(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055745
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240411BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023072045
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2022561213の分割
【原出願日】2022-10-06
(71)【出願人】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】葛 鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】小俣 智
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】早川 将和
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB63
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】所定の事業者が発行した取引書類の適格性の判定の精度を向上させる。
【解決手段】取引書類の電子データである証憑データを取得する証憑データ取得部131と、取引書類を発行した事業者が、所定の書類を発行可能な事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得する登録者情報取得部132と、証憑データに含まれる取引の時期が事業者の登録期間に含まれていない場合に証憑データに異常があると判定する判定部133と、判定部133による判定結果を出力する出力部134、を有する情報処理装置1である。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引書類の電子データである証憑データを取得する証憑データ取得部と、
前記取引書類を発行した事業者が、所定の書類を発行可能な事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得する登録者情報取得部と、
前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記登録者情報取得部は、前記取引書類を発行した事業者を識別するための事業者番号であって、前記証憑データに含まれている事業者番号に基づいて前記登録者情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記登録者情報取得部は、前記取引書類を発行した事業者を識別するための事業者番号であって、前記証憑データに含まれている事業者番号が示す事業者が適格請求書発行事業者として登録された日を示す登録年月日を含む前記登録者情報を取得し、
前記判定部は、前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の登録年月日より早い場合に前記証憑データに異常があると判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記登録者情報取得部は、前記証憑データに含まれる事業者番号が示す前記事業者の適格請求書発行事業者としての登録が失効した日をさらに含む前記登録者情報を取得し、
前記判定部は、前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の登録が失効した日と同日であるか、又は前記事業者の登録が失効した日より遅い場合に、前記証憑データが対象とする取引の時期と前記事業者の登録年月日との前後関係に関わらず、前記証憑データに異常があると判定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記登録者情報取得部は、前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合に、前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地を示す所在地情報とに基づいて前記登録者情報を取得する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記出力部は、前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合であって、前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地情報とに対応する事業者情報を前記登録者情報取得部が取得することができない場合又は前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地情報に対応する複数の事業者を前記登録者情報取得部が取得した場合、所定のメッセージを出力する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合に、前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地を示す所在地情報とに基づいて前記事業者の事業者番号を特定する事業者特定部をさらに有し、
前記登録者情報取得部は、前記事業者特定部が特定した前記事業者番号に基づいて前記登録者情報を取得する、
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力部は、前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合であって、前記事業者特定部が前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地情報とに対応する事業者が特定できない場合、所定のメッセージを出力する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
取引を識別するための取引識別情報と、取引が行われた取引の時期とを関連付けた取引明細データを記憶する記憶部をさらに有し、
前記証憑データ取得部は、前記証憑データが対象とする複数の異なる取引識別情報をさらに含む前記証憑データを取得し、
前記判定部は、前記証憑データに含まれる複数の取引識別情報それぞれに前記取引明細データにおいて関連付けられた複数の取引の時期を特定し、特定した前記複数の取引の時期のいずれかが前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記証憑データ取得部は、前記取引書類の発行日と取引の内容とを含む前記証憑データを取得し、
前記判定部は、前記証憑データに含まれる取引の内容が、取引の時期の記載が必要な取引である場合に、前記証憑データに含まれる取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていないときに前記証憑データに異常があると判定し、前記証憑データに含まれる取引の内容が、取引の時期の記載が不要な取引である場合に、前記証憑データに含まれる発行日が前記事業者の前記登録期間に含まれていないときに前記証憑データに異常があると判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する、
取引書類の電子データである証憑データを取得するステップと、
前記取引書類を発行した事業者が、適格請求書発行事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得するステップと、
前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果を出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
取引書類の電子データである証憑データを取得するステップと、
前記取引書類を発行した事業者が、適格請求書発行事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得するステップと、
前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定するステップと、
前記判定するステップにおける判定結果を出力するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
請求書を発行した事業者が適格請求書登録事業者であるか判定する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
請求書の適格性を判定する際、従来技術においては、受領した請求書に含まれる情報と事業者データベースに登録された情報とを比較して、当該請求書の発行事業者が適格請求書を発行できる事業者か否かを判定する。しかしながら、請求書発行時点で事業者データベースに登録されている事業者であっても、取引時点において登録されていなかった事業者はその取引について適格請求書を発行することができないにも関わらず、そのような場合であっても、事業者が発行した請求書を、適格なものとして判定してしまう場合があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、所定の事業者が発行した取引書類の適格性の判定の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、取引書類の電子データである証憑データを取得する証憑データ取得部と、前記取引書類を発行した事業者が、所定の書類を発行可能な事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得する登録者情報取得部と、前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定する判定部と、前記判定部による判定結果を出力する出力部、を有する。
【0007】
前記登録者情報取得部は、前記取引書類を発行した事業者を識別するための事業者番号であって、前記証憑データに含まれている事業者番号に基づいて前記登録者情報を取得してもよい。
【0008】
前記登録者情報取得部は、前記取引書類を発行した事業者を識別するための事業者番号であって、前記証憑データに含まれている事業者番号が示す事業者が適格請求書発行事業者として登録された日を示す登録年月日を含む前記登録者情報を取得し、前記判定部は、前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の登録年月日より早い場合に前記証憑データに異常があると判定してもよい。
【0009】
前記登録者情報取得部は、前記証憑データに含まれる事業者番号が示す前記事業者の適格請求書発行事業者としての登録が失効した日をさらに含む前記登録者情報を取得し、前記判定部は、前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の登録が失効した日と同日であるか、又は前記事業者の登録が失効した日より遅い場合に、前記証憑データが対象とする取引の時期と前記事業者の登録年月日との前後関係に関わらず、前記証憑データに異常があると判定してもよい。
【0010】
前記登録者情報取得部は、前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合に、前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地を示す所在地情報とに基づいて前記登録者情報を取得してもよい。
【0011】
前記出力部は、前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合であって、前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地情報とに対応する事業者情報を前記登録者情報取得部が取得することができない場合又は前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地情報に対応する複数の事業者を前記登録者情報取得部が取得した場合、所定のメッセージを出力してもよい。
【0012】
前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合に、前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地を示す所在地情報とに基づいて前記事業者の事業者番号を特定する事業者特定部をさらに有し、前記登録者情報取得部は、前記事業者特定部が特定した前記事業者番号に基づいて前記登録者情報を取得してもよい。
【0013】
前記出力部は、前記証憑データ取得部が取得した前記証憑データに前記事業者の事業者番号が含まれない場合であって、前記事業者特定部が前記証憑データに含まれる前記事業者の事業者名と前記事業者の所在地情報とに対応する事業者が特定できない場合、所定のメッセージを出力する、
【0014】
取引を識別するための取引識別情報と、取引が行われた取引の時期とを関連付けた取引明細データを記憶する記憶部をさらに有し、前記証憑データ取得部は、前記証憑データが対象とする複数の異なる取引識別情報をさらに含む前記証憑データを取得し、前記判定部は、前記証憑データに含まれる複数の取引識別情報それぞれに前記取引明細データにおいて関連付けられた複数の取引の時期を特定し、特定した前記複数の取引の時期のいずれかが前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定してもよい。
【0015】
前記証憑データ取得部は、前記取引書類の発行日と取引の内容とを含む前記証憑データを取得し、前記判定部は、前記証憑データに含まれる取引の内容が、取引の時期の記載が必要な取引である場合に、前記証憑データに含まれる取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていないときに前記証憑データに異常があると判定し、前記証憑データに含まれる取引の内容が、取引の時期の記載が不要な取引である場合に、前記証憑データに含まれる発行日が前記事業者の前記登録期間に含まれていないときに前記証憑データに異常があると判定してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、取引書類の電子データである証憑データを取得するステップと、前記取引書類を発行した事業者が、適格請求書発行事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得するステップと、前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定するステップと、前記判定するステップにおける判定結果を出力するステップと、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、取引書類の電子データである証憑データを取得するステップと、前記取引書類を発行した事業者が、適格請求書発行事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得するステップと、前記証憑データが対象とする取引の時期が前記事業者の前記登録期間に含まれていない場合に前記証憑データに異常があると判定するステップと、前記判定するステップにおける判定結果を出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、所定の事業者が発行した取引書類の適格性の判定の精度を向上させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの処理の概要を説明する図である。
【
図2】情報処理装置1における判定処理の例を示す図である。
【
図3】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図4】登録者情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図5】事業者情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【
図6】情報処理装置1における判定処理の例を示す図である。
【
図7】証憑データ取得部131が取得する証憑データの一例を示す図である。
【
図8】記憶部12が記憶する取引明細データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの処理の概要を説明する図である。情報処理システムSは、所定の書類を発行する事業者が発行した書類を授受し、処理するためのシステムである。所定の書類は一例として、適格請求書発行事業者が発行した請求書又は納品書等の取引書類である。情報処理システムSは、情報処理装置1、情報端末2及び登録者管理装置3を有する。
【0021】
情報処理装置1は、他の事業者が発行した所定の書類を取得し、受領した書類を処理するための装置である。情報処理装置1は、書類を受領する事業者が使用するコンピュータである。情報処理装置1は、書類を受領する事業者の設備であってもよく、複数の事業者が利用するクラウドサーバであってもよい。情報処理装置1は、例えば、取得した請求書が、適格請求書発行事業者が発行した請求書か否かを判定し、判定結果に基づいて請求書を処理する。
【0022】
情報端末2は、請求書を受領する事業者のユーザ(例えば経理担当者)が使用する端末であり、例えばコンピュータである。情報端末2は、取引書類を発行した事業者(以下、「発行事業者」とも言う)から受領した証憑データを情報処理装置1に入力する。証憑データは、取引書類を電子化したデータある。情報端末2は、情報処理装置1から受信した判定結果を示す情報を表示する。
【0023】
登録者管理装置3は、登録者情報を管理する装置である。登録者管理装置3は、例えば適格請求書事業者の登録を行う役所が管理するサーバである。登録者情報は、適格請求書事業者の所在地、名称、登録されている期間を示す情報である。登録者管理装置3は、情報端末2等から登録者情報の追加、変更、削除等を受付ける。登録者管理装置3は、情報処理装置1から受信した登録者情報の取得依頼に応じて、取得依頼を送信した装置に、登録者情報を送信する。
【0024】
図1及び
図2を用いて情報処理システムSにおける処理について説明する。
図2は、情報処理装置1における判定処理の例を示す図である。情報処理装置1は、証憑データを情報端末2から取得する(
図1における(1))。情報処理装置1は、登録者情報取得依頼を登録者管理装置3に送信する(
図1における(2))。登録者情報取得依頼は、発行事業者についての登録者情報を取得するための情報である。
【0025】
情報処理装置1は、発行事業者についての登録者情報を登録者管理装置3から取得する(
図1における(3))。登録者情報は、所定の書類(例えば適格請求書)を発行可能な事業者として登録されている期間を示す情報である。情報処理装置1は、取得した登録者情報に基づいて、証憑データに異常の有無を判定する(
図1における(4))。
【0026】
図2を用いて判定処理について説明する。情報処理装置1は、請求書データが対象とする取引の時期を特定する。一例として、請求書データに取引日付又は対象とする取引の期間を示す情報が含まれている場合は、請求書データに含まれる取引日付又は取引の期間を取引の時期として特定する。情報処理装置1は、特定した取引の時期が、登録者情報が示す発行事業者の登録期間に含まれるか否かを判定する。登録期間は、事業者が登録された登録年月日から取消又は失効するまでの期間である。なお、登録期間の終期が定められていない場合、情報処理装置1は、判定の時点を登録期間の終期と見做して判定してもよいし、終期がないものとして判定してもよい。
【0027】
図2に示す例においては、取引Aは、特定した取引の時期が、取得した登録者情報が示す発行事業者の登録期間に含まれないため、情報処理装置1は、取得した取引Aの証憑データに異常があると判定する。取引Bは、特定した取引の時期が、取得した登録者情報が示す発行事業者の登録期間に含まれるため、情報処理装置1は、取得した取引Bの証憑データに異常が無いと判定する。
【0028】
図1に戻り、情報処理装置1は、判定結果に応じて取得した証憑データを処理する(
図1における(5))。判定結果に異常が無い場合、情報処理装置1は、証憑データに基づく仕訳処理や支払処理等の後続の処理を実施可能にする。判定結果に異常がある場合は、仕訳処理などを実施可能としない。
【0029】
情報処理装置1は、処理結果を情報端末2に送信してもよい(
図1における(6))。判定結果に異常が無い場合、情報処理装置1は、一例として、取得した取引書類の処理が完了したこと又は証票データを受付けたことを示す情報を情報端末2に送信する。判定結果に異常がある場合、情報処理装置1は、証憑データを処理することができないことを示すエラーデータを情報端末2に送信する。
【0030】
情報処理システムSがこのように構成されることで、他の事業者が発行した取引書類の適格性の判定の精度を向上させることができる。
【0031】
[情報処理装置1の構成]
図3は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、証憑データ取得部131、登録者情報取得部132、判定部133、出力部134及び事業者特定部135を有する。
【0032】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0033】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、証憑データ取得部131、登録者情報取得部132、判定部133、出力部134及び事業者特定部135として機能する。
【0034】
証憑データ取得部131は、取引書類の電子データである証憑データを取得する。
図4は、証憑データの一例を示す図である。証憑データにおいては、取引書類の発行日、取引書類を発行した事業者の情報、宛先事業者の情報、取引の内容、支払情報を含む。取引書類を発行した事業者の情報及び宛先事業者の情報はそれぞれ、名称、住所、事業者番号及び連絡先を含む。取引の内容は、取引された商品、数量、金額、税額等の情報を含む。支払い情報は決済の方法を示す情報であり、例えば入金先の口座番号である。
【0035】
証憑データは、取引の時期を示す情報をさらに含んでいてもよい。取引の時期を示す情報は例えば、取引日付や取引の期間を示す情報である。取引日付は、証憑データが対象とする取引が行われた日付である。取引の期間は、例えば「9月分」等の証憑データが対象とする期間を特定する情報である。
【0036】
なお、証憑データはXML等のデータ形式で表現された文書データであってもよい。また、証憑データは、紙で発行された証憑をスキャンすることで生成された画像データであってもよい。この場合、証憑データ取得部131は、取得した画像データをOCR処理することで、証憑データに含まれる情報の意味と内容とを特定する。
【0037】
登録者情報取得部132は、取引書類を発行した事業者が、所定の書類を発行可能な事業者として登録された登録事業者である登録期間を示す登録者情報を取得する。一例として登録者情報取得部132は、登録者管理装置3に登録者情報を問い合わせる。
【0038】
図5は、登録者管理装置3が管理する登録者情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。登録者情報テーブルにおいては、「事業者番号」、「事業者名」、「住所」、「登録年月日」、「取消年月日」及び「失効年月日」が関連付けられている。「事業者番号」は、事業者を識別するID(Identification)である。事業者番号は例えば適格請求書発行事業者登録番号又は法人番号である。「事業者名」及び「住所」はそれぞれ、「事業者番号」が示す事業者の名称及び所在地である。「登録年月日」は、「事業者番号」が示す事業者が適格請求書発行事業者として登録された日を示す。「取消年月日」は、適格請求書事業者としての登録が取り消された日を示す。「失効年月日」は、適格請求書事業者としての登録が失効した日を示す。
【0039】
登録者情報取得部132は、一例として、証憑データに含まれている事業者番号に基づいて登録者情報を取得する。すなわち、登録者情報取得部132は、証憑データに含まれる発行事業者の事業者番号に対応する事業者の登録者情報を登録者管理装置3に問い合わせる。登録者管理装置3は、発行事業者の事業者番号に対応する登録者情報を情報処理装置1に送信する。
【0040】
判定部133は、証憑データに異常があるか否かを判定する。判定部133は、証憑データが対象とする取引の時期が発行事業者の登録期間に含まれていない場合に証憑データに異常があると判定する。判定部133は、一例として、証憑データに含まれる取引日付と登録者情報取得部132が取得した登録者情報が示す登録期間とを比較した結果が所定の条件を満たす場合に、証憑データに異常があると判定する。
【0041】
より具体的には、判定部133は、証憑データに含まれる取引日付と登録者情報取得部132が取得した登録者情報に含まれる登録年月日と、を比較する。証憑データに含まれる取引日付が、登録者情報取得部132が取得した登録者情報が示す登録年月日より遅い場合、判定部133は、取引の時期が事業者の登録期間に含まれており、証憑データに異常がないと判定する。証憑データに含まれる取引日付が、登録者情報取得部132が取得した登録者情報が示す登録年月日より早い場合、判定部133は、取引の時期が発行事業者の登録期間に含まれておらず、証憑データに異常があると判定する。なお、証憑データに含まれる取引日付と、登録者情報取得部132が取得した登録者情報が示す登録年月日と、が同日の場合、証憑データに異常がないと判定する。
【0042】
なお、証憑データに取引の期間を示す情報(例えば「9月分」等)のみが含まれている場合、判定部133は、例えば、証憑データが示す取引の期間の開始日と、登録期間とを比較する。判定部133は、取引の期間の終了日と登録期間とを比較してもよく、取引の期間の開始日及び終了日と登録期間とを比較してもよい。また、証憑データに取引日付と取引の期間とのいずれも含まれず、取引書類の発行日のみが含まれる場合、判定部133は、証憑データに含まれる発行日を取引の時期として特定してもよい。
【0043】
出力部134は、判定部133による判定結果を出力する。一例として出力部134は、判定結果を情報端末2に出力してもよい。出力部134は、判定部133による判定結果が、有効な適格請求書発行事業者が発行した証憑データであることを示している場合に、証憑データが示す取引の仕訳処理、又は証憑データに基づく支払処理を実行可能にするためのデータを出力してもよい。出力部134は、仕訳処理又は支払処理を実行した後に、仕訳処理又は支払処理の結果を出力してもよい。
【0044】
出力部134は、判定結果が、有効な適格請求書発行事業者が発行した証憑データではないことを示している場合、エラーが発生したことを示す判定結果を出力してもよい。出力部134は、証憑データの宛先事業者の連絡先として記憶部12に記憶されている連絡先に判定結果を通知してもよい。
【0045】
情報処理装置1がこのように構成されることで、取引の時点において登録者情報が有効ではないことを判定することが可能となるため、所定の事業者が発行した取引書類の適格性の判定の精度を向上させることができる。その結果、証憑データを受領した事業者が、有効ではない取引書類に基づいて経理処理をしてしまうことを防げる。
【0046】
上記の説明においては、情報処理装置1が発行事業者についての登録者情報を登録者管理装置3に問い合わせる例について説明したが、所定のタイミング(例えば営業日の始業時間前のタイミング)で取得した登録者情報を記憶部12に記憶させるよう情報処理装置1が構成されてもよい。この場合、登録者情報取得部132は、記憶部12を参照して、証憑データ取得部131が取得した証憑データに含まれる発行事業者の登録者情報を取得する。
【0047】
以上の説明においては、登録者情報に含まれる登録年月日に基づいて証憑データが有効か否かを判定する処理を例示したが、登録後に登録が取り消され、又は失効する場合がある。そこで、登録が取り消された後又は失効後の取引については異常を出力するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0048】
登録が失効している事業者からの証憑データが有効でないと判定できるようにするために、登録者情報取得部132は、証憑データに含まれる事業者番号が示す事業者の適格請求書発行事業者としての登録が失効した日をさらに含む登録者情報を取得する。具体的には、登録者情報取得部132は、証憑データに含まれる発行事業者の事業者番号に対応する事業者の「失効年月日」又は「取消年月日」を含む登録者情報を登録者管理装置3から取得する。
【0049】
判定部133は、証憑データが対象とする取引の時期が事業者の登録が失効した日より後である場合に、証憑データが対象とする取引の時期と事業者の登録年月日との前後関係に関わらず、証憑データに異常があると判定する。
図6は、この場合における判定部133の判定処理について説明する図である。取得した登録者情報に失効年月日又は取消年月日がある場合の登録期間は、登録年月日から失効年月日までの間である。判定部133は、取引Aについて、証憑データが対象とする取引の取引日付が登録年月日より後で、失効年月日より前であるため、取引Aには異常がないと判定する。判定部133は、取引Bについて、証憑データが対象とする取引の取引日付が失効年月日より後であるため、取引Bには異常があると判定する。なお、取引の時期が期間で特定される場合、判定部133は、取引の期間の終了日と失効年月日又は取消年月日とを比較する。なお、判定部133は、証憑データが対象とする取引の取引日が事業者の登録が失効した日(失効年月日又は取消年月日)と同日である場合に、証憑データが対象とする取引の時期と事業者の登録年月日との前後関係に関わらず、証憑データに異常があると判定してもよい。
【0050】
なお、証憑データに発行事業者の事業者番号が含まれていない場合、証憑データに含まれる、発行事業者を示す他の情報に基づいて登録者情報を取得してもよい。具体的には、登録者情報取得部132は、証憑データ取得部131が取得した証憑データに発行事業者の事業者番号が含まれない場合に、証憑データに含まれる発行事業者の事業者名と所在地を示す所在地とに基づいて登録者情報を取得する。すなわち、登録者情報取得部132は、証憑データに含まれる発行事業者の事業者名及び所在地に対応する登録者情報を登録者管理装置3に問い合わせる。なお、登録者情報取得部132は、所在地と名称に代えて、又は加えて、連絡先の電話番号や支払先の情報に基づいて登録者情報を取得してもよい。
【0051】
また、事業者番号以外の情報に基づいて登録者情報を取得する場合には、対応する登録者情報が取得できない場合や、複数の対応する登録者情報を取得することにより発行事業者の登録者情報が特定できない場合が生じうる。そこで、出力部134は、証憑データ取得部131が取得した証憑データに事業者の事業者番号が含まれない場合であって、かつ、登録者情報を特定できない場合に所定のメッセージを出力してもよい。登録者情報を特定できない場合は、登録者情報取得部132が証憑データに含まれる事業者の事業者名と事業者の所在地情報とに対応する登録者情報が取得できない場合又は登録者情報取得部132が証憑データに含まれる事業者の事業者名と事業者の所在地情報に対応する事業者を複数取得した場合である。所定のメッセージは例えば、登録者情報がないことや登録者情報が複数あるために特定できないことを示す情報である。
【0052】
なお、出力部134は、発行事業者の名称及び所在地に対応する複数の登録者情報を取得した場合に、取得した複数の登録者情報からユーザに選択を促す画面を情報端末2に表示させてもよい。そして、ユーザが登録者情報を選択しない場合又は表示された登録者情報に発行事業者に対応する情報が存在しないことを示す操作が行われた場合に、発行事業者が特定できないことを判定し、所定のメッセージを出力してもよい。
【0053】
[事業者番号の特定]
発行事業者の事業者番号に基づいて登録者情報を取得する例について説明した。証憑データに発行事業者の事業者番号が含まれていない場合は、証憑データに含まれる他の情報に基づいて事業者番号を特定し、特定した事業者番号に基づいて登録者情報を特定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0054】
この場合、記憶部12は、事業者番号を特定するための事業者情報テーブルを記憶していてもよい。
図7は、事業者情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図7に示す事業者情報テーブルにおいては、「事業者番号」、「事業者名」、「住所」、「電話番号」、「支払先口座番号」が関連付けられている。一例として、記憶部12が記憶する事業者情報テーブルは、情報処理装置1において過去に処理された請求書の発行元事業者の情報である。
【0055】
証憑データ取得部131が取得した証憑データに発行事業者の事業者番号が含まれない場合に、証憑データに含まれる発行事業者の事業者名と発行事業者の所在地を示す所在地情報とに基づいて発行事業者の事業者番号を特定する事業者特定部135をさらに有する。事業者特定部135は、記憶部12が記憶する事業者情報テーブルを参照し、証憑データに含まれる発行者の住所及び名称に対応する事業者番号を特定する。登録者情報取得部132は、事業者特定部135が特定した事業者番号に基づいて登録者情報を取得する。なお、事業者特定部135は証憑データに含まれる発行者の住所及び名称に代えて又は加えて証憑データに含まれる電話番号、支払先口座番号等の情報に基づいて事業者番号を特定してもよい。
【0056】
出力部134は、事業者特定部135が発行者の住所及び名称に基づいて事業者番号を特定できない場合に所定のメッセージを出力してもよい。住所及び名称に基づいて事業者番号を特定できない場合は、例えば、発行者の住所及び名称に対応する事業者番号が事業者情報テーブルにおいて、登録されていない場合又は複数登録されている場合である。所定のメッセージは、発行者の住所及び名称に基づいて事業者番号を特定することができないことを示すメッセージである。
【0057】
なお、事業者特定部135は、事業者の情報を管理する外部装置(不図示)に対して、証憑データに含まれる発行事業者の住所及び名称に対応する事業者番号を問い合わせることで事業者番号を特定してもよい。
【0058】
[取引時期の特定]
一つの証憑データにより関連する複数の取引について処理される場合がある。このような場合に取得した証憑データに関連する取引の時期を特定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0059】
記憶部12は、取引を識別するための取引識別情報(取引IDとも言う)と、取引が行われた取引の時期とを関連付けた取引明細データを記憶する。取引明細データは、複数の取引からなる一連の取引における個別の取引の明細を示す。
【0060】
図8は、記憶部12が記憶する取引明細データのデータ構造の一例を示す図である。取引明細データにおいては、「取引ID」、「発行元」、「宛先」、「取引日付」、「商品」、「数量」、「金額」及び「消費税」が関連付けられている。「取引ID」は、取引を識別するためのIDであり、例えば取引明細に付された証憑IDである。「発行元」及び「宛先」はそれぞれ、取引明細の発行元及び宛先の事業者を示す。「取引日付」は、取引明細データが対象とする取引の取引日付である。取引明細データにおいては、「取引日付」に代えて又は加えて、取引明細データの発行日や取引の期間が関連付けられていてもよい。「商品」は取引明細データが示す取引において取引された商品の内容又は種類を示す。「数量」は、取引された商品の数量を示す。「金額」及び「消費税」はそれぞれ、取引された金額及び課税される消費税を示す。
【0061】
1つの証憑データが複数の取引に対応する場合、証憑データには、請求等の対象とする複数の取引明細を示す取引識別情報である取引IDが含まれる。この場合、証憑データ取得部131は、証憑データが対象とする複数の異なる取引IDを含む証憑データを取得する。
【0062】
判定部133は、証憑データに含まれる複数の取引IDそれぞれに取引明細データにおいて関連付けられた複数の取引の時期を特定し、特定した複数の取引の時期のいずれかが事業者の登録期間に含まれていない場合に証憑データに異常があると判定する。判定部133は、証憑データ取得部131が取得した証憑データに含まれる複数の取引IDに対応する取引明細データを取得し、複数の取引の時期を特定する。例えば、判定部133は、取得した取引明細データに含まれる取引日付を取引の時期として特定する。そして、判定部133は、特定した複数の取引の時期と、登録者情報取得部132が取得した登録者情報が示す登録期間とを比較する。取得した取引明細データが示す取引の時期のいずれかが登録期間に含まれていない場合、判定部133は、取得した証憑データに異常があると判定する。
【0063】
取引の内容によっては証憑に取引時期の記載が不要な場合がある。そこで、取引の内容に応じて取引時期を特定するか否かを判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0064】
この場合、記憶部12においては、取引の内容と取引の時期の記載の要否とを関連付けたテーブルが記憶されていてもよい。例えば、商品の販売や、タクシーなどの輸送サービスの利用料である場合は、取引の時期の記載が不要であり、取引の内容がソフトウェアの納品である場合には、取引日付の記載が必要であることを示すテーブルが記憶部12に記憶されている。
【0065】
証憑データ取得部131は、取引書類の発行日と取引の内容とを含む証憑データを取得する。取引の内容は、例えば、販売された商品、提供された役務又は納品物若しくは取引の根拠となる契約を示す情報である。
【0066】
判定部133は、証憑データに含まれる取引の内容が、取引の時期の記載が必要な取引である場合に、証憑データに含まれる取引の時期と、取得した登録者情報が示す登録期間とを比較する。そして、判定部133は、証憑データに含まれる取引の時期が事業者の登録期間に含まれていないときに証憑データに異常があると判定する。また、判定部133は、証憑データに含まれる取引の内容が、取引の時期の記載が必要な取引であるにもかかわらず、証憑データに取引の時期を示す情報が含まれていない場合、証憑データに異常があると判定する。
【0067】
判定部133は、証憑データに含まれる取引の内容が、取引の時期の記載が不要な取引である場合には、証憑データに含まれる証憑の発行日を取引の時期として、取得した登録者情報が示す登録期間と比較する。判定部133は、証憑データに含まれる発行日が発行事業者の登録期間に含まれている場合、証憑データに異常がないと判定する。判定部133は、証憑データに含まれる発行日が発行事業者の登録期間に含まれていないときに証憑データに異常があると判定する。
【0068】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図9は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すフローチャートは、情報処理装置1が証憑データを取得する時点から開始している。
【0069】
証憑データ取得部131は、証憑データを得する(S01)。登録者情報取得部132は、証憑データ取得部131が取得した証憑データに発行事業者の事業者番号が含まれるか否かを判定する(S02)。
【0070】
証憑データ取得部131が取得した証憑データに発行事業者の事業者番号が含まれない場合(S02におけるNO)、登録者情報取得部132は、証憑データに含まれる発行事業者の名称及び所在地に基づいて登録者情報を取得する(S03)。登録者情報取得部132は、発行事業者を特定できたか否かを判定する(S04)。
【0071】
登録者情報を特定できた場合(S04におけるYES)、情報処理装置1は処理をS07に進める。登録者情報を特定できない場合(S04におけるNO)、出力部134は、情報端末2にエラーを出力させ(S05)、処理を終了する。
【0072】
証憑データ取得部131が取得した証憑データに発行事業者の事業者番号が含まれる場合(S02におけるYES)、登録者情報取得部132は、発行事業者の事業者番号に基づいて登録者情報を取得する(S06)。判定部133は、証憑データが対象とする取引の時期と、取得した登録者情報が示す登録期間とを比較し、証憑データに異常があるか否かを判定する(S07)。
【0073】
証憑データに異常がある場合(S07におけるYES)、出力部134は、証憑データを処理せず、異常を示す処理結果を出力する(S09)。証憑データに異常がない場合(S07におけるNO)、出力部134は、証憑データを処理し(S08)、証憑データが正常に処理されたことを示す処理結果を出力する(S09)。
【0074】
[情報処理装置1の効果]
以上説明したように、情報処理装置1は、所定の事業者が発行した取引書類の適格性の判定の精度を向上させるという効果を奏する。その結果、取引書類を受領する事業者が、有効でない取引書類を処理してしまうことを防げる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理装置
2 情報端末
3 登録者管理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 証憑データ取得部
132 登録者情報取得部
133 判定部
134 出力部
135 事業者特定部