組成物の総重量を100重量部として、前記樹脂組成物が
リン原子の含有量が0.1wt%~5wt%である第1のエポキシ樹脂5~70重量部と、
硬化剤1~20重量部と、
促進剤を0.01~10重量部と、を含み、
前記第1のエポキシ樹脂の重量平均分子量が100g/mol~1000g/molである、
ことを特徴とする、太陽電池のバックパネルの製造方法。