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特開2024-55829電気プラグデバイス用シールならびにハウジングアセンブリ、電気プラグデバイスおよびキャスト成形器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055829
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】電気プラグデバイス用シールならびにハウジングアセンブリ、電気プラグデバイスおよびキャスト成形器具
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20240411BHJP
   H01R 43/00 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H01R13/52 301E
H01R43/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023173353
(22)【出願日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】10 2022 126 006.2
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリオス メカテリディス
【テーマコード(参考)】
5E051
5E087
【Fターム(参考)】
5E051GB07
5E051GB10
5E087EE02
5E087EE11
5E087FF03
5E087FF06
5E087LL03
5E087LL12
5E087MM05
5E087RR12
5E087RR13
5E087RR25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】滑らかにかつ過度な力を印加することなく設置することが可能な、プラグデバイスを封止するための技術的手段を提供する。
【解決手段】電気プラグデバイスの導電体を通過させるための貫通開口部を有する、電気プラグデバイス用のシール(1)に関し、貫通開口部(10)は、孔軸(18)に沿って延び、貫通開口部(10)には、孔軸(18)の周りに閉じた状態で、かつ少なくとも部分的に孔軸(18)の法平面(30)に対して傾斜して延びる封止突出部が配置される。封止突出部(28)の少なくとも部分的な傾斜に起因して、貫通開口部(10)への導電体の通過を容易にする引込み面取り部(32)が形成される。さらに、本発明は、そのようなシール(1)を有するハウジングアセンブリおよび電気プラグデバイスを備える。加えて、本発明は、そのようなシール(1)を製造するためのキャスト成形器具を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラグデバイス(4)の導電体(12)を通過させるための貫通開口部(10)を有する、前記電気プラグデバイス(4)用のシール(1)であって、
前記貫通開口部(10)は、孔軸(18)に沿って延び、
前記貫通開口部(10)には、前記孔軸(18)の周りに閉じた状態で、かつ少なくとも部分的に前記孔軸(18)の法平面(30)に対して傾斜して延びる封止突出部(28)が配置されている、シール(1)。
【請求項2】
前記封止突出部(28)は、前記孔軸の周りに途切れなく延びる、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項3】
前記封止突出部(28)の一部分(5a)は、前記封止突出部(28)の別の部分(5b)から前記孔軸(18)の方向においてオフセットされている、
請求項1または2に記載のシール(1)。
【請求項4】
前記封止突出部(28)は、前記孔軸(18)に対して傾斜する延在平面(34)に沿って延びる、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシール(1)。
【請求項5】
前記貫通開口部(10)は、丸い円形孔(24)として適合され、
前記封止突出部(28)は、円形セグメント、環状セグメント、またはトロイド状のセグメント(62)を少なくとも部分的に形成する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシール(1)。
【請求項6】
前記貫通開口部(10)は、長手方向(22)が前記孔軸(18)に対して垂直に延びるオーバル形の長円孔(20)として適合され、
前記封止突出部(28)は、前記長円孔(20)の前記長手方向(22)に平行に延びる直線状セグメント(64)を少なくとも部分的に形成する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシール(1)。
【請求項7】
前記直線状セグメント(64)は、前記孔軸(18)の前記法平面(30)に平行に延びる、
請求項6に記載のシール(1)。
【請求項8】
前記封止突出部(28)は、前記孔軸(18)に対して互いに反対側にある2つの部分(5c、5d)を有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のシール(1)。
【請求項9】
さらなる封止突出部(28)が前記貫通開口部(10)に配置され、
複数の前記封止突出部(28)は、互いに平行に延びる、
請求項1から8のいずれか一項に記載のシール(1)。
【請求項10】
前記シール(1)は、さらなる封止突出部(28)を有するさらなる貫通開口部(10)を有し、
それぞれの前記貫通開口部(10)の複数の前記封止突出部(28)は、互いに平行に延びる、
請求項1から9のいずれか一項に記載のシール(1)。
【請求項11】
前記シール(1)は、マットシール(78)として適合されている、
請求項1から10のいずれか一項に記載のシール(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシール(1)およびハウジング部(70)を備え、
前記シール(1)は、前記ハウジング部(70)に収容されるように適合されている、
電気プラグデバイス(4)用のハウジングアセンブリ(2)。
【請求項13】
前記シール(1)および前記ハウジング部(70)は、2つの別個の構成要素であるか、または一体成型部品(74)を構成する、
請求項12に記載のハウジングアセンブリ(2)。
【請求項14】
請求項12または13に記載のハウジングアセンブリ(2)および少なくとも1つの導電体(12)を有する電気プラグデバイス(4)であって、
前記少なくとも1つの導電体(12)は、前記シール(1)の前記貫通開口部(10)を通って延び、
前記封止突出部(28)は、封止するように前記少なくとも1つの導電体(12)に当接する、
電気プラグデバイス(4)。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシール(1)を製造するためのキャスト成形器具(6)であって、
前記キャスト成形器具(6)は、前記シール(1)の前記貫通開口部(10)を形成するための少なくとも1つの中子(86)を備える、
キャスト成形器具(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気プラグデバイス用シールに関する。さらに、本発明は、そのようなシールを有するハウジングアセンブリ、およびそのようなシールを製造するためのキャスト成形器具に関する。加えて、本発明は、そのようなハウジングアセンブリを有する電気プラグデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
プラグデバイスは、多数の技術分野において、電流および/または信号を伝送するための着脱可能な接続部を形成するために用いられる。電気的な安全性および取り扱いの改善の理由から、プラグデバイスは通常、ハウジングを有し、ハウジングの内部からは、電流および/または信号の伝送のために導電体が出ている。この状況において、多くの場合、水分および/または塵がハウジングの内部に入ることをシールにより防止する必要がある。
【0003】
従来のシールでは、シールが導電体との封止圧入(sealing press fit)を形成する必要があり、したがって最初に導電体の通過に対する一定の抵抗力を及ぼすので、設置に比較的大きな労力が伴う。したがって、特に薄く繊細な導体の場合、そのような導体は工程中に曲がり易いため、通過が難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の根底にある課題は、滑らかにかつ過度な力を印加することなく設置することが可能な、プラグデバイスを封止するための技術的手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、電気プラグデバイス用のシールにより解決され、シールは、電気プラグデバイスの導電体を通過させるための貫通開口部を有し、貫通開口部は孔軸に沿って延び、貫通開口部には、孔軸の周りに閉じた状態で、かつ少なくとも部分的に孔軸の法平面(normal plane)に対して傾斜して延びる封止突出部が配置される。
【0006】
導電体は、電気プラグデバイスのコンタクト要素およびケーブルまたはワイヤであってよい。法平面は、孔軸に対して垂直な平面である。換言すると、法平面は、法線の平面または垂直平面である。
【0007】
本発明は、封止突出部の少なくとも部分的な傾斜が、導電体の通過を容易にする引込み面取り部を形成するため、有利である。この場合、封止突出部により形成される引込み面取り部は、従来のシールの場合のように径方向内方に向くのみでなく、周方向において傾斜して延びもする。これにより、導電体を貫通開口部に通過させるときの移動がより容易になり、それに対応して、導電体に及ぼすべき力がより小さくなる。
【0008】
本発明は、各々が有利であり、必要に応じて互いに組み合わされ得る以下の構成により、さらに改善することができる。
【0009】
容易に製造することが可能な第1の可能な構成によれば、シールは、ゴム、シリコーン、例えばビニルメチルシリコーン(VMS)、または別の封止材料から作製される封止要素であってよい。封止突出部は、孔軸に対して径方向内方に突出する封止リップまたは封止リブとして適合されることが好ましい。特に、封止リップまたは封止リブは、孔軸に対して任意の径方向断面(radial section)において内方に凸状に向き、貫通開口部の中心軸に最も近い頂点を有してよい。代替的に、封止突出部は、貫通開口部を少なくとも部分的にまたは完全に封止する封止ダイヤフラムであってよい。
【0010】
初めに述べた封止突出部の経路は、例えば、封止突出部を2つの等しい部分に分割する閉じた中心平面により画定されてよい。よって、この中心平面は、周方向に閉じるように孔軸の周りに延びるように適合され、少なくとも部分的に孔軸の法平面に対して傾斜して延びてよい。封止突出部の経路の全ての他の説明も、この中心平面を参照する。
【0011】
封止リップまたは封止リブとして適合される封止突出部の場合、経路は、全ての頂点の接続線により画定されてもよい。これは、この接続線が、周方向に閉じるように孔軸の周りに延びるように適合され、少なくとも部分的に孔軸の法平面に対して傾斜して延びてよいことを意味する。封止突出部の経路の全ての他の説明も、この接続線を参照する。
【0012】
封止突出部の経路の代替的な画定が、貫通開口部の内壁への封止突出部の移行部によりなされてよい。より正確には、封止突出部の表面および/または基部が、貫通開口部の内面へと移行してよい。封止突出部と内壁との間のこの移行部は、周方向に閉じるように孔軸の周りに延びるように適合され、少なくとも部分的に孔軸の法平面に対して傾斜して延びてよい。よって、封止突出部の経路の全ての他の説明も、この移行部を参照する。
【0013】
別の可能な構成によれば、封止突出部は、途切れなく延びてよい。特に、封止突出部は、孔軸の周りに途切れなく延びてよい。すなわち、封止突出部は、連続的に、曲線状に、滑らかに、衝撃なく、かつ/または隙間なしではなく延びてよい。さらに、孔軸の方向における封止突出部の経路は、少なくとも部分的に、連続的な、単調な、累進的な、または逆進的な勾配を有してよい。これは、漏洩を生じさせ得る折り目または間隙がないことを意味する。
【0014】
封止突出部の1つの部分は、孔軸の方向において封止突出部の別の部分からオフセットされてよい。特に、封止突出部は、第1の部分、およびそれから離隔する第2の部分を有してよく、2つの部分は、孔軸の方向において互いにオフセットされる。換言すると、2つのオフセット部分は、孔軸に対して異なる高さにある。よって、導電体を貫通開口部に通過させるときに、2つのオフセット部分を個別にかつ1つずつ通るように案内することができる。これにより、必要な最大の労力が低減し、または少なくとも貫通開口部の長さにわたって分散し、そのため一斉に印加されることがない。
【0015】
導電体が他の方法で安定的に保持され、孔軸の方向に見たときに自由な断面が貫通開口部の全長にわたって変化しないままである限り、封止力は、2つのオフセット部分の結果として必然的に減少することはない。
【0016】
2つのオフセット部分を互いに接続するために、封止突出部は、孔軸に対して、特に貫通開口部の中心軸に対して互いに反対側にある2つのさらなる部分を有してよい。換言すると、封止突出部は、互いに反対側にある、第3の部分、およびそれから離隔する第4の部分を有してよい。これは、2つの反対側部分が孔軸または中心軸に対して同じ高さにあることを意味する。2つの反対側部分は、鏡映対称(mirror symmetrical)であるように適合されることが好ましい。このとき、2つのオフセット部分および2つの反対側部分、すなわち第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分は、封止突出部を形成する。
【0017】
代替的に、封止突出部は、貫通開口部の中心軸に対して互いに対称に反対側にある部分を有しなくてもよい。このとき、2つのオフセット部分は、封止突出部の非対称な部分を介して互いに接続される。
【0018】
別の可能な構成によれば、封止突出部は、孔軸に対して傾斜する延在平面(extension plane)、特に直線的な延在平面に沿って延びてよい。これにより、直線的な平面に沿って延びない封止突出部と比較して、周方向長さがより短くなる。この状況において、延在平面は、1つのまたは2つの相互に垂直な傾斜軸により傾斜してよい。さらに、それぞれの傾斜は、最大45°であってよい。
【0019】
一般に、貫通開口部の内形は、導電体の外形に適合するものであってよい。よって、例えば、正方形または多角形の断面を有する導電体を通過させる必要がある場合、貫通開口部は、正方形または多角形の貫通孔として適合されてよい。
【0020】
丸いコンタクト要素、ケーブルまたはワイヤの封止を可能とするために、貫通開口部は、丸い円形孔として適合されてよい。さらに、封止突出部は、少なくとも部分的に、円形、環状、またはトロイド状の(toroidal)セグメントを形成してよい。特に、封止突出部の前述の第1の部分、第2の部分、第3の部分および第4の部分は各々、円形、環状、またはトロイド状のセグメントを形成してよい。
【0021】
例えば、貫通開口部の内径は、好ましくは最大で1mm、特に最大で0.8mm、いずれの場合も0.2mm超であってよい。よって、シールを用いて、多くの信号伝送分野で用いられるような特に微細な導電体を封止することができる。内径は、必要な場合には、より大きくてもよい。これは、例えば導電体がより大きい場合に当てはまり得る。
【0022】
平坦なリボンケーブルまたは平坦なコンタクト要素を封止するために、貫通開口部は、長手方向が孔軸に対して垂直に延びるオーバル形または多角形の長円孔として適合されてよい。さらに、封止突出部は、長円孔の長手方向に平行に延びる直線状セグメントを少なくとも部分的に形成してよい。特に、直線状セグメントは、孔軸の法平面に平行にまたは傾斜して延びてよい。
【0023】
例えば、封止突出部の上記の第1の部分および第2の部分は各々、孔軸の法平面に平行な直線状セグメントを形成してよい。同様に前述した封止突出部の第3の部分および第4の部分も、各々、孔軸の法平面に対して傾斜して延びる直線状セグメントを形成してよい。第1の部分および第2の部分は、長円孔の長辺に沿って延び、第3の部分および第4の部分は、長円孔の短辺に沿って延び、またはその逆であることが好ましい。
【0024】
別の可能な構成によれば、封止能力を高めるために、1つまたは複数のさらなる封止突出部が貫通開口部に配置されてよい。さらなる封止突出部または複数のさらなる封止突出部は各々、上述のように適合されてよい。特に、貫通開口部における全ての封止突出部は、互いに平行であってよい。代替的に、それぞれの封止突出部は、孔軸に対して異なる傾斜角度を有してもよい。
【0025】
いくつかの導電体を有するプラグデバイスにおいてもシールを用いることができるように、シールは、任意選択で、1つのさらなる貫通開口部またはいくつかのさらなる貫通開口部を有する。さらなる貫通開口部または複数のさらなる貫通開口部は各々、上述のように適合されてよい。いずれの場合も、全ての貫通開口部が同じ数の封止突出部を有することが好ましい。それぞれの貫通開口部の封止突出部は、互いに平行に延びてもよく、または、孔軸に対して異なる傾斜角度を有してもよい。
【0026】
最初に記した課題はまた、電気プラグデバイス用のハウジングアセンブリにより解決され、ハウジングアセンブリは、上述の構成のうちの1つに係るシール、およびハウジング部を備え、シールは、ハウジング部に収容されるように適合される。
【0027】
前述したシールの機能および利点に起因して、プラグデバイスの製造中に、多大な労力を必要とすることなく、導電体を本発明に係るハウジングアセンブリに装着することもできる。加えて、シールをハウジング部に収容することができ、よってシールがより寸法的に安定するため、ハウジング部により導電体の設置がさらに容易になる。
【0028】
ハウジングアセンブリの1つの可能な構成によれば、シールおよびハウジング部は、プラグデバイスの製造の一部として組み付けられる2つの別個の構成要素であってよい。この構成は、例えば経年または摩耗に起因してシールを交換する必要がある場合に、メンテナンス性に優れることを特徴とする。
【0029】
ハウジング部におけるシールの安定した接触を可能とするために、シールは、好ましくは孔軸に対して垂直に延びる少なくとも1つの平坦面を有してよい。特に、シールは、マットシールとして適合されてよい。
【0030】
任意選択で、シールは、少なくとも1つの径方向外方に向く外側封止リップを有する。外側封止リップは、ハウジングアセンブリの気密性に寄与し、シールをハウジング部に固定するので、シールがハウジング部に収容される場合に特に有利である。
【0031】
代替的に、シールおよびハウジング部は、一体成型部品(two-component part)を構成してよい。換言すると、ハウジング部は、プラスチック部品として射出成形され、次いでシールとオーバーモールドされてよい。よって、ハウジングアセンブリの、別個の構成要素の数がより少なくなる。
【0032】
電気プラグデバイスはまた、電気プラグデバイスが上述の構成のうちの1つに係るハウジングアセンブリおよび少なくとも1つの導電体を有する場合に、最初に記した課題を解決し、少なくとも1つの導電体は、シールの貫通開口部を通って延び、シールの封止突出部は、封止するように少なくとも1つの導電体に当接する。
【0033】
本発明に係るプラグデバイスも、シールの利点を享受する。特に、導電体を貫通開口部に通過させるときの労力をより小さくして、プラグデバイスを組み立てることができる。
【0034】
最後に、最初に記した課題はまた、上述の構成のうちの1つに係るシールを製造するためのキャスト成形器具により解決され、キャスト成形器具は、シールの貫通開口部を形成するための少なくとも1つの中子(core)を有する。
【0035】
本発明に係るキャスト成形器具により、前述した機能および利点を有するシールを製造することができる。
【0036】
キャスト成形器具の1つの可能な構成によれば、少なくとも1つの中子は、キャスト成形器具の他の部分に対して中子抜き方向に沿って移動するように適合されてよい。この場合、中子抜き方向は、孔軸に平行に延びることが好ましい。さらに、少なくとも1つの中子は、封止突出部を形成するための溝を有してよく、溝は、中子抜き方向の周りに、かつ中子抜き方向に対して傾斜して延びる。溝の傾斜により、少なくとも1つの中子における引離し面取り部(pull-off chamfer)が得られ、それにより、本発明に係るキャスト成形器具をより容易に中子抜きすることができる。
【0037】
任意選択で、溝の1つの部分は、中子抜き方向において溝の別の部分からオフセットされてよい。特に、溝は、第1の部分、およびそれから離隔する第2の部分を有してよく、2つの部分は、中子抜き方向において互いにオフセットされる。換言すると、2つのオフセット部分は、中子抜き方向に対して異なる高さにある。したがって、2つの部分の間の距離は、上記で前述した貫通開口部の自由断面(free cross-section)よりも大きい。よって、少なくとも1つの中子は、2つの部分が中子抜き方向に対して同じ高さにある場合よりも、2つの部分の間の材料厚さが大きい。結果として、この構成によれば、少なくとも1つの中子が摩耗または破損する前に、キャスト成形器具をより多くのキャスト成形サイクルにわたって使用することができる。
【0038】
以下、いくつかの実施形態に基づき、図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。それらの実施形態の様々な特徴は、上記の記載に従って必要に応じて組み合わされてよい。図面において、同様の、同一の、および機能的に同一の要素は、それが好都合である限り、同じ参照符号で識別されている。
【0039】
図面は、以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】第1の例示的実施形態に係るシールの模式的な斜視図である。
図2図1のシールの模式的な斜視断面図である。
図3】第2の例示的実施形態に係るシールの模式的な断面図である。
図4】第3の例示的実施形態に係るシールの模式的な斜視断面図である。
図5】第4の例示的実施形態に係るシールの模式的な斜視断面図である。
図6】例示的実施形態に係るハウジングアセンブリの模式的な斜視断面図である。
図7】例示的実施形態に係る電気プラグデバイスの模式的な断面図である。
図8】別の例示的実施形態に係る電気プラグデバイスの模式的な断面図である。
図9】例示的実施形態に係るキャスト成形器具の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1図5を参照して、本発明に係るシール1の模式的構造を以下で説明する。本発明に係るハウジングアセンブリ2の模式的構造を、図6を参照して説明する。次いで、本発明に係る電気プラグデバイス4の模式的構造を、図7および図8を参照して説明する。最後に、本発明に係るキャスト成形器具6の模式的構造を、図9を参照して説明する。
【0042】
図1は、電気プラグデバイス2用のシール1の例示的実施形態を示す。ここで、シール1は、ゴム、シリコーン、例えばビニルメチルシリコーン(VMS)、または別の封止材料から作製される封止要素8である。シール1は、電気プラグデバイス2の導電体12を通過させるための貫通開口部10を有する。導電体12は、電気プラグデバイス4のコンタクト要素14(図7参照)またはケーブル16(図8参照)のいずれかであってよい。
【0043】
貫通開口部10は、封止要素8を通って孔軸18に沿って延びる。図1に示す実施形態において、貫通開口部10は、オーバル形の長円孔20として適合される。長円孔20の長手方向22は、孔軸18に対して垂直に延びる。代替的に、貫通開口部10は、丸い円形孔24として適合されてもよい(図4および図5参照)。例えば、円形孔24の内径26は、最大で1mm、特に最大で0.8mm、いずれの場合も0.2mm超であってよい。これは、微細な導電体12の場合に有利であり得る。より大きい導電体12が用いられる場合、円形孔24は、それに対応してより大きくなってよい。
【0044】
一般に、貫通開口部10の内形は、導電体12の外形に適合するものであってよく、それにより、封止圧入がもたらされる。例えば、正方形または多角形の断面を有する導電体を通過させる必要がある場合、貫通開口部10は、正方形または多角形の貫通孔として適合されてもよい。
【0045】
閉じて周方向に延びるように適合され、孔軸18の法平面30に対して少なくとも部分的に傾斜して孔軸18の周りに延びる封止突出部28が、貫通開口部10に配置される。ここで、法平面30は、孔軸18に対して垂直な平面(すなわち法線の平面または垂直平面)である。
【0046】
封止突出部28の少なくとも部分的に傾斜した経路は、貫通開口部10への導電体12の通過を容易にする引込み面取り部32を形成する。この目的で、封止突出部28は、途切れなく延びることが好ましい。すなわち、封止突出部28は、連続的に、曲線状に、滑らかに、衝撃なく、または隙間なく延びてよい。さらに、孔軸18の方向における封止突出部28の経路は、少なくとも部分的に、連続的な、単調な、累進的な、または逆進的な勾配を有してよい。特に、封止突出部28は、孔軸18に対して傾斜する延在平面34、特に直線的な延在平面34に沿って延びてよい。傾斜角度36は、最大45°であってよい。
【0047】
図2および図3の断面図からわかるように、封止突出部28は、孔軸18に対して径方向内方に突出する封止リップ38として適合されてよい。孔軸18に対する任意の径方向断面40において、封止リップ38は、内方に凸状に向き、貫通開口部10の中心軸44に最も近い頂点42を有してよい。不図示の代替的実施形態によれば、封止突出部は、貫通開口部を少なくとも部分的にまたは完全に封止する封止ダイヤフラムであってよい。
【0048】
封止突出部28の経路は、例えば、全ての頂点42の接続線46により画定されてよい。これは、この接続線46が、孔軸18の周りに閉じた状態で周方向に延びるように適合され、少なくとも部分的に孔軸18の法平面30に対して傾斜して延びてよいことを意味する。封止突出部28の経路の全ての他の説明は、同様にこの接続線46を参照する。
【0049】
代替的に、封止突出部28の経路は、貫通開口部10の内壁50への封止突出部28の移行部48により画定されてよい。より正確には、封止突出部28の表面52および/または基部54が、貫通開口部10の内面56へと移行してよい(図3参照)。封止突出部28と内壁50との間のこの移行部48は、孔軸18の周りに閉じた状態で周方向に延びるように適合されてよく、少なくとも部分的に孔軸18の法平面30に対して傾斜して延びてよい。
【0050】
封止突出部28の経路のさらなる代替的な画定が、封止突出部28を2つの等しい部分に分割する閉じた中心平面(不図示)により提供されてよい。例えば、この中心平面は、閉じた状態で孔軸の周りに周方向に延びるように適合され、少なくとも部分的に孔軸の法平面に対して傾斜して延びてよい。
【0051】
封止突出部28は、第1の部分5a、第2の部分5b、第3の部分5cおよび第4の部分5dから形成されてよい。封止突出部28の第1の部分5aは、孔軸18の方向において封止突出部28の第2の部分5bからオフセットされる。さらに、この場合、第1の部分5aは、第2の部分5bから離隔する。換言すると、2つのオフセット部分5a、5bは、孔軸18に対して異なる高さにある(図3参照)。よって、導電体12を貫通開口部10に通過させるときに、2つのオフセット部分5a、5bを個別にかつ1つずつ通るように案内することができる。これにより、必要な労力が低減する、または少なくとも貫通開口部10の長さにわたってより良好に分散する。
【0052】
導電体12が他の方法で安定的に保持され(図7参照)、孔軸18の方向に見たときに自由断面60が貫通開口部10の全長に沿って変化しないままである限り、封止力は、2つのオフセット部分の結果として必然的に減少することはない。
【0053】
2つのオフセット部分5a、5bは、封止突出部28の、第3の部分5cおよびそれから離隔する第4の部分5dを介して互いに接続される。この場合、第3の部分5cおよび第4の部分5dは、孔軸18に対して、特に貫通開口部10の中心軸44に対して、互いに反対側にある(図1参照)。これは、2つの反対側部分5c、5dがそれぞれ孔軸18および中心軸44に対して同じ高さにあることを意味する。加えて、2つの反対側部分5c、5dは、鏡映対称であるように適合されてよい。
【0054】
図4および図5に示すように、封止突出部28の第1の部分5a、第2の部分5b、第3の部分5c、および第4の部分5dは各々、円形孔24として適合される貫通開口部10に配置される場合、トロイド状のセグメント62を形成してよい。
【0055】
長円孔20として適合される貫通開口部10においては、封止突出部28の第1の部分5aおよび第2の部分5bは各々、孔軸18の法平面30に平行に延びる直線状セグメント64を形成してよい。また、封止突出部28の第3の部分5cおよび第4の部分5dは各々、孔軸18の法平面30に対して傾斜して延びる直線状セグメント64を形成してよい。第1の部分5aおよび第2の部分5bは、長円孔20の長辺66に沿って延び、第3の部分5cおよび第4の部分5dは、長円孔20の短辺68に沿って延び、またはその逆であることが好ましい。
【0056】
例えば図6からわかるように、封止能力を高めるために、複数のさらなる封止突出部28が貫通開口部10に配置されてよい。さらなる封止突出部28は各々、上述のように適合されてよい。特に、貫通開口部10における全ての封止突出部28は、互いに平行に延びてよい。代替的に、それぞれの封止突出部は、孔軸18に対して異なる傾斜角度36を有してもよい(図8参照)。
【0057】
どれだけの数の導電体12が電気プラグデバイス4において用いられるかに応じて、シール1は、対応する数の貫通開口部10を有してよい。換言すると、シール1は、いくつかのさらなる貫通開口部10を有してよい(図3参照)。さらなる貫通開口部10は各々、上述のように適合されてよい。この場合、貫通開口部10は各々、同じ数の封止突出部28を有することが好ましい。それぞれの貫通開口部10の封止突出部28は、互いに平行に延びてもよく(図4参照)、または、孔軸18に対して異なる傾斜角度36を有してもよい(図5参照)。
【0058】
図6は、電気プラグデバイス2用のハウジングアセンブリ2の例示的実施形態を示す。ハウジングアセンブリ2は、上述の構成のうちの1つに係るシール1およびハウジング部70を有し、シール1は、ハウジング部70に収容される。さらに、ハウジングアセンブリ2は、同様にハウジング部70に収容されるさらなるシール1を有する。この場合、ハウジング部70は、プラスチック射出成形部品72として製造され、その後シール1とオーバーモールドされる。よって、シール1およびハウジング部70は、一体成型部品74を構成する。
【0059】
図7は、シール1およびハウジング部70が組み付け可能な別個の構成要素である、ハウジングアセンブリ2の代替的実施形態を示す。この場合、ハウジング部70におけるシール1の安定した接触を可能とするために、シール1は、好ましくは孔軸18に対して垂直に延びる少なくとも1つの平坦面76を有してよい。特に、シール1は、ハウジング部70の底部80に当接するように配置されるマットシール78として適合されてよい。
【0060】
任意選択で、シール1は、少なくとも1つの、好ましくは複数の径方向外方に向く外側封止リップ82を有する。外側封止リップ82は、ハウジングアセンブリ2の気密性に寄与し、シール1がハウジング部70に収容されたときにシール1をハウジング部70に固定する(図7参照)。
【0061】
外側封止リップ82に代えてまたは加えて、シール1は、ハウジングアセンブリ2のハウジングキャップ84により保持されてもよく、ハウジングキャップ84は、ハウジング部70に取り付け可能である(図8参照)。
【0062】
図7はさらに、ハウジングアセンブリ2および複数の導電体12を有する電気プラグデバイス4の例示的実施形態を示す。図からわかるように、導電体12は、シール1の貫通開口部10を通って延びる。貫通開口部10のそれぞれの封止突出部28は、対応する導電体12と封止当接する。さらに、導電体12は各々、ハウジング部70により保持されるコンタクト要素14として適合される。
【0063】
図8は、電気プラグデバイス4の別の例示的実施形態を示す。ここで、シール1の封止突出部28は、コンタクト要素14に当接せず、コンタクト要素14が端部に(例えば圧着、はんだ付け、溶接等により)取り付けられるプラグデバイス4の電気ケーブル16に当接する。この状態を実現するためには、コンタクト要素14をそれぞれの貫通開口部10に通過させる必要がある。この設置ステップは、封止突出部28における前述の引込み面取り部32により容易になる。
【0064】
図9は、シール1を製造するためのキャスト成形器具6の例示的実施形態を部分断面図で示す。キャスト成形器具6は、シール1の貫通開口部10を形成するための少なくとも1つの中子86を有する。さらに、キャスト成形器具6は、シール1がキャスト成形され得るキャビティ90を少なくとも1つの中子86と共に形成する、2つの分離可能なキャスト成形金型半部88a、88bを備える。少なくとも1つの中子86は、中子抜き方向92に沿って2つの金型半部88a、88bに対して移動するように適合され、中子抜き方向92は、孔軸18に平行に延びることが好ましい。
【0065】
さらに、少なくとも1つの中子86は、封止突出部28を形成するための溝94を含んでよい。溝94は、中子抜き方向92の周りに閉じた状態で延び、少なくとも部分的に中子抜き方向92に対して傾斜して延びる。溝94の傾斜により、少なくとも1つの中子86における引離し面取り部96が得られ、それにより、本発明に係るキャスト成形器具6をより容易に中子抜きすることができる。
【0066】
任意選択で、溝94の第1の部分98aは、中子抜き方向92において溝94の第2の部分98bからオフセットされてよい。換言すると、2つのオフセット部分98a、98bは、中子抜き方向92に対して異なる高さにある。したがって、2つのオフセット部分98a、98bの間の距離100は、前述した貫通開口部10の自由断面60よりも大きい。よって、少なくとも1つの中子86は、溝の全ての部分が中子抜き方向92に対して同じ高さにある場合よりも、2つのオフセット部分98a、98bの間の材料厚さ102が大きい。結果として、この実施形態によれば、少なくとも1つの中子86が摩耗または破損する前に、キャスト成形器具6をより多くのキャスト成形サイクルにわたって使用することができる。
【0067】
もちろん、製造されるシール1がいくつかの貫通開口部を有するべきである場合は、キャスト成形器具6がいくつかの中子86を有してもよい。中子86/複数の中子86の溝94の数は、それぞれの貫通開口部10に設けられる封止突出部28の数に依存する。
【符号の説明】
【0068】
1 シール
2 ハウジングアセンブリ
4 プラグデバイス
5a、5b、5c、5d 部分
6 キャスト成形器具
8 封止要素
10 貫通開口部
12 導体
14 コンタクト要素
16 ケーブル
18 孔軸
20 長円孔
22 長手方向
24 円形孔
26 内径
28 封止突出部
30 法平面
32 引込み面取り部
34 延在平面
36 傾斜角度
38 封止リップ
40 径方向断面
42 頂点
44 中心軸
46 接続線
48 移行部
50 内壁
52 表面
54 基部
56 内面
60 断面
62 トロイド状のセグメント
64 セグメント
66 辺
68 辺
70 ハウジング部
72 プラスチック射出成形部品
74 一体成型部品
76 平坦面
78 マットシール
80 底部
82 外側封止リップ
84 ハウジングキャップ
86 中子
88a、88b キャスト成形金型半部
90 キャビティ
92 中子抜き方向
94 溝
96 引離し面取り部
98a、98b 部分
100 距離
102 材料厚さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラグデバイス(4)の導電体(12)を通過させるための貫通開口部(10)を有する、前記電気プラグデバイス(4)用のシール(1)であって、
前記貫通開口部(10)は、孔軸(18)に沿って延び、
前記貫通開口部(10)には、前記孔軸(18)の周りに閉じた状態で、かつ少なくとも部分的に前記孔軸(18)の法平面(30)に対して傾斜して延びる封止突出部(28)が配置されている、シール(1)。
【請求項2】
前記封止突出部(28)は、前記孔軸の周りに途切れなく延びる、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項3】
前記封止突出部(28)の一部分(5a)は、前記封止突出部(28)の別の部分(5b)から前記孔軸(18)の方向においてオフセットされている、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項4】
前記封止突出部(28)は、前記孔軸(18)に対して傾斜する延在平面(34)に沿って延びる、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項5】
前記貫通開口部(10)は、丸い円形孔(24)として適合され、
前記封止突出部(28)は、円形セグメント、環状セグメント、またはトロイド状のセグメント(62)を少なくとも部分的に形成する、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項6】
前記貫通開口部(10)は、長手方向(22)が前記孔軸(18)に対して垂直に延びるオーバル形の長円孔(20)として適合され、
前記封止突出部(28)は、前記長円孔(20)の前記長手方向(22)に平行に延びる直線状セグメント(64)を少なくとも部分的に形成する、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項7】
前記直線状セグメント(64)は、前記孔軸(18)の前記法平面(30)に平行に延びる、
請求項6に記載のシール(1)。
【請求項8】
前記封止突出部(28)は、前記孔軸(18)に対して互いに反対側にある2つの部分(5c、5d)を有する、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項9】
さらなる封止突出部(28)が前記貫通開口部(10)に配置され、
複数の前記封止突出部(28)は、互いに平行に延びる、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項10】
前記シール(1)は、さらなる封止突出部(28)を有するさらなる貫通開口部(10)を有し、
それぞれの前記貫通開口部(10)の複数の前記封止突出部(28)は、互いに平行に延びる、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項11】
前記シール(1)は、マットシール(78)として適合されている、
請求項1に記載のシール(1)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシール(1)およびハウジング部(70)を備え、
前記シール(1)は、前記ハウジング部(70)に収容されるように適合されている、
電気プラグデバイス(4)用のハウジングアセンブリ(2)。
【請求項13】
前記シール(1)および前記ハウジング部(70)は、2つの別個の構成要素であるか、または一体成型部品(74)を構成する、
請求項12に記載のハウジングアセンブリ(2)。
【請求項14】
請求項12に記載のハウジングアセンブリ(2)および少なくとも1つの導電体(12)を有する電気プラグデバイス(4)であって、
前記少なくとも1つの導電体(12)は、前記シール(1)の前記貫通開口部(10)を通って延び、
前記封止突出部(28)は、封止するように前記少なくとも1つの導電体(12)に当接する、
電気プラグデバイス(4)。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか一項に記載のシール(1)を製造するためのキャスト成形器具(6)であって、
前記キャスト成形器具(6)は、前記シール(1)の前記貫通開口部(10)を形成するための少なくとも1つの中子(86)を備える、
キャスト成形器具(6)。
【外国語明細書】