(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055835
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240411BHJP
G02B 5/20 20060101ALN20240411BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G02B5/20 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023173741
(22)【出願日】2023-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0128035
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 相 勳
(72)【発明者】
【氏名】金 鐘 旭
(72)【発明者】
【氏名】鄭 熙 根
【テーマコード(参考)】
2H148
4M118
【Fターム(参考)】
2H148BC00
2H148BE01
2H148BE13
2H148BE14
2H148BG11
4M118AA01
4M118AB01
4M118AB03
4M118BA14
4M118CA04
4M118CA07
4M118CA09
4M118DD04
4M118EA14
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA33
4M118GC08
4M118GC20
4M118GD04
4M118GD07
4M118HA25
(57)【要約】
【課題】乱反射が減少し、感度が改善された位相検出ピクセルを含むイメージセンサを提供する。
【解決手段】イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域と位相情報を検出するように構成される複数の第2ピクセル領域とを含む基板と、基板上に配置され複数の第1ピクセル領域及び複数の第2ピクセル領域の各々に対応する複数の空間を区分するグリッドパターンと、複数の空間の内の複数の第2ピクセル領域に対応する第2空間を除いた第1空間に各々配置される複数のカラーフィルタと、第2空間に各々配置され第2空間をそれぞれ区画する複数の偏光パターンと、複数のカラーフィルタ上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズと複数の第1マイクロレンズと同じレベルで複数の第2ピクセル領域を覆うように配置される複数の第2マイクロレンズと複数の第2マイクロレンズから第2空間に延長される充填部とを含むマイクロレンズ層と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域と、位相情報を検出するように構成される複数の第2ピクセル領域と、を含む基板と、
前記基板上に配置され、前記複数の第1ピクセル領域及び前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する複数の空間を区分するグリッドパターンと、
前記複数の空間の内の前記複数の第2ピクセル領域に対応する第2空間を除いた第1空間にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタと、
前記第2空間にそれぞれ配置され、前記第2空間をそれぞれ区画する複数の偏光パターンと、
前記複数のカラーフィルタ上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズと、前記複数の第1マイクロレンズと同じレベルで前記複数の第2ピクセル領域を覆うように配置される複数の第2マイクロレンズと、前記複数の第2マイクロレンズから前記第2空間に延長される充填部と、を含むマイクロレンズ層と、を有することを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記複数の偏光パターンは、それぞれ複数の線形パターンを含み、
前記複数の線形パターンのそれぞれの線形パターンは、等間隔に離隔して配置されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記複数の線形パターンのそれぞれの線形パターンは、それぞれ第1距離の幅を有し、互いに第1距離で離隔して配置され、
前記第1距離は、20nm~300nmであることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記グリッドパターンは、前記第1距離よりも大きい第2距離の幅を有し、
前記第2距離は、前記第1距離の2倍であることを特徴とする請求項3に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれのピクセル領域は、それぞれ互いに隣接して配列される複数対の第2ピクセル領域を含み、
前記複数の第2マイクロレンズのそれぞれは、一対の第2ピクセル領域を覆うように配置され、
前記一対の第2ピクセル領域に配置される前記複数の偏光パターンに含まれる前記複数の線形パターンは、第1方向に整列されることを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記一対の第2ピクセル領域に隣接した他の一対の第2ピクセル領域に配置される前記複数の線形パターンは、前記第1方向とは異なる第2方向に整列されることを特徴とする請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第1方向は、前記第2方向と90度の挟角を有することを特徴とする請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
前記第1方向は、前記第2方向と45度の挟角を有することを特徴とする請求項6に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記複数の第2ピクセル領域は、それぞれ互いに隣接して配列される複数対の第2ピクセル領域を含み、
前記複数の第2マイクロレンズのそれぞれは、正方形に配列される4個の前記第2ピクセル領域を覆うように配置され、
前記4個の第2ピクセル領域に配置される前記複数の偏光パターンに含まれる前記複数の線形パターンは、それぞれ第1方向ないし第4方向に配列され、
前記第1方向から第4方向は、順次に45度の挟角を有することを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記複数の偏光パターンは、前記グリッドパターンと同じ物質からなることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記複数の偏光パターンは、タングステン、TiO2、Low-K物質、TEOS(tetraethoxysilane)、及びエアギャップ(air gap)の少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記複数の偏光パターンは、前記グリッドパターンと同じ高さを有することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記複数の偏光パターンは、前記グリッドパターンよりも低い高さを有することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域と、位相情報を検出するように構成される複数の第2ピクセル領域と、前記複数の第2ピクセル領域の上面に対応する領域に配置される凹凸部と、を含む基板と、
前記凹凸部を埋め、前記上面を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜上に配置され、前記複数の第1ピクセル領域及び前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する複数の空間を区分するグリッドパターンと、
前記複数の空間にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタと、
前記複数のカラーフィルタの内の前記複数の第1ピクセル領域上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズと、前記複数の第1マイクロレンズと同じレベルで前記複数の第2ピクセル領域を覆うように配置される複数の第2マイクロレンズと、を含むマイクロレンズ層と、を有することを特徴とするイメージセンサ。
【請求項15】
前記複数のカラーフィルタは、青色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、及び赤色カラーフィルタを含み、
前記複数の第2ピクセル領域上には、前記緑色カラーフィルタが配置されることを特徴とする請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記凹凸部は、所定の間隔で離隔して配置される複数の凹部を含むことを特徴とする請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
前記凹凸部は、前記基板の上面に500Å~700Åの深さで配置されることを特徴とする請求項16に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
前記絶縁膜は、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物、及びシリコン窒化物の内の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項14に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域と、位相情報を検出するように構成される複数の第2ピクセル領域と、前記複数の第2ピクセル領域の上面に対応する領域に配置される凹凸部と、を含む基板と、
前記凹凸部を埋め、前記上面を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜上に配置され、前記複数の第1ピクセル領域及び前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する複数の空間を区分するグリッドパターンと、
前記複数の空間にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタと、
前記絶縁膜上に配置され、前記複数の空間の内の前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する空間をそれぞれ区画する複数の偏光パターンと、
前記複数のカラーフィルタの内の前記複数の第1ピクセル領域上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズと、前記複数の第1マイクロレンズと同じレベルで前記複数の第2ピクセル領域を覆うように配置される複数の第2マイクロレンズと、を含むマイクロレンズ層と、を有することを特徴とするイメージセンサ。
【請求項20】
前記複数のカラーフィルタは、青色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、及び赤色カラーフィルタを含み、
前記複数の第2ピクセル領域上には、前記緑色カラーフィルタが配置され、
前記複数の偏光パターンは、前記緑色カラーフィルタを区画することを特徴とする請求項19に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関し、特に、位相検出ピクセルを備えたイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージを撮影して電気的信号に変換するイメージセンサは、デジタルカメラ、携帯電話用カメラ、及び携帯用カムコーダのような一般消費者用電子機器だけでなく、自動車、保安装置、及びロボットに装着されるカメラにも使用される。
【0003】
従って、日々進歩する電子機器に搭載されるイメージセンサもさらなる性能の向上が課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来のイメージセンサにおける課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、乱反射が減少し、感度が改善された位相検出ピクセルを含むイメージセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明によるイメージセンサは、イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域と、位相情報を検出するように構成される複数の第2ピクセル領域と、を含む基板と、前記基板上に配置され、前記複数の第1ピクセル領域及び前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する複数の空間を区分するグリッドパターンと、前記複数の空間の内の前記複数の第2ピクセル領域に対応する第2空間を除いた第1空間にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタと、前記第2空間にそれぞれ配置され、前記第2空間をそれぞれ区画する複数の偏光パターンと、前記複数のカラーフィルタ上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズと、前記複数の第1マイクロレンズと同じレベルで前記複数の第2ピクセル領域を覆うように配置される複数の第2マイクロレンズと、前記複数の第2マイクロレンズから前記第2空間に延長される充填部と、を含むマイクロレンズ層と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するためになされた本発明によるイメージセンサは、イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域と、位相情報を検出するように構成される複数の第2ピクセル領域と、前記複数の第2ピクセル領域の上面に対応する領域に配置される凹凸部と、を含む基板と、前記凹凸部を埋め、前記上面を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜上に配置され、前記複数の第1ピクセル領域及び前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する複数の空間を区分するグリッドパターンと、前記複数の空間にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタと、前記複数のカラーフィルタの内の前記複数の第1ピクセル領域上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズと、前記複数の第1マイクロレンズと同じレベルで前記複数の第2ピクセル領域を覆うように配置される複数の第2マイクロレンズと、を含むマイクロレンズ層と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明によるイメージセンサは、イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域と、位相情報を検出するように構成される複数の第2ピクセル領域と、前記複数の第2ピクセル領域の上面に対応する領域に配置される凹凸部と、を含む基板と、前記凹凸部を埋め、前記上面を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜上に配置され、前記複数の第1ピクセル領域及び前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する複数の空間を区分するグリッドパターンと、前記複数の空間にそれぞれ配置される複数のカラーフィルタと、前記絶縁膜上に配置され、前記複数の空間の内の前記複数の第2ピクセル領域のそれぞれに対応する空間をそれぞれ区画する複数の偏光パターンと、前記複数のカラーフィルタの内の前記複数の第1ピクセル領域上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズと、前記複数の第1マイクロレンズと同じレベルで前記複数の第2ピクセル領域を覆うように配置される複数の第2マイクロレンズと、を含むマイクロレンズ層と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るイメージセンサによれば、位相検出ピクセル上に偏光パターンを配置して表面の乱反射を減少させ、位相検出ピクセルの基板の表面に凹凸部を形成して表面積を増加させることで受光能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態によるイメージセンサの概略構成を示す平面図である。
【
図3】
図1のイメージセンサのI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図5a】本発明の一実施形態による
図1のイメージセンサの変形例である。
【
図5b】本発明の一実施形態による
図1のイメージセンサの変形例である。
【
図5c】本発明の一実施形態による
図1のイメージセンサの変形例である。
【
図6】本発明の他の実施形態によるイメージセンサの概略構成を示す平面図である。
【
図8】
図6のイメージセンサのI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図10】本発明の他の実施形態によるイメージセンサを示す平面図である。
【
図11】
図10のイメージセンサのI-I’線に沿って切断した断面図である。
【
図13】本発明の他の実施形態によるイメージセンサの概略構成を示す断面図である。
【
図14a】
図13のイメージセンサの製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図14b】
図13のイメージセンサの製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図14c】
図13のイメージセンサの製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図14d】
図13のイメージセンサの製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図14e】
図13のイメージセンサの製造方法を説明するための工程断面図である。
【
図14f】
図13のイメージセンサの製造方法を説明するための工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係るイメージセンサを実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの概略構成を示す平面図であり、
図2は、
図1のA領域を示す拡大図であり、
図3は、
図1のイメージセンサのI-I’線に沿って切断した断面図であり、
図4は、
図3のB領域を示す拡大図である。
【0013】
図1及び
図3を参照すると、本実施形態によるイメージセンサ100は、第2チップ(100_2)と、第2チップ(100_2)上に配置される第1チップ(100_1)とを含み、第1チップ(100_1)は、複数の行及び複数の列に沿って配置される複数のピクセル領域(PX1、PX2)を含む第1基板110を含む。
【0014】
複数のピクセル領域(PX1、PX2)は、イメージ情報を生成するように構成される複数の第1ピクセル領域PX1と、位相情報を検出するように構成される第2ピクセル領域PX2とを含む。
第1ピクセル領域PX1は、『イメージセンシングピクセル(image sensing pixels)』とも言い、上記第2ピクセル領域PX2は、自動焦点機能のためのピクセルであって、『位相検出ピクセル(phase detection pixels)』とも言う。
本実施形態では、複数のピクセル領域(PX1、PX2)が6行6列で構成されるセルC1が複数個からなる場合を例に挙げて説明する。
説明の便宜上、
図1には、一つのセルC1のみを図に示した。また、複数のピクセル領域(PX1、PX2)は、それぞれ、3行3列からなる第1~第4ピクセルアレイ(PA1、PA2、PA3、PA4)を含む場合を例に挙げて説明する。
【0015】
本実施形態において、複数の第2ピクセル領域PX2は、それぞれ互いに隣接して配列される複数対(例えば、2対)の第2ピクセル領域PX2を含む。
図1を参照すると、本実施形態に採用された第2ピクセル領域PX2は、第1方向(例えば、D1)に隣接して配列される一対の第1位相検出ピクセルPDX1と、上記一対の第1位相検出ピクセルPDX1に隣接して配置され、第1方向D1に配列される他の一対の第2位相検出ピクセル領域PDX2とを含む。
一実施形態では、第1位相検出ピクセルPDX1及び第2位相検出ピクセル領域PDX2が互いに隣接して配置される場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではなく、第1位相検出ピクセルPDX1及び第2位相検出ピクセル領域PDX2は、互いに離隔して配置されることもできる。
【0016】
本実施形態において、第1ピクセル領域PX1のための第1マイクロレンズML1は、それぞれ一つのピクセルに一つのマイクロレンズが位置するように配列されるのに対し、第2ピクセル領域PX2のための第2マイクロレンズML2は、それぞれ隣接した一対のピクセルを覆うように配列される。
このように、第2マイクロレンズML2は、第2方向には第1マイクロレンズML1の幅と同じであるものの、第1方向には第1マイクロレンズML1の2倍の幅を有する。
【0017】
図3を参照すると、イメージセンサ100は、上述したように、第1チップ(100_1)及び第2チップ(100_2)を含む。
第1チップ(100_1)は、複数のピクセル領域(PX1、PX2)が配列されたイメージセンサチップであり、第2チップ(100_2)は、ロジッグ半導体チップである。
本明細書では、狭い意味で、第1チップ(100_1)のみをイメージセンサと称する。
【0018】
本実施形態において、第2チップ(100_2)は、第2基板140と、第2基板140上に配置される第2配線構造物130とを含む。
例えば、第2基板140は、Si又はGeのようなIV族半導体、SiGe又はSiCのようなIV-IV族化合物半導体、或いは、GaAs、InAs、又はInPのようなIII-V族化合物半導体を含み得る。
第2基板140は、活性領域を定義する素子分離部143と、活性領域上に形成される第2個別素子146と、を含み、第2個別素子146は、イメージ処理のためのロジッグ回路を構成し、例えば、ソース/ドレインとして提供される不純物領域146a及びゲート構造146bを有するトランジスタ素子である。
第2配線構造物130は、第2絶縁層131と、第2絶縁層131内に形成されて第2個別素子146に接続される第2多層配線135を含む。
第2多層配線135は、互いに異なる高さレベルに位置する複数の配線層と、複数の配線層及び/又は第2個別素子146を電気的に接続するビアとを含む。
【0019】
第1チップ(100_1)は、互いに反対に位置する第1面110A及び第2面110Bを有する第1基板110と、第1基板110の第1面110Aに配置される第1配線構造物120とを含む。
第1基板110は、それぞれ、ピクセル(PX1、PX2)として提供されるピクセル領域を定義する素子分離パターン115と、それぞれのピクセル領域に配置される光電変換素子PDとを含む。
例えば、光電変換素子PDは、基板の第2面110Bから入射された光の量に比例して電荷を生成及び蓄積する。
光電変換素子PDは、第1基板110の内部に形成される。
例えば、光電変換素子PDは、フォトダイオード(photo diode)の他に、フォトトランジスタ(phototransistor)、フォトゲート(photo gate)、埋込フォトダイオード(Pinned Photo Diode:PPD)、及びこれらの組み合わせで実現され得る。
【0020】
第1基板110は、光電変換素子PDとともに、第1面110Aに配置され、活性領域を定義する素子分離領域113と、活性領域上に配置されるトランスファーゲートTG及びフローティングディフュージョン領域FDと、活性領域上に形成される第1個別素子116とを含む。
トランスファーゲートTGは、第1基板110の活性領域の表面、即ち、第1面110Aから第1基板110の内部に延長される垂直トランジスタゲート構造を有する。
フローティングディフュージョン領域FDは、トランスファーゲートTGに隣接した活性領域内に形成される。
第1個別素子は、ソース/ドレインとして提供される不純物領域116a及びゲート構造116bを有するトランジスタを含む。
かかるトランジスタは、リセットトランジスタ(reset transistor)、選択トランジスタ(selection transistor)、及びソースフォロワトランジスタ(source follower transistor)を含む。
第1配線構造物120は、第1絶縁層121と、第1絶縁層121内に形成されて第1個別素子116に接続される第1多層配線125とを含む。
第1多層配線125は、互いに異なる高さレベルに位置する複数の配線層と、複数の配線層及び/又は第1個別素子116を電気的に接続するビアとを含む。
【0021】
本実施形態によるイメージセンサ100は、基板110の第2面110Bに順次に配置される絶縁膜151、グリッドパターン155、偏光パターン156、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)、及びマイクロレンズ層160を含む。
絶縁膜151は、第1基板110の第2面110Bとカラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)との間で第1基板110の第2面110Bを覆うように配置される。
絶縁膜151は、反射防止膜を含む。
一部の実施形態において、絶縁膜151は、平坦化膜をさらに含むことができる。
例えば、絶縁膜151は、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物、、及びシリコン窒化物の少なくとも一つ又は二つ以上の層を含み得る。
【0022】
グリッドパターン155は、絶縁膜151上に配置されてピクセル領域(PX1、PX2)を定義する。
グリッドパターン155は、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)を配置するための第1空間を定義する。
また、グリッドパターン155は、位相検出のための第2ピクセル領域PX2に対応する第2空間を提供する。
本実施形態において、第2空間は、前述したように、隣接した2個のピクセル領域PX2に該当する。
グリッドパターン155は、素子分離パターン115と垂直に重畳する。
グリッドパターン155は、ピクセル領域(PX1、PX2)内の光電変換素子PDと垂直に重畳しないこともある。
例えば、グリッドパターン155は、タングステンのような金属を含む。
また、グリッドパターン155は、TiO2のような高屈折率物質、低屈折率物質、TEOS(tetraethoxysilane)を含んでもよく、又は、エアギャップ(air gap)からなってもよい。
【0023】
図2及び
図3を参照すると、偏光パターン156は、位相検出のための第2ピクセル領域PX2に対応する第2空間にのみ配置される。
偏光パターン156は、絶縁膜151上に配置され、グリッドパターン155から延長して形成される。
偏光パターン156は、グリッドパターン155と同じ物質からなるが、これに限定するものではなく、グリッドパターン155とは異なる物質からなることもできる。
例えば、偏光パターン156は、タングステンのような金属を含む。
また、偏光パターン156は、TiO
2のような高屈折物質、低屈折物質、TEOS(tetraethoxysilane)を含んでもよく、又は、エアギャップ(air gap)からなってもよい。
【0024】
偏光パターン156は、グリッドパターン155と実質的に同じレベルの高さで形成されるが、実施形態によって、偏光パターン156は、グリッドパターン155よりも低いレベルの高さで形成されることもできる。
例えば、偏光パターン156は、グリッドパターン155が同じ工程において同じ物質で形成される場合、偏光パターン156は、グリッドパターン155と実質的に同じレベルの高さで形成される。
これに対し、偏光パターン156は、グリッドパターン155が互いに異なる工程で形成される場合、偏光パターン156は、グリッドパターン155とは互いに異なるレベルの高さで形成され得る。
【0025】
図3を参照すると、偏光パターン156は、第2ピクセル領域PX2で発生する乱反射を減少させるための複数の線形パターンを含む。
複数の線形パターンは、第2空間を覆うように配置される。
複数の線形パターンは、一方向に沿って等間隔に互いに離隔して配置され、一方向に沿って互いに平行に配置される。
偏光パターン156は、位相検出ピクセル(PDX1、PDX2)ごとに異なる方向性を有するように配置される。
例えば、
図2に示したように、第1位相検出ピクセルPDX1の第1偏光パターン156aは、第4方向D4に配置され、第2位相検出ピクセルPDX2の第2偏光パターン156bは、第4方向D4と直交する第5方向D5に沿って配置される。
複数の線形パターンは、幅と隔離距離が互いに同一になるように配置される。
例えば、複数の線形パターンは、それぞれ約20nm~約300nmの幅を有し、互いに約20nm~約300nmの隔離距離を有するように配置される。
例えば、複数の線形パターンは、それぞれ約20nm~約150nmの幅を有し、互いに約20nm~約150nmの隔離距離を有するように配置される。
また、複数の線形パターンの幅は、グリッドパターン155の幅の1/2になるように形成される。
【0026】
カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、グリッドパターン155によって定義される第1空間にそれぞれ配置されて、イメージセンシングのための第1ピクセル領域PX1を提供する。
カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、青色BカラーフィルタCF1、緑色GカラーフィルタCF2、及び赤色RカラーフィルタCF3を含む。
本実施形態において、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、それぞれ、一つのピクセル領域PXに配置される一つの光電変換素子PDと垂直に重畳する。
カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、それぞれ、互いに異なる特定の波長の光を透過させてその下に位置する光電変換素子PDで特定の波長の光から電荷を生成する。
カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、
図1に示したように、6行6列のノナ(Nona)型パターンで配列される。
ノナ型パターンは、人間の目が最も敏感に反応する緑色フィルタCF2が、全てのカラーフィルタの半分になるように配列される。
【0027】
マイクロレンズ層160は、第2ピクセル領域PX2上に位置する第2空間を埋める充填部GPと、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)及び充填部GP上にそれぞれ配置されるマイクロレンズMLとを含む。
マイクロレンズMLは、上に凸状の形態(例えば、半球状)を有し、所定の曲率半径を有する。
マイクロレンズMLは、イメージセンサに入射する光の経路を変更させて光を集光することができる。
マイクロレンズMLは、第1及び第2ピクセル領域(PX1、PX2)にそれぞれ対応するように配置される。
マイクロレンズMLは、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)上にそれぞれ配置される複数の第1マイクロレンズML1と、複数の第1マイクロレンズML1と同じレベルで第2ピクセル領域PX2を覆うように配置される第2マイクロレンズML2とを含む。
前述したように、本実施形態において、第1マイクロレンズML1は、それぞれ一つの第1ピクセル領域PX1に一つのマイクロレンズが位置するように配列され、第2マイクロレンズML2は、それぞれ隣接した一対の第2ピクセル領域PX2を覆うように配列される。
【0028】
本実施形態に採用される充填部GPは、複数のマイクロレンズMLと一体化した構造を有する。
充填部GP及びマイクロレンズMLは、同じ工程によって形成される(
図4d及び
図4eを参照)。
充填部GPは、第2マイクロレンズML2の下面に位置する。
充填部GPは、第2マイクロレンズML2との界面なしで連続的に形成される。
充填部GPは、第1及び第2マイクロレンズ(ML1、ML2)と同じ光透過性物質からなる。
例えば、マイクロレンズ層160は、全ての可視光線帯域の光に対して90%以上の光透過度を有する透明物質を含む。
例えば、マイクロレンズ層160は、透明樹脂を含む。
【0029】
第2ピクセル領域PX2は、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)の代わりに、第2マイクロレンズML2のための透明物質を適用して充填部GPを有する。
かかる充填部GPは、マイクロレンズ(ML1、ML2)と同じ透明物質で、マイクロレンズ(ML1、ML2)と同じ工程によって形成されるため、第2マイクロレンズML2及び充填部GPは、界面なしで連続的に形成された一体化した構造を有する。
【0030】
このように、位相検出のための第2ピクセル領域PX2でカラーフィルタを導入することなく、マイクロレンズMLと一体化した透明な充填部GPを提供することで、カラーフィルタによる光損失を防止することができる。
また、充填部GPは、マイクロレンズMLとの物理的/光学的な界面を有さないため、界面で発生する反射のような光損失を防止して、位相検出ピクセルの受光能力を大きく向上させることができる。
【0031】
図2及び
図3に示したように、本実施形態に採用された位相検出ピクセル(PDX1、PDX2)は、一対の位相検出ピクセル(PX2a、PX2b)によって共有するように構成される一つの第2マイクロレンズML2を含む。
位相検出ピクセル(PX2a、PX2b)によって共有された第2マイクロレンズML2は、レンズの形状及び/又は屈折率を用いて光電変換素子(PDa、PDb)に入射される光を制御する。
第2マイクロレンズML2によって、位相検出ピクセル(PX2a、PX2b)は、互いに異なる位相信号を出力し、互いに異なる位相信号によって焦点を調整する。
【0032】
図5a~
図5cは、本発明の実施形態による
図1のイメージセンサの変形例である。
図5aは、本発明の一実施形態によるイメージセンサ100Aの概略構成を示す平面図である。
図5aを参照すると、本実施形態では、複数のピクセル領域(PX1、PX2)が8行8列で構成されたセルC11が複数個含まれた場合を例に挙げて説明する。
説明の便宜上、
図5aには一つのセルC11のみを示した。
また、複数のピクセル領域(PX1、PX2)は、それぞれ、4行4列からなる第1~第4ピクセルアレイ(PA11、PA12、PA13、PA14)を含む場合を例に挙げて説明する。
【0033】
さらに、本実施形態によるイメージセンサ100Aは、第1~第4位相検出ピクセル領域(PDX11、PDX12、PDX13、PDX14)を備える。
これらのことを除外すると、本実施形態は、
図1~
図4に示したイメージセンサ100と類似するものと理解することができる。
また、本実施形態によるイメージセンサ100Aの各構成要素は、特に反対の説明がない限り、
図1~
図4で説明されたイメージセンサ100の同一又は類似の構成要素についての説明を参照して理解されることができる。
第1~第4位相検出ピクセル領域(PDX11、PDX12、PDX13、PDX14)は、互いに異なる方向性を有する偏光パターン156を含む。
例えば、第1~第4位相検出ピクセル領域(PDX11、PDX12、PDX13、PDX14)の偏光パターンは、それぞれ隣り合う位相検出ピクセル領域の偏光パターンと45度の挟角を有する方向に配置される。
【0034】
図5bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサ100Bを示す平面図である。
図5bを参照すると、本実施形態では、複数のピクセル領域(PX1、PX2)が3行3列で構成される一対のセル(C21、C22)が複数個含まれた場合を例に挙げて説明する。
説明の便宜上、
図5bには一対のセル(C21、C22)のみを示した。
上述のことを除外すると、本実施形態は、
図1~
図4に示したイメージセンサ100と類似するものと理解することができる。
また、本実施形態によるイメージセンサ100Bの各構成要素は、特に反対の説明がない限り、
図1~
図4で説明したイメージセンサ100の同一又は類似の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0035】
第1及び第2位相検出ピクセル領域(PDX21、PDX22)は、互いに異なるセルにそれぞれ配置される。
例えば、第1位相検出ピクセル領域PDX21は、第1セルC21に配置され、第2位相検出ピクセル領域PDX22は、第2セルC22に配置される。
第1及び第2位相検出ピクセル領域(PDX21、PDX22)は、第1及び第2セル(C21、C22)に互いに対応する位置に配置される。
【0036】
図5cは、本発明の一実施形態によるイメージセンサ100Cを示す平面図である。
図5cを参照すると、本実施形態では、複数のピクセル領域(PX1、PX2)が8行8列で構成されるセルC31が複数個含まれた場合を例に挙げて説明する。
説明の便宜上、
図5cには一つのセルC31のみを示した。
また、複数のピクセル領域(PX1、PX2)は、それぞれ、4行4列からなる第1~第4ピクセルアレイ(PA31、PA32、PA33、PA34)を含む場合を例に挙げて説明する。
さらに、本実施形態によるイメージセンサ100Cは、第1及び第2位相検出ピクセル領域(PDX31、PDX32)を備える。
第1及び第2位相検出ピクセル領域(PDX31、PDX32)は、それぞれ、正方形に配列される4個の第2ピクセル領域PX2を覆うように配置される第2マイクロレンズML2を含む。
【0037】
上述のことを除外すると、本実施形態は、
図1~
図4に示したイメージセンサ100と類似するものと理解することができる。
また、本実施形態によるイメージセンサ100Cの各構成要素は、特に反対の説明がない限り、
図1~
図4で説明したイメージセンサ100の同一又は類似の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0038】
第1及び第2位相検出ピクセル領域(PDX31、PDX32)にそれぞれ含まれる第4ピクセル領域PX2は、互いに異なる方向性を有する偏光パターン156を含む。
例えば、第1及び第2位相検出ピクセル領域(PDX31、PDX32)に含まれる4個の偏光パターンは、それぞれ隣り合う位相検出ピクセル領域の偏光パターンと45度の挟角を有する方向に配置される。
【0039】
図6は、本発明の他の実施形態によるイメージセンサの概略構成を示す平面図であり、
図7は、
図6のC領域を示す拡大図であり、
図8は、
図6のイメージセンサのI-I’線に沿って切断した断面図であり、
図9は、
図8のD領域を示す拡大図である。
【0040】
図6及び
図7を参照すると、本実施形態のイメージセンサ1000は、位相検出のための第2ピクセル領域PX2に凹凸部157が形成される。
また、複数のピクセル領域(PX1、PX2)は、それぞれ、4行4列からなる第1~第4ピクセルアレイ(PA41、PA42、PA43、PA44)を含む場合を例に挙げて説明する。
さらに、本実施形態によるイメージセンサ1000は、第1及び第2位相検出ピクセル領域(PDX41、PDX42)を備える。
なお、本実施形態のイメージセンサ1000は、
図1~
図4に示したイメージセンサ100と比較して、偏光パターンが配置されていないという相違点がある。
上述のことを除外すると、本実施形態は、
図1~
図4に示したイメージセンサ100と類似するものと理解することができる。
また、本実施形態によるイメージセンサ1000の各構成要素は、特に反対の説明がない限り、
図1~
図4で説明したイメージセンサ100の同一又は類似の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0041】
図6から
図9を参照すると、本実施形態によるイメージセンサ1000は、基板110の第2面110Bに形成された凹凸部157、凹凸部157を埋める絶縁膜151、グリッドパターン155、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)、及びマイクロレンズ層160を含む。
【0042】
凹凸部157は、第1基板110の第2面110Bに所定の間隔で配置される複数の凹部を含む。
凹凸部157の幅W4及び深さDP1は、多様に変形され得る。
凹凸部157は、第1基板110の第2面110Bに、100nm以下の深さ、例えば、約500Å~約700Åの深さDP1で形成される。
本実施形態では、凹凸部157が互いに離隔した複数の凹部からなる場合を例に挙げて説明するが、これに限定するものではなく、凹凸部157は、格子状及び四角錐状のように第1基板110の第2面110Bの表面積を増加させることができる多様な形状に形成することができる。
凹凸部157は、第1基板110の第2面110Bの表面積を増加させ、位相検出ピクセル(PDX41、PDX42)の光電変換素子(PDa、PDb)から受光した光の光量を増加させることができる。
これによって、イメージセンサ1000の感度が向上するようになる。
【0043】
図7及び
図9を参照すると、本実施形態の位相検出ピクセル(PDX41、PDX42)は、それぞれ、一対の位相検出ピクセル(PX2a、PX2b)を含む。
一対の位相検出ピクセル(PX2a、PX2b)は、一つの第2マイクロレンズML2を共有する。
【0044】
カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、グリッドパターン155によって定義される空間にそれぞれ配置されて、第1ピクセル領域PX1及び第2ピクセル領域PX2を提供する。
カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、青色BカラーフィルタCF1、緑色GカラーフィルタCF2、及び赤色RカラーフィルタCF3を含む。
本実施形態において、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)は、それぞれ、一つのピクセル領域PXに配置された一つの光電変換素子PDと垂直に重畳する。
第2ピクセル領域PX2には、緑色GカラーフィルタCF2が配置される。
【0045】
図9を参照すると、第1基板110の上面110Bには、絶縁膜(111、151)が配置される。
絶縁膜(111、151)は、凹凸部157を埋める第1絶縁膜111と、第1基板110の上面110Bを全体的に覆う第2絶縁膜151とを含む。
第1絶縁膜111及び第2絶縁膜151は、同じ物質からなる。
例えば、第1絶縁膜111及び第2絶縁膜151は、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物、及びシリコン窒化物の少なくとも一つを含み得る。
【0046】
図10は、本発明の他の実施形態によるイメージセンサを示す平面図であり、
図11は、
図10のイメージセンサをI-I’ 線に沿って切断した断面図であり、
図12は、
図11のE領域を示す拡大図である。
図10~
図12を参照すると、本実施形態によるイメージセンサ1000Aは、基板110の第2面110Bに形成された凹凸部157、凹凸部157上の絶縁膜151、平坦化層170、グリッドパターン155、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)、及びマイクロレンズ層160を含む。
【0047】
本実施形態のイメージセンサ1000Aは、前述した
図6~
図9に示したイメージセンサ1000と比較して、凹凸部157が四角錐状に形成され、絶縁膜151の上部に平坦化層170がさらに配置されているという相違点がある。
上述のことを除外すると、本実施形態は、
図6~
図9に示したイメージセンサ1000と類似するものと理解することができる。
また、本実施形態によるイメージセンサ1000Aの各構成要素は、特に反対の説明がない限り、
図6~
図9で説明したイメージセンサ1000の同一又は類似の構成要素についての説明を参照して理解することができる。
【0048】
図10から及び
図12を参照すると、本実施形態のイメージセンサ1000Aの凹凸部157は、四角錐状に形成される。
第1基板110の上面110Bをウェットエッチングすると、高エッチング率の(111)方向の結晶面に沿ってエッチングが進行し、四角錐状の凹凸部157が形成される。
凹凸部157上には均一な厚さの絶縁膜151が配置される。
絶縁膜151上には、絶縁膜151の表面を平坦化するための平坦化層170が配置される。
平坦化層170の深さDP2は、位相検出ピクセル(PX2a、PX2b)の幅の1/2以下である。
例えば、位相検出ピクセル(PX2a、PX2b)の幅が約0.6μmであると、平坦化層170の深さDP2は、約2500Åである。
平坦化層170は、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物、及びシリコン窒化物の少なくとも一つを含み得る。
【0049】
図13は、本発明の他の実施形態によるイメージセンサの概略構成を示す断面図である。
本実施形態のイメージセンサ10000は、前述した
図1~
図4のイメージセンサ100に含まれた偏光パターン156と、
図6~
図9のイメージセンサ1000に含まれた凹凸部157とをともに備える。
これによって、第2ピクセル領域PX2で発生する乱反射が減少するともに、イメージセンサ10000の感度が向上するようになる。
【0050】
図14a~
図14fは、
図13のイメージセンサの製造方法を説明するための工程断面図である。
本実施形態による製造方法は、
図13に示したイメージセンサ10000の製造方法と理解される。
【0051】
先ず、
図14aを参照すると、第1基板110の上面110Bをエッチングして凹凸部を形成した後、凹凸部に埋める第1絶縁膜111を形成する。
次に、
図14bを参照すると、第1チップ(100_1)のための第1ウェーハと、第2チップ(100_2)のための第2ウェーハとをボンディングした後、第1基板110の第2面110B上に絶縁膜151、グリッドパターン155、及び偏光パターン156を形成する。
【0052】
このようなボンディング工程は、ウェーハレベル工程によって実現される。
本実施形態において、第1及び第2基板(110、140)は、ウェーハと理解される。
第1基板110は、第1導電型の不純物でドープされ、第2導電型の不純物を第1基板110内に注入して光電変換素子PDを形成する。
第1基板110の第1面110Aに素子分離領域113を形成し、素子分離領域113に所定の深さで素子分離パターン115を形成することで、ピクセル領域(PX1、PX2)を定義する。
例えば、素子分離パターン115は、ポリシリコンを含む。
イメージ信号を生成するために、第1基板110の第1面110Bにフローティングディフュージョン領域FD、トランスファーゲートTG、及び多様なトランジスタを形成する。
第1基板110の第1面110Bに第1配線構造物120を形成して、第1チップ(100_1)のための第1ウェーハを製造する。
製造された第1ウェーハを、ロジッグ回路のための第2チップ(100_2)のための第2ウェーハ上にボンディングする。
【0053】
第1基板110の第1面110Aをグラインディングすることで、第1基板110が薄化される。
薄化された第1基板110の第1面110A上に素子分離パターン115が露出する。
絶縁膜151は、反射防止膜及び/又は平坦化膜を含む。
例えば、絶縁膜151は、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸化物、及びシリコン窒化物の少なくとも一つ又は二つ以上の層を含み得る。
【0054】
グリッドパターン155は、絶縁膜151上に配置して第1及び第2ピクセル領域(PX1、PX2)を定義する。
グリッドパターン155は、カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)を配置するための第1空間S1を定義する。
また、グリッドパターン155は、位相検出のための第2ピクセル領域PX2に対応する第2空間S2を提供する。
本実施形態において、第2空間S2は、隣接した2個のピクセル領域PX2をカバーするように提供する。
例えば、グリッドパターン155は、タングステンのような金属を含む。
また、偏光パターン156は、TiO2のような高屈折物質、低屈折物質、TEOS(tetraethoxysilane)を含んでもよく、又は、エアギャップ(air gap)からなってもよい。
【0055】
偏光パターン156は、第2ピクセル領域PX2にのみ配置する。
偏光パターン156は、グリッドパターン155と同時に形成する。
但し、これに限定するものではなく、偏光パターン156及びグリッドパターン155のいずれか一つが先に形成してもよい。
例えば、偏光パターン156は、タングステンのような金属を含む。
また、偏光パターン156は、TiO2のような高屈折物質、低屈折物質、TEOS(tetraethoxysilane)を含んでもよく、又は、エアギャップ(air gap)からなってもよい。
【0056】
次に、
図14cを参照すると、第1及び第2空間(S1、S2)が充填されるように、第1カラーフィルタのためのカラーフィルタ層CFLを形成し、次いで、
図14dに示すようにカラーフィルタ層CFLをパターニングして該当ピクセル領域PX1の第1空間S1に第1カラーフィルタCF1を形成する。
【0057】
カラーフィルタ層CFLは、第1及び第2空間(S1、S2)に充填されるように、スピンコーティングのようなコーティング工程によって形成する。
カラーフィルタ層CFLは、第1カラーフィルタのための物質であって、第1波長の光(例えば、青色光)を透過させるフィルタ物質を含む。
例えば、これらのフィルタ物質は、カラーフィルタ機能を有する染料や顔料を有する樹脂層である。
図14dに示したカラーフィルタ層CFLのパターニング工程は、露光及び現像によって行われる。
このようなパターニングは、第1基板110の他の第1ピクセル領域PX1の第1空間S1及び第2空間S2に位置したカラーフィルタ層CFLの部分を除去する。
【0058】
次に、
図14eを参照すると、
図4b及び
図4cで示した工程と同様に、異なる物質を用いてカラーフィルタ層をコーティングし、選択的に除去する工程を行って第2及び第3カラーフィルタ(CF2、CF3)を形成する。
本工程によって、第1ピクセル領域PX1には第2及び第3カラーフィルタ(CF2、CF3)が提供され、第2ピクセル領域PX2には第2カラーフィルタCF2が提供される。
【0059】
次に、
図14fを参照すると、第1~第3カラーフィルタ(CF1、CF2、CF3)上にレンズ物質層160Lを形成し、次いで、レンズ物質層160L上に所望のレンズ形状を有する犠牲パターンPMを形成する。
例えば、レンズ物質層160Lは、光透過性に優れた透明樹脂である。
レンズ物質層160Lは、実質的に平坦な上面を有するように形成する。
例えば、レンズ物質層160Lは、スピンコーティング工程によって形成する。
【0060】
犠牲パターンPMは、レンズ物質層160L上に配置し、それぞれのピクセル領域(PX1、PX2)で所望のレンズ形状を有するように加工する。
本実施形態において、第2ピクセル領域PX2上には、即ち、第2空間S2に該当する領域には2個の第2ピクセル領域PX2に渡って長いレンズ形状を有するように形成する。
犠牲パターンPMの形成工程は、犠牲物質層の形成後にパターニングして犠牲パターンPMを形成し、レンズ形状を有するようにリフロー(reflow)させる方式によって形成する。
次いで、犠牲パターンPMとともに、レンズ物質層160Lのエッチング工程を行うことで、犠牲パターンPMの形状をレンズ物質層160Lに転写させる。
このようなエッチング工程は、犠牲パターンPMが除去されるまで行われ、点線で表示されたマイクロレンズ層160が形成される。
【0061】
このようなイメージセンサは、ピクセルアレイを備え、ピクセルアレイに含まれたそれぞれのピクセルは光感知素子を含む。
イメージセンサは、イメージ撮影が短時間で正確に行えるように、オートフォーカシング(auto focusing)機能を行うことが求められる。
以上の説明により、乱反射が減少し、感度が改善された位相検出ピクセルを含むイメージセンサを開示した。
【0062】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
100、100A、100B、100C、1000、1000A、10000 イメージセンサ
100_1 第1チップ
100_2 第2チップ
110 第1基板
113 素子分離領域
115 素子分離パターン
115A 第1素子分離パターン
115B 第2素子分離パターン
116 第1個別素子
116a 不純物領域
116b ゲート構造
120 第1配線構造物
121 第1絶縁層
125 第1多層配線
130 第2配線構造物
131 第2絶縁層
135 第2多層配線
140 第2基板
143 素子分離部
146 第2個別素子
146a 不純物領域
146b ゲート構造
151 絶縁膜
155 グリッドパターン
156、156a、156b (第1、第2)偏光パターン
160 マイクロレンズ層
C21、C22 セル
CF1、CF2、CF3 (第1~第3)カラーフィルタ
FD フローティングディフュージョン
GP 充填部
ML、ML1、ML2 (第1、第2)マイクロレンズ
PA11~PA14 (第1~第4)ピクセルアレイ
PD、PDa、PDb 光電変換素子
PDX1、PDX2、PDX21、PDX22、PDX31、PDX32、PDX41、PDX42 (第1、第2)位相検出ピクセル領域
PDX11、PDX12、PDX13、PDX14 (第1~第4)位相検出ピクセル領域
PX1、PX2 (第1、第2)ピクセル領域
PX2a、PX2b 位相検出ピクセル
TG トランスファーゲート