(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055881
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】反転銅箔の生産プロセス
(51)【国際特許分類】
C25D 7/06 20060101AFI20240412BHJP
C25D 1/04 20060101ALI20240412BHJP
C25D 5/16 20060101ALI20240412BHJP
C25D 5/48 20060101ALI20240412BHJP
C25D 7/00 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
C25D7/06 A
C25D1/04 311
C25D5/16
C25D5/48
C25D7/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023174673
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】202211225773.0
(32)【優先日】2022-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523382454
【氏名又は名称】広東盈華電子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangdong Yinghua Electronic Technology Co. Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.45, Meihu Road, Longkeng Village, Xiyang Town, Meijiang District, Meizhou City, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李遠泰
(72)【発明者】
【氏名】趙志良
(72)【発明者】
【氏名】潘光華
(72)【発明者】
【氏名】廖華
(72)【発明者】
【氏名】林健
(72)【発明者】
【氏名】李尚昆
(72)【発明者】
【氏名】劉佳祥
(72)【発明者】
【氏名】沈志鵬
(72)【発明者】
【氏名】楊洪雄
【テーマコード(参考)】
4K024
【Fターム(参考)】
4K024AA05
4K024AA09
4K024AB03
4K024BA09
4K024BB11
4K024BC02
4K024CA01
4K024CA02
4K024CA03
4K024CA06
4K024DA07
4K024DB10
4K024GA01
4K024GA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造された反転銅箔の比較的高い耐剥離強度を保証すると共に、プロファイルを明かに低下させる、超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスを提供する。
【解決手段】順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含み、本発明は、粗化液の配合方法を最適化することで、即ち粗化処理中に粗化液に濃度比が0.1-0.5:0.1-0.5:0.8-2.5であるモリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンを加えることで、粗化層の構造を明らかに改善し、銅箔の表面に比較的に多くの微小な「枝」状の結晶を形成させ、銅箔の表面の粗さを向上させ、後続の硬化のためにより多くの成長点を提供し、製造した反転銅箔が高い耐剥離強度を保証するとともに、プロファイルを明らかに低下させ、製造した反転銅箔の粗化面はRz≦1.5μmであり、耐剥離強度≧1.2N/mmである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスであって、
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が30-40℃であり、硫酸の濃度が120-180g/Lであり、銅イオンの濃度が8-12g/Lであることであり、
前記粗化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm2であり、温度が25-30℃であり、硫酸の濃度が150-200g/Lであり、銅イオンの濃度が15-20g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1-3g/Lであることであり、
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.1-0.5:0.1-0.5:0.8-2.5であり、
前記硬化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm2であり、温度が40-50℃であり、硫酸の濃度が120-160g/Lであり、銅イオンの濃度が50-60g/Lであることであり、
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が4-8A/dm2であり、温度が45-55℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が80-120g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が5-12g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が0.8-1.5g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることであり、
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が25-35℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が3-6g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランであり、
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、180-220℃であることを特徴とする、超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス。
【請求項2】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が32-38℃であり、硫酸の濃度が130-160g/Lであり、銅イオンの濃度が10-12g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項3】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm2であり、温度が26-29℃であり、硫酸の濃度が160-180g/Lであり、銅イオンの濃度が16-19g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1.2-2.5g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項4】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、その濃度比は、0.2:0.2:2.0であることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項5】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm2であり、温度が42-48℃であり、硫酸の濃度が130-150g/Lであり、銅イオンの濃度が52-58g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項6】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が5-7A/dm2であり、温度が48-52℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が90-110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が6-10g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.0-1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項7】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が35℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が10g/Lであることであり、
前記粗化ステップの条件は、電流密度が35A/dm2であり、温度が28℃であり、硫酸の濃度が180g/Lであり、銅イオンの濃度が18g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.4g/Lであることであり、
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.2:0.2:2.0であり、
前記硬化ステップの条件は、電流密度が38A/dm2であり、温度が45℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が58g/Lであることであり、
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が6.5A/dm2であり、温度が50℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が8g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が12であることであり、
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が30℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が5.0g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランであり、
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、200℃であることを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の生産プロセス。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載の生産プロセスで製造される超低プロファイル反転銅箔。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解銅箔製造分野に属し、具体的には超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
電解銅箔は、電子と電気工業における重量な原材料であり、銅張積層板の生産に使用可能であり、さらにプリント回路基板の製造に用いられ、特殊なプロセスと後続の方法を経た後に、リチウム電子電池専用の負極集電体材料として用いられることもできる。従来の電解銅箔は、平滑面と粗化面の二つの部分を有し、一般的には、回路基板に用いられる場合、粗化面を樹脂に接続することで引張力を生じ、樹脂と銅箔の結合力を大きくするが、粗化面の粗さが比較的に大きいため、粗化面を回路基板の表面に配置すると、均一な粗化面に乾燥膜を直接的に貼り付けることができ、おおくの前処理を必要とすることなく、良好な結合力を得ることができる。そのため、銅箔サプライヤーは、銅箔の粗面を反転させ、平滑面に対して別途強化結合処理を行うことを試みる。このような使用方法は、いわゆる反転銅箔の使用方法である。
【0003】
電解銅箔は、PCB生産の主要原料の一つであり、その製作プロセスは、圧延法と電解法の二つの方法があり、圧延銅箔は、伸び率、耐屈曲などの性能の点で比較的大きい優位性を有する。近年では、電解銅箔生産技術の進化に伴い、日本の一部の銅箔のメーカーは、フレキシブルプリント回路基板の要件を満たすことができる多くの高品質の電解銅箔をすでに開発した。電解銅箔製造技術の進化と価格の点での優位性により、電解銅箔は、フレキシブルプリント回路基板にますます広く応用されている。電解銅箔を用いるフレキシブルプリント回路基板について、その主な特徴は、プロファイルが低く、伸び率が高く且つ引張強度が高いことであり、これらはいずれも耐屈曲性能の向上に有利である。銅箔の表面の粗さが低いほど、製造されたフレキシブルプリント回路基板の機械的厚さが低下し、耐屈曲性能が著しく向上する。比較的高い伸び率を有すると、フレキシブルプリント回路基板の屈曲時の銅割れの問題を効果的に解決することができる。高い引張強度を有すると、銅箔の耐疲労性能を改善することができる。
【0004】
中国特許出願201210120479.3には銅箔の表面処理プロセスが開示されており、それは、酸洗浄-粗化-硬化-黒化-亜鉛メッキ-絶縁化-シランカップリング剤-乾燥のプロセスフローを含み、それは、黒化ステップにおいて、黒化剤を添加することで、銅箔の表面に銅箔の耐食性を向上させ、銅箔のエッチング性を改善することができる黒色の超微細めっき層を形成することを特徴とする。処理された超低プロファイル銅箔の表面は、黒色となり、良好な耐食性とエッチング性を有し、優れた耐常温、高温酸化性能を有し、方面の粗さRz≦2.5μmであり、フレキシブル銅張積層板に適用できる。
【0005】
中国特許出願202210173287.2には、フレキシブル銅張積層板用の反転電解銅箔の表面処理プロセスが開示されており、前記プロセスは、順番に応じて、酸洗浄、粗化I、粗化II、硬化I、硬化II、酸化防止、水洗浄I、水洗浄II、シラン吹き付け及び乾燥を含み、この出願では、実施過程において、二段階の粗化と二段階の硬化の処理方式を用い、処理ステップを簡略化すると同時に、電解銅箔の性能を向上させ、酸化防止プロセスにおいて、ニッケル、コバルトの二種類の金属元素を添加し、亜鉛、ニッケル、コバルトという三種類のイオンの濃度比を制御することで、電解銅箔の耐剥離強度と耐酸化性能を明かに向上した。
【0006】
しかしながら、上記従来の技術において得られた電解銅箔のプロファイルがいずれも比較的に高く、いずれも>2.0μmであり(プロファイルとは、プリント回路基板用の銅箔の規格において、絶縁形成材料との貼り合わせ面とする接合面の表面粗さRzjisを、JIS B0601-2013に従ってTD方向に測定した値により規定した定義を指す)、需要をより良く満たすことができないため、比較的高い耐剥離強度を保証する超低プロファイルの反転銅箔を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術に存在する欠点によれば、本発明の一つの目的は、超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスを提供することであり、本発明は、粗化液の配合方法を最適化することで、製造された反転銅箔の比較的高い耐剥離強度を保証すると共に、プロファイルを明かに低下させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0009】
超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスであって、順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む。
【0010】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が30-40℃であり、硫酸の濃度が120-180g/Lであり、銅イオンの濃度が8-12g/Lであることである。
【0011】
好ましくは、前記酸洗浄ステップの条件は、温度が32-38℃であり、硫酸の濃度が130-160g/Lであり、銅イオンの濃度が10-12g/Lであることである。
【0012】
また好ましくは、前記酸洗浄ステップの条件は、温度が34-36℃であり、硫酸の濃度が140-160g/Lであり、銅イオンの濃度が10-11g/Lであることである。
【0013】
さらに好ましくは、前記酸洗浄ステップの条件は、温度が35℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が10g/Lであることである。
【0014】
酸化の目的は、電解銅箔表面の酸化物を除去することである。
【0015】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm2であり、温度が25-30℃であり、硫酸の濃度が150-200g/Lであり、銅イオンの濃度が15-20g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1-3g/Lであることである。
【0016】
好ましくは、前記粗化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm2であり、温度が26-29℃であり、硫酸の濃度が160-180g/Lであり、銅イオンの濃度が16-19g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1.2-2.5g/Lであることである。
【0017】
また好ましくは、前記粗化ステップの条件は、電流密度が34-36A/dm2であり、温度が26-28℃であり、硫酸の濃度が170-180g/Lであり、銅イオンの濃度が17-19g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.0-2.5g/Lであることである。
【0018】
さらに好ましくは、前記粗化ステップの条件は、電流密度が35A/dm2であり、温度が28℃であり、硫酸の濃度が180g/Lであり、銅イオンの濃度が18g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.4g/Lであることである。
【0019】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン、マンガンイオン及びタングステンイオンから選択される一種又は複数種である。
【0020】
好ましくは、前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.1-0.5:0.1-0.5:0.8-2.5であり、好ましくは、0.2:0.2:2.0である。
【0021】
粗化の目的は、銅箔の表面に微小な「枝」状の結晶を形成し、銅箔の表面の粗さを向上させ、後続の硬化のために成長点を提供することである。
【0022】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm2であり、温度が40-50℃であり、硫酸の濃度が120-160g/Lであり、銅イオンの濃度が50-60g/Lであることである。
【0023】
好ましくは、前記硬化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm2であり、温度が42-48℃であり、硫酸の濃度が130-150g/Lであり、銅イオンの濃度が52-58g/Lであることである。
【0024】
また好ましくは、前記硬化ステップの条件は、電流密度が35-38A/dm2であり、温度が45-48℃であり、硫酸の濃度が140-150g/Lであり、銅イオンの濃度が55-58g/Lであることである。
【0025】
さらに好ましくは、前記硬化ステップの条件は、電流密度が38A/dm2であり、温度が45℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が58g/Lであることである。
【0026】
硬化の目的は、粗化された銅箔の表面に銅を迅速に電気的に沈積させ、粗化により形成された「枝」状の結晶層の脱落を防止することである。硬化後に「瘤」状の構造を形成し、銅箔の表面の粗さを向上させることで、銅箔と基材との結合力を向上させ、銅箔の銅張積層板上での耐剥離強度性能を向上させることができる。
【0027】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が4-8A/dm2であり、温度が45-55℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が80-120g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が5-12g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が0.8-1.5g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることである。
【0028】
好ましくは、前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が5-7A/dm2であり、温度が48-52℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が90-110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が6-10g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.0-1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることである。
【0029】
また好ましくは、前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が6-7A/dm2であり、温度が50-52℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が100-110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が7-9g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.1-1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が11-12であることである。
【0030】
さらに好ましくは、前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が6.5A/dm2であり、温度が50℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が8g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が12であることである。
【0031】
酸化防止の目的は、硬化された銅箔の表面に一層の酸化防止膜を形成することであり、銅箔の耐食と耐酸化性能を向上させることができる。
【0032】
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が25-35℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が3-6g/Lであることである。
【0033】
前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランである。シランカップリング剤を吹き付ける目的は、銅箔の銅張積層板上での耐剥離強度を向上させることである。
【0034】
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、180-220℃であり、乾燥の目的は、銅箔の表面の水分を除去することである。
【0035】
一つの好ましい実施形態として、前記生産プロセスは、順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む。
【0036】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が35℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が10g/Lであることである。
【0037】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が35A/dm2であり、温度が28℃であり、硫酸の濃度が180g/Lであり、銅イオンの濃度が18g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.4g/Lであることである。
【0038】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.2:0.2:2.0である。
【0039】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が38A/dm2であり、温度が45℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が58g/Lであることである。
【0040】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が6.5A/dm2であり、温度が50℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が8g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が12であることである。
【0041】
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が30℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が5.0g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0042】
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、200℃である。
【0043】
本出願では、実施過程において、粗化液の配合方法を最適化し、それに添加剤を使用することで、粗化層の構造を明かに改善し、製造された反転銅箔の比較的高い耐剥離強度を保証すると共に、プロファイルを明かに低下させる。
【発明の効果】
【0044】
従来技術に比べて、本出願の有益な効果は以下のとおりである。
【0045】
本発明に開示される超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスでは、粗化処理中に粗化液に添加剤Mを加え、添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.1-0.5: 0.1-0.5:0.8-2.5であり、特別の配合比のモリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンは、銅箔の表面に特異的に吸着し、一部の電極の表面の活性がなくなることを引き起こすことができるため、銅イオンは、被覆されていない銅箔の表面に優先的に吸着して沈積し、銅箔の表面が平らではなくなり、銅箔の表面に「枝」状の結晶が迅速に成長して形成されることによって、銅箔の表面の粗さを向上させ、後続の硬化のためにより多くの成長点を提供した。
【0046】
本出願による生産プロセスで製造される反転銅箔は、超低プロファイルを有し、粗化面Rz≦1.5μmであり、且つ耐剥離強度≧1.2N/mmであり、本出願による超低プロファイル反転銅箔の生産プロセスは、耐剥離強度を低下させない上で粗さを低下させ、得られた電解銅箔は、高周波信号伝送にさらに有利であり、適用性がより広いである。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下では、実施例を結びつけながら、本発明をさらに詳しく説明する。理解すべきこととして、ここで記述される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものだけであり、本発明を限定するものではない。
【0048】
実施例1 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0049】
順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む。
【0050】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が30℃であり、硫酸の濃度が120g/Lであり、銅イオンの濃度が8g/Lであることである。
【0051】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が30A/dm2であり、温度が25℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が15g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1g/Lであることである。
【0052】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.1:0.1: 0.8である。
【0053】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が30A/dm2であり、温度が40℃であり、硫酸の濃度が120g/Lであり、銅イオンの濃度が50g/Lであることである。
【0054】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が4A/dm2であり、温度が45℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が80g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が5g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が0.8g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10であることである。
【0055】
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が25℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が3g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0056】
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、180℃である。
【0057】
実施例2 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0058】
順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む。
【0059】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が40℃であり、硫酸の濃度が180g/Lであり、銅イオンの濃度が12g/Lであることである。
【0060】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が40A/dm2であり、温度が30℃であり、硫酸の濃度が200g/Lであり、銅イオンの濃度が20g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が3g/Lであることである。
【0061】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.5:0.5: 2.5である。
【0062】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が40A/dm2であり、温度が50℃であり、硫酸の濃度が160g/Lであり、銅イオンの濃度が60g/Lであることである。
【0063】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が8A/dm2であり、温度が55℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が120g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が12g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.5g/Lであり、酸アルカリ度pH値が12であることである。
【0064】
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が35℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が6g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0065】
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、220℃である。
【0066】
実施例3 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0067】
順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む。
【0068】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が38℃であり、硫酸の濃度が130g/Lであり、銅イオンの濃度が12g/Lであることである。
【0069】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が32A/dm2であり、温度が29℃であり、硫酸の濃度が160g/Lであり、銅イオンの濃度が19g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.0g/Lであることである。
【0070】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.5:0.5: 1.0である。
【0071】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が32A/dm2であり、温度が48℃であり、硫酸の濃度が130g/Lであり、銅イオンの濃度が52g/Lであることである。
【0072】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が7A/dm2であり、温度が52℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が90g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が10g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.0g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10であることである。
【0073】
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が30℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が4g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0074】
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、210℃である。
【0075】
実施例4 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0076】
順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む。
【0077】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が35℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が10g/Lであることである。
【0078】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が35A/dm2であり、温度が28℃であり、硫酸の濃度が180g/Lであり、銅イオンの濃度が18g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.4g/Lであることである。
【0079】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.2:0.2: 2.0である。
【0080】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が38A/dm2であり、温度が45℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が58g/Lであることである。
【0081】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が6.5A/dm2であり、温度が50℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が8g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が12であることである。
【0082】
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が30℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が5.0g/Lであることである。
【0083】
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、200℃である。
【0084】
比較例1 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0085】
実施例4との相違点は、粗化ステップにモリブデンイオンが添加されておらず、即ち前記添加剤Mがバナジウムイオンとマンガンイオンの混合物であり、即ちバナジウムイオン0.3g/L、マンガンイオン2.1g/Lであることであり、他の操作とステップは、実施例4と同じである。
【0086】
比較例2 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0087】
実施例4との相違点は、粗化ステップにバナジウムイオンが添加されておらず、即ち前記添加剤Mがバナジウムイオンとマンガンイオンの混合物であり、即ちモリブデンイオン0.3g/L、マンガンイオン2.1g/Lであることであり、他の操作とステップは、実施例4と同じである。
【0088】
比較例3 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0089】
実施例4との相違点は、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの三者の濃度比を1:1:1に変更し、即ちモリブデンイオン0.8g/Lであり、バナジウムイオン0.8g/L、マンガンイオン2.1g/Lであることであり、他の操作とステップは、実施例4と同じである。
【0090】
比較例4 超低プロファイル反転銅箔の生産プロセス
【0091】
実施例4との相違点は、マンガンイオンをニッケルイオンに変更し、即ちモリブデンイオン0.2g/Lであり、バナジウムイオン0.2g/L、ニッケルイオン2.0g/Lであることであり、他の操作とステップは、実施例4と同じである。
【0092】
比較例5
【0093】
中国特許CN 114481245 Aの実施例2に開示された方法。
【0094】
試験例1 耐剥離強度
【0095】
実験方法:IPC-TM-650 2.4.8に開示された方法に応じて測定を行い、テスト用の銅箔の厚さは、12ミクロンであり、具体的な検出結果は、以下の表1に示す。
【0096】
【0097】
上記表1の測定結果から分かるように、本発明の実施例1-4で製造された電解銅箔は、比較的高い耐剥離強度を有し、特に実施例4において、各プロセスのパラメータを制御し、特に、粗化液における添加剤Mを濃度比0.2:0.2:2.0のモリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンに制御し、即ちモリブデンイオンの濃度を0.2g/L、バナジウムイオンの濃度を0.2g/L、マンガンイオンの濃度を2.0g/Lに制御する場合、得られた電解銅箔の耐剥離強度は、他の実施例に比べて向上した。比較例1と比較例2の粗化液において、それぞれモリブデンイオンとバナジウムイオンを無くすことで得られた電解銅箔の耐剥離強度は、実施例4に比べて明かに低下した。粗化処理中において、特定の金属イオンの相互作用が銅箔の表面の微小な「枝」状の結晶の形成を速くし、それによって銅箔の表面の粗さを向上させ、銅箔の耐剥離強度の向上に有利であることを示した。比較例3において、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの濃度比を本出願の保護範囲内にないものに変更することで得られた電解銅箔の耐剥離強度は、比較例1-2と比較例4に比べて向上したが、実施例4の耐剥離強度に及ばない。モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの濃度比を変更すると、電解銅箔の耐剥離強度にもある程度の影響を与えることを示した。比較例4において、マンガンイオンをニッケルイオンに変更することで、粗化過程に影響を与え、さらに後続の処理効果に影響を与え、耐剥離強度を低下させた。比較例5において従来技術に開示された方法で処理を行うことで得られた銅箔の耐剥離強度は、実施例4に比べて低下した。
【0098】
試験例2 処理面の粗さの測定
【0099】
測定方法:SJ-210粗さ測定計を使用して処理面のRz値を測定し、具体的な測定結果は、表2に示す。
【0100】
【0101】
上記表2の測定データから分かるように、本発明の実施例1-4で製造された電解銅箔の処理面の粗さは比較的に低く、いずれも1.5μm以下であり、特に実施例4において、粗化液における添加剤Mを濃度比0.2:0.2:2.0のモリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンに制御し、即ちモリブデンイオンの濃度を0.2g/L、バナジウムイオンの濃度を0.2g/L、マンガンイオンの濃度を2.0g/Lに制御する場合、得られた電解銅箔の粗さは、1.41μmであり、他の実施例よりも明かに低い。比較例1-5で製造された電解銅箔の処理面の粗さが実施例に比べて明かに向上したことは、本発明で製造された電解銅箔が耐剥離強度≧1.2N/mmの条件下で粗化面Rz≦1.5μmであることを保証することができ、即ち耐剥離強度を低下させない上で粗さを低下させ、得られた電解銅箔が、高周波信号伝送にさらに有利であり、適用性がより広いことを示した。
【0102】
本明細書に記述された以上の内容は、本発明に対して例を挙げて説明したものに過ぎない。当業者であれば、本発明の明細書の内容又は特許請求の範囲に定義される範囲から逸脱することなく、記述される具体的な実施例に対して種々の変更又は補充又は類似した方式による置き換えを行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順番に応じて、酸洗浄、粗化、硬化、酸化防止、シラン吹き付け及び乾燥というステップを含む反転銅箔の生産プロセスであって、
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が30-40℃であり、硫酸の濃度が120-180g/Lであり、銅イオンの濃度が8-12g/Lであることであり、
前記粗化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm2であり、温度が25-30℃であり、硫酸の濃度が150-200g/Lであり、銅イオンの濃度が15-20g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1-3g/Lであることであり、
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.1-0.5:0.1-0.5:0.8-2.5であり、
前記硬化ステップの条件は、電流密度が30-40A/dm2であり、温度が40-50℃であり、硫酸の濃度が120-160g/Lであり、銅イオンの濃度が50-60g/Lであることであり、
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が4-8A/dm2であり、温度が45-55℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が80-120g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が5-12g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が0.8-1.5g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることであり、
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が25-35℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が3-6g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランであり、
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、180-220℃であることを特徴とする、反転銅箔の生産プロセス。
【請求項2】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が32-38℃であり、硫酸の濃度が130-160g/Lであり、銅イオンの濃度が10-12g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項3】
前記粗化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm2であり、温度が26-29℃であり、硫酸の濃度が160-180g/Lであり、銅イオンの濃度が16-19g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が1.2-2.5g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項4】
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、その濃度比は、0.2:0.2:2.0であることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項5】
前記硬化ステップの条件は、電流密度が32-38A/dm2であり、温度が42-48℃であり、硫酸の濃度が130-150g/Lであり、銅イオンの濃度が52-58g/Lであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項6】
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が5-7A/dm2であり、温度が48-52℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が90-110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が6-10g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.0-1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が10-12であることであることを特徴とする
請求項1に記載の生産プロセス。
【請求項7】
前記酸洗浄ステップの条件は、温度が35℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が10g/Lであることであり、
前記粗化ステップの条件は、電流密度が35A/dm2であり、温度が28℃であり、硫酸の濃度が180g/Lであり、銅イオンの濃度が18g/Lであり且つ添加剤Mの濃度が2.4g/Lであることであり、
前記添加剤Mは、モリブデンイオン、バナジウムイオン及びマンガンイオンの混合物であり、三者の濃度比は、0.2:0.2:2.0であり、
前記硬化ステップの条件は、電流密度が38A/dm2であり、温度が45℃であり、硫酸の濃度が150g/Lであり、銅イオンの濃度が58g/Lであることであり、
前記酸化防止ステップの条件は、電流密度が6.5A/dm2であり、温度が50℃であり、ピロリン酸カリウムの濃度が110g/Lであり、亜鉛イオンの濃度が8g/Lであり、ニッケルイオンの濃度が1.2g/Lであり、酸アルカリ度pH値が12であることであり、
前記シラン吹き付けのプロセス条件は、温度が30℃であり、有機膜カップリング剤の濃度が5.0g/Lであることであり、前記有機膜カップリング剤は、アミノプロピルトリエトキシシランであり、
前記乾燥プロセスに用いられる温度は、200℃であることを特徴とする
請求項1から6のいずれか一項に記載の生産プロセス。