(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055827
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】毛髪洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/60 20060101AFI20240411BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240411BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A61K8/60
A61K8/81
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023173328
(22)【出願日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】P 2022161364
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500154423
【氏名又は名称】株式会社マツモト交商
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】堀越 俊雄
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC642
4C083AC712
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD212
4C083BB07
4C083CC38
4C083DD01
4C083DD27
4C083EE03
4C083EE05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アニオン性界面活性剤を全く含有しないにもかかわらず、高いマイルド性、良好な泡立ち、洗い流し時の滑らかさに優れた毛髪洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)アルキルグルコシドおよび誘導体、(B)両性界面活性剤、ならびに(C)ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-53からなる群より選択される1種または2種以上のカチオン化ポリマー、を含有し、(D)アニオン性界面活性剤を含有しない毛髪洗浄剤組成物。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)、成分(B)、および(C)
(A)アルキルグルコシドおよび誘導体
(B)両性界面活性剤
(C)下記一般式(1)で表されるポリクオタニウムー22、
[化1]
下記一般式(2)で表されるポリクオタニウムー47、
[化2]
及び下記一般式(3)で表されるポリクオタニウムー53、
[化3]
からなる群より選択される1種または2種以上のカチオン化ポリマー、
を含有し、
(D)アニオン性界面活性剤
を含有しない毛髪洗浄剤組成物。
【請求項2】
下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)が、
(A)アルキルグルコシドおよび誘導体を1.0~30.0質量%
(B)両性界面活性剤を1.0~30.0質量%
(C)下記一般式(1)で表されるポリクオタニウムー22、
[化1]
下記一般式(2)で表されるポリクオタニウムー47、
[化2]
及び下記一般式(3)で表されるポリクオタニウムー53、
[化3]
からなる群より選択される1種または2種以上のカチオン化ポリマーを0.02~2.0質量%
を含有し、
(D)アニオン性界面活性剤
を含有しない請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
【請求項3】
下記成分(A)、成分(B)の配合比(A)/(B)が、
(A)アルキルグルコシドおよび誘導体
(B)両性界面活性剤
15:1~6:10の質量%範囲である請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高いマイルド性、良好な泡立ち、および洗い流し時の滑らかさに優れた、アニオン性界面活性剤フリーの毛髪洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に毛髪洗浄剤組成物:シャンプーは、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン化ポリマーから構成される(特許文献1)。しかしながら一部の使用者にはアニオン性界面活性剤は皮膚刺激性が認められる場合があり、低刺激な洗浄剤が求められている。
【0003】
アニオン性界面活性剤以外で低刺激の洗浄成分としては、ノニオン性界面活性剤であるアルキルグルコシドが開発されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながらアルキルグルコシドの泡質は非常に軽いものであり、アニオン性界面活性剤のそれには及ばない。
【0004】
カチオン化ポリマーはアルキルグルコシドの泡質を濃密に出来るものの、一般的に用いられるポリクオタニウム―10とアルキルグルコシドを併用した場合、相溶性が悪くシャンプーが分離してしまうことがあって、その分離を回避する手段としては、両性界面活性剤を併用することが有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-088910
【特許文献2】特開2022-525221
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、両性界面活性剤が影響して軽い泡質のものが出来てしまう。また、上述の分離しない範囲のアルキルグルコシド/両性界面活性剤/ポリクオタニウム―10の組み合わせシャンプーの洗い流し時の滑らかさは非常に悪く、洗い流し時の髪がきしむといった解決すべき課題があった。
本発明は、前述の課題に鑑み行われたものであり、アニオン性界面活性剤を全く含有しないにもかかわらず、高いマイルド性、良好な泡立ち、洗い流し時の滑らかさに優れた毛髪洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、アルキルグルコシドおよびその誘導体から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤、1種または2種以上の両性界面活性剤、および特定のポリクオタニウムを必須成分とすることにより、高いマイルド性、良好な泡立ち、洗い流し時の滑らかさに優れた毛髪洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
下記成分(A)、成分(B)、および(C)
(A)アルキルグルコシドおよび誘導体
(B)両性界面活性剤
(C)下記一般式(1)で表されるポリクオタニウムー22、
[化1]
下記一般式(2)で表されるポリクオタニウムー47、
[化2]
及び下記一般式(3)で表されるポリクオタニウムー53、
[化3]
からなる群より選択される1種または2種以上のカチオン化ポリマー、
を含有し、
(D)アニオン性界面活性剤
を含有しない毛髪洗浄剤組成物である。
また下記成分(A)、成分(B)、及び成分(C)が、
(A)アルキルグルコシドおよび誘導体を1.0~30.0質量%
(B)両性界面活性剤を1.0~30.0質量%
(C)下記一般式(1)で表されるポリクオタニウムー22、
[化1]
下記一般式(2)で表されるポリクオタニウムー47、
[化2]
及び下記一般式(3)で表されるポリクオタニウムー53、
[化3]
からなる群より選択される1種または2種以上のカチオン化ポリマーを0.02~2.0質量%
を含有し、
(D)アニオン性界面活性剤
を含有しない請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物である。
また下記成分(A)、成分(B)の配合比(A)/(B)が、
(A)アルキルグルコシドおよび誘導体
(B)両性界面活性剤
15:1~6:10の質量%範囲である請求項1に記載の毛髪洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0009】
アルキルグルコシドおよびその誘導体、両性界面活性剤、および特定のポリクオタニウムを含有し、高いマイルド性、良好な泡立ち、洗い流し時の滑らかさに優れた毛髪洗浄剤組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】比較例にかかるアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの外観写真である。
【
図2】本発明にかかるアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの外観写真である。
【
図3】本発明の一実施例にかかる、容器より泡で出てくるアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの容器内の状態を示す説明図である。
【
図4】
図3に示すシャンプーの泡立ち状態を示す説明図である。
【
図5】
図3に示すシャンプーが形成する泡の毛束を縦にしてもダレない状態の説明図である。
【
図6】表5、及び表6に示す本発明にかかるアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの外観写真である。
【
図8】表7に示す組成の洗浄剤のマイルド性の評価の指標のひとつであるゼインテストにかけて評価した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明にかかる毛髪洗浄剤組成物は、アルキルグルコシドおよびその誘導体から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤、1種または2種以上の両性界面活性剤、および特定のポリクオタニウムを含有するものである。
【0012】
本発明にかかるアルキルグルコシド及びその誘導体(以下「成分A」という)は、例えば花王社製のマイドール10、花王社製のマイドール12、また誘導体としてはクラリアント社製のGlucoTain等が使用可能である。
【0013】
成分Aの含有量は、本発明の毛髪洗浄剤組成物全体の1.0質量%~30質量%が好ましい。成分Aの含有量が1.0質量%より少ないと泡立ちが十分に発揮されない場合があり、一方、30質量%より多いと洗い流し時の滑らかさが損なわれる場合がある。
【0014】
本発明にかかる両性界面活性剤(以下「成分B」という)は、例えばイミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0015】
成分Bの含有量は、本発明の毛髪洗浄剤組成物全体の1.0質量%~30質量%が好ましい。成分Bの含有量が1.0質量%より少ないと泡立ちが十分に発揮されない場合があり、一方、30質量%より多いと洗い流し時の滑らかさが損なわれる場合がある。
【0016】
本発明において好適に用いられるポリクオタニウム(以下「成分C」という)としては、ポリクオタニウムー22、ポリクオタニウムー47、及びポリクオタニウムー53(が挙げられ、例えばルーブリゾール社製のマーコート280NP、マーコート2001、及びマーコート2003PRが使用可能である。
【0017】
成分Cの含有量は、本発明の毛髪洗浄剤組成物全体の0.02質量%~2.0質量%が好ましい。成分Cの含有量が0.02質量%より少ないと泡立ちが十分に発揮されない場合があり、一方、2.0質量%より多いと洗い流し時の滑らかさが損なわれる場合がある。
【0018】
本発明の毛髪洗浄剤組成物には、上記必須成分の他、通常化粧品や医薬部外品の油中水型毛所領に用いられる成分を適宜配合することができ、常法に応じて製造される。以下に具体的な配合可能成分を列挙する。
【0019】
本発明にかかる他のカチオン性ポリマーとしては、下記一般式(4)で表されるポリクオタニウムー7、
[化4]
及び下記一般式(5)で表されるポリクオタニウムー39、
[化5]
等が挙げられる。これらのカチオン性ポリマーを成分Cの代替として配合した試験例は、泡立ち、泡量、泡質について官能評価を行った結果、どの項目も良好である事が確認され、さらに刺激性が低いことがわかった。
【0020】
なお、本発明にかかる洗浄剤組成物には、本発明の必須成分に加え一般的な洗浄剤に配合される各種成分を配合することができる。
油性成分は、液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0021】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0022】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0023】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0024】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0025】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等)、分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0026】
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等)、環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
【0027】
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0028】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、窒化ホウ素等)、有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等)、無機白色顔料(例えば、酸化亜鉛等)、無機赤色系顔料(例えば、チタン酸鉄等)、無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
【0029】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等)、アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE-アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0030】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等)、グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0031】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等)、POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等)、POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等)、POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等)、プルロニック(登録商標)型類(例えば、プルロニック(登録商標)等)、POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等)、テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等)、POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等)、POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等)、アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等)、POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE-アルキルアミン、POE-脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0032】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸)、微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等)、動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0033】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等)、セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等)、アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0034】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)、ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等)、アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等)、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0035】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸、NaCl等が挙げられる。また合成系の増粘剤としてはコカミドメチルMEA、PEG-4アブラナ種子油脂肪酸アミド、プロピレングリコールモノラウレート、トリイソステアリン酸PEG-160 ソルビタン、ラウラミンオキシド、トリステアリン酸PEG-150ポリグリセリル-2混合物、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ビス(C16-20)イソアルコキシ(TMHDI/PEG-90)コポリマー、(ステアレス-100/PEG-136/HDI)コポリマー、ビスラウリル(コカミノプロピルアミン/HDI/PEG-100)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマー等が挙げられ、その中でも製剤の透明性を保つには(アクリレーツ/メタクリル酸ベヘネス-25)コポリマー、(アクリレーツ/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、PEG-4アブラナ種子油脂肪酸アミド、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、ビス(C16-20)イソアルコキシ(TMHDI/PEG-90)コポリマーが望ましい。
【0036】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等)、アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等)、サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等)、桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等)、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4- メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等)、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン等が挙げられる。
【0037】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0038】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等)、3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等)、5価アルコール(例えば、キシリトール等)、6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)、多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等)、2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等)、2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等)、2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等)、グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等)、糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等)、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE-テトラハイドロフルフリルアルコール、POP-ブチルエーテル、POP・POE-ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP-グリセリンエーテル、POP-グリセリンエーテルリン酸、POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0039】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等)、六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-ブシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等)、七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八炭糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等)、アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0040】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0041】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等)、塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0042】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0043】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0044】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0045】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、血行促進剤(ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸β-ブトキシエステル、ミノキシジル又はその類縁体、ビタミンE類、γ-オリザノール、アルコキシカルボニルピリジンN-オキシド、塩化カルプロニウム、及びアセチルコリン又はその誘導体等)、各種抽出物(例えば、ショウガ、ウバク、オウレン、シコン、バーチ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、コレステロール誘導体等)、抗脂漏剤(例えば、ピリドキシン類、チアントール等)等が挙げられる。
【0046】
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
【0047】
比較例1:ポリクオタニウム-10配合アニオン性界面活性剤フリーシャンプー
シャンプー組成物中の総界面活性剤量(質量%固形分)を16.0%に固定し、ラウリルグルコシド(マイドール12、花王社製)とコカミドプロピルベタイン(GENEGEN CAB 818J、クラリアント社製)の配合比率を0.0-16.0質量%に振り、それぞれにポリクオタニウム―10を0.5質量%添加した際の外観を表1に示す。ラウリルグルコシド6.0質量%-16.0質量%の範囲(コカミドプロピルベタインは0.0質量%-12.0質量%)ではシャンプーが分離した。一方、ラウリルグルコシド0.0質量%-4.0質量%(コカミドプロピルベタインは12.0質量%-16.0質量%)では透明が維持されかつ分離を示さなかった。これらの試験製剤について泡立ち、泡量、泡のリッチさ、洗い流しの滑らかさをダメージ毛髪の毛束を用いて官能評価を行った(表1)。透明が維持されかつ分離を示さなかった#7および#9では全ての項目で官能スコアが悪く、実用的に耐えられるものではなかった。なおpHは6.0に調整した。
【0048】
比較例1(ポリクオタニウム-10配合アニオンフリーシャンプー)
【0049】
[表1]
* 毛束での官能評価:1 (悪い) ~3 (普通) ~ 5 (良い)の範囲で評価した。
各試験例の外観を
図1に示す。
【0050】
実施例1:ポリクオタニウムー22配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプー
シャンプー組成物中の総界面活性剤量(質量%固形分)を16.0質量%に固定し、ラウリルグルコシド(マイドール12、花王社製)とコカミドプロピルベタイン(Genegen CAB 818J、クラリアント社製)の配合比率を0.0-16.0質量%に振り、それぞれにポリクオタニウムー22(マーコート280NP、ルーブリゾール社製)を0.8質量%添加したシャンプーを作製し外観を評価した(表2)。
【0051】
その結果、いずれの製剤(#10―18)においても透明性が維持され、かつ分離を認めなかった。これらの試験製剤について泡立ち、泡量、泡のリッチさ、洗い流しの滑らかさをダメージ毛髪の毛束を用いて官能評価を行った(表2)。泡感触についてはコカミドプロピルベタインの配合が多い#17―18で評価スコアが悪く実用的でなかった。洗い流しの滑らかさは、ラウリルグルコシドが多い#10-13、ラウリルグルコシドとコカミドプロピルベタインが同量の#14、およびコカミドプロピルベタインが多い#15において評価スコアが3.8以上と高かった。これらの結果から、ラウリルグルコシドとコカミドプロピルベタインの比率が#10―15の範囲(16:0~6:10の質量%)にすることにより、目標とする高いマイルド性、良好な泡立ち、および高い洗い流し時の滑らかさを示す、アニオン界面活性剤フリーのシャンプーの作製が可能となることが確認された。なおpHは6.0に調整した。
【0052】
実施例1(ポリクオタニウムー22配合アニオンフリーシャンプー)
【0053】
[表2]
* 毛束での官能評価:1 (悪い) ~3 (普通) ~ 5 (良い)の範囲で評価した。
各試験例の外観を
図2に示す。
【0054】
実施例2:ポリクオタニウムー22配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの増粘
シャンプー組成物中のラウリルグルコシド(マイドール12、花王社製)12.0質量%、コカミドプロピルベタイン(Genegen CAB 818J、クラリアント社製)4.0質量%、ポリクオタニウムー22(マーコート280NP、ルーブリゾール社製)を0.8質量% 添加したシャンプーについて、各種増粘剤を用いて増粘した結果を表3に示す。各試験例において外観は透明性が保たれ、また粘性も付与されることが確認された。さらに各試験例の製剤の洗い流しの滑らかさをダメージ毛髪の毛束を用いて評価した結果、いずれも良好な洗い流し性を示した。なおpHは6.0に調整した。
【0055】
実施例2(増粘製剤)
【0056】
[表3]
* 毛束での官能評価:1 (悪い) ~3 (普通) ~ 5 (良い)の範囲で評価した。
【0057】
実施例3:泡で出てくるポリクオタニウムー22配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプー
シャンプー組成物中のラウリルグルコシド(マイドール12、花王社製)12.0質量% 、コカミドプロピルベタイン(Genegen CAB 818J、クラリアント社製)4.0質量%、ポリクオタニウムー22(マーコート280NP、ルーブリゾール社製)を0.8質量%製剤について、泡で出てくるポンプタイプの製剤に応用できるか検討した結果、ポンプからの泡の生成は良好ではないことが確認された(表3)。この原因は粘性があったことが原因であると考えられたため、この製剤を精製水で2倍に希釈したシャンプー製剤を作成し、泡の生成を評価した結果、非常に良好な泡が形成されることが確認された。また泡のリッチさも良好、毛束を用いて洗浄した際の洗い流し時の滑らかさも良好であった。目標とする高いマイルド性、良好な泡立ち、および高い洗い流し時の滑らかさを示す、アニオン界面活性剤フリーのシャンプーは泡で出てくるタイプの製剤にも応用が可能であることが確認された。なおpHは6.0に調整した。
【0058】
実施例3:泡で出てくるポリクオタニウムー22配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの外観
泡で出てくるポリクオタニウムー22配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの外観を
図3に示す。またポンプによって形成された泡の写真および毛束に直接塗布した際の写真も併せて
図4,5に示す。形成された泡は泡持ちが良く、毛束を縦にしてもダレない程度の良好な使用性を示した。
【0059】
実施例3(泡で出てくるポリクオタニウムー22配合アニオンフリーシャンプー)
【0060】
[表4]
* 毛束での官能評価:1 (悪い) ~3 (普通) ~ 5 (良い)の範囲で評価した。
【0061】
実施例4:ポリクオタニウムー47配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの外観
シャンプー組成物中のラウリルグルコシド(マイドール12、花王社製)14.0質量%、コカミドプロピルベタイン(Genegen CAB 818J、クラリアント社製)2.0質量%、ポリクオタニウムー47(マーコート2001、ルーブリゾール社製)を0.8質量% 添加したシャンプーについて、表5に示す組成のシャンプーを作製し、外観を評価した。表5に示す組成のシャンプーの外観写真を
図6に示す。
図6に示すように、ポリクオタニウムー47を配合したシャンプーはpH6(試験番号#26-2)では透明性が保たれなかったものの、pH5付近(pH5.2)(試験番号#26)に調整することで透明性が保たれていた。
【0062】
実施例4:ポリクオタニウムー47配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプー
表5に記載の試験製剤について、泡立ち、泡量、泡のリッチさ、洗い流しの滑らかさをダメージ毛髪の毛束を用いて官能評価を行った(表5)。毛束は中国人ダメージ毛髪を用いた。毛束を水で濡らした後、各シャンプーをそれぞれ2g塗布し、手で30秒間マッサージすることで泡立て、その後流水で1分間洗い流しを行った。各評価項目において、次のような基準で官能評価を行った。良い:5点、やや良い:4点、普通:3点、やや悪い:2点、悪い:1点。点数は小数点1桁までの範囲で付与した。この評価方法は、この後に示す実施例5でも適用した。官能評価の結果を表5に示す。pH5.2のポリクオタニウムー47配合のシャンプーの泡立ち、泡量、泡質は4.0、5.0、4.3であり良好な泡感触を示した。洗い流しの滑らかさは3.8と良好な評価点を示した。外観が白濁しているpH6.0の試験製剤においても同様に泡立ち、泡量、泡質、洗い流しの滑らかさの評価点が良好であった。これらの結果により、ポリクオタニウムー47配合のアニオン界面活性剤フリーのシャンプーの作製が可能であることが確認された。
【0063】
【0064】
実施例5:ポリクオタニウムー53配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプーの外観
シャンプー組成物中のラウリルグルコシド(マイドール12、花王社製)14.0質量%、コカミドプロピルベタイン(Genegen CAB 818J、クラリアント社製)2.0質量%、ポリクオタニウムー53(マーコート2003PR、ルーブリゾール社製)を0.8質量% 添加したシャンプーについて、表6に示す組成のシャンプーを作製し、外観を評価した。表6に示す組成のシャンプーの外観写真を
図6に示す。
図6に示すように、ポリクオタニウムー53を配合したシャンプーはpH6付近(pH6.3)(試験番号#27-2)では透明性が保たれなかったものの、pH5.0(試験番号#27)に調整することで透明性が保たれた。
【0065】
実施例5:ポリクオタニウムー53配合のアニオン性界面活性剤フリーシャンプー
表6に記載の試験製剤について、泡立ち、泡量、泡のリッチさ、洗い流しの滑らかさを実施例4と同様にダメージ毛髪の毛束を用いて官能評価を行った(表6)。官能評価の結果を表6に示す。pH5.0のポリクオタニウムー53配合のシャンプーの泡立ち、泡量、泡質は4.0、5.0、4.5であり良好な泡感触を示した。洗い流しの滑らかさは4.0と良好な評価点を示した。外観が白濁しているpH6.3の試験製剤においても同様に泡立ち、泡量、泡質、洗い流しの滑らかさの評価点が良好であった。これらの結果により、ポリクオタニウムー53配合のアニオン界面活性剤フリーのシャンプーの作製が可能であることが確認された。
【0066】
【0067】
実施例6:ポリクオタニウムー7およびポリクオタニウムー39配合のアニオン性界面活性剤フリー洗浄剤の外観
ラウリルグルコシド(マイドール12、花王社製)6.0質量%、ラウラミドプロピルベタイン(アンヒトール 20AB、花王社製)2.0質量%、ポリクオタニウムー7(マーコート740、ルーブリゾール社製)を0.17質量%、ポリクオタニウムー39(マーコート3940、ルーブリゾール社製)を0.17質量% 添加したシャンプーについて、表7に示す組成の洗浄剤を作製し、外観を評価した。表7に示す組成の洗浄剤の外観写真を
図7に示す。
図7に示すように、ポリクオタニウムー7およびポリクオタニウムー39を配合した洗浄剤(試験番号#28)の外観は透明なものが作製できることを確認した。
【0068】
実施例6:ポリクオタニウムー7およびポリクオタニウムー39配合のアニオン性界面活性剤フリー洗浄剤
表7に記載の製剤について、泡立ち、泡量、泡質について官能評価を行った結果、どの項目も良好である事が確認された。この製剤をマイルド性の評価の指標のひとつであるゼインテストにかけて評価した。ゼインテストは次のように行った。各遠心チューブに充填したゼイン(0.2~0.6g)に界面活性剤水溶液または洗浄処方の希釈液10gを添加し、25℃で2時間撹拌した。遠心分離(3000rpmで90 minまたは15000 rpmで30 min)したのち、上澄みはデカンテーションで捨てた。イオン交換水(10 ml)を加えて再分散させ、遠心分離したのち上澄みをすてて精製した。この精製操作を3回繰り返した。遠心精製後の残留物を減圧下80℃で終夜乾燥した。翌朝、乾燥した残留物を秤量し、ゼイン溶解量(g-zein/100ml solution)として表した。試験は3回行い平均値を算出した。その結果を
図8に示す。
図8から明らかなように、試験処方(試験番号#28)のゼイン溶解量は市販の洗浄製品BとCに比較して低く、また市販洗浄製品Aと同程度の低さを示した。
【0069】