(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055783
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】印刷シート上の光沢差の視認性を低減するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023158345
(22)【出願日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】18/045,013
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ダラ ナネット ルビン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジェームズ オークス
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス リー バレス
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス クロッセン
(72)【発明者】
【氏名】ロン エドワード デュフォート
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA06
2C056EB27
2C056EB29
2C056EC12
2C056EC31
2C056EC32
2C056HA29
2C056HA46
2C056HA58
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光沢差の視認性を低減する。
【解決手段】少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリは、印刷システムのシート搬送アセンブリの少なくとも1つのシート搬送アセンブリ又は平滑化搬送サブアセンブリに動作的に接続される。平滑化ローラアセンブリは、搬送サブアセンブリに沿って配置された少なくとも1枚の印刷シートの少なくとも1つの印刷側の長さ及び幅の少なくとも部分的にローラがけするように設計されており、平滑化ローラアセンブリによって生成された圧力は、検出された光沢差を印刷インクから低減するように構成されている。少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリの少なくとも外面は、実質的に金属及びポリウレタンの少なくとも1つ以上である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光沢差の視認性を低減するための印刷システムであって、
少なくとも1枚の印刷シートによって反射された正反射光を測定するように適合された少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリであって、入射光が、前記インライン撮像ユニットに対して横方向及び縦方向のうちの少なくとも1つ以上に配置された少なくとも1つの光アセンブリによって生成されており、前記少なくとも1枚の印刷シートが、前記少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリと前記少なくとも1つの光アセンブリとの間に、かつ入射光及び正反射光の頂点における法線に対して実質的に垂直に配置されている、少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリと、
前記インライン撮像ユニットアセンブリによって測定された前記正反射光を分析するように適合された少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、前記分析が、印刷インクの光沢差を検出するように適合されている、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリであって、少なくとも1つのシート搬送アセンブリの平滑化搬送サブアセンブリに動作的に接続されている、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリと、を備え、
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリが、前記搬送サブアセンブリに沿って配置された前記少なくとも1枚の印刷シートの少なくとも1つの印刷側の長さ及び幅の少なくとも部分的にローラがけするように適合されており、前記平滑化ローラアセンブリによって生成された圧力が、検出された光沢差を低減するように構成されている、印刷システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリの少なくとも外面が、実質的に金属及びポリウレタンのうちの少なくとも1つ以上である、請求項1に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項3】
前記平滑化ローラアセンブリが、長手方向軸に沿って平行に整列された少なくとも1つの第1のローラ及び1つの第2のローラを含み、前記第1のローラ及び前記第2のローラが、対向する表面上に圧力を生成し、かつ反対方向に軸回転するように適合されており、前記少なくとも1枚の印刷シートが、それらの間でローラがけされる、請求項1に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリのローラ部材が、全長ニップを有するように適合されており、クラウン加工されている、請求項1に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項5】
入射光及び正反射光の角度が、それらの頂点の前記法線の反対側に実質的に等価であり、前記少なくとも1枚の印刷シートに対してそれぞれ20~24度である、請求項1に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項6】
前記少なくとも1枚の印刷シートが、光沢差を比較するための2つ以上のゾーンに分析的に断面的に分割される、請求項1に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリが、そこを通って入る前記少なくとも1枚の印刷シートの前方移動のペースよりも速く回転する、請求項1に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項8】
前記平滑化ローラアセンブリによって生成された前記圧力が、可変である、請求項1に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項9】
前記平滑化ローラによって生成された前記圧力が、機械的に誘導されたもの及び磁気的に誘導されたもののうちの少なくとも1つ以上である、請求項8に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項10】
光沢差の視認性を低減するための印刷方法であって、
インライン撮像ユニットアセンブリに対して横方向に配置された少なくとも1つの光アセンブリを用いて入射光を生成することと、
前記光アセンブリと前記インライン撮像ユニットアセンブリとの間に、前記入射光及び正反射光の頂点における法線に対して実質的に垂直に配置された少なくとも1枚の印刷シートによって反射された正反射光を、前記少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリを用いて測定することと、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサを用いて、前記インライン撮像ユニットアセンブリによって測定された正反射光を分析することであって、前記分析が、印刷インクの光沢差を検出するように適合されている、分析することと、
光沢差が許容レベル外にある場合、前記少なくとも1枚の印刷シートを平滑化ローラアセンブリに搬送することであって、前記ローラアセンブリが、少なくとも部分的に、選択された少なくとも1枚の印刷シートの少なくとも1つの印刷側の長さ及び幅である、搬送することと、
前記少なくとも1枚の印刷シート上に圧力を生成し、したがって、前記光沢差を低減することと、を含む、印刷方法。
【請求項11】
前記方法が、前記少なくとも1枚の印刷シートを平滑化搬送サブアセンブリに方向転換させることを更に含む、請求項10に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷方法。
【請求項12】
前記方法が、入射光を照らすことと、正反射光を測定することと、を更に含み、入射光及び前記正反射光の角度が、前記入射光及び前記正反射光の前記頂点における法線の反対側に実質的に等価であり、前記少なくとも1枚の印刷シートに対してそれぞれ20~24度である、請求項10に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷方法。
【請求項13】
前記方法が、前記少なくとも1枚の印刷シートを断面的に2つ以上のゾーンに分割することと、光沢差を比較することと、を更に含む、請求項10に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷方法。
【請求項14】
前記方法が、前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリを、そこを通って入る前記少なくとも1枚の印刷シートの前方移動のペースよりも速く回転させることを更に含む、請求項10に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷方法。
【請求項15】
前記方法が、光沢差を実質的にリアルタイムで測定することを更に含む、請求項10に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷方法。
【請求項16】
前記方法が、前記平滑化ローラアセンブリによって生成された前記圧力を変動させることを更に含む、請求項10に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷方法。
【請求項17】
前記方法が、前記平滑化ローラの前記可変圧力を、機械的に、及び磁気的に、のうちの少なくとも1つ以上で生成することを更に含む、請求項16に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷方法。
【請求項18】
光沢差の視認性を低減するための印刷システムであって、
少なくとも1枚の印刷シートによって反射された正反射光を測定するように適合された少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリであって、入射光が、前記インライン撮像ユニットに対して横方向及び縦方向のうちの少なくとも1つ以上に配置された少なくとも1つの光アセンブリによって生成されており、前記少なくとも1枚の印刷シートが、前記少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリと前記少なくとも1つの光アセンブリとの間に、入射光及び正反射光の頂点における法線に対して実質的に垂直に配置されている、少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリと、
前記インライン撮像ユニットアセンブリによって測定された前記正反射光を分析するように適合された少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、前記分析が、印刷インクの光沢差を検出するように適合されている、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリであって、少なくとも1つのシート搬送アセンブリに動作的に接続されている、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリと、を備え、
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリが、前記シート搬送アセンブリに沿って配置された前記少なくとも1枚の印刷シートの少なくとも1つの印刷側の長さ及び幅の少なくとも部分的にローラがけするように適合されており、圧力が、前記平滑化ローラアセンブリによって選択的に生成されて、検出された光沢差を低減する、印刷システム。
【請求項19】
前記平滑化ローラアセンブリによって生成された前記圧力が、可変である、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項20】
前記平滑化ローラによって生成された前記圧力が、機械的に誘導されたもの及び磁気的に誘導されたもののうちの少なくとも1つ以上である、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリの少なくとも外面が、実質的に金属及びポリウレタンのうちの少なくとも1つ以上である、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項22】
前記平滑化ローラアセンブリが、長手方向軸に沿って平行に整列された少なくとも1つの第1のローラ及び1つの第2のローラを含み、前記第1のローラ及び前記第2のローラが、対向する表面上に圧力を生成し、かつ反対方向に軸回転するように適合されており、前記少なくとも1枚の印刷シートが、それらの間でローラがけされる、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリのローラ部材が、全長ニップを有するように適合されており、クラウン加工されている、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項24】
入射光及び正反射光の角度が、それらの頂点の前記法線の反対側に実質的に等価であり、前記少なくとも1枚の印刷シートに対してそれぞれ20~24度である、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項25】
前記少なくとも1枚の印刷シートが、光沢差を比較するための2つ以上のゾーンに分析的に断面的に分割される、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリが、そこを通って入る前記少なくとも1枚の印刷シートの前方移動のペースよりも速く回転する、請求項18に記載の光沢差の視認性を低減するための印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の概念は、概して、印刷シート上の光沢差(gloss differential)の視認性を低減するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コーティングされたストックが高速インクジェットで印刷される場合、光沢差の線又はバンドが見え、関連する作業に受け入れられない場合がある。インクジェットシステムにおける印刷インクの外観は、少なくとも部分的に、コーティングされたストックの表面に依存する。コーティングされたストックが、マーキングされるか、擦れるか、こすれるか、又はページ上の小さな領域において変更されると、光沢差マークが、多くの場合、印刷プロセス方向に沿った薄いバンドとして、現れることがある。しかしながら、光沢差は、印刷シート上の光沢における任意の視覚的に検出可能な異常であり得る。光沢差の量はまた、特に実質的な表面が均一な色を有することが意図される場合に、大きなベタ領域(solid area)上で光沢バンドがより見えやすくなるシート上のインクの量に依存する。現在、光沢差に対処する一般的な方法は、プリンタヘッドを交換すること、異なる紙を使用すること、あるいは画像を移動させて、ソリッドカラーの大きな領域がバンド領域の外側に配置されるようにして、バンドの視認性を低減させるか、又はニス引き若しくはコーティングなどの仕上げ動作を追加することである。しかしながら、そのような変更が更なる光沢差を作り出すことを防止することに成功し得る場合であっても、既に印刷された他の使用可能な印刷紙ストックは廃棄されなければならない場合がある。したがって、完成された印刷シートが差分マークを有することなく光沢印刷を生成するための改善された方法が市場における必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
光沢差の視認性を低減するための印刷システム及び印刷方法が開示される。印刷システムは、少なくとも1枚の印刷シートによって反射された正反射光(specular light)を測定するように設計されている少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリを有し、入射光は、少なくとも1枚の印刷シートのプロセス方向に対してインライン撮像ユニットに対して横方向及び縦方向のうちの少なくとも1つ以上に配置された少なくとも1つの光アセンブリによって生成されており、少なくとも1枚の印刷シートは、少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリと少なくとも1つの光アセンブリとの間に、かつ入射光及び正反射光の頂点における法線に対して実質的に垂直に配置されている。少なくとも1つの関連するコンピュータプロセッサは、インライン撮像ユニットアセンブリによって測定された正反射光を分析するように設計されており、分析は、印刷インクの光沢差を検出するように設計されている。
【0004】
光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリは、印刷システムの少なくとも1つのシート搬送アセンブリの平滑化搬送サブアセンブリに動作的に接続される。少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリは、搬送サブアセンブリに沿って配置された少なくとも1枚の印刷シートの少なくとも1つの印刷側の長さ及び幅の少なくとも部分的にローラがけするように設計されており、平滑化ローラアセンブリによって生成された圧力は、検出された光沢差を低減するように構成されている。
【0005】
光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリは、搬送サブアセンブリの代わりに少なくとも1つのシート搬送アセンブリに動作的に接続され、少なくとも1つのシート搬送アセンブリの一部分である。これらの実施形態では、平滑化ローラアセンブリによって生成された圧力は、可変であり、要求に応じて平滑化に関与する。
【0006】
光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリの少なくとも外面は、実質的に金属及びポリウレタンのうちの少なくとも1つ以上である。光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、平滑化ローラアセンブリは、長手方向軸に沿って平行に整列された少なくとも1つの第1のローラ及び1つの第2のローラを含み、第1のローラ及び第2のローラが、対向する表面上に圧力を生成し、かつ反対方向に軸回転するように設計されており、少なくとも1枚の印刷シートは、それらの間でローラがけされる。
【0007】
光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリのローラ部材は、全長ニップを有するように設計されており、クラウン加工されている。光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、入射光及び正反射光の角度は、法線の反対側に実質的に等価であり、少なくとも1枚の印刷シートに対してそれぞれ20~24度である。光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、少なくとも1枚の印刷シートは、光沢差を比較するための2つ以上のゾーンに分析的に断面的に分割される。光沢差の視認性を低減するための印刷システムのいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリは、そこを通って入る少なくとも1枚の印刷シートの前方移動のペースよりも速く回転する。
【0008】
光沢差の視認性を低減するための印刷システムの任意の実施形態では、平滑化ローラアセンブリによって生成された圧力は、可変であってもよい。これらの実施形態では、平滑化ローラによって生成された圧力は、機械的に誘導されたもの及び磁気的に誘導されたもののうちの少なくとも1つ以上であってもよい。
【0009】
ここで、代表的なシステム及び対応する代表的な方法を含む本発明の概念は、添付の図面を参照して以下でより完全に説明され、添付の図面は、この概要、詳細な説明、並びに具体的に論じられるか又は別様に開示される任意の好ましい及び/又は特定の実施形態の両方と併せて読まれることが意図される。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、例示のためだけに提供され、したがって、本開示は、徹底的で完全であり、本発明の概念の全範囲を当業者に十分に伝えるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】搬送アセンブリの平滑化搬送サブアセンブリ上に配置された平滑化ローラを有する、光沢差の視認性を低減するための代表的な印刷システムを示す。
【
図1B】搬送アセンブリ上に配置された平滑化ローラを有する、光沢差の視認性を低減するための第2の代表的な印刷システムを示す。
【
図3】印刷インクの光沢差を検出するために正反射光を作り出し分析するための代表的なシステムを示す。
【
図4A】平滑化搬送サブアセンブリを有する代表的な平滑化ローラアセンブリを示す。
【
図4B】平滑化搬送サブアセンブリを有する代表的な平滑化ローラアセンブリを示す。
【
図5】単一及び双対力ベクトルを用いた代表的な平滑化結果を示す。
【
図6A】クラウン加工されたローラ部材及びクラウン加工されていないローラ部材を示す。
【
図6B】クラウン加工されたローラ部材及びクラウン加工されていないローラ部材を示す。
【
図7A】輸送アセンブリに沿った代表的な平滑化ローラアセンブリを示す。
【
図7B】輸送アセンブリに沿った代表的な平滑化ローラアセンブリを示す。
【
図8A】光沢差の視認性を低減するための代表的な方法を示す。
【
図8B】光沢差の視認性を低減するための代表的な方法を示す。
【
図9】光沢差の視認性を低減するための代表的な方法の第2の図である。
【
図10】異なる種類の媒体基材上にカラー画像を生成することができる従来技術の高速カラーインクジェットプリンタのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下は、本開示及び関連するプリンタ環境による方法及び装置に関する様々な関連概念、並びにそれらの実施形態のより詳細な説明である。上記で紹介され、以下でより詳細に説明される主題の様々な態様は、主題が実装のいかなる特定の様式にも限定されないので、多数の方法のいずれかで実装され得ることを理解されたい。特定の実装形態及び用途の例は、主に例示の目的で提供される。
【0012】
プリンタ及びプリンタ動作方法の環境の一般的な理解のために、プリンタ及びプリンタ動作方法の要素が、印刷シート上の光沢差の視認性を低減するための開示されたシステム及び方法の詳細とともに、本明細書に開示される。光沢差Dは、印刷シート上の光沢における任意の視覚的に検出可能な異常であり得る。図面では、同様の参照番号が、同様の要素を指定するために図面を通じて使用されている。本明細書で使用するとき、「プリンタ」という単語は、インク滴を異なる種類の媒体基材上に噴射してインク画像を形成する任意の装置を包含する。
【0013】
図10は、従来技術の高速カラーインクジェットプリンタ10を示す。この代表的な実施形態に示されるように、プリンタ10は、媒体シートS
1又はS
2の供給部のうちの1つから剥ぎ取られた媒体シートの表面にインク画像を形成するプリンタであり、シートSは、ローラ48又はコンベヤ52の少なくとも1つの駆動ローラ(少なくとも1枚のシートSが少なくとも1つのプリントヘッドモジュール34A、34B、34C、及び34Dを通って少なくとも1回移動する媒体搬送部アセンブリ42を備える)に動作可能に接続されたアクチュエータ40のうちの1つ以上を動作させるコントローラ80によってプリンタ10を通って移動させられる。電極が埋め込まれた高誘電率材料のプラテン104が、媒体搬送部アセンブリ42並びにプリントヘッドモジュール34A、34B、34C、及び34Dの下に、互いにかみ合うように動作的に配置される。
【0014】
プリンタ10は、媒体シートの2つの供給部62を備えて示されているが、代表的なプリンタは、1つ、3つ、及びそれ以上のシート供給部を含む他の数の供給部を備えて構成することができ、その各々は、異なる種類又はサイズの媒体を収容することができる。
【0015】
図10に示されるように、印刷された画像は、インク画像がシートS上に印刷された後、画像乾燥機38の下を通過する。画像乾燥機38は、インク画像を加熱し、画像をウェブに少なくとも部分的に固定するために、赤外線ヒータ、加熱空気送風機、エアリターン、又はこれらの構成要素の組み合わせを含むことができる。赤外線ヒータは、ウェブの表面上の印刷された画像に赤外線熱を加えて、インク中の水又は溶媒を蒸発させる。加熱空気送風機は、扇風機、又は他の加圧空気源を使用して、インク上に加熱空気を方向付けて、インクからの水又は溶媒の蒸発を補う。次いで、空気が収集され、空気戻りによって排気されて、プリンタ内の他の構成要素との乾燥機空気流の干渉を低減する。
【0016】
二重経路72は、基材が印刷された後に搬送システム42からシートSを受け入れ、そのシートを、印刷ヘッドを通過する移動方向とは反対方向にローラ48の回転によって移動させるように提供される。二重経路72内の位置76において、基材は、媒体搬送システム42によって運ばれているジョブストリームに合流することができるように、反転されることができる。コントローラ80は、シートSを選択的にひっくり返すように構成されている。すなわち、コントローラ80は、シートの裏面を印刷できるようにシートを反転させるためにアクチュエータを動作させることができるか、又はシートの印刷された面を再び印刷できるように、シートを反転させることなくシートが搬送経路に戻されるように、アクチュエータを動作させることができる。
【0017】
枢動部材88の移動により、二重経路72へのアクセスが提供される。枢動部材88の回転は、枢動部材88に動作可能に接続されたアクチュエータ40を選択的に動作させるコントローラ80によって制御される。
図10に示すように枢動部材88が反時計回りに回転されるとき、媒体搬送部42からの基材は、二重経路72に方向転換される。枢動部材88を方向転換位置から時計回り方向に回転させることにより、二重経路72へのアクセスが閉じられ、その結果、媒体搬送部上の基材は、容器56に移動し続ける。別の枢動部材86が、二重経路72にある位置76と媒体搬送部42との間に位置付けられている。コントローラ80が、アクチュエータを動作させて、枢動部材86を反時計回り方向に回転させると、二重経路72からの基材は、媒体搬送部42上でジョブストリームに合流する。枢動部材86を時計回り方向に回転させることにより、媒体搬送部42への二重経路アクセスが閉じられる。
【0018】
図10に更に示されるように、二重経路72に方向転換されなかった印刷媒体シートSは、媒体搬送部によって、これらのシートが収集されるシート容器56に運ばれる。印刷シートが容器56に到達する前に、これらのシートは、光学センサ84を通り過ぎる。光学センサ84は、印刷シートの画像データを生成し、この画像データは、コントローラ80によって分析され、インクを噴射するように動作したインクジェットがあれば、実際に噴射したか、又は適切な質量を有するインク滴を噴射しなかったか、又はシート上に不規則に到達したかどうかを判定するように構成されている。
【0019】
ユーザは、ユーザインターフェース50を動作させて、動作不能なインクジェットの数及び動作不能なインクジェットが位置する印刷ヘッドを特定するインターフェース上に表示されるレポートを取得することができる。光学センサは、デジタルカメラ、LEDのアレイ、及び光検出器、又は通過表面のデジタル画像データを生成するように構成された他のデバイスとすることができる。
【0020】
本発明の概念に関連して、光学センサ84が配置されるプリンタ10の領域に一般的に配置され、
図1A、
図1B、及び
図3に示すように、少なくとも1つの光アセンブリ110が、その動作及び構成が説明されるインライン撮像ユニットアセンブリ100に対して横方向に配置される。画像データは、データベース92に記憶され、そこから検索されてもよく、データは、画像分析を比較及び精緻化するために使用されてもよい。
【0021】
既に述べたように、媒体搬送部はまた、シートを反転させ、そのシートを、印刷ヘッドモジュールの前に搬送部に戻すことができ、その結果、シートの反対側を印刷することができる二重経路を含む。
図10は、シート容器56に収集されている印刷シートを示しているが、これらのシートは、媒体シートの折り畳み、丁合、綴じ、及びステープル留めなどの作業を実施する他の処理ステーション(図示せず)に方向付けることができる。
【0022】
機械又はプリンタ10の様々なサブシステム、構成要素及び機能の動作及び制御は、コントローラ又は電子サブシステム(electronic subsystem、ESS)80の助けを借りて実施される。ESS又はコントローラ80は、印刷ヘッドモジュール34A~34D(したがって印刷ヘッド)、アクチュエータ40、及び乾燥機38の構成要素に動作可能に接続されている。ESS又はコントローラ80は、例えば、電子データ記憶装置を備えた中央処理装置(central processor unit、CPU)、及びディスプレイ又はユーザインターフェース(user interface、UI)50を有する内蔵型の専用ミニコンピュータである。ESS又はコントローラ80は、例えば、センサ入力及び制御回路、並びに画素配置及び制御回路を含む。加えて、CPUは、走査システム又はオンライン若しくはワークステーション接続(図示せず)などの画像入力源と、印刷ヘッドモジュール34A~34Dとの間の画像データの流れを読み出し、捕捉し、準備し、かつ管理する。したがって、ESS又はコントローラ80は、印刷プロセスを含む他の全ての機械サブシステム及び機能を操作及び制御するための主要なマルチタスクプロセッサである。
【0023】
コントローラ80は、プログラム命令を実行する汎用又は専用のプログラマブルプロセッサを用いて実装することができる。プログラムされた機能を実施するために必要とされる命令及びデータは、プロセッサ又はコントローラに関連付けられたメモリ内に記憶され得る。プロセッサ、それらのメモリ、及びインターフェース回路は、以下に説明される動作を実施するようにコントローラを構成する。これらの構成要素は、印刷回路カード上に提供され得るか、又は特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)内の回路として提供され得る。回路の各々は、別個のプロセッサで実装することができるか、又は複数の回路は、同じプロセッサ上に実装することができる。代替的に、回路は、超大規模集積回路(very large scale integrated、VLSI)内に提供される個別の構成要素又は回路で実装することができる。また、本明細書に説明される回路は、プロセッサ、ASIC、個別の構成要素、又はVLSI回路の組み合わせで実装することができる。
【0024】
動作中、生成される画像の画像コンテンツデータは、印刷ヘッドモジュール34A~34Dに出力される印刷ヘッド制御信号の処理及び生成のための、走査システム又はオンライン若しくはワークステーション接続のいずれかからコントローラ80に送信される。画像コンテンツデータとともに、コントローラは、媒体の重量、媒体の寸法、印刷速度、媒体の種類、各シートの各面上に生成されるインク領域被覆率、各シートの各面上に生成される画像の位置、媒体の色、繊維状媒体の媒体繊維配向、印刷ゾーンの温度及び湿度、媒体の含水量、並びに媒体の製造業者を特定する印刷ジョブパラメータを受信する。本文書で使用するとき、「印刷ジョブパラメータ」という用語は、印刷ジョブのための非画像コンテンツデータを意味し、「画像コンテンツデータ」という用語は、媒体シート上に印刷されるインク画像を特定するデジタルデータを意味し、本開示では、印刷シートSが光沢差Dを有し得るというリスクを決定するために使用され得る。
【0025】
図1A及び
図1Bは、
図2A~
図2Cに示すように、印刷インクの光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10の代表的な実施形態が開示されていることを示す。印刷システム10は、少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリ100と、
図3に示すように、少なくとも1枚の印刷シートSによって反射された正反射光30を測定するように設計されているマシンビジョンカメラと、インライン撮像ユニットアセンブリ100に対して横方向に配置されている少なくとも1つの光アセンブリ110によって生成された入射光31と、少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリ100と少なくとも1つの光アセンブリ110との間に、かつ入射光及び正反射光の頂点35において法線39に対して実質的に垂直に配置されている少なくとも1枚の印刷シートSと、を有する。少なくとも1つの光アセンブリ110はまた、印刷シートSのプロセス方向においてインライン撮像ユニットアセンブリ100に対して長手方向に配置されてもよく、両方の配向は、所与の印刷システム10において使用されてもよい。光沢差Dの低減された視認性は、絶対的である必要はないが、人間の目が検出することが困難から不可能である範囲内にあるように設計されており、困難とは、画像を見る通常の人が、精査せずに差に気付かないことを意味する。
【0026】
図1A及び
図1Bは、少なくとも1つの関連するコンピュータプロセッサ80が、インライン撮像ユニットアセンブリ100によって測定された正反射光30を分析するように設計されており、この分析が、光沢差Dを検出するように設計されていることを更に示している。少なくとも1つのコンピュータプロセッサ80は、別個のプロセッサであってもよく、既にプリンタシステムの一部分である少なくとも1つのコンピュータプロセッサ80であってもよい。コンピュータプロセッサ80は、画像が印刷されているかどうか、印刷されている画像の種類、画像のサイズ、画像の色、インクの種類、紙ストックの種類、及びプリントヘッド34A~34Dの状態などの情報に基づいて、所与の印刷シートSに光沢差Dを有するリスクがあるかどうかを更に決定することができるが、これらに限定されない。
【0027】
図3は、光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10のいくつかの実施形態では、入射光31及び正反射光30の角度が、法線の反対側に実質的に等価であり、少なくとも1枚の印刷シートSに対して、それぞれ20~24度であることを更に示している。他の角度が使用されてもよく、使用され得る最良適合角度と所与の印刷システム10内で利用可能な角度との間のトレードオフを伴ってもよい。異なる角度に対する補償は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ80内で行われてもよい。好ましい実施形態では、角度は約22度であるが、他の角度が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、インライン撮像ユニット100及び光アセンブリ110のうちの少なくとも1つ以上は、光沢差Dを走査することを容易にするために可変であってもよい。
【0028】
図2C及び
図3に更に示されているように、光沢差Dの視認性を低減するための代表的な印刷システム10の実施形態では、少なくとも1枚の印刷シートSが、断面的に又はプロセス方向にのうちの少なくとも1つ以上に、光沢差を比較するための2つ以上のゾーン250に分析的に分割される。ゾーン250の数に上限はなく、ゾーン250の数は、所与の印刷システム10にとって許容可能とみなされた光沢差平滑化に依存し得る。結果として得られる光沢差の測定値は、少なくとも1枚の紙シートSにわたるゾーン250に割り当てられる。
【0029】
代表的なゾーン250は、光沢差をバンドとして示しており、光沢差のサブセットとして光沢バンド差と呼ぶことができ、代表的な実施形態では、バンドは、プロセス方向に沿って延在する印刷シートの領域である。他のバンド配向が使用されてもよい。測定値は、1つの代表的な実施形態では、任意のゾーン250が他のゾーンよりも20パーセントを超えて大きいか否かを確認するために互いに比較される。他のパーセンテージ閾値が使用されてもよく、パーセンテージは更に、同じ少なくとも1枚の印刷シートS上であっても、色、コントラスト、テクスチャ、及び色合いのうちの少なくとも1つ以上に基づいて変動してもよい。所与のパーセンテージ閾値が、交差すること及び交差すると予測されることのうちの少なくとも1つ以上である場合、少なくとも1枚の紙シートSは、
図1Aに示すように、少なくとも1つのシート搬送アセンブリ72から旋回部材89を介して平滑化搬送サブアセンブリ162に方向転換されてもよい。
【0030】
図1Aは、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリ140が、印刷システム10の少なくとも1つのシート搬送アセンブリ42の平滑化搬送サブアセンブリ162に動作的に接続されていることを示す。少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリ140は、搬送サブアセンブリ162に沿って配置されている少なくとも1枚の印刷シートSの少なくとも1つの印刷側の長さ及び幅の少なくとも部分的にローラがけするように設計されている。平滑化ローラアセンブリ140によって生成された圧力は、検出された光沢差Dを低減するように構成されている。開示された実施形態では、
図6A~
図6Bに示すように、平滑化ローラは、少なくとも1枚の印刷シートSの水平スパン全体を平滑化することができる。光沢差Dの視認性を低減するための代表的な印刷システム10のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリ140は、そこを通って入る少なくとも1枚の印刷シートSの前方移動のペースよりも速く回転する。
【0031】
図4A~
図4B及び
図7A~
図7Bに示すように、光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10のいくつかの実施形態では、平滑化ローラアセンブリ140は、長手方向軸646に沿って平行に整列された少なくとも1つの第1のローラ141及び1つの第2のローラ142を含み、第1のローラ141及び第2のローラ142は、対向する表面145上に圧力を生成し、かつ反対方向に軸回転するように設計されており、少なくとも1枚の印刷シートSは、それらの間でローラがけされる。
【0032】
図4A~
図4Bに更に示されるように、光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10のいくつかの実施形態では、平滑化ローラアセンブリ140によって生成された圧力は、可変であってもよい。これらの実施形態では、平滑化ローラ141、142によって生成された圧力は、機械的に誘導されたもの及び磁気的に誘導されたもののうちの少なくとも1つ以上であってもよい。そのような実施形態は、ローラ支持体を互いに向かって引き寄せ得るような、ばね、回転及び螺旋状ねじ山付き部材、油圧部材、電磁石などの当該技術分野で公知の要素から力を集め得、可変構成要素ではないが、ローラ部材141、142が静止状態にあるときに互いに対してどのように押圧し得るかに基づいて保持され得る圧力を集め得る。機械的圧力を生成する他の方法が使用されてもよい。これらの実施形態では、平滑化ローラアセンブリ140の平滑化ローラ141、142の一方又は両方に、実質的に無圧から、所与のシステムが生成することができる力及び少なくとも1枚の印刷シートS上に所望の結果をもたらす圧力に対して設定された上限までの範囲の機械力が加えられてもよい。いくつかの実施形態は、全体的又は部分的に重力に依存して、上部ローラ141から圧力を生成してもよい。いくつかの実施形態では、平滑化ローラアセンブリ140は、ローラ部材141、142の温度を変化させるために意図的な熱伝達のために設計されてもよい。熱伝達は、ローラ部材141、142の温度を上昇又は低下させるために使用されてもよい。
【0033】
図5に示すように、光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリ140の少なくとも外面145は、金属57及びポリウレタン58のうちの実質的に少なくとも1つ以上である。金属の実施形態57は、同等のポリウレタンの実施形態58で好都合であり得るよりも高い圧力を少なくとも1枚の印刷シートS上に付与するように設計され得る。
【0034】
図6A~
図6Bは、光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリ140のローラ部材は、全長ニップ643を有するように設計されており、クラウン加工されている644ことを示す。クラウン加工644の程度は、金属表面又はポリウレタン表面145が使用されるかどうか、及び少なくとも1枚の印刷シートSに加えられる圧力の範囲に少なくとも部分的に依存してもよく、予想される動作を考慮すると、システムは、少なくとも1枚の印刷シートSの標的スパン全体にわたって実質的に均一な圧力を加えることができる。
【0035】
図6A~
図6Bは、光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10のいくつかの実施形態では、平滑化ローラアセンブリ140は、少なくとも1枚の印刷シートSの一部分にわたってのみローラがけしてもよく、そのような実施形態では、関連する平滑化ローラ部材141、142は、
図5に示すように、印刷シートSの幅より狭くてもよく、少なくとも1枚の印刷シートSの水平スパンにわたって移動可能であってもよいことを更に示す。任意の実施形態では、2対以上のローラ部材141、142が使用されてもよい。
【0036】
図1Bは、光沢差Dの視認性を低減するための印刷システム10のいくつかの代替実施形態では、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリ140が、少なくとも1つのシート搬送アセンブリ42に動作的に接続されることを示す。これらの実施形態では、平滑化ローラアセンブリ140によって生成された圧力は、少なくとも1枚の印刷シートSがシート搬送アセンブリ42に沿ったその標準経路上を通過する際に可変であるように設計されている。平滑化ローラアセンブリ140によって生成された圧力は、必要なモータ、カム、支持体、及びローラ部材141、142によって生成された圧力を調節するために必要とされる他の要素を含むであろう係合アセンブリ155を介して、要求に応じて、機械的に誘導されたもの及び磁気的に誘導されたもののうちの少なくとも1つ以上であってもよい。これらの実施形態では、少なくとも1つのローラ部材141、142は、不要なときに圧力を送達しないように後退可能であってもよい。いくつかの実施形態では、
図1Aに示すように、少なくとも1枚の印刷シートSは、シート搬送サブアセンブリ162に沿って平滑化ローラアセンブリ140に方向転換されてもよいが、これらの代替的な実施形態では、
図1Bに示すように、少なくとも1枚の印刷シートSは、方向転換される必要なく少なくとも1つのシート搬送アセンブリ42上に留まる。しかしながら、平滑化ローラアセンブリ140を少なくとも1枚の印刷シートS上で使用することを反映するために、任意の実施形態における流速にいくらかの変動が生じ得る。
【0037】
開示された印刷システム10の実施形態では、少なくとも1枚の印刷シートSに塗布され、塗布されたインクは乾燥又は実質的に乾燥しており、インクは、少なくとも1枚の印刷シートSに付着したままである。任意の実施形態における流速のいくつかの変動は、使用されるインク及び紙シートSの種類を反映するように生じ得る。
【0038】
印刷システム10は、光沢差Dを作り出すことができ、かつ光沢差Dを低減するために圧力に応答するインク又はインク状物質を塗布することができるインクジェットプリンタ、圧電プリンタ、又は他のプリンタであってもよい。
【0039】
図8A~
図8Bは、インライン撮像ユニットアセンブリ100に対して横方向に配置されている少なくとも1つの光アセンブリ110を用いて入射光31を生成するステップ800を含む、光沢差Dの視認性を低減するための印刷方法を示す。この方法は、光アセンブリ110とインライン撮像ユニットアセンブリ100との間に、入射光及び正反射光の頂点35における法線に対して実質的に垂直に配置されている少なくとも1枚の印刷シートSによって反射された正反射光30を、少なくとも1つのインライン撮像ユニットアセンブリ100を用いて測定するステップ805を更に含む。この方法は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ80を用いて、インライン撮像ユニットアセンブリ100によって測定された正反射光30を分析するステップ810を更に含み、この分析は、光沢差Dを検出するように設計されている。
【0040】
図8A~
図8Bは、この方法が、ステップ815(光沢差が許容レベル外にある場合、少なくとも1枚の印刷シートSを平滑化ローラアセンブリ140(選択された少なくとも1枚の印刷シートの少なくとも1つの印刷側Sの長さ及び幅の少なくとも部分的に)に搬送すること)と、ステップ820(少なくとも1枚の印刷シート上に圧力を生成し、したがって、光沢差Dを低減すること)と、を更に含むことを示す。この方法は、ステップ825(少なくとも1枚の印刷シートSを
図1Aに示す平滑化搬送サブアセンブリ162に方向転換させること)を更に含む。
【0041】
図8A~
図8Bは、光沢差Dの視認性を低減するための印刷方法が、ステップ830(入射光31を照らし、正反射光30を測定すること)を更に含み得、入射光31及び正反射光30の角度は、入射光及び正反射光の頂点35における法線の反対側に実質的に等価であり、少なくとも1枚の印刷シートSに対してそれぞれ20~24度であることを示している。他の角度が使用されてもよく、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ80は、他の角度を補償する。光沢差Dの視認性を低減するための印刷方法は、少なくとも1枚の印刷シートSを断面的に2つ以上のゾーン250に分割し、光沢差Dを比較するステップ835を更に含むことができる。
【0042】
図8A~
図8Bは、光沢差Dの視認性を低減するための印刷方法が、少なくとも1つの平滑化ローラアセンブリ140を、そこを通って入る少なくとも1枚の印刷シートSの前方移動のペースよりも速く回転させるステップ840を更に含むことができることを更に示す。光沢差Dの視認性を低減するための印刷方法は、光沢差Dを実質的にリアルタイムで測定するステップ845を更に含むことができる。
【0043】
図8A~
図8Bは、光沢差Dの視認性を低減するための印刷方法が、平滑化ローラアセンブリ140によって生成された圧力を変動させるステップ850を更に含むことができることを更に示す。光沢差Dの視認性を低減するための印刷方法は、平滑化ローラ141、142の可変圧力を、機械的に、及び磁気的に、のうちの少なくとも1つ以上で生成するステップ855を更に含むことができる。
【0044】
以下の特許(米国特許8891135(B2)号)は、その全体が参照により組み込まれる。
【0045】
本発明の概念を特定の実施形態に関して上述してきたが、本発明の概念は、これらの開示された実施形態に限定されないことを理解されたい。本開示の教示を読めば、これらの発明の概念が関係し、本開示及び添付の特許請求の範囲の両方によって網羅されることが意図され、網羅される、本発明の概念の多くの修正形態及び他の実施形態が、当業者に思い浮かぶであろう。本発明の概念の範囲は、本明細書及び添付の図面における開示に依存する当業者によって理解されるように、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物の適切な解釈及び構成によって決定されるべきであることが実際に意図される。
【外国語明細書】