(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055859
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】ランドセル
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20240411BHJP
A45F 4/02 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
A45F3/04 400N
A45F3/04 400R
A45F3/04 400D
A45F3/04 400S
A45F3/04 300
A45F4/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174712
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2022161876
(32)【優先日】2022-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521019381
【氏名又は名称】合同会社RANAOS
(74)【代理人】
【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直子
【テーマコード(参考)】
2E181
3B045
【Fターム(参考)】
2E181BA02
2E181BB02
2E181BC01
2E181BD01
3B045AA24
3B045DA42
3B045DA43
3B045EA02
3B045EB10
3B045FA06
3B045FC04
3B045FC05
3B045GA03
3B045KA02
(57)【要約】
【課題】伝統的なランドセルに代わる新たなランドセルを提供する。
【解決手段】ランドセル1は、ランドセル本体10と、ランドセル本体10の上面と正面とを覆うフラップ20とを備える。ランドセル本体10は、箱状本体11と、箱状本体11に設けられ学用品を出し入れする開口11gと、開口11gを開閉するスライドファスナー12とを有し、フラップ20は、上面から正面を覆う被せ部21がランドセル様意匠を呈する外観形状を有し、箱状本体11に対して着脱可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドセル本体と、前記ランドセル本体の背面に設ける肩ベルトと、前記ランドセル本体の上面と正面とを覆うフラップとを備えており、
前記ランドセル本体は、箱状本体と、前記箱状本体に設けられ学用品を出し入れする開口と、前記開口を開閉するファスナーとを有し、
前記フラップは、前記上面から前記正面を覆う被せ部がランドセル様意匠を呈する外観形状を有し、前記箱状本体に対して着脱可能である、
ランドセル。
【請求項2】
さらに、前記ランドセルは、前記ランドセル本体に前記フラップを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記箱状本体の前記背面の上部と前記フラップの上部とを着脱可能に連結するスライドファスナー又はボタンのいずれかを含む、
請求項1記載のランドセル。
【請求項3】
さらに、前記ランドセルは、前記ランドセル本体に前記フラップを連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記ランドセル本体の前記正面と前記フラップの裏面の何れか一方に設ける本体用固定具と、前記何れか他方に設けるフラップ用固定具とを含む、
請求項1記載のランドセル。
【請求項4】
前記本体用固定具と前記フラップ用固定具は、前記本体用固定具と前記フラップ用固定具とを固定した前記フラップの固定状態から、前記フラップを下方に変位させて前記フラップ用固定具を前記本体用固定具に対して下方にずらすことにより、前記固定状態を解除するものである、
請求項3記載のランドセル。
【請求項5】
前記本体用固定具と前記フラップ用固定具は、前記ランドセル本体に対して前記フラップを固定する高さ位置を可変とする固定高さ可変部を有する、
請求項3記載のランドセル。
【請求項6】
前記固定高さ可変部は、前記本体用固定具として設けられ、前記ランドセル本体の高さ方向で離れて位置する上側本体用固定具及び下側本体用固定具であり、
前記フラップは、前記フラップ用固定具に対する固定対象を、前記上側本体用固定具と前記下側本体用固定具とで変えることにより前記高さ位置を変更できる、
請求項5記載のランドセル。
【請求項7】
前記固定高さ可変部は、前記フラップ用固定具として設けられ、前記ランドセル本体の高さ方向で離れて位置する上側フラップ用固定具と下側フラップ用固定具であり、
前記フラップは、前記本体用固定具に対する固定対象を、前記上側フラップ用固定具と前記下側フラップ用固定具とで変えることにより前記高さ位置を変更できる、
請求項5記載のランドセル。
【請求項8】
さらに、前記ランドセルは、前記フラップが前記ランドセル本体を覆う長さ又は位置を可変とする伸縮可変部を有する、
請求項1記載のランドセル。
【請求項9】
前記伸縮可変部は、前記ランドセル本体に設ける本体側伸縮部材である、
請求項8記載のランドセル。
【請求項10】
前記伸縮可変部は、前記フラップの上部に設けるフラップ側伸縮部材である、
請求項8記載のランドセル。
【請求項11】
前記伸縮可変部は、前記ランドセル本体に接続可能な第1の接続部と、前記フラップに接続可能な第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間にある中間部とを有する延長部材である、
請求項8記載のランドセル。
【請求項12】
前記伸縮可変部は、伸縮性布地を有する、
請求項8記載のランドセル。
【請求項13】
前記伸縮可変部は、蛇腹状マチ部を有する、
請求項8記載のランドセル。
【請求項14】
前記伸縮可変部は、折畳み部を有する、
請求項8記載のランドセル。
【請求項15】
さらに、前記ランドセルは、仕切部材を備え、
前記仕切部材は、前記箱状本体の内部の収納室に取付けるものであり、前記収納室の底面に設置した弁当容器の上面を被覆可能な仕切板と、前記仕切板に設けられ前記箱状本体の内面に固定可能な仕切板取付部とを有する、
請求項1記載のランドセル。
【請求項16】
前記仕切板取付部は、前記ランドセル本体の高さ方向で固定位置が可変である、
請求項15記載のランドセル。
【請求項17】
前記仕切部材は、前記仕切板から前記収納室の底面に向けて伸長する1又は複数の脚部を有する、
請求項15記載のランドセル。
【請求項18】
前記仕切部材は、1又は複数のポケットを有する、
請求項17記載のランドセル。
【請求項19】
前記脚部は、前記収納室の前記底面と当接する長さを有し、
前記仕切部材は、前記仕切板と前記脚部とで囲まれる小収納室を形成する、
請求項17記載のランドセル。
【請求項20】
さらに、前記ランドセルは、前記箱状本体の内部の収納室に設けられ、前記収納室の底面に載置した弁当容器の外周に巻き付いて保持するベルトを備える、
請求項1記載のランドセル。
【請求項21】
前記ベルトは、前記底面に載置した前記弁当容器の上面側から前記ランドセル本体の正面側に向けて前記弁当容器の側面にかけて伸長する上側ベルトと、前記収納室の前記底面側から前記ランドセル本体の前記正面側に位置する前記弁当容器の前記側面にかけて伸長する下側ベルトとを有する、
請求項20記載のランドセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ランドセルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、日本の多くの小学生が通学鞄としてランドセルを使用してきた。そのランドセルは、本体と蓋部(被せ)とを有する基本構造を備える。本体は、正面、背面、左側面、右側面、底面の5面で構成され、上端に開口を有する一面開放型の箱状に形成されており、背面には肩ベルトが設けられている。蓋部は、本体の開口と本体の正面とを覆うように形成されており、蓋部の下端に設けたベロを本体の底面に回し、錠前によって本体に固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
長年にわたって小学生に使用されてきた伝統的なランドセルは、機能性やデザイン性という観点で見ると、実に変化に乏しいものであった。ランドセルは、教科書、ノート、筆記用具などの学用品を収容するためのものである。したがって、その基本仕様としては、本体に学用品を収容する大きな収納部があれば足りるものとされていた。
【0004】
本開示は、伝統的なランドセルに代わる新たなランドセルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、ランドセル本体と、前記ランドセル本体の背面に設ける肩ベルトと、前記ランドセル本体の上面と正面とを覆うフラップとを備えており、前記ランドセル本体は、箱状本体と、前記箱状本体に設けられ学用品を出し入れする開口と、前記開口を開閉するファスナーとを有し、前記フラップは、前記上面から前記正面を覆う被せ部がランドセル様意匠を呈する外観形状を有し、前記箱状本体に対して着脱可能である、ランドセルである。
【0006】
さらに、前記ランドセルは、前記ランドセル本体に前記フラップを連結する連結部を備え、前記連結部は、前記箱状本体の前記背面の上部と前記フラップの上部とを着脱可能に連結する連結具を含み得る。前記連結具は、スライドファスナー又はボタンを含み得る。
【0007】
さらに、前記ランドセルは、前記ランドセル本体に前記フラップを連結する連結部を備え、前記連結部は、前記ランドセル本体の前記正面と前記フラップの裏面の何れか一方に設ける本体用固定具と、前記何れか他方に設けるフラップ用固定具とを含み得る。
【0008】
前記本体用固定具と前記フラップ用固定具は、前記本体用固定具と前記フラップ用固定具とを固定した前記フラップの固定状態から、前記フラップを下方に変位させて前記フラップ用固定具を前記本体用固定具に対して下方にずらすことにより、前記固定状態を解除するように構成できる。
【0009】
前記本体用固定具と前記フラップ用固定具は、前記ランドセル本体に対して前記フラップを固定する高さ位置を可変とする固定高さ可変部を有するように構成できる。
【0010】
前記固定高さ可変部は、前記本体用固定具として設けられ、前記ランドセル本体の高さ方向で離れて位置する上側本体用固定具及び下側本体用固定具であり、前記フラップは、前記フラップ用固定具に対する固定対象を、前記上側本体用固定具と前記下側本体用固定具とで変えることにより前記高さ位置を変更できる。
【0011】
前記固定高さ可変部は、前記フラップ用固定具として設けられ、前記ランドセル本体の高さ方向で離れて位置する上側フラップ用固定具と下側フラップ用固定具であり、前記フラップは、前記本体用固定具に対する固定対象を、前記上側フラップ用固定具と前記下側フラップ用固定具とで変えることにより前記高さ位置を変更できる。
【0012】
さらに、前記ランドセルは、前記フラップが前記ランドセル本体を覆う長さ又は位置を可変とする伸縮可変部を有する。
【0013】
前記伸縮可変部は、前記ランドセル本体に設ける本体側伸縮部材として構成できる。
【0014】
前記伸縮可変部は、前記フラップの前記上部に設けるフラップ側伸縮部材として構成できる。
【0015】
前記伸縮可変部は、前記ランドセル本体に接続可能な第1の接続部と、前記フラップに接続可能な第2の接続部と、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間にある中間部とを有する延長部材として構成できる。
【0016】
前記伸縮可変部は、伸縮性布地、蛇腹状マチ部又は折畳み部として構成できる。これらによれば、簡易な構造でフラップの長さや位置を容易に調整できる。
【0017】
さらに、前記ランドセルは、仕切部材を備え、前記仕切部材は、前記箱状本体の内部の収納室に取付けるものであり、前記収納室の底面に設置した弁当容器の上面を被覆可能な仕切板を含み得る。前記仕切板は、前記仕切板に設けられ前記箱状本体の内面に固定可能な仕切板取付部とを有する。
【0018】
前記仕切板取付部は、前記ランドセル本体の高さ方向で固定位置が可変として構成できる。
【0019】
前記仕切部材は、前記仕切板から前記収納室の底面に向けて伸長する1又は複数の脚部を有するように構成できる。
【0020】
前記仕切部材は、1又は複数のポケットを有するように構成できる。前記ポケットは、前記弁当容器と対向する位置に設けることができる。
【0021】
前記脚部は、前記収納室の前記底面と当接可能な長さを有し、前記仕切部材は、前記仕切板と前記脚部とで囲まれる小収納室を形成するように構成できる。
【0022】
さらに、前記ランドセルは、前記箱状本体の内部の収納室に設けられ、前記収納室の底面に載置した弁当容器の外周に巻き付いて保持するベルトを備えるように構成できる。
【0023】
前記ベルトは、前記底面に載置した前記弁当容器の上面側から前記ランドセル本体の正面側に向けて前記弁当容器の側面にかけて伸長する上側ベルトと、前記収納室の前記底面側から前記ランドセル本体の前記正面側に位置する前記弁当容器の前記側面にかけて伸長する下側ベルトとを有するように構成できる。
【0024】
前記フラップは、前記ランドセル本体の前記正面と、前記ランドセル本体の左側面及び右側面とを被覆する形状である。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、伝統的なランドセルに代わる新たなランドセルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示の一態様を例示する実施形態に基づき明瞭に説明するため、その説明に必要な図面を簡単に説明する。図面は、実施形態を例示するものにすぎず、本開示の実施形態の範囲を限定するためのものではない。当業者は、特段の発明能力を用いることなく、本開示の図面に基づいて他の関連する実施形態の図面を得ることができる。
【0027】
【
図1】本開示の一態様によるランドセルの正面、右側面、平面を含む外観斜視図。
【
図2】
図1のランドセルのフラップを開けた状態を示す
図1相当の外観斜視図。
【
図4】フラップを着脱する過程を示すランドセルの背面図。
【
図5】ランドセル本体の内部における弁当容器の固定状態を示す説明図。
【
図6】仕切部材等の複数の実施形態を示す外観斜視図。
【
図7】ランドセル本体の内部における収納物の配置を示す説明図。
【
図8】
図7で示す仕切部材の複数の実施形態を示す外観斜視図。
【
図9】本体用固定具とフラップ用固定具の固定形態を示す説明図。
【
図10】フラップに設ける伸縮可変部の実施形態を示す説明図。
【
図11】フラップに設ける伸縮可変部の実施形態を示す説明図。
【
図12】ランドセル本体に設ける伸縮可変部の実施形態を示す説明図。
【
図13】ランドセル本体に設ける伸縮可変部の実施形態を示す説明図。
【
図14】ランドセル本体に設ける伸縮可変部の実施形態を示す説明図。
【
図15】ランドセル本体に設ける伸縮可変部の実施形態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示にて例示する一態様について、各種の実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。以下に示す実施形態は、特許請求の範囲の記載を限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが、本開示にて例示する解決手段として必須であるとは限らない。
【0029】
本開示に含む全ての実施形態及び選択可能な実施形態は、互いに組み合わせて新たな実施形態を形成してもよい。本開示に含む全ての技術的特徴及び選択可能な技術的特徴は、互いに組合わせることにより新たな技術的特徴を形成できる。
【0030】
本開示で使用する用語「又は」は包括的な用語として使用される。例えば、「A又はB」は「A、B、又はAとBの両方」を意味する。「A」、「B」、「AとBの両方」は、いずれもそれぞれが「A又はB」を満たす。
【0031】
本開示の説明において、明確な定義や限定がない限り、「取付」、「連結」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解される。例えば、「接続」について例示すると、固定接続、取外し可能な接続、一体的な接続は、いずれも「接続」に含まれ得る。また、直接的な接続、中間物が介在する間接的な接続も「接続」に含まれ得る。当業者は、本開示での上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解する。その他の用語も「接続」と同様に広義に理解される。
【0032】
本明細書および特許請求の範囲において「第1」および「第2」等と記載する場合、それらは、異なる構成要素を区別するために用いるものであり、特定の順序や優劣等を示すために用いるものではない。図面に示す各部位は、区別のため「第1」、「第2」等を使用し得る。また、各実施形態に共通する構成で同一の効果を奏するもの要素については、同一符号を付して重複説明を省略する。
【0033】
本開示の実施形態の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等の用語及びそれらの用語を含む用語で表された方向又は位置関係は、図面に基づくものであり、実施形態を便宜的に及び簡略に説明するためのものにすぎない。したがって、明確な定義や限定がない限り、特定の構造要素やその使用が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成されることを明示又は暗示するものではなく、特許請求の範囲及び実施形態を限定するものではないと理解すべきである。
【0034】
本明細書および特許請求の範囲において「約」、「およそ」、「ほぼ」、「実質的に」との用語を使用する場合、それらの用語が形容する数値、構造要素については、その数値とその数値を中心とする前後の数値を含むものとして、またその構造要素とその構造要素と同じと言えるものを含むものとして理解される。例えば「約3」と記載する場合、本開示で主張する技術的特徴、技術的意義が異ならなければ、「3」とそれに連続する数値も「約3」に含まれ得る。また、「Aと実質的に同一のB」という場合、BはAと完全同一である場合のほか、本開示で主張する技術的特徴、技術的意義が共通する限り、完全同一ではない相違点を有する構造要素も「実質的」の範囲に含み得る。
【0035】
全体構成
【0036】
図1は、ランドセル1の正面、右側面、平面を含む。ここで、正面(前、前面)と背面(後、後面)とが対向する方向は「奥行方向」、「前後方向」であり、正面と背面との間の距離(外寸又は内寸)がランドセル1の「奥行き」となる。右側面と左側面とが対向する方向はランドセル1の「左右方向」、「幅方向」であり、右側面と左側面との間の距離(外寸又は内寸)がランドセル1の「幅」となる。平面(上、上面)と底面(底、下面)とが対向する方向は「高さ方向」、「上下方向」であり、平面と底面との間の距離(外寸又は内寸)がランドセル1の「高さ」となる。
【0037】
ランドセル1は、縦長箱状の基本形状を有している。ランドセル1の前部上縁には、前後方向且つ上下方向で湾曲面が伸長する前部湾曲部1aが形成されている。ランドセル1は、全体として、高さ、幅、奥行きの順で寸法が小さくなるように形成されている。その基本形状に、前述の前部湾曲部1aを有することにより、ランドセル1は、見る者に対してランドセルとしての意匠的印象を与えるものとなっている。
【0038】
ランドセル1は、ランドセル本体10とフラップ20とを有する。
【0039】
ランドセル本体10の説明
【0040】
ランドセル本体10は、リュックサックである。リュックサックとして使用可能なランドセル本体10は、箱状本体11を有する。箱状本体11でいう「箱状」の用語は、ランドセル本体10の内部の主たる収納室(後述する収納室11h)と、主たる収容室を外部に対して露出可能な開閉自在型の開口(後述する開口11g)とを有する形状であることを意味する。箱状本体11は、「箱状」である限り、その開口の形状と数、箱状本体11における開口の位置、開口を開閉する開閉部が箱状本体11に対して着脱できるか否か、開閉部の形状と数、開閉部に付加する機能のいずれをも限定するものではない。
【0041】
箱状本体11は、前面部11a、上面部11b、右側面部11c、左側面部11d、背面部11e、底面部11fを含む。
【0042】
前面部11aは、ランドセル本体10及び箱状本体11の内部を外部に対して露出可能な開閉自在型の「開閉部」ないし「蓋部」として機能する。前面部11aは、スライドファスナー12によって、上面部11b、右側面部11c、左側面部11dに対して連結し、また分離することが可能であり、底面部11fに対しては分離不可能として一体に繋がっている。すなわち、前面部11aは、スライドファスナー12の配置に沿って形成される箱状本体11の開口11gを閉じたり開いたりするための「開閉部」ないし「蓋部」として機能する。その開口11gは、箱状本体11の内部に形成される収納室11hと連通しており、そこに学用品や弁当容器等を出し入れするための「収納口」となっている。開口11gは、前面部11gの右側下端及び左側下端から、右側面部11c及び左側面部11dの前縁をそれぞれ上方に延び、上面部11bの前縁をその右端及び左端から正面中央に延びるように連続する逆U字状の形状を有していため、幅と高さと奥行の三次元方向にわたる「収納口」を形成している。
【0043】
なお、本明細書及び特許請求の範囲で「スライドファスナー」というときは、開状態で一対のエレメントが分離不能な止製品と、開状態で一対のエレメントが分離可能な開製品とを含む。止製品については、一対のテープ、各テープに固着する一対のエレメント、一対の上止め、一対の下止め、一対のエレメント、スライダーを含み、開製品は一対の下止めに代えて開具を含む。
【0044】
前面部11aは、スライドファスナー12に沿ってその外縁が形成される。具体的には、前面部11aは、その上端側が背面部11e側に向けて湾曲する上部湾曲部11a1を有する。上部湾曲部11a1は、
図2で示すように、ランドセル本体10の高さの上側約1/3の位置から背面部11eに向けて湾曲する。したがって、スライドファスナー12を上部湾曲部11a1に合わせて開くと、実質的にランドセル本体10の上面と前面とが連続して大きく開くことができ、箱状本体11の上から又は前から学用品等を出し入れすることができる。そして上部湾曲部11a1の下側はスライドファスナー12を閉じたままにすることで、収納した学用品等が前方に落ちないようにできる。
【0045】
上面部11bは、底面部11fと比べて、前後方向での背面部11eからの長さが短く形成されている。このため前面部11aは、前述の上部湾曲部11a1が形成される。
【0046】
右側面部11cと左側面部11dは、実質的に同じ面形状にて形成されており、いずれも前面部11a、上面部11b、背面部11e、底面部11fと直接又は間接的に連続して形成されている。右側面部11cと左側面部11dは、前面部11aとスライドファスナー12を介して接続又は分離可能となっている。スライドファスナー12を開けた状態では、右側面部11cと左側面部11dの前面側の縁(前縁)は、開口11gの縁(開口縁)を形成している。
【0047】
背面部11eは、前面部11aと対向して位置しており、矩形に形成されている。背面部11eには、
図1~
図4で示すように肩ベルト30が設けられる。
【0048】
底面部11fは、矩形状に形成されており、前面部11a、右側面部11c、左側面部11d、背面部11eに繋がっている。
【0049】
マチ部11iによる拡張機能:
ランドセル本体10(箱状本体11)は、収納室11hの容積を拡張可能とするマチ部11iを有する。マチ部11iは、上面部11b、右側面部11c、左側面部11d、底面部11fにわたる環状に形成されている。マチ部11iは、上面部11b等における背面部11eと隣接する位置に形成されている。マチ部スライドファスナー13は、マチ部11iを開閉するために設けられ、上下左右の各面部の全周にわたって連続して形成されている。
【0050】
図1及び
図2で示すランドセル1は、マチ部スライドファスナー13を閉じた状態である。スライダーを引いてマチ部スライドファスナー13を開くと、
図3で示すようにマチ部11iが開く。それにより上面部11b、右側面部11c、底面部11f、左側面部11dが前後方向で伸び、収納室11hを前後方向で拡張することができる。このランドセル本体10の拡張機能に対応して、ランドセル1にはフラップ20の固定高さを変えることができる第2の連結部50が設けられる(後述)。
【0051】
ランドセル本体10の素材:
ランドセル本体10の素材(内張生地及び外側生地)は、具体的には、合成繊維、合成皮革、天然皮革などから選択される1又は複数の素材を例示できるが、それらに限定されない。合成繊維としては、具体的にはポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維などを利用することができる。合成繊維を用いることにより、天然皮革と比べて、ランドセル1を軽量化できる。また、合成繊維には、防水性、撥水性を備える素材、防水加工、撥水加工が可能な素材、サーキュラーエコノミー(循環型経済)に寄与する再生素材、耐久性、耐傷性、強度、強靭性などの機能性に優れる素材など、多様な機能性や付加価値を持つ素材が存在するため、それらを用いることで、より多くの機能性をランドセル1に付加することができる。天然皮革については、例えば牛革、コードバンを選択できる。
【0052】
フラップ20の説明
【0053】
フラップ20は、ランドセル様意匠を呈する外観形状を有する。具体的には、フラップ20は、ランドセル本体10の上面部11bと前面部11aとを覆う被せ部21がランドセル様意匠を呈する外観形状を有し、箱状本体11に対して着脱可能として構成されている。
【0054】
被せ部21は、具体的には、ランドセル本体10の上面部11bを覆う上部湾曲部21aから連続して前面部11aを覆う被せ面21bが垂れ下がる形状を有することによりランドセル様意匠の外観をランドセル1に付与することができる。
【0055】
フラップ20の上部には、後述する第1の連結部40が設けられており、フラップ20の内面22には、後述するフラップ用固定具52が設けられている。
【0056】
フラップ20に使用する素材(内張生地及び外側生地)は、前述したランドセル本体10で使用する素材の説明と同じであるため、重複説明を省略する。フラップ20の素材として合成皮革、動物由来の天然皮革(牛革、コードバン等)を使用すれば、より高級感のあるランドセル様意匠の外観をランドセル1に付与することができる。
【0057】
第1の連結部40の説明(ランドセル本体10とフラップ20との上側連結部)
【0058】
ランドセル1は、
図4で示すように、ランドセル本体10にフラップ20を連結する第1の連結部40を備える。第1の連結部40は、ランドセル本体10とフラップ20とを完全に分離し、ランドセル本体10とフラップ20とを連結することができる。第1の連結部40は、箱状本体11の背面部11eの上部とフラップ20の上部とを着脱可能に連結する「連結具」としてのスライドファスナー41を含む。スライドファスナー41は、スライダーを移動させない限り、スライドファスナー41の閉状態が維持される。このため、スライドファスナー41の閉状態において、フラップ20が不意に外れることはなく、フラップ20をランドセル本体10に確実に保持できる。他方、フラップ20をランドセル本体10に対して着脱(連結又は分離)する際には、スライダーを移動させればよく、誰でも容易にフラップを着脱でき、小学校低学年の子どもでも強い力を必要とせず自分で着脱できる。
【0059】
第2の連結部50の説明(ランドセル本体10とフラップ20との下側連結部)
【0060】
ランドセル1は、
図2、
図9で示すように、ランドセル本体10にフラップ20を連結する第2の連結部50を備える。第2の連結部50は、ランドセル本体10とフラップ20とを完全に分離し、ランドセル本体10とフラップ20とを連結することができる。第2の連結部50は、ランドセル本体10の正面(前面部11a)とフラップ20の裏面(内面22)の何れか一方に固定した本体用固定具51と、前記何れか他方に固定したフラップ用固定具52とを含む。
【0061】
本体用固定具51とフラップ用固定具52は、本体用固定具51とフラップ用固定具52とを固定したフラップ20の固定状態から、フラップ20を下方に変位させてフラップ用固定具52を本体用固定具51に対して下方にずらすことにより、固定状態を解除するものである。したがって、フラップ20を下方に変位させる容易な動作により、フラップ20の固定状態を解除できる。また、フラップ20を掴んでランドセル1を持ち上げる場合でも、フラップ20がランドセル本体10から不意に外れることがない。
【0062】
本体用固定具51とフラップ用固定具52は、ランドセル本体10に対してフラップ20を固定する高さ位置を可変とする「固定高さ可変部」を有する。「固定高さ可変部」は、固定高さを変えることができれば、どのようなものでもよい。具体的には、
図2、
図9で例示するもののほか、複数の固定具、留め具、面ファスナー、ボタン、フック、バックル、ゴム状弾性体など及びそれらを含んで構成されるものを例示できるが、それらに限定されない。以下、「固定高さ可変部」の複数の実施形態を例示して説明する。
【0063】
「固定高さ可変部」の第1の実施形態:
図2、
図9Aは「固定高さ可変部」の第1の実施形態であり、それを本体用固定具51として設ける例である。本体用固定具51は、ランドセル本体10の高さ方向で離れて位置する上側本体用固定具51aと下側本体用固定具51bである。フラップ20は、フラップ用固定具52に対する固定対象を、上側本体用固定具51aと下側本体用固定具51bとで変えることにより、固定する高さ位置を変更できる。フラップ用固定具52を、上側本体用固定具51aに固定した場合には、フラップ20の先端側の固定位置が高くなり、フラップ20とランドセル本体10との間に、ランドセル本体10が膨らむことを許容するための拡張代ができる。フラップ用固定具52を、下側本体用固定具51bに固定した場合には、フラップ20の先端側の固定位置が、上側本体用固定具51aに固定する場合と比べて低くなり、フラップ20とランドセル本体10との間には、狭くもなく広くもない自然な配置状態が得られる。
【0064】
図2、
図9Aとは異なり、本体用固定具51は、3つ以上設けることもできる。この場合、そのうちの何れかを上側本体用固定具51aとし、他の何れかを下側本体用固定具51bとすることができる。隣接する2つの本体用固定具51を上側本体用固定具51aと下側本体用固定具51bとしなくてもよい。上側本体用固定具51aと下側本体用固定具51bとは、具体的には、例えば2つ以上の留め具、係止具、固定具のように相互に独立した複数の部材で構成できるが、例えば面ファスナーのように1つの部材の異なる部分によって構成することもできる。
【0065】
従来のランドセルでは、学用品等が嵩張った場合、ランドセル本体の開口に対する蓋として機能する被せが持ち上がり、それを閉じようとしても、被せの先端にある錠前差込が錠前に届かないため、ランドセルを開きっぱなしにせざるを得ない。そのためランドセルとしての外観が損なわれ、見た目が悪くなってしまう。さらに、ランドセルを背負った状態で、床に落ちた物を取ろうとして頭を下げると、被せが開いて開口から学用品が滑り落ちてしまうことがある。
【0066】
これに対して、ランドセル1では、収納した学用品等が嵩張ってランドセル本体10が膨らむことがあっても、「固定高さ可変部」(本体用固定具51、上側本体用固定具51aと下側本体用固定具51b)によって、前面部11aにおけるフラップ20の固定高さを変えることができるので、ランドセル本体10の膨らみやマチ部11iの拡張に応じて、フラップ20をランドセル本体10に固定することができる。したがって、ランドセル1における、美麗なランドセル様意匠の外観を保持することができる。また、従来のランドセルのような被せが開いて学用品が滑り落ちる点は、ランドセル本体10のスライドファスナー12を閉じることにより防止できる。仮に、ランドセル本体10の前面部11a又は上面部11bとフラップ20との間に学用品を挟むような推奨されない方法で使用されても、フラップ20がランドセル本体10に固定された状態を維持できるので、その学用品が脱離することも防ぐことができる。
【0067】
ここでランドセル1について、ランドセル本体10が膨らむ場合とは、ランドセル本体10が高さ方向又は前後方向(正面と背面が対向する方向)に膨張する場合や、ランドセル本体10とフラップ20との間に物品(例えば道具類や体育着等の洋品類など)を挟んで保持することによりフラップ20が外向きに膨出する場合とを含む。また、マチ部11iを開いて学用品を収納した状態では、ランドセル本体10は前後方向に膨らむことになる。マチ部11iを閉じた状態でも、多くの学用品を詰め込むとランドセル本体10は膨らむことになる。これらの場合、ランドセル本体10が膨らまない正常な状態と比べると、フラップ20が外向きに膨出するように持ち上がるため、フラップ20を固定する高さ位置を高くすることで、フラップ20の無理な膨出を抑制しつつフラップ20をランドセル本体10に対して固定可能とする。より具体的には、
図9Aで示すように、フラップ用固定具52を上側本体用固定具51aに対して固定する。
【0068】
逆に、ランドセル本体10が膨らまない場合、フラップ20は持ち上がらず、自然なランドセル様意匠の美麗な外観を呈する。フラップ20は、ランドセル本体10の外形、特にランドセル本体10の上面部11b及び前面部11aの形状に沿うからである。このため、膨らむ場合と比べてフラップ20を固定する高さ位置を低くする。即ち、
図9Aで示すように、フラップ用固定具52を下側本体用固定具51bに対して固定する。
【0069】
上側本体用固定具51aと下側本体用固定具51bは、
図9Aで示すように、下向きの開口を有する下向きC字状の係止受け部51cを有する。係止受け部51cの下向きの開口は、後述のようにフラップ用固定具52を外す際の通路となる。フラップ用固定具52は、柱状突起として形成されており、
図3で示すように、先端の係止頭部52cとそれよりも小径の括れ部52dとを有している。
【0070】
第2の連結部50において、フラップ20をランドセル本体10に固定する場合は、フラップ用固定具52を係止受け部51cの円形中心に向けて垂直に押し込むと、係止受け部51cに内蔵する可動係止片51dが左右に開いてフラップ用固定具52の係止頭部52cの進入を許容し、括れ部52dまで進入すると可動係止片51dが括れ部52dに向けて復帰する。これにより係止頭部52cが抜去方向で可動係止片51dに引っ掛かって抜け止めされる。こうして第2の連結部50において、フラップ20がランドセル本体10に固定される。
【0071】
第2の連結部50において、フラップ20をランドセル本体10から外す場合は、フラップ20をランドセル本体10に対して下方に変位させる。これにより可動係止片51dによって抜け止めされている係止頭部52cが下方にスライドし、係止受け部51cの開口から下方に抜き出すことができる。こうして第2の連結部50において、フラップ20をランドセル本体10から外すことができる。
【0072】
「固定高さ可変部」の第2の実施形態:
図9Bは「固定高さ可変部」の他の実施形態である。「固定高さ可変部」は、フラップ用固定具52として設けられ、ランドセル本体10の高さ方向で離れて位置する上側フラップ用固定具52aと下側フラップ用固定具52bであり、フラップ20は、本体用固定具51に対する固定対象を、上側フラップ用固定具52aと下側フラップ用固定具52bとで変えることにより、固定の高さ位置を変更できる。即ち、このフラップ用固定具52をなす上側フラップ用固定具52aと下側フラップ用固定具52bも、前述した本体用固定具51と同様に、ランドセル本体10の膨らみに応じて、その何れかを本体用固定具51に固定することにより、フラップ20をランドセル本体10に固定することができる。
【0073】
フラップ用固定具52は、3つ以上設けることもでき、そのうちの何れかを上側フラップ用固定具52aと下側フラップ用固定具52bとすることができる。上側フラップ用固定具52aと下側フラップ用固定具52bとは、具体的には、例えば2つ以上の留め具、係止具、固定具のように相互に独立した複数の部材で構成できるが、例えば面ファスナーのように1つの部材の異なる部分によって構成することもできる。
【0074】
【0075】
「仕切部材」の第1の実施形態〔図5〕:
ランドセル1は、仕切部材60を備えることができる。仕切部材60は、箱状本体11の収納室11hに取付けるものであり、収納室11hの底面(内側底面11h1)に設置した弁当容器100の上面を被覆可能な仕切板61と、仕切板61に設けられ箱状本体11の内面に固定可能な仕切板取付部62とを有する。
【0076】
従来のランドセルでは、弁当容器100を他の学用品と分けて収納することができないため、例えば弁当容器100を他のバッグ等に入れて手持ちにすることが多く、通学時の手持ちの荷物が嵩張って不便である。
【0077】
これに対して、仕切部材60は、箱状本体11の内部の収納室11hに取付けるものであり、収納室11hの前記底面に設置した弁当容器100の上面を被覆可能な仕切板61を有する。このため、仕切板61で収納室11hを区画し、学用品と弁当容器100とを分けて収納することができる。この場合、学用品は、仕切部材60の上、弁当容器100の前、弁当容器100の左右に収納できる。
【0078】
なお、明細書及び特許請求の範囲でいう「弁当容器」は、弁当容器それ自体を意味することに加えて、弁当容器に収納できないカトラリー類(箸、スプーン、フォークなど)、調味料小袋、飲料容器、さらに弁当容器とカトラリー類等を収容した状態の弁当袋を含み得る用語である。
【0079】
仕切部材60には、仕切板61に設けられ箱状本体11の内面に固定可能な仕切板取付部62を有する。仕切板取付部62には、仕切部材用固着部62aが設けられ、箱状本体11の内面に設けた収納室用固着部11h3に対して固着可能となっている。
図5の例示では、収納室用固着部11h3が箱状本体11の内側背面11h2に設けられており、仕切部材用固着部62aは内側背面11に固着する。
図5で示す仕切部材用固着部62aと収納室用固着部11h3は、いずれも面ファスナーを例示しているが、ボタン、フック、クリップ等でも良く、それらに限定されない。
【0080】
仕切板取付部62は、ランドセル本体10の高さ方向で固定位置が可変である。具体的には、仕切部材用固着部62aと収納室用固着部11h3は、相互に高さ方向で位置をずらして固着することができる。即ち、仕切板61が実質的に水平となるように、仕切板61の収納室11hの底面(内側底面11h1)からの高さ位置を変えることができる。したがって、弁当容器100の高さに応じて固着する高さを変更することができる。
【0081】
「仕切部材」の他の実施形態〔図6~図8〕:
仕切部材60は、例えば
図6~
図8で示す他の実施形態としてもよい。即ち、仕切部材60は、前記仕切板から前記収納室の底面に向けて伸長する1又は複数の脚部を有する。
【0082】
図6Aは、第2の実施形態による仕切部材60Aである。仕切部材60Aには、仕切板61と仕切板取付部62に加えて、「脚部」としての前側脚部63を有する。前側脚部63には、弁当容器100と対向位置するポケット64が設けられており、ここには例えばしょうゆ袋などの調味料、保冷剤、保温剤などを収容することができる。保冷剤や保温剤を収容した場合には、弁当容器に詰めた食料を保冷したり、保温したりすることができる。
【0083】
図6Bは、第3の実施形態による仕切部材60Bである。仕切部材60Bには、仕切板61と仕切板取付部62に加えて、「脚部」として右側脚部65を有し、右側脚部65にはポケット64を有する。
【0084】
図6Cは、第4の実施形態による仕切部材60Cである。仕切部材60Cには、仕切板61と仕切板取付部62と右側脚部65に加えて、「脚部」として左側脚部66を有し、左側脚部66にはポケット64を有する。
【0085】
図6Dは、第5の実施形態による仕切部材60Dである。仕切部材60Dは、仕切板61、仕切板取付部62、前側脚部63、右側脚部65、左側脚部66を有する例である。
【0086】
以上の仕切部材60A~60Dでは、それぞれの「脚部」の内側に弁当容器を収納する小収納室67が形成される。そして「脚部」の数が多いほど、小収納室67は閉空間となり、調温材(保冷剤、保温材)を効果的に使用することができる。また、仮に弁当容器等から水分等の液体が漏れ出てきた場合でも、「脚部」の数が多いほど、仕切部材60A~60Dの外側への流出と収納室11hの内面への付着を防ぐことができる。
【0087】
また、仕切部材60A~60Dでは、それぞれの「脚部」は収納室11hの内側底面11h1と当接する長さを有するものとして構成できる。これによれば小収納室67の外側に壁ができるので、さらに確実に漏れ出た液体の仕切部材60A~60Dの外側への流出と収納室11hの内面への付着を防ぐことができる。
【0088】
図6Eは、収納室11hの内側底面11h1に収納室用固着部11h3を設け、ここにポケット付きの収納袋70を取付ける実施形態である。収納袋70のポケット70aには保冷剤や保温材を収納することができ、弁当容器100を底面側から保冷又は保温することができる。収納袋70には、収納室用固着部11h3と固着する収納袋用固着部70bが設けられている。収納室用固着部11h3と収納袋用固着部70bは、具体的には例えば面ファスナーで構成することができるが、それに限定されない。
【0089】
図7、
図8Aは、第6実施形態の仕切部材60Eであり、
図8Bは第7実施形態の仕切部材60Fである。
【0090】
仕切部材60Eは、ポケット64を有する仕切板61と、右側脚部として設けた仕切板取付部62とを有し、仕切板取付部62の仕切部材用固着部62aは、右側の内側側面11h4の収納室用固着部11h3に対して固着する。
図7で示すように、仕切板61は、奥行き方向の長さL1が、内側底面11h1の奥行き方向の長さL2よりも短い。これにより、教科書やノート等の教材71を内側底面11h1の内側背面11h2に寄せて収納し、その前側に弁当容器100を収納できる。教材71は、内側背面11h2から伸長する背面ベルト11h5で保持することにより、重心を内側背面11h2に寄せて収納でき、児童に過剰な負荷が掛かることを低減できる。
【0091】
なお、背面ベルト11h5は、後述のベルト80と同様の構造に、二本のベルトを面ファスナー等で固定する構造とすることができる。
【0092】
仕切部材60Fは、仕切部材60Eに後側脚部68を設けた実施形態である。後側脚部68は、
図7で示す教材71と弁当容器100とを仕切るものであり、弁当容器100によって教材71に傷が付いたり、弁当容器100から漏れ出た弁当汁が教材71に付着したりするのを抑制できる。
【0093】
以上のような仕切部材60、60A~60F、収納袋70の素材は、紙、合成樹脂等を利用することができるが、より好ましくは断熱シートとすることができる。または、紙製の芯材の表面に断熱シートを貼り付けたものでもよい。断熱シートとしてはアルミシートを例示できる。断熱シートは、例えば仕切板61、仕切板取付部62、前側脚部63、右側脚部65、左側脚部66、後側脚部68について、それらの両面又は片面に設けることができる。
【0094】
【0095】
ランドセル1は、箱状本体11の内部の収納室11hに設けられ、収納室11hの内側底面11h1に載置した弁当容器100の外周に巻き付いて保持するベルト80を備える。ベルト80によって弁当容器100がずれないように定位置に確実に保持することができ、また弁当容器100の蓋と容器本体との固定が外れた場合でも蓋が容器本体から離れないようにしっかりと保持することができる。
【0096】
ベルト80は、弁当容器100の上面側からランドセル本体10の前面側に向けて弁当容器100の正面側の側面にかけて伸長する上側ベルト81と、収納室11hの底面側からランドセル本体10の正面側に位置する弁当容器100の前記側面にかけて伸長する下側ベルト82とを有する。そして、上側ベルト81と下側ベルト82とは、ランドセル本体10の正面側で相互に固着することができる。
図5では面ファスナーを利用して固着する例を示しているが、ボタン、バックル、クリップ等を使用してもよく、本開示のベルト80の固着方法はそれらに限定されない。
【0097】
ランドセル1の前面部11aを大きく開くと、収納室11hの内側底面11h1に置いた弁当容器100まで露出させることができる。これにより、仕切部材60を使用している場合でも、上側ベルト81と下側ベルト82との固着部分を露出させることができるので、固着を解いて弁当容器100を容易に取り出すことができる。
【0098】
弁当容器100を収納する場合にもランドセル本体10の正面側から小収納室67に弁当容器100を入れて、ランドセル本体10の正面側で上側ベルト81と下側ベルト82とを容易に固着することができる。
【0099】
ランドセル1の効果
既に説明済みのものを除き、ランドセル1の効果を説明する。
【0100】
ランドセル1は、ランドセル本体10と、ランドセル本体10の背面に設ける肩ベルト30と、ランドセル本体10の上面(上面部11b)と正面(前面部11a)とを覆うフラップ20とを備える。ランドセル本体10は、箱状本体11と、箱状本体11に設けられ学用品を出し入れする開口11gと、開口11gを開閉するファスナー(スライドファスナー12)とを有する。フラップ20は、前記上面から前記正面を覆う被せ部21がランドセル様意匠を呈する外観形状を有し、箱状本体11に対して着脱可能である。
【0101】
ランドセル本体10の箱状本体11は、学用品を出し入れする開口11gと、その開口11gを開閉するファスナー(スライドファスナー12)とを有する。箱状本体11は、内部の収納室11hが外部に対して常に露出するような、常時開放型の開口を持たない。したがって、ランドセル本体10は、それ自体がリュックサックとして独立しており、学用品を密閉可能に収容することができる。フラップ20は、その外観形状がランドセル本体10の前記上面から前記正面を覆う被せ部21が垂れ下がりランドセル様意匠を呈し、箱状本体11に対して着脱可能である。したがって、ランドセル1は、全体として、ランドセル様のデザインでありながらも、ランドセル本体10に通学鞄として望まれる、従来のランドセルに見られない様々な実用的な機能性を実現できる。また、ランドセル1は、リュックサック状の通学鞄でありながらも、従来の通学鞄に見られないランドセル様意匠のデザイン性を実現できる。
【0102】
前述のようにフラップ20の着脱が容易であるため、ランドセル1は、その利用シーンを大幅に増やすことができる。従来のランドセルは通学の登下校で使用されるだけであり、それ以外に使用される場面は皆無である。しかしながら、ランドセル1であれば、フラップ20を取外すことで、登下校以外での利用シーン、例えば塾や習い事に通うためにランドセル本体10を使用することができる。今日のランドセル1には、安全上の観点から防犯ブザーの取付けが推奨され、また無くすことがないように自宅の鍵を取付けていることが多い。そのため、フラップ20を取外せば、防犯ブザーや自宅の鍵を付けたまま、塾や習い事に通うことができ、準備時間の削減、入れ替え時の忘れ物を防ぐことができる点でも有用である。
【0103】
また、ランドセル1は、フラップ20を外せば軽量化できる。したがって、フラップ20を取外して軽量化することで、ランドセルが子どもにとって重いという従来の課題を解決することもできる。
【0104】
さらに、従来のランドセルの使用期限は小学校6年間だけであり、卒業後も使用することはほぼ無い。しかしながら、ランドセル1は、フラップ20を取外すことで、従来のランドセルの使用期限を超えて自由に使用することができる。
【0105】
伸縮可変部90を含むランドセル1の実施形態
【0106】
ランドセル1は、フラップ20がランドセル本体10を覆う長さ又は位置を可変とする伸縮可変部90を有する。前述のように収納した学用品等が嵩張ってランドセル本体10が膨らむ場合がある。このような場合に、伸縮可変部90は、フラップ20がランドセル本体10を覆う長さ又は位置を変えることができるので、ランドセル本体10の膨らみに合わせて、フラップ20の長さや位置を変えてランドセル本体10に固定することができる。なお、ランドセル本体10が膨らむ場合とは「固定高さ可変部」で説明したのと同じであるため重複説明を省略する。
【0107】
ランドセル1には、フラップ20の長さ、位置、固定位置を調整する手段として、前述した「固定高さ可変部」のみを設ける第1の場合、「固定高さ可変部」と伸縮可変部90とを設ける第2の場合、伸縮可変部90のみを設ける第3の場合の、3つの形態があるが、以下に説明する伸縮可変部90は、第2の場合、第3の場合の何れの場合にも適用することができる。
【0108】
伸縮可変部90は、ランドセル本体10又はフラップ20に設けることができ、それぞれの例を説明する。その双方に設けることもできる。
【0109】
フラップ20に伸縮可変部90を設ける実施形態〔図10、図11〕:
図10Aは、伸縮可変部90として、フラップ20に蛇腹状マチ部91を設ける例である。蛇腹状マチ部91を伸び方向に引っ張ることで、フラップ20の全長が長くなる。これによってランドセル本体10が膨らむ場合でも、フラップ20とランドセル本体10とを第2の連結部50により固定することができる。
【0110】
蛇腹状マチ部91は、フラップ20の外面生地と同様の素材を使用できる。他方、蛇腹状マチ部91は、ゴム状弾性を有する伸縮性布地を使用することもできる。ここで、蛇腹状マチ部91として伸縮性布地を用いる場合には、蛇腹状マチ部91が伸長することで、縮長方向への張力が第2の連結部50に作用する。第2の連結部50は、前述のように、係止受け部51cが下向きに開口を有しており、フラップ用固定具52を下向きに移動させることで外れる。したがって、張力を発生している蛇腹状マチ部91は、フラップ用固定具52が下向きにスライドしないように規制するための手段(移動規制部)となる。伸縮性布地を使用する蛇腹状マチ部91には、こうした機能も有する。この他にも、後述する
図10Bの中間部92c、
図10Cのフラップ側伸縮部材93も、同様に「移動規制部」として構成し得る。
【0111】
図10Bは、伸縮可変部90として、第1の連結部40に対して着脱可能な延長部材92を設ける例である。延長部材92は、ランドセル本体10に接続可能な第1の接続部92aと、フラップ20に接続可能な第2の接続部92bと、第1の接続部92aと第2の接続部92bとの間にある中間部92cとを有する。第1の接続部92aに対する第1の連結部40に対する接続、第2の接続部92bと第1の連結部40に対する接続は、スライドファスナーを使用することができるが、それに限定されない。この延長部材92によればフラップ20の全長を長くすることができる。
【0112】
延長部材92の中間部92cの素材は、フラップ20の外面生地と同様の素材を使用できるが、蛇腹状マチ部91と同様に、ゴム状弾性を有する伸縮性布地を使用することもできる。理解を容易にするため、
図10Bの斜線を付した部分が伸縮性布地でなる中間部92cである。これによれば、蛇腹状マチ部91と同様に、延長部材92の中間部92cは移動規制部として機能することができる。
【0113】
図10Cは、伸縮可変部90として、フラップ20の第1の連結部40(スライドファスナー)の付け根部分に、ゴム状弾性を有する伸縮性布地でなるフラップ側伸縮部材93を設ける例である。理解を容易にするため、
図10Cの斜線を付した部分が伸縮性布地でなるフラップ側伸縮部材93である。この位置にフラップ側伸縮部材93を設ければ、ランドセル1の外観として目立たず違和感がない。フラップ側伸縮部材93におけるフラップ20の長さ方向に沿う幅は、例えば1cm以上5cm以下、より好ましくは1cm以上4cm以下、さらに好ましくは2cm以上3cm以下とすることができる。
【0114】
フラップ側伸縮部材93は、フラップ20の長手方向に沿って真っすぐに伸縮可能であるのみならず、フラップ20の長手方向と交差する方向に斜めに伸縮変形することも可能であるため、ランドセル本体10の捻じれ変形等の多様な膨らみ方による形状変形に対する追従性も高めることができる。さらに、蛇腹状マチ部91と同様に、フラップ側伸縮部材93も移動規制部として機能することができる。
【0115】
図11は、伸縮可変部90として、フラップ20の基端部20cにフラップ側折畳み部94を設ける例である。フラップ側折畳み部94は、フラップ20の基端部20cの内面に固定される固定部94aと、中間部94bと、先端部94cとを有する。固定部94aと中間部94bの境界は山折り部となっており、山折り状態で対向する一対の保持部94dによって山折り状態を保持することができる。保持部94dは、固定部94aと中間部94bに固定されており、具体的には面ファスナーを利用できる。中間部94bと先端部94cとの境界は谷折り部となっている。伸長しない通常時では、保持部94dどうしの固着により折畳み状態が保持されており、
図11Bで示すように、先端部94cに設けた「連結具」としての雄ボタン94eが、箱状本体11の背面部11eの上部に設けた「連結具」としての雌ボタン94fと嵌合することにより、フラップ20がランドセル本体10に連結されている。他方、伸長時では、相互に固着状態の保持部94dどうしを剥がせば、山折り部及び谷折り部を伸長させることにより、フラップ側折畳み部94を伸ばすことができる。
【0116】
図11で示す保持部94dは、面ファスナーを例示するが、ボタン、バックル、クリップ等を使用してもよく、フラップ側折畳み部94の折畳み状態を保持する方法は、それらに限定されない。また、「連結具」として例示したボタン(雄ボタン94e、雌ボタン94f)は、それに代えてバックル、クリップ等を使用してもよい。スライドファスナーを使用する場合、経年により縫い付けが弱くなって解れてくるおそれがあるが、ボタン、バックル、クリップといった係合具であれば、そのようなおそれがない。
【0117】
ランドセル本体10に伸縮可変部90を設ける実施形態〔図12~図14〕:
図12は、ランドセル本体10に、伸縮可変部90として、本体側伸縮部材95を設ける例である。本体側伸縮部材95は、ランドセル本体10の第1の連結部40(スライドファスナー)の付け根部分に、ゴム状弾性を有する伸縮性布地を縫い付けて設けたものである。理解を容易にするため、
図12の斜線を付した部分が伸縮性布地でなる本体側伸縮部材95である。本体側伸縮部材95の伸縮方向での幅は、前述したフラップ側伸縮部材93と同じとすることができる。また、本体側伸縮部材95も、フラップ側伸縮部材93で説明したのと同様に、斜めに伸縮変形することも可能であるため、ランドセル本体10の捻じれ変形等の多様な膨らみ方による形状変形に対する追従性も高めることができる。さらに、蛇腹状マチ部91と同様に、本体側伸縮部材95も移動規制部として機能することができる。
【0118】
図13は、ランドセル本体10に、伸縮可変部90として、本体側折畳み部96を設ける例である。本体側折畳み部96の構成及び効果は、フラップ側折畳み部94と同じであり、固定部96a、中間部96b、先端部96c、保持部96d、雄ボタン96e、雌ボタン96fの説明は、それぞれ固定部94a、中間部94b、先端部94c、保持部94d、雄ボタン94e、雌ボタン94fと同じである。本体側折畳み部96によっても容易にフラップ20の長さを調整することができる。
【0119】
図14は、ランドセル本体10に、伸縮可変部90として、本体側折畳み部97を設ける例である。本体側折畳み部97は、保持部96dが無い点で、本体側折畳み部96と異なり、その他は同一である。本体側折畳み部96では、保持部96dによって折畳み状態を保持するが、本体側折畳み部97では、孔97bを有するポケット部97aを設けている。孔97bに配置された雄ボタン96eにフラップ20の側の雌ボタン96fを嵌合すれば、本体側折畳み部97を折畳んだ状態を保持できる。ポケット部97aの下端は、ランドセル本体10の背面部11e等に縫い付けてあり、ポケット部97aの内側は本体側折畳み部97の収納ポケットになる。これによれば保持部96dを有する場合と同様に容易にフラップ20の長さを調整することができる。
【0120】
ランドセル本体10とフラップ20とに伸縮可変部90を設ける実施形態〔図15〕:
図15は、伸縮可変部90として、ランドセル本体10に前述の本体側折畳み部96を設け、フラップ20に前述のフラップ側折畳み部94を設ける例である。これによれば、本体側折畳み部96とフラップ側折畳み部94とによって、調整代をより長く確保することができる。本体側折畳み部96は雌ボタン96fを使用する点を除き、
図13の説明と同一であり、フラップ側折畳み部94は
図11の説明と同一である。
【0121】
実施形態の変形例
【0122】
前述した実施形態は、本開示の例示に過ぎず、前記実施形態以外にも本開示のランドセルは実施可能であるため、その変形例を例示列挙して説明する。
【0123】
〔変形例1〕 前記実施形態では、フラップ20がランドセル本体10の前面部11aと上面部11bとを覆うものを例示したが、例えば
図16で示すように、ランドセル本体10の右側面部11c、左側面部11dを覆うサイドフラップ20a、20bを有するものとしてもよい。これによれば、ランドセル本体10の側面も保護することができる。また、ランドセル本体10の右側面部11cと左側面部11dに小物を収容する上端が開口するポケットを設ける場合、雨天時にポケットに雨水が浸入するおそれがあるが、サイドフラップ20a、20bがあれば雨水の浸入を抑制できる。
【0124】
〔変形例2〕 前記実施形態では、前面部11aが底面部11fに対して分離不可能として一体に繋がっているランドセル1を例示したが、前面部11aが底面部11fに対して分離可能として構成してもよい。
【0125】
〔変形例3〕 前記実施形態では、前面部11aがスライドファスナー12によって、上面部11b、右側面部11c、左側面部11dに対して開閉可能であるランドセル1を例示したが、前面部11aがスライドファスナー12によって底面部11fと、右側面部11c及び左側面部11dの下側に対して開閉可能として構成されることで、ランドセル1の上部を閉じたまま下側を開閉として構成してもよい。
【0126】
〔変形例4〕 前記実施形態では、スライドファスナー12を例示したが、前面部11aを開閉できれば、その他のファスナーにて構成してもよい。例えば、面ファスナー、ボタン、フック等を例示できるが、これらに限定されない。
【0127】
〔変形例5〕 前記実施形態ではフラップ20が上面部11bと前面部11aとを覆うものを例示したが、右側面部11c、左側面部11d、底面部11fの全部又は一部を覆うものとして構成してもよい。
【0128】
〔変形例6〕 前記実施形態では、第1の連結部40としてスライドファスナー41を例示したが、ランドセル本体10にフラップ20を着脱可能であれば、その他の連結部材にて構成してもよい。例えば、面ファスナー、ボタン、フック、バックル等を例示できるが、これらに限定されない。
【0129】
〔変形例7〕 前記実施形態では、第2の連結部50として、本体用固定具51又はフラップ用固定具52を複数設けることで「固定高さ可変部」とする例を示したが、第2の連結部50によってフラップ20の固定高さを調整しない場合には、本体用固定具51及びフラップ用固定具52はそれぞれ1つとしてもよい。なお、第2の連結部50によって固定高さを調整しない場合とは、前述の伸縮可変部90のみによってフラップ20の長さや位置を変える構造とした場合、マチ部11iを設けない場合、マチ部11iの有無に拘わらずフラップ20を定位置で固定する仕様とする場合を例示することができる。
【0130】
〔変形例8〕 前記実施形態では係止受け部51cについて、開口が下向きに位置するように設ける例を示したが、開口は上向き、左向き、右向き、斜め向きとしてもよい。
【0131】
〔変形例9〕 前記実施形態では、仕切部材60A~60Dについて、「脚部」にポケット64を設ける例を示したが、仕切部材60、60A~60Dの仕切板61の小収納室67側の面又は反対側の外面にポケットを設けてもよい。これによれば仕切部材60等の収納容量が増加し、より保冷剤や保温剤の調温効果を高めることができる。
【0132】
〔変形例10〕 前記実施形態については、ポケット64における弁当容器100の側の面をメッシュ材により構成してもよい。これにより保冷剤や保温剤の調温効果を高めることができる。
【0133】
〔変形例11〕 前記実施形態では、ランドセル1が縦長箱状である例を示したが、幅、高さ、奥行きの順で寸法が小さくなる横長箱状として構成してもよい。
【0134】
〔変形例12〕 前記実施形態では、ランドセル本体10にマチ部11iを設ける例を示したが、マチ部11iを持たないものとしてもよい。マチ部11iは、上面部11b、右側面部11c、左側面部11d、底面部11fの全周にわたって形成されている例を示したが、全周ではなく一部(例えば、右側面部11c、左側面部11d、底面部11f)に設けてもよい。マチ部11iは、前後方向に拡張可能なものを例示したが、上下方向に拡張可能なマチ部を設けてもよい。この場合、例えば、前面部a、右側面部11c、左側面部11d、背面部11eの下端と底面部11fとの境界にマチ部を設けることができる。
【0135】
〔変形例13〕 前記実施形態では、
図9で示すように、本体用固定具51を上下に配置する例を示したが、上側本体用固定具51aと下側本体用固定具51bを、それぞれ左右に配置してもよい。
【符号の説明】
【0136】
1 ランドセル
1a 前部湾曲部
10 ランドセル本体
11 箱状本体
11a 前面部
11a1 上部湾曲部
11b 上面部
11c 右側面部
11d 左側面部
11e 背面部
11f 底面部
11g 開口
11h 収納室
11h1 内側底面
11h2 内側背面
11h3 収納室用固着部
11h4 内側側面
11h5 背面ベルト
11i マチ部
12 スライドファスナー
13 マチ部スライドファスナー
20 フラップ
20a、20b サイドフラップ
20c 基端部
21 被せ部
21a 上部湾曲部
21b 被せ面
22 内面
30 肩ベルト
40 第1の連結部
41 スライドファスナー
50 第2の連結部
51 本体用固定具
51a 上側本体用固定具
51b 下側本体用固定具
51c 係止受け部
51d 可動係止片
52 フラップ用固定具
52a 上側フラップ用固定具
52b 下側フラップ用固定具
52c 係止頭部
52d 括れ部
60 仕切部材
60A~60D 仕切部材
61 仕切板
62 仕切板取付部
62a 仕切部材用固着部
63 前側脚部
64 ポケット
65 右側脚部
66 左側脚部
67 小収納室
68 後側脚部
70 収納袋
70a ポケット
70b 収納袋用固着部
71 教材
80 ベルト
81 上側ベルト
82 下側ベルト
90 伸縮可変部
91 蛇腹状マチ部
92 延長部材
92a 第1の接続部
92b 第2の接続部
92c 中間部
93 フラップ側伸縮部材
94 フラップ側折畳み部
94a 固定部
94b 中間部
94c 先端部
94d 保持部
94e 雄ボタン
94f 雌ボタン
95 本体側伸縮部材
96 本体側折畳み部
96a 固定部
96b 中間部
96c 先端部
96d 保持部
96e 雄ボタン
96f 雌ボタン
97 本体側折畳み部
97a ポケット部
97b 孔