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特開2024-55832変形したおよび/またはばらのワンピースタイのための案内ユニットを含む自動結束ツールデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055832
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】変形したおよび/またはばらのワンピースタイのための案内ユニットを含む自動結束ツールデバイス
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/18 20060101AFI20240411BHJP
【FI】
B65B13/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023173604
(22)【出願日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】20 2022 002 179.8
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】522160103
【氏名又は名称】ヘラマンタイトン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】タロウ・フクダ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・シュヴィン
【テーマコード(参考)】
3E052
【Fターム(参考)】
3E052BA01
3E052CB05
3E052CB07
3E052HA17
3E052LA05
3E052LA06
(57)【要約】
【課題】非直線のストラップを含むワンピースタイ(OPT)を確実に処理することができる、改善された自動結束ツールデバイスを提供すること。
【解決手段】OPTによって結束物品を結束するための自動結束ツールデバイス(ABT)は、OPTの外部リザーバからABTに供給されるOPTを受容、保持および解放するように構成された保持ユニットと、OPTを受容する保持ユニットの受容位置とOPTを解放する保持ユニットの解放位置との間で保持ユニットの動きを案内するように構成された運動案内ユニットと、結束物品の周りにOPTのストラップを案内するように構成されたクローユニットと、OPTが、受容位置から解放位置へと動く保持ユニットによって解放位置の方に向けて動かされるとき、OPTの先端をクローユニットのエントランスの方に向けて案内するように構成された少なくとも1つの案内フラップ要素を含む、先端案内ユニットと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワンピースタイ(2)、すなわちOPT(2)によって結束物品を結束するための、具体的にはワンピースタイ(2)としてばらのケーブルタイによって結束物品を結束するための、自動結束ツールデバイス(1)、すなわちABT(1)であって、
- OPT(2)の外部リザーバから前記ABT(1)に供給されるそれぞれのOPT(2)を受容、保持および解放するように構成された、保持ユニット(3)と、
- 前記保持ユニット(3)が所期の使用の間に前記それぞれのOPT(2)を受容する、前記保持ユニット(3)の受容位置と、前記保持ユニット(3)が所期の使用の間に前記それぞれのOPT(2)を解放する、前記保持ユニット(3)の解放位置との間で前記保持ユニット(3)の動きを案内するように構成された、運動案内ユニット(4)と、
- 前記結束物品の周りに前記それぞれのOPT(2)のストラップ(2b)を案内するように構成された、クローユニット(6)と、
を備え、
- 前記それぞれのOPT(2)が、前記受容位置から前記解放位置へと動く前記保持ユニット(3)によって前記解放位置の方に向けて動かされるとき、前記それぞれのOPT(2)の先端(2a)を前記クローユニット(6)のエントランス(6c)の方に向けて案内するように構成された少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)を含む先端案内ユニット(7)
を特徴とする、ABT(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)と、前記それぞれのOPT(2)が受容位置から解放位置へそれに沿って動くOPTトラック(5)と、の間の少なくとも1つの距離(dy、dz)が、前記クローユニット(6)の方に向かう方向に減少することを特徴とする、請求項1に記載のABT(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの距離(dy、dz)が、前記それぞれのOPT(2)の厚さ方向にy-距離(dy)として前記OPTトラック(5)に対して垂直に測定される、好ましくは前記それぞれのOPT(2)の厚さ方向にy-距離(dy)としておよび前記OPT(2)の幅方向にz-距離(dz)として前記OPTトラック(5)に対して垂直に測定されることを特徴とする、請求項2に記載のABT(1)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)が、前記クローユニット(6)の方に向けて狭くなる漏斗状部の一セクションを形成し、狭端部が、前記先端(2a)を前記クローユニット(6)の前記エントランス(6c)内へと案内するように構成されたゲート(7d)を形作ることを特徴とする、請求項2または3に記載のABT(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)が、前記ABT(1)の本体に対して可動的に配置され案内位置とクリアリング位置との間を動くことができ、前記案内位置では、前記クローユニット(6)に対して近位にある前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)の端部(7e)である、近位端部(7e)が、前記OPT(2)の前記先端(2a)を前記クローユニット(6)の前記エントランス(6c)内へと案内する前記ゲート(7d)または前記ゲート(7d)の一部を形成し、前記クリアリング位置では、前記近位端部(7e)と前記OPTトラック(5)との距離(dp)が、前記案内位置に比べて増加されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のABT(1)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)が、それぞれの回転軸(R)周りに回転可能に配置され、好ましくは、前記回転軸(R)が前記OPTトラック(5)に対して垂直に延び、および/または、前記回転軸(R)が前記OPTトラック(5)から非ゼロ距離(dr)を有することを特徴とする、請求項5に記載のABT(1)。
【請求項7】
前記回転軸(R)が、前記それぞれのOPT(2)の前記幅方向に対して平行に延びることを特徴とする、請求項6に記載のABT(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)が、ばね要素(8)によって前記案内位置に保持されるように構成され、および、前記クローユニット(6)に接近する前記保持ユニット(3)によって前記クリアリング位置へと動かされる、具体的には前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)との前記保持ユニット(3)の機械的相互作用によって前記クリアリング位置へと動かされるように構成されることを特徴とする、請求項5から7のいずれか一項に記載のABT(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)が、前記保持ユニット(3)と前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)との間の距離が予め設定された距離を超えるときに前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)を解放するように構成された係止要素(9)によって前記クリアリング位置において係止されるように構成されることを特徴とする、請求項5から8のいずれか一項に記載のABT(1)。
【請求項10】
前記OPTトラック(5)の方に向いた、前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)の面(7b、7c、7c’)である前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)の内面(7b、7c、7c’)が、滑面および/またはコーティングされた面であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のABT(1)。
【請求項11】
自動結束ツールデバイス(1)、すなわちABT(1)を用いて、ワンピースタイ(2)、すなわちOPT(2)によって結束物品を結束するための、具体的には、前記ワンピースタイ(2)としてケーブルタイによって前記結束物品を結束するための方法であって、
- 外部リザーバから前記ABT(1)にそれぞれのOPT(2)を供給する方法ステップと、
- 前記それぞれのOPT(2)を、前記それぞれのOPT(2)の先端(2a)を前にした状態で前記結束物品の方に向けて動かす方法ステップと、
- 前記それぞれのOPT(2)が、曲がったストラップ(2b)を有する場合、前記それぞれのOPT(2)の先端(2a)を、案内位置に配置された少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)によって、クローユニット(6)のエントランス(6c)の方に向けて案内する方法ステップと、
- 前記先端(2a)が前記クローユニット(6)に入った後、前記少なくとも1つの案内フラップ要素(7a)を、前記案内位置よりもOPTトラック(5)からさらに離れたクリアリング位置に動かす方法ステップと、
- 前記それぞれのOPT(2)のストラップ(2b)を、前記クローユニット(6)によって、前記結束物品の周りに前記それぞれのOPT(2)のヘッド(2c)を通って案内する方法ステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワンピースタイ(OPT)によって、詳細にはケーブルタイ、好ましくはばらのケーブルタイによって結束物品を結束するための自動結束ツールデバイス(ABT)に関する。自動結束ツールデバイスは、ワンピースタイの外部リザーバから自動結束ツールデバイスに供給されるそれぞれのワンピースタイを受容、保持および解放するように構成された、保持ユニットと、保持ユニットが所期の使用の間にそれぞれのワンピースタイを受容する、保持ユニットの受容位置と、保持ユニットが所期の使用の間にそれぞれのワンピースタイを解放する、保持ユニットの解放位置と、の間で保持ユニットの動きを案内するように構成された、運動案内ユニットと、所期の使用の間に結束物品の周りにそれぞれのワンピースタイのストラップまたはテールを案内するように構成された、クローユニット(claw unit)と、を備える。
【背景技術】
【0002】
自動結束ツールデバイスでは、通常、ケーブルタイ、またはより一般的にワンピースタイが、ワンピースタイによってループが結束物品の周りに作られるまで、結束物品周りにクローユニットの一組のクローまたはジョー要素内に案内される。ワンピースタイの先端は、長手方向にワンピースタイヘッド部の正面に配置され、次いで、案内ジョー要素に沿って押されて、ヘッド部の開口である窓に通されてループが閉じられる。次いで、張力印加または引き締めシステムが、ワンピースタイのストラップ部を把持し、結束部に張力を印加する、またはそれを引き締める。自動結束ツールデバイス内でワンピースタイを搬送する1つの可能性は、ワンピース固定タイをそのヘッドによって保持する保持固定具を組み込んだ機械的スライダの使用であり、これによりワンピースタイのための可動保持ユニットを実現する。このスライダは、ワンピースタイを結束物品の方に向けて前に動かすように長手方向に駆動可能であり、通常、1つの特定の所与のOPTタイプを保持するように設計されている。そのような解決策は、特許文献1に示されている。
【0003】
別のアプローチは、ケーブルタイが予め取り付けられている連結帯(bandoleer)によって実現される空気力学的または機械的な案内に依拠する。例えば、特許文献2または特許文献3を比較されたい。
【0004】
すべての既知のアプローチは、自動結束ツールデバイスの信頼性が、ワンピースタイの正確な形状、すなわちワンピースタイのストラップまたはテールの直線性に強く依存するという共通の問題を有している。具体的には、これは、ばらのワンピースタイ、好ましくはワンピースタイとしてばらのケーブルタイを使用することの妨げとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第18903233号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第19747727号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第3712076号明細書
【特許文献4】独国実用新案第202021105773号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明によって解決されるべき目下の問題は、変形した、すなわち非直線のストラップを含むワンピースタイを確実に、特に既存の解決策よりもより確実に処理することができる、改善された自動結束ツールデバイスを提供することとされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この問題は、独立請求項によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項、説明および図面から明らかになる。
【0008】
一態様は、ワンピースタイOPTによって結束物品を結束するための自動結束ツールデバイスABTに関し、好ましくはOPTはABTによって自動的に引き締められる。具体的には、ABTは、OPTとしてケーブルタイによって結束物品を結束するように構成され、好ましくはABTによって束ねられたケーブルは自動的に引き締められる。ABTは、非静止ABTであってもよい。ワンピースタイは、通常、袋または小袋に入れられて販売されるような、ばらのワンピースタイ、またはばらのケーブルタイであり得る。
【0009】
一般的に、OPTは、窓を含むケーブルタイヘッド(部)ならびにケーブルなどを結束することに使用され得るループを形成するために窓を通ってスライドされるケーブルタイストラップ(部)またはテール(部)を有する標準的なケーブルタイの一般化された概念として、ヘッド(部)にフット(部)を連結するネック(部)をさらに備える。フット部は、例えば、OPTを物品、例えば物品の孔に固定することに使用され得る、矢印ヘッド(モミの木形(fir tree)とも称される)のような、ある種の固定手段を備える。OPTは、1つまたは複数の所与のタイプに属することができ、ここで、異なるタイプに属するOPTは、フット部の幾何形状もしくは形状、ならびに/またはネック部の幾何形状もしくは形状、ならびに/またはヘッド部の幾何形状もしくは形状、ならびに/またはテール部の幾何形状もしくは形状、具体的にはテール部の長さおよび/もしくはテール部の厚さ、および/もしくはテール部の幅の広さの点で異なる。
【0010】
ここに記載のABTは、OPTの外部リザーバからABTに供給されるそれぞれのOPTを受容、保持および解放するように構成された、保持ユニットを備える。ABTは、保持ユニットが所期の使用の間その時点でABTによって処理されるそれぞれのOPTを受容する、保持ユニット受容位置と、保持ユニットが所期の使用の間に前記OPTを解放する、保持ユニットの解放位置と、の間で前後に保持ユニットの動きを案内するように構成された、運動案内ユニットをさらに備える。運動案内ユニットは、好ましくは、前記受容位置と前記解放位置との間での前後運動の間に長手方向に直線的に前記保持ユニットを案内するように構成された、直線運動案内ユニットである。長手方向は、OPTの先端が受容位置から解放位置へ前方向に配向され、OPTのヘッド部が前方向とは反対の後方向に配向された状態で、保持ユニットによって保持されているOPTの主延長方向に対応する。この定義は、理想OPT、すなわち、直線ストラップ部を含む非変形OPTに適用される。運動案内ユニットまたは直線運動案内ユニットによって、保持ユニットの低摩擦案内が可能になり、さらに、高い処理速度が可能になる。さらに、ABTは、運動案内ユニットまたは直線運動案内ユニットに沿って保持ユニットを動かすように構成された駆動ユニットを備えることができる。運動案内ユニットは、長手方向に対して平行に延びる、対応するレール要素を備えることができる。
【0011】
保持ユニットは、共通ベース要素上に可動的に配置される2つの把持要素を備えることができ、これらの把持要素は、長手方向を横断して延在する横方向へと移動することができる。ここでおよび以降において、「横断」は、「本質的に垂直」すなわち「垂直」、または「所与のずれを伴う垂直」を示し得るものである。ずれは、一般的に、例えば5°未満、2°未満または1°未満であり得る。各把持要素は、ABTの所期の使用の間に受容、保持、および解放されるべきそれぞれのOPTを収容するためのそれぞれの把持輪郭部を有することができる。この場合、輪郭部は、ABTによって処理されるべきそれぞれのOPTに特定的に適合される。各把持要素は、それぞれのOPTの受容および解放のための開位置から、それぞれのOPTの保持のための閉位置へと動かされるように構成され、逆もまた同様であり得る。開位置では、2つの把持要素同士の間の距離は、閉位置におけるよりも大きい。こうして、OPTは、把持要素同士の間に配置/そこから除去され得る。輪郭部は、保持ユニットにより、具体的には形状嵌めで、OPTを保持するように閉位置においてそれぞれのOPTのヘッド部および/またはネック部および/またはフット部を少なくとも部分的に囲繞することができる。
【0012】
保持ユニットは、保持ユニットの解放位置および受容位置の両方において、把持要素が閉位置にある係止構成および把持要素が開位置にある係止解除構成に設定できることが好ましい。それによって、ABTは、様々なタイプのOPT、具体的にはばらのケーブルタイのようなOPTも処理することが可能になる。具体的には、ABTは、参照によりその全体を本明細書に組み込む特許文献4のABTのすべての特徴を備え得る。
【0013】
さらに、ABTは、所期の使用の間に結束物品周りにそれぞれのOPTのストラップまたはテールを案内するように構成されたクローユニットを備える。ここでは、クローユニットは、静止クロー要素である第1のクローまたはジョー要素と、可動クロー要素である第2のクローまたはジョー要素と、を備えることができる。ここにおいて、および以降、静止および可動は、運動案内ユニットおよび/またはABTのハウジングおよび/またはABTのハンドルに対する動きに言及し得る。
【0014】
ABTは、バッフルプレート要素(baffle plate element)とも称され得る少なくとも1つの案内フラップ要素(好ましくは1つだけの案内フラップ要素)を含むバッフルユニットとも称され得る先端案内ユニットをさらに備える。先端案内ユニットは、前方、すなわち受容位置から解放位置へと動く保持ユニットによって、それぞれのOPTが保持ユニットの解放位置の方に向けて動かされるとき、それぞれのOPTの先端をクローユニットのエントランスもしくは入口の方に向けて、またはそこを通すように、案内または偏向させるように構成される。これは、偏向または曲がったOPT、すなわち、先端部が保持ユニットの動きによって決定されるOPTトラックから遠ざかるように横方向にシフトした偏向または曲がったストラップを含むOPTも、保持ユニットによってクローユニット内へと適切に動かされるように行われる。換言すると、案内フラップは、OPTの先端が、それらが理想(すなわち直線)OPTである場合のように、クローユニットの前記エントランスまたは入口の方へ動かされてそこを通るように、変形または曲がったOPTを一時的に真っ直ぐにするように構成される。案内フラップ要素は、以下により詳細に述べるように、可動案内フラップまたは静止案内フラップ要素であり得る。
【0015】
先端案内ユニットの案内フラップ要素に加えて、先端案内ユニットの部材ではない、クローユニットの追加の静止案内構造があってもよく、それは、OPTのストラップをクローユニット内へとより簡単に導く2つ以上の収束面のセットを備える。前方向に収束する前記少なくとも2つの面は、実際は、クローユニットの前記エントランスまたは入口を形成していてもよい。例えば、前記面は、結束物品周りにOPTのストラップを案内することに使用される、クローまたはジョー要素のうちの1つのOPTチャネルの壁および/または底部へ移行してもよい。
【0016】
これは、変形または曲がったOPTの先端が、クローユニットのエントランスに対して自動的に位置合わせされ、したがって、そうでなければ結束プロセスの失敗を招くOPTストラップの誤った案内の問題を克服する、という利点を与える。その結果、処理されるOPTについてのストラップの直線性に関する要件は、低減する。これは、ここで述べられる自動結束ツールデバイスが、失敗率を増加させることなく、曲がる可能性が大きいばらのOPT、特にばらのケーブルタイを処理することができる、という利点をもたらす。ばらのケーブルタイは、例えば弾帯(bandoleer)の形態で提供されるケーブルタイよりも安価であり、それが経済的な利点を与える。さらに、空の弾帯が新しい弾帯に取り替えられ得るよりも、ばらのケーブルタイは、結束プロセスの間により簡単に補充できるので、処理速度の増加が達成され得る。
【0017】
有利な一実施形態では、少なくとも1つの案内フラップ要素と、運動案内ユニットおよび/または保持ユニットによってそれぞれのOPTが受容位置から解放位置へそれに沿って動くOPTトラックと、の間の少なくとも1つの距離(すなわち、1つまたは複数の距離)は、クローユニットの方に向かう方向に減少する。したがって、この距離は、クローユニットへの接近が高まるにつれて減少する。この距離は、トラックに沿ったいくつかのそれぞれの位置において、トラックに対して垂直方向に測定される。好ましくは、クローユニットに対して近位にある少なくとも1つの案内フラップ要素の端部、すなわち近位端部は、クローユニットのエントランス(内)へと先端を案内するゲートまたはゲートの一部を形成している。その結果、OPTトラックは、ABTによって処理される理想(すなわち、直線)OPTのストラップに平行に延びる。したがって、少なくとも1つの案内フラップ要素およびOPTトラックは、少なくとも1つの案内フラップ要素が、OPTストラップを、OPTトラックの方に向けるまたは偏向させる、したがってOPTが保持ユニットによって長手方向に動かされる間にクローユニットのエントランスの方に向けるまたは偏向させるように、収束している。少なくとも1つの案内フラップ要素はさらに、以下にもたらされる説明からも明らかになるように、それ自体が、OPTの前記先端およびしたがってストラップをクローユニットのエントランスの方に向けて案内する、収束(内側)面を備えてもよい。それぞれの収束する(側)面は、1つの単一案内フラップ要素によって、または複数の案内フラップ要素、好ましくはちょうど2つの案内フラップ要素によって形成され得る。それぞれの収束(内側)面は、好ましくは90°未満の角度を囲むことができる。具体的には、OPTトラックと、上方向(OPTの厚さ方向)に曲がったストラップを偏向させるように構成された少なくとも1つの案内フラップ要素の(内側上)面と、の間の角度は、50°未満となり得る。これは、必要とされる、したがっていずれにしても実施される前方向におけるOPTの動きが、ストラップを真っ直ぐにすることに使用され、それによってストラップは追加のアクチュエータなしにクローユニット内へと確実に通され得るようになる、という利点を与える。
【0018】
特に有利な一実施形態では、少なくとも1つの距離は、それぞれのOPTの厚さ方向(上方向)にy-距離としてOPTトラックに対して垂直に測定され、ここでは、OPTは、測定のための理想(=直線)OPTであるとみなされる。好ましくは、少なくとも1つの距離は、それぞれのOPTの厚さ方向にy-距離として、およびそれに加えて、それぞれのOPTの幅方向(上方向を横断して延びる横方向)にz-距離として、トラックに対して垂直な2つの距離を含めて測定される。ここにおいて、少なくとも1つの案内フラップ要素の形状に応じて、1つの単一案内フラップ要素は、上方内側(偏向)面による減少するy-距離、または、上方内側(偏向)面による減少するy-距離および2つの収束する側方内側(偏向)面によるz-距離を実現することができる。あるいは、いくつかの、好ましくはちょうど2つの案内フラップ要素が前記1つまたは複数の距離を実施してもよい。そこにおいて、y-距離は、好ましくは、z-距離よりも大きな範囲をカバーし、つまり最も大きな(最大)y-距離は、最も大きな(最大)z-距離よりも大きくてもよい。y-距離は、10mmを上回る、好ましくは19mmを上回ってもよい最大y-距離を含む。z-距離は、8mmを上回る、好ましくは16mmを上回ってもよい最大z-距離を含む。これは、OPTの厚さ方向はそれぞれの結束物品を結束するようにループを形成する平面に対応するので、OPT、具体的にはばらのOPTはOPTの厚さ方向に曲がりがちであるが、曲がったOPTは、信頼性が増加するかたちでクローユニットのエントランスへと導かれ得るという利点を与える。その結果、幅方向では、理想直線OPTストラップからのストラップのずれはより少なくなると予想されることになる。
【0019】
その結果、少なくとも1つの案内フラップ要素は、クローユニットの方に向けて狭くなる漏斗状部の一セクションを形成することができ、狭(近位)端部が、先端をクローユニットのエントランス内へと案内するように構成されたゲートまたはゲートの一部を形作る。このセクションは、好ましくは、OPTトラックに対して垂直な平面内においてOPTトラック周りに円周方向に180°を超えて広がる。図面にさらに示されるように、少なくとも1つの案内フラップ要素は、主に、直線OPTトラックの主延長部内、すなわち(特に、案内フラップ要素が案内位置にあるときの)x-方向に延在することができる。これは、多種多様な様々に曲がったOPTが、クローユニットのエントランスへと確実に案内され得るという利点を与える。
【0020】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つの案内フラップ要素は、ABTの本体および/またはOPTのハンドルおよび/またはOPTトラックに対して可動的に配置される。ここで、少なくとも1つの案内フラップ要素は、案内位置とクリアリング位置(clearing position)との間を動くことができる。案内位置では、クローユニットに対して近位にある少なくとも1つの案内フラップ要素の端部(OPTトラック方向の狭端部である近位端部)は、OPTの先端をクローユニットのエントランス内へと案内するゲートまたはゲートの一部を形成している。クリアリング位置では、近位端部とOPTトラックとの距離は、案内位置に比べて増加される。その結果、案内位置からクリアリング位置へと動かされるとき、少なくとも1つの案内フラップ要素は、少なくとも一部、OPTトラックから遠ざかるように動かされ、それによって保持ユニットに対してスペースが与えられ、それによって保持ユニットが先端案内ユニットによって邪魔されずにクローユニットに接近することができるようになる。したがって、案内フラップ要素にもかかわらず、OPTは、保持ユニットによってクローユニットのすぐ近くに動かされ得る。これはさらに、すべてのOPTが、結束プロセスのより大きなパートにわたって保持ユニットによって保持され得るので、ABTの信頼性が向上する。
【0021】
ここで、少なくとも1つの案内フラップ要素は、それぞれの回転軸周りに回転可能に配置され得、好ましくは、回転軸はOPTトラックに対して垂直に延び、および/または、回転軸はOPTトラックから非ゼロ距離を有する。したがって、回転軸は、好ましくは、OPTトラックに対して垂直な平面内に延びる。1つの可能な実施形態では、回転軸は、それぞれのOPTの幅方向に対して平行に延びる。これは、先端案内ユニットが、1つだけの単一案内フラップ要素を備える場合に特に有利であり、したがって、OPTトラック一組(suit)から簡単で信頼性が高くかつ迅速に遠ざかるように動かされ得る。
【0022】
あるいは、特にちょうど2つの案内フラップ要素の使用と組み合わせて、それぞれの回転軸が、それぞれの理想または直線のOPTの厚さ方向に対して平行に延びてもよい。したがって、第1の代替実施形態では、少なくとも1つの案内フラップ要素が上方向に遠ざかるように動かされるのに対して、第2の代替実施形態では、少なくとも1つ例えば2つの案内要素がOPTトラックから側方方向に遠ざかるように動かされ得る。これらの2つの代替実施形態は、それらがOPTトラックの迅速なクリアランス、すなわちクローユニットの方に向けた保持ユニットの進路を可能にするので、特に有用であることが証明されている。とは言っても、第1の代替実施形態は、必要な部品が少ないので好ましい。とは言っても、保持ユニットの異なる形状に対してシステムを適合させるためには、いずれかの代替実施形態を選択することが適切であり得る。
【0023】
さらなる有利な一実施形態では、少なくとも1つの案内フラップ要素は、ばね要素によって案内位置に保持されるように構成され、クローユニットに接近する保持ユニットによってクリアリング位置へと動かされるように構成される。具体的には、少なくとも1つの案内フラップ要素は、少なくとも1つの案内フラップ要素との保持ユニットの機械的相互作用によってクリアリング位置へと動かされるように構成され得、ここで、機械的相互作用は、保持ユニットと、先端案内ユニット、特に少なくとも1つの案内フラップ要素と、の直接的な物理的接触によって実現され得、またはレバーなどのような適当な仲介手段の使用によって実施され得る。これは、先端案内ユニットが、個別のアクチュエータを必要とせず、また、少なくとも1つの案内フラップ要素の動きのタイミングは、その機械的設計によって、したがって制御プログラムなどとは無関係に調整可能であり、したがってABTの改良された機能性に適合させる必要がない、という利点を与える。好ましくは、保持ユニットおよび/または先端案内ユニット、具体的には少なくとも1つの案内フラップ要素は、前記機械的相互作用を実現するように構成されたそれぞれのスキッド要素を有する。スキッド要素は、結束ツールデバイスとOPTとの間の機械的接触が回避されるように構成され得る。それによって、ケーブルタイに対する機械的なダメージのリスクが最低限に抑えられる。
【0024】
他の有利な実施形態では、少なくとも1つの案内フラップ要素は、保持ユニットと少なくとも1つの案内フラップ要素との間の距離が予め設定されたまたは予め決定された距離を超えるときに少なくとも1つの案内フラップ要素を解放するように構成された係止要素によってクリアリング位置に係止されるように構成される。ここにおいて、係止要素は、レバーなどのような適当な仲介手段によって仲介される保持ユニットとの機械的相互作用によって少なくとも1つの案内フラップ要素を解放するように構成され得る。これは、保持ユニットと少なくとも1つの案内フラップ要素との絡み合い(entanglement)の可能性が低減されるので、保持ユニットを、少なくとも1つの案内フラップ要素からさらに独立的に設計することができる、という利点を与える。
【0025】
好ましくは、OPTトラックの方に向いた少なくとも1つの案内フラップ要素の面である、少なくとも1つの案内フラップ要素の内(偏向)面が、滑面および/またはコーティングされた面を有するまたは滑面および/またはコーティングされた面である。面の向きは、数学的処理から知られるように、すなわちその法線ベクトルの向きによって決定され得る。これはさらに、OPTストラップ先端と少なくとも1つの案内フラップ要素との絡み合いの可能性を低減するので、クローユニットのエントランスの方に向けたOPTストラップ先端の案内を支援する。
【0026】
別の態様は、自動結束ツールデバイスABTを用いて、ワンピースタイOPTによって結束物品を結束する、具体的にはワンピースタイとしてケーブルタイ、好ましくはワンピースタイとしてばらのケーブルタイによって、結束物品を結束する方法に関する。方法は、外部リザーバからABTにそれぞれのOPTを供給する方法ステップと、それぞれのOPTを、その先端を前にした状態で運動案内ユニットおよび/または保持ユニットによって、結束物品の方に向けて動かす方法ステップと、それぞれのOPTが曲がったストラップを有する場合、すなわち意図せずに非直線であるストラップの場合、それぞれのOPTの先端、結果としてそのストラップも、案内位置に配置された先端案内ユニットの少なくとも1つの案内フラップ要素によって、クローユニットのエントランスの方に向けて案内する方法ステップと、先端がクローユニットに入った後、少なくとも1つの案内フラップ要素を案内位置よりもOPTトラックからさらに離れたクリアリング位置に動かす方法ステップと、それぞれのOPTの先端(したがって、ストラップ)を、クローユニットによって、結束物品の周りにそれぞれのOPTのヘッド(部)内の窓を通って案内する方法ステップと、を含む。
【0027】
本方法の利点および有利な実施形態は、自動結束ツールデバイスの利点および有利な実施形態に対応している。
【0028】
説明の一般的な部分を含む上記に説明されている特徴および特徴の組合せ、ならびに、図面の説明または図面のみに開示されている特徴および特徴の組合せは、本開示の範囲から逸脱することなく、単独でまたは説明されている組合せで使用され得るだけでなく、他の特徴とともに、または、開示されている特徴のうちのいくつかを伴わずにも使用され得る。結果的に、図面によって明示的に図示および説明されていないが、図面に開示されている個々の特徴を別個に組み合わせることによって作り出され得る実施形態も、本開示の一部である。したがって、最初に策定された独立請求項のすべての特徴を含むわけではない実施形態および特徴の組合せは、開示されているものとして考慮されるべきである。そのうえ、請求項の従属関係によって記述されている特徴の組合せと異なるかまたはそれを越える実施形態および特徴の組合せは、開示されているものとして考慮されるべきである。
【0029】
例示的な実施形態を、概略的な図面を用いて以下にさらに述べる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】例示的な自動結束ツールデバイスの斜視図である。
図2図1の自動結束ツールデバイスの側面図である。
図3図1の自動結束ツールデバイスの詳細の斜視図である。
図4図3の詳細の別の斜視方向からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面において、同一または機能的に同一の特徴は、同じ参照記号を有する。
【0032】
図1は、ワンピースタイ2、OPT2によって結束物品を結束するための、自動結束ツールデバイス1、ABT1の斜視図である。本例のワンピースタイ2は、ばらのケーブルタイである。OPT2は、先端2a、ストラップ2bおよびヘッド2cを有する。
【0033】
ABT1は、OPTの外部リザーバからABT1に供給されるそれぞれのOPT2を受容、保持および解放するように構成された保持ユニット3をさらに備える。本例では、保持ユニット3は、2つの把持要素3a、3a’が上に取り付けられたスライダの形態で設けられる。把持要素3a、3a’は、OPT2のヘッド2cを受容することができる開位置から、個々の把持要素3a、3a’の形状によって画定される輪郭3bがOPT2のヘッド2cに対する少なくとも部分的な形状嵌め連結を確立する保持位置へと動くことができる。本例では、2つの把持要素3aおよび3a’は、前方向LOを直線的に横切るように、すなわち本図でのz-方向に動くことができ、ここで、前方向は、x-方向に対応する。
【0034】
ABT1は、所期の使用の間に保持ユニット3がそれぞれのOPT2を受容する、保持ユニット3の受容位置と、所期の使用の間に保持ユニットがそれぞれのOPT2を解放する、保持ユニット3の解放位置と、の間で保持ユニット3の動きを案内するように構成された運動案内ユニット4をさらに備える。図1では、運動案内ユニット4は、受容位置に示されていることに留意されたい。図2では、解放位置に近づく運動案内ユニット4が示されている。本例では、運動案内ユニット4は、OPTトラック5を画定する直線レール4aを含む直線運動案内ユニット4である。
【0035】
ABT1はさらに、結束物品周りにそれぞれのOPT2のストラップ2bを案内するように構成されたクローユニット6を備える。本例において、クローユニット6は、ABT1のハウジングまたはハンドルおよび運動案内ユニット4に対して移動不能であるため静止状態にある第1のクロー要素6aとして上側ジョーを備える。クローユニット6は、ストラップ2bをループにするように結束物品周りに案内を形成するために動く、具体的には開閉することができる、第2のクロー要素6bとして下側ジョーをさらに備える。
【0036】
本実施形態のABTは、受容位置から解放位置に動く保持ユニット3によって、それぞれのOPT2が保持ユニット3の解放位置の方に向けて前方向LOに動かされるとき、クローユニット6のエントランス6cの方に向けて先端2a、したがってそれぞれのOPT2のストラップ2bも案内するように構成された、少なくとも1つの案内フラップ要素7aを含む先端案内ユニット7を特徴とする。
【0037】
本例では、少なくとも1つの距離、ここでは少なくとも2つの距離がOPTトラック5に対して垂直に測定される。第1の距離は、それぞれのOPT2の厚さ方向であるy-方向のy-距離として測定される。第2の距離は、それぞれのOPT2の幅方向のz-距離として測定される。図3にはこれが詳細に示されている。その結果、本例では、少なくとも1つの案内フラップ要素7aは、(前方向LOに)クローユニット6の方に向かって狭くなる漏斗状部の一セクションを形成し、漏斗状部の狭端は、先端2aをクローユニット6のエントランス6cへまたはその内部へと案内するように構成されたゲート7dを形作る(すなわち、前記ゲート7dまたはその一部を形成する)。漏斗状部の前記セクションを形成するために、案内フラップ要素7aは、上側内(偏向)面7bならびに2つの側方内(偏向)面7c、7c’を備え、ここで、側方内面7c、7c’は、正x-方向、すなわち前方向LOに収束し、上側内面7bは、同じ方向においてOPTトラック5の方に向けて収束する。図4には、これがより詳細に示されている。
【0038】
本例では、少なくとも1つの案内フラップ要素7aが、ABT1の本体に対して可動的に配置される。これは、図1に示される案内位置と、図2に示されるクリアリング位置と、の間で動くことができる。案内位置では、クローユニット6の近位にある、少なくとも1つの案内フラップ要素7の端部7e、すなわち近位端部7eは、OPT2の先端2aをクローユニット6のエントランス6cへまたはその内部へと案内する前記ゲート7d、またはゲート7dの一部を形成している。クリアリング位置では、近位端部7eとOPTトラック5との距離dp、またはそれに対応して、OPTトラック5に沿って動かされるOPT2との距離は、案内位置と比較すると増加する。図2に示されるように、距離dpは、保持ユニット3が、その前に案内フラップ要素7aによって占められていたスペース内へと動くことができるように、増加され得る。
【0039】
少なくとも1つの案内フラップ要素7aの動きは、直線運動、または本例で示されるように、回転運動であってもよい。それに対応して、本例では、少なくとも1つの案内フラップ要素7aは、それぞれの回転軸R周りに回転可能に配置され、ここで、本例では、回転軸Rは、OPTトラック5を横断して延在する。回転軸とOPTトラック5との距離drが、ゼロでなく、例えば、ABT1によって処理されるべきOPTの厚さの少なくとも5倍を上回る、または少なくとも10倍を上回る場合、有利である。本例では、回転軸Rはまた、それぞれのOPT2の幅方向に対して平行に延在する。
【0040】
一代替解決策は、好ましくはそれぞれの回転軸周りにそれぞれ回転可能に配置された2つの可動案内フラップ要素を配置することであり、ここで、2つの回転軸は、互いに平行に延び、案内フラップ要素は、横向き、すなわちz-方向に開放される。図示の実施形態は少ない可動部材を備えるが、保持ユニットおよび利用可能なスペースの形状に応じて、そのような一代替実施形態が、それぞれの目下のそれぞれの用途のために選ばれてもよい。
【0041】
図面に示されるように、保持ユニット3が受容位置にあるとき、1つまたは複数の回転軸Rは、クローユニット6と保持ユニット3との間に、x-方向に配置されることが好ましい。図面はさらに、別法として、またはそれに加えて、近位端部7eを備える案内フラップ要素7aの一部(例えば、x-方向に見たときに、半分)は、近位端部7eとは(x-方向に)反対の端部を備える案内フラップ要素7aの別の部分(例えば他の半分)よりも1つまたは複数の回転軸Rからさらに離れていてもよいことを示している。
【0042】
ここで示される例では、少なくとも1つの案内フラップ要素7aは、ばね要素8によって案内位置に保持されるように構成され、および、本例では少なくとも1つの案内フラップ要素7aとの保持ユニット3の機械的相互作用によって、クローユニット6に接近する保持ユニット3によってクリアリング位置へと動かされるように構成される。さらに、図示の例では、少なくとも1つの案内フラップ要素7aは、保持ユニット3と少なくとも1つの案内フラップ要素7aとの間の前方向すなわちx-方向における距離が保持ユニット3が解放位置から受容位置へと後退するときに予め設定された距離を超えるときに少なくとも1つの案内フラップ要素7aを解放するように構成された係止要素9によってクリアリング位置に係止されるように構成される。内面7b、7cおよび7c’は、滑面および/またはコーティングされた面であってもよい。
【0043】
したがって、ここに図示されるABT1の機能性は、以下の例示的な方法ステップによって述べることができる。まず、保持ユニット3が(図1に示されるような)受容位置にあるとき、OPT2は、外部リザーバからABT1に供給される。OPT2は、例えば2つの把持要素3aおよび3a’への形状嵌め連結によって、その位置に固定される。次いで、それぞれのOPT2は、その先端2aを前にした状態で正x-方向である前方向LOに、結束物品(図示せず)の方に向けて動かされ得る。ここでは、OPT2が本図面に示される理想直線OPTではなく、先端2aと、先端2aが任意の追加の相互作用なしにエントランス6cに到達するために取ることになっているOPTトラック5と、の間に非ゼロ距離があるような意図せずに非直線であるストリップ2bを含むOPT2である曲がったOPT2の場合を考察する。曲がったストラップ2bを有するそれぞれのOPT2の場合、それぞれのOPT2の先端2aおよびストラップ2bは、(図3に示されるような)案内位置に配置されている先端案内ユニット7の少なくとも1つの案内フラップ7aによって、クローユニット6のエントランス6cの方に向けて案内される。次いで、先端2aがクローユニット6に入った後、先端案内ユニット7による案内はそれ以上必要なくなる。したがって、少なくとも1つの案内フラップ要素7aは、案内位置よりもOPTトラック5からさらに離れた(図2に示されるような)クリアリング位置に動かされる。少なくとも1つの案内フラップ要素7aがクリアリング位置にあるとき、保持ユニット3は、先端案内ユニット7のない場合に比べて同程度までクローユニット6のエントランス6cに接近することができる。その結果、ストラップ2bは、クロー要素6aおよび6bによって結束物品の周りを一周案内され、クローユニット6によってそれぞれのOPT2のヘッド2cに通されて戻り、通常通りにループを形成する。しかしながら、例示的な本実施形態では、曲がったOPT、具体的にはばらのケーブルタイは、確実に処理することができ、自動結束プロセスの故障を引き起こさない。
【符号の説明】
【0044】
1 自動結束ツールデバイス、ABT
2 ワンピースタイ、OPT
2a 先端
2b ストラップ
2c ヘッド
3 保持ユニット
3a 把持要素
3a’ 把持要素
3b 輪郭
4 運動案内ユニット
4a 直線レール
5 OPTトラック
6 クローユニット
6a 第1のクロー要素
6b 第2のクロー要素
6c エントランス
7 先端案内ユニット
7a 案内フラップ要素
7b 上側内面
7c 側方内面
7c’ 側方内面
7d ゲート
7e 近位端部
8 ばね要素
9 係止要素
LO 前方向
R 回転軸
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】