IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドゥサン ヘヴィー インダストリーズ アンド コンストラクション カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2024-55751重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法
<>
  • 特開-重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法 図1
  • 特開-重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法 図2
  • 特開-重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法 図3
  • 特開-重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法 図4
  • 特開-重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法 図5
  • 特開-重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055751
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/02 20060101AFI20240411BHJP
   G21F 9/30 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
G21C19/02 050
G21F9/30 531J
G21F9/30 535E
G21C19/02 080
G21C19/02 130
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023091979
(22)【出願日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0128730
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507002918
【氏名又は名称】ドゥサン エナービリティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、チャン キュ
(72)【発明者】
【氏名】パク、クワン スー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハエ ウーン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】圧力管および原子炉管取替作業時の除去のために圧力管および原子炉管を同時に除去することを目的とする。
【解決手段】重水炉内部の圧力管と原子炉管との二重管の内部に挿入されて前記圧力管を切断する切断部と、切断された前記圧力管の領域に投入されて前記原子炉管の拡管部を弛緩させ、挿入体を除去する加熱部と、前記加熱部により前記挿入体が除去された前記圧力管と前記原子炉管とを共に除去する搬送部と、前記切断部、加熱部および搬送部の動作状態を制御する制御部と、を含み、前記切断部は、エンドシールドの内側領域で前記圧力管を切断することを特徴とする重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重水炉内部の圧力管と原子炉管との二重管の内部に挿入されて前記圧力管を切断する切断部と、
切断された前記圧力管の領域に投入されて前記原子炉管の拡管部を弛緩させ、挿入体を除去する加熱部と、
前記加熱部により前記挿入体が除去された前記圧力管と前記原子炉管とを共に除去する搬送部と、
前記切断部、加熱部および搬送部の動作状態を制御する制御部と、
を含み、
前記切断部は、エンドシールドの内側領域で前記圧力管を切断する重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項2】
前記加熱部は、前記原子炉管の拡管部領域を均一に加熱するために円形構造のインダクションヒーティング部を用いる請求項1に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項3】
前記加熱部は、前記拡管部を固定する挿入体を除去するための挿入体除去部を備える請求項1に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項4】
前記挿入体除去部は、フック構造を備える請求項3に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項5】
前記制御部は、1000℃以上に前記加熱部の接触加熱により前記拡管部領域を加熱する請求項2に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項6】
前記切断部は、円形鋸を用いて前記圧力管を切断する請求項1に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記切断部により前記圧力管が切断され、前記加熱部により前記拡管部の弛緩が完了した後、前記搬送部を動作させる請求項1から6のいずれか一項に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項8】
前記搬送部は、前記二重管の両側に固定され、
一方向に二重管を搬送して除去する請求項7に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システム。
【請求項9】
重水炉内部の圧力管と原子炉管との二重管の内部に挿入されてエンドシールドの内側領域で前記圧力管を切断する切断ステップと、
前記原子炉管の内側に加熱部を投入して前記原子炉管の拡管部を加熱して弛緩させる加熱ステップと、
前記加熱部を用いて前記原子炉管を固定する挿入体を除去する挿入体除去ステップと、
前記挿入体が除去された二重管を外部に搬送する搬送ステップと、
を含む重水炉の圧力管および原子炉管同時除去方法。
【請求項10】
前記加熱ステップは、前記拡管部の領域を1000℃以上に加熱して前記拡管部を弛緩させる請求項9に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去方法。
【請求項11】
前記挿入体除去ステップは、前記加熱部の前端に設けられる挿入体除去部を用いて前記挿入体を除去する請求項9に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去方法。
【請求項12】
前記搬送ステップは、両側エンドシールドの内側で両側が切断された前記圧力管の両側を固定し、一側方向から加圧して前記二重管を搬送する請求項9から11のいずれか一項に記載の重水炉の圧力管および原子炉管同時除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムおよび除去方法に関する。さらに詳しくは、重水炉の圧力管および原子炉管取替作業時の除去のために圧力管と原子炉管とを同時に除去する除去システムおよび除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、原子力発電に用いられる原子力施設のうち、重水炉施設は、カランドリア(Calandria)と、カランドリアを内部に収納するカランドリアボールト(Calandria vault)とを含む。
【0003】
カランドリアは、重水炉型原子力発電所の原子炉の核燃料注入シリンダであって、発電所の正常稼働中に核原料を注入し、燃焼された核燃料束を排出する円筒形状のパイプ構造を備える。
【0004】
このような重水炉原子力発電所は、運転上問題がある圧力管(Presure Tube)および原子炉管(Calandria Tube)を取替えて用いなければならない。
【0005】
従来は、取替作業時、圧力管を除去した後、原子炉管を除去する工程を行っていた。
【0006】
しかし、このような除去方式は、作業日程が長くて作業者の被曝が増加し、取替費用が増加する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-2300638号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施形態は、圧力管および原子炉管取替作業時の除去のために圧力管および原子炉管を同時に除去することを目的とする。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は以上に言及された課題に限らず、ここで言及されていないさらに他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、重水炉内部の圧力管と原子炉管との二重管の内部に挿入されて前記圧力管を切断する切断部と、切断された前記圧力管の領域に投入されて前記原子炉管の拡管部を弛緩させ、挿入体を除去する加熱部と、前記加熱部により前記挿入体が除去された前記圧力管と前記原子炉管とを共に除去する搬送部と、前記切断部、加熱部および搬送部の動作状態を制御する制御部と、を含み、前記切断部は、エンドシールドの内側領域で前記圧力管を切断することを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記加熱部は、前記原子炉管の拡管部領域を均一に加熱するために円形構造のインダクションヒーティング部を用いることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記加熱部は、前記拡管部を固定する挿入体を除去するための挿入体除去部を備えることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記挿入体除去部は、フック構造を備えることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記制御部は、1000℃以上に前記加熱部の接触加熱により前記拡管部領域を加熱することを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記切断部は、円形鋸を用いて前記圧力管を切断することを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記制御部は、前記切断部により前記圧力管が切断され、前記加熱部により前記拡管部の弛緩が完了した後、前記搬送部を動作させることを特徴とする。
【0017】
好ましくは、前記搬送部は、前記二重管の両側に固定され、一方向に二重管を搬送して除去することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の他の実施形態は、重水炉内部の圧力管と原子炉管との二重管の内部に挿入されてエンドシールドの内側領域で前記圧力管を切断する切断ステップと、前記原子炉管の内側に加熱部を投入して前記原子炉管の拡管部を加熱して弛緩させる加熱ステップと、前記加熱部を用いて前記原子炉管を固定する挿入体を除去する挿入体除去ステップと、前記挿入体が除去された二重管を外部に搬送する搬送ステップと、を含むことができる。
【0019】
好ましくは、前記加熱ステップは、前記拡管部の領域を1000℃以上に加熱して前記拡管部を弛緩させることを特徴とする。
【0020】
好ましくは、前記挿入体除去ステップは、前記加熱部の前端に設けられる挿入体除去部を用いて前記挿入体を除去することを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記搬送ステップは、両側エンドシールドの内側で両側が切断された前記圧力管の両側を固定し、一側方向から加圧して前記二重管を搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
実施形態によれば、かつて独立に除去していた圧力管と原子炉管とを同時に除去することにより、作業者の被曝低減、作業時間短縮および費用節減などの効果がある。
【0023】
本発明の多様でかつ有益なメリットと効果は上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る重水炉の圧力管および原子炉管同時除去システムのブロック図であり、
【0025】
図2図1の圧力管および原子炉管の配置構造を示す図であり、
【0026】
図3図2の一領域の拡大図であり、
【0027】
図4図1の構成要素である加熱部の構造を示す図であり、
【0028】
図5図1の構成要素である搬送部の構造を示す図であり、
【0029】
図6】本発明の他の実施形態に係る重水炉の圧力管および原子炉管同時除去方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0031】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部の実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現可能であり、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施例における構成要素の1つ以上を選択的に結合、置換して使用可能である。
【0032】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明らかに特に断りがない限り、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に一般的に理解される意味で解釈され、辞書に定義された用語のような一般的に使われる用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができる。
【0033】
なお、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものあり、本発明を制限しようとするものではない。
【0034】
本明細書において、単数形は、文言で特に言及しない限り、複数形も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cの少なくとも1つ(または1つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせることができるすべての組み合わせの1つ以上を含むことができる。
【0035】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。
【0036】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0037】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または、「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合のみならず、その構成要素とその他の構成要素との間にある、さらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0038】
また、各構成要素の「上または下」に形成または配置されると記載される場合、上または下は、2つの構成要素が互いに直接接触する場合のみならず、1つ以上のさらに他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。さらに、「上または下」で表現される場合、1つの構成要素を基準として、上側方向だけでなく、下側方向の意味も含むことができる。
【0039】
以下、添付した図面を参照して、実施例を詳細に説明し、図面符号に関係なく同一または対応する構成要素は同一の参照番号を付し、これに関する重複した説明は省略する。
【0040】
図1図6は、本発明を概念的に明確に理解するために、主な特徴部分のみを明確に示したものであり、その結果、図解の多様な変形が予想され、図面に示された特定の形状によって本発明の範囲が制限される必要はない。
【0041】
また、本発明は、重水炉施設としてカランドリア(calandria)を含む重水炉施設を一例として説明しているが、重水炉施設はこれに限定されない。
【0042】
本発明の基本構造である重水炉施設は、円筒状のカランドリア(Calandria)と、カランドリアをその内部に収納するカランドリアボールト(Calandria vault)と、カランドリアボールトの上部に位置してカランドリアをカバーするカバー組立体と、カランドリアに設けられた原子炉管10とを含む。
【0043】
カランドリア(Calandria)は、中央に位置するメインシェル40と、メインシェル40の両端部に連結されたサブシェルと、サブシェルに連結されたエンドシールド50(End shield)とを含むことができる。
【0044】
原子炉管10は、カランドリアを水平に貫通する圧力管20を含み、エンドシールド50の一面に連結されるエンドフィッティング60を含むことができる。
【0045】
また、原子炉管10の端部は、カランドリアチューブシート70に連結され、原子炉管10の離脱を防止するための挿入体30が原子炉管10の端部に配置される。
【0046】
原子炉管10の内部には圧力管20が挿入された形態で配置されており、原子炉管10は、カランドリアチューブシート70と挿入体30との間に拡管により固定されている。
【0047】
このような、重水炉施設の配置構造は、公知の従来の構造に関するものであり、詳しい構造については説明を省略する。
【0048】
図1は、本発明の実施形態に係る重水炉の圧力管20および原子炉管10同時除去システムのブロック図であり、図2は、図1の圧力管20および原子炉管10の配置構造を示す図であり、図3は、図2の一領域の拡大図であり、図4は、図1の構成要素である加熱部200の構造を示す図であり、図5は、図1の構成要素である搬送部300の構造を示す図である。
【0049】
図1図5を参照すれば、本発明の実施形態に係る重水炉の圧力管20および原子炉管10同時除去システムは、切断部100と、加熱部200と、搬送部300と、制御部400とを含むことができる。
【0050】
切断部100は、重水炉内部の圧力管20と原子炉管10との二重管の内部に挿入されて圧力管20を切断することができる。切断部100は、圧力管20の内部に挿入されて圧力管20のみを切断するように動作する。一実施形態として、切断部100は、円形鋸またはレーザが用いられるが、これに限定されず、多様な種類の切断装置が使用可能である。
【0051】
切断部100は、圧力管20および原子炉管10の両側に配置されるエンドシールド50の内側領域、すなわちエンドシールド50の間で圧力管20を切断することができる。より詳しくは、切断部100は、両側に配置されるカランドリアチューブシートの隣接した領域で圧力管20を切断して、原子炉管10の拡管領域と挿入体30の固定領域を原子炉管10の内部で露出させることができる。これにより、加熱部200が原子炉管10の内部に挿入される場合、原子炉管10の固定領域を露出させることができる。
【0052】
加熱部200は、切断された圧力管20の領域に投入されて加熱により原子炉管10の拡管部を弛緩させ、挿入体30を除去することができる。
【0053】
加熱部200は、インダクションヒーティング部210と、挿入体除去部230とを含むことができる。
【0054】
インダクションヒーティング部210は、原子炉管10の拡管部を均一に加熱するために円形構造を備えることができる。インダクションヒーティング部210は、電気を用いてコイルを加熱する公知の方式が使用可能である。
【0055】
インダクションヒーティング部210は、原子炉管10に挿入されるための柱構造の本体の端部の外側面に配置され、圧力管20が除去された領域で圧力管20の拡管部を加熱することができる。これにより、圧力管20の拡管された領域が弛緩して固定力が解除できる。
【0056】
挿入体除去部230は、加熱部200の端部に配置されて挿入体30を除去することができる。挿入体除去部230は、フック構造で設けられて、圧力管20の内部に投入時には、フックが変形により投入され、外部への離脱時、フックの側壁に挿入体30がかけられて除去される。
【0057】
加熱部200が挿入されると、挿入体除去部230が挿入体30の端部まで移動し、インダクションヒーティング部210が加熱により原子炉管10の拡管部を加熱して弛緩をする。以後、加熱部200が抜け出ながらフック構造の挿入体除去部230の端部に挿入体30がかけられて挿入体30が除去される。
【0058】
搬送部300は、加熱部200により挿入体30が除去された圧力管20と原子炉管10とを共に除去することができる。搬送部300は、一対の固定部310と、それぞれの固定部310を駆動する駆動部320とを含むことができる。
【0059】
固定部310は、一側が傾斜を有するように設けられ、他側は駆動部320に連結される。駆動部320の動作により、固定部310は、直線方向に移動することができる。
【0060】
挿入体30が除去され、原子炉管10の拡管部が弛緩した原子炉管10の両側に配置される固定部310は、それぞれの駆動部320が対向する方向に動作して、傾斜を有する固定部310の一側が原子炉管10の両側に挿入されて原子炉管10と圧力管20とを両側で固定する。
【0061】
以後、駆動部320が一方向に固定部310を動作させて、二重管を搬送して除去することができる。
【0062】
制御部400は、切断部100、加熱部200および搬送部300の動作状態を制御することができる。制御部400は、重水炉の圧力管20および原子炉管10同時除去のためのそれぞれの構成要素の動作を制御することができる。制御部400は、切断部100、加熱部200および搬送部300が順次に動作するように制御することができ、切断部100の位置制御および加熱部200の温度制御、搬送部300の動作制御が可能である。
【0063】
一実施形態として、制御部400は、加熱部200が原子炉管10の内側に挿入される場合に位置を制御し、1000℃以上に原子炉管10の拡管部領域を加熱部200が接触加熱をするように制御することができる。
【0064】
一方、以下では、添付した図面を参照して、本発明の他の実施形態に係る重水炉の圧力管20および原子炉管10同時除去方法を説明する。ただし、本発明の一実施形態に係る重水炉の圧力管20および原子炉管10同時除去システムで説明したのと同じものについてはその説明を省略する。
【0065】
図6は、本発明の他の実施形態に係る重水炉の圧力管20および原子炉管10同時除去方法のフローチャートである。図6の説明において、図1図5と同一の参照符号は、同一の部材を表し、詳細な説明は省略する。
【0066】
図6を参照すれば、本発明の他の実施形態に係る重水炉の圧力管20および原子炉管10同時除去方法は、切断ステップS100と、加熱ステップS200と、挿入体除去ステップS300と、搬送ステップS400とを含むことができる。
【0067】
切断ステップS100は、重水炉内部の圧力管20と原子炉管10との二重管の内部に切断部100が挿入されてエンドシールド50の内側領域で圧力管20を切断することができる。
【0068】
切断ステップS100は、二重管の内部に切断部100が投入されて内側に配置される圧力管20が切断された後、圧力管20の切断部100とエンドフィッティング60とが除去される。この時、切断ステップS100における切断位置は、カランドリアチューブシート70の内側領域、すなわち切断により挿入体30が露出するように圧力管20の切断位置が設定可能である。
【0069】
加熱ステップS200は、原子炉管10の内側に加熱部200を投入して原子炉管10の拡管部および挿入体30を弛緩させることができる。加熱ステップは、カランドリアチューブシート70に原子炉管10が拡管で固定された部位を弛緩させて、原子炉管10の固定力を解除することができる。
【0070】
一実施形態として、加熱ステップS200は、拡管部領域を1000℃以上に加熱して原子炉管10の拡管部を弛緩させることができる。
【0071】
挿入体除去ステップS300は、加熱部200を用いて挿入体30を除去することができる。挿入体除去ステップS300では、加熱部200の端部に備えられるフック構造の挿入体除去部230を用いて加熱部200の離脱時に挿入体30を除去することができる。フック構造の挿入体除去部230は、原子炉管10の内部に流入時には、フック構造の変形で移動が可能であり、以後、離脱時には、挿入体除去部230の端部に挿入体30がかけられて固定が除去できる。
【0072】
このように、加熱ステップS200および挿入体除去ステップS300により圧力管20の固定構造をすべて解除することができる。
【0073】
搬送ステップS400は、挿入体30が除去された二重管を外部に搬送するステップである。搬送ステップS400は、搬送部300を用いて両側エンドシールド50の内側で両側が切断された圧力管20の内部に挿入されて圧力管20の両側を固定し、一方向に二重管を搬送することができる。
【0074】
これにより、搬送された圧力管20および原子炉管10は、圧縮および細切により容器に積載される。このような、二重管構造の圧力管20と原子炉管10とを同時に除去することにより、作業者の被曝を低減し、作業時間短縮および費用節減の効果がある。
【0075】
以上、本発明の実施例に関して、添付した図面を参照して具体的に説明した。
【0076】
以上の説明は、本発明の技術思想を例として説明したに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で多様な修正、変更および置換が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施例および添付した図面は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような実施例および添付した図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0077】
10:原子炉管
20:圧力管
30:挿入体
40:メインシェル
50:エンドシールド
60:エンドフィッティング
70:カランドリアチューブシート
100:切断部
200:加熱部
210:インダクションヒーティング部
230:挿入体除去部
300:搬送部
310:固定部
320:駆動部
400:制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6