(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055752
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】充填機
(51)【国際特許分類】
B65B 3/04 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B65B3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023092058
(22)【出願日】2023-06-05
(31)【優先権主張番号】P 2022161475
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591206108
【氏名又は名称】マルホ発條工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100174388
【弁理士】
【氏名又は名称】龍竹 史朗
(72)【発明者】
【氏名】大浦 茂
(72)【発明者】
【氏名】松本 顕政
【テーマコード(参考)】
3E118
【Fターム(参考)】
3E118AA06
3E118AB15
3E118AB18
3E118BA01
3E118BA09
3E118EA08
(57)【要約】
【課題】メインテナンス作業を効率的に行うことができる充填機を提供する。
【解決手段】充填機は、チューブ容器T0、T1を保持する複数のチューブ保持部111を周回軌道OB1に沿って搬送する搬送ユニット11と、チューブ容器T0をチューブ保持部111へ供給するチューブ供給ユニット12と、周回軌道OB1よりも鉛直上方に配置されチューブ容器T0の鉛直上側の端部からチューブ容器T0内へワークを充填する充填ユニット13と、周回軌道OB1よりも鉛直上方に配置されワークが充填されたチューブ容器T0の鉛直上側の端部を封止する封止ユニット17と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークが充填されるチューブ容器を保持する複数のチューブ保持部を鉛直方向に沿った仮想平面内の予め設定された周回軌道に沿って搬送する搬送ユニットと、
前記仮想平面に沿った方向における前記周回軌道の一方の側方に位置し、前記チューブ保持部が前記チューブ容器の筒軸方向における前記ワークが内側へ導入される一端部とは反対側の他端部を保持可能な姿勢で前記チューブ容器を前記チューブ保持部へ供給するチューブ供給ユニットと、
前記周回軌道よりも鉛直上方に配置され前記チューブ容器の前記一端部から前記チューブ容器内へ前記ワークを充填する充填ユニットと、
前記周回軌道よりも鉛直上方に配置され前記ワークが充填された前記チューブ容器の前記一端部を封止する封止ユニットと、を備える、
充填機。
【請求項2】
前記搬送ユニットは、
板状であり厚さ方向が前記仮想平面と平行となる姿勢で環状に連結された複数の支持プレートを有する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを前記周回軌道に沿って配置された状態で支持する複数の搬送ローラと、
前記搬送ローラを回転させることにより前記搬送ベルトを前記周回軌道に沿って周回移動させるベルト駆動部と、を有し、
複数の前記支持プレートは、それぞれ、厚さ方向における前記周回軌道の外側に向かう方向側で前記チューブ保持部を支持する、
請求項1に記載の充填機。
【請求項3】
前記周回軌道よりも鉛直上方に配置され前記チューブ容器の前記一端部から前記チューブ容器内へ気体を吐出することにより前記チューブ容器の内側に存在する異物を除去する洗浄ユニットを更に備え、
前記洗浄ユニットは、
長尺管状であり長手方向の一端部から気体を吐出する気体ノズルと、
前記気体ノズルの長手方向における他端部側から前記気体ノズルへ前記気体を供給する気体供給部と、
筒状であり内側に前記気体ノズルの前記一端部が配置されるとともに、内側の筒軸方向と直交する断面の面積が前記チューブ容器の少なくとも前記一端部における前記チューブ容器の筒軸方向と直交する方向における外形面積よりも大きい洗浄ヘッドと、
前記気体ノズルの前記一端部から前記チューブ容器の内側へ前記気体が吐出されたときに前記チューブ容器の内側から前記洗浄ヘッド内へ飛散した異物を吸引する吸引部と、を有し、前記洗浄ヘッドの内側に前記チューブ容器の少なくとも前記一端部が配置された状態で、前記気体ノズルの前記一端部から前記チューブ容器の内側へ前記気体を吐出する、
請求項1または2に記載の充填機。
【請求項4】
前記洗浄ユニットは、前記洗浄ヘッドに対して鉛直上方へ加わる圧力を検知する圧力検知部を更に有し、
前記圧力検知部により検知された圧力が予め設定された基準圧力以上である場合、前記チューブ容器の形状が異常であると判定する形状異常判定部を更に備える、
請求項3に記載の充填機。
【請求項5】
前記充填ユニットと前記周回軌道を挟んで対向して配置され、前記充填ユニットにより前記チューブ容器内へ前記ワークを充填する際、前記チューブ容器を保持した前記チューブ保持部を前記充填ユニットに近づけるリフトユニットを更に備える、
請求項2に記載の充填機。
【請求項6】
前記チューブ保持部は、
筒状であり内側で前記チューブ容器を保持する保持ヘッドと、
前記保持ヘッドの周囲から前記保持ヘッドを支持し且つ前記支持プレートに対向する側に前記支持プレートに吸着する第1吸着部が配設された保持部本体と、を有し、
前記支持プレートは、内側に前記保持ヘッドが嵌入され且つ前記支持プレートの厚さ方向に貫通する貫通孔が貫設され、厚さ方向における前記保持部本体に対向する側の前記貫通孔の外周部に前記第1吸着部に吸着する第2吸着部が配設され、
前記リフトユニットは、
長尺であり長手方向が前記支持プレートの厚さ方向に沿うように配置され前記保持ヘッドを押し上げる押圧部材と、
前記押圧部材の長手方向における一端部を前記支持プレートの前記貫通孔に挿通させて前記保持ヘッドに当接させた状態で前記押圧部材を上昇させることにより前記保持ヘッドを押し上げて前記チューブ容器を保持した前記保持ヘッドを前記充填ユニットに近づけるヘッド駆動部と、を有する、
請求項5に記載の充填機。
【請求項7】
前記周回軌道における前記周回軌道の中心よりも鉛直上側に位置し前記チューブ容器を保持する前記チューブ保持部を、前記チューブ容器の筒軸周りに回転させることにより前記チューブ容器の姿勢を調整する姿勢調整ユニットを更に備える、
請求項1または2に記載の充填機。
【請求項8】
前記チューブ供給ユニットは、
水平方向に対して傾斜した長尺の傾斜面を有し前記傾斜面の鉛直上側の端部へ供給された複数の前記チューブ容器が、前記チューブ容器の長手方向に直交する方向が前記傾斜面の長手方向に沿うように並ぶように載置されるチューブ載置台と、
前記傾斜面の鉛直下方側の端部に設けられ前記傾斜面に載置された複数の前記チューブ容器を堰き止める閉状態と複数の前記チューブ容器を前記傾斜面の鉛直下方側の端部から流出させる開状態とをとりうるシャッタを有し、前記シャッタを、前記開状態と前記閉状態とを繰り返すように駆動させることにより前記チューブ容器を1つずつ排出するチューブ排出調整部と、
1つの前記チューブ容器が載置されるチューブ載置テーブルを有し、前記チューブ載置テーブルを、前記傾斜面の鉛直下方側の端部よりも鉛直下方に位置し前記チューブ載置台から排出される1つの前記チューブ容器を受け取る受け取り位置と、前記傾斜面の鉛直下方側の端部よりも鉛直上方に位置し1つの前記チューブ容器を前記搬送ユニットへ移載する移載位置と、の間で昇降させるチューブ昇降部と、
前記チューブ載置テーブルが前記移載位置に配置された状態で前記チューブ載置テーブルに載置された1つの前記チューブ容器を前記搬送ユニット側へ押し出すチューブ押出部と、を有する、
請求項1または2に記載の充填機。
【請求項9】
前記チューブ排出調整部は、前記チューブ押出部が、前記移載位置に配置された前記チューブ載置テーブルに載置された前記チューブ容器を前記搬送ユニット側へ押し出すのと同時に前記シャッタを前記開状態にし、その後、前記閉状態にすることにより、1つの前記チューブ容器を排出する、
請求項8に記載の充填機。
【請求項10】
前記仮想平面に沿った方向における前記周回軌道の他方の側方に位置し、前記ワークが充填され且つ前記一端部が封止された前記チューブ容器を回収するチューブ回収ユニットを更に備える、
請求項1または2に記載の充填機。
【請求項11】
前記チューブ回収ユニットは、
筒状であり筒軸方向が前記仮想平面と平行となる姿勢で前記搬送ユニットの側方に配置され側壁に回収した前記チューブ容器を保持する回収ホルダが設けられた回収ドラムと、
前記回収ドラムを回転駆動するドラム駆動部と、
前記チューブ容器の前記一端部を挟持するチャックが先端部に設けられたアームと、
前記アームを、前記チャックが前記搬送ユニットの前記チューブ保持部に保持された前記チューブ容器の前記一端部を挟持できる第1位置と、前記チャックが前記チューブ容器を挟持した状態で前記チューブ容器が前記回収ホルダに対向する位置に配置される第2位置と、のいずれかへ昇降させるアーム昇降駆動部と、を有し、
前記回収ホルダは、
前記チューブ容器が内側に配置されるホルダ本体と、
前記チャックが前記チューブ容器を挟持し且つ前記アームが前記第2位置に配置された状態で、前記チューブ容器を吸着保持するチューブ容器保持部と、を有する、
請求項10に記載の充填機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填機に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブを保持する複数の保持エレメントを水平面内の予め設定された周回軌道に沿って搬送する搬送ユニットと、周回軌道上に配置されチューブ内へワークを充填する充填ステーションを含む複数のステーションと、を備えるチューブ充填機械が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているチューブ充填機械では、複数のステーションが水平面内に設定された周回軌道に沿って配置されているため、チューブ充填機械の点検等のメインテナンス作業を行う作業者は、周回軌道に沿って移動しながら複数のステーションそれぞれの点検等の作業を行う必要がある。このため、メインテナンス作業に手間が掛かる虞がある。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、メインテナンス作業を効率的に行うことができる充填機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る充填機は、
ワークが充填されるチューブ容器を保持する複数のチューブ保持部を鉛直方向に沿った仮想平面内の予め設定された周回軌道に沿って搬送する搬送ユニットと、
前記仮想平面に沿った方向における前記周回軌道の一方の側方に位置し、前記チューブ保持部が前記チューブ容器の筒軸方向における前記ワークが内側へ導入される一端部とは反対側の他端部を保持可能な姿勢で前記チューブ容器を前記チューブ保持部へ供給するチューブ供給ユニットと、
前記周回軌道よりも鉛直上方に配置され前記チューブ容器の前記一端部から前記チューブ容器内へ前記ワークを充填する充填ユニットと、
前記周回軌道よりも鉛直上方に配置され前記ワークが充填された前記チューブ容器の前記一端部を封止する封止ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送ユニットが、チューブ容器を保持する複数のチューブ保持部を鉛直方向に沿った仮想平面内の周回軌道に沿って搬送し、チューブ供給ユニット、充填ユニットおよび封止ユニットが、周回軌道の周囲に配置されている。これにより、充填機のメインテナンスを行う作業者が、前述の仮想平面と直交する一方向側から、チューブ供給ユニット、充填ユニットおよび封止ユニットの全てにアクセスすることができる。従って、作業者は、メインテナンス作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態に係る充填機の概略正面図である。
【
図2】実施の形態に係る充填機について搬送ユニットの保護カバーを外した状態の一部を示す概略斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る搬送ベルトを示し、(A)は平面図であり、(B)は一部破断した側面図である。
【
図4】実施の形態に係るチューブ供給ユニットを示す概略斜視図である。
【
図5】実施の形態に係るチューブ供給ユニットの一部を示し、(A)はチューブ載置テーブルがチューブ受け取り位置に配置された状態を示す概略側面図であり、(B)はチューブ載置テーブルが移載位置に配置された状態を示す概略側面図である。
【
図6】実施の形態に係るチューブ供給ユニットの一部を示し、(A)はチューブ載置テーブルがチューブ受け取り位置に配置された状態を示す概略側面図であり、(B)はチューブ載置テーブルが移載位置に配置された状態を示す概略側面図である。
【
図7】実施の形態に係るチューブ載置テーブルがチューブ受け取り位置に配置された状態でのチューブ供給ユニットの一部を示す概略側面図である。
【
図8】実施の形態に係る洗浄ユニットの一部を示し、(A)はチューブ保持部が洗浄ユニットの洗浄ヘッドの鉛直下方に配置された状態を示す概略側面図であり、(B)は洗浄ヘッドが降下した状態を示す概略側面図である。
【
図9】実施の形態に係る姿勢検出ユニットおよび姿勢調整ユニットを示す概略側面図である。
【
図10】実施の形態に係るリフトユニットおよび充填ユニットの一部を示し、(A)はチューブ保持部が充填ユニットのノズルの鉛直下方に配置された状態を示す概略側面図であり、(B)はチューブ保持部の保持ヘッドが持ち上げられた状態を示す概略側面図である。
【
図11】実施の形態に係る折曲加工部の一部を示し、(A)はチューブ容器が挟持された状態を示す概略側面図であり、(B)はチューブ容器の端部を折り曲げる様子を示す概略側面図であり、(C)はチューブ容器の端部を押圧する様子を示す概略側面図である。
【
図12】実施の形態に係るチューブ回収ユニットの概略側面図である。
【
図13】実施の形態に係るチューブ回収ユニットの一部を示し、(A)はアームが第1位置に配置された状態を示す概略側面図であり、(B)はアームが第2位置に配置されチューブ容器が吸着保持される様子を示す概略側面図であり、(C)はアームがチューブ容器から離脱する様子を示す概略側面図である。
【
図14】変形例に係る加熱部の一例を示す概略断面図である。
【
図15】変形例に係る封止ユニットの一部を示す概略側面図である。
【
図16】変形例に係るチューブ回収ユニットの概略側面図である。
【
図17】変形例に係るチューブ回収ユニットの一部を示し、(A)はチューブ容器の表面が鉛直上方を向く姿勢で搬送する場合の第1チューブシュートの配置を示す概略図であり、(B)はチューブ容器の表面が鉛直下方を向く姿勢で搬送する場合の第1チューブシュートの配置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る充填機について、図を参照しながら説明する。本実施の形態に係る充填機は、チューブ容器にワークを充填するものである。チューブ容器は、例えば長尺円筒状のチューブ本体と、チューブ本体の長手方向における一端部を閉塞するキャップと、を有し、長手方向における他端部が封止されたものである。また、ワークは、例えばペースト状のものであり、歯磨き粉、ペースト状の調味料等が挙げられる。
【0010】
本実施の形態に係る充填機は、
図1に示すように、搬送ユニット11と、チューブ供給ユニット12と、充填ユニット13と、チューブ回収ユニット14と、洗浄ユニット15と、姿勢検出ユニット16と、封止ユニット17と、を備える。また、充填機は、
図2に示すように、姿勢調整ユニット19と、リフトユニット20と、を備える。また、搬送ユニット11とチューブ供給ユニット12との間には、チューブ供給ユニット12から搬送ユニット11へチューブ容器T0を移載する際にチューブ容器T0を後述のチューブ保持部111へ案内する案内部材18が配設されている。更に、充填機は、搬送ユニット11、チューブ供給ユニット12、充填ユニット13、チューブ回収ユニット14、洗浄ユニット15、姿勢検出ユニット16、封止ユニット17、姿勢調整ユニット19およびリフトユニット20を制御する制御ユニット90を備える。また、搬送ユニット11、チューブ供給ユニット12、充填ユニット13、洗浄ユニット15、姿勢検出ユニット16、封止ユニット17、姿勢調整ユニット19、リフトユニット20および制御ユニット90は、支持台91により纏めて支持され、チューブ回収ユニット14は、支持台92に支持されている。
【0011】
搬送ユニット11は、チューブ保持部111と、搬送ベルト112と、スプロケット113と、ベルト駆動部114と、を有し、ワークが充填されるチューブ容器T0、T1を保持する複数のチューブ保持部111を鉛直方向に沿った仮想平面内の予め設定された周回軌道OB1に沿って搬送する。搬送ベルト112は、板状であり厚さ方向が仮想平面VP1と平行、即ち、Z軸方向と平行となる姿勢で環状に連結された複数の支持プレート1121を有する。そして、複数の支持プレート1121は、それぞれ、厚さ方向における周回軌道OB1の外側に向かう方向側でチューブ保持部111を支持している。
【0012】
また、複数の支持プレート1121は、ぞれぞれ、
図3(A)に示すように、矩形板状の主片1121aと、主片1121aにおける互いに対向する2辺のうちの一方の中央部から支持プレート1121の並び方向へ延出した矩形板状の延出片1121bと、主片1121aにおける前述の2辺のうちの他方における前述の2辺の対向方向および主片1121aの厚さ方向と直交する方向における両端部から支持プレート1121の並び方向へ延出した2つの脚片1121cと、を有する。そして、支持プレート1121それぞれの2つの脚片1121cの間にはシャフト1122が架設されており、隣り合う2つの支持プレート1121のうちの一方の2つの脚片1121cの内側に他方の支持プレート1121の延出片1121bが配置された状態で、延出片1121bがシャフト1122に枢着されている。更に、支持プレート1121には、
図3(B)に示すように、その厚さ方向に貫通する貫通孔1121dが貫設されている。支持プレート1121における貫通孔1121dの外周部には、吸着部1123が配設されている。
【0013】
チューブ保持部111は、
図3(B)に示すように、円筒状であり内側でチューブ容器T0、T1を保持する保持ヘッド1111と、筒状であり内側で前記チューブ容器を保持する保持ヘッド1111と、保持ヘッド1111の周囲から保持ヘッド1111を支持する保持部本体1112と、を有する。ここで、保持部本体1112は、円環状であり保持部ヘッド1111の筒軸方向における中央部よりも支持プレート1121の貫通孔1121dに嵌入される端部側にずれた位置において保持ヘッド1111と連続一体に設けられている。保持部本体1112における支持プレート1121に対向する側には、支持プレート1121に吸着する吸着部1113が配設されている。ここで、支持プレート1121の吸着部1123は、その貫通孔1121dの内側に保持ヘッド1111の一部が嵌入された状態で、支持プレート1121の厚さ方向における保持部本体1112に対向する側の貫通孔1121dの外周部に配設されている。そして、支持プレート1121の貫通孔1121dの内側に保持ヘッド1111の一部が嵌入された状態で、吸着部1113、1123が互いに吸着される。ここで、吸着部1113、1123のいずれか一方が永久磁石であり、他方が磁性体であってもよい。
【0014】
図2に戻って、スプロケット113は、搬送ベルト112を前述の周回軌道OB1に沿って配置された状態で支持する。ここで、スプロケット113の周縁全体に亘って周方向に等間隔に配設さられた複数の歯は、それぞれ、搬送ベルト112における隣り合う2つの支持プレート1121の間の部分に係合可能となっている。ベルト駆動部114は、スプロケット113の回転軸に沿った姿勢でスプロケット113に固定されたシャフト(図示せず)と、シャフトを回転駆動させるモータ(図示せず)と、を有し、スプロケット113を回転させることにより搬送ベルト112を周回軌道OB1に沿って周回移動させる。
【0015】
チューブ供給ユニット12は、前述の周回軌道OB1を含む仮想平面に沿った方向における周回軌道OB1の一方の側方、即ち、周回軌道OB1の+Y方向側に位置する。チューブ供給ユニット12は、
図4に示すように、チューブ載置台121と、チューブ昇降部122と、チューブ押出部123と、チューブ排出調整部124と、複数のチューブ容器T0を貯留するチューブコンテナ125と、複数のチューブT0をチューブ載置台121に整列させるためのチューブ整列機構126と、を有する。チューブ載置台121は、長尺の矩形板状であり水平方向に対して傾斜した姿勢で配置された支持板1211と、支持板1211における鉛直上側の端部から鉛直上方へ延在しチューブコンテナ125から供給されるチューブ容器T0を支持板1211へ案内する案内板1212と、を有する。ここで、支持板1211の厚さ方向における鉛直上方側が、水平方向に対して傾斜した長尺の傾斜面1211aを構成する。そして、チューブ載置台121は、チューブコンテナ125から支持板1211の傾斜面1211aの鉛直上側の端部へ供給された複数のチューブ容器T0が、それぞれの長手方向に直交する方向が傾斜面1211aの長手方向に沿うように並ぶように傾斜面1211a上に載置される。
【0016】
チューブ排出調整部124は、シャッタ1241と、シャッタ1241を駆動するシャッタ駆動部1242と、を有する。シャッタ1241は、チューブ載置台121の支持板1211の傾斜面1211aの鉛直下方側の端部に設けられ、傾斜面1211a上に載置された複数のチューブ容器T0を堰き止める閉状態と、複数のチューブ容器T0を傾斜面1211aの鉛直下方側の端部から流出させる開状態と、をとりうる。シャッタ駆動部1242は、例えばエアシリンダを有し、シャッタ1241を、前述の開状態と閉状態とを繰り返すように駆動することにより、チューブ容器T0を1つずつチューブ昇降部122へ排出する。チューブ整列機構126は、チューブ載置台121の傾斜面1211aに沿って揺動する揺動部材1261と、揺動部材1261を駆動する揺動駆動部1262と、を有する。揺動駆動部1262は、複数の歯車が組み合わされて構成された動力伝達機構(図示せず)を介して動力を揺動部材1261に伝達することにより揺動部材1261を揺動させる。
【0017】
チューブ昇降部122は、平面視長尺の矩形状でありその長手方向に沿って延在する1つのチューブ容器T0が載置される凹部1221aが設けられたチューブ載置テーブル1221と、チューブ載置テーブル1221を昇降駆動させるテーブル昇降駆動部1222と、を有する。ここで、テーブル昇降駆動部1222は、チューブ載置テーブル1221を、チューブ載置台121の傾斜面1211aの鉛直下方側の端部よりも鉛直下方に位置しチューブ載置台121から排出される1つのチューブ容器T0を受け取る受け取り位置と、傾斜面1211aの鉛直下方側の端部よりも鉛直上方に位置し1つのチューブ容器T0を搬送ユニット11へ移載する移載位置と、の間で昇降させる。
【0018】
チューブ押出部123は、チューブ容器T0を押し出す押出部1231と、押出部1231を支持する支持部材1232と、押出部1231および支持部材1232を纏めてチューブ載置テーブル1221の長手方向に沿った方向へ駆動する押出駆動部1233と、を有する。ここで、押出駆動部1233は、チューブ載置テーブル1221が前述の移載位置に配置された状態で、押出部1231を介してチューブ載置テーブル1221に載置された1つのチューブ容器T0を搬送ユニット11側へ押し出す。これにより、チューブ載置テーブル1221に載置された1つのチューブ容器T0が、案内部材18を通じて搬送ユニット11のチューブ保持部111へ移載される。
【0019】
ここで、チューブ供給ユニット12の動作について
図5乃至
図7を参照しながら詳細に説明する。
図5(A)に示すように、シャッタ1241が閉じた状態で、チューブT0がチューブ載置台121の支持板1211の鉛直上側に供給されると、支持板1211に支持された複数のチューブT0がシャッタ1241で堰き止められた状態となる。次に、チューブ昇降部122のテーブル昇降駆動部1222が、チューブ載置テーブル1221を矢印AR121に示すように前述の移載位置まで上昇させた後、チューブ排出調整部124のシャッタ駆動部1242が、矢印AR122に示すように、シャッタ1241を開閉させる。そうすると、1つのチューブ容器T0が、矢印AR123に示すように、シャッタ1241の上流側から下流側へ移動してチューブ載置テーブル124の側方に当接した状態となる。続いて、テーブル昇降駆動部1222が、矢印AR124に示すように、チューブ載置テーブル1221を前述の受け取り位置まで下降させる。このとき、シャッタ1241の下流側に移動していた1つのチューブ容器T0が、矢印AR125に示すように、支持板1221に沿って鉛直下方へ転動してチューブ載置テーブル1221の凹部1221a内に嵌まり込む。
【0020】
その後、テーブル昇降駆動部1222が、再びチューブ載置テーブル1221を矢印AR126に示すように前述の移載位置まで上昇させる。その後、チューブ押出部123の押出駆動部1233が、押出部1231を介してチューブ載置テーブル1221に載置された1つのチューブ容器T0を-Y方向側へ押し出すことにより、チューブ容器T0を、案内部材18を通じて搬送ユニット11のチューブ保持部111へ移載する。ここで、押出駆動部1233が、押出部1231を介してチューブ容器T0を押し出すのと同時に、シャッタ駆動部1242が、矢印AR127に示すように、シャッタ1241を開状態にした後閉状態にする。そうすると、1つのチューブ容器T0が、矢印AR128に示すように、シャッタ1241の上流側から下流側へ移動してチューブ載置テーブル124の側方に当接した状態となる。続いて、テーブル昇降駆動部1222が、矢印AR129に示すように、チューブ載置テーブル1221を前述の受け取り位置まで下降させる。このとき、シャッタ1241の下流側に移動していた1つのチューブ容器T0が、矢印AR130に示すように、支持板1221に沿って鉛直下方へ転動してチューブ載置テーブル1221の凹部1221a内に嵌まり込む。以後、前述の一連の動作が繰り返し実行されることにより、支持板1221に支持された複数のチューブ容器T0が、1つずつ順次搬送ユニット11のチューブ保持部111へと移載されていく。
【0021】
図1に戻って、洗浄ユニット15は、搬送ユニット11の鉛直上方に配置され、チューブ保持部111に保持されたチューブ容器T0の鉛直上方からチューブ容器T0の内側に空気を吹き付けることにより、チューブ容器T0内に存在する異物を除去する。洗浄ユニット15は、長尺円管状であり長手方向の一端部、即ち、-Z方向側の端部から気体を吐出する気体ノズル153と、気体ノズル153の長手方向における他端部、即ち、+Z方向側の端部から気体ノズル153内へ空気を供給する気体供給部151と、洗浄ヘッド154と、吸引部155と、を有する。洗浄ヘッド154は、
図2に示すように、円筒状であり、外壁に洗浄ヘッド154を気体ノズル153、吸引部155に対して着脱する際に作業者が指を引っ掛けることができる複数の窪み部154bが設けられている。また、洗浄ヘッド154は、
図8(A)に示すように、内側154aに気体ノズル153の-Z方向側の端部が配置される。吸引部155は、洗浄ヘッド154の内側154aに連通する吸引路155aを有し、気体ノズル153の-Z方向側の端部からチューブ容器T0の内側へ空気が吐出されたときにチューブ容器T0の内側から洗浄ヘッド154の内側154aへ飛散した異物を吸引する。ここで、洗浄ヘッド154の内側154aのその筒軸方向と直交する断面の面積は、チューブ容器T0の少なくとも+Z方向側の一端部におけるチューブ容器T0の筒軸方向と直交する方向における外形面積よりも大きい。即ち、洗浄ヘッド154の内径は、チューブ容器T0の+Z方向側の端部の外径よりも大きくなっている。これにより、
図8(B)の矢印AR11に示すように、洗浄ヘッド154を-Z方向側へ移動させることにより、洗浄ヘッド154の内側154aにチューブ容器T0の+Z方向側の端部が配置された状態とすることができる。そして、洗浄ユニット15では、洗浄ヘッド154の内側154aにチューブ容器T0の+Z方向側の端部が配置された状態で、矢印AR12に示すように気体ノズル153の-Z方向側の端部からチューブ容器T0の内側へ空気を吐出する。また、洗浄ユニット15では、吸引部155が、矢印AR13に示すように、気体ノズル153からチューブ容器T0の内側へ空気が吐出されたときにチューブ容器T0の内側から洗浄ヘッド154の内側154aへ飛散した異物を吸引する。
図1に戻って、また、洗浄ユニット15は、洗浄ヘッド154に対して鉛直上方へ加わる圧力を検知する圧力検知部152を有する。圧力検知部152は、検知された圧力を示す圧力情報を制御ユニット90へ送信する。
【0022】
姿勢検出ユニット16は、搬送ユニット11の鉛直上方に配置され、チューブ保持部111に保持されたチューブ容器T0のチューブ保持部111の保持ヘッド1111の筒軸周りに回転する方向へのチューブ容器T0の傾きを検出する。姿勢検出ユニット16は、
図9に示すように,-Z方向に向かうにつれて縮径する台形錐状の形状を有するコーン部162aを有しチューブ容器T0を支持する支持部材162と、支持部材162により+Z方向側の端部が支持されたチューブ容器T0の+Z方向側の端部を撮像する撮像部161と、チューブ容器T0を撮像する方向を調整するための撮像方向調整機構163と、を有する。ここで、チューブ容器T0の+Z方向側の端部を支持部材162のコーン部162aに当接させることにより、チューブ容器T0の中心軸がコーン部162aの中心を通る一定の姿勢でチューブ容器T0を支持させるいわゆる調芯機能を発揮させることができる。そして、制御ユニット90は、撮像部161により撮像された撮像画像におけるチューブ容器T0の鉛直上側の端部に設けられたマークの位置に基づいて、チューブ容器T0の傾きを特定し、特定した傾きに応じて姿勢調整ユニット19を制御する。なお、撮像方向調整機構163は、制御ユニット90から入力される制御情報に基づいて撮像部161の位置決めを実行するものであってもよい。
【0023】
姿勢調整ユニット19は、例えばチューブ容器T0における印刷面或いはラベルが貼着される面が予め設定された向きとなるようにチューブ容器T0のその筒軸方向周りに回転する方向における姿勢を調整する。姿勢調整ユニット19は、鉛直方向において姿勢検出ユニット16と搬送ベルト112を挟んで対向するように配置されている。この姿勢調整ユニット19は、周回軌道OB1における周回軌道OB1の中心よりも鉛直上側に位置する、チューブ保持部111に保持されたチューブ容器T0をチューブ容器T0の筒軸周りに回転させることによりチューブ容器T0の姿勢を調整する。姿勢調整ユニット19は、ユニットベース191と、スライドブッシュ192と、長尺のスプライン軸193と、支持部材194と、スプライン軸回転駆動部195と、を有する。スライドブッシュ192は、支持台91に固定されており、内側に嵌合されたスプライン軸193をZ軸方向へ移動自在に支持する。スプライン軸193の外壁には、長手方向に沿った複数の溝(図示せず)が形成されている。スプライン軸回転駆動部195は、スプライン軸193の外壁に形成された複数の溝に噛合するベルト1952と、ベルト1952が噛合する歯車1953と、歯車1953を回転駆動するモータ1951と、を有する。そして、スプライン軸回転駆動部195は、モータ1951により歯車1953を回転させることによりベルト1952を介してスプライン軸193をその長手方向に沿った中心軸周りに回転させる。ユニットベース191は、チューブ保持部111の保持部本体1112の内側に配置された保持ヘッド1111の下端部に当接可能なベース本体1912と、スプライン軸193の鉛直上方側の端部に固定されベース本体1912を昇降させるベース昇降駆動部1911と、を有する。支持部材194は、スプライン軸193の鉛直下方側の端部を回転自在に支持する。そして、姿勢調整ユニット19では、ベース昇降駆動部1911がベース本体1912を矢印AR14に示すように上昇させることにより、チューブ保持部111の保持ヘッド1111が保持部本体1112に対して回転可能な状態とする。次に、スプライン軸回転駆動部195が、矢印AR15に示すように、スプライン軸193およびチューブ保持部111に当接したベース本体1912を回転させることにより、チューブ容器T0の姿勢を調整する。ここで、スプライン軸回転駆動部195は、姿勢検出ユニット16の撮像部161により撮像された撮像画像に基づいて特定されたチューブ容器T0の傾きが、予め設定された傾きとなるように、スプライン軸193を回転させる。
【0024】
図1に戻って、充填ユニット13は、搬送ユニット11の前述の周回軌道OB1よりも鉛直上方に配置され、チューブ容器T0の鉛直上方側の一端部からチューブ容器T0内へワークを充填する。充填ユニット13は、ワークが貯留されるホッパ131と、チューブ容器T0へワークを吐出するワーク吐出ノズル132と、ホッパ131に貯留されたワークをワーク吐出ノズル132へ供給するワーク供給部133と、を有する。
【0025】
リフトユニット20は、
図10(A)に示すように、保持ヘッド1111を押し上げる押圧部材201と、押圧駆動部202と、を有する。押圧部材201は、長尺であり長手方向が支持プレート1121の厚さ方向に沿うように配置されている。押圧駆動部202は、押圧部材201の長手方向における鉛直上側の一端部、即ち、+Z方向側の端部をチューブ保持部111の保持部本体1112の内側に挿通させてチューブ保持部111の保持ヘッド1111に当接させた状態で押圧部材201を上昇させることにより保持ヘッド1111を押し上げてチューブ容器T0を保持した保持ヘッド1111を充填ユニット13のワーク吐出ノズル132の先端部に近づける。押圧駆動部202は、矩形板状であり押圧部材201の長手方向における他端部を支持する支持片2021と、長尺板状であり長手方向における一端部においてその厚さ方向に貫通し且つ長手方向に延在する長孔2022aが穿設された2つのアーム2022と、を有する。また、押圧駆動部202は、支持片2021の長手方向における両端部それぞれ固定され2つのアーム2022の長孔2022aに先端部が嵌入された状態で支持片2021を2つのアーム2022に連結する2つの連結ピン2023と、2つのアーム2022の長手方向における他端部を支点として2つのアーム2022を旋回駆動するモータ2024と、を有する。押圧駆動部202は、
図10(B)の矢印AR21に示すように2つのアーム2022を旋回駆動させることにより支持片2021に支持された押圧部材201を鉛直上方へ移動させることにより、保持ヘッド1111および保持ヘッド1111の保持されたチューブ容器T0をワーク吐出ノズル132に近づけて、チューブ容器T0の鉛直上方側の端部の内側にワーク吐出ノズル132の先端部を嵌入させる。これにより、チューブ容器T0の内側にワークを充填する際、ワーク吐出ノズル132から吐出されるワークがチューブ容器T0の外側へ飛散することを抑制できる。また、チューブ容器T0の-Z方向側のキャップが装着される部分の近傍へのワークの充填を的確に行うことができるとともに、チューブ容器T0の+Z方向側の後工程で封止される端部へのワークの付着を抑制することができる。
【0026】
図1に戻って、封止ユニット17は、前述の周回軌道OB1よりも鉛直上方に配置され、ワークが充填されたチューブ容器T0の鉛直上側の端部を封止する。封止ユニット17は、チューブ容器T0の鉛直上側の封止される平面視円形の端部を挟持して平坦な状態となるように押し潰して封止する圧潰部171と、潰された端部を鉛直下方側へ折り曲げる折曲加工部172と、折り曲げられたチューブ容器T0の端部を挟持して更に鉛直下方側へ折り曲げる折曲加工部173と、を有する。また、封止ユニット17は、更に、二度折り曲げられたチューブ容器T0の端部を厚さ方向における両側から加圧することによりチューブ容器T0の端部を封着することにより一方の端部が封止されたチューブ容器T1を形成する圧潰部174と、チューブ容器T1の端部に刻印を印字する印字部175と、を有する。
【0027】
折曲加工部172は、
図11(A)に示すように、チューブ容器T0の端部が+X方向側の載置面1721aに当接するステージ1721と、ステージ1721の+X方向側方からステージ1721に載置されたチューブ容器T0の端部をステージ1721に向かって押圧する押さえ爪1722と、を有する。また、折曲加工部172は、長尺であり長手方向における一端部にローラ1723aが設けられ、長手方向における他端部側に配置された支持部(図示せず)を中心に旋回移動するアーム1723と、チューブ容器T0の端部が折り曲げられた状態で当該端部の側方から当該端部をステージ1721に押さえつける押圧部1724aを有する押圧機構1724と、を有する。なお、折り曲げ加工部173も折り曲げ加工部172と同様の構成を有する。折り曲げ加工部172は、まず、チューブ容器T0の端部が押さえ爪1722の先端部から+Z方向側へ延出した状態で、ステージ1721の載置面1721aの+Z方向側の端部と押さえ爪1722との間でチューブ容器T0の端部を挟持する。次に、折曲加工部172は、
図11(B)の矢印AR51に示すように、アーム1723を旋回させて、チューブ容器T0の端部における押さえ爪1722の先端部から+Z方向側へ延出した部分にローラ1723aを-X方向側から押し当ててから押さえ爪1722の+Z方向側に沿って転動させることで、チューブ容器T0の端部を折り曲げる。続いて、折曲加工部172は、
図11(C)の矢印AR52に示すように、アーム1723を旋回させることでチューブ容器T0の端部から離間した状態にするとともに、矢印AR53に示すように、押さえ爪1722の先端部もチューブ容器T0の端部から離間した状態にする。その後、折曲加工部172は、矢印AR54に示すように、押圧機構1724の押圧部1724aの先端部をチューブ容器T0の端部に当接させてから、押圧部1724aをステージ1721側へ向かう方向へ付勢することで、当該端部をステージ1721の載置面1721aに押し付ける。
【0028】
また、封止ユニット17は、圧潰部171、174、折曲加工部172、173および印字部175を纏めて支持する支持部(図示せず)と、支持部を昇降させる昇降駆動部(図示せず)と、を有する。そして、昇降駆動部は、シャフト1761を介して連結されたハンドル1762を手動で回転されることにより、そのハンドル1762の回転方向に応じて前述の支持部を昇降させる。これにより、例えばメインテナンス時等において、ハンドル1762を手動で回転させて、圧潰部171、174、折曲加工部172、173および印字部175と搬送ベルト112との間の距離を微調整することができるので、特に、長さが異なる複数種類のチューブ容器T0、T1を扱う場合に作業者の利便性を高めることができる。
【0029】
チューブ回収ユニット14は、前述の周回軌道OB1を含む仮想平面VP1に沿った方向におけるチューブ供給ユニット12側とは反対側の周回軌道OB1の他方の側方、即ち、周回軌道OB1の-Y方向側に位置する。チューブ回収ユニット14は、
図12に示すように、筒状であり筒軸方向がZ軸方向と平行となる姿勢で搬送ユニット11の-Y方向側の側方に配置された回収ドラム141と、回収ドラム141の側壁に配設された複数の回収ホルダ142と、回収ドラム141を回転駆動するドラム駆動部143と、を有する。また、チューブ回収ユニット14は、チューブ容器T1の端部を挟持するチャック1441が先端部に設けられたアーム144と、アーム144をその長手方向に沿って昇降移動させるアーム昇降駆動部145と、アーム144をその長手方向に沿った回転軸周りに回転させるアーム回転駆動部146と、を有する。更に、チューブ回収ユニット14には、チューブ容器T1の外観を検査するための外観検査ユニット21が設けられている。
【0030】
回収ドラム141は、ドラム本体1411と、ドラム本体1411に固定され回収ドラム141の側壁を構成する複数の台形板状のパネル1412と、を有する。ドラム駆動部143は、ドラム本体1411に連結されたシャフト1431と、シャフト1431をその長手方向に沿った中心軸周りに回転駆動するモータ1432と、を有する。
【0031】
アーム昇降駆動部145は、アーム144を、その先端部に設けられたチャック1441が搬送ユニット11のチューブ保持部111に保持されたチューブ容器T1の端部を挟持できる第1位置と、チャック1441がチューブ容器T1を挟持した状態でチューブ容器T1が回収ホルダ142に対向する位置に配置される第2位置と、のいずれかへ昇降させる。回収ホルダ142は、ホルダ本体1421と、チャック1441により端部が挟持されたチューブ容器T1を保持するチューブ容器保持部1422と、を有する。ホルダ本体1421には、チューブ容器T1をチューブ容器保持部1422に対向する位置へ案内するガイド部1421aが突設されている。また、チューブ容器保持部1422は、チューブ容器T1を吸着保持する真空チャックを有する。
【0032】
外観検査ユニット21は、回収ドラム141の側方に配置され、回収ドラム141の側方から回収ホルダ142に保持されたチューブ容器T1を照明する環状の照明部212と、照明部212の内側から回収ホルダ142に保持されたチューブ容器T1を撮像する2つの撮像部211と、照明部212と2つの撮像部211とを纏めて支持する支持フレーム213と、を有する。支持フレーム213は、支持台92に固定されている。
【0033】
チューブ回収ユニット14では、
図13(A)に示すように、まず、アーム昇降駆動部145が、アーム144を前述の第1位置Pos1に配置してチャック1441にチューブ容器T1を保持させた後、矢印AR31に示すようにチューブ容器T1を保持したアーム144を上昇させる。そして、アーム回転駆動部146が、矢印AR32に示すようにチューブ容器T1をチューブ容器T1の長手方向に沿った中心軸周りに回転させる。次に、
図13(B)に示すように、アーム昇降駆動部145が、アーム144を第2位置Pos2に配置した状態で、チューブ容器保持部1422が、矢印AR33に示すように、チューブ容器T1の側壁を吸着保持する。このとき、チューブ容器保持部1422は、チューブ容器T1における印刷面或いはラベルが貼着される面側とは反対側を吸着保持する。その後、
図13(C)の矢印AR34に示すように、チャック1441がチューブ容器T1の挟持状態を解除し、アーム昇降駆動部145が、矢印AR35に示すようにアーム144をチューブ容器T1から離脱させる。このようにして、チューブ容器T1が、搬送ユニット11から回収ホルダ142へ移載される。次に、ドラム駆動部143が、ドラム本体1411を回転させることにより、外観検査を行うチューブ容器T1を保持した回収ホルダ142を外観検査ユニット21に対向する位置にまで移動させる。そして,外観検査ユニット21は、2つの撮像部211によりチューブ容器T1を撮像し、撮像して得られた画像情報を制御ユニット90へ送信する。
【0034】
制御ユニット90は、例えばCPU(Central Processing Unit)とメモリとを有するCPUユニットと、入出力制御ユニットと、を備えるPLC(Programmable Logic Controller)である。そして、CPUユニットのメモリに予め記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、制御ユニット90の各種機能が実現される。入出力制御ユニットは、姿勢検出ユニット16の撮像部161それぞれにバス信号線(図示せず)を介して接続され、撮像部161それぞれから送信される画像情報をCPUユニットへ出力する。また、入出力制御ユニットは、搬送ユニット11、チューブ供給ユニット12、充填ユニット13、洗浄ユニット15、姿勢検出ユニット16、封止ユニット17、姿勢調整ユニット19およびリフトユニット20にバス信号線を介して接続され、CPUユニットから入力される制御情報に基づいて、搬送ユニット11、チューブ供給ユニット12、充填ユニット13、洗浄ユニット15、姿勢検出ユニット16、封止ユニット17、姿勢調整ユニット19およびリフトユニット20それぞれへ制御信号を出力することにより、それぞれの動作を制御する。また、制御ユニット90は、圧力検知部152により検知された圧力が予め設定された基準圧力以上である場合、チューブ容器T0の形状が異常であると判定する形状異常判定部として機能する。
【0035】
次に、本実施の形態に係る充填機の動作について
図1および
図2を参照しながら説明する。まず、チューブ供給ユニット12から供給されるチューブ容器T0が、搬送ユニット11のチューブ保持部11に移載される。そして、搬送ユニット11は、移載されたチューブ容器T0を保持するチューブ保持部11を、洗浄ユニット15の洗浄ヘッド154の鉛直下方に配置する。次に、洗浄ユニット15は、洗浄ヘッド154の気体ノズル153からチューブ容器T0の内側に空気を吹き付けることにより、チューブ容器T0内に存在する異物を除去する。続いて、搬送ユニット11は、洗浄後のチューブ容器T0を保持するチューブ保持部11を姿勢検出ユニット16の撮像部161の鉛直下方に配置する。その後、姿勢調整ユニット19は、撮像部161により撮像された撮像画像におけるチューブ容器T0の鉛直上側の端部に設けられたマークの位置に基づいて、チューブ容器T0の傾きを特定し、特定した傾きに応じてチューブ容器T0のその長手方向に沿った中心軸周りに回転する方向における傾きを調整する。次に、搬送ユニット11は、傾きが調整されたチューブ容器T0を保持したチューブ保持部11を、充填ユニット13のワーク吐出ノズル132の鉛直下方に配置する。続いて、リフトユニット20が、押圧部材201の+Z方向側の端部をチューブ保持部111の保持部本体1112の内側に挿通させてその保持ヘッド1111に当接させた状態で押圧部材201を上昇させることにより保持ヘッド1111を押し上げてチューブ容器T0を充填ユニット13のワーク吐出ノズル132の先端部の内側に嵌入させる。その後、充填ユニット13が、チューブ容器T0の+Z方向側の端部の内側にワーク吐出ノズル132の先端部が嵌入した状態で、チューブ容器T0の内へワークを充填する。次に、リフトユニット20は、押圧部材201を下降させることにより、保持ヘッド1111が再び保持部本体1112に載置された状態にする。
【0036】
続いて、搬送ユニット11は、ワークが充填されたチューブ容器T0を封止ユニット17の圧潰部171、折曲加工部172、173、圧潰部174、印字部175の鉛直下方へ順次搬送していく。このとき、圧潰部171は、その鉛直下方に搬送されてきたチューブ容器T0の+Z側の端部を挟み込んで平坦に押し潰し、折曲加工部172、173は、それぞれ、それらの鉛直下方に搬送されてきたチューブ容器T0の+Z方向側の端部を挟持してその端部を鉛直下方側へ折り曲げる。そして、圧潰部174は、それらの鉛直下方に搬送されてきた+Z方向側の端部が折り曲げられたチューブ容器T0の+Z方向側の端部をその厚さ方向における両側から加圧することによりチューブ容器T0の+Z方向側端部を封着する。また、印字部175は、その鉛直下方に搬送されてきたチューブ容器T1の+Z側の端部に刻印を印字する。その後、搬送ユニット11は、封止ユニット17により+Z方向側の端部が封止されたチューブ容器T1をチューブ回収ユニット14の近くへ搬送し、チューブ回収ユニット14が、アーム144の先端部に設けられたチャック1441によりチューブ回収ユニット14の近くに搬送されてきたチューブ容器T1を保持する。そして、チューブ回収ユニット14は、チャック1441に保持されたチューブ容器T1を回収ホルダ142へ移載する。
【0037】
以上説明したように、本実施の形態に係る充填機によれば、搬送ユニット11が、チューブ容器T0、T1を保持する複数のチューブ保持部111を鉛直方向に沿った仮想平面面VP1内の周回軌道OB1に沿って搬送し、チューブ供給ユニット12、充填ユニット13、封止ユニット17およびチューブ回収ユニット14が、周回軌道OB1の周囲に配置されている。これにより、充填機のメインテナンスを行う作業者が、前述の仮想平面VP1と直交する一方向側、即ち、+X方向側から、チューブ供給ユニット12、洗浄ユニット15、姿勢検出ユニット16、充填ユニット13、封止ユニット17、姿勢調整ユニット19、リフトユニット20およびチューブ回収ユニット14の全てにアクセスすることができる。従って、作業者は、メインテナンス作業を効率的に行うことができる。
【0038】
また、本実施の形態に係るリフトユニット20は、鉛直方向において充填ユニット13と周回軌道OB1を挟んで対向して配置され、充填ユニット13によりチューブ容器T0内へワークを充填する際、チューブ容器T0を保持したチューブ保持部111の保持ヘッド1111を充填ユニット13のワーク吐出ノズル132に近づけてチューブ容器T0の+Z方向側の端部の内側へ嵌入させる。これにより、ワークを充填する際、ワークがワーク吐出ノズル132からチューブ容器T0の外側へ飛散することを抑制できる。
【0039】
更に、本実施の形態に係る姿勢調整ユニット19は、チューブ容器T0を保持するチューブ保持部111の保持ヘッド1111をチューブ容器T0の筒軸周りにチューブ容器T0を回転させることによりチューブ容器T0の姿勢を調整する。これにより、チューブ容器T0の+Z方向側の端部を封着してなるチューブ容器T1の直線状の封着部分の傾斜方向を一定に維持することができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は前述の各実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば封止ユニットが、チューブ容器T0の鉛直上側の端部に接触剤を塗布する接着剤塗布部と、接着剤が塗布されたチューブ容器T0の鉛直上側の端部を加熱する加熱部と、加熱されたチューブ容器T0の鉛直上側の端部に超音波を印加することにより当該端部を封着する超音波シール部と、封着されたチューブ容器T1の端部を冷却する冷却部と、を有するものであってよい。ここで、封止ユニットは、例えば
図14に示すような加熱部3176を有するものであってもよい。この加熱部3176は、温風を発生させる温風発生部31761と、温風発生部31761から流出する温風を整流する整流ヘッド31762と、整流ヘッド31762の-Z方向側に装着され先端部でチューブ容器T0の+Z方向側の端部の内側を保持する内側保持部31763と、を有する。また、加熱部3176は、長尺筒状であり内側に温風発生部31761の-Z方向側の端部と整流ヘッド31762と内側保持部31763とが配置される加熱部本体31765と、内側保持部31763の-Z方向側において内側保持部31763に対向配置され-Z方向側へ流れる温風をチューブ容器T0の+Z方向側の端部の内壁へ案内する整流板31764と、を有する。また、加熱部本体31765の側壁には、加熱部本体31765の内側に連通し加熱部本体31765と整流ヘッド31762との間の領域に流入した温風を加熱部本体31765の外側へ排出するための排出部31766を有する。この加熱部3176では、矢印AR61に示すように、温風発生部31761から流出し整流板31764により案内されてチューブ容器T0の端部の内壁に当たる。そして、チューブ容器T0の内壁に当たった温風は、矢印AR62に示すように、加熱部本体31765と整流ヘッド31762との間の領域に流入してから排出部31766により加熱部本体31765の外側へ排出される。
【0041】
また、前述の変形例において、封止ユニットが、例えば複数(例えば2つ)の加熱部を有し、チューブ容器T0の鉛直上側の端部を複数回(例えば2回)加熱する構成であってもよい。この場合、チューブ容器T1の生産のスループットを向上させるとともにチューブ容器T1の端部の封止性能を安定させることができる。
【0042】
実施の形態では、搬送ユニット11が、複数のチューブ保持部111を1つの周回軌道OB1に沿って配置された1つの搬送ベルト112で搬送する例について説明した。但し、これに限らず、例えば搬送ユニットが、周回軌道OB1が存在する仮想平面VP1と直交する方向に沿って並列する複数の搬送ベルト112により複数のチューブ保持部111を搬送するものであってもよい。この場合、充填機は、チューブ供給ユニット12、充填ユニット13、洗浄ユニット15、姿勢検出ユニット16、封止ユニット17、姿勢調整ユニット19およびリフトユニット20を、複数の搬送ベルト112毎に少なくとも1つずつ備える構成とすればよい。また、搬送ユニットが、用途に応じて、周回軌道OB1が存在する仮想平面VP1と直交する方向に沿って並列するように少なくとも1つの搬送ベルト112を増設したり削減したりすることができるものであってもよい。或いは、搬送ユニットが、用途に応じて、異なる仕様の搬送ベルト112と交換できるものであってもよい。具体的には、搬送ユニットが、異なる構造、寸法を有するチューブ保持部111に合わせて、貫通孔1121dの大きさ、形状が異なる支持プレート1121を有するものに交換できる搬送ベルト112と交換できるものであってもよい。
【0043】
実施の形態では、洗浄ユニット15が空気を吐出する例について説明したが、吐出する気体は空気に限定されるものではなく、例えば窒素ガスのような他の種類の気体であってもよい。
【0044】
実施の形態に係る充填機において、制御ユニット90が、姿勢検出ユニット16の撮像部161により撮像された撮像画像に基づいて、チューブ容器T0の+Z方向側の端部の位置、形状の異常有無の判定並びにチューブ保持部111に保持されたチューブ容器T0の有無の判定を行うものであってもよい。
【0045】
実施の形態に係る充填機において、周回軌道OB1に沿った方向における充填ユニット13と隣り合う位置に、ワーク充填後のチューブ容器T0におけるワークの充填量を検知する充填量検知ユニット(図示せず)を備えるものであってもよい。そして、制御ユニット90が、充填量検知ユニットにより検知された充填量に基づいて、充填ユニット13のワーク吐出ノズル132から吐出されるワークの量を制御するものであってもよい。
【0046】
実施の形態に係る充填機において、封止ユニット17が、例えば
図15に示すように、封着後のチューブ容器T1の+Z方向側の端部T1eの厚さを検出する機能を有する圧潰部2174を備えるものであってもよい。圧潰部2174は、板状でありチューブ容器T1の端部T1eを挟持する挟持片1741と、矢印AR41に示すように挟持片1741を互いに近づく方向または互いに遠ざかる方向へ駆動する挟持片駆動部1742と、を有する。そして、圧潰部2174は、2つの挟持片1741の間の距離を計測する距離計測部21743を有する。距離計測部21743としては、例えばレーザ測距センサを採用することができ、2つの挟持片1741の互いに対向する面側それぞれに配設されている。ここで、距離測定部21743は、検出された2つの挟持片1741の間の距離に応じた距離検出信号を制御ユニット90へ出力するようにしてもよい。この場合、制御ユニット90は、距離測定部21743から入力される距離検出信号に基づいて、チューブ容器T1の+Z方向側の端部T1eの厚さを算出し、算出した端部T1eの厚さに基づいて、圧潰部174によるチューブ容器T0の折り曲げられた+Z方向側の端部を挟持した状態で加圧する際の加圧力を制御するものであってもよい。
【0047】
実施の形態に係る充填機において、チューブ容器T1の漏れの有無を検知するリーク検知ユニット(図示せず)またはチューブ容器T1の厚さを検知する厚さ検知ユニット(図示せず)を備えるものであってもよい。また、充填機が、チューブ容器T1を撮像する撮像部を有し、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、チューブ容器T1に刻印された文字の位置、封着された端部の寸法またはチューブ容器T1の一部が切断された後の状態の異常有無を判定する外観異常判定ユニット(図示せず)を備えるものであってもよい。更に、実施の形態に係る充填機において、チューブ容器T1の重量を検知する重量検知ユニット(図示せず)を備えるものであってもよい。また、チューブ回収ユニット14において、回収ドラム141の側方に、チューブ容器T1の漏れの有無を検知するリーク検知ユニット(図示せず)を配設してもよい。
【0048】
実施の形態では、チューブ回収ユニット14において、アーム昇降駆動部145が、アーム144を前述の第1位置Pos1に配置してチャック1441にチューブ容器T1を保持させた後、チューブ容器T1を保持したアーム144を上昇させることによりチューブT1を回収する例について説明した。但し、これに限らず、例えば、搬送ユニット11の側方にチューブT1を次工程へ搬送するためのベルトコンベヤ(図示せず)が配置されている場合、チューブ回収ユニットが、搬送ユニット11のチューブ保持部111に保持されたチューブ容器T1を、ベルトコンベヤ側へ押し出すことによりチューブT1をベルトコンベヤへ移載する押出機構(図示せず)を備えるものであってもよい。
【0049】
実施の形態において、例えば
図16に示すようなチューブ回収ユニット4014を備えるものであってもよい。チューブ回収ユニット4014は、前工程からチューブ容器T1を受け入れる第1チューブシュート4141と、第1チューブシュート4141の下流側に配置された第2チューブシュート4142と、第1チューブシュート4141を第1チューブシュート4141の長手方向と直交する方向へ駆動するチューブシュート駆動部4143と、を有する。第1チューブシュート4141の内側には、例えば
図17(A)に示すような第1チューブシュート4141の長手方向に沿った軸周りに湾曲した湾曲部4141aが設けられている。そして、チューブシュート駆動部4143が、矢印AR71に示すように、チューブ容器T1が湾曲部4141aの中央部よりも右側に配置されるように第1チューブシュート4141を移動させたとする。この場合、チューブ容器T1は、矢印AR72に示すように、
図17(A)における左側へ倒れて表面T1fが鉛直上方を向く姿勢で、湾曲部4141aに載置される。一方、
図17(B)の矢印AR73に示すように、チューブ容器T1が湾曲部4141aの中央部よりも左側に配置されるように第1チューブシュート4141を移動させたとする。この場合、チューブ容器T1は、矢印AR74に示すように、
図17(B)における右側へ倒れて表面T1fが鉛直下方を向く姿勢で、湾曲部4141aに載置される。このように、本変形例に係るチューブ回収ユニット4014は、第1チューブシュート4141の位置を変更することにより、チューブ容器T1の姿勢を変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、ペースト状または液体状のワークをチューブ容器内へ充填する充填機として好適である。
【符号の説明】
【0051】
11:搬送ユニット、12:チューブ供給ユニット、13:充填ユニット、14:チューブ回収ユニット、15:洗浄ユニット、16:姿勢検出ユニット、17:封止ユニット、18:案内部材、19:姿勢調整ユニット、20:リフトユニット、21:外観検査ユニット、90:制御ユニット、91,92:支持台、111:チューブ保持部、112:搬送ベルト、113:スプロケット、114:ベルト駆動部、121:チューブ載置台、122:チューブ昇降部、123:チューブ押出部、124:チューブ排出調整部、125:チューブコンテナ、126:チューブ整列機構、131:ホッパ、132:ワーク吐出ノズル、133:ワーク供給部、141:回収ドラム、142:回収ホルダ、143:ドラム駆動部、144:アーム、145:アーム昇降駆動部、146:アーム回転駆動部、151:気体供給部、152:圧力検知部、153:気体ノズル、154:洗浄ヘッド、154a:内側、155:吸引部、161:撮像部、162,1232:支持部材、163:撮像方向調整機構、162a:コーン部、171,174,2174:圧潰部、172,173:折曲加工部、175:印字部、191:ユニットベース、192:スライドブッシュ、193:スプライン軸、194:支持部材、195:スプライン軸回転駆動部、201:押圧部材、202:押圧駆動部、212:照明部、211:撮像部、1111:保持ヘッド、1112:保持部本体、1113,1123:吸着部、1121:支持プレート、1121a:主片、1121b:延出片、1121c:脚片、1121d:貫通孔、1122,1431,1761:シャフト、1211:支持板、1212:案内板、1211a:傾斜面、1231:押出部、1233:押出駆動部、1261:揺動部材、1262:揺動駆動部、1411:ドラム本体、1412:パネル、1432,2024:モータ、1441:チャック、1721:ステージ、1721a:載置面、1722:押さえ爪、1723:アーム、1723a:ローラ、1724:押圧機構、1724a:押圧部、1762:ハンドル、2021:支持片、2022:アーム、2022a:長孔、2023:連結ピン、OB1:周回軌道、Pos1:第1位置、Pos2:第2位置、T0,T1:チューブ容器、VP1:仮想平面