(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055857
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20230101AFI20240411BHJP
【FI】
G06Q30/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174662
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2022161875
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】520495102
【氏名又は名称】株式会社バベル
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】川上 慎二
(72)【発明者】
【氏名】杉山 大幹
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB05
5L049AA02
5L049BB05
(57)【要約】
【課題】商談映像の管理を効率よく行うことが期待できる情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、商談を録画した商談映像を取得し、前記商談に係る商談情報を取得し、取得した前記商談映像及び前記商談情報を対応付けて記憶部に記憶し、記憶した前記商談映像にアクセスするための情報及び前記商談情報を含む記録情報を、営業活動又は顧客に係る情報を管理する営業支援装置へ出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
商談を録画した商談映像を取得し、
前記商談に係る商談情報を取得し、
取得した前記商談映像及び前記商談情報を対応付けて記憶部に記憶し、
記憶した前記商談映像にアクセスするための情報及び前記商談情報を含む記録情報を、営業活動又は顧客に係る情報を管理する営業支援装置へ出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記情報処理装置が、
前記商談映像に基づいて、前記商談に参加した参加者の発話に係る音声情報をテキスト情報に変換し、
変換した前記テキスト情報を前記商談映像及び前記商談情報に対応付けて前記記憶部に記憶し、
前記テキスト情報から抽出した情報を含む前記記録情報を前記営業支援装置へ出力する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記営業支援装置が管理する情報には、ユーザの識別情報、取引先の識別情報、取引先責任者の識別情報、及び、進行中の商談に関する情報を含み、
前記情報処理装置が、
前記商談に参加する参加者の識別情報を前記記憶部に記憶し、
前記営業支援装置が管理する情報の中に前記参加者の識別情報と一致又は関連する前記取引先責任者の識別情報が存在し、前記取引先責任者が所属する取引先について進行中の商談が存在し、且つ、前記進行中の商談に関連付けられた前記ユーザの識別情報と一致する前記参加者の識別情報が存在する場合に、前記営業支援装置へ前記記録情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記営業支援装置が管理する情報には、見込み客の識別情報を含み、
前記情報処理装置が、
前記商談に参加する参加者の識別情報を前記記憶部に記憶し、
前記営業支援装置が管理する情報の中に前記参加者の識別情報と一致する前記見込み客の識別情報が存在する場合に、前記営業支援装置へ前記記録情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記営業支援装置は、出力された前記記録情報を前記営業活動又は顧客に係る情報に対応付けて記憶し、
前記情報処理装置が、
前記記憶部に記憶した前記商談映像に対応する前記営業活動又は顧客に係る情報を前記営業支援装置から取得し、
前記商談映像と、取得した前記営業活動又は顧客に係る情報とを表示部に表示する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、
記憶部に記憶した商談映像に関する検索条件の入力を受け付け、
受け付けた前記検索条件を前記営業支援装置へ出力して、前記検索条件に該当する情報に対応付けられた記録情報を前記営業支援装置から取得し、
取得した記録情報に対応する商談映像を検索結果として表示する、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記情報処理装置が、
前記記憶部に記憶した前記商談映像に対するアクセス権限の設定を受け付け、
受け付けた前記設定に応じて、前記商談映像の閲覧の可否を決定する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記商談の開催中に、テキスト情報の入力を受け付け、
受け付けた前記テキスト情報を前記商談映像及び前記商談情報に対応付けて前記記憶部に記憶する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
議事録のテンプレートを表示し、
前記テンプレートに対するテキスト情報の入力を受け付ける、
請求項8に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記情報処理装置が、
電話の通話に係る音声情報を取得し、
取得した前記音声情報及び前記商談情報を対応付けて前記記憶部に記憶する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記記憶部に記憶した前記商談映像にアクセスするためのアクセス用情報を生成し、
前記アクセス用情報を介した前記商談映像に対するアクセスを受け付ける、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記商談映像の再生時間に対するアクセスを許可する時間の範囲に関する設定、又は、前記商談映像に対するアクセスを許可する期限に関する設定を受け付け、
受け付けた設定に応じた前記アクセス用情報を生成する、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記商談映像の再生時間に対する注目時間に関する設定を受け付け、
受け付けた設定に応じた前記アクセス用情報を生成し、
前記アクセス用情報を介した前記商談映像に対するアクセスを受け付けた場合に、前記商談映像と共に前記注目時間を出力する、
請求項11に記載の情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
商談を録画した商談映像を取得し、
前記商談に係る商談情報を取得し、
取得した前記商談映像及び前記商談情報を対応付けて記憶部に記憶し、
記憶した前記商談映像にアクセスするための情報及び前記商談情報を含む記録情報を、営業活動又は顧客に係る情報を管理する営業支援装置へ出力する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項15】
商談を録画した商談映像を取得する第1取得部と、
前記商談に係る商談情報を取得する第2取得部と、
取得した前記商談映像及び前記商談情報を対応付けて記憶部に記憶する記憶処理部と、
記憶した前記商談映像にアクセスするための情報及び前記商談情報を含む記録情報を、営業活動又は顧客に係る情報を管理する営業支援装置へ出力する出力部と
を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商談に関する情報を扱う情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介して複数の端末装置間で画像及び音声等のデータを送受信することにより、端末装置を使用する複数人のユーザが同時的に会話等を行うことが可能である。この技術を利用して、遠隔地にいる複数人のユーザがネットワークを介して会議を行う、いわゆるオンライン会議又はリモート会議等が広く普及している。
【0003】
特許文献1においては、複数人でのオンラインビデオ通話が可能なオンライン会議アプリケーション及びオンライン決済サイトを活用して、生産者及び消費者が同一日時にオンライン上に集い、実際に一箇所の場所に集い売買活動が行われるマルシェ(市場)のように、リアルタイムに互いの顔を確認して交流しつつ売買活動を行うことが可能なオンラインマルシェシステムが提案されている。このオンラインマルシェシステムでは、希望する商品又はサービスを消費者がオンライン決済サイトを通して購入することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オンライン会議又はリモート会議のシステムを例えば商談に利用することが期待できる。このようなシステムでは、商談の様子が撮影された映像を保存しておくことが比較的容易である。商談の映像は例えば動画像データとして保存され得るが、大量の商談映像を管理することは容易ではない。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、商談映像の管理を効率よく行うことが期待できる情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、商談を録画した商談映像を取得し、前記商談に係る商談情報を取得し、取得した前記商談映像及び前記商談情報を対応付けて記憶部に記憶し、記憶した前記商談映像にアクセスするための情報及び前記商談情報を含む記録情報を、営業活動又は顧客に係る情報を管理する営業支援装置へ出力する。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態による場合は、商談映像の管理を効率よく行うことが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムの概要を説明するための模式図である。
【
図2】本実施の形態に係る商談記録サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】商談映像DBの一構成例を示す模式図である。
【
図4】本実施の形態に係る営業支援サーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】マーケティングDBの一構成例を示す模式図である。
【
図6】本実施の形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】連携の条件1を説明するための模式図である。
【
図8】連携の条件2を説明するための模式図である。
【
図9】連携の条件3を説明するための模式図である。
【
図10】記録情報の一例を説明する為の模式図である。
【
図11】本実施の形態に係る商談記録サーバ装置が行う処理の手順を示すフローチャートである。
【
図13】商談映像の検索画面の一例を示す模式図である。
【
図14】本実施の形態に係る商談記録サーバ装置が行う検索処理の手順を示すフローチャートである。
【
図15】議事録作成の支援を説明する為の模式図である。
【
図16】リンク情報の生成を説明するための模式図である。
【
図17】リンク情報により共有された商談映像の表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る情報処理システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
[実施の形態1]
<システム概要>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの概要を説明するための模式図である。なお本実施の形態においては、オンライン会議又はリモート会議等のシステムを利用して商談を行うことをオンライン商談と呼ぶ。オンライン商談では、商品又はサービス等を販売する販売会社に所属する営業担当者又は販売担当者等の社員のユーザと、この商品又はサービス等を購入する企業、組織又は個人のユーザとにより、オンライン上で種々の会話が行われる。なおオンライン商談は、必ずしも商品又はサービス等の売買が伴うものでなくてよく、例えば企業等の営業担当者又はサービスマン等が顧客等に対して定期的に又は不定期に行うあいさつ又はアフターサービス等に係るものであってよく、また例えば顧客等からの問い合わせに対する担当者等の回答等に係るものであってよく、これら以外の販売者及び購入者の間で行われる種々の会話に係るものであってよい。また更にオンライン商談には、販売者及び購入者の間で行うものに限らず、例えば販売者となる企業に務める複数の社員同士で行う販売に向けた会議又はミーティング等を含み得る。
【0012】
本実施の形態に係る情報処理システムは、オンライン会議又はリモート会議等によるオンライン商談の機能を提供するオンライン商談サーバ装置1と、オンライン商談に関する映像を記録して蓄積する商談記録サーバ装置2と、営業活動又は顧客に係る情報を管理する営業支援サーバ装置3と、複数のユーザがそれぞれ使用する端末装置4とを備えて構成されている。なお本実施の形態においては、オンライン商談サーバ装置1、商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3をそれぞれ個別のサーバ装置としているが、これに限るものではなく、2つ又は3つのサーバ装置の機能を1つのサーバ装置に集約してもよい。
【0013】
オンライン商談サーバ装置1は、ネットワークを介して複数の端末装置4の間で映像、画像、音声又は文字等の種々のデータの送受信を中継することによって、異なる場所にいるユーザの間で会話等の情報授受を実現する。オンライン商談サーバ装置1は、例えば一の端末装置4が送信したデータを受信し、受信したデータを他の端末装置4へ送信する。
図1に示す例では、3人のユーザA~Cがそれぞれ端末装置4を利用してオンライン商談サーバ装置1にアクセスし、オンライン商談を行っている。
【0014】
オンライン商談に参加する複数のユーザのうちの少なくとも1人のユーザは、オンライン商談の開催者(主催者、管理者、ホスト等)となる。図示の例ではユーザAがオンライン商談の開催者であり、オンライン商談の開催に先立って、端末装置4を用いてオンライン商談サーバ装置1にアクセスし、オンライン商談の日時及び参加者等を設定する。オンライン商談サーバ装置1は、オンライ商談の参加者に対して電子メールの送信等の方法でオンライン商談の開催を通知する。設定された日時に参加者がそれぞれ端末装置4を利用してオンライン商談サーバ装置1へアクセスすることにより、オンライン商談が開始される。
【0015】
商談記録サーバ装置2は、オンライン商談サーバ装置1が複数の端末装置4の間で送受信する種々のデータ、本実施の形態においては商談を録画した商談映像を取得してデータベース等に記録する処理を行う。なお本実施の形態において商談映像は、オンライン商談の際に各端末装置4のカメラ等にて撮影されて、オンライン商談サーバ装置1によって複数の端末装置4の間で送受信された映像であり、端末装置4のカメラ等により撮影されたいわゆる画像(動画像)と、端末装置4のマイク等により録音された音声とを含むデータである。また商談映像には、カメラ等で撮影した映像のみでなく、例えばプレゼンテーションのためのドキュメント又は画像等が複数の端末装置4にて共有されて表示された場合に、この表示を録画した映像が含まれ得る。なおオンライン商談では、例えば通信のデータ量削減又はユーザのプライバシー保護等を目的に、端末装置4が撮影する画像の送受信を行わず、音声の送受信のみで商談が行われる場合があり得る。本実施の形態においては、このような画像を含まずに音声のみを含むデータについても同様に商談映像と呼び、画像を含む商談映像と同様に扱うものとする。
【0016】
オンライン商談の開催者であるユーザAは、オンライン商談の開催に先立って、端末装置4を用いて商談記録サーバ装置2にアクセスし、オンライン商談の記録に関する設定を行う。例えばユーザAは、オンライン商談を開催する日時及びオンライン商談にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)等の情報を商談記録サーバ装置2に対して設定する。商談記録サーバ装置2は、設定された日時にオンライン商談サーバ装置1にアクセスし、録画を行うためのプログラム、いわゆるボットを参加者の1人としてオンライン商談に参加させ、このボットを介してオンライ商談の映像及び音声等のデータを取得し、取得した商談映像を記録する。
【0017】
オンライン商談の終了後、ユーザは端末装置4にて商談記録サーバ装置2にアクセスし、記録された商談映像の検索及び視聴等を行うことができる。図示の例では、ユーザDが端末装置4を介して商談記録サーバ装置2にアクセスし、記録された商談映像の検索及び視聴等を行っている。記録された商談映像の検索及び視聴等を行うことが可能なユーザは、オンライン商談に参加したユーザに限らない。オンライン商談の開催者であるユーザAが商談映像に対するアクセス権限の設定を行い、商談記録サーバ装置2は設定されたアクセス権限にて許可されているユーザに対して、記録した商談映像の検索及び視聴等を行わせる。
【0018】
営業支援サーバ装置3は、企業等における営業及びマーケティング等を支援するソフトウェアを実行吸うことにより、いわゆるSFA(Sales Force Automation)又はCRM(Customer Relationship Management)等のツールをユーザに対して提供するサーバ装置である。営業支援サーバ装置3は、例えば顧客に対して行った営業活動に関する情報、又は、顧客が購入した商品もしくはサービス等に関する情報等をデータベースに記憶して管理する。例えばユーザEは端末装置4を介して営業支援サーバ装置3にアクセスすることで、営業及びマーケティング等に有用な種々の情報を得ることができる。
【0019】
本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が営業支援サーバ装置3と連携してオンライン商談に関する情報の記録及び管理を行う。これにより本実施の形態に係る情報処理システムは、商談映像と共に商談に関連する営業活動もしくは顧客の情報を表示する、又は、営業活動もしくは顧客に関する情報に基づいて商談映像の検索を行う等のサービスをユーザに対して提供することが期待できる。
【0020】
端末装置4は、オンライン商談サーバ装置1、商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3等へアクセスし、これらのサーバ装置が提供するサービスをユーザが利用するために用いられる装置である。端末装置4は、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置又はパーソナルコンピュータ等の汎用的な情報処理装置が用いられ得る。端末装置4は、ユーザの操作を受け付けるためのタッチパネル、マウス又はキーボード等の入力装置と、情報を表示するディスプレイ等の表示装置とを備えている。またオンライン商談に参加するユーザが利用する端末装置4は、ユーザを撮影するカメラと、ユーザの音声を取得するマイクとを備える。ただしカメラ及びマイクは、端末装置4に内蔵されていてもよく、有線又は無線により端末装置4に接続される外付けのものであってもよい。なお本実施の形態においては、オンライン商談に参加する1人のユーザが1つの端末装置4を使用するものとするが、これに限るものではなく、複数のユーザが1つの端末装置4を使用してオンライン商談に参加してもよく、1人のユーザが複数の端末装置4を使用してオンライン商談に参加してもよい。
【0021】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2は、オンライン商談を録画した商談映像から、商談に参加した参加者の発話内容をテキスト化する処理を行ってもよい。商談記録サーバ装置2は、参加者の発話内容のテキスト情報を、発話したユーザの名前又はID等の識別情報、並びに、発話したタイミング(商談映像の開始からの時間)等の情報と対応付けて、商談映像と共にデータベースに記録することができる。商談記録サーバ装置2は、このテキスト情報を用いて、例えば文字列のキーワード入力を受け付けて、記録した商談映像を検索するサービスをユーザに提供することができる。
【0022】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2は、データベースに記録した複数の商談映像に対する検索機能を実現するための処理を行う。例えば商談記録サーバ装置2は、上述のように商談映像の音声をテキスト化したテキスト情報に基づいて、ユーザが端末装置4にて入力した検索用のキーワードを含むテキスト情報を抽出し、このテキスト情報に対応する商談映像を検索結果として端末装置4に一覧表示等させてよい。また商談記録サーバ装置2は、商談に参加したユーザの名前又はID等の識別情報に基づく商談映像の検索、並びに、商談が行われた日付等に基づく商談映像の検索等を行ってよい。
【0023】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2は、オンライン商談に参加した複数のユーザによる商談映像の共有を実現するための処理を行ってよい。商談記録サーバ装置2は、データベースに記録した商談映像にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)等の情報を、商談に参加したユーザ(の端末装置4)へ送信することができる。この情報を端末装置4にて受信したユーザは、例えばWebブラウザ等のアプリケーションプログラムを利用して、指定されたURLにアクセスすることによって、商談映像の取得又は再生等を行うことができる。
【0024】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2は、商談映像に対するユーザのコメントの入力を受け付け、受け付けたコメントを商談映像と対応付けてデータベースに記録してもよい。また商談記録サーバ装置2は、記録したコメントを商談に参加した複数のユーザの間で共有するための処理を行ってよい。商談記録サーバ装置2は、例えばユーザが商談映像を端末装置4にて再生(表示)している際に、端末装置4を介してこの商談映像に関するコメントの入力を受け付けることができる。商談記録サーバ装置2は、入力されたコメントを、再生していた商談映像の再生時刻に対応付けてデータベースに記録することができる。以後、この商談映像が再生される際に、商談記録サーバ装置2は、商談映像と共にコメントを端末装置4に表示させることができる。
【0025】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2は、商談において各参加者が発話したタイミング、時間及び回数等の情報を集計し、これらの情報を端末装置4に表示させてもよい。商談記録サーバ装置2は、これらの情報を例えば商談映像と共に表示してもよく、また例えば企業の部門又はチーム等の集団に所属する複数のユーザについてこれらの情報を集計して集団毎に情報を表示してもよい。
【0026】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2による商談映像の取得及び記録等の処理は、これらの処理を行うコンピュータプログラムを擬人化したもの、いわゆるボットがオンライン商談に1人の参加者として参加することにより行われる。商談記録サーバ装置2は、このボットがオンライン商談に参加する際に、このオンライン商談に参加する他のユーザに対して、ボットが商談に参加すること(商談の映像を記録すること)に対する同意を確認してもよい。商談記録サーバ装置2は、各参加者による同意の有無を記録すると共に、全てのユーザの同意が得られた場合にボットを参加させて商談映像を記録することができる。
【0027】
なお本実施の形態においては、複数のユーザが端末装置4を利用してオンラインで商談を行うものとするが、これに限るものではなく、例えば複数のユーザが一ヶ所に集まって(オフラインで)商談を行ってもよく、この場合には例えば端末装置4又は何らかの撮影装置が商談を撮影し、撮影した映像を商談記録サーバ装置2が取得してデータベースに記録すればよい。
【0028】
<装置構成>
図2は、本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2は、処理部21、記憶部(ストレージ)22及び通信部(トランシーバ)23等を備えて構成されている。なお本実施の形態においては、商談の記録に関する処理を1つのサーバ装置にて行われるものとして説明を行うが、複数のサーバ装置が分散して処理を行ってもよい。
【0029】
処理部21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)又は量子プロセッサ等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部21は、記憶部22に記憶されたサーバプログラム22aを読み出して実行することにより、オンライン商談の映像を記録する処理、営業支援サーバ装置3と連携したサービスを提供する処理、及び、オンライン商談に関する情報をユーザに提供する処理等の種々の処理を行う。
【0030】
記憶部22は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部22は、処理部21が実行する各種のプログラム、及び、処理部21の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部22は、処理部21が実行するサーバプログラム22aを記憶する。また記憶部22には、商談映像を種々の情報に対応付けて記録する商談映像DB(データベース)22bが設けられている。
【0031】
本実施の形態においてサーバプログラム(コンピュータプログラム、プログラム製品)22aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録された態様で提供され、商談記録サーバ装置2は記録媒体99からサーバプログラム22aを読み出して記憶部22に記憶する。ただし、サーバプログラム22aは、例えば商談記録サーバ装置2の製造段階において記憶部22に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム22aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものを商談記録サーバ装置2が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム22aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出して商談記録サーバ装置2の記憶部22に書き込んでもよい。サーバプログラム22aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0032】
図3は、商談映像DB22bの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2の商談映像DB22bは、オンライン商談を録画した商談映像を記録するデータベースであり、例えば「日時」、「参加者」、「商談映像」、「テキスト情報」、「権限情報」、「議事録情報」及び「連携情報」等の情報を対応付けて記録する。「日時」は、オンライン商談が行われた年月日及び時刻に関する情報であり、例えばオンライン商談の開始時刻、終了時刻又は開催時間等の情報が含まれ得る。
【0033】
商談映像DB22bの「参加者」は、オンライン商談に参加したユーザに関する情報であり、例えば「ユーザID」、「所属情報」及び「同意情報」等の情報が含まれ得る。「ユーザID」は、各ユーザを一意に識別するための情報であり、本実施の形態においてはユーザのメールアドレスが用いられる。ただし「ユーザID」はメールアドレスに限らず、適宜の情報が採用されてよい。「所属情報」は、例えばユーザが所属する会社又は企業等の名称又は識別情報等の情報である。「同意情報」は、例えばオンライン商談の開始前に、各ユーザが商談の映像を記録するボットの参加に同意したか否かを示す情報である。
【0034】
「商談映像」は、オンライン商談を録画した映像であり、例えば動画像のファイル自体、又は、このファイルの格納場所を示す情報もしくはファイル名等である。商談映像は、例えば商談に参加したユーザ毎に別の動画像のファイルとして記録されてもよく、また例えば複数のユーザの映像を並べた映像が1つの動画像ファイルとして記録されてもよい。
【0035】
「テキスト情報」は、商談映像に基づいて参加者の発話内容をテキスト化した情報であり、例えば「発話タイミング」、「発話者」、「発話テキスト」及び「トピック情報」等の情報が含まれ得る。「発話タイミング」は、参加者の発話が行われたタイミングがいつであるかを示す情報であり、例えば商談映像の再生時間が60分である場合に、開始から2分50秒の時点等の情報が設定され得る。「発話タイミング」には、少なくとも発話の開始時点の情報が記録され、発話の終了時点又は発話の継続時間等の情報が更に記録されてもよい。「発話者」は、発話を行ったユーザが誰であるかを示す情報であり、例えばユーザIDが設定され得る。なお本実施の形態においては、1人のユーザが1つの端末装置4を使用してオンライン商談に参加することを想定しており、いずれの端末装置4にて撮影(録音)がなされた音声であるかに基づいて、いずれのユーザが発話した音声であるかが判断される。複数のユーザが1つの端末装置4を使用してオンライン商談に参加する場合、又は、例えば複数のユーザが参加するオフラインの商談を1つのカメラで撮影した場合等には、商談記録サーバ装置2は、例えば発話の声音、声の高さ、声質、抑揚又はリズム等の特徴に基づいて、発話者が誰であるかを区別することができる。発話者の区別には、例えば予め機械学習がなされた学習モデル、いわゆるAI(Artificial Intelligence)が用いられ得る。「発話テキスト」は、記録した商談映像に含まれる参加者の発話の音声をテキストに変換した情報である。音声からテキストへの変換処理は、既存のいわゆる音声認識処理により行われる。「トピック情報」は、発話テキストにどのようなトピック(事柄、話題等)が含まれているかを示す情報であり、例えばアイスブレイク又はクロージング等のトピックの分類が設定され得る。本実施の形態において商談記録サーバ装置2は、予め機械学習がなされた学習モデルを用いて発話テキストのトピックを分類する。
【0036】
「権限情報」は、商談映像に対するアクセス権限に関する情報である。商談映像の視聴等を行うことを許可するユーザについての条件、又は、商談映像の視聴等を行うことを許可しないユーザについての条件の設定が「権限情報」として記憶される。「議事録情報」は、オンライン商談の開催中に又はその後の適宜のタイミングで一又は複数のユーザが作成した議事録の情報である。「連携情報」は、営業支援サーバ装置3との連携のための情報である。「連携情報」は、例えば商談映像に関連する営業活動の情報又は顧客の情報等にアクセスするためのリンク情報であり、これらの情報が営業支援サーバ装置3のデータベースに記録されている位置等を示す情報である。
【0037】
なお
図3に示した商談映像DBの構造及び記録する項目等は、一例であって、これに限るものではない。
【0038】
商談記録サーバ装置2の通信部23は、携帯電話通信網、無線LAN(Local Area Network)及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部23は、ネットワークNを介して、オンライン商談サーバ装置1、営業支援サーバ装置3、並びに、一又は複数の端末装置4等との間で通信を行う。通信部23は、処理部21から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部21へ与える。
【0039】
なお記憶部22は、商談記録サーバ装置2に接続された外部記憶装置であってよい。また商談記録サーバ装置2は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また商談記録サーバ装置2は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0040】
また本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2には、記憶部22に記憶されたサーバプログラム22aを処理部21が読み出して実行することにより、商談映像取得部21a、商談情報取得部21b、テキスト化処理部21c、連携処理部21d、検索処理部21e、権限設定部21f及び議事録取得部21g等が、ソフトウェア的な機能部として処理部21に実現される。なお本図においては、処理部21の機能部として、商談映像を記録する処理及び営業支援サーバ装置3と連携する処理に関連する機能部を図示し、これ以外の処理に関する機能部は図示を省略している。
【0041】
商談映像取得部21aは、オンライン商談に参加した複数の端末装置4により撮影されてオンライン商談サーバ装置1により複数の端末装置4の間で送受信された商談映像を取得する処理を行う。本実施の形態において商談映像取得部21aは、コンピュータプログラムを擬人化したボットをオンライン商談に参加させることによって、オンライン商談サーバ装置1が複数の端末装置4の間で送受信する商談映像を取得する。商談映像取得部21aは、オンライン商談サーバ装置1から取得したオンライン商談の商談映像を記憶部22の商談映像DB22bに記録する。
【0042】
商談情報取得部21bは、オンライン商談に関する種々の情報をオンライン商談サーバ装置1から取得する処理を行う。商談情報取得部21bは、オンライン商談が行われた後に、例えばこのオンライン商談に参加したユーザのユーザID、オンライン商談を設定した開催者のユーザID、各ユーザが所属する会社もしくは企業等に関する情報、オンライ商談の開始時刻、オンライン商談の終了時刻、又は、商談映像に対して設定されたタイトル名もしくはファイル名等の識別情報等の種々の情報を商談情報としてオンライン商談サーバ装置1から取得する。オンライン商談を実施したオンライン商談サーバ装置1は、オンライン商談に参加したユーザが利用する端末装置4から、各ユーザのユーザID及び所属等の情報を取得して記憶している。商談情報取得部21bは、オンライン商談サーバ装置1が記憶しているこれらの情報を取得する。商談情報取得部21bは、オンライン商談サーバ装置1から取得した商談情報、例えばユーザID及び所属情報等の情報を、商談映像取得部21aが取得した商談映像に対応付けて、商談映像DB22bに記録する。
【0043】
テキスト化処理部21cは、商談映像取得部21aが取得した商談映像において参加者が発話した音声をテキスト化する処理を行う。テキスト化処理部21cは、例えば予め機械学習がなされた学習モデルを用いて、音声をテキスト化する。なお音声からテキストへの変換処理は、いわゆる音声認識処理により行われるものであり、音声認識処理は既存の技術であるため詳細な説明は省略する。テキスト化処理部21cによる音声からテキストへの変換処理は、どのような方法が採用されてもよい。テキスト化処理部21cは、商談映像に含まれる音声を、参加したユーザ毎に区別してテキスト化し、得られた「発話テキスト」を「発話タイミング」及び「発話者」に対応付けて商談映像DB22bに記録する。
【0044】
またテキスト化処理部21cは、変換したテキスト情報に基づいて、発話内容に含まれるトピックを分類する処理を行う。テキスト化処理部21cは、例えば予め機械学習がなされた学習モデルを用いて、テキスト情報のトピックを分類する。テキスト情報の入力に対してトピックの分類結果を出力する学習モデルには、例えばRNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short Term Memory)又はBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)等の学習モデルが採用され得る。学習モデルを用いたテキスト情報の分類処理は、既存の技術であるため、詳細な説明は省略する。テキスト化処理部21cは、学習モデルによるトピックの分類結果に基づいて、商談映像DB22bの「テキスト情報」に「発話テキスト」と対応付けて「トピック情報」を記録する。なお、1つの発話テキストには複数のトピックが含まれ得る。本実施の形態においては、テキスト情報のトピック分類を商談記録サーバ装置2が行うものとするが、これに限るものではなく、トピック分類の処理を別のサーバ装置が行って分類結果を商談記録サーバ装置2へ送信する構成であってもよい。
【0045】
連携処理部21dは、営業支援サーバ装置3との連携に関する処理を行う。連携処理部21dは、例えば営業支援サーバ装置3との間で情報の授受を行い、オンライン商談サーバ装置1にて実施されたオンライン商談に関連する営業活動等の情報が営業支援サーバ装置3にて管理されているか否かを判定する。連携処理部21dは、実施されたオンライン商談に関連する営業活動等の情報が管理されている場合、このオンライン商談の商談映像にアクセスするためのリンク情報及びこのオンライン商談に関する種々の情報を含む記録情報を営業支援サーバ装置3へ送信する。営業支援サーバ装置3は、商談記録サーバ装置2から受信した記録情報を、関連する営業活動等の情報に対応付けて(紐付けて)データベースに記録する。
【0046】
また連携処理部21dは、商談映像又は商談情報に対応付けられた(紐付けられた)営業活動等の情報にアクセスするためのリンク情報等を営業支援サーバ装置3から取得し、商談映像DB22bに連携情報として記憶する。連携処理部21dは、この連携情報に基づいて、商談映像に対応付けられた営業活動等の情報を営業支援サーバ装置3から取得することができる。これにより商談記録サーバ装置2は、ユーザの端末装置4に商談映像を再生して表示する際に、例えばこの商談に関連する営業活動等の情報を併せて表示することができる。また商談記録サーバ装置2は、商談映像DB22bに記憶した商談映像の検索を行う場合に、営業支援サーバ装置3が管理する情報に基づく検索を行うことができる。
【0047】
検索処理部21eは、商談映像DB22bに記録された商談映像に対する検索のサービスをユーザに提供するための処理を行う。検索処理部21eは、例えばオンライン商談に参加したユーザのID又はオンライン商談が行われた日時等を検索の条件としてユーザから端末装置4を介して受け付ける。例えば検索処理部21eは、検索条件として受け付けたユーザIDのユーザが参加した商談映像を商談映像DB22bから抽出し、抽出した一又は複数の商談映像に関する情報を端末装置4へ送信して一覧表示させる。また検索処理部21eは、例えば端末装置4を介してユーザから検索キーワード(文字列)の入力を受け付け、受け付けた検索キーワードを「発話テキスト」に含む商談映像を商談映像DB22bから抽出することができる。
【0048】
また検索処理部21eは、連携処理部21dによる営業支援サーバ装置3との連携により、営業支援サーバ装置3が管理する情報に基づく検索条件をユーザから受け付けることができる。検索処理部21eは、例えば営業支援サーバ装置3が管理する営業活動の情報に含まれる取引先責任者のメールアドレスを対象として検索条件をユーザから受け付け、検索条件とされたメールアドレスに該当する取引先責任者に紐付けられたオンライン商談を営業支援サーバ装置3に特定させて、特定されたオンライン商談の商談映像を商談映像DB22bから抽出することができる。なお、営業支援サーバ装置3との連携による商談映像の検索は、上記の取引先責任者に限らず、営業支援サーバ装置3が管理する任意の情報に対して行われてよい。
【0049】
権限設定部21fは、商談映像DB22bに記録された商談映像に対するアクセス権限を設定する処理を行う。権限設定部21fは、例えばオンライン商談の開催者のユーザから、このオンライン商談を録画した商談映像の閲覧、視聴等を許可するユーザ又は禁止するユーザの条件を権限設定として受け付けて、受け付けた権限設定を商談映像DB22bに権限情報として記憶する。例えばユーザは、オンライン商談に参加したユーザにのみ商談映像の視聴を許可する、オンライン商談に参加したユーザと同じ会社又は企業等に所属するユーザにのみ商談映像の視聴を許可する、又は、開催者のユーザと同じ会社又は企業等に所属するユーザにのみ商談映像の視聴を許可する等の条件を設定することができる。権限設定部21fは、端末装置4を介して商談映像の視聴要求を受け付けた場合、端末装置4を利用するユーザが権限設定において商談映像の視聴を許可されたユーザに該当するか否かを判定する。許可されていないユーザからの視聴要求を受け付けた場合、権限設定部21fは、この視聴要求を拒否し、このユーザの端末装置4に許可が与えられていない旨を通知するメッセージを出力する。
【0050】
議事録取得部21gは、オンライン商談が行われている際に、例えばオンライン商談の開催者のユーザにより入力される議事録の情報を取得する処理を行う。議事録取得部21gは、オンライン商談が行われている際に、ユーザの端末装置4に議事録のテンプレートを表示させる。テンプレートには、例えばオンライン商談の開催日時、参加者名、議題又は商談内容等を記入する欄が設けられている。議事録取得部21gは、テンプレートの各欄について、例えば開催日時及び参加者名等のように、オンライン商談サーバ装置1が保持している情報についてはこの情報を取得して、テンプレートの該当する欄を埋めたものを端末装置4に表示してもよい。ユーザは、端末装置4に表示されたテンプレートに対して文字列等を入力することで議事録を作成することができる。議事録取得部21gは、ユーザが端末装置4にて作成した議事録の情報を取得して、商談映像に対応付けて商談映像DB22bに議事録情報として記憶する。
【0051】
図4は、本実施の形態に係る営業支援サーバ装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る営業支援サーバ装置3は、処理部31、記憶部(ストレージ)32及び通信部(トランシーバ)33等を備えて構成されている。なお本実施の形態においては、営業支援に関する処理を1つのサーバ装置にて行われるものとして説明を行うが、複数のサーバ装置が分散して処理を行ってもよい。また商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3は、両機能を兼ね備えた1つのサーバ装置であってもよい。
【0052】
処理部31は、CPU、MPU、GPU又は量子プロセッサ等の演算処理装置、ROM及びRAM等を用いて構成されている。処理部31は、記憶部32に記憶されたサーバプログラム32aを読み出して実行することにより、営業活動又は顧客に関する情報を管理する処理、及び、商談記録サーバ装置2と連携したサービスを提供する処理等の種々の処理を行う。
【0053】
記憶部32は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部32は、処理部31が実行する各種のプログラム、及び、処理部31の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部32は、処理部31が実行するサーバプログラム32aを記憶する。また記憶部32には、営業活動又は顧客等に関する情報を記録するマーケティングDB32bが設けられている。
【0054】
本実施の形態においてサーバプログラム(コンピュータプログラム、プログラム製品)32aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体98に記録された態様で提供され、営業支援サーバ装置3は記録媒体98からサーバプログラム32aを読み出して記憶部32に記憶する。ただし、サーバプログラム32aは、例えば営業支援サーバ装置3の製造段階において記憶部32に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム32aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものを営業支援サーバ装置3が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム32aは、記録媒体98に記録されたものを書込装置が読み出して営業支援サーバ装置3の記憶部32に書き込んでもよい。サーバプログラム32aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体98に記録された態様で提供されてもよい。
【0055】
図5は、マーケティングDB32bの一構成例を示す模式図である。本実施の形態に係る営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bは、複数のテーブルを備えて構成されている。マーケティングDB32bでは、各テーブルに格納されている一又は複数の項目が、他のテーブルに格納されている一又は複数の項目に紐づけられることにより、複数の情報の対応関係が記憶される。本図において、情報の紐付けは矢印で示されている。また情報の紐付けは、例えば一の情報に対して関連する他の情報が格納されたメモリのアドレス等の情報を付与することで行われ得る。
【0056】
図示のマーケティングDB32bは、例えば「ユーザテーブル(User Table)」、「取引先責任者テーブル(Contact Table)」、「取引先テーブル(Account Table)」及び「商談テーブル(Opportunity Table)」の4つを備えている。ただしマーケティングDB32bには、図示の4つのテーブル以外の種々のテーブルが含まれてよい。マーケティングDB32bの「ユーザテーブル」は、例えば営業支援サーバ装置3が提供するサービスを利用するユーザの識別情報及びこれに関連する情報を記憶する。本例では、本サービスを利用する株式会社Aの社員であるユーザA1、ユーザA2…の識別情報が「ユーザテーブル」に記憶されている。なお本実施の形態においては、各ユーザの識別情報としてメールアドレスが用いられる。
【0057】
「取引先責任者テーブル」は、商談相手となる取引先企業における責任者の識別情報及びこれに関連する情報を記憶する。本例の「取引先責任者テーブル」では、株式会社Aの取引先である株式会社Bの社員の1人である取引先責任者B1の識別情報が記憶されている。なお本実施の形態においては、各取引先責任者の識別情報としてメールアドレスが用いられる。「取引先テーブル」は、取引先となる企業等の識別情報及びこれに関連する情報を記憶する。本例の「取引先テーブル」には、本サービスを利用する株式会社Aの取引先として、株式会社Bの識別情報が記憶されている。なお本実施の形態においては、取引先の識別情報として、取引先に所属する社員が使用するメールアドレスのドメイン名(メールアドレスの@以降の文字列)が用いられる。本例では、「取引先責任者テーブル」の取引先責任者B1は取引先である株式会社Bに所属する社員であるため、「取引先責任者テーブル」の取引先責任者B1は「取引先テーブル」の株式会社Bに紐づけられている。
【0058】
「商談テーブル」は、例えばこのサービスを利用する株式会社Aが(現在に)行っている、(過去に)行った又は(将来に)行う予定の商談に関する情報を記憶する。本例の「商談テーブル」では、進行中の商談1~4の4件についての情報が記憶されている。この4件の商談はいずれも株式会社Bとの商談であり、「取引先テーブル」の株式会社Bが「商談テーブル」の4件の進行中の商談1~4に紐づけられている。また本例では、「ユーザテーブル」のユーザA1が「商談テーブル」の進行中の商談1に紐づけられており、ユーザAが進行中の商談1の所有者(担当者)であることが示されている。
【0059】
なお
図5に示したマーケティングDB32bの構造、含まれるテーブル、及び、各テーブルが記録する項目等は、一例であって、これに限るものではない。
【0060】
営業支援サーバ装置3の通信部33は、携帯電話通信網、無線LAN及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部33は、ネットワークNを介して、商談記録サーバ装置2、及び、一又は複数の端末装置4等との間で通信を行う。通信部33は、処理部31から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部31へ与える。
【0061】
なお記憶部32は、営業支援サーバ装置3に接続された外部記憶装置であってよい。また営業支援サーバ装置3は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。また営業支援サーバ装置3は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0062】
また本実施の形態に係る営業支援サーバ装置3には、記憶部32に記憶されたサーバプログラム32aを処理部31が読み出して実行することにより、情報管理部31a及び連携処理部31b等が、ソフトウェア的な機能部として処理部31に実現される。なお本図においては、処理部31の機能部として、商談記録サーバ装置2と連携する処理に関連する機能部を図示し、これ以外の処理に関する機能部は図示を省略している。
【0063】
情報管理部31aは、マーケティングDB32bに記憶された各種の情報を管理する処理を行う。情報管理部31aは、端末装置4を介してユーザにより入力された情報をマーケティングDB32bに記憶し、他の情報との紐づけを行う。また情報管理部31aは、端末装置4を介してユーザから情報の検索又は閲覧等の要求を受け付け、受け付けた要求に応じた情報をマーケティングDB32bから読み出して要求元の端末装置4へ送信する。
【0064】
連携処理部31bは、商談記録サーバ装置2との連携に関する処理を行う。連携処理部31bは、例えば商談記録サーバ装置2との間で情報の授受を行い、商談記録サーバ装置2が記録した商談映像に関連する営業活動等の情報がマーケティングDB32bに記憶されているか否かを判定する。連携処理部31bは、商談映像に関連する情報がマーケティングDB32bに記憶されている場合、商談映像にアクセスするためのリンク情報及びオンライン商談に関する種々の情報を含む記録情報を商談記録サーバ装置2から取得し、取得した記録情報を関連する営業活動等の情報に紐付けてマーケティングDB32bに記憶する。また連携処理部31bは、マーケティングDB32bに記憶された情報にアクセスするためのリンク情報等を商談記録サーバ装置2へ送信する。
【0065】
図6は、本実施の形態に係る端末装置4の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る端末装置4は、処理部41、記憶部(ストレージ)42、通信部(トランシーバ)43、表示部(ディスプレイ)44、操作部45、カメラ46及びマイク47等を備えて構成されている。端末装置4は、本実施の形態に係る情報処理システムが提供する各種のサービスを利用するユーザが使用する装置であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置又はパーソナルコンピュータ等の汎用的な情報処理装置を用いて構成され得る。ユーザは、例えば端末装置4を使用してオンライン商談に参加することができる。またユーザは、例えば端末装置4を介して商談記録サーバ装置2にアクセスすることによって、商談映像DB22bに記録された商談映像の検索及び視聴等を行うことができる。またユーザは、例えば端末装置4を介して営業支援サーバ装置3にアクセスすることによって、マーケティングDB32bに記憶された営業活動又は顧客等に関する情報の検索及び閲覧等を行うことができる。
【0066】
処理部41は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM及び等を用いて構成されている。処理部41は、記憶部42に記憶されたプログラム42aを読み出して実行することにより、オンライン商談を実現するための処理、商談映像の検索及び視聴等する処理、及び、マーケティングに関する情報の検索及び閲覧等する処理等の種々の処理を行う。
【0067】
記憶部42は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子又はハードディスク等の記憶装置等を用いて構成されている。記憶部42は、処理部41が実行する各種のプログラム、及び、処理部41の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部42は、処理部41が実行するプログラム42aを記憶している。本実施の形態においてプログラム42aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これを端末装置4が通信にて取得し、記憶部42に記憶する。ただしプログラム42aは、例えば端末装置4の製造段階において記憶部42に書き込まれてもよい。例えばプログラム42aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体97に記録されたプログラム42aを端末装置4が読み出して記憶部42に記憶してもよい。例えばプログラム42aは、記録媒体97に記録されたものを書込装置が読み出して端末装置4の記憶部42に書き込んでもよい。プログラム42aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体97に記録された態様で提供されてもよい。
【0068】
通信部43は、携帯電話通信網、無線LAN及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部43は、ネットワークNを介して、オンライン商談サーバ装置1、商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3等との間で通信を行う。通信部43は、処理部41から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部41へ与える。
【0069】
表示部44は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部41の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部45は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部41へ通知する。例えば操作部45は、機械式のボタン又は表示部44の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部45は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスは端末装置4に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
【0070】
カメラ46は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて構成されている。カメラ46は、例えば端末装置4の筐体の適所に配置されている。カメラ46は、撮像素子により撮影した画像(動画像)のデータを処理部41へ与える。マイク47は、例えば端末装置4の筐体の適所に配置されており、端末装置4の周囲の音(例えばユーザの発話音声)を取得して音声データを処理部41へ与える。なおカメラ46及びマイク47は、端末装置4に内蔵されていてもよく、端末装置4に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
【0071】
また本実施の形態に係る端末装置4は、記憶部42に記憶されたプログラム42aを処理部41が読み出して実行することにより、オンライン商談処理部41a及び商談映像処理部41b等がソフトウェア的な機能部として処理部41に実現される。なおプログラム42aは、本実施の形態に係る情報処理システムに専用のプログラムであってもよく、インターネットブラウザ又はウェブブラウザ等の汎用のプログラムであってもよい。
【0072】
オンライン商談処理部41aは、通信部43にてオンライン商談サーバ装置1との間で通信を行い、オンライン商談を実現するための種々の処理を行う。オンライン商談処理部41aは、例えばカメラ46が撮影した画像及びマイク47が取得した音声を含む動画像データをオンライン商談サーバ装置1へ送信する。またオンライン商談処理部41aは、オンライン商談に参加する一又は複数の他のユーザに関する動画像データをオンライン商談サーバ装置1から受信して、適宜の配置で動画像データを表示部44に並べて表示する。これにより、端末装置4を使用してオンライン商談に参加する各ユーザは、自身を撮影した画像及び自身が発話した音声を他のユーザへ送信すると共に、他のユーザを撮影した画像及び他のユーザが発話した音声を端末装置4にて視聴することができ、遠隔の地にいる複数のユーザが互いの姿を見ながら会話することができ、オンラインでの商談を行うことができる。
【0073】
またオンライン商談処理部41aは、オンライン商談に参加するユーザの画像及び音声を含む動画像データの他に、例えばプレゼンテーション用の資料(静止画像、動画像、音声又はテキスト等の情報を含み得る)のデータ、又は、チャット通話に係るテキストデータ等の種々のデータをオンライン商談サーバ装置1との間で送受信してよい。これにより、オンライン商談に参加する複数のユーザの間で、これらのデータを共有することができる。
【0074】
また本実施の形態に係る情報処理システムにおいて、オンライン商談の開催者となるユーザは、端末装置4を使用してオンライン商談サーバ装置1に対してオンライ商談の開催日時及び参加するユーザ等の情報を予め登録する。端末装置4のオンライン商談処理部41aは、開催者のユーザによるこれらの情報の登録操作を受け付けて、受け付けた情報をオンライン商談サーバ装置1へ送信する。オンライン商談サーバ装置1は、参加者として登録されたユーザに対して、オンライン商談の開催日時及びオンライン商談へアクセスするためのURL又はリンク等の情報を含む開催通知を電子メールなどにより送信する。
【0075】
またオンライン商談に参加する一又は複数のユーザは、それぞれ自身の端末装置4を介してオンライン商談サーバ装置1にアクセスする。このときにオンライン商談処理部41aは、ユーザに対してユーザID(本実施の形態においてはメールアドレス)の入力を要求する。オンライン商談処理部41aは、入力されたユーザIDをオンライン商談サーバ装置1へ送信し、このユーザIDのユーザとしてオンライン商談に参加する。
【0076】
商談映像処理部41bは、通信部43にて商談記録サーバ装置2との間で通信を行い、商談記録サーバ装置2が商談映像DB22bに記録した商談映像の検索及び表示等の処理を行う。商談映像処理部41bは、例えばユーザが参加したオンライン商談に関する情報を一覧表示し、これらの中からいずれか1つのオンライン商談の選択をユーザから受け付けて、受け付けたオンライン商談を録画した商談映像の動画像データを商談記録サーバ装置2に要求し、商談記録サーバ装置2から送信される動画像データを再生して表示部44に表示する。
【0077】
またこのときに本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が商談映像と共にこれに関連する種々の情報を営業支援サーバ装置3から取得して端末装置4へ送信する。端末装置4の商談映像処理部41bは、商談映像と共にこれらの情報を商談記録サーバ装置2から受信し、例えば商談映像と並べてこれらの情報を表示部44に表示することができる。また商談映像処理部41bは、商談映像に関連する議事録情報を商談記録サーバ装置2から取得して表示部44に表示することができる。
【0078】
また商談映像処理部41bは、例えばユーザから検索用のキーワードの入力を受け付け、受け付けたキーワードを商談記録サーバ装置2へ送信するとともに、商談記録サーバ装置2から検索結果を受信して、キーワードに合致する商談映像に関する情報の一覧表示等を行う。検索のためのキーワードには、例えばオンライン商談に参加したユーザの名前もしくはユーザID、商談映像に対して付されたタイトル、商談映像の音声から変換された発話のテキストに含まれる任意の文字列、又は、オンライン商談の議事録に含まれる任意の文字列等の種々の文字列が用いられ得る。また商談映像の検索には、キーワードの入力以外の方法、例えば開催日時に対する日時の範囲の指定、又は、プルダウンメニュー等を用いた項目の選択等の種々の方法が併用されてよい。
【0079】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談映像の検索に、営業支援サーバ装置3が商談映像に紐づけて管理している種々の情報を利用することができる。例えば、検索のキーワードとして取引先責任者のユーザIDを指定する、又は、取引先のIDを指定する等の検索条件をユーザは設定することができる。
【0080】
<連携機能>
本実施の形態に係る情報処理システムでは、オンライン商談サーバ装置1にてオンライン商談が行われ、このオンライン商談を録画した商談映像を商談記録サーバ装置2が商談映像DB22bに記録する。このときに商談記録サーバ装置2は、営業支援サーバ装置3との間で情報の授受を行い、オンライン商談に関連する営業活動又は顧客等の情報が営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bに記憶されているか否かを調べる。商談記録サーバ装置2は、オンライン商談に関連する情報がマーケティングDB32bに記憶されている場合に、実施されたオンライン商談に関する種々の情報を含む記録情報を生成して営業支援サーバ装置3へ送信する。営業支援サーバ装置3は、商談記録サーバ装置2から受信した記録情報を、マーケティングDB32bに記憶されている関連する情報に紐付けて記憶する。記録情報をマーケティングDB32bに記憶した営業支援サーバ装置3は、この記録情報にアクセスするための情報等を含む連携情報を商談記録サーバ装置2へ送信し、商談記録サーバ装置2はこの連携情報を商談映像に対応付けて商談映像DB22bに記憶する。これらの処理により商談記録サーバ装置2と営業支援サーバ装置3との連携が実現される。
【0081】
このような連携を商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3が行うために、本実施の形態に係る情報処理システムにおいては、例えば管理者等が商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3に対して、互いのデータベースに対するアクセス権限を与えるなど、連携に必要な各種の設定を予め行っていることが前提となる。また商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3がそれぞれデータベースにて管理するユーザID等の識別情報が共通化されているか、又は、データベース間での識別情報の対応関係を示すテーブル等が作成されていることが好ましい。
【0082】
本実施の形態において商談記録サーバ装置2は、以下の3つの条件のうちの少なくとも1つが満たされる場合に、営業支援サーバ装置3との連携を行う。
(条件1)オンライン商談の参加者がマーケティングDB32bに取引先責任者として登録されている。
(条件2)オンライン商談の参加者がマーケティングDB32bにリード(見込み客)として登録されている。
(条件3)オンライン商談の参加者が所属する企業がマーケティングDB32bに取引先として登録されている。
ただし上記の3つの条件は一例であり、商談記録サーバ装置2は、これら以外のどのような条件で営業支援サーバ装置3との連携を行ってもよい。
【0083】
(条件1)オンライン商談の参加者がマーケティングDB32bに取引先責任者として登録されていること
図7は、連携の条件1を説明するための模式図である。商談記録サーバ装置2は、営業支援サーバ装置3との間で情報の授受を行うことにより、オンライン商談の参加者のユーザIDと、マーケティングDB32bの取引先責任者テーブルに登録された取引先責任者のユーザIDとを比較して、ユーザIDが一致するユーザが存在するか否かを判定する。本例の場合、オンライン商談にユーザA1,A2,B1,C1の4人が参加し、取引先責任者テーブルにユーザB1が登録されている。よって商談記録サーバ装置2は、ユーザB1がオンライン商談の参加者とユーザIDが一致する取引先責任者であると判定することができる。
【0084】
オンライン商談の参加者とユーザIDが一致する取引先責任者が存在する場合、商談記録サーバ装置2は、この取引先責任者が所属する取引先を取引先テーブルから取得し、この取引先に関連付けられた進行中の商談が商談テーブルに登録されているか否かを判定する。本例の場合、取引先責任者であるユーザB1が所属する株式会社Bには進行中の商談1~4が対応付けられており、商談記録サーバ装置2は、取引先について進行中の商談が商談テーブルに登録されていると判定することができる。
【0085】
取引先について進行中の商談が登録されている場合、商談記録サーバ装置2は、この一又は複数の商談の中に、オンライン商談に参加し且つユーザテーブルに登録されているユーザが所有者として対応付けられた商談が存在するか否かを判定する。本例の場合、オンライン商談に参加したユーザA1,A2の2人がユーザテーブルに登録されており、このうちユーザA1が商談テーブルに登録された進行中の商談1に所有者として対応付けられている。商談記録サーバ装置2は、該当する進行中の商談1に対して、オンライン商談に関する記録情報を紐付けて記憶する指示と共に、営業支援サーバ装置3へ記録情報を送信する。記録情報を受信した営業支援サーバ装置3は、指示された進行中の商談に紐付けて、受信した記録情報をマーケティングDB32bに記憶する。
【0086】
なお、取引先について進行中の商談が商談テーブルに複数登録されている場合、商談記録サーバ装置2は、これら複数の商談について登録された日時を調べ、オンライン商談が実施された日時に最も近い日時に登録された1つの商談に紐付けて記録情報を記憶するよう営業支援サーバ装置3に指示する。ただし、1つの記録情報が複数の進行中の商談に対して紐づけられてもよい。
【0087】
(条件2)オンライン商談の参加者がマーケティングDB32bにリード(見込み客)として登録されていること
図8は、連携の条件2を説明するための模式図である。営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bには、
図5に示したテーブルの他にも種々のテーブルが含まれている。
図8に示す例ではマーケティングDB32bに、「リードテーブル(Lead Table)」が含まれている。「リードテーブル」は、商品又はサービス等の売買の契約に至っていない見込み客の識別情報及びこれに関連する情報を記憶する。本例では、見込み客であるユーザL1の識別情報が「リードテーブル」に記憶されている。なお本実施の形態においては、各見込み客の識別情報としてメールアドレスが用いられる。
【0088】
商談記録サーバ装置2は、営業支援サーバ装置3との間で情報の授受を行うことにより、オンライン商談の参加者のユーザIDと、マーケティングDB32bのリードテーブルに登録された見込み客のユーザIDとを比較して、ユーザIDが一致するユーザが存在するか否かを判定する。本例の場合、オンライン商談にユーザA1,A2,L1の3人が参加し、リードテーブルにユーザL1が登録されている。よって商談記録サーバ装置2は、ユーザl1がオンライン商談の参加者とユーザIDが一致する見込み客であると判定することができる。
【0089】
オンライン商談の参加者とユーザIDが一致する見込み客が存在する場合、商談記録サーバ装置2は、該当する見込み客に対して、オンライン商談に関する記録情報を紐付けて記憶する指示と共に、営業支援サーバ装置3へ記録情報を送信する。記録情報を受信した営業支援サーバ装置3は、指示された見込み客に紐付けて、受信した記録情報をマーケティングDB32bに記憶する。
【0090】
(条件3)オンライン商談の参加者が所属する企業がマーケティングDB32bに取引先として登録されていること
図9は、連携の条件3を説明するための模式図である。例えば、商談記録サーバ装置2は、上記の(条件1)の判定において、オンライン商談の参加者のユーザIDと取引先責任者テーブルのユーザIDとを比較して一致するものが存在しない場合に、(条件3)の判定を行う。商談記録サーバ装置2は、オンライン商談の参加者の中に、取引先テーブルに登録された取引先に所属するユーザが存在するか否かを判定する。本実施の形態において商談記録サーバ装置2は、オンライン商談の参加者のユーザIDとして登録されたメールアドレスのドメイン名と、取引先テーブルに取引先の識別情報として登録されたドメイン名とを比較して一致するものが存在するか否かを判定することで、オンライン商談の参加者が所属する企業が取引先として登録されているか否かを判定する。本例の場合、オンライン商談にユーザA1,A2,B5,B6の4人が参加し、ユーザB5,B6が所属する株式会社Bが取引先テーブルに登録されている。よって商談記録サーバ装置2は、オンライン商談に参加したユーザB5,B6が所属する株式会社Bが取引先として登録されていると判定することができる。
【0091】
オンライン商談の参加者が所属する企業が取引先として登録されている場合、商談記録サーバ装置2は、この取引先に関連付けられた進行中の商談が商談テーブルに登録されているか否かを判定する。本例の場合、取引先である株式会社Bには進行中の商談1~4が対応付けられており、商談記録サーバ装置2は、取引先について進行中の商談が商談テーブルに登録されていると判定することができる。
【0092】
取引先について進行中の商談が登録されている場合、商談記録サーバ装置2は、この一又は複数の商談の中に、オンライン商談に参加し且つユーザテーブルに登録されているユーザが所有者として対応付けられた商談が存在するか否かを判定する。商談記録サーバ装置2は、該当する進行中の商談に対して、オンライン商談に関する記録情報を紐付けて記憶する指示と共に、営業支援サーバ装置3へ記録情報を送信する。記録情報を受信した営業支援サーバ装置3は、指示された進行中の商談に紐付けて、受信した記録情報をマーケティングDB32bに記憶する。なお、取引先について進行中の商談が商談テーブルに複数登録されている場合、商談記録サーバ装置2は、これら複数の商談について登録された日時を調べ、オンライン商談が実施された日時に最も近い日時に登録された1つの商談に紐付けて記録情報を記憶するよう営業支援サーバ装置3に指示する。ただし、1つの記録情報が複数の進行中の商談に対して紐づけられてもよい。
【0093】
このように、本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2がオンライン商談に関する記録情報を生成し、営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bに記録情報を記憶することで、商談記録サーバ装置2及び営業支援サーバ装置3の連携が行われる。営業支援サーバ装置3は、商談記録サーバ装置2から受信した記録情報をマーケティングDB32bに記憶した後、マーケティングDB32bに記憶した記録情報にアクセスするためのリンク等の情報を含む連携情報を生成して商談記録サーバ装置2へ送信する。商談記録サーバ装置2は、受信した連携情報を関連する商談映像に対応付けて商談映像DB22bに記憶する。
【0094】
図10は、記録情報の一例を説明する為の模式図である。オンライン商談の映像を記録した商談記録サーバ装置2は、オンライン商談サーバ装置1からオンライン商談に関する種々の情報を含む商談情報を取得する。商談情報には、例えばオンライン商談に参加したユーザのユーザID、オンライン商談の開始時刻及び終了時刻等の種々の情報が含まれ得る。オンライン商談サーバ装置1から取得した商談情報に含まれる情報、及び、例えばオンライン商談の開催者が商談記録サーバ装置2に対して入力した情報等を基に、図示の記録情報を生成する。
【0095】
また本実施の形態において商談記録サーバ装置2は、商談映像における参加者の発話の音声をテキスト化し、発話テキストからキーワードを抽出する。例えば商談記録サーバ装置2は、オンライン商談の参加者の発話テキストから頻出の単語をキーワードとして抽出することができる。なおキーワードの抽出はどのような方法及び条件で行われてもよい。商談記録サーバ装置2が生成する記録情報には、発話テキストから抽出したキーワード等の情報が含まれ得る。
【0096】
図示の記録情報には、例えば「割当先」、「件名」、「期日」、「完了日時」、「コメント」、「録画」、「参加者」、「状況」、「名前」、「関連先」、「最終更新者」及び「キーワード」等の情報が含まれる。「割当先」は、オンライン商談の開催者に関する情報であり、本例では「ユーザA1」が開催者である。「件名」は、商談映像に対して開催者であるユーザAが付したタイトルであり、本例では「株式会社B商談」のタイトルが付されている。「期日」は、商談映像が記録された日付であり、本例では「2022年4月15日」である。「完了日時」は、オンライン商談が終了して本記録情報が生成された日時であり、本例では「2022年4月15日17時14分」である。
【0097】
記録情報の「コメント」は、商談映像に対して例えば開催者のユーザAが入力したコメントであり、本例では「2022年4月15日17時13分の記録です」の文字列が設定されている。「動画」は、商談記録サーバ装置2の商談映像DB22bに記憶された商談映像にアクセスするためのURL等の情報である。「参加者」は、オンライン商談に参加した参加者のユーザIDであり、本例では「ユーザA1」、「ユーザA2」、「ユーザB1」及び「ユーザB2」の4人のユーザIDが設定されている。「状況」は、オンライン商談の開催状況を示す情報であり、例えば「未開催」、「完了」又は「中止」等の情報が設定され、本例では「完了」が設定されている。「キーワード」は、商談映像から変換した音声のテキストを基に抽出したキーワードである。
【0098】
記録情報の「名前」は、オンライン商談に参加した取引先責任者のユーザIDであり、本例では「ユーザB1」が取引先責任者である。「関連先」は、この記録情報が紐付けられるマーケティングDB32bの項目である。なお「名前」及び「関連先」は、商談記録サーバ装置2が上記の連携条件を満たすと判断し、記録情報を営業支援サーバ装置3へ送信することを決定した後、商談記録サーバ装置2又は営業支援サーバ装置3により設定される情報である。
【0099】
記録情報の「最終更新者」は、オンライン商談に関する情報を最終的に更新したユーザのユーザIDであり、本例では「ユーザA1」により更新がなされたことが示されている。例えば商談映像のタイトル又はコメント等に対して変更又は修正等の操作がなされた場合、商談記録サーバ装置2は、変更された内容を自身の商談映像DB22bに反映すると共に、変更内容を営業支援サーバ装置3へ通知してマーケティングDB32bにもこの変更を反映させる。
【0100】
図11は、本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2が行う処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2の処理部21の商談映像取得部21aは、例えばオンライン商談の開催者による操作に基づいて端末装置4から与えられる命令等に基づき、商談映像を記録するボットをオンライン商談に参加させる(ステップS1)。商談映像取得部21aは、オンライン商談に参加する各ユーザの端末装置4がオンライン商談サーバ装置1へ送信する動画像及び音声のデータを含む商談映像を、このオンライン商談に参加させたボットを介して取得し、取得した商談映像を商談映像DB22bに記録する(ステップS2)。商談映像取得部21aは、オンライン商談が終了したか否かを判定し(ステップS3)、オンライン商談が終了していない場合には(S3:NO)、ステップS2へ処理を戻して商談映像の記録を継続して行う。
【0101】
オンライン商談が終了した場合(S3:YES)、処理部21のテキスト化処理部21cは、商談映像DB22bに記録された商談映像に含まれるユーザの発話音声をテキスト化する処理を行う(ステップS4)。このときにテキスト化処理部21cは、発話の音声を変換したテキストを、オンライン商談における発話のタイミング及び発話者等の情報に対応付けて商談映像DB22bに記録する。また処理部21の商談情報取得部21bは、オンライン商談サーバ装置1からオンライン商談に関する種々の情報、例えばオンライン商談の参加者及び開催時間等を含む商談情報を取得し(ステップS5)、取得した商談情報を商談映像に対応付けて商談映像DB22bに記憶する(ステップS6)。
【0102】
次いで処理部21の連携処理部21dは、営業支援サーバ装置3との間で情報の授受を行い、ステップS6にて記憶した商談情報と営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bに記憶された情報とを比較して、上述の(条件1)~(条件3)の連携条件のいずれかを満たすか否かを判定する(ステップS7)。連携条件のいずれも満たさない場合(S7:NO)、処理部21は、処理を終了する。
【0103】
いずれかの連携条件を満たす場合(S7:YES)、連携処理部21dは、商談映像に対応付けて商談映像DB22bに記憶した商談情報及びテキスト情報等の情報を基に、例えば
図10に示した情報を含む記録情報を生成する(ステップS8)。連携処理部21dは、生成した記録情報を営業支援サーバ装置3へ送信し(ステップS9)、マーケティングDB32bに記録情報を適宜の情報に紐付けて記憶させる。連携処理部21dは、記録情報をマーケティングDB32bに記憶した営業支援サーバ装置3から送信される、記録情報にアクセスするための情報を含む連携情報を受信することで取得する(ステップS10)。連携処理部21dは、取得した連携情報を、ステップS2にて記録した商談情報に対応付けて、商談映像DB22bに記憶し(ステップS11)、処理を終了する。
【0104】
<商談映像の表示>
例えばオンライン商談に参加したユーザは、端末装置4を利用して商談記録サーバ装置2へアクセスし、商談映像DB22bに記録された商談映像を視聴することができる。
図12は、商談映像の一表示例を示す模式図であり、端末装置4が商談映像を再生して表示する再生画面が描かれている。端末装置4は、商談映像の再生画面において、例えば上部に「株式会社B商談」などのタイトル文字列と、「2022年4月15日17時02分」などのオンライン商談が行われた日時の情報とを含むタイトルバーを表示する。端末装置4は、このタイトルバーの下方の左側の領域を商談情報の表示領域とし、右側の領域を商談画像の表示領域として、各種の情報及び映像等を表示する。
【0105】
端末装置4は、商談情報の表示領域の上部に「商談情報」などのタイトル文字列を表示し、その下方に一又は複数の商談情報を上下方向に並べて表示する。本例において端末装置4は、「取引先」が「株式会社B」であること、「取引先責任者」が「ユーザB1」であること、「フェーズ」が「ニーズの把握」であること、「金額」が「¥15200」であることを商談情報として表示している。なお図示の情報の種類及びその内容等は一例であって、これに限るものではなく、端末装置4はどのような情報を商談情報として表示してもよい。本実施の形態において端末装置4が再生画面の商談情報の表示領域に表示する情報には、営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bに記憶された情報を含んでいる。
【0106】
端末装置4から商談映像の再生を要求された商談記録サーバ装置2は、再生を要求された商談映像に対応付けて記憶された連携情報を基に、営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bからこの商談映像に紐付けられた「取引先」及び「取引先責任者」等の情報を取得する。商談記録サーバ装置2は、再生を要求された商談映像と共に、営業支援サーバ装置3から取得したこれらの情報と、自身の商談映像DB22bに記憶した適宜の情報とを端末装置4へ送信する。端末装置4は、商談記録サーバ装置2から受信した商談映像を再生して表示すると共に、商談映像と共に受信した情報を表示することによって、図示の再生画面を表示する。
【0107】
端末装置4は、商談映像の表示領域の上部に、商談映像を再生した動画像を表示する。本例では、5人のユーザと商談記録サーバ装置2のボットとがオンライン商談に参加し、ユーザを撮影した画像が3×2のマトリクス状に並べて配された動画像が表示されている。端末装置4は、再生画面の動画像の表示領域の下方に、再生、巻き戻し及び早送り等の操作を受け付ける複数のボタンを画面の中央に並べて設け、これらのボタンの右側には「動画」及び「テキスト」のいずれかを選択する二者択一の2つのボタンを設ける。
図12に示す例は「動画」のラベルが付されたボタンが選択された状態である。なお図示は省略するが、「テキスト」のボタンが選択された場合、再生画面には商談映像を再生した動画像に代えて、例えば商談映像の発話を変換したテキスト情報が時系列順に並べて表示される。
【0108】
端末装置4は、再生画面のこれら複数のボタンが設けられた箇所の下方に、商談映像の再生時点を示すシークバーを設ける。ユーザは、端末装置4の操作部45によりシークバーが備えるスライダーを左右へスライドさせる操作を行うことによって、商談映像の再生時点(再生時刻、再生位置)を適宜に変更することができる。また本実施の形態に係る端末装置4は、商談映像の再生画面において、このシークバーの下方に、オンライン商談に参加したユーザの発話タイミングを示す発話タイミングバーを表示する。
図12に示す例では、オンライン商談に参加した5人のユーザに対応する5つの発話タイミングバーが上下に並べて表示されている。シークバーと各発話タイミングバーとは略同じ長さで左右に延びるように設けられており、シークバーが示す商談映像の再生時点と、発話タイミングバーが示す発話タイミングとが対応付けられている。
【0109】
端末装置4は、各発話タイミングバーの左上にこの発話タイミングバーに対応するユーザのユーザ名等を表示し、右上にはオンライン商談の全時間に対してユーザが発話していた時間を0%~100%の割合で表示する。各発話タイミングバーは、左右に延びる薄い色のバーに対して、ユーザが発話したタイミング及び発話を継続していた時間を示す濃い色の領域を付したものである。発話タイミングバーに付された濃い色の領域が多いユーザほど、オンライン商談において発話した量及び時間等が多いことがわかる。また各発話タイミングバーはシークバーと対応付けられており、商談映像を視聴するユーザは、所望のユーザの発話タイミングバーに付された濃い色の領域に対応する位置へシークバーのスライダーを移動させることによって、商談映像において所望のユーザが発話する場面を表示させることができる。
【0110】
<商談映像の検索処理>
本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2と営業支援サーバ装置3とが連携することにより、商談映像DB22bに記録された商談映像と、マーケティングDB32bに記憶された種々の情報とが紐付けられている。本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談映像に紐付けられたマーケティングDB32bの情報を対象として、商談映像の検索を行うことができる。
【0111】
図13は、商談映像の検索画面の一例を示す模式図である。端末装置4は、メニュー項目の選択操作、アイコン操作又はショートカット操作等の所定操作に応じて検索画面を表示部44に表示し、ユーザから視聴する商談映像に対する検索条件の入力を受け付ける。検索画面には、左側にユーザが種々の検索条件を入力するための条件入力領域が設けられている。図示の検索画面では「ミーティングのタイトル」、「文字起こし内容での検索」、「ミーティングの主催者」、「ミーティングの参加者」、「日付」、「取引先」及び「取引先責任者」等の検索条件が入力可能であり、各条件を入力するためのテキストボックス、コンボボックス又はプルダウンメニュー等の入力部が、条件入力領域内に上下方向へ並べて設けられている。
【0112】
「ミーティングのタイトル」は、例えば
図10に示した記録情報の「件名」に対する検索条件である。「文字起こし内容での検索」は、例えば商談映像の発話音声を変換したテキスト情報に対する検索条件であり、商談映像DB22bの「発話テキスト」に対する検索条件である。「ミーティングの主催者」は、例えば
図10に示した記録情報の「割当先」に対する検索条件である。「ミーティングの参加者」は、例えば
図10に示した記録情報の「参加者」、又は、商談映像DB22bの「参加者」に対する検索条件である。「日付」は、例えば
図10に示した記録情報の「期日」、又は、商談映像DB22bの「日時」に対する検索条件である。「取引先」は、例えばマーケティングDB32bの「取引先テーブル」に対する検索条件である。「取引先責任者」は、例えばマーケティングDB32bの「取引先責任者テーブル」に対する検索条件である。
【0113】
ユーザにより検索条件として入力された文字列等は、端末装置4から商談記録サーバ装置2へ送信される。商談記録サーバ装置2は、端末装置4から検索条件を受信し、受信した検索条件が自身の商談映像DB22bに記憶された情報に対するものであるか否かを判定する。検索条件が自身に対するものである場合、商談記録サーバ装置2は、この検索条件に該当する(例えば、入力された文字列を含む情報に対応付けられた)商談映像を検索し、検索条件に該当する一又は複数の商談映像に関する情報(例えば、商談映像のサムネイル及びタイトル等の情報)の一覧情報を検索結果として端末装置4へ送信する。
【0114】
検索条件が自身に対するものではなく、営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bに記憶された情報に対するものである場合、商談記録サーバ装置2は、この検索条件を営業支援サーバ装置3へ送信する。検索条件を受信した営業支援サーバ装置3は、この検索条件に該当する情報をマーケティングDB32bから検索し、該当する情報に紐付けられた記録情報を抽出する。営業支援サーバ装置3は、抽出した一又は複数の記録情報を商談記録サーバ装置2へ送信する。検索条件に該当する記録情報を受信した商談記録サーバ装置2は、記録情報に対応する一又は複数の商談映像に関する情報の一覧情報を検索結果として端末装置4へ送信する。
【0115】
例えば
図7に示されたマーケティングDB32bの情報に対して、「取引先」が「株式会社B」であることを検索条件として受け付けた場合、営業支援サーバ装置3は、「取引先テーブル」に「株式会社B」が含まれているか否かを判定する。「取引先テーブル」に「株式会社B」が含まれている場合、営業支援サーバ装置3は、「株式会社B」に紐付けられた「商談テーブル」の情報(例えば「進行中の商談1」~「進行中の商談4」)を抽出し、抽出した情報に紐付けられた「記録情報」を取得する。
【0116】
また例えば
図7に示されたマーケティングDB32bの情報に対して、「取引先責任者」が「ユーザB1」であることを検索条件として受け付けた場合、営業支援サーバ装置3は、「取引先責任者テーブル」に「ユーザB1」が含まれているか否かを判定する。「取引先責任者テーブル」に「ユーザB1」が含まれている場合、営業支援サーバ装置3は、「ユーザB1」に紐付けられた「取引先テーブル」の情報(例えば「株式会社B」)を抽出し、抽出した情報に紐付けられた「商談テーブル」の情報(例えば「進行中の商談1」~「進行中の商談4」)を抽出し、抽出した情報に紐付けられた「記録情報」を取得する。
【0117】
このように営業支援サーバ装置3は、マーケティングDB32bに記憶された情報の中から検索条件に対応する情報を探し出し、この情報に紐付けられた一又は複数の情報を順に辿って記録情報を取得する。営業支援サーバ装置3は、取得した一又は複数の記録情報を基に、例えば各記録情報に含まれる「件名」及び「録画」の情報を抽出して一覧情報を生成し、この一覧情報を検索結果として商談記録サーバ装置2へ送信することができる。
【0118】
商談記録サーバ装置2からの検索結果を受信した端末装置4は、検索画面の右側の領域に、条件入力領域にてユーザが設定した検索条件に該当する一又は複数の商談映像に関する情報を、例えばオンライン商談の開催日の順番で、上下方向に一覧表示する。図示の例では、表示の順番が「ソート順:日付」であることが示されており、この表示の順番はユーザが変更可能である。一覧表示される各商談映像に関する情報には、商談映像のサムネイル画像、タイトル、オンライン商談の開催日時及びオンライン商談の参加者のユーザ名等が含まれ得る。
【0119】
検索結果の一覧表示を行った後、端末装置4は、一覧表示した商談映像の中からいずれか1つの選択操作を受け付ける。選択操作を受け付けた場合に端末装置4は、選択された商談映像の再生を商談記録サーバ装置2に要求し、この要求に応じて商談記録サーバ装置2から送信される商談映像及びこれに関連する種々の情報を受信して、
図12に示した再生画面を表示して商談映像を再生する。
【0120】
図14は、本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2が行う検索処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る商談記録サーバ装置2の処理部21の検索処理部21eは、端末装置4を介して、ユーザが入力した検索条件を受け付ける(ステップS21)。検索処理部21eは、受け付けた検索条件が、自身の商談映像DB22bに記憶された情報に関する検索条件であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0121】
自身の商談映像DB22bに関する検索条件である場合(S22:YES)、検索処理部21eは、商談映像DB22bに記録された商談映像の中から、検索条件に該当する情報が対応付けられた商談映像を抽出する(ステップS25)。検索処理部21eは、抽出した一又は複数の商談映像に関する例えばサムネイル画像及びタイトル等の情報を商談映像DB22bから取得する(ステップS26)。検索処理部21eは、ステップS26にて取得した一又は複数の商談映像に関する情報を、検索要求元の端末装置4に検索結果として送信し(ステップS27)、処理を終了する。
【0122】
自身の商談映像DB22bに関する検索条件ではない場合(S22:NO)、検索処理部21eは、この検索条件を営業支援サーバ装置3へ送信する(ステップS23)。この検索条件を受信した営業支援サーバ装置3は、検索条件に該当する情報をマーケティングDB32bから検索し、該当する情報に紐付けられた記録情報を取得し、取得した一又は複数の記録情報又はこの記録情報に含まれる情報を一覧情報とした検索結果を商談記録サーバ装置2へ送信する。商談記録サーバ装置2の検索処理部21eは、営業支援サーバ装置3から送信される検索結果を受信する(ステップS24)。検索処理部21eは、商談映像DB22bに記録された商談映像の中から、ステップS24にて受信した検索結果に該当する商談映像を抽出する(ステップS25)。検索処理部21eは、抽出した一又は複数の商談映像に関する例えばサムネイル画像及びタイトル等の情報を商談映像DB22bから取得する(ステップS26)。検索処理部21eは、ステップS26にて取得した一又は複数の商談映像に関する情報を、検索要求元の端末装置4に検索結果として送信し(ステップS27)、処理を終了する。
【0123】
<アクセス権限>
本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2の商談映像DB22bに記録された商談映像に対するアクセス権限を設定し、相談映像を視聴することができるユーザを制限することができる。例えばオンライン商談の開催者のユーザは、オンライン商談の開催前又は開催後の適宜のタイミングで、このオンライン商談を録画した商談映像に対するアクセス権限の設定を商談記録サーバ装置2に対して行うことができる。なお、本実施の形態においては、オンライ商談の開催者のユーザが商談映像に対するアクセス権限を設定するものとするが、これに限るものではなく、例えばオンライン商談の参加者又はシステムの管理者等の種々のユーザがアクセス権限の設定を行うことが可能であってよい。
【0124】
例えばオンライン商談の開催前の段階において、オンライン商談の開催者のユーザは、オンライン商談の録画を行うため、端末装置4を介して商談記録サーバ装置2にアクセスし、オンライン商談の開催日時及びアクセスするためのURL等の情報を設定する。この際に商談記録サーバ装置2は、録画した商談映像に対するアクセス権限の設定を受け付ける。
【0125】
オンライン商談の開催前の段階においてアクセス権限の設定がなされなかった場合、商談記録サーバ装置2は、アクセス権限にデフォルトの設定、例えばオンライン商談の参加者にのみ商談映像の視聴を許可する設定を採用する。なおデフォルトの設定には、例えば開催者のユーザのみ視聴許可、所定ドメイン名のメールアドレスを有するユーザのみ視聴許可、又は、全てのユーザについて視聴許可等の種々の設定が採用され得る。またアクセス権限については、商談映像の視聴の可否のみでなく、例えば商談映像の編集の可否、ダウンロードの可否、又は、コメント付与の可否等が設定され得る。
【0126】
オンライン商談の開催後の段階において、オンライン商談の開催者のユーザは、端末装置4を介して商談記録サーバ装置2にアクセスし、オンライン商談を録画した商談映像を読み出して自身の端末装置4に再生して表示させる。例えば、この商談映像の再生画面において、開催者のユーザは、端末装置4にて所定の操作を行うことにより、この商談映像に対するアクセス権限の設定画面を表示させることができる。商談記録サーバ装置2はこのアクセス権限の設定画面にてユーザにより設定された内容を取得し、以後のこの商談映像に対するアクセス権限の設定とする。
【0127】
商談記録サーバ装置2は、端末装置4を介してユーザから商談映像に対するアクセス権限の設定を受け付けた場合、受け付けた設定を商談映像に対応付けて商談映像DB22bの「権限情報」に記憶する。商談記録サーバ装置2は、商談映像に対する視聴等の要求が端末装置4から与えられた場合、この端末装置4を使用しているユーザの識別情報を取得して、このユーザがこの商談映像の視聴等を許可されているか否かを商談映像DB22bの「権限情報」に基づいて判定する。視聴等が許可されている場合、商談記録サーバ装置2は、要求された商談映像を商談映像DB22bから読み出して端末装置4へ送信する。視聴等が許可されていない場合、商談記録サーバ装置2は、視聴等が許可されていない旨のメッセージを端末装置4へ送信して表示させ、商談映像の送信は行わない。
【0128】
また商談記録サーバ装置2は、上述のように商談映像の検索処理を行い、ユーザが入力したキーワード等の検索条件に合致する一又は複数の商談画像に関する情報を一覧表示する。このときに商談記録サーバ装置2は、検索を行ったユーザがアクセス権限を有しない商談映像については、検索結果に含めなくてよい。ただし商談記録サーバ装置2は、アクセス権限を有しない商談画像についても検索結果に含めてもよく、この場合には一覧表示した商談映像の情報と共に、この商談映像に対するアクセス権限の有無をアイコン等でユーザに通知してもよい。
【0129】
<議事録作成>
本実施の形態に係る情報処理システムでは、オンライン商談の参加者による議事録作成の支援を商談記録サーバ装置2が行う。
図15は、議事録作成の支援を説明する為の模式図であり、オンライン商談開催中の端末装置4の画面表示の一例を示している。なお本例では、端末装置4が複数のウィンドウを表示部44に並べて又は重ねて表示する機能、いわゆるマルチウィンドウの表示機能を備えているものとする。
【0130】
オンライン商談の開催中、端末装置4は、オンライン商談サーバ装置1との間で通信を行い、オンライン商談に参加する他のユーザとの間で映像及び音声等のデータを授受する。端末装置4は、表示部44に例えば「オンライン商談」の文字列が付されたタイトルバーを有するオンライン商談ウィンドウを表示し、このオンライン商談ウィンドウ内に自身のユーザ及び他のユーザを撮影した映像を並べて表示する。また端末装置4は、自身のユーザの発話音声をマイクで取得して送信すると共に、他のユーザの発話音声のデータを取得してスピーカから出力する。これらにより、複数のユーザによるオンライン商談が実現される。
【0131】
本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が商談映像を記録するためのボットをオンライン商談に参加させた後、例えばオンライン商談の開催者のユーザが使用する端末装置4に、議事録を入力するための議事録ウィンドウを、オンライン商談ウィンドウに重ねて表示部44に表示させる。議事録ウィンドウには、ユーザが議事録を入力するためのテンプレートが表示され、ユーザはこのテンプレートに必要な情報を入力することで議事録を作成することができる。図示の議事録ウィンドウには、「商談日」、「商談名」、「参加者」、「議題」、「決定事項」、「議論事項」及び「検討事項」等の項目名と、各項目名に対応付けてテキスト情報を入力するためのテキストボックスとが設けられたテンプレートが表示されている。
【0132】
また商談記録サーバ装置2は、議事録のテンプレートに設けられた複数の項目のうち、例えばオンライン商談の開催前に開催者のユーザが入力した情報に基づいて既に確定している項目については、予め情報を入力して端末装置4に表示させる。本例において商談記録サーバ装置2は、テンプレートの「商談日」、「商談名」及び「参加者」の項目について既知の情報を端末装置4へ送信し、この情報を予め入力したテンプレートを端末装置4に表示させている。
【0133】
端末装置4は、議事録ウィンドウのテキストボックスに対するテキスト情報等の入力をユーザから受け付ける。また端末装置4は、議事録の保存等の操作をユーザから受け付けた場合に、議事録ウィンドウのテンプレートに入力された各項目の情報を取得し、取得した情報を商談記録サーバ装置2へ送信する。商談記録サーバ装置2は、端末装置4から送信された議事録の情報を取得し、このオンライン商談の商談映像に対応付けて商談映像DB22bの「議事録情報」に記憶する。
【0134】
オンライン商談の終了後、ユーザは端末装置4にて商談記録サーバ装置2へアクセスし、オンライン商談を録画した商談映像を視聴することができると共に、オンライン商談に関する議事録を閲覧することができる。商談記録サーバ装置2は、例えば端末装置4から商談映像の視聴要求を受け付けた場合に、商談映像DB22bから所望の商談映像を読み出して端末装置4へ送信し、要求された商談映像を端末装置4に再生して表示させる。このときに商談記録サーバ装置2は、例えば端末装置4から議事録の閲覧要求を受け付けた場合に、商談映像DB22bから再生中の商談映像に対応する議事録の情報を読み出して端末装置4へ送信する。端末装置4は、商談記録サーバ装置2から議事録の情報を受信し、例えば商談映像と並べて議事録を表示する。
【0135】
議事録を表示した端末装置4は、議事録の各項目について情報の修正、追加又は削除等の編集操作を受け付けてもよい。議事録の編集操作を受け付けた端末装置4は、編集された議事録の情報を商談記録サーバ装置2へ送信する。この情報を受信した商談記録サーバ装置2は、商談映像DB22bに記憶された議事録情報を更新する。なお議事録に対する編集を行うことができるユーザは、例えば議事録を作成したユーザ又はオンライン商談の開催者のユーザ等に限られてよく、上述のアクセス権限の設定において議事録の編集を許可するユーザが設定されてもよい。
【0136】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が、オンライン商談を録画した商談映像とオンライン商談に関する種々の情報を含む商談情報とをオンライン商談サーバ装置1から取得し、取得した商談映像及び商談情報を商談映像DB22bに記憶する。商談記録サーバ装置2は、商談映像DB22bに記憶した商談映像にアクセスするための情報と商談情報とを含む記録情報を生成し、この記録情報を営業活動又は顧客に係る情報を管理する営業支援サーバ装置3へ出力する。これにより情報処理システムは、商談記録サーバ装置2が管理する情報と営業支援サーバ装置3が管理する情報とを紐付けることができ、商談映像の管理を効率よく行うことが期待できる。
【0137】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が、商談映像に基づいてオンライン商談に参加した参加者の発話に係る音声情報をテキスト情報に変換し、変換したテキスト情報を商談映像に対応付けて商談映像DB22bに記憶する。商談記録サーバ装置2は、テキスト情報から抽出したキーワード等を含む記録情報を生成し、記録情報を営業支援サーバ装置3へ出力する。これにより情報処理システムは、参加者の発話内容に基づく商談映像の検索などを実現することができ、商談映像の管理を効率よく行うことが期待できる。
【0138】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、営業支援サーバ装置3がマーケティングDB32bにて管理する情報には、ユーザの識別情報、取引先の識別情報、取引先責任者の識別情報及び進行中の商談に関する情報を含む。商談記録サーバ装置2は、オンライン商談に参加した参加者の識別情報を商談映像DB22bに記憶する。商談記録サーバ装置2は、営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bの中にオンライン商談の参加者の識別情報と一致する又は関連する取引先責任者の識別情報が存在し、この取引責任者が所属する取引先について進行中の商談が存在し、進行中の商談に関連付けられたユーザの識別情報と一致する参加者の識別情報が存在する場合に、営業支援サーバ装置3へ記録情報を出力する。これにより情報処理システムは、営業支援サーバ装置3が管理する情報に関連するオンライン商談の記録情報をマーケティングDB32bに紐付けて記憶させることができる。
【0139】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、営業支援サーバ装置3がマーケティングDB32bにて管理する情報には、見込み客(リード)の識別情報を含む。商談記録サーバ装置2は、オンライン商談に参加した参加者の識別情報を商談映像DB22bに記憶する。商談記録サーバ装置2は、営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bの中に参加者の識別情報と一致する見込み客の識別情報が存在する場合に、営業支援サーバ装置3へ記録情報を出力する。これにより情報処理システムは、営業支援サーバ装置3が管理する情報に関連するオンライン商談の記録情報をマーケティングDB32bに紐付けて記憶させることができる。
【0140】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、営業支援サーバ装置3は、商談記録サーバ装置2が出力した記録情報を、マーケティングDB32bに記憶された営業活動又は顧客に係る情報に対応付けて記憶する。商談記録サーバ装置2は、商談映像DB22bに記憶した商談映像に対応する情報を営業支援サーバ装置3のマーケティングDB32bから取得し、取得した情報と商談映像とを端末装置4の表示部44に表示させる。これにより情報処理システムは、商談記録サーバ装置2が管理する商談映像と、営業支援サーバ装置3が管理する情報とを関連付けてユーザへ提供することができる。
【0141】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が商談映像DB22bに記憶した商談映像に関する検索条件の入力を受け付け、受け付けた検索条件を営業支援サーバ装置3へ送信して、この検索条件に該当する情報に紐付けられた記録情報を営業支援サーバ装置3から取得し、取得した記録情報に対応する商談映像に関する情報を検索結果として端末装置4に表示させる。これにより情報処理システムは、営業支援サーバ装置3が管理する情報を基に商談映像を検索するサービスをユーザに提供することができる。
【0142】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が、商談映像DB22bに記憶した商談映像に対するアクセス権限の設定を受け付け、受け付けた設定に応じて商談映像の閲覧の可否を決定する。これにより情報処理システムは、商談映像に含まれ得る営業秘密等の漏洩を防止することが期待できる。
【0143】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、オンライン商談の開催中に議事録のテンプレートを端末装置4に表示し、テンプレートに対するテキスト情報の入力を受け付け、受け付けたテキスト情報を商談映像及び商談情報に対応付けて商談映像DB22bに記憶する。これにより情報処理システムは、オンライン商談に参加するユーザに対して議事録の作成を支援することができる。
【0144】
なお本実施の形態においては、商談映像DB22bを有する商談記録サーバ装置2と、マーケティングDB32bを有する営業支援サーバ装置3とを別の装置としたが、これに限るものではなく、商談映像DB22b及びマーケティングDB32bを共に備える1つの装置が、上述の商談記録サーバ装置2の処理及び営業支援サーバ装置3の処理を行ってもよい。また商談記録サーバ装置2、営業支援サーバ装置3及びオンライン商談サーバ装置1の3つの装置で実現される上述の機能は、1つ又は4つ以上の装置で実現されてよい。またこれらのサーバ装置の機能の一部又は全部を端末装置4が備えてもよい。本実施の形態に係る情報処理システムにおいて実現される上述の機能は、一又は複数の装置に適宜に集中又は分散して搭載されてよい。
【0145】
また本実施の形態において図示した画面表示は一例であって、これに限るものではない。情報処理システムは、ユーザに対してどのような態様で情報の表示を行ってもよく、どのような態様で情報入力を受け付けてもよい。
【0146】
[実施の形態2]
上述の実施の形態1に係る情報処理システムでは、複数のユーザがそれぞれ端末装置4を利用し、オンライン商談サーバ装置1を介してオンライン商談(オンライン会議又はリモート会議等)を行い、このときの映像及び音声を記録した商談映像を商談記録サーバ装置2が商談映像DB22bに記録する。実施の形態2に係る情報処理システムは、オンライン商談の映像の記録に加えて、音声のみでの通信、いわゆる電話(IP電話)での通話に係る音声の記録を行う。
【0147】
通話の音声記録を望むユーザは、予め、例えば商談記録サーバ装置2に対して、記録対象となる電話番号及び音声による通話のサービスを提供するサーバ装置等の情報を登録しておく。その後にユーザは、例えば登録した電話番号が割り当てられた端末装置4又は電話機等を利用して、所望の相手との通話を行う。
【0148】
商談記録サーバ装置2は、登録された電話番号による通話がなされた場合に、登録されたサーバ装置を介して通話に係る音声情報を取得する。また商談記録サーバ装置2は、通話相手の電話番号、ユーザID、所属企業、通話の開始時刻及び/又は終了時刻等の情報を商談情報として取得し、通話に係る音声情報と共に商談情報を商談映像DB22bに記録する。
【0149】
実施の形態2に係る商談記録サーバ装置2は、商談映像DB22bに記録するオンライン商談に係る商談映像と通話に係る音声情報とを区別可能なように、例えばこれらの情報に映像情報又は音声情報のいずれであるかを示すフラグを付して、商談映像DB22bに記録する。
【0150】
商談記録サーバ装置2は、商談映像DB22bに記録した音声情報について、映像情報に含まれる音声情報と同様に扱うことができ、例えば音声情報をテキスト化する、営業支援サーバ装置3との連携対象とする、ユーザによる検索対象とする、及び、アクセス権限を設定しての公開対象とする等、様々な処理に音声情報を用いることができる。
【0151】
また実施の形態2に係る情報処理システムでは、ユーザが商談映像DB22bに記録された商談映像及び音声情報を検索する際に、検索条件として商談映像又は音声情報のいずれであるかを指定することができる。商談記録サーバ装置2は、検索条件として受け付けた指定に基づき、例えば音声情報が指定された場合には、商談映像DB22bに記録された音声情報を検索対象とする。
【0152】
また商談記録サーバ装置2は、商談映像又は音声情報のいずれであるかの指定が検索条件としてなされていない場合、商談映像DB22bに記録された商談映像及び音声情報を共に検索対象とし、指定された他の検索条件に応じた商談映像及び音声情報を商談映像DB22bから抽出し、抽出した一又は複数の商談映像及び音声情報に関する情報を検索結果として端末装置4へ送信する。検索結果を受信した端末装置4は、検索結果として該当する商談映像及び音声情報に関する情報一覧表示し、このときに各情報が商談映像又は音声情報のいずれであるかを示すアイコン等を付して表示する。
【0153】
以上の構成の実施の形態2に係る情報処理システムは、いわゆる電話等の通話に係る音声情報を商談記録サーバ装置2が取得して商談映像DB22bに記録する。これにより実施の形態2に係る情報処理システムは、オンライン商談に係る商談映像のみでなく、通話に係る音声情報を記録してユーザに様々な方法で提供することができるため、通話に係る情報の管理を効率よく行うことが期待できる。
【0154】
なお実施の形態2に係る情報処理システムのその他の構成は、実施の形態1に係る情報処理システムと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0155】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る情報処理システムでは、例えば本システムが提供するサービスの利用登録をしていないなどの外部のユーザに対しても、商談記録サーバ装置2が商談映像DB22bに記録された商談映像及びテキスト情報等を、公開範囲等を適切に設定して公開することができる。
【0156】
ユーザは、例えば端末装置4を使用して商談記録サーバ装置2にアクセスし、商談映像DB22bに記録された商談映像の中から所望の商談映像を検索して、端末装置4に表示させる。端末装置4による商談映像の表示画面においてユーザは、例えば商談映像にアクセスするためのリンク情報(アクセス用情報)を生成することができる。ユーザは生成されたリンク情報を例えば電子メール等に含めて任意のユーザに送信することができ、リンク情報を得た他のユーザはこのリンク情報を介して商談映像を閲覧することができる。
【0157】
図16は、リンク情報の生成を説明するための模式図である。実施の形態3に係る情報処理システムでは、例えば端末装置4による商談映像の表示画面において、ユーザがリンク情報の生成に関する操作を行うことができる。実施の形態3に係る端末装置4は、商談映像の表示画面において、例えばタイトルバーの右端に「共有」のラベルが付されたボタンを表示し、このボタンに対するクリック又はタッチ等の操作を、この画面に表示している商談映像を他のユーザと共有するための操作として受け付ける。「共有」ボタンに対する操作を受け付けた端末装置4は、商談映像の表示画面に重畳して、リンク情報生成のためのダイアログボックスを表示する。
【0158】
本例において端末装置4が表示するダイアログボックスには、「共有する動画の再生時間指定」の設定項目と、「動画の再生期限」の設定項目とが設けられている。またダイアログボックスの右下部分には、「リンクを作成」のラベルが付されたボタンが設けられている。
【0159】
「共有する動画の再生時間指定」の設定は、「動画の最初から共有する」、「再生時間を指定して共有する」及び「再生範囲をハイライトして共有する」の3つの選択肢の中から1つを選択することができる。「動画の最初から共有する」の選択肢は、この画面に表示されている商談映像の最初から最後まで、即ち全てを視聴可能として他のユーザに共有を許可する設定である。「再生時間を指定して共有する」の選択肢は、他のユーザが視聴可能な範囲を再生時間における一部の時間範囲に限定する設定である。「再生範囲をハイライトして共有する」の選択肢は、商談映像の最初から最後までを視聴可能であるが、商談映像中の注目すべき再生範囲を他のユーザに通知することが可能な設定である。
【0160】
「動画の再生期限」は、商談映像の視聴を他のユーザに許可する期限に関する設定である。ユーザは、「動画の再生期限」の項目名の下方に設けられたボックス内に、再生期限の設定値を入力することができる。本例では、「2023/12/31」が再生期限として設定されており、リンク情報を作成した時点から2023年12月31日まで他のユーザがこの商談映像を視聴することができる。なお再生期限の設定は、本例の様に日付で指定するのではなく、例えば「30日間」のように視聴可能な期間の長さを指定する構成であってもよい。再生期限として「30日間」が設定された場合、リンク情報を作成した時点から30日が経過するまでの期間に他のユーザが商談映像を視聴することができる。
【0161】
「リンクを作成」のボタンに対するクリック操作又はタッチ操作等が行われた場合、端末装置4は、ユーザにより設定された条件でのリンク情報の作成を商談記録サーバ装置2に要求する。なおこのときに、再生時間指定として「再生時間を指定して共有する」又は「再生範囲をハイライトして共有する」が選択されている場合、端末装置4は、再生時間又は再生範囲の指定を受け付けるダイアログボックス(図示は省略する)を表示して、ユーザから再生時間又は再生範囲の指定を受け付ける。なお、再生を許可する再生時間、及び、ハイライトする再生範囲は、1つの商談映像に対して複数が設定されてよい。
【0162】
端末装置4からの要求に応じて商談記録サーバ装置2は、商談映像DB22bに記録された対象の商談映像にアクセスするためのリンク情報を作成し、作成したリンク情報を端末装置4へ送信する。端末装置4は、商談記録サーバ装置2が作成したリンク情報を受信し、例えばダイアログボックスにリンク情報(リンクの文字列、2次元コード等)を表示する。ユーザは、表示されたリンク情報に対して、いわゆるコピー&ペーストの操作を行うことにより、リンク情報を電子メール等に貼り付けて任意のユーザへ送信することができる。
【0163】
リンク情報が付された電子メール等を受け取った他のユーザは、自身の端末装置4を利用して、例えばリンク情報に対するクリック操作又はタッチ操作等を行うことにより、リンク情報に対応する商談映像を端末装置4にて再生することができる。リンク情報に対する操作を受け付けた端末装置4は、リンク情報に基づいて商談記録サーバ装置2にアクセスし、商談映像の再生を要求する。
【0164】
商談記録サーバ装置2は、リンク情報を作成した際に、例えば作成したリンク情報と、このリンク情報に対応する商談映像及び再生条件等の情報とを対応付けて記憶している。リンク情報に基づく端末装置4からのアクセスを受けた商談記録サーバ装置2は、アクセスに用いられたリンク情報を基に再生対象の商談映像及び再生条件等を判断し、商談映像DB22bから対象の商談映像を読み出して要求元の端末装置4へ送信する。このときに商談記録サーバ装置2は、再生条件として視聴を許可する再生時間が限定されている場合、視聴を許可された範囲の商談映像のデータを抽出して端末装置4へ送信する。また再生条件として再生範囲のハイライトが指定されている場合、商談記録サーバ装置2は、商談映像と共にハイライトすべき再生範囲の情報を端末装置4へ送信する。
【0165】
図17は、リンク情報により共有された商談映像の表示の一例を示す模式図である。本例は、商談映像を視聴するためのリンク作成の際に、「再生範囲をハイライトして共有する」が選択された場合の表示例である。この場合に端末装置4は、商談記録サーバ装置2から商談映像と共にハイライトすべき再生範囲の情報を受信する。端末装置4は、受信した商談映像を表示部44に表示すると共に、商談映像の再生時点を示すシークバーを表示する。端末装置4は、商談記録サーバ装置2から受信したハイライトすべき再生範囲の情報に応じて、このシークバーの該当する範囲をハイライト表示(例えば色を変える又は点滅させる等の強調表示)する。本図では、シークバーの一部にハッチングを付すことで、商談映像の全再生時間中に2箇所の範囲でハイライト表示がなされていることを示している。
【0166】
なお実施の形態3においては、商談映像を共有するものとして説明を行ったが、これに限るものではなく、商談映像に含まれる音声情報を変換した発話のテキスト情報又は映像なしで記録された通話の音声情報等も同様に共有が行われてよい。
【0167】
以上の構成の実施の形態3に係る情報処理システムでは、商談記録サーバ装置2が商談映像DB22bに記録した商談映像にアクセスするためのリンク情報(アクセス用情報)を生成し、端末装置4からのアクセス用情報を介した商談映像に対するアクセスを受け付ける。これにより実施の形態2に係る情報処理システムは、例えば本システムのサービスの利用者として未登録のユーザ等であっても、リンク情報を介して商談映像を視聴することができる。
【0168】
また実施の形態3に係る情報処理システムは、商談映像の再生時間に対するアクセスを許可する時間の範囲に関する設定(共有する動画の再生時間指定)、又は、商談映像に対するアクセスを許可する期限に関する設定(動画の再生期限)を端末装置4にて受け付け、商談記録サーバ装置2がこれらの設定に応じたアクセス用情報を生成する。これにより実施の形態3に係る情報処理システムは、ユーザが範囲を適宜に設定して商談映像を他のユーザと共有することができるため、商談映像の共有に係るセキュリティ性を向上することが期待できる。
【0169】
また実施の形態3に係る情報処理システムは、商談映像の再生時間に対する注目時間に関する設定(ハイライトする再生範囲の設定)を端末装置4にて受け付け、商談記録サーバ装置2がこの設定に応じたアクセス用情報を生成する。商談記録サーバ装置2は、端末装置4からアクセス用情報を介した商談映像に対するアクセスを受け付けた場合に、この商談映像のデータと共に注目時間の情報を端末装置4へ出力する。これにより実施の形態3に係る情報処理システムでは、端末装置4が商談映像を表示する際に注目時間の情報をユーザに知らせることができる。
【0170】
なお実施の形態3に係る情報処理システムのその他の構成は、実施の形態1,2に係る情報処理システムと同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0171】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0172】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも1つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0173】
1 オンライン商談サーバ装置
2 商談記録サーバ装置(情報処理装置)
3 営業支援サーバ装置(営業支援装置)
4 端末装置
21 処理部
21a 商談映像取得部
21b 商談情報取得部
21c テキスト化処理部
21d 連携処理部
21e 検索処理部
21f 権限設定部
21g 議事録取得部
22 記憶部
22a サーバプログラム(コンピュータプログラム)
22b 商談映像DB
23 通信部
31 処理部
31a 情報管理部
31b 連携処理部
32 記憶部
32a サーバプログラム
32b マーケティングDB
33 通信部
41 処理部
41a オンライン商談処理部
41b 商談映像処理部
42 記憶部
42a プログラム
43 通信部
44 表示部
45 操作部
46 カメラ
47 マイク
97,98,99 記録媒体
N ネットワーク