(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055874
(43)【公開日】2024-04-18
(54)【発明の名称】アイテムの取引を管理するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/08 20120101AFI20240411BHJP
【FI】
G06Q30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024024273
(22)【出願日】2024-02-21
(62)【分割の表示】P 2022162766の分割
【原出願日】2022-10-07
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小林 繁議
(57)【要約】
【課題】 アイテムの取引における良好な価格設定を支援する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係る取引管理サーバ10は、通信ネットワーク20を介して通信可能に接続されたユーザ端末30を操作するユーザに対して、アイテムの取引(出品及び購入)を管理する取引管理サービスを提供する。当該サーバ10は、ユーザによるアイテムの出品を受け付ける際に、当該ユーザによる当該アイテムの購入価格に少なくとも基づく範囲内となるように、当該アイテムの出品価格を設定するから、アイテムを出品するユーザは、当該アイテムの購入価格に基づく範囲内での出品価格の設定が可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、アイテムの取引を管理するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
特定アイテムの第1ユーザによる出品を受け付けるステップと、
前記第1ユーザによって出品された前記特定アイテムの第2ユーザによる購入を受け付けるステップと、を実行し、
前記第1ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記第1ユーザによる前記特定アイテムの第1購入価格に少なくとも基づく第1範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む、
システム。
【請求項2】
前記特定アイテムは、デジタルコンテンツである、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記特定アイテムは、ゲームで用いられるゲーム内アイテムである、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記特定アイテムは、ブロックチェーン上で管理される非代替性のトークンに関連付けられている、
請求項1のシステム。
【請求項5】
前記第1範囲は、前記第1購入価格に加えて、前記第1ユーザによる前記特定アイテムの所持期間に少なくとも基づく、
請求項1のシステム。
【請求項6】
前記第1範囲は、前記特定アイテムの所持期間が長いほど、広くなる、
請求項5のシステム。
【請求項7】
前記第1範囲は、前記第1購入価格に少なくとも基づく第2範囲と、前記特定アイテムに関連付けられた第3範囲と、に基づく、
請求項1のシステム。
【請求項8】
前記第1範囲は、前記第2範囲及び前記第3範囲の共通部分、又は、和集合である、
請求項7のシステム
【請求項9】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記第2ユーザによる前記特定アイテムの出品を受け付けるステップを実行し、
前記第2ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記第1購入価格と、前記第2ユーザによる前記第1アイテムの第2購入価格と、に少なくとも基づく第4範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項10】
前記第4範囲は、前記第1購入価格に少なくとも基づく第5範囲と、前記第2購入価格に少なくとも基づく第6範囲と、に基づく、
請求項9のシステム。
【請求項11】
前記第4範囲は、前記第5範囲及び前記第6範囲の共通部分、又は、和集合である、
請求項10のシステム。
【請求項12】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記第2ユーザによる前記特定アイテムの出品を受け付けるステップを実行し、
前記第2ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記特定アイテムに関連付けられた所定価格と、前記第2ユーザによる前記第1アイテムの第2購入価格と、に少なくとも基づく第4範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む、
請求項1のシステム。
【請求項13】
前記第4範囲は、前記所定価格に少なくとも基づく第5範囲と、前記第2購入価格に少なくとも基づく第6範囲と、に基づく、
請求項12のシステム。
【請求項14】
前記第4範囲は、前記第5範囲及び前記第6範囲の共通部分、又は、和集合である、
請求項13のシステム。
【請求項15】
1又は複数のコンピュータによって実行され、アイテムの取引を管理するための方法であって、
特定アイテムの第1ユーザによる出品を受け付けるステップと、
前記第1ユーザによって出品された前記特定アイテムの第2ユーザによる購入を受け付けるステップと、を備え、
前記第1ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記第1ユーザによる前記特定アイテムの第1購入価格に少なくとも基づく第1範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む、
方法。
【請求項16】
アイテムの取引を管理するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、
特定アイテムの第1ユーザによる出品を受け付けるステップと、
前記第1ユーザによって出品された前記特定アイテムの第2ユーザによる購入を受け付けるステップと、を実行させ、
前記第1ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記第1ユーザによる前記特定アイテムの第1購入価格に少なくとも基づく第1範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムの取引を管理するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アイテムの取引を管理するための様々な技術が提案されている。例えば、下記特許文献1は、オンラインゲームにおけるゲーム内取引を活性化するためのシステムを開示している。このシステムでは、出品価格をアイテムごとに設定した複数の価格表の中から利用する価格表が指定され、指定された価格表に従ってアイテムの出品価格が設定される。こうした仕組みは、適正な出品価格の設定を促進し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のシステムでは、価格表に従って出品価格が設定されるから、ユーザによる自由な価格設定が阻害され、このことは、活発な取引の成立を抑制し得る。したがって、適正な範囲での価格設定と、当該価格設定の自由度の確保との良好なバランスの実現が望まれる。
【0005】
本発明の実施形態は、アイテムの取引における良好な価格設定を支援することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、アイテムの取引を管理するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、特定アイテムの第1ユーザによる出品を受け付けるステップと、前記第1ユーザによって出品された前記特定アイテムの第2ユーザによる購入を受け付けるステップと、を実行し、前記第1ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記第1ユーザによる前記特定アイテムの第1購入価格に少なくとも基づく第1範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、アイテムの取引を管理するための方法であって、特定アイテムの第1ユーザによる出品を受け付けるステップと、前記第1ユーザによって出品された前記特定アイテムの第2ユーザによる購入を受け付けるステップと、を備え、前記第1ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記第1ユーザによる前記特定アイテムの第1購入価格に少なくとも基づく第1範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、アイテムの取引を管理するためのプログラムであって、1又は複数のコンピュータに、特定アイテムの第1ユーザによる出品を受け付けるステップと、前記第1ユーザによって出品された前記特定アイテムの第2ユーザによる購入を受け付けるステップと、を実行させ、前記第1ユーザによる出品を受け付けるステップは、前記第1ユーザによる前記特定アイテムの第1購入価格に少なくとも基づく第1範囲内となるように、前記特定アイテムの出品価格を設定することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、アイテムの取引における良好な価格設定を支援する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る取引管理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する図。
【
図3】アイテム情報テーブル153が管理する情報を例示する図。
【
図4】取引管理テーブル155が管理する情報を例示する図。
【
図6】アイテム購入(一次流通)画面50を例示する図。
【
図8】アイテムの購入に応じてサーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【
図9】アイテム購入(二次流通)画面70を例示する図。
【
図13】アイテムの出品価格の設定可能範囲に関する範囲の設定ルールを例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る取引管理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。サーバ10は、アイテムの取引(出品及び購入)を管理する取引管理サービスを、ユーザ端末30を操作するユーザに対して提供する。取引管理サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、取引管理サーバ10のハードウェア構成について説明する。取引管理サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、
図1に示すように、本実施形態における取引管理サービスのユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル151と、取引対象のアイテムに関する情報を管理するアイテム情報テーブル153と、個別の取引に関する情報を管理する取引管理テーブル155とを有する。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、取引管理サーバ10を、取引管理サービスを提供するためのシステムの全部又は一部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の少なくとも一部は、後述する端末側プログラム42を介して、ユーザ端末30において実行されるように構成され得る。
【0018】
本実施形態において、取引管理サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成された取引管理サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、ユーザ端末30にインストールされている端末側プログラム42からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が出力される。
【0020】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。また、ストレージ35は、端末側プログラム42を記憶する。当該プログラム42は、ウェブブラウザ、又は、その他のアプリケーション(例えば、本実施形態の取引管理サービス用のアプリケーション等)として構成され、上述したように、サーバ側プログラム40の少なくとも一部を実行するように構成され得る。
【0025】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、又はパーソナルコンピュータ等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたユーザ端末30を操作するユーザは、ストレージ35等にインストールされている端末側プログラム42を介したサーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が提供する取引管理サービスを利用することができる。
【0027】
次に、このように構成された取引管理サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、管理機能制御部111、及び、取引管理部113として機能するように構成されている。
【0028】
管理機能制御部111は、サーバ10が提供する取引管理サービスの管理機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、管理機能制御部111は、当該管理機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。管理機能制御部111によって制御される管理機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、ユーザアカウントの管理等を含む。
【0029】
取引管理部113は、本実施形態における取引管理サービスを提供するための様々な処理を実行するように構成されている。例えば、取引管理部113は、当該サービスを提供するための様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30で出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。
【0030】
本実施形態において、取引管理部113は、ユーザによるアイテムの出品を受け付けるように構成されている。例えば、取引管理部113は、アイテムの出品を受け付けるための画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介して、ユーザによるアイテムの出品を受け付ける。受け付けた出品に関する情報は、例えば、取引管理テーブル155において管理される。
【0031】
また、取引管理部113は、出品されたアイテムの購入を受け付けるように構成されている。例えば、取引管理部113は、アイテムの購入を受け付けるための画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介してユーザによるアイテムの購入を受け付ける。当該画面は、例えば、複数のユーザによってそれぞれ出品されている複数のアイテムを一覧表示する。
【0032】
本実施形態において、取引管理部113は、ユーザによるアイテムの出品を受け付ける際に、当該ユーザによる当該アイテムの購入価格に少なくとも基づく範囲内となるように、当該アイテムの出品価格を設定するように構成されている。当該範囲は、出品価格の設定可能範囲と言うこともでき、典型的には、上述した購入価格を、その範囲内に含む。こうした設定可能範囲は、例えば、当該購入価格に少なくとも基づく所定ルールに従って設定される。例えば、出品価格は、アイテムの出品を受け付けるための画面を介してユーザによって入力され、当該画面は、上述した設定可能範囲内の出品価格を受け付ける一方、当該範囲外の出品価格を受け付けない(拒絶する)ように構成され得る。特定のユーザによる特定のアイテムの購入価格は、例えば、アイテム情報テーブル153又は取引管理テーブル155において管理されている。
【0033】
このように、本実施形態における取引管理サーバ10は、ユーザによるアイテムの出品を受け付ける際に、当該ユーザによる当該アイテムの購入価格に少なくとも基づく範囲内となるように、当該アイテムの出品価格を設定するから、アイテムを出品するユーザは、当該アイテムの購入価格に基づく範囲内での出品価格の設定が可能となる。この結果、適正な範囲での価格設定と、当該価格設定の自由度の確保との良好なバランスが実現され、つまり、取引管理サーバ10は、アイテムの取引における良好な価格設定を支援する。
【0034】
本実施形態における取引管理サービスにおいて、取引対象のアイテムは、様々な種類のアイテムを含み、例えば、現実の物品を含む。また、例えば、取引対象のアイテムは、電子的及び仮想的なデジタルコンテンツを含み、例えば、ゲームで用いられるゲーム内アイテムを含む。この場合、当該ゲームは、取引管理サーバ10によってユーザ端末30を操作するユーザに対して提供されるようにしてもよいし、他のサーバ等によって提供されるようにしてもよい。また、例えば、取引対象のアイテムは、ブロックチェーン上で管理される非代替性のトークン(NFT)に関連付けられるNFTアイテムを含む。こうした構成は、様々な種類のアイテムの取引における良好な価格設定の支援を可能とする。
【0035】
本実施形態において、出品価格の設定可能範囲が、対応するユーザによるアイテムの購入価格に加えて、当該ユーザによる当該アイテムの所持期間(例えば、所持日数)に少なくとも基づくようにしてもよい。特定のユーザによる特定のアイテムの所持期間は、例えば、アイテム情報テーブル153又は取引管理テーブル155等において管理されている、当該アイテムの購入日等に基づいて算出される。こうした構成は、アイテムの所持期間に基づく範囲内での価格設定を可能とする。
【0036】
例えば、ユーザによるアイテムの所持期間が長いほど、当該ユーザによる当該アイテムの出品価格の設定可能範囲が広くなるように構成され得る。こうした構成は、アイテムの所持期間が短いほど、出品価格の設定可能範囲が狭くなるから、特定のアイテムの出品価格の短期間での大幅な変動が抑制される。また、これとは反対に、アイテムの所持期間が長いほど、出品価格の設定可能範囲が狭くなるようにしてもよい。
【0037】
また、出品価格の設定可能範囲が、対応するユーザによるアイテムの購入価格に基づく範囲と、当該アイテムに関連付けられた範囲と、に基づくようにしてもよい。この場合、設定可能範囲は、例えば、これらの2つの範囲(購入価格に基づく範囲、及び、アイテムに関連付けられた範囲)の共通部分、又は、和集合として構成される。設定可能範囲が、2つの範囲の共通部分として構成される場合において、アイテムに関連付けられた範囲は、アイテムに設定された最低出品価格から最高出品価格までの範囲と言うこともできる。こうした構成は、アイテムに関連付けられた範囲に基づく範囲内での価格設定を可能とする。
【0038】
また、取引管理サーバ10は、第1ユーザが出品したアイテムを第2ユーザが購入し、当該第2ユーザが当該アイテムを出品する際に、当該第1ユーザによる当該アイテムの購入価格と、当該第2ユーザによる当該アイテムの購入価格と、に少なくとも基づく設定可能範囲内となるように、当該アイテムの出品価格を設定するように構成され得る。この場合、第2ユーザによる出品価格の設定可能範囲は、第1ユーザの購入価格に基づく範囲と、第2ユーザの購入価格に基づく範囲と、に基づくように構成することができ、例えば、これらの2つの範囲の共通部分、又は、和集合として構成される。こうした構成は、第1及び第2ユーザの各々の購入価格に基づく範囲内での価格設定を可能とする。
【0039】
また、取引管理サーバ10は、第1ユーザが出品したアイテムを第2ユーザが購入し、当該第2ユーザが当該アイテムを出品する際に、当該アイテムに関連付けられた所定価格(例えば、定価等に基づく一次流通市場における販売価格等)と、当該第2ユーザによる当該アイテムの購入価格と、に少なくとも基づく設定可能範囲内となるように、当該アイテムの出品価格を設定するように構成され得る。この場合、第2ユーザによる出品価格の設定可能範囲は、所定価格に基づく範囲と、第2ユーザの購入価格に基づく範囲と、に基づくように構成することができ、例えば、これらの2つの範囲の共通部分、又は、和集合として構成される。こうした構成は、アイテムに関連付けられた価格及び第2ユーザの購入価格に基づく範囲内での価格設定を可能とする。
【0040】
次に、このような機能を有する本実施形態の取引管理サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この例において、取引管理サーバ10が提供する取引管理サービスでは、ゲームで用いられるゲーム内アイテムの取引が管理される。当該ゲームは、取引管理サーバ10によって提供され、つまり、サーバ10は、取引管理サービスに加えて、取引対象のアイテムが用いられるゲームを提供し、サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、当該ゲームの進行を制御するためのゲーム進行制御部としても機能する。ゲーム進行制御部は、ゲームの進行を制御するための様々な処理を実行するように構成され、例えば、ゲームに関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30において出力される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。なお、本実施形態の他の例では、取引対象のアイテムが用いられるゲームは、取引管理サーバ10以外の他のサーバ等によって提供される。
【0041】
まず、この例において、各テーブルが管理する情報について説明する。
図2は、この例において、ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する。この例におけるユーザ情報テーブル151は、取引管理サービスのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」に対応付けて、アカウント名、及び、生年月日等を含む「基本情報」、「イーサリアムアドレス」、ゲーム内通貨であるポイントの保有数を示す「ポイント保有数」等の情報を管理する。この例において、ユーザアカウントは、取引管理サービスの利用に加えて、ゲームをプレイする際にも用いられる。
【0042】
この例において、取引対象となるゲーム内アイテムは、ブロックチェーンのプラットフォームであるイーサリアム上で管理されるNFTに関連付けられたNFTアイテムとして構成されている。
【0043】
図3は、この例において、アイテム情報テーブル153が管理する情報を例示する。この例におけるアイテム情報テーブル153は、取引対象であるアイテムに関する情報を管理し、図示するように、個別のアイテムを識別する「トークンID」に対応付けて、アイテムの種類を示す「アイテム種別」、一次流通の際の販売価格である「一次流通販売価格」、二次流通の際の出品価格の下限値である「最低出品価格」、二次流通の際の出品価格の上限値である「最高出品価格」、対応するアイテムをその時点で所持しているユーザを識別する「所持ユーザアカウント」、当該ユーザが当該アイテムの所持を開始した日付である「所持開始日」、当該ユーザによる当該アイテムの購入価格である「所持ユーザ購入価格」等の情報を管理する。トークンIDは、アイテムに関連付けられているNFTをイーサリアムにおいて識別し、当該NFTの発行に応じて付与される。また、この例では、アイテムの取引に用いられる通貨は、ゲーム内通貨(ポイント)であり、一次流通販売価格、最低出品価格、及び、最高出品価格には、ゲーム内通貨での価格が設定される。なお、本実施形態の他の例では、アイテムの取引に用いられる通貨として、イーサリアムにおける暗号通貨(仮想通貨)であるイーサ(ETH)が適用されてもよいし、現実の通貨が適用されてもよい。
【0044】
この例において、アイテム情報テーブル153において管理されるアイテムは、ゲームにおいて利用可能な複数のアイテムであり、ゲーム(及び、取引管理サービス)の運営者によって予め設定される。これらの複数のアイテムの各々のNFTは、サーバ10によって予め発行されており、具体的には、ゲームの運営者のイーサリアムアドレスが所有するNFTとして発行されている。また、一次流通販売価格、最低出品価格、及び、最高出品価格は、一次流通市場における販売者としてのゲームの運営者によって予め設定される。
【0045】
図4は、この例において、取引管理テーブル155が管理する情報を例示する。この例における取引管理テーブル155は、取引管理サービスにおいて行われる個別の取引に関する情報を管理し、図示するように、個別の出品を識別する「出品ID」に対応付けて、出品先が一次流通市場であるか二次流通市場であるかを示す「出品先種別」、出品対象のアイテムを識別する「トークンID」、出品者に関する情報である「出品者情報」、「出品価格」、購入者に関する情報である「購入者情報」、「購入日時」等の情報を管理する。出品者情報には、出品先が一次流通市場である場合には、一次流通市場への出品者であるゲームの運営者を識別する情報が設定され、出品先が二次流通市場である場合には、出品したユーザを識別するユーザアカウント等の情報が設定される。
【0046】
この例では、ゲームの運営者によってアイテムが一次流通市場に出品されると、当該出品が、取引管理サービス155に登録され、具体的には、当該テーブル155において新たなレコードが挿入されて、出品ID、出品先種別、トークンID、出品者情報、及び、出品価格が設定される。出品価格には、アイテム情報テーブル153において管理されている一次流通販売価格が設定される。こうした一次流通市場への出品は、典型的には、複数のアイテムについて一括して行われる。
【0047】
以上、この例において、各テーブルが管理する情報について説明した。次に、この例において、取引管理サーバ10が実行する処理、及び、ユーザ端末30において出力される画面等について説明する。
【0048】
図5は、ユーザ端末30において出力されるトップ画面45を例示する。当該画面45は、この例における取引管理サービスを利用する際の起点となる画面であり、図示するように、一次流通市場からアイテムを購入するためのオブジェクトである第1ボタン451と、二次流通市場からアイテムを購入するためのオブジェクトである第2ボタン452と、二次流通市場に対してアイテムを出品するためのオブジェクトである第3ボタン453とを有する。
【0049】
トップ画面45の第1ボタン451が選択されると、当該画面45に代えて、
図6に例示するアイテム購入(一次流通)画面50が出力される。当該画面50は、一次流通市場からアイテムを購入するための画面であり、図示するように、ゲームの運営者によって一次流通市場に出品されているアイテムを一覧表示する一覧表示領域52と、戻るボタン54とを有する。一次流通市場に出品されているアイテムは、取引管理テーブル155を参照することによって特定され、具体的には、出品先種別が「一次流通市場」であって、かつ、購入者情報及び購入日時が空白である(つまり、未購入の)出品に対応するアイテムが、一次流通市場に出品されているアイテムとして特定される。
【0050】
一覧表示領域52には、各々が個別のアイテムに対応する複数の個別表示領域521が3列で上下方向に並べて配置される。個別表示領域521は、アイテムの種類に対応する画像、トークンID、及び、販売価格(出品価格)を表示する。アイテムの種類は、アイテム情報テーブル153のアイテム種別において管理されている。
【0051】
一覧表示領域52に配置されている個別表示領域521の何れかが選択されると、
図7に例示する購入確認画面60が重ねて出力される。当該画面60は、図示するように、対応するアイテム(選択された個別表示領域521に表示されていたアイテム)に関する情報を表示する情報表示領域62と、購入ボタン64と、戻るボタン66とを有する。情報表示領域62は、対応するアイテムの種類に対応する画像、トークンID、販売価格、及び、説明文等を表示する。
【0052】
購入ボタン64は、対応するアイテムを購入するためのオブジェクトである。
図8は、購入ボタン64の選択(つまり、当該アイテムの購入)に応じてサーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。サーバ10は、まず、図示するように、アイテムの取引を登録する(ステップS100)。具体的には、取引管理テーブル155において、対応する出品の購入者情報、及び、購入日時が更新され、また、アイテム情報テーブル153において、対応するアイテムの所持ユーザアカウント、所持開始日、及び、所持ユーザ購入価格が更新される。また、ユーザ情報テーブル151において、対応するユーザのポイント保有数から、購入されたアイテムの価格に対応するポイント数が減じられる。アイテムを購入したユーザは、当該アイテムをゲームで利用することが可能となる。
【0053】
続いて、サーバ10は、購入されたアイテムに対応するNFTの取引を記録する(ステップS110)。具体的には、対応するNFTの所有者(イーサリアムアドレス)を、ゲームの運営者から対応するユーザに変更するための取引が、イーサリアムのブロックチェーン上に記録される。こうした取引の記録は、対応するスマートコントラクトを介して行われる。
【0054】
図5のトップ画面45に戻り、当該画面45の第2ボタン452が選択されると、当該画面45に代えて、
図9に例示するアイテム購入(二次流通)画面70が出力される。当該画面70は、二次流通市場からアイテムを購入するための画面であり、図示するように、取引管理サービスのユーザによって二次流通市場に出品されているアイテムを一覧表示する一覧表示領域72と、戻るボタン74とを有する。二次流通市場に出品されているアイテムは、取引管理テーブル155を参照することによって特定され、具体的には、出品先種別が「二次流通市場」であって、かつ、購入者情報及び購入日時が空白である出品に対応するアイテムが、二次流通市場に出品されているアイテムとして特定される。
【0055】
一覧表示領域72には、各々が個別のアイテムに対応する複数の個別表示領域721が3列で上下方向に並べて配置される。個別表示領域721は、アイテムの種類に対応する画像、トークンID、及び、販売価格を表示する。
【0056】
一覧表示領域72に配置されている個別表示領域721の何れかが選択されると、
図10に例示する購入確認画面80が重ねて出力される。当該画面80は、図示するように、対応するアイテム(選択された個別表示領域721に表示されていたアイテム)に関する情報を表示する情報表示領域82と、購入ボタン84と、戻るボタン86とを有する。情報表示領域82は、対応するアイテムの種類に対応する画像、トークンID、販売価格、出品者、及び、説明文等を表示する。
【0057】
また、情報表示領域82の右端には、履歴ボタン821が配置されている。当該ボタン821は、対応するアイテムの所持者の履歴(過去からその時点までの歴代の所持者の一覧)を確認するためのオブジェクトである。履歴ボタン821が選択されると、対応するアイテムの所持者の履歴を一覧表示する図示しない画面が出力される。特定のアイテムの所持者の履歴は、取引管理テーブル155のトークンID、及び、購入者情報等を参照することによって特定される。
【0058】
購入ボタン84は、対応するアイテムを購入するためのオブジェクトである。当該ボタン84が選択されると、上述した購入確認画面60の購入ボタン64が選択されたときと同様に、サーバ10によって、
図8のフローチャートに例示される、アイテムの取引の登録、及び、対応するNFTの取引の記録が行われる。
【0059】
具体的には、取引管理テーブル155において、対応する出品の購入者情報、及び、購入日時が更新され、また、アイテム情報テーブル153において、対応するアイテムの所持ユーザアカウント、所持開始日、及び、所持ユーザ購入価格が更新される。また、ユーザ情報テーブル151において、購入者のポイント保有数から、購入されたアイテムの価格に対応するポイント数が減じられると共に、出品者のポイント保有数に対して、当該ポイント数(又は、手数料に相当するポイント数が減じられたポイント数)が加算される。また、対応するNFTの所有者(イーサリアムアドレス)を、アイテムの出品者から購入者に変更するための取引が、イーサリアムのブロックチェーン上に記録される。
【0060】
図5のトップ画面45に戻り、当該画面45の第3ボタン453が選択されると、当該画面45に代えて、
図11に例示する出品アイテム選択画面90が出力される。当該画面90は、二次流通市場へアイテムを出品するための画面であり、図示するように、ユーザが所持するアイテムを一覧表示する一覧表示領域92と、価格設定ボタン94とを有する。特定のユーザが所持するアイテムは、アイテム情報テーブル153の所持ユーザアカウントを参照することによって特定される。
【0061】
一覧表示領域92には、各々が個別のアイテムに対応する複数の個別表示領域921が3列で上下方向に並べて配置される。個別表示領域921は、アイテムの種類に対応する画像、及び、トークンIDを表示する。ユーザは、一覧表示領域92において、出品対象のアイテムに対応する個別表示領域921を選択する。
【0062】
価格設定ボタン94は、出品されるアイテムの価格(出品価格)を設定するためのオブジェクトである。一覧表示領域92に配置されている個別表示領域921の何れかが選択された状態で、価格設定ボタン94が選択されると、
図12に例示する価格設定画面200が重ねて出力される。当該画面200は、図示するように、対応するアイテム(選択された個別表示領域921に表示されていたアイテム)に関する情報を表示する情報表示領域202と、出品価格を入力するための価格入力領域204と、出品ボタン206とを有する。情報表示領域202は、対応するアイテムの種類に対応する画像、トークンID、及び、説明文等を表示する。
【0063】
この例において、価格入力領域204は、出品価格の設定可能範囲内の値を入力できる一方、当該範囲外の値を入力できない(例えば、エラーメッセージが表示される。)ように構成されている。当該領域204の上側には、こうした設定可能範囲を示す情報が表示され、
図12の例では、「<500~3500ptの範囲内で価格を設定して下さい>」というテキストが表示されている。
【0064】
この例では、アイテムの出品価格の設定可能範囲として、以下の3つの範囲の共通部分が設定される。
(1)アイテムの一次流通販売価格に基づく範囲
(2)出品するユーザの購入価格に基づく範囲
(3)アイテムの最低出品価格から最高出品価格までの範囲
ここで、アイテムの一次流通販売価格、出品するユーザ(つまり、その時点の所持ユーザ)の購入価格、並びに、アイテムの最低出品価格及び最高出品価格は、アイテム情報テーブル153において管理されている。なお、出品するユーザが一次流通市場からアイテムを購入している場合には、「一次流通販売価格」及び「出品するユーザの購入価格」は同じ金額となる。
【0065】
図13は、この例における、「(1)アイテムの一次流通販売価格に基づく範囲」及び「(2)出品するユーザの購入価格に基づく範囲」の設定ルールを例示する。これらの範囲は、図示するように、アイテムの所持期間毎に、対応する価格を基準とした価格の幅として設定されている。具体的には、上述した(1)及び(2)の範囲は、所持期間が30日以内である場合には、対応する価格の±20%以内であり、所持期間が31~60日である場合には、対応する価格の±40%以内であり、所持期間が61~90日である場合には、対応する価格の±60%以内である。また、所持期間が91日以上である場合、(1)及び(2)の範囲は設定されない(この場合、「(3)アイテムの最低出品価格から最高出品価格までの範囲」が、そのまま、出品価格の設定可能範囲となる。)。アイテムの所持期間は、アイテム情報テーブル153の所持開始日に基づいて算出される。
【0066】
例えば、以下の状況を考える。
・所持期間 :40日
・一次流通販売価格 :500pt
・出品ユーザ購入価格 :400pt
・最低出品価格 :100pt
・最高出品価格 :5000pt
この状況の場合、「(1)アイテムの一次流通販売価格に基づく範囲」は、「300~700pt(500pt±40%以内)」となり、「(2)出品するユーザの購入価格に基づく範囲」は、「240~560pt(400pt±40%以内)」となり、「(3)アイテムの最低出品価格から最高出品価格までの範囲」は、「100~5000pt」となる。そして、これらの範囲の共通部分である「300~560pt」が、出品価格の設定可能範囲となる。
【0067】
本実施形態の他の例では、上述した(1)及び(2)の範囲の和集合と、(3)の範囲との共通部分が、出品価格の設定可能範囲とされる。この場合、上述した状況では、(1)及び(2)の範囲の和集合「240~700pt」と、(3)の範囲「100~5000pt」との共通部分である「240~700pt」が、出品価格の設定可能範囲となる。
【0068】
この例では、「(1)アイテムの一次流通販売価格に基づく範囲」及び「(2)出品するユーザの購入価格に基づく範囲」の設定ルールとして同じルール(
図13に例示されたルール)が適用されているが、本実施形態の他の例では、これらの設定ルールとして相互に異なるルールが適用されるようにしてもよい。
【0069】
図12の価格設定画面200に戻り、価格入力領域204に設定可能範囲内の価格が入力された状態で、出品ボタン206が選択されると、対応するアイテムが出品される。具体的には、取引管理テーブル155に新たなレコードが挿入され、出品ID、出品先種別、トークンID、出品者情報、及び、出品価格が設定される。アイテムが出品されると、当該アイテムは、アイテム購入(二次流通)画面70の一覧表示領域72において表示対象となる。
【0070】
上述した例では、アイテムの出品価格の設定可能範囲として、上述した(1)~(3)の範囲の共通部分が設定されるようにしたが、その他の方法で、出品価格の設定可能範囲が設定されるようにしてもよく、例えば、(1)の範囲を考慮せず、(2)及び(3)の範囲の共通部分が、設定可能範囲として設定されるようにしてもよい。また、上述した(1)の範囲に代えて、又は、これに加えて、「(4)出品するユーザがアイテムを購入した際の出品者(その時点の所持者の直前の所持者)による当該アイテムの購入価格に基づく範囲」が考慮されるようにしてもよい。
【0071】
上述した例では、取引対象のアイテムとしてゲーム内アイテムが適用されているが、本実施形態の他の例では、ゲーム内アイテム以外の様々なデジタルコンテンツが取引対象のアイテムとして適用され得る。また、現実の物品を、取引対象のアイテムとしてもよい。また、取引対象のアイテムは、NFTに関連付けて管理されなくてもよい。
【0072】
以上説明した本実施形態に係る取引管理サーバ10は、ユーザによるアイテムの出品を受け付ける際に、当該ユーザによる当該アイテムの購入価格に少なくとも基づく範囲内となるように、当該アイテムの出品価格を設定するから、アイテムを出品するユーザは、当該アイテムの購入価格に基づく範囲内での出品価格の設定が可能となる。この結果、適正な範囲での価格設定と、当該価格設定の自由度の確保との良好なバランスが実現され、つまり、取引管理サーバ10は、アイテムの取引における良好な価格設定を支援する。
【0073】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態における取引管理サーバ10が有する機能の一部又は全部は、取引管理サーバ10及びユーザ端末30が協動することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。
【0074】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0075】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0076】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 取引管理サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 管理機能制御部
113 取引管理部
15 ストレージ
151 ユーザ情報テーブル
153 アイテム情報テーブル
155 取引管理テーブル
30 ユーザ端末
40 サーバ側プログラム
42 端末側プログラム
45 トップ画面
50 アイテム購入(一次流通)画面
60 購入確認画面
70 アイテム購入(二次流通)画面
80 購入確認画面
90 出品アイテム選択画面
200 価格設定画面