(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055878
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240412BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162838
(22)【出願日】2022-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】522234622
【氏名又は名称】眞木 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100155985
【弁理士】
【氏名又は名称】二間瀬 覚
(72)【発明者】
【氏名】眞木 健一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】木造住宅の建築にBIMデータを有効活用することができる木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法を提供する。
【解決手段】木造住宅建築支援システム10は、木造住宅の3次元の設計情報であるBIM情報からなる設計情報を管理する設計情報管理部120と、建築資材を算出する資材算出部130と、建築工数を算出する建築工数算出部131と、建築工程を算出する建築工程算出部132とを備える。また、木造住宅建築支援システム10は、建築資材の納期データ250に基づいて発注する発注時期を算出する発注時期算出部140と、作業者の手配に要する日数としての手配データ260に基づいて手配時期を算出する手配時期算出部150とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造住宅の建築を支援する木造住宅建築支援システムであって、
前記木造住宅の3次元の設計情報であるBIM(Building Information Modeling)情報からなる設計情報を管理する設計情報管理部と、
前記設計情報から建築に要する資材である建築資材を算出する資材算出部と、
前記設計情報と前記建築資材とに基づいて建築に要する工数である建築工数を算出する建築工数算出部と、
前記設計情報と前記建築工数とに基づいて建築に要する工程である建築工程を算出する建築工程算出部と、
前記建築工程と前記建築資材と前記建築資材に対して予め定められた納品に要する日数としての納期データとに基づいて前記建築資材を発注する時期としての発注時期を算出する発注時期算出部と、
前記建築工程と前記建築資材が納品される時期と前記建築工数と予め定められた作業者の手配に要する日数としての手配データとに基づいて前記作業者を手配する時期としての手配時期を算出する手配時期算出部とを備える
ことを特徴とする木造住宅建築支援システム。
【請求項2】
前記建築工程算出部は、算出した前記建築工程に基づく工程表を作成するものであり、前記工程表には、前記発注時期と、前記手配時期との少なくとも一方が含まれる
請求項1に記載の木造住宅建築支援システム。
【請求項3】
前記発注時期算出部は、前記発注時期に間に合うように発注予告情報を出力し、手配時期算出部は、前記手配時期に間に合うように手配予告情報を出力する
請求項1又は2に記載の木造住宅建築支援システム。
【請求項4】
前記設計情報は、木造建築の外観に対応する壁部情報を有しており、前記壁部情報は、耐力構造部と、非耐力構造部とが含まれ、前記耐力構造部を構成する建築資材と、前記非耐力構造部を構成する建築資材とが含まれている
請求項3に記載の木造住宅建築支援システム。
【請求項5】
前記資材算出部は、前記建築に要する資材の算出に機械学習された建築資材データを用いること、前記建築工数算出部は、前記建築工数の算出に機械学習された建築工数データを用いること、前記建築工程算出部は、前記建築工程の算出に機械学習された建築工程データを用いること、前記発注時期算出部は、前記発注時期の算出に機械学習された納期データを用いること、及び、前記手配時期算出部は、前記手配時期の算出に機械学習された手配データを用いることの少なくとも1つを行う
請求項3に記載の木造住宅建築支援システム。
【請求項6】
前記建築資材データを前記建築に要した資材の実績に基づいて学習すること、前記建築工数データを前記建築工数の実績に基づいて学習すること、前記建築工程データを前記建築工程の実績に基づいて学習すること、前記納期データを前記納品に要した日の実績に基づいて学習すること、及び、前記手配データを手配に要した日数の実績に基づいて学習することの少なくとも1つを行う実績学習部を備える
請求項5に記載の木造住宅建築支援システム。
【請求項7】
木造住宅の建築を支援する木造住宅建築支援装置であって、
前記木造住宅の3次元の設計情報であるBIM(Building Information Modeling)情報からなる設計情報を管理する設計情報管理部と、
前記設計情報から建築に要する資材である建築資材を算出する資材算出部と、
前記設計情報と前記建築資材とに基づいて建築に要する工数である建築工数を算出する建築工数算出部と、
前記設計情報と前記建築工数とに基づいて建築に要する工程である建築工程を算出する建築工程算出部と、
前記建築工程と前記建築資材と前記建築資材に対して予め定められた納品に要する日数としての納期データとに基づいて前記建築資材を発注する時期としての発注時期を算出する発注時期算出部と、
前記建築工程と前記建築資材が納品される時期と前記建築工数と予め定められた作業者の手配に要する日数としての手配データとに基づいて前記作業者を手配する時期としての手配時期を算出する手配時期算出部とを備える
ことを特徴とする木造住宅建築支援装置。
【請求項8】
木造住宅の建築を支援する木造住宅建築支援方法であって、
前記木造住宅の3次元の設計情報であるBIM(Building Information Modeling)情報からなる設計情報を管理する設計情報管理工程と、
前記設計情報から建築に要する資材である建築資材を算出する資材算出工程と、
前記設計情報と前記建築資材とに基づいて建築に要する工数である建築工数を算出する建築工数算出工程と、
前記設計情報と前記建築工数とに基づいて建築に要する工程である建築工程を算出する建築工程算出工程と、
前記建築工程と前記建築資材と前記建築資材に対して予め定められた納品に要する日数としての納期データとに基づいて前記建築資材を発注する時期としての発注時期を算出する発注時期算出工程と、前記建築工程と前記建築資材が納品される時期と前記建築工数と予め定められた作業者の手配に要する日数としての手配データとに基づいて前記作業者を手配する時期としての手配時期を算出する手配時期算出工程とを備える
ことを特徴とする木造住宅建築支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木造住宅建築支援システムとして、特許文献1に記載のような木造住宅建築支援システムが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の木造住宅建築支援システムは、住宅のCADシステムと住宅部材の生産管理システムとを連携させ、設計から受発注、生産管理、施工などの各工程に関わる関連情報をネットワーク上で一元的に管理して、ユーザーやメーカーに利用可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、3次元CADを利用して建物の設計が行われることも多くなってきている。例えば、特許文献1に記載のシステムなどは、CADの設計情報をより高度に利用することを提案している。
【0006】
ところで、3次元CAD用の設計情報としては、BIM(Building Information Modeling)データを利用することが知られている。BIMデータは、建物の建築に必要とされるほとんどの情報を詳細に含むことができるため、BIMデータの有効利用により、設計や建築にかかる負担の軽減が期待されている。その一方、設計の都度、詳細な情報からなるBIMデータを作成することになることは現実的ではない。そこで、BIMデータを利用する設計は、基本的な設計用パーツや、設計用パーツの蓄積が容易である設計対象に偏る傾向にある。
【0007】
例えば、設計の自由度が高いため施主の個性が反映されたり、宅地形状や規制等があったりするために結局のところオリジナル設計となる割合の高い木造住宅は、オリジナル性の高い設計データが蓄積されても再利用される可能性が低い。そのため、木造住宅にあっては、設計データをBIMデータとして再利用できるように蓄積して設計や建築をより規格化することによる設計の効率化が進んでいるとは言い難い。このようなことから、木造住宅の建築においてBIMデータが有効活用されていない。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、木造住宅の建築にBIMデータを有効活用することができる木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する木造住宅建築支援システムは、木造住宅の建築を支援する木造住宅建築支援システムであって、前記木造住宅の3次元の設計情報であるBIM(Building Information Modeling)情報からなる設計情報を管理する設計情報管理部と、前記設計情報から建築に要する資材である建築資材を算出する資材算出部と、前記設計情報と前記建築資材とに基づいて建築に要する工数である建築工数を算出する建築工数算出部と、前記設計情報と前記建築工数とに基づいて建築に要する工程である建築工程を算出する建築工程算出部と、前記建築工程と前記建築資材と前記建築資材に対して予め定められた納品に要する日数としての納期データとに基づいて前記建築資材を発注する時期としての発注時期を算出する発注時期算出部と、前記建築工程と前記建築資材が納品される時期と前記建築工数と予め定められた作業者の手配に要する日数としての手配データとに基づいて前記作業者を手配する時期としての手配時期を算出する手配時期算出部とを備える。
【0010】
上記課題を解決する木造住宅建築支援装置は、木造住宅の建築を支援する木造住宅建築支援装置であって、前記木造住宅の3次元の設計情報であるBIM(Building Information Modeling)情報からなる設計情報を管理する設計情報管理部と、前記設計情報から建築に要する資材である建築資材を算出する資材算出部と、前記設計情報と前記建築資材とに基づいて建築に要する工数である建築工数を算出する建築工数算出部と、前記設計情報と前記建築工数とに基づいて建築に要する工程である建築工程を算出する建築工程算出部と、前記建築工程と前記建築資材と前記建築資材に対して予め定められた納品に要する日数としての納期データとに基づいて前記建築資材を発注する時期としての発注時期を算出する発注時期算出部と、前記建築工程と前記建築資材が納品される時期と前記建築工数と予め定められた作業者の手配に要する日数としての手配データとに基づいて前記作業者を手配する時期としての手配時期を算出する手配時期算出部とを備える。
【0011】
上記課題を解決する木造住宅建築支援方法は、木造住宅の建築を支援する木造住宅建築支援方法であって、前記木造住宅の3次元の設計情報であるBIM(Building Information Modeling)情報からなる設計情報を管理する設計情報管理工程と、前記設計情報から建築に要する資材である建築資材を算出する資材算出工程と、前記設計情報と前記建築資材とに基づいて建築に要する工数である建築工数を算出する建築工数算出工程と、前記設計情報と前記建築工数とに基づいて建築に要する工程である建築工程を算出する建築工程算出工程と、前記建築工程と前記建築資材と前記建築資材に対して予め定められた納品に要する日数としての納期データとに基づいて前記建築資材を発注する時期としての発注時期を算出する発注時期算出工程と、前記建築工程と前記建築資材が納品される時期と前記建築工数と予め定められた作業者の手配に要する日数としての手配データとに基づいて前記作業者を手配する時期としての手配時期を算出する手配時期算出工程とを備える。
【0012】
このような構成によれば、設計情報であるBIMデータから、建築工程と建築資材とが得られる。建築資材を発注する時期が、建築工程と建築資材と建築資材に対して予め定められた納品に要する日数とに基づいて算出されるようになる。つまり、建築資材の適時発注、適時手配ができるようになる。例えば、複数の建築現場を管理している現場監督の業務が支援される。これにより、木造住宅の建築にBIMデータを有効活用することができるようになる。また、作業者の手配時期が、建築工程と建築資材が納品される時期と建築工数とに基づいて算出されるようになる。
【0013】
好ましい構成として、前記建築工程算出部は、算出した前記建築工程に基づく工程表を作成するものであり、前記工程表には、前記発注時期と、前記手配時期との少なくとも一方が含まれる。
【0014】
このような構成によれば、工程表に、発注時期や手配時期が含まれることから、この工程表を利用すれば、建築現場の作業の進捗に合わせて必要なときに建築資材が準備される。また、建築現場の作業の進捗に合わせて必要なときに作業者が手配されて建築資材を用いた作業ができるようになる。工程表に含まれていれば、共有する関係者が認識することができるため、現場監督等の手配忘れのおそれなども低減させることができる。
【0015】
好ましい構成として、前記発注時期算出部は、前記発注時期に間に合うように発注予告情報を出力し、手配時期算出部は、前記手配時期に間に合うように手配予告情報を出力する。
【0016】
このような構成によれば、発注予告情報が出力されるので、発注時期に間に合うように発注をすることができるようになる。また手配予告情報が出力されるので、手配時期に間に合うように手配することができるようになる。
【0017】
好ましい構成として、前記設計情報は、木造建築の外観に対応する壁部情報を有しており、前記壁部情報は、耐力構造部と、非耐力構造部とが含まれ、前記耐力構造部を構成する建築資材と、前記非耐力構造部を構成する建築資材とが含まれている。
【0018】
このような構成によれば、耐力構造部を構成する建築資材と、非耐力構造部を構成する建築資材とが、壁部情報に含まれている。木造建物の外観に選択で定まる壁部情報からでも、建築資材、建築工数、建築工数、発注時期又は手配時期が算出できるようになる。
【0019】
好ましい構成として、前記資材算出部は、前記建築に要する資材の算出に機械学習された建築資材データを用いること、前記建築工数算出部は、前記建築工数の算出に機械学習された建築工数データを用いること、前記建築工程算出部は、前記建築工程の算出に機械学習された建築工程データを用いること、前記発注時期算出部は、前記発注時期の算出に機械学習された納期データを用いること、及び、前記手配時期算出部は、前記手配時期の算出に機械学習された手配データを用いることの少なくとも1つを行う。
【0020】
このような構成によれば、建築資材データ、建築工数データ、建築工程データ、納期データ及び手配データの少なくとも1つが機械学習されるようになる。つまり、建築資材データ、建築工数データ、建築工程データ、納期データ及び手配データ等が学習値であることで、初期設定だけにとらわれることなく、これらの値をより適切な値とすることができて、建築資材、建築工数、建築工程、発注時期、手配時期がより適切に求められるようになる。
【0021】
好ましい構成として、前記建築資材データを前記建築に要した資材の実績に基づいて学習すること、前記建築工数データを前記建築工数の実績に基づいて学習すること、前記建築工程データを前記建築工程の実績に基づいて学習すること、前記納期データを前記納品に要した日の実績に基づいて学習すること、及び、前記手配データを手配に要した日数の実績に基づいて学習することの少なくとも1つを行う実績学習部を備える。
【0022】
このような構成によれば、建築資材データ、建築工数データ、建築工程データ、納期データ、又は、手配データが学習されるようになる。こうして、学習された上記各データは、設計情報に基づく建築であれば後の建築に学習結果が反映されるようになる。例えば、設計情報に基づいて算出される、建築資材、建築工数、建築工数、発注時期又は手配時期がより適切に算出することができるようになる。
【0023】
例えば、自由に設計された住宅では、資材の見積もりをゼロベースで行うことになる。そうなると、資材にどの程度の余裕が必要であるかこの設計での実績がないことから、発注が多めになる傾向にある。資材の余裕は、工務店には不都合はない一方、施主には費用負担の増加となり、社会的には廃棄物の増加を招く。
【0024】
また、自由に設計された住宅では、設計に未知な部分が含まれることから建築工数にどの程度の余裕が必要であるかこの設計での実績がないことから、手配する工数も多めになる傾向にある。工数の余裕も、工務店には不都合はない一方、施主には費用負担の増加になり、作業者は不要な拘束時間が他の案件の受注機会の損失にもなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、木造住宅の建築にBIMデータを有効活用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態における木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法を模式的に示すフローチャート。
【
図2】同実施形態における木造住宅建築支援システムのシステム構造を模式的に示す模式図。
【
図3】同実施形態における建築支援サーバの構成を模式的に示す模式図。
【
図4】同実施形態における設計情報に含まれる資材の一例を説明する説明図であって、(a)連続壁の資材を説明する説明図、(b)壁端部の資材を説明する説明図、(c)壁角部の資材を説明する説明図。
【
図5】同実施形態における設計情報に含まれる資材情報の一例を説明する説明図。
【
図6】同実施形態における設計情報に含まれる資材情報の一例を説明する説明図。
【
図7】同実施形態における建築工数算出工程の一例を示すフローチャート。
【
図8】同実施形態における建築工程算出工程の一例を示すフローチャート。
【
図9】同実施形態における工事内容の日割工程表の一例を模式的に示す模式図。
【
図10】同実施形態における工事内容の時間割工程表の一例を模式的に示す模式図。
【
図11】同実施形態における発注時期算出工程の一例を示すフローチャート。
【
図12】同実施形態における手配時期算出工程の一例を示すフローチャート。
【
図13】同実施形態における学習工程の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1~
図13を参照して、木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法の一実施形態について説明する。なお、本実施形態では木造住宅は3次元CADを利用した3次元情報として設計されるものであり、3次元情報としてBIMデータが利用されているものとする。例えば、BIMは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略語である。
【0028】
図1に示すように、木造住宅建築支援システムは、木造住宅建築支援方法における処理手順の一例として、3次元設計工程(ステップS100)と、資材算出工程(ステップS110)と、建築工数算出工程(ステップS120)と、建築工程算出工程(ステップS130)と、工程表作成工程(ステップS131)とを含んでいる。また、木造住宅建築支援システムは、発注時期算出工程(ステップS140)と、手配時期算出工程(ステップS150)と、予告工程(ステップS170)とを含んでいる。
【0029】
木造住宅建築支援方法の処理手順について概要を説明すると、3次元設計工程(ステップS100)は、木造住宅を3次元CADで設計して3次元の設計情報を作成する工程である。また、資材算出工程(ステップS110)は、木造住宅の3次元設計情報から建築工事における工事内容毎に、その建築に必要となる建築資材を算出する工程である。
【0030】
建築工数算出工程(ステップS120)は、3次元設計情報から得られた建築資材などに基づいて、工事内容に対応する建築に必要な工数を算出する工程である。
【0031】
建築工程算出工程(ステップS130)は、3次元設計情報から得られた工事内容に必要な建築工数などに基づいて工事内容の施工時期の計画である建築工程を算出する工程である。建築工程算出工程では、建築工事の稼働日や稼働時間、予備日などを考慮して各工事内容を時系列的に配置させた工程が作成されてもよい。工程は、工事内容を日ごとに示す日割工程や、工事内容を1日のうちの時間でします時間割工程が含まれてよい。工程には、工事内容の工程の他に、建築工事に関係ある事項が含まれていてもよい。建築工事に関係ある事項としては、例えば、建築工数、発注時期、手配時期が挙げられる。
【0032】
工程表作成工程(ステップS131)は、算出された建築工程に基づいて工程表を作成する工程である。工程表には、日割工程表や、時間割工程表が含まれてよい。工程表には、工事内容の工程、建築工数、発注時期、手配時期などが含まれていてもよい。
【0033】
発注時期算出工程(ステップS140)は、建築資材を発注しなければならない時期である発注時期を算出する工程である。手配時期算出工程(ステップS150)は、作業者を手配しなければならない時期である手配時期を算出する工程である。
【0034】
予告工程(ステップS170)は、発注時期や手配時期を予告する工程である。建築工程に基づいて定められた発注時期や手配時期が予告されるので、建築工程が滞りなく進行するように建築資材の発注や作業者の手配が行えるようになる。つまり、建築資材の発注や作業者の手配の最適化が図られ、発注時期や手配時期が早かったり、遅かったりすることで建築現場に生じる煩雑な作業などが低減されるようなる。
【0035】
図2に示すように、木造住宅建築支援システム10は、情報伝達可能なネットワークNWに接続されている。ネットワークNWには、複数の情報処理装置が情報通信可能に接続されている。情報処理装置の一例は、コンピュータやサーバ、タブレット端末などである。複数の情報処理装置は、建築支援サーバ11、取引先端末21、取引先端末31、施主端末41、工務店端末51、工務店端末61が挙げられる。
【0036】
例えば、木造住宅建築支援システム10に含まれる建築支援サーバ11は、入力部12と出力部13とが設けられている。
【0037】
入力部12は、入力情報や通信情報が入力されるものであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイクからの情報やコンピュータ間の通信情報が入力される。
【0038】
出力部13は、画像や音声などの情報や通信情報が出力されるものであり、例えば、画像の画面出力、音声出力やコンピュータ間の通信情報が出力される。
【0039】
建築支援サーバ11の入力部12と同様に、取引先端末21の入力部22、取引先端末31の入力部32、施主端末41の入力部42、工務店端末51の入力部52、及び工務店端末61の入力部62は、操作や情報通信によって情報が入力されるものであることから詳しい説明は割愛する。
【0040】
取引先端末21の出力部23、取引先端末31の出力部33、施主端末41の出力部43、工務店端末51の出力部53、及び工務店端末61の出力部63は、建築支援サーバ11の出力部13に例示した機能のうちの少なくとも1つを有していればよく詳しい説明は割愛する。
【0041】
各入力部22、32、42、52、62は、建築支援サーバ11の出力部13からの通信情報が入力され、その入力された通信情報に基づく画像や音声などの情報が各出力部23、33、43、53、63から出力されてもよい。
【0042】
また、各入力部22、32、42、52、62は、入力された操作情報を各出力部23、33、43、53、63から通信情報として出力し、その出力した通信情報が建築支援サーバ11の入力部12から建築支援サーバ11に入力されてもよい。
【0043】
図3に示すように、建築支援サーバ11は、入力部12、出力部13及び情報処理装置14を備えている。情報処理装置14は、建築支援サーバ11において情報処理の機能を発揮させる部分であり、例えば、中央演算装置、揮発性メモリ、不揮発性メモリ及び入出力インターフェースを有している。入出力インターフェースは、入力部12、出力部13及び記憶部200等と情報通信可能に接続されている。
【0044】
建築支援サーバ11は、3次元設計部110、設計情報管理部120、資材算出部130、建築工数算出部131、建築工程算出部132、発注時期算出部140、手配時期算出部150、実績入力部160、実績学習部170及び実績反映部180を含んでいる。これら3次元設計部110、設計情報管理部120、資材算出部130、建築工数算出部131、建築工程算出部132、発注時期算出部140、手配時期算出部150、実績入力部160、実績学習部170及び実績反映部180は、情報処理装置14におけるプログラム処理により具現化された機能であってもよい。
【0045】
建築支援サーバ11は、内部ストレージや外部ストレージ又はそれらの組合せからなる記憶部200を有している。記憶部200は、情報処理装置14による操作によって記憶情報の取得、更新、追加、消去などが可能になっている。
【0046】
記憶部200には、3次元データ210、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250、手配データ260、工程表データ280及び学習用データ290が記憶されている。
【0047】
入力部12は、建築支援サーバ11が各種の情報を入力する部分である。詳述すると、入力部12は、人等の操作に基づいて情報が入力されるユーザインターフェースや、通信などにより情報を入力するインターフェースから情報が入力される。また、入力部12は、キーボードやマウス、タッチパネル、マイク、各種のセンサーなどの入力機器を少なくとも1つ含んでもよい。
【0048】
本実施形態では、入力部12は、3次元設計部110、設計情報管理部120、資材算出部130、建築工数算出部131、建築工程算出部132、発注時期算出部140、手配時期算出部150、実績入力部160、実績学習部170及び実績反映部180に対応して選択や更新の指示を可能な入力機器を含んでいる。
【0049】
出力部13は、建築支援サーバ11が各種の情報を出力する部分である。詳述すると、出力部13は、画像や音声などの人が認知できる情報を出力するユーザインターフェースや、通信などにより情報を出力するインターフェースである。また、出力部13は、画像を出力するモニターや、音声を出力するスピーカーなどの出力機器を少なくとも1つ含んでいてもよい。
【0050】
本実施形態では、出力部13は、3次元設計部110、設計情報管理部120、資材算出部130、建築工数算出部131、建築工程算出部132、発注時期算出部140、手配時期算出部150、実績入力部160、実績学習部170及び実績反映部180からの情報を必要に応じて画像として表示させる表示装置を含んでいる。
【0051】
表示装置は、操作に対応して、日割工程表や、時間割工程表などの工程表を表示させることができてもよい。出力部13は、操作に対応して、日割工程表や、時間割工程表などの工程表を電子情報として転送させたり、印字装置から印刷させたりすることができてもよい。
【0052】
3次元設計部110は、木造住宅を3次元CADで設計して3次元の設計情報を作成する。3次元設計部110で作成された3次元設計情報には、設計された木造住宅の情報、例えば、配置計画、住宅外観、間取り、屋根や外壁等の外装、内壁や床、設備等の内装などが含まれている。
【0053】
設計情報管理部120は、木造住宅の3次元の設計情報であるBIM(Building Information Modeling)情報からなる設計情報を管理する。
【0054】
資材算出部130は、木造住宅の3次元設計情報から建築に要する資材である建築資材を算出する。建築資材として、建築工事における工事内容毎に必要なものが算出される。
【0055】
建築工数算出部131は、木造住宅の3次元設計情報と建築資材とに基づいて建築に要する工数である建築工数を算出する。詳述すると、3次元設計情報から得られた建築資材と工事内容とから、工事内容毎に必要な工数が算出される。
【0056】
建築工程算出部132は、3次元設計情報と建築工数とに基づいて建築に要する工程である建築工程を算出する。詳述すると、3次元設計情報に基づく建築工事の工事内容と、その工事内容に必要であると算出される工数とから、各工事内容を時系列的に配置して着手時期を計画した建築工程を算出する。また、建築工程算出部132は、算出された建築工程に基づいて、建築工事の稼働日や稼働時間、予備日などを考慮して各工事内容を時系列的に配置させた工程を作成する。
【0057】
さらに、建築工程算出部132は、算出した建築工程に基づく工程表を作成する。工程表の一例として、日割工程表や、時間割工程表などが挙げられる。工程表には、発注時期算出部140で算出される発注時期と、手配時期算出部150で算出される手配時期との少なくとも一方が含まれてもよい。
【0058】
発注時期算出部140は、算出された建築工程と算出された建築資材と建築資材に対して予め定められた納品に要する日数としての納期データ250とに基づいて建築資材を発注する時期としての発注時期を算出する。発注時期は、例えば、建築工程に基づく工事内容の着手時期と、その工事内容に必要な建築資材の納期データとに基づいて、着手時期に先立って納入されるように算出される。また、発注時期算出部140は、発注時期に間に合うように発注予告情報を出力してもよい。
【0059】
手配時期算出部150は、建築工程と建築資材が納品される時期と建築工数と予め定められた作業者の手配に要する日数としての手配データ260とに基づいて作業者を手配する時期としての手配時期を算出する。手配時期は、例えば、建築工程に基づく工事内容の着手時期と、建築工数から得られるその工事内容に必要な工数と、その工事の作業者の手配に必要な期間である手配データとに基づいて、作業者を手配しなければならない時期である手配時期を算出する。また、手配時期算出部150は、手配時期に間に合うように手配予告情報を出力してもよい。
【0060】
実績入力部160は、工事内容毎に使用した建築資材、作業に要した工数、工事内容に着手した時期、建築資材が入荷した日、作業者を手配した日と作業者を手配できた日、手配開始までに要した時間などが入力される。
【0061】
なお、本実施形態では、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260やこれらのデータに含まれる情報であって工程表データ280の算出に利用される情報を初期設定値とし、初期設定値と実績値とを学習して初期設定値を更新する情報を学習値と記す。
【0062】
実績学習部170は、作成された建築工程の初期設定値と、その建築工程に対する実績として実績入力部160から入力された実績値などの情報とに基づいて、建築工程の算出に関連する各種データについてコンピュータ学習を行う。
【0063】
詳述すると、実績学習部170は、例えば、建築資材データ220を建築資材の実績に基づいて学習すること、建築工数データ230を建築工数の実績に基づいて学習すること、建築工程データ240を建築工程の実績に基づいて学習すること、納期データ250を納品に要した日の実績に基づいて学習すること、及び、手配データ260を手配に要した日数の実績に基づいて学習することの少なくとも1つを行う。
【0064】
実績反映部180は、実績学習部170でコンピュータ学習された結果の各種データ、つまり学習値を、学習対象である各種データの学習前データ、つまり初期設定値に反映させることで、学習対象である各種データを学習後データとさせる。実績反映部180は、コンピュータ学習された結果の各種学習値の初期設定値への反映を、1つの木造住宅の建築後に行ってもよいし、複数の木造住宅の建築後に行ってもよいし、1つの木造住宅の建築中に適宜行ってもよい。例えば、学習後データが新たな初期設定値とされる。
【0065】
記憶部200は、資材算出部130、建築工数算出部131、建築工程算出部132、発注時期算出部140及び手配時期算出部150、実績入力部160、実績学習部170及び実績反映部180から情報の記憶、読み取りなどの操作が可能であってよい。
【0066】
記憶部200に記憶されているデータについて説明する。
【0067】
3次元データ210は、木造住宅に対応する3次元CAD用の設計情報である。3次元データ210は、蓄積されたBIMデータを利用して3次元CADで設計された木造住宅のデータである。本実施形態では、3次元データ210は、3次元設計部110や設計情報管理部120から参照されてもよい。
【0068】
BIMデータは、建材などの要素に対応するオブジェクトの集合体である。よって、BIMデータは、木造住宅の建築に必要な設計情報を含んでいる。具体的には、BIMデータは、設計用パーツの情報として、建築資材の情報を有し、建築資材として、幅、奥行き、高さ等の寸法とともに、素材や性能等の仕様、組み立て工程、組み立て工数なども含んでいてもよい。つまり、BIMデータで設計された木造住宅は、図面に記載される以外の情報を多く含んでおり、それら含まれる多くの情報を参照することができる。
【0069】
また、BIMデータは、設備機器等が含まれていてもよい。設備機器には、その仕様とともに、品番、メーカー、価格なども含まれてよい。なお、BIMデータは、建築資材の情報について建築資材データ220を参照するようにしていてもよい。
【0070】
例えば、3次元データ210は、木造建築の外観に対応する壁部情報を有しており、壁部情報は、耐力構造部と、非耐力構造部とが含まれ、耐力構造部を構成する建築資材と、非耐力構造部を構成する建築資材とが含まれている。
【0071】
建築資材データ220は、資材算出工程(
図1のステップS110)で使用されるデータを含んでいる。建築資材データ220は、例えば、木造住宅の屋根や外壁等の外装、内壁や床等の内装などの仕様に対応するデータを含んでいる。
【0072】
また、建築資材データ220は、例えば、屋根材のデータ、床のデータ、壁のデータ、設備のデータなどを含んでいる。例えば、屋根材のデータには、瓦の種類や寸法や仕様を含む。床のデータには、床板の寸法や仕様を含む。壁のデータには、内装や外装用の壁材やそれらの寸法や仕様、壁紙の寸法や仕様を含む。設備のデータには、設備の寸法、仕様、付属品や設置条件を含む。
【0073】
建築工数データ230は、建築工数算出工程(
図1のステップS120)で使用されるデータを含んでいる。建築工数データ230は、例えば、木造住宅の3次元設計情報から得られた建築資材と工事内容とから工事内容毎に必要な工数を算出するために必要な情報を含んでいる。
【0074】
建築工程データ240は、建築工程算出工程(
図1のステップS130)で使用されるデータを含んでいる。建築工程データ240は、例えば、建築工事の工事内容とその工事内容に必要な工数とから、各工事内容を時系列的に配置して着手時期を計画した建築工程を算出するために必要な情報を含んでいる。
【0075】
納期データ250は、発注時期算出工程(
図1のステップS140)で使用されるデータを含んでいる。納期データ250は、例えば、建築工事の工事内容に必要な建築資材と、その工事内容の着手時期とに基づいて、建築資材を発注しなければならない時期である発注時期を算出するために必要な情報を含んでいる。
【0076】
手配データ260は、手配時期算出工程(
図1のステップS150)で使用されるデータを含んでいる。手配データ260は、例えば、建築工事の工事内容に必要な工数と、その工事内容の着手時期とに基づいて、作業者を手配しなければならない時期である手配時期を算出するために必要な情報を含んでいる。
【0077】
工程表データ280は、工程表作成工程(
図1のステップS131)で使用されるデータを含んでいる。工程表データ280は、算出された建築工程に基づいて、建築工事の稼働日や稼働時間、予備日などを考慮して各工事内容を時系列的に配置させた工程表を作成するために必要な情報を含んでいる。
【0078】
学習用データ290は、実績学習部170で使用されるデータを含んでいる。学習用データ290は、実績入力部160から入力された工事内容毎の建築資材、工数、着手時期、建築資材の発注日時と入荷日時、作業者の手配開始日時や手配完了日時、作業時間などの実績が含まれる。また、学習用データ290は、実績学習部170で必要とされる情報を含んでいる。
【0079】
図4(a)~(c)を参照して、建築資材データ220として、例えば、木造住宅の壁について、壁部情報としての、外壁等の外装や、内壁の内装、仕様に対応するデータを含んでいることについて説明する。また、壁部情報としての壁のデータには、内装や外装用の壁材、壁紙の寸法や仕様が含まれていてもよい。
【0080】
図4(a)を参照して、第1の壁部400は、柱401と、柱401の右側に配置されている第1の壁構造部402と、柱401の左側に配置されている第2の壁構造部403とを有している。
【0081】
図4(b)を参照して、第2の壁部420は、柱401と、柱401の右側に配置される第3の壁構造部423と、柱401の左側に配置される終端構造部422とを有している。
【0082】
図4(c)に示される、第3の壁部440は、柱401と、柱401の右側に配置される第4の壁構造部442と、柱401の下側に配置される第5の壁構造部443とを有している。
【0083】
例えば、木造住宅の壁部の構造については、地域、地目や用途地域などで規格が相違したりするがここでは一例を提示する。規格が相違する地域としては、例えば降雪地域と降雪地域以外とが挙げられる。
【0084】
図4(a)を参照して、第1の壁部400は、屋内(
図4において下側)と屋外(
図4において上側)とを仕切る壁である。第1の壁構造部402と第2の壁構造部403とは柱401を挟んで左右に直線的に配置されている。第1の壁構造部402は非耐力構造部であり、第2の壁構造部403は耐力構造部である。
【0085】
建築資材データ220として、柱401は、例えば、正方形の一辺の寸法が120mmであることなど、寸法等の仕様が含まれている。なお、建築資材データ220には、作業工数や納期が含まれていてもよく、以下の各建築材料についても同様である。
【0086】
建築資材データ220として、第1の壁構造部402は、内壁411、断熱材412、木材下地413、胴縁414、外壁415を有することが含まれている。
【0087】
詳述すると、内壁411は、厚さ12.5mmの石膏ボードであり、柱401から隣接する柱までの間に必要とされる寸法等の仕様が含まれている。断熱材412は、柱401と隣接する柱との間に形成される空間への充填に必要なグラスウールの寸法等の仕様が含まれている。
【0088】
また、木材下地413は、板厚15mmであり、柱401から隣接する柱までに必要とされる寸法等の仕様が含まれている。胴縁414は、厚さ15mm、幅45mmであり、柱401から隣接する柱までに必要とされる寸法等の仕様が含まれている。外壁415は、金属製のサイディングであり、柱401から隣接する柱までに必要とされる寸法等の仕様が含まれている。
【0089】
建築資材データ220として、第2の壁構造部403は、第1の壁構造部402と同様の内壁411、断熱材412、木材下地413、胴縁414、外壁415を有することに加えて、耐力面材416、受材417とを有することが含まれている。耐力面材416は、板厚15mmであり、柱401と隣接する柱との間に嵌め込み可能なサイズとしての寸法等の仕様が含まれている。受材417は、屋内側の耐力面材416の面と柱401の面とが面一になるように、耐力面材416を柱401に固定接続させるように柱401の側面に突設される木材であり、厚さ45mm、幅90mmであることなど寸法等の仕様が含まれている。
【0090】
図4(b)を参照して、第2の壁部420は、屋外まで延設された壁の端部であり、柱401を覆う終端構造部422と、第3の壁構造部423とは屋外に配置されている。第3の壁構造部423は、非耐力構造部である。
【0091】
建築資材データ220として、第3の壁構造部423は、
図4において下から上に向けて順に、外壁415、胴縁414、木材下地413、胴縁414、外壁415から構成されている。なお、胴縁414と木材下地413との間には空間が含まれている。そして外壁415は、金属製のサイディングであり、図示しない隣接する柱から柱401の側面に達する位置までに必要となる寸法等の仕様が含まれている。胴縁414は、サイズが15mm×45mmであり、図示しない隣接する柱から柱401の側面に達する位置からまで必要とされる寸法等の仕様が含まれている。木材下地413は、板厚が15mmであり、柱401の一面に覆い重なるような位置から隣接する柱まである必要とされる寸法等の仕様が含まれている。
【0092】
建築資材データ220として、終端構造部422は、第3の壁構造部423から延設された木材下地413が柱401の一端面を覆うとともに、柱401の終端面を覆う木材下地413aと、第3の壁構造部423から延設された胴縁414よりも柱401の終端側にそれぞれ配置される終端用の第1の胴縁434とを有している。また、終端構造部422は、第1の胴縁434と直交し柱401の終端面側おいて木材下地413aに重なるように設けられる第2の胴縁434aと、第1の胴縁434を覆う端外壁415aと端外壁415bと、第2の胴縁434aを覆う終端外壁435とを有している。
【0093】
また、終端構造部422は、終端外壁435と端外壁415aとの突合せ部分、及び、終端外壁435と端外壁415bとの突合せ部分にそれぞれ配置される出隅下地436と、終端外壁435と端外壁415aと出隅下地436を覆う、及び終端外壁435と端外壁415bと出隅下地436を覆う出隅キャップ437とを有している。また、終端構造部422は、各端外壁415a,415bと終端外壁435と出隅キャップ437との間にコーキング438を有している。
【0094】
建築資材データ220として、端外壁415a(415b)は、一端が外壁415に接続可能に構成され、他端が終端となる金属製のサイディングであり、隣接する外壁415に接続されて少なくとも柱401の終端面に到達する寸法等の仕様が含まれている。終端外壁435は、外壁415と同様の金属製のサイディングであり、柱401の終端面を覆うために必要とされる寸法等の仕様が含まれている。
【0095】
第1の胴縁434は、厚さ15mm、幅45mmであり、柱401の側面に固定可能となる寸法等の仕様が含まれている。第2の胴縁434aは、厚さ15mm、幅45mmであり、柱401の終端面に固定可能となる寸法等の仕様が含まれている。
【0096】
建築資材データ220として、出隅下地436は、柱401の終端面に隣接するそれぞれの角部で、直交配置される終端外壁435と端外壁415a(415b)との間に配置される部材であり、縦長さが終端外壁435又は端外壁415a(415b)の長さと同様であるなどの寸法等の仕様が含まれている。
【0097】
出隅キャップ437は、終端外壁435、端外壁415a(415b)及び出隅下地436を覆うことができる幅及び長さであるなどの寸法等の仕様が含まれている。コーキング438は、終端外壁435、端外壁415a(415b)及び出隅キャップ437との対向面に配置できる量であることなどの寸法等の仕様が含まれている。
【0098】
図4(c)を参照して、第3の壁部440は、屋内と屋外とを仕切る壁であって、非耐力構造部としての第4の壁構造部442と、第5の壁構造部443とが直角に接続される壁部である。
【0099】
建築資材データ220として、第4の壁構造部442は、内壁411、断熱材412、木材下地413、胴縁414、外壁415及び端外壁415aを含んでいる。第5の壁構造部443は、内壁411、断熱材412、木材下地413、胴縁414、外壁415及び端外壁415bを含んでいる。
【0100】
建築資材データ220として、角部444は、第4の壁構造部442の木材下地413の端部と、第5の壁構造部443の木材下地413の端部とが屋外で突き合わされているとともに、第4の壁構造部442の第1の胴縁434の端部と第5の壁構造部443の第1の胴縁434の端部とが屋外で突き合わされていることを含んでいる。また、角部444は、第4の壁構造部442の端外壁415aと第5の壁構造部443の端外壁415bとの突合せ部分に出隅下地436、出隅キャップ437及びコーキング438とを含んでいる。
【0101】
建築資材データ220として、受材451は、第4の壁構造部442の内壁411と、第5の壁構造部443の内壁411とが屋内で突合せられるように、柱401の屋内側の角の各辺に沿って突設された木材であり、厚さ45mm、幅30mmであることなど寸法等の仕様が含まれている。
【0102】
つまり、こうした構造は、ある程度規格化することで、建築資材データ220として蓄積することにより、BIMデータなどで以降の建築に再利用することができるようにできる。
【0103】
図5及び
図6を参照して、建築資材データ220や建築工数データ230について説明する。
図5及び
図6は、工事内容に対応する建築資材、数量、単位、納期及び工数の一例を説明するリストL50及びリストL51を示している。
【0104】
図5を参照して、リストL50は、左側から順に、第1列C50に「工事分類」と「工事内容」とを示し、第2列C51に第1列C50に対応する「建築資材」と「材料形状」を示し、第3列C52に同対応する「数量」を示し、第4列C53に同対応する「単位」を示し、第5列C54に同対応する「納期」を示し、第6列C55に同対応する「工数」を示す。リストL50には、例えば第4列C53と第5列C54との間に寸法、重量、仕様などその他の情報が含まれていてもよいし、第6列C55の後に建築工数や建築工程の算出に必要な情報などが含まれていてもよい。
【0105】
例えば、第1行R50は、第1列C50に示される「工事分類」と「工事内容」に対応する情報としての「建築工事」と「木工事」とが記載される。例えば、第2列C51に「建築資材」に対応する情報として「構造材、フロッキン金物工法」が記載され、第3列C52に「数量」に対応する情報として「33.0」が記載されている。また例えば、第4列C53に「単位」に対応する情報として「坪」が記載され、第5列C54に「納期」に対応する情報として、所定の期間「d50」が記載され、第6列C55に「工数」に対応する情報として、所定の工数「m50」が記載されている。
【0106】
同様に、例えば、第2行R51は、第1列C50に対応する情報として「建築工事」と「木工事」とが記載され、第2列C51に対応する情報として「造作材・羽柄材、フロッキン金物工法」が記載され、第3列C52に対応する情報として「33.0」が記載されている。また例えば、第4列C53に対応する情報として「坪」が記載され、第5列C54に対応する情報として所定の期間「d51」が記載され、第6列C55に対応する情報として所定の工数「m51」が記載されている。
【0107】
同様に、例えば、第3行R52は、第1列C50に「建築工事」と「木工事」とが、第2列C51に「金物費、釘等」が、第3列C52に「1」が、第4列C53に「式」が、第5列C54に所定の期間「d52」が、第6列C55に所定の工数「m52」がそれぞれ対応する情報として記載されている。
【0108】
同様に、リストL50の第4行R53以降にも対応する情報が記載されているが、説明の都合上、第4行R53~第15行R64までの情報については、リストL50に明記されているのでここでの説明は割愛する。
【0109】
図6を参照して、リストL51は、
図5のリストL50と同様に、左側から順に、第1列C50、第2列C51、第3列C52、第4列C53、第5列C54及び第6列C55を有している。そして、各行は、それぞれの列には対応する情報を含んでいる。
【0110】
例えば、リストL51の第1行R65は、第1列C50に「建築工事」と「外装工事」とが、第2列C51に「遮熱透湿防水シート、タイベック ハウスラップ」が、第3列C52に「208.0」が、第4列C53に「m2」(平方メートル)が、第5列C54に所定の期間「d65」が、第6列C55に所定の工数「m65」が、それぞれ対応する情報として記載されている。
【0111】
同様に、リストL51の第2行R66以降にも対応する情報が記載されているが、説明の都合上、第2行R53~第18行R82までの情報については、リストL51に明記されているのでここでの説明は割愛する。
【0112】
次に、
図1、
図7~
図12を参照して、木造住宅建築支援システム10にて実行される木造住宅建築支援方法における処理手順の一例についてフローチャートに基づいて説明する。
【0113】
まず、
図1を参照して、3次元設計工程(
図1のステップS100)では、建築支援サーバ11は、3次元設計部110により3次元CADで設計されたで木造住宅の3次元データ210が生成される。なお、建築支援サーバ11は、工務店端末51などで設計された木造住宅の3次元設計情報を、入力部12から入力して3次元データ210としてもよい。
【0114】
3次元設計工程で3次元データ210が生成されると、設計情報管理部120にて、3次元データ210と、建築資材データ220とが、木造住宅についての既存の設計情報に関連付けられるように管理にされる。このとき3次元データ210には、例えば、
図5のリストL50や
図6のリストL51に記載された「工事分類」と「工事内容」、「建築資材」と「材料形状」、「数量」、「単位」にそれぞれ対応する値などが含まれていてもよい。また例えば、3次元データ210には、例えば、
図5のリストL50や
図6のリストL51に記載された「納期」、「工数」にそれぞれ対応する値が含まれていてもよい。
【0115】
資材算出工程(
図1のステップS110)では、木造住宅の3次元データ210が準備されると、建築支援サーバ11は資材算出部130で建築資材を算出する。資材算出部130では、「建築資材」のサイズと、その建築資材で施工される範囲を表す「数量」、「単位」とから建築資材の必要量や発注数が算出される。発注数は、発注の単位ロットと、必要量との関係を考慮して無駄が生じないように算出する。「建築資材」のサイズや重量、材質、発注ロット数などは、建築資材データ220に含まれていてもよい。
【0116】
詳述すると、建築の設計図に記載された施工範囲を示す単位、例えば寸法に対して、建築資材の数量単位、例えば枚数とは不一致であることが多く、施工範囲に適量となる建築資材の必要量は、施工範囲に建築資材の寸法を当てはめて算出する必要がある。当てはめでは、例えば、単位を変換したり、サイズを調整したり、係数を利用したりして算出することが一般的である。つまり、資材算出部130では、「建築資材」の単位と、施工先を表記する単位との相違を適切に調整して、施工先に必要な建築資材の必要量が算出される。
【0117】
また、資材算出部130では、算出した建築資材の必要量に対して、不足することがないように「建築資材」を発注するときの単位ロット数が算出される。例えば、建築資材「タイル」が数量・単位「10平方メートル」必要であれば、「タイル」のサイズと施工面積とから必要量を算出する。なお、必要量には予備数が含まれていてもよい。
【0118】
また、例えば、建築資材「タイル」の数量・単位が「100枚」であれば、建築資材「タイル」の発注単位10枚/箱のときは10箱を発注量として、発注単位15枚/箱のときは7箱を発注量として算出する。なお、発注量には予備数が含まれていてもよい。
【0119】
次に、建築工数算出工程(
図1のステップS120)では、建築支援サーバ11は、建築工数算出部131で建築工数を算出する。建築工数算出部131では、3次元設計情報に基づく建築資材と工事内容とから、工事内容に必要な工数が算出される。
【0120】
例えば、建築工数算出部131では、資材算出部130で算出された「工事分類」及び「工事内容」や施工場所などから工数を算出することができる。工事内容が「タイル」貼りの場合、施工場所と工数の関係として、床面に貼るときの工数、壁面に貼るときの工数、斜面に貼るときの工数、高所に貼るときの工数などを算出できてよい。施工場所による工数の違いなどは、建築工数データ230に含まれていてもよく、建築資材と工事内容とから、算出に用いられるデータが取得できるようになっている。
【0121】
図7を参照して詳述すると、建築工数算出工程(
図1のステップS120)が開始されると、建築工数算出部131では、材料工数取得工程(
図7のステップS121)が行われる。材料工数は、建築資材データ220や建築工数データ230に含まれている。例えば、建築資材データ220には、「単位」当たりの標準的な工数や、施工条件に応じた工数などが含まれていてもよい。また、建築工数データ230には、建築範囲における作業の効率などが含まれていてもよい。一例として、建築資材データ220には、タイル貼りの場合、標準の工数に対する倍率が床面は「1」、壁面は「1.5」、斜面は「2」、天面は「3」であることが含まれていてもよい。
【0122】
数量取得工程(
図7のステップS122)では、建築工数算出部131は、建築材料の必要数量を取得する。数量は、建築資材データ220や建築工数データ230に含まれているデータに基づいて取得することができる。例えば、
図5に示すリストL50や
図6のリストL51の第3列C52に施工範囲の広さ又は建築材料の必要数が含まれている。
【0123】
工数調整工程(
図7のステップS123)では、建築工数算出部131は、工数を調整する。工数の調整は、建築資材データ220や建築工数データ230に含まれているデータ又は現場データなどに基づいて行われる。例えば、建築工法で相違する、施工のしやすさ、施工の条件などに応じて、工数が調整できてもよく、狭い、足場が悪いなど施工場所固有の条件を加味して工数を調整する。
【0124】
工数設定工程(
図7のステップS124)では、建築工数算出部131は、材料工数と、数量と、工数調整とが反映された工数を取得して、建築資材データ220や建築工数データ230に設定する。例えば、建築工数算出部131は、算出などにより取得した建築工数を、
図5に示すリストL50や
図6のリストL51の第6列C55に設定する。
【0125】
以上により、建築工数算出工程が終了する。
【0126】
すると、
図1を参照して、建築工程算出工程(
図1のステップS130)が開始される。建築工程算出部132は、建築工事の工事内容とその工事内容に必要な工数とから、各工事内容を時系列的に配置して着手時期を計画した建築工程を算出する。工事の準備や片付け、工事にかかる時間などは建築工程データ240に含まれていてよい。
【0127】
建築工程算出部132は、算出された建築工程に基づいて、建築工事の稼働日や稼働時間、予備日などを考慮して各工事内容を時系列的に配置させた工程表を作成する。工程表には、各工事の内容のほかに、建築工事に関係ある事項が含まれていてもよい。建築工事に関係ある事項としては、建築工数、発注時期、手配時期などが挙げられる。
【0128】
例えば、建築工程算出部132は、建築工数算出部131で算出された工数に基づいて工程を算出できる。例えば、資材算出部130で算出された工数と、「工事分類」「工事内容」や施工場所などから工程を算出することができる。例えば、順番に施工する必要のある「工事分類」「工事内容」は工程を直列に計画し、また同時進行できる「工事分類及び工事内容」は工程を並列に計画した工程を算出することができる。
【0129】
図8を参照して詳述すると、建築工程算出工程のモデル工程選択工程(
図8のステップS132)では、建築工程算出部132は、モデル工程を選択する。モデル工程は、建築工程データ240に含まれていてもよい。建築工程データ240には、木造住宅の建築工程として標準的な工程が選択可能なモデルであるモデル工程として含まれていてよい。このモデル工程には、現場で工程を組む際の準備、作業、かたづけを含む工程のモデルが含まれていてもよい。例えば、モデル工程は、規格化された木造住宅であれば、木造住宅のシリーズごと、さらには、シリーズに属するタイプごとに準備されていてもよい。
【0130】
また、モデル工程は標準的な工程であるため、これを調整する情報やモデル工程が、建築資材データ220、建築工数データ230や建築工程データ240に含まれていてもよい。例えば、建築工程算出部132は、建築資材データ220から、1単位当たりの基本的な工程や、施工条件に応じて調整された工程などを選択したモデル工程を調整するために選択してもよい。また、建築工程算出部132は、建築工数データ230から、施工範囲にもとづく調整のための情報を選択してもよい。また、建築工程算出部132は、建築工程データ240から、現場で工程を組む際の準備、作業、かたづけを含む工程を算出するために必要な情報やモデル工程などを選択してもよい。
【0131】
工程当てはめ工程(
図8のステップS133)では、建築工程算出部132は、選択されたモデル工程に建築工数算出部131で算出された建築工数を当てはめていく。このとき、建築工程データ240には、建築工程に組み込む場合に必要な情報、例えば、稼働時間や日時、工程間に要するバッファー時間、工程の分割の可否などの情報が含まれていてもよい。建築工程算出部132は、工事分類や工事内容、建築資材に応じて生じる工程の制約などを考慮して工程をモデル工程に当てはめるとよい。
【0132】
工程調整工程(
図8のステップS134)では、建築工程算出部132は、工事分類や工事内容、建築資材に応じて生じる工程の制約などが考慮された工程となるように工程を調整する。
【0133】
例えば、建築工程算出部132は、分割不可能な工程は一日になるように調整し、一方、分割可能な工程は複数日に分散するようにしてもよい。例えば、並行して作業可能な工程は、できるだけ前倒しするように日程を調整する。例えば、長時間作業が必要な日や、休日でも可能な作業の配置などの調整をしてもよい。
【0134】
工程設定工程(
図8のステップS135)では、建築工程算出部132は、算出した調整済みの工程を工程表データ280に設定する。工程表データ280に設定された工程は工程表として表すことができるものになる。
【0135】
以上により、建築工程算出工程が終了する。
【0136】
続いて、
図1を参照して、工程表作成工程(ステップS131)が開始される。工程表作成工程では、例えば、日割工程表や、時間割工程表が作成される。一例として、
図9及び
図10に示す、日割工程表T80及び時間割工程表T90を示す。
【0137】
図9を参照して詳述すると、日割工程表T80は、工程表データ280に含まれる工程表を日割りで示した一例である。
【0138】
日割工程表T80は、表タイトル欄T81と、日程を示す横タイトル欄T82と、工事分類や工事内容を示す縦タイトル欄T83と、工程を示すデータ欄T84とを有している。日割工程表T80は、表タイトル欄T81の右側に横タイトル欄T82を有し、同表タイトル欄T81下側に縦タイトル欄T83を有し、同表タイトル欄T81の右下対角線方向にデータ欄T84を有している。データ欄T84は、横タイトル欄T82を縦方向に伸ばした領域と、縦タイトル欄T83を横方向に伸ばした領域とが重なる範囲にある。
【0139】
表タイトル欄T81には、木造住宅のシリーズ名やモデル名、施主の情報、建築工事の種別が記載されている。例えば、シリーズ名が「耐久の家」、モデル名が「S(Standard)」である。
【0140】
横タイトル欄T82は、表タイトル欄T81側である左端に「日付」「曜日」「経過日数」の項目名を上から下に縦配置させている。横タイトル欄T82は、項目名「日付」の右側に複数の日付が左から右に順に記載され、項目名「曜日」の右側に日付に対応する曜日が記載され、項目名「経過日数」の右側に工事で経過した日数が記載されている。
【0141】
縦タイトル欄T83は、表タイトル欄T81側である上端に「工事分類」「工事内容」「工数」「開始日」「完了日」「所要日数」の項目を左から右に横配置させている。縦タイトル欄T83は、項目名「工事分類」の下側に縦並びに内容として「木工事」が記載され、項目名「工事内容」の下側に縦並びに内容として「土台敷」「上棟」など、例では13種類の工事内容が記載され、項目名「工数」の下側に縦並びに内容として「2日」「1日」など工数が日にち単位で記載されている。
【0142】
また、縦タイトル欄T83は、項目名「開始日」の下側に縦並びで内容が記載でき、項目名「完了日」の下側に縦並びで内容が記載でき、項目名「所要日数」の下側に縦並びで内容が記載されていてもよい。項目名「開始日」「完了日」「所要日数」には工事の実績が記載されると好ましい。
【0143】
データ欄T84は、縦タイトル欄T83の「工事内容」に対応する施工日に印が記載されている。例えば、「土台敷」は日付で13日と14日に対応する「13」と「14」と、「経過日数」で11日目と12日目に対応する「11」と「12」とに対応する欄に印が記載されている。例えば、18日には、工事内容「防水下地」と「外部下地」とを並行作業することが示されている。また、工事内容「防水下地」は工数が「3日」になることから、休日(休工日)である19日を除いた、18日、20日及び21日に施工することが示されている。
【0144】
図10を参照して詳述すると、時間割工程表T90は、工程表データ280に含まれる工程表を時間割りで示した一例である。
【0145】
時間割工程表T90は、表タイトル欄T91と、時間と工数とを示す横タイトル欄T92と、工事分類及び工事内容を示す縦タイトル欄T93と、データ欄T94とを有している。時間割工程表T90は、表タイトル欄T91の下側に横長の横タイトル欄T92を有し、横タイトル欄T92の下側であって左隣りに縦タイトル欄T93を有し、横タイトル欄T92を縦方向に伸ばした領域と縦タイトル欄T93を横方向に伸ばした領域とが重なる範囲にデータ欄T94を有している。
【0146】
表タイトル欄T91は、「経過日数」と「作業工程」とが記載されている。例えば、「経過日数」が「19日目/45日間」であり「作業工程」が「木工事」である。
【0147】
横タイトル欄T92は、左から右に時刻欄、「人工」、「総人工」、「工数」を有している。時刻欄には、左から右に時刻が記載されている。
【0148】
縦タイトル欄T93は、上から下に工事分類が記載されており、工事分類の一例として「木工事」、「屋根/板金工事」、「電気設備」、「検査」、「建具工事」、「給排水工事」の6種類が記載されている。
【0149】
データ欄T94は、縦タイトル欄T93の「工事分類」に含まれていて具体的な施工内容である「工事内容」を施工する時刻に対応する「時刻」に印が記載されている。例えば、「サッシ取付」は9時~12時までと13時~18時までとに対応する欄に印が記載されている。
【0150】
また、
図9に示す日割工程表T80によれば「サッシ取付」は「19日目」と「20日目」に行われる「2日工数」である。これに対応する
図10に示す時間割工程表T90における経過日数「19日目」において「サッシ取付」は、人工「1」であり、総人工「13」である。人工「1」は1日に働くことができる作業者が1人という事を示し、総人工「13」は実労働日数が13日ということを示している。
【0151】
以上により、工程表作成工程が終了する。
【0152】
また、
図1を参照して、発注時期算出工程(
図1のステップS140)では、建築支援サーバ11は、発注時期算出部140で発注時期を算出する。発注時期算出部140では、建築工事の工事内容に必要な建築資材と、その工事内容の着手時期とに基づいて、建築資材が工程に間に合うように準備されるように、建築資材を発注しなければならない時期である発注時期が算出される。例えば、納期データ250などには、建築資材が工程に間に合うようにするために考慮されるデータとしての納期に関する情報や建築前に要する準備期間の情報などが含まれていてもよい。
【0153】
例えば、発注時期算出部140は、納期まで7日間を要し、工事開始までに準備を2日間要する作業の場合、建築工程において開始日よりも9日前かそれ以前に発注することができるように発注時期を算出する。例えば、納期までの日数を営業日で算出するのであれば、発注先の営業日カレンダーなどを考慮してもよい。
【0154】
図11を参照して詳述すると、発注時期算出工程が開始されると、工程選択工程(
図11のステップS141)が実行される。発注時期算出部140は、工程表データ280に含まれている木造住宅の建築についての建築工程を取得する。この建築工程には、工事内容について施工が開始される日時が含まれている。また、建築工程には、工事内容に対応する建築資材について事前準備を行うために要する工程やかたづけに要する工程が含まれていてもよい。建築工程には、少なくとも、建築資材が使用開始される日時が含まれていることが好ましい。
【0155】
納期データ取得工程(
図11のステップS142)では、発注時期算出部140は、工事内容に必要とされる建築資材について納期データ250を取得する。また、1つの工事内容には複数の建築資材が用いられることから、それぞれの建築資材について納期データ250を確認する。なお、納期データ250は、固定データでもよいが、過去の納期実績を反映させたデータに更新されるデータでもよい。
【0156】
発注時期計算工程(
図11のステップS143)では、発注時期算出部140は、各建築資材について確認された納期データ250と、建築資材が使用される日時とに基づいて、建築資材が使用される日時までに建築資材が納入されるようにするための適切な発注時期を計算する。また、1つの工事内容には複数の建築資材が用いられることから、それぞれの建築資材について同様に発注時期を計算する。
【0157】
発注時期設定工程(
図11のステップS144)では、発注時期算出部140は、計算された発注時期を工程表データ280に設定する。工程表データ280には、工事内容ごとに建築資材が設定されており、それら建築資材ごとに発注時期を設定することができるようになっている。
【0158】
発注予告情報設定工程(
図11のステップS145)では、発注時期算出部140は、それぞれの発注時期に対応する発注予告情報を、発注の作業のために設定する。発注時期算出部140は、発注予告情報を適時に発信できるように設定させることができればよく、発注予告情報を発注用カレンダーや工程表データ280などに設定することができればよい。例えば、本実施形態では、発注時期算出部140は、発注予告情報を工程表データ280に設定してもよく、工程表データ280に工事内容ごとに設定されている建築資材に対応するように発注予告情報を設定することができてもよい。
【0159】
なお、発注作業に準備が必要であったりすることも多いことから、発注予告情報は、発注作業に要する準備期間や、発注作業をできない休業日などをさらに考慮して、発注時期を予告するための日時として設定されることが好ましい。また、発注予告情報は、発注予告情報に基づいて、発注の準備を行い、発注時期に手動や自動で発注されるように利用されるようにしてもよい。
【0160】
以上により、発注時期算出工程が終了する。
【0161】
図1を参照して、手配時期算出工程(
図1のステップS150)では、手配時期算出部150は、建築工事の工事内容に必要な工数と、その工事内容の着手時期とに基づいて、作業者を手配しなければならない時期である手配時期を算出する。これにより、建築工程に合わせて、発注時期に発注された建築資材が入荷して、作業工程に従って木造住宅が建築、施工できるようになる。手配データ260などには、手配に要する日時や、手配先に関するデータ、手配の傾向などの情報が含まれていてもよい。
【0162】
例えば、手配時期算出部150は、閑散期であれば2週間前、繁忙期であれば4週間前に手配をはじめる必要があることや、手配先による確保確立や費用などを考慮して、手配をするタイミングを算出する。5週間前に費用を抑えて手配をし、充足しないときは、4週間前に費用をかけて手配するようにしてもよい。
【0163】
図12を参照して詳述すると、手配時期算出工程が開始されると、工程選択工程(
図12のステップS151)が実行される。手配時期算出部150は、工程表データ280に含まれている木造住宅の建築についての建築工程を取得する。この建築工程には、前述のように、建築現場で工事内容が開始される日時などが含まれている。
【0164】
手配データ取得工程(
図12のステップS152)では、手配時期算出部150は、工事内容に必要とされる作業者の手配について手配データ260を取得する。また、工事内容に必要な技能については工程表データ280に含まれる工事内容などから抽出することができてもよい。なお、手配データ260は、固定データでもよいが、過去の手配実績を反映させたデータに更新されるデータでもよい。
【0165】
手配時期計算工程(
図12のステップS153)では、手配時期算出部150は、工事内容の施工が開始される日時と、施工の準備に必要な工程と、かたづけに必要な工程とに基づいて、施工準備からかたづけ終了までを期間として作業者が確保されるようにするために適切な手配時期を計算する。また、施工準備及び、施工、後片付けの少なくとも1つにだけに必要な作業者についての手配時期を計算してもよい。つまり、一つの建築内容について、期間の同じ作業員を複数手配してもよいし、期間の異なる複数の作業員の手配時期を計算してもよい。
【0166】
手配時期設定工程(
図12のステップS154)では、手配時期算出部150は、計算された手配時期を工程表データ280に設定する。工程表データ280には、工事内容が設定されており、それら工事内容ごとに1又は複数の手配時期を設定することができる。
【0167】
手配予告情報設定工程(
図12のステップS155)では、手配時期算出部150は、それぞれの手配時期に対応する手配予告情報を、手配の作業のために設定する。手配時期算出部150は、手配予告情報を適時に発信できるように設定させることができればよく、手配予告情報を手配用カレンダーや工程表データ280などに設定することができればよい。例えば、本実施形態では、手配時期算出部150は、手配予告情報を工程表データ280に設定してもよく、工程表データ280に設定されている工事内容に対応付けて手配予告情報を設定することができてもよい。
【0168】
なお、手配作業に準備が必要であったりすることも多いことから、手配予告情報は、手配作業に要する準備期間や、手配作業をできない休工日などをさらに考慮して、手配時期を予告するための日時として設定されることが好ましい。また、手配予告情報は、手配予告情報に基づいて、手配の準備が行われ、手配時期に手動や自動で作業者の手配が行われるように利用されてもよい。
【0169】
これにより、建築工程に合わせて、手配時期に手配された作業員が現場入りすることで、作業工程に従って木造住宅が建築、施工できるようになる。
【0170】
図1を参照して、予告工程(
図1のステップS170)では、建築支援サーバ11は、発注時期や手配時期を、建築作業や建築工程を管理する現場監督や管理者に通知する。建築支援サーバ11は、通知する時期に到達した発注時期や手配時期を工程表データ280など記憶部200に記憶されている所定のデータから抽出して、メールや帳票発行などの方法で通知する。また、建築支援サーバ11は、通知した発注や手配について、それらの発注や手配が確認できないときは、再通知をするようになっていてもよい。発注や手配を忘れないようにするために、確認通知への応答などを求めたり、発注システムや手配システムとから発注データや手配データを自動取得したりするようにしてもよい。
【0171】
これにより、木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法によれば、建築工程に合わせて、発注時期に発注された建築資材が入荷し、手配時期に手配された作業員が現場入りすることができるようになり、作業内容の作業工程に従って木造住宅を建築、施工できるようにすることができるようになる。
【0172】
(学習工程)
【0173】
ところで、
図13に示すように、木造住宅建築支援システム10は、学習を行う学習工程を有していてもよい。このとき、建築支援サーバ11は、学習として機械学習(コンピュータ学習)を行う。
【0174】
まず、
図3を参照して説明すると、学習工程では、建築支援サーバ11は、実績入力部160で入力された情報に基づいて当該情報の算出にかかわるデータについての学習を実績学習部170で行う。実績学習部170で得られた学習値は、実績反映部180によって記憶部200などに記憶されている対応するデータに反映される。建築支援サーバ11は、実績入力部160で入力されて、実績反映部180によって対応するデータに反映されるまでの情報は学習用データ290として記憶させていてもよい。
【0175】
一般的に、機械学習は、コンピュータに学習能力のような機能を持たせた技術であって、コンピュータがデータ識別等の判断に必要な条件を、事前に取り込まれる学習データから自律的に生成することなどである。
【0176】
本実施形態では、機械学習は、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260やこれらのデータに含まれる情報の学習に利用されてもよい。
【0177】
例えば、本実施形態では、機械学習によって、建築資材データ220に含まれる初期設定値に建築資材の使用実績が反映されるように学習されてもよいし、建築工数データ230に含まれる初期設定値に建築工数の実績が反映されるように学習されてもよいし、建築工程データ240に含まれる初期設定値に建築工程の実績が反映されるように学習されてもよい。
【0178】
また、例えば、本実施形態では、機械学習によって、納期データ250に含まれる初期設定値に納期の実績が反映されるように学習されてもよいし、手配データ260に含まれる初期設定値に手配に要した日時や条件等の実績が反映されるように学習されてもよい。
【0179】
実績入力部160は、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260のうちの少なくとも一つについて、実績を入力する。実績入力部160は、入力された実績値を、学習対象となるデータ例えば、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260に関連付けたかたちで学習用データ290として記憶させる。
【0180】
実績学習部170は、学習用データ290として記憶された実績値と、関連付けられた建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260に含まれる初期設定値とに基づいて、初期設定値を更新する学習を行う。なお、学習を行うタイミングは、1つの木造住宅の建築が終了した後でもよいし、工事内容が完了した後であってもよいし、その他のタイミングであってもよい。
【0181】
実績反映部180は、学習した学習値を、学習対象として関連付けられたデータ、例えば、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260の初期設定値に反映させる。実績反映部180によって初期設定値が学習値に反映される(更新される)ことにより、その後に木造住宅建築支援システム10で算出される、建築資材、建築工数、建築工程、発注時期及び手配時期に学習内容が反映されるようになる。
【0182】
図13を参照して、木造住宅建築支援システム10にて実行される木造住宅建築支援方法における処理手順の一例について説明する。学習工程では、建築支援サーバ11は、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260に含まれているデータについて学習を行う。
【0183】
学習工程の一例を示すフローチャートには、建築資材データ学習工程(
図13のステップS171)と、建築工数データ学習工程(
図13のステップS172)と、建築工程データ学習工程(
図13のステップS173)と、納期データ学習工程(
図13のステップS174)と、手配データ学習工程(
図13のステップS175)とが含まれている。これらの工程は、学習の必要がない場合は処理を次の工程に進めてもよい。
【0184】
建築資材データ学習工程(
図13のステップS171)では、学習用データ290として記憶された実績値と建築資材データ220の初期設定値とが取得されるとともに、所定の学習処理が行われた結果が学習値として学習用データ290に記憶される。
【0185】
建築工数データ学習工程(
図13のステップS172)では、学習用データ290として記憶された実績値と建築工数データ230の初期設定値とが取得されるとともに、所定の学習処理が行われた結果が学習値として学習用データ290に記憶される。
【0186】
建築工程データ学習工程(
図13のステップS173)では、学習用データ290として記憶された実績値と建築工程データ240の初期設定値とが取得されるとともに、所定の学習処理が行われた結果が学習値として学習用データ290に記憶される。
【0187】
納期データ学習工程(
図13のステップS174)では、学習用データ290として記憶された実績値と納期データ250の初期設定値とが取得されるとともに、所定の学習処理が行われた結果が学習値として学習用データ290に記憶される。
【0188】
手配データ学習工程(
図13のステップS175)では、学習用データ290として記憶された実績値と手配データ260の初期設定値とが取得されるとともに、所定の学習処理が行われた結果が学習値として学習用データ290に記憶される。
【0189】
こうして学習されて学習用データ290に含まれる各学習値が、実績反映部180によって学習対象としたデータ、例えば、関連付けられた建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260の初期設定値に反映(更新)される。これによって、木造住宅建築支援システム10で算出される、建築資材、建築工数、建築工数、発注時期及び手配時期に学習内容が反映されるようになる。
【0190】
つまり、資材算出部130は、機械学習された建築資材データ220を用いること、建築工数算出部131は、機械学習された建築工数データ230を用いること、建築工程算出部132は、機械学習された建築工程データ240を用いること、発注時期算出部140は、機械学習された納期データ250を用いること、及び、手配時期算出部150は、機械学習された手配データ260を用いることの少なくとも1つが行える。
【0191】
以上説明したように、本実施形態に係る木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法によれば、以下に記載する効果が得られる。
【0192】
(1)設計情報であるBIMデータから、建築工程と建築資材とが得られる。建築資材を発注する時期が、建築工程と建築資材と建築資材に対して予め定められた納品に要する日数(納期データ250)とに基づいて算出されるようになる。つまり、建築資材の適時発注、適時手配ができるようになる。例えば、複数の建築現場を管理している現場監督の業務が支援される。これにより、木造住宅の建築にBIMデータを有効活用することができるようになる。また、作業者の手配時期が、建築工程と建築資材が納品される時期と建築工数とに基づいて算出されるようになる。
【0193】
(2)工程表(工程表データ280)に、発注時期や手配時期が含まれることから、この工程表を利用すれば、建築現場の作業の進捗に合わせて必要なときに建築資材が準備される。また、建築現場の作業の進捗に合わせて必要なときに作業者が手配されて建築資材を用いた作業ができるようになる。工程表に含まれていれば、共有する関係者が認識することができるため、現場監督等の手配忘れのおそれなども低減させることができる。
【0194】
(3)建築材料の発注に関して発注予告情報が出力されるので、発注時期に間に合うように発注をすることができるようになる。また、作業員の手配に関して手配予告情報が出力されるので、手配時期に間に合うように手配することができるようになる。
【0195】
(4)耐力構造部を構成する建築資材と、非耐力構造部を構成する建築資材とが、壁部情報に含まれている。木造建物の外観に選択で定まる壁部情報からでも、建築資材、建築工数、建築工数、発注時期又は手配時期が算出できるようになる。
【0196】
(5)建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260の少なくとも1つが機械学習されるようになる。つまり、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260等が学習値であることで、初期設定だけにとらわれることなく、これらの値をより適切な値とすることができて、建築資材、建築工数、建築工程、発注時期、手配時期がより適切に求められるようになる。
【0197】
(6)建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250又は手配データ260が学習されるようになる。こうして、学習された上記各データは、設計情報に基づく建築であれば後の建築に学習結果が反映されるようになる。例えば、設計情報に基づいて算出される、建築資材、建築工数、建築工数、発注時期又は手配時期がより適切に算出することができるようになる。
【0198】
例えば、自由に設計された住宅では、資材の見積もりをゼロベースで行うことになる。そうなると、資材にどの程度の余裕が必要であるかこの設計での実績がないことから、発注が多めになる傾向にある。資材の余裕は、工務店には不都合はない一方、施主には費用負担の増加となり、社会的には廃棄物の増加を招く。資材の余裕が適正化されることで、施主の費用負担や、廃棄物の抑制が図られるようになる。
【0199】
また、自由に設計された住宅では、設計に未知な部分が含まれることから建築工数にどの程度の余裕が必要であるかこの設計での実績がないことから、手配する工数も多めになる傾向にある。工数の余裕も、工務店には不都合はない一方、施主には費用負担の増加になり、作業者は不要な拘束時間が他の案件の受注機会の損失にもなる。工数の余裕が適正化されることで、施主の費用負担や、作業者の拘束時間の抑制が図られるようになる。
【0200】
この点、本実施形態に係る木造住宅建築支援システム、木造住宅建築支援装置及び木造住宅建築支援方法によれば、再利用可能な3次元の設計情報を有効活用することで、施主の費用負担を抑え、廃棄物の増加を抑え、作業者の不要な拘束時間を抑え、受注機会の損失を抑えることができるようにもなる。
【0201】
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
【0202】
・上記実施形態では、建築支援サーバ11は、複数のコンピュータが情報通信を通じて構成されているものであってもよい。
【0203】
・上記実施形態では、建築支援サーバ11は、学習として機械学習(コンピュータ学習)を行う場合について例示したが、これに限らず、建築支援サーバ11は、機械学習を行わなくてもよい。このとき、建築支援サーバ11は、機械学習用の機能を有していなくてもよい。
【0204】
・建築支援サーバ11は、機械学習されたデータを通信等で外部などから取得して、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260の少なくとも1つの初期設定値を更新するようにしてもよい。これによっても、資材算出部130は、機械学習された建築資材データ220を用いること、建築工数算出部131は、機械学習された建築工数データ230を用いること、建築工程算出部132は、機械学習された建築工程データ240を用いること、発注時期算出部140は、機械学習された納期データ250を用いること、及び、手配時期算出部150は、機械学習された手配データ260を用いることの少なくとも1つが行える。
【0205】
・建築支援サーバ11は、機械学習を、建築資材データ220、建築工数データ230、建築工程データ240、納期データ250及び手配データ260の少なくとも1つの初期設定値に対して行うものであってもよい。
【0206】
・3次元データ210の設計情報には、耐力構造部を構成する建築資材と、非耐力構造部を構成する建築資材とが、壁部情報に含まれている場合を説明したが、床情報、屋根情報、天井情報、軒情報、土台情報、窓情報など木造建築に必要な工事内容に関する情報が含まれていてよい。
【0207】
・建築支援サーバ11は、建築材料の発注に関して発注予告情報を出力するとき、参照操作が行われたときに出力してもよい。また、作業員の手配に関して手配予告情報が出力されるとき、参照操作が行われたときに出力してもよい。
【0208】
・建築支援サーバ11は、発注予告情報や手配予告情報が含まれた工程表データ280などのデータを出力してもよい。このとき、発注予告情報や手配予告情報が含まれたデータの出力された先の装置において発注予告情報や手配予告情報が利用、出力されてもよい。
【符号の説明】
【0209】
10 木造住宅建築支援システム
11 建築支援サーバ
12 入力部
13 出力部
14 情報処理装置
15 発注単位
21 取引先端末
22 入力部
22、32、42、52、62 入力部
23、33、43、53、63 出力部
23、33 出力部
31 取引先端末
41 施主端末
51 工務店端末
61 工務店端末
110 3次元設計部
120 設計情報管理部
130 資材算出部
131 建築工数算出部
132 建築工程算出部
140 発注時期算出部
150 手配時期算出部
160 実績入力部
170 実績学習部
180 実績反映部
200 記憶部
210 3次元データ
220 建築資材データ
230 建築工数データ
240 建築工程データ
250 納期データ
260 手配データ
280 工程表データ
290 学習用データ
400 第1の壁部
401 柱
402 第1の壁構造部
403 第2の壁構造部
411 内壁
412 断熱材
413 木材下地
413a 木材下地
414 胴縁
415 外壁
415a,415b 端外壁
416 耐力面材
417 受材
420 第2の壁部
422 終端構造部
423 第3の壁構造部
434 第1の胴縁
434a 第2の胴縁
435 終端外壁
436 出隅下地
437 出隅キャップ
438 コーキング
440 第3の壁部
442 第4の壁構造部
443 第5の壁構造部
444 角部
451 受材
L50 リスト
L51 リスト
NW ネットワーク
T80 日割工程表
T81 表タイトル欄
T82 横タイトル欄
T83 縦タイトル欄
T84 データ欄
T90 時間割工程表
T91 表タイトル欄
T92 横タイトル欄
T93 縦タイトル欄
T94 データ欄