(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055856
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ビーズミル
(51)【国際特許分類】
B02C 17/16 20060101AFI20240411BHJP
B02C 17/20 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
B02C17/16 B
B02C17/20
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023174527
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 125 879.3
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508277243
【氏名又は名称】ネッツシュ-ファインマールテヒニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー モッシュル
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト グランドル
【テーマコード(参考)】
4D063
【Fターム(参考)】
4D063FF14
4D063FF29
4D063FF35
4D063FF37
(57)【要約】
【課題】粉砕要素が粉砕材料から確実に分離されるビーズミルを、理想的にはスリット管領域における高い流速の場合にも提供する。更に、可能な限り摩耗を抑制する簡素化された手段を用いて、粉砕要素を粉砕材料から確実に分離し、しかも理想的には必要な流速を維持可能なスリット管を提供する。
【解決手段】本発明は、粉砕チャンバと、動作中に粉砕チャンバの周方向境界壁を形成する粉砕ロータとを備えるビーズミルに関する。粉砕要素は、粉砕ロータによって粉砕チャンバ内で粉砕運動を生じる。更に、粉砕要素を分離しつつ、粉砕材料を取り去るためのスリット管が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーズミル(1)であって、粉砕チャンバ(2)と、動作中に前記粉砕チャンバ(2)の周方向境界壁を形成する粉砕ロータ(3)と、前記粉砕ロータ(3)によって前記粉砕チャンバ(2)内で粉砕運動を生じる粉砕要素(5)と、前記粉砕要素(5)を分離しつつ、粉砕材料を取り去るためのスリット管(6)と、
を備えるビーズミルにおいて、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、前記スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に妨害形状が割り当てられたスリット(8)が形成され、前記妨害形状により、前記スリット管(6)における外周面(11)の周方向に沿って転動又は摺動する粉砕要素(5)が前記スリット(8)を横切る際に、前記スリット形成部(7)が定める前記外周面(11)から持ち上げられることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項2】
好適には請求項1に記載のビーズミル(1)であって、粉砕チャンバ(2)と、動作中に前記粉砕チャンバ(2)の周方向境界壁を形成する粉砕ロータ(3)と、該粉砕ロータ(3)によって前記粉砕チャンバ(2)内で粉砕運動を生じる粉砕要素(5)と、該粉砕要素(5)を分離しつつ、粉砕材料を取り去るためのスリット管(6)と、
を備えるビーズミルにおいて、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、該スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に段付きスリット(8)が形成され、この場合、前記スリット(8)を画定する一方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)が、同じスリット(8)を画定する他方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)よりも小さな半径上に位置していることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のビーズミル(1)であって、前記スリット形成部(7)が、ストリップであり、前記スリット管(6)の回転軸線に対する前記各ストリップの断面が、それぞれ平坦構造を規定し、該平坦構造は、前記スリット管(6)の前記回転軸線に対して、及び/又は、前記スリット管(6)の任意の平面に対して鏡面対称性が存在しないよう前記スリット管(6)に固定され、前記平面が、前記スリット管(6)の前記回転軸線を通過していることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のビーズミル(1)であって、前記スリット形成部(7)が、ストリップであり、前記スリット管(6)の回転軸線に対する前記ストリップの断面が、周方向に見て、半径方向内側に向けて幅が徐々に狭くなっていることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載のビーズミル(1)であって、前記スリット形成部(7)が、ストリップであり、前記スリット管(6)の回転軸線に対する前記各ストリップの断面が、楔(10)であり、好適には、2つの楔セクション(18,19)を有する二重楔であり、内側における楔先端(12)の反対側にある前記二重楔のベース(11)が、前記外周面(11)を規定していることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項6】
好適には請求項1~5の何れか一項に記載のビーズミル(1)用のスリット管(6)であって、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、該スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に妨害形状が割り当てられたスリット(8)が形成され、前記妨害形状により、前記スリット管(6)における外周面(11)の周方向に沿って転動又は摺動する粉砕要素(5)が前記スリット(8)を横切る際に、前記スリット形成部(7)が定める前記外周面(11)から持ち上げられることを特徴とする、スリット管。
【請求項7】
好適には請求項6に記載のビーズミル(1)用のスリット管(6)であって、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、該スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に段付きスリット(8)が形成され、この場合、前記スリット(8)を画定する一方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)が、同じスリット(8)を画定する他方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)よりも小さな半径上に位置していることを特徴とする、スリット管。
【請求項8】
ミル内、好適にはビーズミル(1)内において、粉砕要素(5)を分離しつつ、粉砕材料を取り去るための請求項6又は7に記載のスリット管(6)の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に係るビーズミルと、請求項6の前提部に係るスリット管に関する。
【背景技術】
【0002】
ビーズミルは、固体の解砕や、粉砕すべき懸濁液又は分散液中の粒子径を数百マイクロメートル~数ナノメートルまでのサイズ範囲に減少させるために使用される。
【0003】
この場合、ビーズミル内で生じるプロセスについては
図1を参照しつつ以下に説明する。
【0004】
図1は、水平粉砕ロータ3(攪拌シャフトと称されることも多い)を備えるビーズミル1の略図を示す。
図1において、粉砕容器13内に配置されると共に、一般に鋼又はセラミックで構成されるビーズは図示されていない。
【0005】
ビーズミル1の動作中、粉砕すべき材料は、ビーズミル1の入口14を介して、粉砕容器13によって包囲された粉砕チャンバ2内に又は粉砕チャンバ2を通るようポンプで送られる。
【0006】
粉砕ロータ3の回転運動により、粉砕ロータ3に相対回転不能に接続された攪拌要素4(粉砕ディスクと称されることも多い)が回転する。
【0007】
回転運動を生じさせるために、粉砕ロータ3は、例えば、ベルトドライブ(図示せず)を介して電気モータで駆動することができる。この場合、ビーズミル1のドライブは通常、粉砕容器13に隣接するハウジング内に配置されている。
【0008】
攪拌要素4の回転により、粉砕チャンバ2内の攪拌要素4近傍にある粉砕要素は、粉砕容器13の周方向に沿って運ばれる。移動させた粉砕要素は、攪拌要素4の各対の間の中央領域におけるピーク領域に到達するとすぐに、粉砕ロータ3方向に逆流する。このように、攪拌要素4の各対の間で粉砕要素の循環運動が生じる。マイクロメートル又はナノメートル範囲で可及的に微細な粒径を達成するために、理想的には、30 μm~6 mmのサイズの粉砕要素が使用される。
【0009】
粉砕要素の運動により、粉砕チャンバ2を通ってポンプで送られた粉砕材料懸濁液の固体と粉砕要素との間で衝突が引き起こされる。これら衝突により、粉砕材料懸濁液中の固体から微粒子が分離され、従ってビーズミル1の出口15に到達する固体は、入口14で供給された固体よりも最終的に大幅に小さい。達成可能な最大粉砕は、粉砕要素のサイズ、攪拌要素4による導入エネルギー、並びに粉砕チャンバ2内における材料懸濁液の滞留時間に直接的に依存する。
【0010】
粉砕要素が粉砕チャンバ2から除去されないようにするために、例えば、スクリーン、フィルタ、又はスリット管の形態の分離システム6(以下においては用語「スクリーン」が全ての種類の分離システムを含むものとする)は、粉砕された材料(粉砕材料)が除去される出口15の前に取り付けられている。
【0011】
粉砕要素が粉砕容器から出るのを防止するために、典型的には、粉砕要素の粒径よりも約1.5倍~4倍小さいスリットサイズを有するスクリーンが使用される。
【0012】
この場合の問題点は、スクリーンの総直径を同じにしたままでスリットの大きさを小さくすると、スクリーンにおける自由な流れ総面積が小さくなることである。理論的には、スリット数を増加させて自由な流れ面積を最終的に一定に保つことができる。しかしながら、スリットは、強度上の理由から特定の最小材料厚さで包囲されていなければならないので、総流れ面積を一定に保ちつつ、かつスリットサイズを小さくしながらスリット数を増加させるのは、実際のところ通常は不可能である。スクリーンの流れ総面積の減少は、最終的にスリットを通って流出する粉砕材料に関して流速の増加をもたらす。これにより、スクリーン領域に位置する粉砕要素に関して、スリット方向への吸引作用又は力作用が増加する。従って、粉砕要素は、スクリーンに押し付けられ、最終的にスクリーンの開口又はスリットを塞ぐ。このことは、最終的に、粉砕された材料がスクリーンを通して粉砕チャンバから流出しないか、又は不十分にしか流出せず、スクリーンを洗浄しなければならないことを意味する。このプロセスにおいては、スクリーンが取り外されなければならず、これは、メンテナンスコスト及びビーズミルの停止時間の増加につながる。
【0013】
図2~
図10は、以前から内部で使用されていたが、改良の余地があることが判明したスリット管の形態の分離システムを示す。
【0014】
図2~
図5は、半径方向スリット管を示す。この場合、スリット形成部(スリットフォーマー)7は、支持部16上に螺旋状に巻き付けられているので、スリット形成部7の間に位置するスリット8も同様にスリット管6の長手方向軸線周りで螺旋状に延在している。
図5から分かるように、粉砕要素5は、粉砕された材料と一緒にスリット8方向に移動する。半径方向スリット管の特に不利な点は、ビーズミルの動作中、スリット管6領域における粉砕要素5が長手方向軸線周りに何れにせよ円を描くよう移動することである。即ち、粉砕要素5は、実質的にスリット8と平行に移動する。これにより、粉砕要素5がスリット8又はその入口領域に入り込み、それらを塞ぐことが特に容易になる。
【0015】
半径スリット管に関連する上述した問題点により、
図6~
図9に示す軸線方向スリット管が内部実験で使用された。これらスリット管において、スリット形成部7がスリット管6の長手方向軸線と平行になるよう支持部16上に配置され、スリット形成部7の間では、スリットが自由に保たれている。従って、
図9から分かるように、粉砕チャンバ内で回転する粉砕要素5は、スリット8の長手方向と平行又は実質的に平行に移動することはなく、スリットの長手方向に対して約90°の角度でスリットを越えて転動するか又は摺動する。このことは、粉砕要素5が最初からスリット8又はその入口領域を塞ぐ傾向がないことを意味する。しかしながら、スリット8にて特定の流速を超えると、軸線方向スリット管においても、スリット8又はその入口領域で粉砕要素5の蓄積が増加する。
【発明の概要】
【0016】
上述した背景事情を考慮し、本発明の課題は、粉砕要素が粉砕材料から確実に分離されるビーズミルを、理想的にはスリット管領域における高い流速の場合にも提供することである。
【0017】
本発明によれば、この課題は、ビーズミルに関する主請求項の特徴部分によって解決される。
【0018】
即ち、この課題は、粉砕チャンバと、粉砕ロータと、粉砕要素と、スリット管を備えるビーズミルによって解決される。この場合、粉砕ロータは、動作中に粉砕チャンバの周方向境界壁を形成すると共に、粉砕チャンバ内で粉砕要素の粉砕運動を生じさせる。スリット管は、粉砕要素を分離しつつ、粉砕材料を取り去るために使用される。ビーズミルは、スリット管が軸線方向スリット管であることを特徴とする。周方向において隣接する軸線方向スリット管のスリット形成部は、その2つの長縁部の間に妨害形状が割り当てられたスリットを形成する。この妨害形状により、スリット管における外面の周方向に沿って転動又は摺動する粉砕要素がスリットを横切る際に、外周面から持ち上げられる。この場合、外周面は、スリット形成部によって規定される。
【0019】
粉砕された材料は、スリット管のスリットを通ってスリット管の内部に流入し、その後にビーズミルから流出することによってビールミルから出る。
【0020】
この目的のために、スリット管は、ビーズミルの出口領域に配置されると共に、ビーズミルから離れた側の端面に開口を有する。ただし、ビーズミル内に突出する側の端面において、スリット管は、閉鎖されているか、又は少なくとも粉砕要素がそこからスリット管の内部に進入することができないよう構成されている。
【0021】
スリット管は、粉砕要素がビーズミルから出るのを防ぐ機能を有する。即ち、スリット管は、スクリーンとして機能する。この場合、スリット管のスクリーン領域は、スリット形成部によって形成される。この文脈において、スクリーン領域とは、特定の媒体(この場合は粉砕された材料)のための孔を有する領域を意味し、それら孔は、更なる媒体(この場合は粉砕要素)を通過させるのに十分な大きさを有さない。これらは、スリット管の中空内部へのアクセスが可能なスリットを間に有するスリット管のセクションである。スリット形成部は、ストリップ、ワイヤ、又は複数のスリットが形成された一体的な中空円筒から形成することができる。
【0022】
従来のスリット管に対する本発明に係るスリット管の利点は、粉砕要素によってスリット又はその入口領域の閉塞が防止されるか又は少なくとも大幅に制限されることである。
【0023】
このことを実現するために、スリット管には、その外周面に妨害形状又は複数の妨害形状が設けられている。妨害形状は、スリット管の外周面に沿って摺動する粉砕要素を、各スリットの直前で外周面から持ち上げるよう移動させるスリット管のセクションである。ただしこの場合、粉砕要素は、そのプロセスで制動されないか、又は僅かにしか制動されない。従って、粉砕要素は、スリット管の長手方向軸線周りで引き続き回転運動を生じる。その結果、粉砕された材料は、粉砕要素が外周面から持ち上げられた後に粉砕要素の下を流れる。境界層理論によれば、スリット管の外周面と粉砕要素との間の境界層内を流れる粉砕材料は、粉砕要素の反対側を流れ過ぎる粉砕材料よりも流速が低い。ベルヌーイによれば、このことは、スリット管から離れた側の粉砕要素の圧力に対して、粉砕要素とスリット管の外周面との間で負圧が生じることを意味する。これにより、粉砕要素は、スリット管の外周面から離れる方向に押される。回転する粉砕要素の場合、粉砕要素がスリット管の外周面から離れる動きは、いわゆるマグヌス効果によっても強められる。
【0024】
妨害形状部の形状は、様々に実現することができる。例えば、スリット管における外周面の各スリットの直前にランプ状の障害物を設けることが想定可能である。軸線方向スリット管が例えば棒状のスリット形成部で構成される場合、これら棒状のスリット形成部は、動作中に粉砕要素が次のスリットに向けて移動する縁部にスキージャンプ状のリップ、即ち一種の「スポイラー」を有することができる。このリップ又はスポイラーは、リップ又はスポイラーに衝突する粉砕要素が、次のスリットの直前で持ち上げられるように移動する形状になっている。
【0025】
本明細書において、「軸線方向スリット管」という用語は、広義にも狭義にも使用される。
【0026】
広義において、軸線方向スリット管は、軸線方向螺旋スリット管であり得る。これは、45°未満、より好適には30°未満、理想的には20°未満、しかし5°を超える接線角度Tで螺旋状に延在するスリットを有するスリット管である。この場合、接線角度とは、各スリットの長手方向軸線における局所的な接線と、スリット管の長手方向軸線との両方を互いに投影した場合に形成される最小角度のことを意味する。
【0027】
狭義の「軸線方向スリット管」という用語は、真の「軸線方向スリット管」を定義し、従ってスリット管のスリットが、スリット管の長手方向軸線に対して、平行に、又は(上記で定義した意味の範囲内で)少なくとも実質的に平行(+/-2°以下)、又は実質的に平行に延在することを意味する。
【0028】
スリット管の「外周面」とは、スリット管における長手方向軸線の周囲360°に延在すると共に、スリット管の長手方向軸線から離れる方向に面する個々のスリット形成部の面の合計を指す。
【0029】
また、各スリットに、対応する妨害形状が設けられていれば最適であることに留意すべきである。ただし、このことは全てのケースにおいて必須というわけではない。場合によっては、幾つかのスリットだけが本発明に従って装備されるよう妥協してもよく、この場合、好適には、常に同じスキーマに従って従来のスリットと交互に配置されるスリットだけが本発明に従って装備される。
【0030】
更に、本発明の課題は、可能な限り摩耗を抑制する簡素化された手段を用いて、粉砕要素を粉砕材料から確実に分離し、しかも理想的には必要な流速を維持可能なスリット管を作成することである。
【0031】
この課題は、他の独立請求項2に記載のビーズミル用のスリット管によって解決される。このスリット管は、軸線方向スリット管であることを特徴とする。周方向において隣接する軸線方向スリット管のスリット形成部は、それら2つの長縁部の間にスリットを形成する。スリットには妨害形状が割り当てられ、その妨害形状により、スリット管における外面の周方向に沿って転動又は摺動する粉砕要素がスリットを横切る際に、外周面から持ち上げられる。この場合、外周面は、スリット形成部によって規定される。
【0032】
本発明のこの態様において、妨害形状は特定の方法で実現され、即ち、隣接するスリット形成部により、スリット形成部における2つの長縁部の間に段付きスリットが形成され、この場合、スリットを画定する一方のスリット形成部の長縁部が、同じスリットを画定すると共に、粉砕要素の移動方向前方にある他方のスリット形成部の長縁部よりも小さな半径上に位置していることにより実現される。このことは、粉砕要素が、半径方向外側の縁部を介して各スリットに到達し、その後にスリットを横切ることにより、同じスリットの他方にある半径方向内側の縁部上を距離を置いて飛ぶことを意味する。換言すれば、スリット管の外周面においてスリット管に沿ってほぼ周方向に流れる粉砕要素は、それらが横切ろうとするスリット形成部のスリットを越えて次のスリット形成部の表面によって制動されないか、又は実質的に制動されずに「ジャンプ」させることができ、その際に次のスリット形成部の表面上に即座に「着地」することはない。その代わりに、粉砕要素は、先ずは表面近傍の次のスリット形成部を通過し、そこで流れが下を通ることによって半径方向外側に向けて推力を得る。
【0033】
このようなスリット管又は段付きスリット管は、ビーズミルに後付けすることができる。スリット管の外周面に沿って摺動する粉砕要素の下を通過する流れの上述した効果により、このようなスリット管の設置は、ビーズミルの停止時間を大幅に短縮できることを意味する。なぜなら、従来の分離システムとは異なり、このようなスリット管を洗浄する必要がないか、又は洗浄する頻度が遥かに少ないからである。
【0034】
本発明の設計方法は幾つか想定可能であるので、本発明の有効性又は使い易さを更に向上させることができる。
【0035】
好適な実施形態において、スリット形成部は、ストリップである。スリット管の回転軸線に対する各ストリップの断面は、それぞれ平坦構造を規定し、その平坦構造は、スリット管の回転軸線に対して対称性が存在しないようスリット管に固定されている。
【0036】
理想的には、ストリップはワイヤから形成される。これは、製造上の理由により有利である。ストリップ又はストリップ形成部がワイヤで構成されている場合、スリット管は、以下に説明するように、比較的迅速な方法で製造することができる。
【0037】
先ず、理想的には、スリット形成部を形成するワイヤで構成されない複数の接続ピースが、一定の間隔で円形に配置又はクランプされる。次いで、組み立てられた状態でスリット形成部を形成するワイヤがこれら接続ピース周りに巻き付けられ、個々の巻き線の間にスリットが設けられるよう接続ピースに溶接される。これにより、
図2を参照しつつ上述したように、実質的に半径方向スリット管の形状が得られる。このようにして形成された半径方向スリット管は、最終的にその長手方向軸線に沿って分離されると共に巻き戻され、これにより全てのスリット形成部が1つの平面内に位置する。最後に、このようにして形成された平面が90°回転され、再び円形に巻き上げられ、例えば溶接によって再び閉じられる。その結果、長手方向軸線と平行に延在するスリットを有するスリット管が製造される。
【0038】
スリット形成部の断面積は、長手方向軸線に対して対称的に配置されていないので、上述した段付きスリットは、連続するスリット形成部の各対の間に容易に形成することができる。この場合の意味において非存在対称性とは、スリット管の長手方向軸線が位置する平面に対する各スリット形成部断面の軸線方向対称性を意味する。
【0039】
ただし、互いに対向するスリット形成部断面の各対が、長手方向軸線周りに点対称に配置される設計を選択することは魅力的な選択肢になり得る。
【0040】
「ストリップ」という用語は、好適には、スリット管の回転軸線と平行な長さが周方向よりも少なくとも10倍、より好適には少なくとも15倍長い形状を表す。
【0041】
理想的には、スリット形成部は、ストリップであり、スリット管の回転軸線に対するストリップの断面は、周方向に見て、半径方向内側に向けて幅が徐々に狭くなる。
【0042】
その結果、スリット幅は、スリット管の外周面の高さで最も狭い点からスリット管の内部に向けて増加する。このことは、スリット内に粉砕要素が依然として不所望に詰まった場合、これら粉砕要素をスリットから再び洗い流すことがより容易にできるか、又はスリット管を全体としてより容易に洗浄することができるという利点を有する。
【0043】
「半径方向内側」方向とは、スリット管の外周面からスリット管の内部に向かう方向を表す。
【0044】
好適には、スリット形成部は、ストリップであり、スリット管の長手方向軸線(及び回転軸線)に対する各ストリップの断面は、楔であり、好適には、二重楔である。この場合、内側にある楔先端に対向する楔のベースは、外周面を規定している。
【0045】
従って、楔の側面はスリット壁を形成している。好適には、スリット壁は、外周面に直接的に隣接する領域において68°~85°の角度を有する。特定のスリット深さから、楔の側面は、好適には、60°~80°の角度を有する。このようにして形成されたスリット壁のキンクから、スリットは全体的に幅が広くなる。その結果、外周面領域におけるスリット形成部の高強度が、この領域におけるより大きな材料厚さに起因して達成される。同時に、スリットを内側から良好に洗浄することができる。
【0046】
「二重楔」という用語は、三角形に融合する台形から生じる形状を表しており、この場合、三角形の底辺と各辺との間の角度(以下においてαと称する)は、台形の底辺と各辺との間の角度(以下においてβと称する)と等しくない。好適には、角度αは、角度βよりも小さい。このように、「二重楔」は、好適には、少なくとも1つの第1楔セクション及び1つの第2楔セクションを有する。
【0047】
更なる好適な実施形態において、楔における上述したベース上にて、内側に位置する楔先端を通過する垂線は、スリット管の回転軸線と交差しない。その代わりに、垂線は、かなりの距離を置いて回転軸線を通過する。この場合に距離は、理想的には、周方向における最大楔幅の少なくとも2倍、より好適には少なくとも4倍である。
【0048】
従って、ベースは、スリット管の長手方向軸線が位置する平面に対して直交して配置されない。その結果、ベースを形成する外周面上を転動又は摺動する粉砕要素は、2個のスリット形成部の間のスリット上をスキージャンプのように搬送される。上述したように、粉砕要素がスリット上にある瞬間、流れはその下を通る。
【0049】
理想的には、スリット管は、軸線方向スリット管であり、周方向において隣接するスリット形成部は、それら2つの長縁部の間にスリットを形成する。段付きスリットとは、スリットを画定する一方のスリット形成部の長縁部が、同じスリットを画定する他方のスリット形成部の長縁部よりも小さな半径上に位置していることを意味する。
【0050】
このようなスリット管においては、スリット管の外周面に沿って摺動又は流動する粉砕要素がスリットに到達すると同時に、その下を流れが通過する。このことは、上述したように、粉砕要素がスリット内に通過するのではなく、スリット管から押し離されることを意味する。
【0051】
このようなスリット管は、洗浄作業によるビーズミルの停止時間を短縮するために、ビーズミルにおける従来の分離システムと交換することができる。
【0052】
ミル内、好適にはビーズミル内において、粉砕要素を分離しつつ、粉砕材料を取り去るための請求項7又は8に記載のスリット管の使用方法についても、独立した保護が請求される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】従来技術に既知であると共に、本発明に係るスリット管が使用されるビーズミルを示す略図である。
【
図2】本発明に係らない半径方向スリット管を示す斜視図である。
【
図3】
図2における半径方向スリット管を示す側面図である。
【
図4】
図2における半径方向スリット管を示す断面図である。
【
図5】
図2における半径方向スリット管領域での粉砕要素の動きを示す説明図である。
【
図6】本発明に係らない軸線方向スリット管を示す斜視図である。
【
図7】
図6における軸線方向スリット管を示す側面図である。
【
図8】
図6における軸線方向スリット管を示す断面図である。
【
図9】
図6における本発明に係らない軸線方向スリット管領域での粉砕要素の動きを示す説明図である。
【
図10】本発明に係る軸線方向段付きスリット管を示す斜視図である。
【
図11】
図10における本発明に係る軸線方向段付きスリット管を示す側面図である。
【
図12】
図10における本発明に係る軸線方向段付きスリット管を示す断面図である。
【
図13】
図10における本発明に係るスリット管領域での粉砕要素の動きを示す説明図である。
【
図14】軸線方向螺旋スリット管の形態の本発明に係る変形例を示す説明図である。
【
図15】妨害形状が異なるように設計、即ち周囲を越えて半径方向に突出するストリップとしてスポイラーのように設計された本発明に係る変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の動作原理は、
図10~
図13を参照しつつ例示的に説明する。
図14及び
図15は、修正例を示す。繰り返し表される要素又は領域には、明瞭性を高める見地から、参照符号が例示的にのみ付されている。
【0055】
組み立てられた状態において、スリット管6は、
図10~
図13には示されていないビーズミルの出口領域に配置されている(
図1も参照)。スリット管6は、粉砕された材料が粉砕チャンバから出るのを可能にすると同時に、粉砕要素5が粉砕チャンバから出るのを防止するために使用される。この目的のために、スリット管6は、その外周面に複数のスリット8を有し、これらスリットは、スリット形成部7の外周面11で構成されている。粉砕された材料は、スリット8を通ってスリット管6の内部に流入し、そこからスリット管6の開放端面を介して流出する。スリット8は極めて狭いので、粉砕要素5がスリットを通過しないか、又は実質的に通過しないか、又は容易に通過することはない。
【0056】
スリット管6は、2個の端部ピース17、スリット形成部7、並びに円形支持部16から形成されている。支持部16は、スリット形成部7を所定位置に保持すると共に、特にその剛性を高めるために使用される。これらはリング、理想的には金属リングから形成されている。
【0057】
支持部16とスリット形成部7との間に十分に強固な接続を得るには、理想的にはこれらが互いに溶接される。スリット形成部7は、支持部16の周囲に一定の間隔で配置され、図示の好適かつ例示的な実施形態においては、2個の隣接するスリット形成部7の長縁部9の間に段付きスリットの形態のスリット8が設けられている。
【0058】
組み立てられた状態のスリット管6において、粉砕された材料が流出する端面の反対側の端面は、理想的には閉鎖されているか又は少なくとも覆われているので、粉砕された材料のみならず粉砕要素もその端面を通って流れることはできない。
【0059】
スリット形成部7はストリップによって形成され、スリット管6の長手方向軸線と平行な方向におけるストリップの広がりは、スリット管6の周方向における広がりよりも少なくとも10倍大きい。理想的には、ストリップは、ワイヤから、又は引き抜かれた或いは押し出された金属材料から製造される。
【0060】
図示の実施形態において、スリット形成部7の断面形状は楔10、好適には、2つの楔セクション18,19で構成された二重楔の形態である。この場合、楔セクション19は、三角形によって形成されているのに対して、楔セクション18は、台形によって形成されている。楔セクションの側面(辺)は互いに融合しており、二重楔10は、2つの楔セクション18,19の移行部にキンクを有する。従って、このキンクは、楔10のベース(底辺)11と楔セクション18の側面との間の角度が、ベース11と楔セクション19の側面との間の角度よりも大きいことを意味する。
【0061】
粉砕要素がスリットに挟まってスリットを塞ぐのを防止するために、スリット8は、段付きスリットの形態である。これら段付きスリットがどのように形成され、如何なる結果をもたらすかについては、
図12及び
図13を参照しつつ説明する。
【0062】
組み立てられた状態において、スリット形成部7は、ベース11上にて楔先端12を通過する垂線がスリット管6の長手方向軸線を通過しないよう、スリット管6の長手方向軸線周りに配置されている。同じスリットを形成する2つの縁部が異なる半径上にあるのが理想的であるが、そのデルタは、好適には、4個の粉砕要素の直径よりも小さく、理想的には、2個の粉砕要素の直径よりも小さい。
【0063】
換言すれば、個々のスリット形成部は、周方向に傾いたドミノの列のように、通常は溶接して固定され、このようにして段付きスリット管を形成するのが好適な場合がある(
図12参照)。
【0064】
このことは、第1スリット形成部7における長縁部9は、この長縁部9に面する次のスリット形成部7における長縁部9に比べて、スリット管6の長手方向軸線周りにおいてより大きな半径上に配置されていることを意味する。その結果、スリット形成部7の各対の間のスリット8は、段付きスリットの形態になっている。このような位置決めは、製造上の管理が容易である。このことは、摩耗の観点からも極めて有利である。なぜなら、スリット形成部の断面は厚く、従ってどこでも耐摩耗性があり、一種の「スポイラー」又は「偏向リップ」がより微細な延長部として突出する断面よりも遥かに耐摩耗性が高い。
【0065】
従って、この領域において粉砕された材料は、長縁部9を横切る際に、第1スリット形成部7に沿って転動又は摺動する粉砕要素5の下を流れる。粉砕要素5とスリット形成部7との間の粉砕材料は、粉砕要素5の反対側の粉砕材料よりもゆっくりと流れるので、粉砕要素5と次のスリット形成部7との間の領域においては、ベルヌーイに従って負圧が生じる。このことは、粉砕要素5がスリット管6から離れる方向に押されることを意味する。このようにして、粉砕要素によるスリット8の閉塞が防止される。
【0066】
上述したように、本発明によれば、軸線方向スリット管という用語は、より狭い意味及びより広い意味を有する。より狭い意味において、この用語は、(何れの場合も、公差のずれを実質的に又は完全に除いて)スリット管の中心長手方向軸線Lと平行に延在するスリットを有するスリット管のみを含む。
【0067】
しかしながら、より広い意味において、この用語は、螺旋状に延在し、従って軸線方向螺旋スリット管と称することのできるスリットを有するスリット管も含む。これは、
図14に示す。この場合、スリットと同様に、スリット形成部は螺旋状に延在するが、上述したように、それ自体に傾斜している。
【0068】
代替的に、本発明に係る軸線方向スリット管は、2つの長縁部9の間にスリット8を形成するが、異なるタイプの妨害形状を形成する隣接スリット形成部7を有することができる。この場合、妨害形状は、突出部又はスポイラーによって形成される。これら形状部は、スリット管6の外周面11に沿って周方向に転動又は摺動するプロセスで粉砕要素によって衝撃を受け、その後に半径方向外側斜め方向に跳ね返り、これによりスリットの閉塞が防止される。この解決策は、本発明によれば機能するが、粉砕要素の衝撃効果がより大きいので、用途によっては遥かに大きな摩耗に晒される。
【符号の説明】
【0069】
1 ビーズミル
2 粉砕チャンバ
3 粉砕ロータ
4 粉砕ディスク/攪拌要素
5 粉砕要素
6 スリット管/軸線方向スリット管/スクリーン/分離システム
7 スリット形成部/ストリップ
8 スリット/段付きスリット
9 スリット形成部における長縁部
10 楔
11 ベース/スリット形成部における外周面
12 楔先端
13 粉砕容器
14 粉砕容器の入口
15 粉砕容器の出口
16 スリット形成部における支持部
17 スリット管における端部ピース
18 第1楔セクション
19 第2楔セクション
20 突出部/スポイラー
L スリット管の中心長手方向軸線
T スリット管の中心長手方向軸線と軸線方向スリットの中心長手方向軸線との
間の接線角度
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーズミル(1)であって、粉砕チャンバ(2)と、動作中に前記粉砕チャンバ(2)の周方向境界壁を形成する粉砕ロータ(3)と、前記粉砕ロータ(3)によって前記粉砕チャンバ(2)内で粉砕運動を生じる粉砕要素(5)と、前記粉砕要素(5)を分離しつつ、粉砕材料を取り去るためのスリット管(6)と、
を備えるビーズミルにおいて、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、前記スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に妨害形状が割り当てられたスリット(8)が形成され、前記妨害形状により、前記スリット管(6)における外周面(11)の周方向に沿って転動又は摺動する粉砕要素(5)が前記スリット(8)を横切る際に、前記スリット形成部(7)が定める前記外周面(11)から持ち上げられることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項2】
好適には請求項1に記載のビーズミル(1)であって、粉砕チャンバ(2)と、動作中に前記粉砕チャンバ(2)の周方向境界壁を形成する粉砕ロータ(3)と、該粉砕ロータ(3)によって前記粉砕チャンバ(2)内で粉砕運動を生じる粉砕要素(5)と、該粉砕要素(5)を分離しつつ、粉砕材料を取り去るためのスリット管(6)と、
を備えるビーズミルにおいて、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、該スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に段付きスリット(8)が形成され、この場合、前記スリット(8)を画定する一方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)が、同じスリット(8)を画定する他方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)よりも小さな半径上に位置していることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のビーズミル(1)であって、前記スリット形成部(7)が、ストリップであり、前記スリット管(6)の回転軸線に対する前記各ストリップの断面が、それぞれ平坦構造を規定し、該平坦構造は、前記スリット管(6)の前記回転軸線に対して、及び/又は、前記スリット管(6)の任意の平面に対して鏡面対称性が存在しないよう前記スリット管(6)に固定され、前記平面が、前記スリット管(6)の前記回転軸線を通過していることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のビーズミル(1)であって、前記スリット形成部(7)が、ストリップであり、前記スリット管(6)の回転軸線に対する前記ストリップの断面が、周方向に見て、半径方向内側に向けて幅が徐々に狭くなっていることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のビーズミル(1)であって、前記スリット形成部(7)が、ストリップであり、前記スリット管(6)の回転軸線に対する前記各ストリップの断面が、楔(10)であり、好適には、2つの楔セクション(18,19)を有する二重楔であり、内側における楔先端(12)の反対側にある前記二重楔のベース(11)が、前記外周面(11)を規定していることを特徴とする、ビーズミル。
【請求項6】
好適には請求項1又は2に記載のビーズミル(1)用のスリット管(6)であって、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、該スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に妨害形状が割り当てられたスリット(8)が形成され、前記妨害形状により、前記スリット管(6)における外周面(11)の周方向に沿って転動又は摺動する粉砕要素(5)が前記スリット(8)を横切る際に、前記スリット形成部(7)が定める前記外周面(11)から持ち上げられることを特徴とする、スリット管。
【請求項7】
好適には請求項6に記載のビーズミル(1)用のスリット管(6)であって、
前記スリット管(6)が、軸線方向スリット管であり、該スリット管にて隣接するスリット形成部(7)により、該スリット形成部(7)における2つの長縁部(9)の間に段付きスリット(8)が形成され、この場合、前記スリット(8)を画定する一方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)が、同じスリット(8)を画定する他方のスリット形成部(7)の前記長縁部(9)よりも小さな半径上に位置していることを特徴とする、スリット管。
【請求項8】
ミル内、好適にはビーズミル(1)内において、粉砕要素(5)を分離しつつ、粉砕材料を取り去るための請求項6に記載のスリット管(6)の使用方法。
【外国語明細書】