(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055750
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20240411BHJP
G06F 3/16 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H04R3/00 310
G06F3/16 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023089429
(22)【出願日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】P 2022162103
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 理恵
(72)【発明者】
【氏名】古澤 光一
(72)【発明者】
【氏名】坂下 裕啓
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220AA02
5D220AB01
5D220AB08
(57)【要約】
【課題】外部の状況に応じた音を操作音として出力することが可能なマウス、キーボード等の操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1は、操作者からの入力操作を受ける押下操作部11を備える。操作装置1は、外部の音の入力を受け付けるマイク等の音入力部13と、音を出力するスピーカ等の音出力部14とを備える。操作装置1は、押下操作部11が入力操作を受け付けた場合に、音入力部13が受け付けた外部の音に基づく音を、音出力部14からクリック音として出力させるように制御する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者からの入力操作を受ける操作部を備える操作装置であって、
外部の音の入力を受ける音入力部と、
音を出力する音出力部と
を備える
ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置であって、
前記音出力部から出力する音を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記操作部が入力操作を受けた場合に、前記音入力部が受け付けた外部の音に基づく音を、前記音出力部から出力させる
ことを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作装置であって、
前記制御部は、
前記操作部が受けた入力操作による操作音として、前記音出力部から音を出力させる
ことを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の操作装置であって、
前記音出力部から出力させる音の制御方法の選択を受け付ける選択部を備え、
前記制御部は、
前記選択部により選択された制御方法にて制御した音を、前記音出力部から出力させる
ことを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の操作装置であって、
前記制御部は、
前記音入力部が受けた音の音量に基づいて、前記音出力部から出力させる音を制御する
ことを特徴とする操作装置。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の操作装置であって、
前記制御部は、
前記音入力部が受けた音の周波数毎の成分の大きさに基づいて、前記音出力部から出力させる音を制御する
ことを特徴とする操作装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の操作装置であって、
マウス又はキーボードである
ことを特徴とする操作装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の操作装置であって、
前記音出力部を収容する筐体を備え、
前記筐体は、
前記音出力部の配置位置の近傍で、前記音出力部から音を出力する方向に開口部が形成されている
ことを特徴とする操作装置。
【請求項9】
請求項7に記載の操作装置であって、
前記音出力部を収容する筐体を備え、
前記音出力部は、
前記筐体の側面又は底面の近傍に配置されており、
前記筐体は、
前記音出力部の配置位置の近傍で、前記音出力部から音を出力する方向に位置する側面又は底面に開口部が形成されている
ことを特徴とする操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作者からの入力操作を受け付ける操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ等の電子機器と通信可能に接続され、操作者からの入力操作を受け付けるマウス、キーボード等の操作装置が普及している。このような操作装置では、操作者からの押下操作を受け付けて回路を開閉するマイクロスイッチ等のスイッチが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。マウス、キーボード等の操作装置は、様々な用途、状況に応じた様々な特性が要求されている。操作装置に要求される特性の1つとして、例えば、静音性があり、特許文献1では、ゴムを用いて振動を吸収することで静音化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている操作装置は、常に消音している状態であり、仮に、静音性が要求されない状況であっても、周囲の状況に応じて音を制御することはできなかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、周囲の状況に応じた音を出力する操作装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願記載の操作装置は、操作者からの入力操作を受ける操作部を備える操作装置であって、外部の音の入力を受ける音入力部と、音を出力する音出力部とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記操作装置において、前記音出力部から出力する音を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記操作部が入力操作を受けた場合に、前記音入力部が受け付けた外部の音に基づく音を、前記音出力部から出力させることを特徴とする。
【0008】
また、前記操作装置において、前記制御部は、前記操作部が受けた入力操作による操作音として、前記音出力部から音を出力させることを特徴とする。
【0009】
また、前記操作装置において、前記音出力部から出力させる音の制御方法の選択を受け付ける選択部を備え、前記制御部は、前記選択部により選択された制御方法にて制御した音を、前記音出力部から出力させることを特徴とする。
【0010】
また、前記操作装置において、前記制御部は、前記音入力部が受けた音の音量に基づいて、前記音出力部から出力させる音を制御することを特徴とする。
【0011】
また、前記操作装置において、前記制御部は、前記音入力部が受けた音の周波数毎の成分の大きさに基づいて、前記音出力部から出力させる音を制御することを特徴とする。
【0012】
また、前記操作装置において、マウス又はキーボードであることを特徴とする。
【0013】
また、前記操作装置において、前記音出力部を収容する筐体を備え、前記筐体は、前記音出力部の配置位置の近傍で、前記音出力部から音を出力する方向に開口部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、前記操作装置において、前記音出力部を収容する筐体を備え、前記音出力部は、前記筐体の側面又は底面の近傍に配置されており、前記筐体は、前記音出力部の配置位置の近傍で、前記音出力部から音を出力する方向に位置する側面又は底面に開口部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願開示の操作装置は、外部の音の入力を受けるマイク等の音入力部と、音を出力するスピーカ等の音出力部とを備えている。これにより、本願開示の操作装置は、周囲の状況に応じた音を出力することが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願開示の操作装置の外観の一例を示す概略斜視図である
【
図2】本願開示の操作装置の外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図3】本願開示の操作装置の外観の一例を示す概略底面図である。
【
図4】本願開示の操作装置の外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図5】本願開示の操作装置の外観の一例を示す概略斜視図である。
【
図6】本願開示の操作装置の機能構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<適用例>
以下、本願開示の操作装置の実施形態の例について図面を参照しながら説明する。本願開示の操作装置は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)等の電子機器の操作に用いられるマウス、キーボード等の装置として実現される。以下では、図面を参照しながら図面に例示された操作装置1について説明する。
【0018】
<外観>
先ず、操作装置1の外観について第1実施形態乃至第6実施形態を例示して説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本願開示の操作装置1の外観の一例を示す概略斜視図である。
図1は、第1実施形態として、本願開示の操作装置1をパソコン等の電子機器の操作に用いるマウスに適用した例を示している。操作装置1は、後述する各種構成を内蔵した筐体10を備えている。操作装置1の筐体10には、操作者が指にて押圧する入力操作を受け付けるマウスボタン等の押下操作部11、及び操作者の指にて回動する操作を受け付けるマウスホイールが配置されている。なお、本願では、マウスホイールを、機能を選択する選択操作部12(選択部)として用いる形態を例示して説明する。マウスホイールを選択操作部12として用いる場合、操作者は、選択操作部12を操作することにより、押下操作部11に対する押下操作により発生する操作音、所謂クリック音の制御方法を選択することができる。
【0020】
操作装置1は、筐体10の手前側の側面に、スリット状の開口部10aが2箇所形成されている。操作装置1は、外部の音の入力を受け付けるマイク等の音入力部13及び音を出力するスピーカ等の音出力部14を筐体10内に収容している。筐体10が備える音入力部13及び音出力部14は、筐体10の手前側の側面の近傍に配置されている。音入力部13及び音出力部14は、指向性を有し、筐体10の手前側の開口部10aは、音入力部13が音の入力を受ける方向及び音出力部14が音を出力する方向に形成されている。
【0021】
また、操作装置1には、外部の電子機器と接続する接続線15が接続されている。接続線15は、操作装置1及び電子機器間で電気信号の送受信を行う通信線、及び電子機器から操作装置1へ電力を供給する電力線として用いられる。なお、操作装置1は、接続線15を用いた有線通信に限らず、無線通信等の様々な通信方法により電気信号の通信を行うことが可能である。また、無線通信行う場合、操作装置1は、電池等の電源を内部に備えるように構成することも可能である。
【0022】
<第2実施形態>
図2は、本願開示の操作装置1の外観の一例を示す概略斜視図である。第2実施形態は、第1実施形態において、操作装置1の開口部10aを異なる位置に形成した形態である。
図2に例示する操作装置1は、筐体10の左側の側面及び右側の側面に開口部10aを設けている。筐体10が備える音入力部13及び音出力部14は、筐体10の左右の側面の近傍に配置されている。筐体10の右側の側面の開口部10a(図示せず)は、音入力部13が音の入力を受ける方向に形成され、左側の側面の開口部10aは、音出力部14が音を出力する方向に形成されている。
【0023】
<第3実施形態>
図3は、本願開示の操作装置1の外観の一例を示す概略底面図である。第3実施形態は、第1実施形態において、操作装置1の開口部10aを異なる位置に形成した形態である。
図3に例示する操作装置1は、筐体10の底面に開口部10aを設けている。筐体10の底面は、机上に載置した場合に、机の天面に対向する面である。筐体10の底面に形成された開口部10aは、略円形状の開口となっている。筐体10が備える音入力部13及び音出力部14は、筐体10の底面の近傍に配置されている。筐体10の底面の開口部10aは、音入力部13が音の入力を受ける方向及び音出力部14が音を出力する方向に形成されている。更に、操作装置1は、操作装置1の移動を検出する検出部用に開設された検出用開口部10bが、筐体10の底面に形成されている。
【0024】
<第4実施形態>
図4は、本願開示の操作装置1の外観の一例を示す概略斜視図である。第4実施形態は、本願開示の操作装置1をパソコン等の電子機器の操作に用いるキーボードに適用した形態である。操作装置1は、筐体10を備え、筐体10には、文字キー、数字キー、その他ファンクションキー等の複数のキースイッチが押下操作部11として配列されている。なお、本願では、ファンクションキー等のキースイッチの一部を、機能を選択する選択操作部12(選択部)として用いる形態を例示して説明する。
【0025】
操作装置1は、筐体10の手前側の側面に、スリット状の開口部10aが2箇所形成されている。操作装置1は、筐体10内に、音入力部13及び音出力部14を収容している。筐体10が備える音入力部13及び音出力部14は、筐体10の側面の近傍に配置されている。音入力部13及び音出力部14は、指向性を有し、筐体10の開口部10aは、音入力部13が音を入力する方向及び音出力部14が音を出力する方向に形成されている。また、操作装置1には、外部の電子機器と接続する接続線15が接続されている。なお、操作装置1は、無線通信にて電気信号を通信するように構成することも可能であり、内部に電源を備えるように構成することも可能である。
【0026】
<第5実施形態>
図5は、本願開示の操作装置1の外観の一例を示す概略斜視図である。第5実施形態は、第4実施形態において、操作装置1の開口部10aを異なる位置に形成した形態である。
図5は、操作装置1を略底面方向からの視点で示している。
図5に例示する操作装置1は、筐体10の底面に開口部10aを設けている。筐体10の底面は、机上に載置した場合に、机の天面に対向する面である。筐体10の底面に形成された開口部10aは、略円形状の開口となっている。筐体10が備える音入力部13及び音出力部14は、筐体10の底面の近傍に配置されている。筐体10の底面の開口部10aは、音入力部13が音の入力を受ける方向及び音出力部14が音を出力する方向に形成されている。
【0027】
<機能構成>
次に、本願開示の操作装置1の機能構成例について説明する。
図6は、本願開示の操作装置1の機能構成の一例を概略的に示す機能ブロック図である。操作装置1の筐体10内には、前述の押下操作部11、選択操作部12、音入力部13及び音出力部14の他、制御部2、入力増幅部16、出力増幅部17等の各種構成を備えている。制御部2には、図示しない電源から電力が供給されている。また、操作装置1は、音入力部13及び音出力部14の間に、図示しないエコーキャンセラを備えており、ハウリング等の出力音の異常発生を抑制している。
【0028】
制御部2は、装置全体を制御する回路であり、例えば、VLSI、LSI等の集積回路を搭載したマイクロコンピュータ等の制御回路を用いて構成されている。
【0029】
入力増幅部16は、音入力部13が入力を受け付けた音に基づく電気信号を増幅し、制御部2へ出力するアンプ等の回路である。出力増幅部17は、制御部2から出力された電気信号を増幅し、音出力部14へ出力するアンプ等の回路であり、音出力部14は、出力増幅部17から入力された電気信号に基づく音を出力する。
【0030】
次に、制御部2内の各種回路にて実現される各種機能の構成について説明する。制御部2は、操作処理部20、A/D変換部21、周波数変換部22、入力音処理部23、音情報記憶部24、音選択部25、ピッチ調整部26、イコライザ調整部27、音量調整部28等の各種機能を実現する。
【0031】
操作処理部20は、選択操作部12に対する操作に基づく入力を受け付け、受け付けた操作の入力に基づいて、音選択部25、ピッチ調整部26、イコライザ調整部27及び音量調整部28に命令を渡す。具体的には、操作処理部20は、音選択部25、ピッチ調整部26、イコライザ調整部27及び音量調整部28に対し、入力に基づく音の制御機能の選択、選択した機能の起動、起動している機能の終了等の命令を渡す。また、操作処理部20は、押下操作部11に対する操作に基づく入力を受け付け、受け付けた操作の入力に対し、操作音、所謂クリック音を出力させる命令を音選択部25に渡す。
【0032】
A/D変換部21は、音入力部13が入力を受け付け、入力増幅部16が増幅したアナログ信号である音信号を、予め設定されている所定のサンプリング間隔でサンプリングし、二値化してデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換された音信号は、周波数変換部22へ渡される。
【0033】
周波数変換部22は、例えば、高速フーリエ変換処理(FFT:Fast Fourier Transformation)等の周波数変換処理により、音信号を周波数変換し、入力音処理部23に渡す。
【0034】
入力音処理部23は、周波数変換した音信号を予め設定されているアルゴリズムに従って処理した処理済み音信号を、音選択部25、ピッチ調整部26、イコライザ調整部27及び音量調整部28に渡す。
【0035】
音情報記憶部24は、クリック音として出力する音の元となる基準音を示す基準音情報を複数記録しているメモリである。基準音情報として記録されている基準音としては、例えば、金属系の音、鈍い音、柔らかい感触がする音等、様々な音である。本願発明者らは、操作者による操作感覚は、操作音に影響されるとの知見を実験等から得ており、音情報記憶部24は、様々な操作音の基となる基準音を基準音情報として記憶している。
【0036】
音選択部25は、操作処理部20から受け付けた選択操作に対する基づく命令を受け付け、音情報記憶部24に記憶されている複数の基準音情報のうちから命令に対応する基準音信号を選択する。また、音選択部25は、操作処理部20から受け付けた押下操作に基づく命令を受け付けた時に、入力音処理部23から受け付けた処理済み音信号に基づいて、選択した基準音情報を音情報記憶部24から抽出し、抽出した基準音情報をピッチ調整部26へ渡す。
【0037】
ピッチ調整部26は、操作処理部20から受け付けた命令にて選択された音のピッチの調整方法と、入力音処理部23から受け付けた処理済み音信号とに基づいて、基準音信号のピッチを調整し、ピッチを調整した調整音信号をイコライザ調整部27へ渡す。
【0038】
イコライザ調整部27は、操作処理部20から受け付けた命令にて設定された音の周波数の調整方法と、入力音処理部23から受け付けた処理済み音信号とに基づいて、ピッチ調整部26から受け付けた調整音信号の周波数帯毎の成分の大きさを調整し、周波数帯毎に大きさを調整した調整音信号を音量調整部28へ渡す。
【0039】
音量調整部28は、操作処理部20から受け付けた命令にて選択された音量の調整方法と、入力音処理部23から受け付けた処理済み音信号とに基づいて、イコライザ調整部27から受け付けた調整音信号の音量を調整し、調整した調整音信号を出力増幅部17へ出力する。
【0040】
出力増幅部17は、制御部2の音量調整部28から調整音信号として入力された電気信号を増幅し、増幅した電気信号に基づく音をクリック音(操作音)として音出力部14から出力させる。
【0041】
以上のように、本願開示の操作装置1は、音入力部13から入力を受け付けた外部の音に基づく制御方法で、入力操作に基づき出力する音、所謂クリック音を制御する。即ち、本願開示の操作装置1は、制御部2にて、外部の音に基づき、ピッチ、周波数帯毎の成分の大きさ、音量等の要素を制御した音を、クリック音として出力する。
【0042】
<処理例>
次に、本願開示の操作装置1における具体的な処理の例について説明する。例えば、選択操作部12から選択された機能が、音量調整モードであった場合、操作装置1は、音量調整モードとして設定されている制御方法により、外部から入力された音に基づいて、操作音を制御する。具体的には、音量調整モードの場合、外部から入力された音の音量が大きい程、クリック音の音量が大きくなるように制御し、外部から入力された音の音量が小さいほど、クリック音の音量が小さくなるように制御する。
【0043】
更には、本願開示の操作装置1は、消音モードとして、外部から入力された音の音量が所定の下限値より小さい場合、操作音の出力を抑止するように制御することも可能である。なお、本願開示の操作装置1は、消音モードボタンを筐体10に取り付け、消音モードボタンを押下することにより、外部の音に関係なく操作音の出力を抑止するモードを追加する等、様々な形態に展開することが可能である。
【0044】
また、例えば、選択操作部12から選択された機能が、マスキングモードであった場合、操作装置1は、マスキングモードとして設定されている制御方法により、外部から入力された音に基づいて操作音を制御する。具体的には、マスキングモードの場合、外部から入力された音の周波数帯毎の成分の大きさに基づいて、操作音を制御する。マスキングモードにより、外部の音の周波数帯毎の成分の大きさに基づいて、操作音を制御することで、同じ周波数の音が重なると一方の音が聞こえにくくなるマスキング効果が生じる。マスキング効果により、本願開示の操作装置1は、外部の音又は操作音を聞こえにくくすることが可能となる。
【0045】
また、例えば、選択操作部12から選択された機能が、反転モードであった場合、操作装置1は、反転モードとして設定されている制御方法により、外部から入力された音に基づいて操作音を制御する。具体的には、反転モードの場合、外部から入力された周波数帯毎の成分の大きさに基づいて、周波数帯毎に位相が反転した音に基づく操作音を出力することにより、外部の音と操作音とを打ち消し合わせることが可能となる。
【0046】
また、例えば、選択操作部12から選択された機能が、ハイライトモードであった場合、操作装置1は、ハイライトモードとして設定されている制御方法により、外部から入力された音に基づいて操作音を制御する。具体的には、ハイライトモードの場合、操作装置1は、外部の音に基づいて、外部の音では小さい特定の周波数帯の成分を強調した操作音を出力するように制御する。これにより、操作装置1は、外部の音に埋もれず、聞き分けやすい操作音を出力することが可能となる。
【0047】
以上のように、本願開示の操作装置1は、外部の音に応じて操作音を制御する。これにより、外部の状況に応じて操作音を出力することが可能となる等、優れた効果を奏する。
【0048】
特に、本願開示の操作装置1は、筐体10の側面又は底面に開口部10aが形成され、開口部10aから音を出力する。これにより、操作者は、音出力部14から発せられる音を、筐体10内からの操作音として認識することが可能である等、優れた効果を奏する。また、操作装置1は、筐体10の隙間、例えば、押下操作部11の境目等から漏れる音も、操作者に操作音として認識させることが可能である。
【0049】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な形態で実施することが可能である。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の技術範囲は、請求の範囲によって説明するものであって、明細書本文には何ら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形及び変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0050】
例えば、前記実施形態では、電子機器と通信可能に接続された操作装置1に適用する形態を示したが、本発明は、これに限らず、電子機器と一体化した操作装置1に適用する等、様々な形態に展開することが可能である。電子機器と一体化した操作装置1としては、コントローラ一体型ゲーム機、ノート型パソコン等の操作装置1を例示することができる。
【0051】
また、例えば、本願開示の操作装置1は、マウス、キーボード以外にも様々な装置として具現化することが可能である。例えば、本願開示の操作装置1は、回動操作を受け付けるスティック等の操作部を備えるスティックコントローラ、回転操作を受け付けるダイヤル等の操作部及び摺動操作を受け付けるスライダ等の操作部を備える音響ミキサー等の様々な装置として実現することが可能である。
【0052】
また、例えば、前記実施形態では、操作装置1の同じ面に音入力部13用の開口部10a及び音出力部14用の開口部10aを形成した形態を示したが、本発明はこれに限らず、様々な形態に展開することが可能である。例えば、操作装置1は、音入力部13用の開口部10aを筐体10の側面に形成し、音出力部14用の開口部10aを筐体10の底面に形成する等、様々な形態に展開することが可能である。更には、操作装置1は、音出力部14用の開口部10aを筐体10の底面に形成し、音入力部13用の開口部10aを形成しない等、様々な形態に展開することが可能である。
【0053】
即ち、本願開示の操作装置1は、以下の付記に係る様々な形態に展開することが可能である。
【0054】
(付記1)
操作者からの入力操作を受ける操作部を備える操作装置であって、
外部の音の入力を受ける音入力部と、
音を出力する音出力部と
を備える
ことを特徴とする操作装置。
【0055】
(付記2)
付記2に記載の操作装置であって、
前記音出力部から出力する音を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記操作部が入力操作を受けた場合に、前記音入力部が受け付けた外部の音に基づく音を、前記音出力部から出力させる
ことを特徴とする操作装置。
【0056】
(付記3)
付記2に記載の操作装置であって、
前記制御部は、
前記操作部が受けた入力操作による操作音として、前記音出力部から音を出力させる
ことを特徴とする操作装置。
【0057】
(付記4)
付記2又は付記3に記載の操作装置であって、
前記音出力部から出力させる音の制御方法の選択を受け付ける選択部を備え、
前記制御部は、
前記選択部により選択された制御方法にて制御した音を、前記音出力部から出力させる
ことを特徴とする操作装置。
【0058】
(付記5)
付記2乃至付記4のいずれか一に記載の操作装置であって、
前記制御部は、
前記音入力部が受けた音の音量に基づいて、前記音出力部から出力させる音を制御する
ことを特徴とする操作装置。
【0059】
(付記6)
付記2乃至付記5のいずれか一に記載の操作装置であって、
前記制御部は、
前記音入力部が受けた音の周波数毎の成分の大きさに基づいて、前記音出力部から出力させる音を制御する
ことを特徴とする操作装置。
【0060】
(付記7)
付記1乃至付記6のいずれか一に記載の操作装置であって、
マウス又はキーボードである
ことを特徴とする操作装置。
【0061】
(付記8)
付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の操作装置であって、
前記音出力部を収容する筐体を備え、
前記筐体は、
前記音出力部の配置位置の近傍で、前記音出力部から音を出力する方向に開口部が形成されている
ことを特徴とする操作装置。
【0062】
(付記9)
付記7に記載の操作装置であって、
前記音出力部を収容する筐体を備え、
前記音出力部は、
前記筐体の側面又は底面の近傍に配置されており、
前記筐体は、
前記音出力部の配置位置の近傍で、前記音出力部から音を出力する方向に位置する側面又は底面に開口部が形成されている
ことを特徴とする操作装置。
【符号の説明】
【0063】
1 操作装置(マウス、キーボード)
10 筐体
10a 開口部
11 押下操作部(操作部)
12 選択操作部(選択部)
13 音入力部
14 音出力部
2 制御部
20 操作処理部
21 A/D変換部
22 周波数変換部
23 入力音処理部
24 音情報記憶部
25 音選択部
26 ピッチ調整部
27 イコライザ調整部
28 音量調整部