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  • 特開-ウエハ吸着装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055781
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ウエハ吸着装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240411BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/304 648A
H01L21/304 643A
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023155556
(22)【出願日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】111138082
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522234840
【氏名又は名称】盛詮科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭 薪容
(72)【発明者】
【氏名】游 宗哲
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA37
5F131CA09
5F131CA12
5F131EB42
5F131EB43
5F131EB54
5F157AB02
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB11
5F157DA21
5F157DC90
(57)【要約】
【課題】旋回気流を発生させてウエハを固定するウエハ吸着装置の提供。
【解決手段】ウエハ吸着装置は、空気流入口が貫通するベースと、環本体と、複数の滑り止め体であって、それぞれが間隔をあけて環本体の頂面に突設されている複数の滑り止め体とを含み、ベース上に設けられる導流環と、一方の側面に円弧状である複数の流路が凹状に形成され、各流路の一端が互いに接続され、かつ空気流入口に連通し、各流路の他端が外側に延び、導流環から間隔を介し、導流環の環本体内に設けられ、かつベースに固設される導流蓋と、を含むウエハ吸着装置であり、これにより、ウエハを配置する時、ウエハとの接触面積を下げることにより、ウエハが摩耗される確率を減少するとともに、吹き付け方法によりウエハへの塵埃の付着を更に軽減し、ウエハの清浄度を維持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気流入口が貫通するベースと、
中空体である環本体と、複数の滑り止め体と、を含む導流環と、
蓋頂面と、蓋底面と、前記蓋頂面と前記蓋底面との間に位置する蓋環外側面と、を含む導流蓋と、を備え、
前記環本体は、外縁に隣接する一端に、外側方向に上向きに傾斜する環斜面が形成される環頂面と、環底面と、前記環頂面と前記環底面との間に位置する環内側面とを有し、
前記複数の滑り止め体は、それぞれが間隔をあけて前記環頂面に突設され、
前記導流環は、前記環底面を介して前記ベース上に設けられ、
前記蓋底面には、円弧状である複数の流路が凹状に形成され、
前記流路の夫々の一端は、互いに接続され、かつ前記空気流入口と連通し、
前記各流路の夫々の他端は、外側に延びて開口を形成し、
前記蓋環外側面は、円弧面であり、かつ前記前記環内側面から間隔をあけ、
前記導流蓋は、前記導流環の前記環本体内に設けられ、かつ前記蓋底面を介して前記ベースに固設される、ウエハ吸着装置。
【請求項2】
前記環内側面が円弧面であり、前記蓋環外側面と互いに平行である、請求項1に記載のウエハ吸着装置。
【請求項3】
前記複数の滑り止め体の夫々が、前記環頂面の表面より所定の高さだけ上方に突出している、請求項1又は請求項2に記載のウエハ吸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ吸着装置に関し、特に、吹き付け方法によりウエハをその上に位置決めするウエハ吸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の湿式プロセスの従来の技術について、その内の1つの工程は、ウエハの裏面に洗浄作業を行うものであり、詳しく述べると、まず、ウエハを1つの吸着盤に位置決めし、該吸着盤の上面に形成された複数の空気流入口の吸着力によりウエハを吸着盤に吸着させ、更に該吸着盤の回転により、その回転に連動してウエハを回転させ、ウエハが回転する過程において洗浄液をウエハ表面にスプレーして洗浄作業を行うものである。
【0003】
しかしながら、従来の技術の吸着盤は吸気による方法なので、一定の数の吸着孔を形成する必要があることに加え、ウエハとの接触面も一定の面積を有すればウエハを安定に保持することができるが、特に動的な回転の過程において滑動の現象が生じる場合には、ウエハとの接触面積は多ければ多いほど、ウエハに傷つける確率が顕著に高くなり、これにより製品の歩留まりが低下するので、従来の技術の吸着盤の全体構成には前記問題及び欠点が存在するので、改善する余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許第374935B号公報
【特許文献2】中国特許出願公開第112490171A号公報
【特許文献3】中国実用新案登録第201490173U号公報
【特許文献4】中国特許出願公開第107078084A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、ベースに導流環及び導流蓋を設けることにより、旋回気流を発生させてウエハに吹き付け、これにより、ウエハをその上に固定するウエハ吸着装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明が採用する技術手段は、以下のウエハ吸着装置を案出した。即ち、本発明のウエハ吸着装置は、
空気流入口が貫通するベースと、
中空体である環本体と、複数の滑り止め体と、を含む導流環と、
蓋頂面と、蓋底面と、前記蓋頂面と前記蓋底面との間に位置する蓋環外側面と、を含む導流蓋と、を備え、
前記環本体は、外縁に隣接する一端に、外側方向に上向きに傾斜する環斜面が形成される環頂面と、環底面と、前記環頂面と前記環底面との間に位置する環内側面とを有し、
前記複数の滑り止め体は、それぞれが間隔をあけて前記環頂面に突設され、
前記導流環は、前記環底面を介して前記ベース上に設けられ、
前記蓋底面には、円弧状である複数の流路が凹状に形成され、
前記流路の夫々の一端は、互いに接続され、かつ前記空気流入口と連通し、
前記各流路の夫々の他端は、外側に延びて開口を形成し、
前記蓋環外側面は、円弧面であり、かつ前記環内側面から間隔をあけ、
前記導流蓋は、前記導流環の前記環本体内に設けられ、かつ前記蓋底面を介して前記ベースに固設される、ウエハ吸着装置である。
【0007】
更に、前記環内側面が円弧面であり、前記蓋環外側面と互いに平行である。
【0008】
更に、前記複数の滑り止め体の夫々が、前記環頂面の表面より所定の高さだけ上方に突出している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の優れた点は、ウエハと本発明との接触面積を低減することにより、滑動によりウエハが摩耗される確率を減少し、かつ吹き付け方法によりウエハへの塵埃の付着を更に軽減し、ウエハの清浄度を維持することにある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の斜視外観図である。
図2】本発明の分解図である。
図3】本発明の導流蓋の底面図である。
図4】本発明の部分断面図である。
図5】本発明の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面及び本発明の好適な実施例を参照しながら、本発明の目的を達成するために講じた技術手段をさらに詳述する。
【0012】
図1及び図2に示すように、本発明のウエハ吸着装置は、ベース10と、導流環20と、導流蓋30と、を含む。
【0013】
ベース10は円形のシート体であり、空気流入口11、複数のベース内側孔12及び複数のベース外側孔13が貫通され、前記空気流入口11が中央に位置し、各ベース内側孔12及びベース外側孔13は、空気流入口11の周囲に間隔をあけて空気流入口11を囲むように配置されているが、これに限定されるものではなく、ベース10の形式はユーザのニーズに応じて任意に設計変更することができる。
【0014】
図2及び図4に示すように、導流環20は、環頂面211、環底面212及び環頂面211と環底面212との間に位置する環内側面213を有し、中空体である環本体21と、複数の滑り止め体22であって、それぞれが間隔をあけて環頂面211に突設され、環頂面211の表面より所定の高さだけ上方に突出している複数の滑り止め体22とを含む。また、導流環20は、複数の締め付け部材により各ベース外側孔13に穿設されて環底面212にねじ込まれることにより、ベース10上に固定される。尚、本実施例においては、環内側面213が円弧面であり、環底面212から環頂面211に向かって外側に傾斜し、即ちベルマウスの形状を呈し、環頂面211は、その外縁に隣接する端部に、外側方向に上向きに傾斜する環斜面214が形成されているが、これに限定されるものではなく、導流環20の形式はユーザのニーズに応じて任意に設計変更することができる。
【0015】
図2及び図4に示すように、導流蓋30は、蓋頂面31と、蓋底面32と、蓋頂面31と蓋底面32との間に位置する蓋環外側面33とを含み、蓋底面32には、円弧状である複数の流路34が凹状に形成され、各流路34の一端は互いに接続されて合流区35を形成し、各流路34の他端は外側に延びて出口36を形成する。尚、本実施例においては、各流路34が円弧状であり、かつ数は3つであることが好ましく、各流路34の曲げ方向は同一であり、該曲げ方向は、各流路34及び各出口36の前面視において、何れも反時計回り方向であるが、これに限定されるものではなく、各流路34の数及び形式はユーザのニーズに応じて任意に設計変更することができる。また、導流蓋30は、導流環20の環本体21内に設けられ、複数の締め付け部材により各ベース内側孔12に穿設されて蓋底面32にねじ込まれることにより、ベース10に固定される。各流路34の一端に位置する合流区35は空気流入口11と連通し、蓋環外側面33は円弧面であり、環内側面213と互いに平行で環内側面213と所定の間隔をおく。更に、平面視では、導流蓋30と導流環20との間に環状の空気流出口が形成され、蓋環外側面33と環内側面213との間に旋回流区37が形成される。
【0016】
本発明を使用する時は、図2及び図5に示すように、ウエハ40を各滑り止め体22に配置し、ベース10を外部空気供給装置(不図示)に接続し、外部空気供給装置により、気体を空気流入口11から供給し、気体を合流区35に流した後、各流路34を介して各出口36から放出させる。この設計によれば、各出口36は斜め向きの出口であるので、旋回流区37に位置する気体が同一方向に流れて旋回気流となり、上方に吹き出され、気体がウエハ40に当ると、ウエハ40の底面に沿って外側に向かって環斜面214から流れ出す。ウエハ40の下方の気体流れはウエハ40の上方の気体流れよりも速いことから、ウエハ40の上方の気体圧力は、ウエハ40の下方の気体圧力より高いので、ウエハ40を浮上しているように各滑り止め体22に位置決めることができる。このように、従来の技術に対して、ウエハ40との接触面積を低減することにより、ウエハ40が摩耗される確率を減少し、かつ吹き付け方法によりウエハ40への塵埃の付着を更に軽減し、ウエハ40の清浄度を維持することができる。
【0017】
前記過程において、環斜面214により気体を上方に案内するように移動させることができることから、気体が直接にウエハ40の底面を押して更なる支持力を提供することができ、これにより、ウエハ40が受ける力が均一となり、ウエハ40の位置決め安定性が向上するので、ウエハ40の変形を低減させることができる。
【0018】
以上の説明は、本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明に対して何ら限定を行うものではない。本発明について、比較的好適な実施形態をもって上記通り開示したが、これは本発明を限定するものではなく、すべての当業者が、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲において、開示された上記技術内容に基づいて、簡単な修正、変更及び修飾などの同等な変形が行われたものを、等価な実施例とすることができる。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲において、上記の実施形態に対して行ういかなる簡単な修正、変更及び修飾も本発明の技術的思想の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0019】
10 ベース
11 空気流入口
12 ベース内側孔
13 ベース外側孔
20 導流環
21 環本体
211 環頂面
212 環底面
213 環内側面
214 環斜面
22 滑り止め体
30 導流蓋
31 蓋頂面
32 蓋底面
33 蓋環外側面
34 流路
35 合流区
36 出口
37 旋回流区
40 ウエハ
図1
図2
図3
図4
図5