(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055805
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】組立式収容ボックス
(51)【国際特許分類】
B65D 6/08 20060101AFI20240411BHJP
B65D 6/26 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B65D6/08 C
B65D6/26 L
B65D6/26 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023171393
(22)【出願日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】P 2022162444
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392003225
【氏名又は名称】第一ビニール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀夫
【テーマコード(参考)】
3E061
【Fターム(参考)】
3E061AA06
3E061AB09
3E061CA12
3E061CA22
3E061DA05
3E061DA12
3E061DB11
3E061DB20
(57)【要約】
【課題】組み立て容易で、扉パネルの配置状態を自由に設定できる組立式収容ボックスを提供する。
【解決手段】左右1対の前支柱用の棒材8a,8bと、左右1 対の後支柱用棒材9a,9bと、前側上連結用の棒材10と、前側下連結用棒材11と、後側上連結用の棒材12と、後側下連結用の棒材13と、左側上連結用棒材15と左側下連結用棒材16と、右側上連結用棒材17と、右側下連結用棒材19と、各連結を可能とする連結継手20を備える立方体状枠体6の、6つの面部の下端面部を除く5つの面部の夫々に、等幅で等長さを有する2枚のパネル4,4が並置状態に装着されている。全10枚の前記パネル中の複数枚のパネルは扉パネル4aとされている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端が開放された立方体状の組立式収容ボックスであって、該組立式収容ボックスに設けられた出し入れ用開口部を開閉する扉パネルが外向きに開くように設けられており、該扉パネルは、係止装置を介して、該出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されており、
該組立式収容ボックスは、
前方側に配置された左右1対の前支柱用の棒材と、
後方側に配置された左右1 対の後支柱用の棒材と、
左右の前支柱用の棒材の上端相互を連結する前側上連結用の棒材と、
左右の前支柱用の棒材の下端相互を連結する前側下連結用の棒材と、
左右の後支柱用の棒材の上端相互を連結する後側上連結用の棒材と、
左右の後支柱用の棒材の下端相互を連結する後側下連結用の棒材と、
左側の前側に位置する前記前支柱用の棒材の上端と左側の後側に位置する前記後支柱用の棒材の上端とを連結する左側上連結用の棒材と、
左側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と左側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する左側下連結用の棒材と、
右側の前側に位置する前支柱用の棒材の上端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の上端相互を連結する右側上連結用の棒材と、
右側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する右側下連結用の棒材と、
前記の各連結を可能とする連結継手と、
を備えて構成される立方体状枠体の、6つの面部の下端面部を除く5つの面部の夫々に、等幅で等長さを有する2枚のパネルが、その縁部相互を当接させて並置状態に装着されてなり、全10枚の前記パネル中の複数枚のパネルは前記扉パネルとされており、
該扉パネルの延長方向の一方の端部には、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の一方の棒材を挿通させるための枢着筒体が設けられ、該扉パネルは、該枢着筒体に前記棒材が挿通された状態で、該棒材の軸線と直交する面内で前記外向きに開くように構成され、又該扉パネルは、前記係止装置を介して前記出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されており、
前記扉パネルを除いた残余のパネルの両端部は、前記立方体状枠体を構成する前記棒材を挿通させる連結筒体を備えていることを特徴とする組立式収容ボックス。
【請求項2】
前記係止装置は、前記扉パネルの延長方向の他方の端部に、該端部の幅方向線回りに回動自在で、且つ、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の他方の棒材を着脱可能に嵌入させ得るC字状保持筒部を備えるC字状保持筒体を有しており、該嵌入状態において、前記棒材の外周面と該C字状保持筒体の内周面とが相対滑り可能であり、
該C字状保持筒体に該他方の棒材の所要部位が嵌入された状態で、前記扉パネルに、前記組立式収容ボックスの内側から外向きの荷重が作用したときに、前記幅方向線回りの回動作用と、該相対滑り作用とによって、該C字状保持筒体が該他方の棒材に巻き込む方向に回転するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の組立式収容ボックス。
【請求項3】
下端が開放された立方体状の組立式収容ボックスであって、該組立式収容ボックスに設けられた出し入れ用開口部を開閉する扉パネルが外向きに開くように設けられており、該扉パネルは、係止装置を介して、該出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されており、
該組立式収容ボックスは、
前方側に配置された左右1対の前支柱用の棒材と、
後方側に配置された左右1 対の後支柱用の棒材と、
左右の前支柱用の棒材の上端相互を連結する前側上連結用の棒材と、
左右の前支柱用の棒材の下端相互を連結する前側下連結用の棒材と、
左右の後支柱用の棒材の上端相互を連結する後側上連結用の棒材と、
左右の後支柱用の棒材の下端相互を連結する後側下連結用の棒材と、
左側の前側に位置する前支柱用の棒材の上端と左側の後側に位置する後支柱用の棒材の上端とを連結する左側上連結用の棒材と、
左側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と左側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する左側下連結用の棒材と、
右側の前側に位置する前支柱用の棒材の上端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の上端相互を連結する右側上連結用の棒材と、
右側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する右側下連結用の棒材と、
前記の各連結を可能とする連結継手と、
を備えて構成される立方体状枠体の、6つの面部の夫々に、等幅で等長さを有する2枚のパネルが、その縁部相互を当接させて並置状態に装着されてなり、
前記6つの面部の内の下端面部を除く5つの面部に装着される全10枚の前記パネル中の複数枚のパネルは前記扉パネルとされており、
該扉パネルの延長方向の一方の端部には、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の一方の棒材を挿通させるための枢着筒体が設けられ、該扉パネルは、該枢着筒体に前記棒材が挿通された状態で、該棒材の軸線と直交する面内で前記外向きに開くように構成され、又該扉パネルは、前記係止装置を介して前記出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されており、
前記扉パネルを除いた残余のパネルの両端部は、前記立方体状枠体を構成する前記棒材を挿通させる連結筒体を備えていることを特徴とする組立式収容ボックス。
【請求項4】
前記係止装置は、前記扉パネルの延長方向の他方の端部に、該端部の幅方向線回りに回動自在で、且つ、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の他方の棒材を着脱可能に嵌入させ得るC字状保持筒部を備えるC字状保持筒体を有しており、該嵌入状態において、前記棒材の外周面と該C字状保持筒体の内周面とが相対滑り可能であり、
該C字状保持筒体に該他方の棒材の所要部位が嵌入された状態で、前記扉パネルに、前記組立式収容ボックスの内側から外向きの荷重が作用したときに、前記幅方向線回りの回動作用と、該相対滑り作用とによって、該C字状保持筒体が該他方の棒材に巻き込む方向に回転するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の組立式収容ボックス。
【請求項5】
前記パネルは網目板及び/又は網目を有さない板であることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の組立式収容ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式収容ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゴミの収容、取り出しを容易に行うことを可能とするゴミ収納容器としては、特許文献1、2、3が開示するもの等、各種のものが提供されているが、これらは何れも、容器本体や開閉蓋体が金属製の枠体や金属網等の金属材料を主体として構成されており、又、開閉蓋体の配置状態は固定されており、該開閉蓋体の配置状態を自由に設定してゴミ収納容器を組み立てることができるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-2237483号公報
【特許文献2】実用新案登録第3096130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、構造簡素で簡易に組み立てることができると共に、使用目的に応じて扉パネルの配置状態を自由に設定できる組立式収容ボックスの提供を課題とするものである。又本発明は、組立式収容ボックスに設けられた出し入れ用開口部を閉じた扉パネルに、該組立式収容ボックスに収容されている収容物の押圧によって内側から外向きの荷重が作用したときにも該扉パネルを該閉じた状態に確実に保持できる組立式収容ボックスの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る組立式収容ボックスの第1の態様は、下端が開放された立方体状の組立式収容ボックスであって、該組立式収容ボックスに設けられた出し入れ用開口部を開閉する扉パネルが外向きに開くように設けられており、該扉パネルは、係止装置を介して、該出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されている。該組立式収容ボックスは、前方側に配置された左右1対の前支柱用の棒材と、後方側に配置された左右1対の後支柱用の棒材と、左右の前支柱用の棒材の上端相互を連結する前側上連結用の棒材と、左右の前支柱用の棒材の下端相互を連結する前側下連結用の棒材と、左右の後支柱用の棒材の上端相互を連結する後側上連結用の棒材と、左右の後支柱用の棒材の下端相互を連結する後側下連結用の棒材と、左側の前側に位置する前記前支柱用の棒材の上端と左側の後側に位置する前記後支柱用の棒材の上端とを連結する左側上連結用の棒材と、左側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と左側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する左側下連結用の棒材と、右側の前側に位置する前支柱用の棒材の上端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の上端相互を連結する右側上連結用の棒材と、右側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する右側下連結用の棒材と、前記の各連結を可能とする連結継手と、を備えて構成される立方体状枠体の、6つの面部の下端面部を除く5つの面部の夫々に、等幅で等長さを有する2枚のパネルが、その縁部相互を当接させて並置状態に装着されてなり、全10枚の前記パネル中の複数枚のパネルは前記扉パネルとされている。該扉パネルの延長方向の一方の端部には、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の一方の棒材を挿通させるための枢着筒体が設けられ、該扉パネルは、該枢着筒体に前記棒材が挿通された状態で、該棒材の軸線と直交する面内で前記外向きに開くように構成され、又該扉パネルは、前記係止装置を介して前記出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されている。そして、前記扉パネルを除いた残余のパネルの両端部は、前記立方体状枠体を構成する前記棒材を挿通させる連結筒体を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る組立式収容ボックスの第2の態様は、前記第1の態様において、前記係止装置は、前記扉パネルの延長方向の他方の端部に、該端部の幅方向線回りに回動自在で、且つ、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の他方の棒材を着脱可能に嵌入させ得るC字状保持筒部を備えるC字状保持筒体を有しており、該嵌入状態において、前記棒材の外周面と該C字状保持筒体の内周面とが相対滑り可能である。そして、該C字状保持筒体に該他方の棒材の所要部位が嵌入された状態で、前記扉パネルに、前記組立式収容ボックスの内側から外向きの荷重が作用したときに、前記幅方向線回りの回動作用と、該相対滑り作用とによって、該C字状保持筒体が該他方の棒材に巻き込む方向に回転するように構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る組立式収容ボックスの第3の態様は、下端が開放された立方体状の組立式収容ボックスであって、該組立式収容ボックスに設けられた出し入れ用開口部を開閉する扉パネルが外向きに開くように設けられており、該扉パネルは、係止装置を介して、該出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されている。該組立式収容ボックスは、前方側に配置された左右1対の前支柱用の棒材と、後方側に配置された左右1対の後支柱用の棒材と、左右の前支柱用の棒材の上端相互を連結する前側上連結用の棒材と、左右の前支柱用の棒材の下端相互を連結する前側下連結用の棒材と、左右の後支柱用の棒材の上端相互を連結する後側上連結用の棒材と、左右の後支柱用の棒材の下端相互を連結する後側下連結用の棒材と、左側の前側に位置する前支柱用の棒材の上端と左側の後側に位置する後支柱用の棒材の上端とを連結する左側上連結用の棒材と、左側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と左側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する左側下連結用の棒材と、右側の前側に位置する前支柱用の棒材の上端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の上端相互を連結する右側上連結用の棒材と、右側の前側に位置する前支柱用の棒材の下端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材の下端相互を連結する右側下連結用の棒材と、
【0008】
前記の各連結を可能とする連結継手と、を備えて構成される立方体状枠体の、6つの面部の夫々に、等幅で等長さを有する2枚のパネルが、その縁部相互を当接させて並置状態に装着されてなる。前記6つの面部の内の下端面部を除く5つの面部に装着される全10枚の前記パネル中の複数枚のパネルは前記扉パネルとされている。該扉パネルの延長方向の一方の端部には、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の一方の棒材を挿通させるための枢着筒体が設けられ、該扉パネルは、該枢着筒体に前記棒材が挿通された状態で、該棒材の軸線と直交する面内で前記外向きに開くように構成され、又該扉パネルは、前記係止装置を介して前記出し入れ用開口部を閉じた状態で保持されるように構成されている。前記扉パネルを除いた残余のパネルの両端部は、前記立方体状枠体を構成する前記棒材を挿通させる連結筒体を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る組立式収容ボックスの第4の態様は、前記第3の態様において、前記係止装置は、前記扉パネルの延長方向の他方の端部に、該端部の幅方向線回りに回動自在で、且つ、前記出し入れ用開口部を構成する左右の前記棒材の内の他方の棒材を着脱可能に嵌入させ得るC字状保持筒部を備えるC字状保持筒体を有しており、該嵌入状態において、前記棒材の外周面と該C字状保持筒体の内周面とが相対滑り可能である。そして、該C字状保持筒体に該他方の棒材の所要部位が嵌入された状態で、前記扉パネルに、前記組立式収容ボックスの内側から外向きの荷重が作用したときに、前記幅方向線回りの回動作用と、該相対滑り作用とによって、該C字状保持筒体が該他方の棒材に巻き込む方向に回転するように構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る組立式収容ボックスの第5の態様は、前記第1~第4の何れかの態様において、前記パネルは網目板及び/又は網目を有さない板であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるときは、構造簡素で簡易に組み立てることができると共に、使用目的に応じて扉パネルの配置状態を自由に設定できる組立式収容ボックスを提供できる。又本発明は、組立式収容ボックスに設けられた出し入れ用開口部を閉じた扉パネルに、該組立式収容ボックスに収容物が押し込まることによって内側から外向きの荷重が作用したときにも該扉パネルを該閉じた状態に確実に保持できる組立式収容ボックスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】上端面部と一つの側面部に扉パネルが装着された組立式収容ボックスを示す斜視図である。
【
図2】上端面部に装着された扉パネル内の1枚と、一つの側面部に装着された扉パネル内の1枚を外向きに開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】2枚のパネルが、その縁部相互を当接させて並置されている状態を説明する説明図である。
【
図4】組立式収容ボックスを構成する立方体状枠体を示す斜視図である
【
図5】棒材を三方連結する連結接手を説明する斜視図である。
【
図6】C字状保持筒体が装着された扉パネルを例示する斜視図である。
【
図7】扉パネルにC字状保持筒体が装着された状態を示す斜視図である。
【
図8】扉パネルとC字状保持筒体を分解して示す斜視図である。
【
図9】延長方向の一方の端部に枢着筒体が設けられ、他方の端部にC字状保持筒体が装着されてなる扉パネルを示す断面図である。
【
図10】扉パネルをその閉じた状態で保持させる係止装置の作用を説明する説明図である。
【
図11】扉パネル以外の残余のパネルを、棒材に対する装着状態と共に説明する斜視図である。
【
図13】扉パネルが外方に向けて膨らみ変形する状態を示す説明図である。
【
図14】連結継手による棒材相互の連結構成の他の態様を示す説明図である。
【
図15】連結継手による棒材相互の連結構成のその他の態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0013】
図1~4において本発明に係る組立式収容ボックス(以下収容ボックスともいう)1は、下端2が開放された立方体状の収容ボックスであって、該収容ボックス1に設けられた出し入れ用開口部3を開閉する扉パネル4aが、
図2に矢印Fで示すように外向きに開くように設けられており、該扉パネル4aは、係止装置5を介して、該出し入れ用開口部3を閉じた状態で保持されるように構成されている。
【0014】
該収容ボックス1は、本実施例においては同一構成の棒材を所要に連結して構成された、
図4に示す立方体状枠体6を具備している。本実施例において該棒材は、総称して符号7で表示している。
【0015】
該立方体状枠体6は、前方側に配置された左右1対の前支柱用の棒材8a,8bと、後方側に配置された左右1対の後支柱用の棒材9a,9bと、左右の前支柱用の棒材8a,8bの上端相互を連結する前側上連結用の棒材10と、左右の前支柱用の棒材8a,8bの下端相互を連結する前側下連結用の棒材11と、左右の後支柱用の棒材9a,9b上端相互を連結する後側上連結用の棒材12と、左右の後支柱用の棒材9a,9bの下端相互を連結する後側下連結用の棒材13と、左側の前側に位置する前記前支柱用の棒材8aの上端と左側の後側に位置する前記後支柱用の棒材9aの上端とを連結する左側上連結用の棒材15と、左側の前側に位置する前記前支柱用の棒材8aの下端と左側の後側に位置する後支柱用の棒材9aの下端相互を連結する左側下連結用の棒材16と、右側の前側に位置する前支柱用の棒材8bの上端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材9bの上端相互を連結する右側上連結用の棒材17と、右側の前側に位置する前支柱用の棒材8bの下端と右側の後側に位置する後支柱用の棒材9bの下端相互を連結する右側下連結用の棒材19と、前記の各連結を可能とする連結継手20と、を備えて構成されている。
【0016】
かかる構成を有する該立方体状枠体6の、6つの面部の下端面部22Aを除く5つの面部22a,22b,22c,22d,22eの夫々に、等幅で等長さを有する2枚のパネル4,4が、
図3に示すように、その縁部23,23相互を当接させて並置状態に装着されている。
【0017】
これらのパネル4は、本実施例においては横長矩形板状の合成樹脂製網目板として構成されている。該網目の大きさは、前記収容ボックス1に収容されている収容物を、カラス等の鳥が網目を通してつつくのを防止できる程度とされている。該パネル4の延長方向長辺の長さは525mm程度、短辺の長さは262mm程度に設定されている。
【0018】
本実施例において、全10枚の前記パネル5中の複数枚のパネル4、例えば4枚のパネルは、前記扉パネル4a,4a,4a,4aとされている。
【0019】
そして、前記前支柱用の棒材8a,8bと、前記後支柱用の棒材9a,9bと、前記前側上連結用の棒材10と、前記前側下連結用の棒材11と、前記後側上連結用の棒材12と、前記後側下連結用の棒材13と、前記左側上連結用の棒材15と、前記左側下連結用の棒材16と、前記右側上連結用の棒材17と、前記右側下連結用の棒材19は、本実施例においては横断面円形の樹脂被覆パイプとして構成されており、その外径は16mm程度に設定されている。
【0020】
前記立方体状枠体6の1辺の長さは、565mm程度に設定されている。該立方体状枠体6を構成する前記連結継手20は8個用いられているが、これらの連結継手20は全て、三方連結の同一の構成を有し、例えば
図5に示すように、前記後支柱用の棒材9aと前記左側下連結用の棒材16と前記後側下連結用の棒材13とを連結する場合について説明すれば、直角に交差する棒材13,16の連結端部分26、26を圧入させ得る連結筒部27を、直角交差状態にその基部29,29相互で連結一体化すると共に、その交差部で連結筒部27を立設状態に設けてなる。
【0021】
前記扉パネル4aは、例えば
図6~10に示すように、その延長方向(長手方向)の一方の端部31の両側には、前記出し入れ用開口部3(
図2)を構成する左右の前記棒材7,7の内の一方の棒材7a(
図6)を挿通させるための枢着筒体33,33が設けられ、該扉パネル4aは、該枢着筒体33,33に該棒材7aが挿通された状態で、該棒材7(7a)の軸線と直交する面内で、
図2に矢印F で示すように前記外向きに開くように構成されている。
【0022】
又、前記扉パネル4aの他方の端部35には、
図6~10に示すように、該他方の端部35の例えば中央部位において、前記係止装置5(
図1~2)を構成するC字状保持筒体36が設けられている。該C字状保持筒体36は、該他方の端部35近傍の幅方向線L(本実施例においては後述する円形軸42の軸線)回りに回動自在で、且つ、前記出し入れ用開口部3を構成する左右の前記棒材7,7の内の他方の棒材7b(
図6)を着脱可能に嵌入させ得るC字状保持筒部37を備えている。該嵌入状態において、
図10(B)に示すように、前記棒材7bの外周面39と該C字状保持筒部37の内周面40とは相対滑りが可能である。本実施例においては、該C字状保持筒部37の内径と前記棒材7bの径は略同径に設定されている。
【0023】
そして、該C字状保持部37の内方側の縁部41の両側には、
図6~10に示すように、該扉パネル4aの前記他方の端部35の中央部両側に設けられ且つ該他方の端部35の延長方向に延長する円形軸部42を嵌入させ得るC字状軸受部43が設けられている。そして、両側の該C字状軸受部43,43に該円形軸部42,42が嵌入されることによって、該C字状保持筒体36が前記幅方向線L回りに回動自在とされている。又、該C字状保持筒部37の外面45の、外方側の縁46から稍離れた部位に、摘み片47が突設されている。又本実施例においては
図1~2、
図6~8に示すように、該扉パネル4aの前記他方の端部35の、前記C字状保持筒体36を挟む両側部位に、前記出し入れ用開口部3を構成する前記他方の棒材7bの円形外周面49に当接状態に被る湾曲片50,50が突設されている。
【0024】
かかる構成を有する該扉パネル4aを除いた残余のパネル4b(前記パネル4の一種)は、
図11~12に示すように、両側の端部51,51には、前記立方体状枠体6を構成する前記棒材7を密接に挿通させる連結筒体52を備えている。
【0025】
図1に示す収容ボックス1においては、前記立方体状枠体6(
図4)の、前記6つの面部の内の上端面部22eと1つの側面部22aの夫々に、
図1~2に示すように、2枚の前記扉パネル4a,4aが、
図3に示すように、その縁部23,23相互を当接させて並置状態に装着されており、各扉パネル4a,4aは、
図2に矢印F で示すように外向きに開くことができる。
【0026】
図1は、前記扉パネル4a,4aが前記出し入れ用開口部3,3を閉じた状態を示している。該閉じた状態において、
図10(A)(B)に示すように、前記C字状保持筒体36の前記C字状保持部37に前記他方の棒材7bが嵌入され保持されている。そして該閉じた状態で、
図1、
図6~7に示すように、両前記湾曲片50,50が、該C字状保持筒体36の両側で、横断面円形の前記樹脂被覆パイプの円形外周面49に被る当接状態となる。これによって、前記扉パネル4aが前記出し入れ用開口部3を閉じた状態が安定的に保持される。
【0027】
今、前記収容ボックス1内に収容物が押し込まれたとき、閉じた状態にある前記扉パネル4aに、
図13に示すように、該収容ボックス1の内側から外向きに大きな荷重が作用して該扉パネル4aが一点鎖線で示すように外方に向けて膨らみ変形した場合を考える。
【0028】
この場合は、
図10(B)に示すように、前記C字状軸受部43と前記円形軸部42との連結部53における前記幅方向線L(
図7)回りの回動作用と、前記他方の棒材7bの外周面39と該C字状保持筒部37の内周面40との相対滑り作用とにより、
図10(A)(B)において矢印F1で示すように、前記C字状保持筒部37が前記他方の棒材7bに巻き込む方向に回転する。
図10(A)に矢印F2で示すように、前記C字状保持筒部37が、前記他方の棒材7bから外れる方向(
図10(A)に矢印F2で示す方向)に回転するものではない。そのため、このように外向きの荷重が作用したときに、該C字状保持筒体36が前記他方の棒材7bから外れにくく、該扉パネル4aの前記閉じた状態を保持できる。
【0029】
このように本発明は、該扉パネル4aに、前記収容ボックス1の内側から外向きの荷重が作用したときに、前記幅方向線L回りの回動作用と、前記相対滑り作用とによって、該C字状保持筒部37が該他方の棒材7bに巻き込む方向に回転するように構成されている点に大きな特徴を有する。
【0030】
かかる構成を有する前記収容ボックス1に収容された前記収容物を取り出す際は、前記扉パネル4aの内の所要のものについて、前記C字状保持筒体36を、前記摘み片47を把持し前記C字状保持筒部37を拡開させる方向に回動させ、該C字状保持部37から前記他方の棒材7bを外す。その後、該扉パネル4aを閉じる際は、該C字状保持筒部37を前記他方の棒材7bに向けて押し付ける。このように押し付けると、該C字状保持筒部37が弾性拡開して該他方の棒材7bが該C字状保持筒部37に嵌入され、該他方の棒材7bが該C字状保持筒部37に弾性的に抱持された状態となり、前記扉パネル4aの閉じた状態が保持されることとなる。
【0031】
図1は、前記収容ボックス1の使用態様の一例を示すものであり、裏庭等において、開放された前記下端2を下向きにして地面55に設置されている。該設置された収容ボックス1は、適宜、土中に打ち込まれるU字状等の押さえピン部材によって地面に固定される。この状態で、ボックス上部56の扉パネル4aを開いて形成した前記出し入れ用開口部3(
図2)を通して、回収した多量の落葉や、刈り取った雑草、間引きした実や葉、傷んだ野菜や果物、畑の残渣、家庭の生ゴミ等の収容物を、該収容ボックス1内に投入する。
【0032】
これらを投入後は、前記扉パネル4aを閉じる。このように扉パネル4aを閉じることにより、収容ボックス1内へのカラスや害獣の進入経路を断つことができ、収容物が荒らされる被害を防止できる。又、このように扉パネル4aを閉じることによって、収容した落葉や雑草等が風で飛ばされる恐れもない。
【0033】
又前記収容ボックス1は、
図1に示すように、開放された前記下端2を下にして地面55に設置されているため、該収容ボックス1内の前記収容物25と地面55からの微生物との接触が良好である。特に本実施例においては、該収容ボックス1を構成するパネル4の全てを網目板として構成しているため、該網目板の網目を介して該収容ボックス1内の通気性を確保でき、又、該網目を介して該収容ボックス1内への日光の取入れが良好に行われることとなる。このようなことから、該収容ボックス1内での微生物による収容物の分解を早め、堆肥化を促進できる。加えて、全てのパネル4が網目板として構成されているため、該パネル4の網目を通して、該収容ボックス1内部の堆肥化の進み具合を確認できる。
【0034】
該収容ボックス1から堆肥を取り出す際は、該収容ボックス1内での堆肥化は地面に接する下側から上に向けて順に行われることに鑑み、例えば
図2に示すように、上段の扉パネル4a1は閉じたままにして上側の未堆肥化収容物が外に出るのを防ぎつつ、下段の扉パネル4a2を開いて下側の堆肥を掻きだす。なお、収容物の全体が堆肥化している場合は、上下の扉パネル4a1,4a2を共に開いて堆肥を掻きだす。
【0035】
前記収容ボックス1は、長期保管による堆肥化を目的とはせず、投入された多量の落葉や雑草を乾燥させて嵩を減じてゴミとして出しやすくする短期保管の目的で使用されることもある。
【0036】
又該収容ボックス1は、軒下や小屋に設置して、袋詰めした家庭ゴミを収集日までの間一時的に保管するゴミの仮置き場として利用することもできる。この場合も、該収容ボックス1内にゴミの袋が押し込まれたときに、該収容ボックス1の内側から外側に大きな荷重が作用して前記扉パネル4aが外方に向けて膨らみ変形することがある。この場合も、前記したと同様の理由で、前記C字状保持筒体36が前記他方の棒材(
図10に示す棒材7b)から外れにくい。
【0037】
このように、収容ボックス1をゴミの仮置き場として利用する場合は、前記収容ボックス1の上面部や側面部に装着されている2枚の前記扉パネル4a,4aを共に開いてゴミの袋を収容ボックス1内に収容する。収容されているゴミの袋の取り出しは、同様に該扉パネルを開いて行う。
【0038】
なお、前記収容ボックス1をゴミの仮置き場として利用する場合は、前記立方体状枠体6の前記下端22Aに、前記残余のパネル4bを、その縁部23,23相互を当接させて並置状態に装着することもある。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(2) 前記パネル4は、実施例1 で示したような網目板として構成されることの他、網目を有さない板状パネルとして構成されることもある。例えば、前記収容ボックス1に家庭用の生ゴミを収容する場合は、目隠しや、該収容ボックスからの臭いの放出を極力防止するために、かかる網目を有さない板状パネルを採用するのが好ましい。又前記パネル4は、網目板と網目を有さない板状パネルとの組み合わせとされることもある。
(3) 前記立方体状枠体6の面部に対する扉パネル4aの装着部位は、収容ボックス1の使用目的やその設置場所( コーナーに設置する場合や建物の壁面に沿わせて設置する場合等)も考慮して、使い勝手の良い面部に自由に設定できる。
又、外向きに開く扉パネル4の平面視や側面視での開き方向も自由に設定できる。該扉パネル4aの装着部位については、例えば、隣り合う側面部や対向する側面部に、1枚乃至2枚の扉パネル4aを装着することもできる。この場合、収容ボックス1の上面部に扉パネルを装着しないこともある。
(4) 本発明に係る収容ボックス1において、扉パネル4aを閉じた状態に保持させる前記係止装置5の構成は、前記C字状保持筒体36を用いて構成するものの他、前記出し入れ用開口部3を構成する前記棒材との各種の嵌合手段や、簡易な係止構造を有する各種の公知手段を用いて構成できる。