(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055853
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】イメージングセンサ装置の画像データ用の自己コンフィギュレーション式記録装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/77 20060101AFI20240411BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240411BHJP
【FI】
H04N5/77
H04N23/60 500
H04N23/60 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174397
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 125 946.3
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】506012213
【氏名又は名称】ディスペース ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】dSPACE GmbH
【住所又は居所原語表記】Rathenaustr.26,D-33102 Paderborn, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルコ シュピルカー
(72)【発明者】
【氏名】グレゴア ズィーファース
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン リンデマン
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122EA42
5C122FC01
5C122FC02
5C122FG03
5C122FH00
5C122GA01
5C122GA23
5C122HA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】シリアライズされた画像データストリーム用の記録装置に組み込まれたデシリアライザのコンフィギュレーションを容易にする記録装置を提供する
【解決手段】画像データストリームをデシリアライズする第1デシリアライザ9と、第1デシリアライザをコンフィギュレーションするコンフィギュレーション装置28と、を含む記憶装置2において、コンフィギュレーション装置は、センサ装置4に配置された第2シリアライザ18をコンフィギュレーションするために、受信装置6が伝送するコンフィギュレーションデータストリームを記録し、その記録の分析により、第1デシリアライザのコンフィギュレーションを導出し、第1デシリアライザのコンフィギュレーションを特定し、第1デシリアライザに適したデシリアライザコンフィギュレーションデータストリーム30を作成し、それを用いて第1デシリアライザ9をコンフィギュレーションする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ装置(4)から受信装置(6)に流れる、シリアライズされた画像データストリーム(22)を録画するための記録装置(2)であって、
前記記録装置(2)は、第1データインタフェース(8)と、第1デシリアライザ(9)と、記憶装置(5)と、を含み、
-前記第1データインタフェース(8)は、前記第1データインタフェース(8)に前記画像データストリーム(22)を伝送するために、前記第1データインタフェース(8)と前記センサ装置(4)との間の第1データ接続部(12)を設定するために構成されており、
-前記第1デシリアライザ(9)は、前記第1データインタフェース(8)において受け取った前記画像データストリーム(22)をデシリアライズするように構成されており、
-前記記憶装置(5)は、前記第1デシリアライザ(9)によってデシリアライズされた前記画像データストリーム(22)を録画し、前記画像データストリーム(22)からの画像データを記憶媒体(7)に記憶するように構成されており、
前記記録装置(2)は、コンフィギュレーション装置(28)を有し、前記コンフィギュレーション装置(28)は、センサ(20)によって出力される画像データストリーム(22)をシリアライズしかつ前記第1データ接続部(12)に、シリアライズされた前記画像データストリーム(22)を供給するために前記センサ装置(4)に配置されたシリアライザ(18)をコンフィギュレーションするために、前記受信装置(6)によって伝送されたコンフィギュレーションデータストリーム(23)を記録し、
前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)の前記記録を分析し、前記分析に基づき、シリアライズされる前記画像データストリーム(22)の、前記センサ装置(4)に配置された前記シリアライザ(18)による処理を特定し、
前記分析の結果として得られた情報を用い、前記第1デシリアライザ(9)のコンフィギュレーション(52)であって、前記センサ(20)によって出力される前記画像データストリーム(22)を再構成するように前記第1デシリアライザ(9)を設定するコンフィギュレーション(52)を特定し、
前記第1デシリアライザ(9)の特定した前記コンフィギュレーション(52)に従って前記第1デシリアライザ(9)をコンフィギュレーションするように構成されていることを特徴とする、
記録装置(2)。
【請求項2】
前記記録装置(2)は、第2データインタフェース(10)と、第1シリアライザ(11)と、を含み、
-前記第2データインタフェース(10)は、前記受信装置(6)に前記画像データストリーム(22)を伝送するために、前記第2データインタフェース(10)と前記受信装置(6)との間の第2データ接続部(14)を設定するために構成されており、
-前記第1シリアライザ(11)は、前記記憶装置(5)によって前記画像データストリーム(22)を録画した後、前記画像データストリーム(22)を元のようにシリアライズして、元のようにシリアライズした前記画像データストリーム(22)を、前記第2データインタフェース(10)を通して出力するように構成されており、かつ、前記第1シリアライザ(11)は、画像データを受け取るための複数の入力ピン(PS1,…,PS10)を含み、
前記コンフィギュレーション装置(28)は、前記第1データ接続部(12)を介して伝送される前記画像データストリーム(22)をシリアライズするために前記センサ装置(4)に配置された第2シリアライザ(18)をコンフィギュレーションするために、前記受信装置(6)によって前記第2データ接続部(14)を介して前記第2データインタフェース(10)に伝送されるコンフィギュレーションデータストリーム(23)を記録し、
前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)の前記記録を分析し、前記分析に基づき、前記画像データストリーム(22)が、どのように前記第1シリアライザ(11)に対して処理されて前記第1シリアライザ(11)の前記入力ピン(PS1,…,PS10)に分配されるべきであるかを特定し、
前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーション(52)を構成し、これにより、前記分析において特定されたように前記画像データストリーム(22)を処理して前記第1シリアライザ(11)の前記入力ピン(PS1,…,PS10)に分配するように、前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーション(52)により、前記第1デシリアライザ(9)が設定される、ように構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の記録装置(2)。
【請求項3】
前記第1シリアライザ(11)と前記第2シリアライザ(18)とは、同じモデルシリーズに属し、前記記録装置(2)は、前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)を用いて、前記第1シリアライザ(11)をコンフィギュレーションするように構成されているか、または、
前記第1シリアライザ(11)と前記第2シリアライザ(18)とは、異なるモデルシリーズに属し、前記コンフィギュレーション装置(28)は、前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)によってあらかじめ設定される、前記第2シリアライザ(18)の前記コンフィギュレーションを、前記第1シリアライザ(11)の技術的に同じ作用を有するコンフィギュレーション(40)に移行し、技術的に同じ作用を有する前記コンフィギュレーションに従って前記第1シリアライザ(11)をコンフィギュレーションするように構成されている、
請求項2記載の記録装置(2)。
【請求項4】
前記記録装置(2)は、前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)を横取りし、これによって前記受信装置(6)により、前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)が用いられて、前記第2シリアライザ(18)の代わりに前記第1シリアライザ(11)がコンフィギュレーションされるように構成されている、
請求項3記載の記録装置(2)。
【請求項5】
前記記録装置(2)は、前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーションの終了まで、前記受信装置(6)によって繰り返して伝送されるコンフィギュレーションデータストリーム(23)、特に伝送される全てのコンフィギュレーションデータストリーム(23)を横取りするように構成されている、
請求項4記載の記録装置(2)。
【請求項6】
前記記録装置(2)は、前記第2シリアライザ(18)をコンフィギュレーションするために、前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーションの終了後、繰り返して伝送されるコンフィギュレーションデータストリーム(23)が前記センサ装置(4)に転送されるように構成されている、
請求項5記載の記録装置(2)。
【請求項7】
前記記録装置(2)は、前記第2シリアライザ(18)の前記コンフィギュレーションの終了後に前記センサ装置(4)によって伝送される、前記センサ装置(4)の使用準備完了を確認するための確認信号(82)が、前記受信装置(6)に転送されるように構成されている、
請求項6記載の記録装置(2)。
【請求項8】
前記記録装置(2)のコンフィギュレーション装置(28)は、前記分析のために、前記第2データ接続部(14)を介して伝送される前記画像データストリーム(22)をデシリアライズするために前記受信装置(6)に組み込まれた第2デシリアライザ(24)の既存のコンフィギュレーションを読み出して前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーション(52)の前記特定の際に考慮するように構成されている、
請求項1から7までのいずれか1項記載の記録装置(2)。
【請求項9】
前記記録装置(2)のコンフィギュレーション装置(28)は、前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーション(52)の前記特定の際に、前記入力ピン(PS1,…,PS10)に画像データを伝送するために、前記第1シリアライザ(11)の入力ピン(PS1,…,PS10)と、前記記録装置(2)の複数の内部データ線路(L1,…,L10)と、のデータ接続を記述するネットリスト(54)を考慮するように構成されている、
請求項2から8までのいずれか1項記載の記録装置(2)。
【請求項10】
前記記録装置(2)のコンフィギュレーション装置(28)は、前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーション(52)を特定するために、
-前記シリアライザ(11)の考えられるコンフィギュレーション(40)、特に前記シリアライザ(11)の考えられる全てのコンフィギュレーション(40)に、前記シリアライザ(11)のそれぞれ1つの技術的機能性(44)を対応付ける、第1抽象化マッピング(42)を調べ、
-前記シリアライザ(11)の前記コンフィギュレーション(40)に前記第1抽象化マッピング(42)を適用することにより、前記シリアライザ(11)の機能性(44)を特定し、
-前記シリアライザ(11)の考えられる機能性(44)、特に前記シリアライザ(11)の考えられる全ての機能性(44)に、前記第1デシリアライザ(9)のそれぞれ1つの機能性(48)を対応付ける、少なくとも1つの互換性マッピング(46,56)を調べ、
-前記シリアライザ(11)の特定された前記機能性(44)に前記互換性マッピング(46,56)を適用することにより、前記第1デシリアライザ(9)の機能性(48)を特定し、
-前記第1デシリアライザ(9)の機能性(48)、特に前記第1デシリアライザ(9)の全ての機能性(48)に、前記第1デシリアライザ(9)のそれぞれ1つのコンフィギュレーション(52)を対応付ける第1具体化マッピング(50)を調べ、
-前記第1デシリアライザ(9)の特定された前記機能性(48)に前記第1具体化マッピング(50)を適用することにより、前記第1デシリアライザ(9)の前記コンフィギュレーション(52)を特定する、
ように構成されている、
請求項1記載の記録装置(2)。
【請求項11】
互換性マッピングは、機能性マッピング(46)として構成されており、前記機能性マッピング(46)により、前記第1シリアライザ(11)の考えられる機能性(44)、特に考えられる全ての機能性(44)に、前記第1デシリアライザ(9)のそれぞれ1つの機能性(48)が直接に対応付けられる、
請求項10記載の記録装置(2)。
【請求項12】
互換性マッピングには、
-前記シリアライザ(11)の考えられる機能性(44)、特に前記シリアライザ(11)の考えられる全ての機能性(44)に、前記画像データストリーム(22)のそれぞれ1つの仕様(60)を対応付ける第2抽象化マッピング(58)が含まれており、
-前記画像データストリーム(22)の考えられる仕様(60)、特に前記画像データストリーム(22)の考えられる全ての仕様(60)に、前記第1デシリアライザ(9)のそれぞれ1つの機能性(48)を対応付ける第2具体化マッピング(62)が含まれている、
請求項10記載の記録装置(2)。
【請求項13】
前記記録装置(2)のコンフィギュレーション装置(28)は、前記第1デシリアライザ(9)の前記機能性(48)を特定するために、
請求項11に従って構成される第1互換性マッピング(46)を調べて、前記第1シリアライザ(11)の特定した前記機能性(44)に適用し、
請求項12に従って構成される第2互換性マッピング(56)を調べて、前記第1シリアライザ(11)の特定した前記機能性(44)に適用する、
ように構成されている、
請求項10記載の記録装置(2)。
【請求項14】
記録装置(2)の第1デシリアライザ(9)を構成する、コンピュータ実装式の方法であって、前記記録装置(2)は、センサ装置(4)から受信装置(6)に流れる、シリアライズされた画像データストリーム(22)の録画を作成するように構成されており、かつ、前記記録装置(2)は、次のコンポーネント、すなわち、第1データインタフェース(8)と、第1デシリアライザ(9)と、記憶装置(5)と、を含み、
-前記第1データインタフェース(8)は、前記画像データストリーム(22)を伝送するために、前記第1データインタフェース(8)と前記センサ装置(4)との間の第1データ接続部(12)を設定するために構成されており、
-前記第1デシリアライザ(9)は、前記第1データインタフェース(8)において受け取った前記画像データストリーム(22)をデシリアライズするように構成されており、
-前記記憶装置(5)は、前記第1デシリアライザ(9)によってデシリアライズされた前記画像データストリーム(22)を録画し、前記画像データストリーム(22)の画像データを記憶媒体(7)に記憶するように構成されており、
前記方法は、前記第1データ接続部(12)を設定するステップを含み、
前記方法は、前記受信装置(6)により、前記第2データ接続部(14)を介して伝送されるコンフィギュレーションデータストリームを記録するステップを有し、ここで前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)は、センサ(20)によって出力される画像データストリーム(22)をシリアライズして前記第1データ接続部(12)に、シリアライズされた前記画像データストリーム(22)を供給するために前記センサ装置(4)に配置されたシリアライザ(18)を設定するように構成されており、
前記方法は、
前記コンフィギュレーションデータストリーム(23)の前記記録を分析するステップと、前記分析に基づき、前記センサ装置(4)に配置された前記シリアライザ(18)によって、シリアライズされた前記画像データストリーム(22)の処理を特定するステップと、
前記分析によって得られた情報から、前記第1デシリアライザ(9)のコンフィギュレーション(52)であって、前記センサ(20)によって出力される前記画像データストリームを再構成するように前記第1デシリアライザ(9)を設定するコンフィギュレーション(52)を特定するステップと、
特定した前記コンフィギュレーション(52)に従って前記第1デシリアライザ(9)をコンフィギュレーションするステップと、
を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージングセンサの画像データを録画するためのデータロガーに関する。このようなデータロガーは、最近では自動車産業において重要になってきている。自動化が進行する中、車両には、イメージングセンサ装置、例えば、カメラセンサ、レーダセンサ、LiDARセンサまたは超音波センサならびに上述したセンサによって生成された画像データを評価するための制御装置が装備されている。これらの制御装置は、通例、安全上クリティカルな役割を果たし、また必要に応じて自立的に車両の制御に介入することができ(自動化レベル2)、またはそれどころか制御を少なくとも一時的に完全に引き受けることができる(自動化レベル3、4または5)。そのゆえに、これらの制御装置には、その実地使用の前に煩雑な評価が必要である。
【背景技術】
【0002】
このために従来技術において公知であるのは、イメージングセンサ装置を装備したテスト車両のテスト走行中に、センサ装置によって生成した画像データを記録装置、すなわちデータロガーに記録し、これにより、記録した画像データを後でコンピュータアルゴリズムを開発するために使用することであり、このコンピュータアルゴリズムは、制御装置において構成されて、画像データを読み込み、利用し、この画像データに基づいて自動運転車両を駆動制御することできる。例えば、記録された画像は、アルゴリズムの試験的なシミュレーションのために使用することができ、これにより、このアルゴリズムにより、画像データに記録された交通状況が正しく推定され、交通状況に適した制御命令が生成されるか否かを検査することができる。画像データは、ニューラルネットワークのトレーニングまたはテストにも使用可能であり、このニューラルネットワークは、アルゴリズムのために、画像データにおいて識別可能なオブジェクトのオブジェクトリストを作成するように構成されている。画像データは、仮想環境において安全にアルゴリズムもしくは制御装置をテストするために(Software in the LoopもしくはHardware in the Loop)、画像データに示されている交通状況をコンピュータシミュレーションとしてシミュレーションする合成シナリオに変換することも可能である。
【0003】
センサ装置から、センサデータの処理のために構成された受信装置、例えば制御装置への画像データの伝送は一般に、シリアライズされた形態で行われる。このために、センサ装置にはシリアライザが含まれており、このシリアライザにより、センサ装置によって生成された、連続して到着する生画像データがシリアルデータストリームに変換され、データ接続部を介して受信装置にこのシリアルデータストリームが転送される。受信装置にはデシリアライザが含まれており、このデシリアライザにより、データ接続部から画像データストリームを受け取り、そのシリアライズを戻し、受信装置の下流のコンポーネントに、例えば画像データを処理するためのプロセッサユニットに、デシリアライズされた画像データストリームを転送する。これに適したシリアライザおよびデシリアライザの主要なサプライヤーは、製品シリーズ「FPD-Link」を有するTexas Instruments社および製品シリーズ「Gigabit Multimedia Serial Link」(GMSL)を有するMaxim Integrated社である。
【0004】
画像データストリームの録画用に構成された記録装置、例えば上述したデータロガーは、「マンインザミドル」として構成可能である。このような記録装置は、最初に受信装置の代わりに画像データストリームを記録し、画像データストリームの録画を記憶装置に格納し、最終的に受信装置に画像データストリームを転送するように、センサ装置と受信装置との間に配置される。この際に記録装置は、その双方の通信相手に対してそれ自体を認識させないようにし、その代わりに双方に対して、それぞれ設定された通信相手、すなわちセンサ装置もしくは受信装置との直接の通信を見せ掛ける。択一的には、記録装置は、信号スプリッタから画像データストリームのコピーを記録するように構成されていてもよい。
【0005】
2つのケースにおいて記録装置には、横取りした画像データストリームをその録画の前にデシリアライズするために、それ自体のデシリアライザが必要であり、またマンインザミドルとしての実施形態ではさらに、受信装置に転送する前に画像データストリームを元のようにシリアライズするためにそれ自体のシリアライザが必要である。動作開始後、センサ装置におけるシリアライザを設定するために、受信装置により、コンフィギュレーションデータストリームが伝送される。記録装置は、このコンフィギュレーションデータストリームを横取りまたは傍受することができ、それ自体のシリアライザを設定するために直接に利用することができる。しかしながら、記録装置に組み込まれたデシリアライザの設定はより複雑である。デシリアライザは、画像データストリームによって伝送される画像データを読み出し可能かつ解釈可能な形式にするために、そのコンフィギュレーションにより、センサ装置によってシリアライズされた画像データストリームを再構成しなければならない、すなわち、センサ装置によって行われたシリアライズを戻さなければならない。記録装置にそれ自体のシリアライザが設けられている場合にはさらに、シリアライザを通過した後、画像データストリームは、センサ装置によって出力された画像データストリームと元のように同一でなければならない。これを生じさせる、デシリアライザの正しいコンフィギュレーションは、確かにコンフィギュレーションデータストリームから導出可能であるが、この導出は、従来技術によると、高度の専門知識を前提としかつ多くの時間的なコストがかかる煩雑な人手によるサービスである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、シリアライズされた画像データストリーム用の記録装置の、特に記録装置に組み込まれたデシリアライザのコンフィギュレーションを容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明によると、センサ装置から受信装置に流れる、シリアライズされた画像データストリームを録画するための記録装置が提案される。センサ装置とは、画像データを生成するように構成された任意のセンサシステムであって、画像データから、センサシステムの周囲にあるオブジェクトの空間的な配置についての情報が再構成可能であるセンサシステムのことと理解される。センサ装置は、例えば、レーダシステム、LiDARシステム、カメラ、熱画像カメラまたはソナーシステムであってよい。受信装置とは、センサシステムから出力される画像データを受け取るための任意の技術的な装置、例えば画像データに基づいて制御命令を生成するように構成された制御装置のことであると理解される。
【0008】
記録装置には、第1データインタフェースが含まれている。第1データインタフェースは、第1データインタフェースに画像データストリームを伝送するために、第1データインタフェースとセンサ装置との間の第1データ接続部を設定するために構成されている。記録装置にはさらに、第1デシリアライザが含まれており、この第1デシリアライザは、第1データインタフェースにおいて受け取った画像データストリームをデシリアライズするように構成されており、記録装置にはさらに、第1デシリアライザによってデシリアライズされた画像データストリームを録画し、画像データストリームからの画像データを記憶媒体に記憶するように構成された記憶装置が含まれている。好ましい1つの実施形態では、記録装置には、受信装置に画像データストリームを伝送するために、第2データインタフェースと受信装置との間の第2データ接続部を設定するように構成された第2データインタフェースと、第1シリアライザと、が含まれており、この第1シリアライザは、記憶装置によって画像データストリームを録画した後、これを元のようにシリアライズし、シリアライズした画像データストリームを、第2データインタフェースを通して出力するように構成されている。第1シリアライザには、画像データを受け取るための複数の入力ピンが含まれている。
【0009】
記録装置にはさらにコンフィギュレーション装置が含まれており、このコンフィギュレーション装置は、受信装置により、第2データ接続部を介して第2データインタフェースに伝送されるコンフィギュレーションデータストリームであって、本来はセンサ装置に配置された第2シリアライザを設定するために構成されたコンフィギュレーションデータストリームを記録するように構成されている。第2シリアライザは、センサによって出力される画像データストリームをシリアライズしかつシリアライズした画像データストリームを第1データ接続部に供給するためにセンサ装置に配置されている。コンフィギュレーション装置により、コンフィギュレーションデータストリームによって伝送されたコンフィギュレーションデータが分析され、この分析に基づいて、シリアライズされる画像データストリームの、第2シリアライザによる処理が特定される。この分析によって得られた、画像データストリームの処理についての情報に基づき、記録装置により、最終的に第1デシリアライザのコンフィギュレーションが特定される。第1デシリアライザのこのコンフィギュレーションは、前述のコンフィギュレーションに従って設定されたデシリアライザにより、センサによって出力された画像データストリームが再構成されるように、換言すると、第2シリアライザによって実行される、画像データストリームのシリアライズが戻されるように行われる。コンフィギュレーション装置はさらに、第1デシリアライザのコンフィギュレーションを特定した後、まさにこのコンフィギュレーションに従って第1デシリアライザを設定するように構成されている。
【0010】
記憶装置によって画像データストリームを録画した後、これを元のようにシリアライズし、第2データインタフェースを通して出力するために、記録装置が第2シリアライザを含んでいる場合、コンフィギュレーション装置は、分析に基づき、第1シリアライザに対して画像データストリームがどのように処理されて第1シリアライザの入力ピンに分配されるべきであるかを特定可能である。この場合、分析において特定されたように画像データストリームを処理して第1シリアライザの入力ピンに分配するように、第1デシリアライザがそのコンフィギュレーションによって設定されるように、コンフィギュレーション装置により、第1デシリアライザのコンフィギュレーションが構成される。
【0011】
シリアライザおよびデシリアライザのコンフィギュレーションは、特に第1シリアライザおよび第1デシリアライザのコンフィギュレーションも、通常の場合、シリアライザもしくはデシリアライザの書き込み可能レジスタを用いて行われ、決定されたレジスタコンフィギュレーションにより、シリアライザもしくはデシリアライザの特定の技術的機能性および挙動の仕方が生じる。
【0012】
特許開示文献の独国特許出願公開第102019132476号明細書から既に公知であるのは、本来は特定のモデルシリーズのシリアライザを設定するために設けられているコンフィギュレーションデータストリームからコンフィギュレーションデータを読み出して,別のモデルシリーズの別のシリアライザの、技術的に同じ作用を有するコンフィギュレーションに変換することにより、シリアライザのコンフィギュレーションを自動化することである。本発明とこの従来技術との実質的な相違は、シリアライザを設定するためのコンフィギュレーションデータストリームから、新たにコンフィギュレーションされるシリアライザの下流にありかつ正しくデシリアライズされた画像データストリームが供給されなければならないデシリアライザのコンフィギュレーションを導出することにある。
【0013】
好ましくは、記録装置における第1シリアライザと、センサ装置における第2シリアライザと、は同じモデルシリーズに属し、したがってその技術的装備および設定に関して同一である。このことは特に、第2シリアライザの考えられるあらゆるコンフィギュレーションが、第1シリアライザに同一に転用可能であり、また第1シリアライザおよび第2シリアライザが、双方ともに同一にコンフィギュレーションされている場合には、技術的観点において同じ挙動をすると理解される。このために、第1シリアライザは、交換可能なボードに配置可能であり、これにより、それぞれのセンサ装置について、記録装置において個別のボードを組み込むことができ、ボードにはそれぞれのセンサ装置に対して個別に選択した第1シリアライザが配置され、ここでこの第1シリアライザは、それぞれのセンサ装置において組み込まれた第2シリアライザと同じモデルシリーズに属する。この実施形態は、本来はセンサ装置の第2シリアライザのコンフィギュレーションのために構成されている記録されたコンフィギュレーションデータストリームが、第1シリアライザのコンフィギュレーションのために直接に利用可能である点で有利である。しかしながら、1つの欠点は、それぞれのセンサ装置に対して個別の第1シリアライザを組み込むことによって生じる製造コストの増大である。
【0014】
択一的には、第1シリアライザと第2シリアライザとは異なるモデルシリーズに属してもよい。この実施形態では、既に前に引用した独国特許出願公開第102019132476号明細書に記載された方法を適用することができ、これにより、コンフィギュレーションデータによってあらかじめ設定される、第2シリアライザのコンフィギュレーションを、第1シリアライザの技術的に同じ作用を有するコンフィギュレーションに移行し、技術的に同じ作用を有するコンフィギュレーションに従って第2シリアライザをコンフィギュレーションすることができる。この実施形態は、有効データ、すなわち特に画像データを受信装置に伝送するために設けられた、第1シリアライザの主データチャネルが、受信装置と互換性を有する場合に適用可能である。これが当てはまる場合、この実施形態では、個別に選択されるシリアライザの組込みが省かれ、これにより、記録装置の製造コストがさらに減少する。
【0015】
好ましくは、記録装置は、コンフィギュレーションデータストリームを横取りし、これにより、本来はセンサ装置における第2シリアライザをコンフィギュレーションするために設けられたコンフィギュレーションデータストリームはセンサ装置に到達せず、受信装置により、第2シリアライザの代わりに、コンフィギュレーションデータストリームが用いられて、第1シリアライザがコンフィギュレーションされるように構成されている。受信装置は、例えば、第2シリアライザからの確認信号が戻ってこないことにより、コンフィギュレーションの試みが失敗した後、第2シリアライザのコンフィギュレーションの過程を繰り返すように構成可能である。したがって、記録装置は特に好ましくは、第1デシリアライザのコンフィギュレーションが終了し、ひいては記録装置の使用準備が整うまで、受信装置によって繰り返し伝送されるコンフィギュレーションデータストリーム、特に伝送される全てのコンフィギュレーションデータストリームを横取りするように構成されている。
【0016】
センサ装置、記録装置および受信装置から成る全体システムの使用準備完了のためには、当然のことながら、最終的にセンサ装置における第2シリアライザ装置もコンフィギュレーションされていることが保証されなければならない。したがって、記録装置は好ましくは、第2シリアライザを設定するために、第1デシリアライザのコンフィギュレーションの終了後、受信装置から繰り返し伝送されるコンフィギュレーションデータストリームをセンサ装置に転送するように構成される。これとは択一的に、記録装置は、第1デシリアライザのコンフィギュレーションの終了後、受信装置からの新しいコンフィギュレーションデータストリームを待機する代わりに、第1データ接続部を介し、センサ装置にコンフィギュレーションデータの記録を自立的に伝送するように構成されてもよい。さらに、記録装置は好ましくは、第2シリアライザのコンフィギュレーションの終了後にセンサ装置によって伝送される、センサ装置の使用準備完了を確認するための確認信号を第1データインタフェースにおいて受信し、受信装置に転送するように構成されている。
【0017】
受信装置には通例、第2データ接続部を介して伝送される画像データストリームをデシリアライズするための第2デシリアライザが組み込まれている。第2デシリアライザには、第2デシリアライザの既存のコンフィギュレーションを読み出すために、第2データ接続部を用いて読み出し可能なインタフェースが含まれていてよい。第2デシリアライザの目下のコンフィギュレーションについての知識は、第1デシリアライザのコンフィギュレーションを特定するために役立ち得るかまたはそれどころか必要になることがある。したがって有利には、コンフィギュレーション装置は、コンフィギュレーションデータの分析のために、第2データ接続部を介して第2デシリアライザの既存のコンフィギュレーションを読み出し、第1デシリアライザのコンフィギュレーションを特定する際に考慮するように構成されている。
【0018】
第2デシリアライザのコンフィギュレーションの他に、別のデータであって、コンフィギュレーション装置によるその評価が、第1デシリアライザのコンフィギュレーションを特定するのに有利である別のデータが存在する。コンフィギュレーション装置は、この目的のために、入力ピンに画像データを伝送するために、画像データを受け取るための第1シリアライザの入力ピンと、記録装置の複数の内部データ線路と、のデータ接続を記述する、ネットリストを考慮するように構成可能である。画像データストリームが第1シリアライザの入力ピンにどのように分配されるべきであるかがコンフィギュレーション装置によって特定された後、このコンフィギュレーション装置により、ネットリストに基づいて、記録装置の内部データ線路が、これらの入力ピンにどのように接続されているかを確定することができ、またこの情報に基づいて、フォーマットされた画像データが、第1デシリアライザにより、内部データ線路に対応して分配されて、画像データが、特定された分配に対応して、第1シリアライザの入力ピンに到着するように、第1デシリアライザのコンフィギュレーションが構成される。
【0019】
特に、記録装置において、第2シリアライザと同じモデルシリーズに属する個別の第1シリアライザが組み込まれている場合、ネットリストは重要な情報である。というのは、この実施形態では確かに記録装置の内部データ線路は元々知られているが、第1シリアライザの画像データ入力ピンは知られていないからである。第1シリアライザを載置している交換可能なボードには、この実施形態では、入力ピン、もしくは入力ピンに通じる、ボードの電気的なデータ線路と、記録装置の内部データ線路と、を接続するインタフェースが含まれていなければならない。このインタフェースは、当然のことながら、第1シリアライザそれ自体と同様に個別であり、それぞれのインタフェースを記述する、関連するネットリストに基づいてのみ、どの内部データ線路が、第1シリアライザのどの入力ピンに通じているかをコンフィギュレーション装置が確定することができる。
【0020】
好ましくは、コンフィギュレーション装置はさらに、第1デシリアライザのコンフィギュレーションを特定するために第1抽象化マッピングを調べるように構成されている。第1抽象化マッピングは、第1シリアライザの(または第2シリアライザの、というのは、両者は、互いに交換可能であり、コンフィギュレーションデータストリームは、両方のシリアライザに適用可能であるため、抽象化マッピングが形式的に第1シリアライザに対応付けられているか第2シリアライザに対応付けられているかは、技術的な観点から取るのに足らないからである)考えられるコンフィギュレーションを第1シリアライザの技術的な機能性に対応付ける対応付けである。コンポーネントの機能性とはそれぞれ、技術的機能の集合であって、これらの技術的機能を実行するためにそれぞれのコンポーネントが構成されている技術的機能の集合のことであると理解される。換言すると、すなわち、第1抽象化マッピングには、第1シリアライザの具体的な複数のコンフィギュレーションに対し、それぞれのコンフィギュレーションによって生じる、第1シリアライザの技術的挙動の詳細なそれぞれ1つの記述が含まれている。有利には、第1抽象化マッピングは完全に構成されており、すなわち、第1抽象化マッピングが、第1シリアライザの考えられるあらゆるコンフィギュレーションに1つの技術的機能性を対応付けるように広範囲に構成されている。第1抽象化マッピングは、複数のサブコンフィギュレーションのリストとして構成可能であり、これらのサブコンフィギュレーションは、それぞれのサブコンフィギュレーションに1つの技術的機能または複数の技術的機能を対応付け、これにより、第1シリアライザの特定のコンフィギュレーションは、サブコンフィギュレーションの和として得られ、特定のコンフィギュレーションに対応付けられる機能性は、それぞれのサブコンフィギュレーションに対応付けられる機能の和として得られる。サブコンフィギュレーションとは、考えられる1つの実施形態では、第1シリアライザのコンフィギュレーションのために設けられた全てのレジスタの部分集合である、複数のレジスタの考えられるコンフィギュレーションと理解される。
【0021】
この実施形態では、コンフィギュレーション装置は、第1シリアライザのコンフィギュレーションに第1抽象化マッピングを適用することにより、第1シリアライザの機能性が特定されるように構成されている。引き続いて、第1シリアライザの考えられる機能性に、第1デシリアライザのそれぞれ1つの機能性を対応付ける互換性マッピングがコンフィギュレーション装置によって調べられる。互換性マッピングも好適には完全に、すなわち、第1シリアライザの考えられるあらゆる機能性に、第1デシリアライザのそれぞれ1つの機能性を対応付ける。互換性マッピングによって対応付けられた、第1デシリアライザの機能性のそれぞれは、それぞれの機能性を実施する第1デシリアライザにより、画像データストリームが処理されて記録装置の内部データ線路に分配されて、第1シリアライザにより、第1抽象化マッピングを用いて特定された機能性が、設定されたように実施可能であるように構成されている。コンフィギュレーション装置は、第1デシリアライザの機能性を特定するために、第1シリアライザの特定された機能性に互換性マッピングを適用する。本発明の実施形態に応じて、第1デシリアライザの機能性のこの特定は、直接的に、間接的に、または直接的および間接的に行うことができる。
【0022】
第1デシリアライザの機能性を特定した後、コンフィギュレーション装置により、第1デシリアライザの機能性に第1デシリアライザのそれぞれ1つのコンフィギュレーションを対応付ける第1具体化マッピングが調べられる。コンフィギュレーション装置は、第1デシリアライザの特定された機能性に第1具体化マッピングを適用し、これによって第1デシリアライザのコンフィギュレーションを特定し、特定したそのコンフィギュレーションに対応して第1デシリアライザをコンフィギュレーションする。
【0023】
本発明の1つの実施形態では、互換性マッピングは、機能性マッピングとして構成されており、この機能性マッピングにより、第1シリアライザの考えられる機能性に、第1デシリアライザのそれぞれ1つの機能性が直接に対応付けられている。
【0024】
別の1つの実施形態では、互換性マッピングには、第2抽象化マッピングおよび第2具体化マッピングが含まれていてよい。第2抽象化マッピングは、第1シリアライザの考えられる機能性に、画像データストリームのそれぞれの1つの仕様を対応付ける。画像データストリームの仕様とは、ここでは、画像データおよび画像データ流の技術的な実施形態のユーザに近い記述であると理解され、しかしながら、この仕様には、この記述に対応して画像データおよび画像データ流を処理することを目的として、画像データを処理するための、もしくは画像データ流をルーティングするための技術的手段または処置についての具体的な情報は含まれていない。画像データストリームの仕様では、例えば、送信元アドレスおよび宛先アドレスを直接的にまたは間接的に指定することができるが、送信元アドレスから宛先アドレスへと画像データを伝送するために、どの内部ポートまたはデータ接続部を介して、画像データを導くべきかについての情報を指定することはできない。画像データストリームの仕様では、例えば、当業者には理解できる、画像データおよび/または画像データ流についての特性量、例えば伝送周波数またはフォーマットは指定可能であるが、仕様に従って画像データを設定するために、行うべき設定についての情報は指定可能ではない。第2具体化マッピングは、画像データの考えられる仕様に、第1デシリアライザのそれぞれの1つの機能性を対応付け、第2具体化マッピングによって対応付けられる機能性のそれぞれは、第1デシリアライザにより、画像データが処理されて記録装置の内部データ線路に分配され、これにより、第1デシリアライザから出力される画像データストリームが、画像データストリームの特定された仕様を満たすように構成されている。さらに、第2具体化マッピングによって対応付けられた機能性のそれぞれは、第1デシリアライザが、特定された機能性に従って、特定された仕様を満たす画像データストリームを記録して処理できるように構成されている。
【0025】
したがって要約すると、記録装置は、有利な実施形態において、少なくとも1つの特別な抽象化マッピングを用いて、第1シリアライザの機能性のより抽象的でユーザにより近い技術的記述に、コンフィギュレーションデータストリームによってあらかじめ設定された、第1シリアライザのコンフィギュレーションを変換し、引き続いて、少なくとも1つの特別な互換性マッピングから、類似の抽象化レベルに位置する、第1デシリアライザの機能性の技術的記述であって、第1デシリアライザを設定する、技術的記述を読み出し、第1シリアライザがその技術的機能性を設定されたように実行できるように、画像データストリームを処理して第1シリアライザの入力ピンに分配し、最終的に、特別な具体化マッピングを用いて、第1デシリアライザのコンフィギュレーションに第1デシリアライザの技術的機能性を変換するように構成されている。
【0026】
OSI参照モデル(Open Systems Interconnection model)においてこのことが意味するのは、第1抽象化マッピングが、より高い層、特に第2層~第5層のうちの1つまたは複数における、具体的なコンフィギュレーションの技術的記述に、具体的なコンフィギュレーション、特にレジスタ設定を変換することである。第2抽象化マッピングは、さらにより高い、よりユーザに近い層における、特に第6層および第7層の1つまたは両方における別の技術的記述に、第1抽象化マッピングからの技術的記述を変換する。第2具体化マッピングは、第1デシリアライザの技術的機能のリストに、第2抽象化マッピングから得られた技術的記述を変換する。技術的機能のこのリストは、第1デシリアライザの機能性の技術的記述であり、この機能性は、OSI参照モデルにおいて再び、より低く、ハードウェアにより近い層のうちの少なくとも1つ、特に第2層~第5層のうちの1つまたは複数に分類される。第1具体化マッピングは、第1デシリアライザの具体的なコンフィギュレーション、特にレジスタ設定に、第1デシリアライザの機能性についての既存の情報を具体化する。
【0027】
以下では図を参照し、本発明を詳しく説明する。これらの図およびそれらの以下の説明により、本発明の例示的な実施形態を概略的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】センサ装置と本発明による記録装置と受信装置とを備えた典型的な構造を示す図である。
【
図2】第1実施形態における、第1デシリアライザのコンフィギュレーションの導出を示す図である。
【
図3】第2実施形態における、第1デシリアライザのコンフィギュレーションの導出を示す図である。
【
図4】第3実施形態における、第1デシリアライザのコンフィギュレーションの導出を示す図である
【
図6】本発明によるコンフィギュレーション過程の時間的な流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1には、第1データインタフェース8と、第2データインタフェース10と、第1シリアライザ11と、第1デシリアライザ9と、を備えた記録装置2が示されている。第1データインタフェース8に隣接する第1データ接続部12により、記録装置2とセンサ装置4とが接続され、第2データインタフェース10に隣接する第2データ接続部14により、記録装置2と受信装置6とが接続される。センサ装置4は、結像センサ装置であり、例えば、カメラ、赤外線カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)またはレーダ(RADAR:Radio Detection and Ranging)として構成されていてよい。
【0030】
センサ装置4には、電磁場を像平面に結像するための結像光学系16、例えばカメラ光学系と、センサ装置4の周囲のデジタル符号化像を電磁場から再構成するための、像平面に配置されたセンサ20と、が含まれている。センサ20は、電磁場を連続して画像データフレームに変換するように構成されており、これらの画像データフレームのそれぞれは、センサ装置の周囲のスナップショットであり、またセンサ装置4の内部データ線路を介し、画像データストリーム22として、画像データフレームを連続して送出するように構成されている。画像データストリーム22は、
図1全体において実線の矢印として示されている。第2シリアライザ18は、画像データストリーム22を記録し、シリアライズし、シリアライズした画像データストリーム22を第1データ接続部12に出力するようにセンサ装置4に配置されている。
【0031】
受信装置6には、第2データ接続部14から画像データストリーム22を受け取り、デシリアライズし、受信装置6の内部データ線路を介して、受信装置6のプロセッサユニット26に、デシリアライズされた画像データストリーム22を転送するために、第2デシリアライザ24が配置されている。受信装置6は、例えば、制御装置として構成可能であり、プロセッサユニット26には、画像データストリーム22におけるオブジェクトを識別して分類するための知覚ルーチンが、さらには分類されたオブジェクトに基づいて制御命令を生成するための決定ルーチンが構成されていてよい。
【0032】
記録装置2は、センサ装置4から出力される画像データストリーム22を録画するために、センサ装置4と受信装置6との間に配置されている。センサ装置4の正常な機能も受信装置6の正常な機能も保証するために、記録装置2はマンインザミドルとして構成されている。このことが意味するのは、センサ装置4と受信装置6との間で交換される全てのデータが記録装置2を通って流れるのにもかかわらず、記録装置2それ自体が、センサ装置4に対しても受信装置6に対しても識別されないことである。通常動作では、記録装置2は、センサ装置4と直接に通信していると受信装置6に見せ掛け、また記録装置2は、受信装置6と直接に通信しているとセンサ装置4に見せ掛ける。センサ装置4および受信装置6から見ると、第1データ接続部12および第2データ接続部14は、ただ1つの直接的なデータ接続部である。
【0033】
第1デシリアライザ9は、第1データインタフェース8から、シリアライズされた画像データストリーム22を受け取り、デシリアライズし、記録装置2の内部データ線路L1,…,L10を介して第1シリアライザ11にデシリアライズした画像データストリーム22を転送するように配置かつ構成されている。記録装置2には記憶装置5が含まれており、この記憶装置5は、第1デシリアライザ9によってデシリアライズされたデータストリームを録画し、記録装置のドライブに挿入されたデータ担体7に画像データストリーム22の録画を記憶するように構成されている。
【0034】
第1シリアライザ11は、デシリアライズされて記憶装置5によって録画された画像データストリーム22を第1デシリアライザ9から受け取り、元のようにシリアライズし、第2データインタフェース10を介して出力し、第2データ接続部14に導くように配置かつ構成されている。
【0035】
シリアライザおよびデシリアライザは、通常の場合、レジスタ設定により、その技術的機能性がコンフィギュレーション可能である。通常モードでは、すなわち、センサ装置4と受信装置6とが、記録装置2が存在せずに直接に互いに通信する場合、起動中に受信装置6により、第2デシリアライザ24がコンフィギュレーションされ、センサ装置4における第2シリアライザ18をコンフィギュレーションするためにコンフィギュレーションデータストリーム23が送信される。シリアライズまたはデシリアライズをコンフィギュレーションするためのコンフィギュレーションデータストリームは、
図1全体において破線の矢印で示されている。
【0036】
コンフィギュレーションデータストリーム23により、第2シリアライザ18のコンフィギュレーションまたはレジスタ設定が定められ、またセンサ装置4は、コンフィギュレーションデータストリーム23を受け取り、コンフィギュレーションデータストリームの設定値に従って第2シリアライザ18をコンフィギュレーションするように構成される。コンフィギュレーションデータストリーム23は、第2デシリアライザ24それ自体によって、または受信装置6の別のコンポーネントによって生成可能である。同様に、センサ装置4の側において、第2シリアライザ18により、コンフィギュレーションデータストリーム23をそれ自体で受け取り、それ自体でその設定値に従ってコンフィギュレーションすることができるか、またはセンサ装置4の別のコンポーネントにより、コンフィギュレーションデータストリーム23を受け取り、第2シリアライザ18をコンフィギュレーションすることができる。
【0037】
第1シリアライザ11は、第2シリアライザ18と同じモデルシリーズに属する。すなわち、両者は、その技術的装備およびその技術的設計に関して同一であり、かつ互いに交換可能である。したがって、コンフィギュレーションデータストリーム23は、第1シリアライザ11をコンフィギュレーションするために直接に使用可能であり、記録装置2は、本来は第2シリアライザ18用に設けられたコンフィギュレーションデータストリーム23を横取りし、コンフィギュレーションデータストリーム23を用いて第1シリアライザ11をコンフィギュレーションするように構成されている。
【0038】
したがって、第1シリアライザ11の技術的機能性は、第2シリアライザ18の設けられた技術的機能性に正確に対応する。といのうは、両方のシリアライザは同じ構造であり、第1シリアライザ11は、第2シリアライザ18用に構成されたコンフィギュレーションデータストリーム23によってコンフィギュレーションされているからである。第1デシリアライザ9は、第1シリアライザ11が、コンフィギュレーションデータストリーム23によってあらかじめ設定されるその技術的機能性を構成されたように実行できるように、センサ装置4によって供給される画像データストリーム22を処理して、記録装置2の内部データ線路に、もしくは第1シリアライザ11の入力ピンに分配するように構成されなければならない。最後に、第1デシリアライザは、第2シリアライザ18によって行われた画像データストリーム22のシリアライズを戻して、センサ20によって出力された画像データストリームを再構成するようにコンフィギュレーションされなければならない。第1シリアライザ11のコンフィギュレーションとは異なり、第1デシリアライザ9のこのコンフィギュレーションは、受信装置6により、これに適したコンフィギュレーションデータストリームが供給されないため、直接に実行することができない。
【0039】
第1デシリアライザ9のこのようなコンフィギュレーションを特定し実行するために、記録装置2には、コンフィギュレーションデータストリーム23を記録し、コンフィギュレーションデータの記録を分析するように構成されたコンフィギュレーション装置28が含まれている。(コンフィギュレーションデータストリーム23が、独国特許出願公開第102019132476号明細書の教示に従って、別のコンフィギュレーションデータストリームに変換される場合、コンフィギュレーション装置28は変換されたコンフィギュレーションデータストリームをここで記録する。)分析の結果として得られた情報を用いて、コンフィギュレーション装置28は、第1デシリアライザ9のコンフィギュレーションを特定し、ここでこのコンフィギュレーション装置28は、画像データストリームからの画像データを、コンフィギュレーションされた第1シリアライザ11によって予想される正しい仕方でフォーマッティングして第1シリアライザ11の入力ピンに分配するように、第1デシリアライザ9を構成する。特定が終了した後、コンフィギュレーション装置28は、分析において特定したように第1デシリアライザ9をコンフィギュレーションするのに適したデシリアライザコンフィギュレーションデータストリーム30を作成し、デシリアライザコンフィギュレーションデータストリーム30を用いて第1デシリアライザ9をコンフィギュレーションする。
【0040】
図1では、コンフィギュレーション装置28が記録装置2の組込みコンポーネントとして示されているとしても、コンフィギュレーション装置28は、同様に記録装置2の外部に仮想コンポーネントとして、例えばパーソナルコンピュータ(PC)に格納されているソフトウェアの形態で配置されていてもよい。コンフィギュレーションデータストリーム23およびデシリアライザコンフィギュレーションデータストリーム30の伝送は、この場合、適切なデータインタフェース、例えばUSBケーブル、または無線データ接続、WLANまたはブルートゥース等を介して行うことができる。コンフィギュレーション装置28はまた、インターネットを介して連絡可能なサーバの形態で構成されていてもよく、これにより、コンフィギュレーション過程全体は、記録装置2のファームウェアアップデートの形態で進行する。
【0041】
図2~
図4では、コンフィギュレーション装置28によって行われる、第1デシリアライザ9のコンフィギュレーションを導出するステップが、フローチャートの形態で説明されている。3つの
図2~
図4のそれぞれには、コンフィギュレーション装置28による第1デシリアライザ9のコンフィギュレーションの自動的な導出の考えられる3つの実施形態の1つが示されている。第1シリアライザ11に関連するステップはそれぞれ、図の左側において「SER」の見出しの下に配置されている。第1デシリアライザ9に関連するステップはそれぞれ、図の右側において「DES」の見出しの下に配置されている。
【0042】
図2に示したように、第1ステップでは、第1シリアライザ11の具体的なコンフィギュレーションを特定する。第1シリアライザ11のコンフィギュレーションが第1シリアライザ11のレジスタ設定によって決定されると仮定すると、具体的なコンフィギュレーションは、第1シリアライザ11の具体的なレジスタ設定40に対応する。
図1の説明において既に説明したように、受信装置は、コンフィギュレーションデータストリーム23の形態で第1シリアライザ11のレジスタ設定40を直接に供給し、コンフィギュレーション装置28は、コンフィギュレーションデータストリーム23の記録からレジスタ設定40を直接に読み出す。
【0043】
第2ステップでは、コンフィギュレーション装置28により、第1抽象化マッピング42が調べられ、これにより、この第1抽象化マッピング42に基づき、第1シリアライザ11のレジスタ設定40から第1シリアライザ11の機能性44が導出される。第1抽象化マッピング42は基本的に、テーブル形式の一覧表であり、この一覧表は、第1シリアライザ11のレジスタ設定と、第1シリアライザ11の技術的機能性と、を対比しかつ十分に広範囲にわたっており、これにより、第1シリアライザ11の考えられるあらゆるレジスタ設定について、それぞれのレジスタ設定から結果的に生じる第1シリアライザの機能性を読み出すことができる。有利には、第1抽象化マッピング42には、個別レジスタの設定またはサブレジスタ設定、すなわちレジスタの小さなグループの設定がリストアップされており、それぞれの個別レジスタ設定および/またはそれぞれのサブレジスタ設定に第1シリアライザ11の機能またはサブ機能性を対応付け、これにより、第1シリアライザ11の機能性44が、機能および/またはサブ機能性の全体として得られる。
【0044】
第1シリアライザ11の機能性44は、第1シリアライザ11の技術的機能のリストであり、このリストは、第1シリアライザのレジスタ設定40から得られるが、第1シリアライザ11のモデルまたはモデルシリーズに関係しておらず、特に第1シリアライザ11の具体的なサブコンフィギュレーションにもはや関係していない。
【0045】
第1シリアライザ11の機能性44を導出した後、コンフィギュレーション装置28により、第1互換性マッピング46に基づき、第1シリアライザ11の機能性44から第1デシリアライザの機能性48を導出するために、第1互換性マッピング46を調べる。互換性マッピングは、第1シリアライザ11の考えられる機能および/またはサブ機能性に第1デシリアライザ9の機能および/またはサブ機能性を対応付けるマッピングであり、これらの機能および/またはサブ機能性は、一方では、センサ20によって出力される画像データストリーム22に対応して、有効かつ解釈可能な画像データストリーム22が記憶装置5に利用できるようにされ、他方では、第1デシリアライザ9により、それぞれの機能またはサブ機能性が適切に実行可能であるようにするために、第1デシリアライザ9が有しなければならないものである。
【0046】
第1シリアライザ11の機能性44における任意の実施例として、第1シリアライザ11または第2シリアライザ18により、シリアライズされた画像データストリームにおいて画像データが出力される順序があらかじめ設定される。当然のことながら、第1データ接続部12を介して供給される画像データストリームから、有効かつ読み出し可能な画像データフレームのストリームを再構成するために、第1デシリアライザは、この順序に注意を払わなければならない。コンフィギュレーションデータストリーム23によってあらかじめ設定された順序に合わせて、コンフィギュレーション装置28により、第1デシリアライザ9のコンフィギュレーションが特定され、ここでこのコンフィギュレーションにより、まさしくこの順序で行われる画像データストリーム22のシリアライズが戻されるように第1デシリアライザ9が構成され、これにより、シリアライズされた画像データストリーム22から、センサ20が出力したように、オリジナルの画像データフレームが元のように再構築される。
【0047】
第1互換性マッピング46は、機能性マッピングとして、すなわち、第1シリアライザの機能および/またはサブ機能性および/または機能性44と、第1デシリアライザの機能および/またはサブ機能性および/または機能性と、を直接に対応付けるテーブル形式の対応付けとして構成されており、これにより、第1互換性マッピング46を用いて、第1シリアライザ11の機能性44から第1デシリアライザの機能性48が直接に導出可能である。第1デシリアライザ9の機能性48は、第1シリアライザ11の機能性44と同じ抽象化レベルで記述されており、すなわち、第1デシリアライザ9の機能性48には、第1デシリアライザ9の特定のデシリアライザモデルシリーズ、特定のデシリアライザモデル、または具体的なサブコンフィギュレーションには関係なく、技術的機能および/またはサブ機能性のリストが含まれている。
【0048】
コンフィギュレーション装置28により、最終的に第1デシリアライザ9の機能性48から、第1デシリアライザ9の具体的なコンフィギュレーション、すなわち具体的なレジスタ設定52を導出し、このために第1具体化マッピング50を調べる。第1具体化マッピング50は、内容的には第1抽象化マッピング42と類似しており、すなわち、第1具体化マッピング50は、テーブル形式で、第1デシリアライザ9のレジスタおよび/またはサブレジスタ設定と、第1デシリアライザ9の機能および/またはサブ機能性と、を対応付けるが、コンフィギュレーション装置28により、これは逆の順序で使用される。レジスタ設定52が特定された後、コンフィギュレーション装置28は、デシリアライザコンフィギュレーションデータストリーム30により、第1デシリアライザの特定したレジスタ設定52に従って、第1デシリアライザ9のレジスタが設定されるように、デシリアライザコンフィギュレーション30を作成し、またデシリアライザコンフィギュレーションデータストリーム30を用いて第1デシリアライザ9をコンフィギュレーションする。
【0049】
第2デシリアライザ24がこの機能をサポートする場合には、コンフィギュレーション装置28により、第2データ接続部14を介して第2デシリアライザ24のコンフィギュレーション55が読み出され、第1デシリアライザ9のレジスタ設定52を特定する際に第2デシリアライザ24のコンフィギュレーション55が考慮される。第1デシリアライザ9および第2デシリアライザ24は、同様にシリアライズされた画像データストリーム22を処理するため、第2デシリアライザ24のいくつかのコンフィギュレーション特徴を変更することなく第1デシリアライザ9に伝送できる確率は高い。
【0050】
第1具体化マッピング50に基づいて第1デシリアライザ9のレジスタ設定52を導出する際には、コンフィギュレーション装置28によって付加的に、第1シリアライザの入力ピンPS1,…,PS10と、記録装置2の内部データ線路L1,…,L10と、を関係付けるネットリスト54を調べる。
図5においてネットリスト54を説明する。前に説明したように、第1シリアライザ11は、第2シリアライザ18の機能性をエミュレートする必要があり、したがって有利には、第2シリアライザ18と同じモデルシリーズに属する。その結果、第1シリアライザ11は顧客個別に組み込まれ、したがって交換可能なボード74に配置される。第1デシリアライザ9により、デシリアライズされた画像データストリーム22が出力される、第1デシリアライザ9の出力ピンPD1,…,PD10は、記録装置2の内部データ線路L1,…,L10に通じている。内部データ線路L1,…,L10それ自体は、ボード74のインタフェース70に通じている。インタフェース70は、それぞれの内部データ線路L1,…,L10について入力部を提供し、これら入力部は、ボード74の電気接続部72を介して、第1シリアライザ11の入力ピンPS1,…,PS10に接続されている。このようにして、第1デシリアライザ9のそれぞれ必要な出力ピンPD1,…,PD10について、第1デシリアライザ9から第1シリアライザ11への画像データの伝送のために、第1シリアライザ11の入力ピンPS1,…,PS10へのデータ接続が構成される。しかしながら、どのデータ線路L1,…,L10が、どの入力ピンPS1,…,PS10に通じているかは、当然のことながら第1シリアライザ11のモデルシリーズおよび電気接続部72の設定に依存する。この情報は、第1デシリアライザのレジスタ設定52を特定するためにコンフィギュレーション装置28に必要であり、コンフィギュレーション装置28は、これをネットリスト54から取り出す。ネットリスト54は、どのデータ線路L1,…,L10もしくはどの出力ピンPD1,…,PD10が、どの入力ピンPS1,…,PS10に接続されているかを取り出すことができるテーブル形式の対応付けである。
【0051】
図3および
図4には、第1デシリアライザ9のレジスタ設定52の自動的な導出の択一的な実施形態が示されている。以下の説明では、
図2との違いだけを説明する。
【0052】
図3には、第1互換性マッピング46が2ステップの第2互換性マッピング56によって置き換えられ、第2互換性マッピング56によってさらなる抽象化ステップが導入される流れが示されている。第2互換性マッピング56には、第2抽象化マッピング58が含まれ、この第2抽象化マッピング58により、テーブル形式の一覧表として、第1シリアライザ11の考えられる機能性と、画像データストリーム22の仕様と、が対応付けられる。コンフィギュレーション装置28により、第2抽象化マッピングに基づき、第1シリアライザ11の機能性44から画像データストリーム22の仕様60を導出するために、第2抽象化マッピング58が調べられる。この仕様60は、ユーザから見た画像データストリームの技術的記述60である。仕様60には、画像データストリームの一般的な特性量が含まれているが、画像データストリーム22の伝送に関与するハードウェアの技術的手段または設定についての情報、特に第1シリアライザ11または第1デシリアライザ9の機能性44,48についての情報は含まれていない。したがって、仕様60は、2つの機能性44,48の記述よりもさらに高い抽象化レベルに位置しており、第1シリアライザ44にも第1デシリアライザ48にも一意に対応付けることができない。画像データストリームの仕様において指定される特性量の考えられる実施例は、画像データの伝送周波数、フォーマッティングならびに画像データストリームのソースアドレスまたはターゲットアドレスである。
【0053】
さらに、第2互換性マッピング56には、第2具体化マッピング62が含まれている。コンフィギュレーション装置28は、画像データストリーム22の仕様60から第1デシリアライザの機能性48を導出するために、第2具体化マッピング62を調べる。第2具体化マッピング62は、内容的に第2抽象化マッピング58に類似しており、すなわち、第2具体化マッピング62は、第1デシリアライザ9の機能性と、画像データストリーム22の仕様と、を対応付け、これらの仕様は、まさしくこれらの機能性から生じるが、コンフィギュレーション装置28によってこれらは逆の順序で使用される。画像データストリーム22の仕様60を作成した後、コンフィギュレーション装置28により、第2具体化マッピング62が仕様60に適用され、これにより、まさしくこれらの仕様を満たす画像データストリーム22を生成するために、第1デシリアライザ9がどのような機能性を有していなければならないかが第2具体化マッピングから読み出される。
【0054】
図4には組み合わされた実施形態が示されており、この実施形態では、第1デシリアライザ9の機能性48を導出するために、コンフィギュレーション装置28により、第1互換性マッピング46も第2互換性マッピング56も使用される。第1デシリアライザの特定された機能性48は、この実施形態では、第1互換性マッピング46を用いてまた第2互換性マッピング56を用いて導出された、第1デシリアライザ9の機能および/またはサブ機能性の和集合として得られる。
【0055】
上記で説明したステップを実行するためにコンフィギュレーション装置28が、これに必要な情報、すなわち抽象化マッピング42,58、具体化マッピング62,50、ネットリスト54、および場合によっては機能性マッピング46へのアクセスを必要とすることはそれ自体自明である。有利には、第1シリアライザ11の複数の考えられるモデルシリーズに対して、第1デシリアライザ9の本発明による自動的なコンフィギュレーションを実行できるようにするために、複数の抽象化マッピング42,58、ネットリスト54、および場合によっては互換性マッピング46を有するデータベースが利用できるようにされる。ここに提示した実施例では、第1デシリアライザ9の統一されたモデルシリーズが設けられているため、第1具体化マッピング50および第2具体化マッピング62の異なる実施形態を利用できるようにする必要はない。しかし当然のことながら必要であれば、第1デシリアライザ9の異なるモデルシリーズに対し、複数の具体化マッピング50,62の分だけデータベースを拡張することも可能である。第1シリアライザ11に適合する情報(少なくとも第1抽象化マッピング42およびネットリスト54、必要であれば第2抽象化マッピング58および/または互換性マッピング56)は、コンフィギュレーション装置28によって読み出し可能な記憶媒体に格納されていなければならない。
【0056】
図6には、信号フローと、コンフィギュレーション装置28によって実行される作業ステップと、が時間軸上に示されている。はじめに(時間軸上の最も下)、すなわち記録装置2のスイッチオン後に、記録装置2はまずコンフィギュレーションフェーズに移行する。コンフィギュレーションフェーズの間、記録装置2により、第2データ接続部14におけるデータ流がブロックされるため、第2デシリアライザ24と第2シリアライザ18との間で通信を行うことはできない。記録装置2は、コンフィギュレーション装置28をまず記録モード84に移行させ、この記録モード84内では、コンフィギュレーション装置28は、コンフィギュレーションデータストリーム23を待機する。受信装置6のスイッチオン後、第2デシリアライザ24は、第2シリアライザ18をコンフィギュレーションするためにコンフィギュレーションデータストリーム23を伝送する。記録装置2は、受信装置6により、第2シリアライザ18の代わりに第1シリアライザ11がコンフィギュレーションされるように、コンフィギュレーションデータストリーム23を横取りする。第2シリアライザ18は、とりあえずはコンフィギュレーションされないままであり、コンフィギュレーション装置28は、コンフィギュレーションデータストリーム23の記録を作成し、この録画を記憶して記録フェーズ84を終了する。
【0057】
第2デシリアライザ24は、コンフィギュレーションデータストリーム23が伝送された後、センサ装置4が完全にコンフィギュレーションされて使用可能であることを確認するために確認信号82を待ち受ける。第2データ接続部14がブロックされたことによって確認信号82が戻ってこない場合には次に、第2デシリアライザ24は、コンフィギュレーションデータストリーム23を繰り返して伝送することにより、第1シリアライザ18のコンフィギュレーションのためにさらなる試行を行う。コンフィギュレーションフェーズが終了するまで、記録装置2により、繰り返し伝送される全てのコンフィギュレーションデータストリーム23が横取りされ、これにより、繰り返しのコンフィギュレーション試行は効果がないままになる。
【0058】
コンフィギュレーションデータストリーム23を記憶した後、コンフィギュレーション装置28は、コンフィギュレーション特定モード86に移行し、このコンフィギュレーション特定モード86内で、コンフィギュレーション装置28により、
図2、
図3または
図4のうちの1つについて前に説明した、第1デシリアライザ9のコンフィギュレーションもしくはレジスタ設定を特定するための作業ステップを実行する。コンフィギュレーションを特定した後、コンフィギュレーション装置28により、デシリアライザコンフィギュレーションデータストリーム30を作成し、第1デシリアライザ9をコンフィギュレーションするために、これにこのコンフィギュレーションデータストリーム30を伝送する。
【0059】
第1デシリアライザ9のコンフィギュレーションが終了し、これによって記録装置2が完全にコンフィギュレーションされて使用準備が整った後、記録装置2により、コンフィギュレーションフェーズを終了し、第2データ接続部14のブロックを解除する。記録装置2は、通常モードに移行し、この通常モード内では記録装置2は、センサ装置4と受信装置6との間のあらゆる通信を変更せずに転送する。通常モードでは、センサ装置4および受信装置6は、記録装置2が存在しないかのようにデータを交換することができる。コンフィギュレーションフェーズの終了後に第2デシリアライザ24によって伝送される最初のコンフィギュレーションデータストリーム23は、第2シリアライザ18に正しく到達する。第2シリアライザ18のコンフィギュレーションが完了した後、センサ装置4によって確認信号82を伝送することにより、センサ装置の使用準備が整ったことが確認される。確認信号82を受信した後、受信装置6も通常モードに移行し、これに続いて
図1に示されている全体構造の使用準備が整う。
【外国語明細書】