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特開2024-55919インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055919
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240412BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20240412BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240412BHJP
   G09F 23/00 20060101ALN20240412BHJP
【FI】
G06Q30/0241
A47F3/04 Z
A47F3/04 E
G06Q30/06
G09F23/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024026563
(22)【出願日】2024-02-26
(62)【分割の表示】P 2020520519の分割
【原出願日】2019-12-17
(31)【優先権主張番号】16/222,643
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520122839
【氏名又は名称】クーラー スクリーンズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アバキアン,アルセン
(72)【発明者】
【氏名】ドレイブンストット,ロバート エドウィン
(57)【要約】
【課題】(冷蔵ケースの扉などの)小売製品ケースのガラスの表面を、棚割りの不透明なディスプレイへと効果的に変容させることにより、小売業者用の革新的なマーチャンダイジング手法を提供する。
【解決手段】(冷蔵ケース/冷凍ケースの扉などの)小売製品ケースの単なるガラスの表
面を、革新的な広告手法を提供するデジタル式の「スマート」スクリーンへと変換/変容
させる。冷蔵ケース/冷凍ケースの扉は、冷蔵ケース/冷凍ケース内にあるものの在庫を効果的に取得するために、少なくとも1つのカメラを使用して、扉が開かれたときに画像を
捕捉するよう構成されている。
【効果】本マーチャンダイジング手法により、デジタル式の棚割りおよび価格管理、即時の販促用のアップデートおよび販売データなどが提供される。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売製品容器であって、
(a)絶縁パネルアセンブリを含む陳列ケースの扉、
(b)前記絶縁パネルアセンブリの周縁に延び、かつそれに固定された扉のフレーム、
(c)前記小売製品容器の内部収納容積の視認を禁止する、前記小売製品容器の陳列ケースの扉に固定された非透過型ディスプレイであって、前記小売製品容器の陳列ケースの扉が開位置から閉位置まで移動可能であり、閉位置にあるとき、前記小売製品容器に物理的に収容された1つまたは複数の小売製品が、前記小売製品容器の外部からの視認を遮断され、1つまたは複数のタッチゾーンを有するLCDパネルを含む、非透過型ディスプレイ、
(d)前記小売製品容器の陳列ケースの扉に取り付けられた1つ以上の顧客向きカメラを含み、顧客の存在を監視するように構成された、顧客検知ハードウェア、
(e)前記小売製品容器の内部貯蔵容積に物理的に収容された小売製品を向いて陳列ケースの扉の背面に取り付けられた少なくとも1つのカメラであって、前記非透過型ディスプレイと前記扉のフレームとの間の空のベゼルスペース内に収容され、扉の動作によってトリガされ前記扉の動作中に所定の時間間隔で画像を取得する、少なくとも1つのカメラと、前記小売製品容器の内部に配置され扉の動作中に扉の動きを監視する少なくとも1つのセンサとを含む在庫取得ハードウェア、ならびに
(f)前記小売製品容器と通信するコントローラを具備し、
(f-1)前記コントローラは、前記小売製品容器の在庫取得ハードウェアを使用して前記コントローラによって取得された在庫に基づいて、前記非透過型ディスプレイが前記小売製品容器の内部保管容積に物理的に含まれる小売製品に関連する棚割り(planogram)を提供するように、前記小売製品容器の非透過型ディスプレイを制御するように構成されており、
(f-2)前記コントローラは、前記小売製品容器の非透過型ディスプレイを制御して、前記小売製品容器の内部保管容積に物理的に含まれる製品に関する現在の価格情報を表示するように構成されており、
(f-3)前記現在の価格情報は、前記コントローラによって記述され、
(f-4)前記コントローラは、顧客検出ハードウェアを使用して顧客を検出するように構成され、
(f-5)前記コントローラは、前記顧客検出ハードウェアを使用して検出された内容に基づいて、前記小売製品容器の非透過型ディスプレイ上にプロモーションを表示するように構成され、
(f-6)前記コントローラは、在庫取得ハードウェアを使用して、陳列ケースの扉が開かれた時点で内部保管容積の少なくとも1つの画像を捕捉する、
小売製品容器。
【請求項2】
前記顧客検知ハードウェアは、近接センサ、カメラ、顔センサ、および眼球センサの少なくともいずれかを備える、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項3】
前記1つ以上の顧客向きカメラは、20フィートまたはそれ以上の視野深度を有し、170度の視野範囲を有し、好ましくは150度の顔認識能力を有する、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項4】
前記非透過型ディスプレイは、他の小売製品によって視界から遮られる小売製品の提示を最適化する棚割りを提供し、前記非透過型ディスプレイは、背景効果層、持続的なラベル層、在庫製品資産(inventory product assets)および効果層、棚スペース効果層、ラベルおよびタグ広告製品層、オーバーレイ広告製品層ならびに前景ガラス効果層のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項5】
前記陳列ケースの扉は、
前記扉のフレームに固定されたディスプレイリテーナであって、扉のフレームに固定された取付ベゼルを備え、該取付ベゼルは、前記非透過型ディスプレイを前記扉のフレームに固定するために前記非透過型ディスプレイの端部上に延びるように配置された結合端部を有する、ディスプレイリテーナと、
前記非透過型ディスプレイの前面と取付ベゼルの前記結合端部との間に配置されるように構成された透明保護パネルと、
前記扉のフレームの前面と結合するように構成され、前記扉のフレームの前面と取付ベゼルの結合端部とを覆う大きさのカバーベゼルと、
をさらに備える、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項6】
前記コントローラは、 前記顧客検知ハードウェアによって動きが検知されないと判定した後、前記非透過型ディスプレイを操作して小売製品の棚割りを表示するように構成されている、請求項1記載の小売製品容器。
【請求項7】
前記コントローラは、前記顧客検知ハードウェアによって動きが検知されたと判定した後、前記小売製品容器の内部収納容積に物理的に収納された小売製品に関連する棚割りを表示するように前記非透過型ディスプレイを動作させるように構成されている、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項8】
前記コントローラは、顧客検知ハードウェアによって検知された顧客が小売製品容器から所定の距離内にいると判定した後に、前記非透過型ディスプレイを操作して販促ラベルおよびタグを表示するように構成されている、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項9】
前記コントローラは、前記顧客検出ハードウェアにより検出された特定の顧客が前記小売製品容器の近傍に所定時間滞在したことを判定した後、前記非透過型ディスプレイを操作して、特定の顧客に固有の広告を表示するように構成されている、請求項1記載の小売製品容器。
【請求項10】
前記小売製品容器が冷蔵庫または冷凍庫からなり、前記小売製品容器の非透過型ディスプレイが前記冷蔵庫または前記冷凍庫の陳列ケースの扉に取り付けられている、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項11】
前記在庫取得ハードウェアが、前記陳列ケースの扉が開かれたときに少なくとも1つの画像を捕捉する少なくとも1つのカメラを有する、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項12】
前記少なくとも1つのカメラは、陳列ケースの扉が開かれたときに複数の画像を捕捉する、請求項11に記載の小売製品容器。
【請求項13】
前記少なくとも1つのカメラは、陳列ケースの扉が開けられたことを検知すると、画像の捕捉を開始する、請求項1記載の小売製品容器。
【請求項14】
前記少なくとも1つのセンサが、前記陳列ケースの扉に設けられた少なくとも1つの加速度センサを含み、前記少なくとも1つのカメラは、前記少なくとも1つの加速度センサが陳列ケースの扉が開けられたことを検知した時点で、画像の捕捉を開始する、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項15】
前記少なくとも1つのカメラは、前記非透過型ディスプレイの縁を越えて突出するように配置される、請求項1に記載の小売製品容器。
【請求項16】
前記少なくとも1つのカメラは、視界が前記非透過型ディスプレイによって遮られることなく、前記陳列ケースの扉のヒンジ側に向かって所定の傾きで前記陳列ケースの扉のハンドルのある側に配置されている、請求項14に記載の小売製品容器。
【請求項17】
所定の傾きが40度とされている、請求項16に記載の小売製品容器。
【請求項18】
前記少なくとも1つのカメラは、3つのカメラを含む、請求項14に記載の小売製品容器。
【請求項19】
前記少なくとも1つのカメラは、2つのカメラを含む、請求項14に記載の小売製品容器。
【請求項20】
サーバを含むシステムであって、
前記サーバは、1つまたは複数のサーバプロセッサと、前記1つまたは複数のサーバプロセッサによって実行されると、前記サーバに以下の(a)から(g)までを実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶するサーバメモリとを含み、
(a)小売製品容器に取り付けられた在庫取得ハードウェアを使用した画像認識により、前記小売製品容器に物理的に収納されている1つまたは複数の小売製品の在庫を特定すること、
(b)前記小売製品容器に物理的に収納された1つまたは複数の小売製品の棚割り(planogram)を作成すること、
(c)前記小売製品容器の開位置から閉位置まで移動可能である扉の非透過型ディスプレイ上に前記棚割りを表示することであって、前記小売製品容器の扉が前記閉位置にあるとき前記非透過型ディスプレイは、前記小売製品容器に物理的に収容された1つまたは複数の小売製品の前記小売製品容器の外部からの視認性を遮断する、前記棚割りを表示すること、
(d)前記小売製品容器に物理的に収納されている1つまたは複数の小売製品に関する現在の価格情報をリアルタイムに決定すること、
(e)顧客検知ハードウェアを使用して、顧客が前記小売製品容器の近傍に所定時間滞在していることを検知すること、
(f)前記顧客検出ハードウェアによって検出された顧客に関連するプロモーションをリアルタイムに決定すること、ならびに
(g)前記非透過型ディスプレイ上に、前記顧客に関連するプロモーションと、前記小売製品容器に物理的に含まれる1つまたは複数の小売製品に関する現在の価格情報とを表示すること、
前記扉は、絶縁パネル・アセンブリと、前記絶縁パネル・アセンブリの周縁に延びそこに固定されたフレームとを含み、
前記非透過型ディスプレイは、1つまたは複数のタッチゾーンを有するLCDパネルを含み、
前記在庫取得ハードウェアは、前記小売製品容器の扉の背面に取り付けられ、前記小売製品容器の内部収納容積に物理的に収容された小売製品に対面し、前記非透過型ディスプレイと前記扉の機械的フレームとの間の空のベゼル空間内に収容され、前記扉の動作をきっかけとして前記扉の動作中に所定の間隔で画像を捕捉する少なくとも1つのカメラと、前記小売製品容器の内部に配置され、扉の動作中に扉の動きを監視する少なくとも1つのセンサとを含み、
前記顧客検知ハードウェアは、前記小売製品容器の扉に取り付けられた、顧客の存在を監視するように構成された1つまたは複数の顧客向きカメラを含む、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体として、マーチャンダイジング手法(merchandising solutions)に関し
、より詳しくは、小売製品ケース上にデジタル式の「スマート」スクリーンを採用して、それにより革新的な広告手法を提供する、インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
ますます多くの人々がオンラインで物品を購入するようになっているが、実店舗の小売販売は依然として重要であり、事実、食料雑貨店、ドラッグストアおよびコンビニエンスストアなどの特定の市場区分では、販売は拡大している。実店舗での買い物の75パーセントを超えるものが、衝動買い(impulse purchasing)となっている。調査によれば、衝動的な決定は、店内での訴えかけ(in-store messaging)に大きく影響され、かつ、店内での衝動的な買い物の大半は、冷蔵ケースおよび冷凍ケースなどの小売製品ケースで起きていることが分かる。
【0003】
冷蔵ケースまたは冷凍ケースの扉などの小売製品ケース上に表示されるものにより衝動的な買い物行動が中断され得る場合、消費者用包装物品ブランドおよび小売業者の両方に、巨大な価値創造の機会が与えられるであろう。議論の余地はあるが、冷蔵ケースは、小売店の、最も見過ごされ、最も販促されておらず、最も技術的に洗練されておらず、かつ、最も運営の難しい区分の一つである。
【0004】
冷蔵ケース、冷凍ケース、自動販売機などの従来の小売製品ケースは、消費者が小売製品ケース内に保管されていて購入することのできる製品を眺めるためのガラスのパネルまたは扉を有している。
【0005】
この手法に伴う問題には、その中に保管されている製品がしばしば、きちんと陳列されておらず、製品が他の製品により塞がれて、どの製品が購入できるのかが顧客に容易に理解できないという事実などが含まれる。さらには、これらの物品を最新に保つために、店の従業員が、その中に保管されている製品の外観を維持し、貯蔵品の記録を保持し、販促用のタグならびに(価格および販促に関する表示などの)他の表示を取り付けかつ交換することが必要とされる。
【0006】
食料雑貨店における冷蔵ケースおよび冷凍ケースが、ブランドにとって、効果的な「現場での」広告および販促を行うのが困難な一つの分野であることは、よく知られた問題である。通常、ブランドは、小売店およびコンビニエンスストアにおいて冷蔵ケース/冷凍
ケースおよび/または冷蔵庫の棚で小売りされる製品を販促するために、他の広告メディ
ア(例えば、印刷、掲示板、オンラインおよびテレビ広告など)に依拠している。現在の広告努力が効率的および印象的でないことも広く認められている。
【0007】
これらの非効率を認識して、いくつかのディスプレイ製造業者が、冷蔵ケースの扉の「シースルーの」ガラス窓を、広告を流すが、買い物客が依然として製品を見て通常の買い物経験を続けることができる、透明なディスプレイへと変換する機会を探った。開発されていた透明なディスプレイ技術は、これらの用途を目標とし始め、最終的にいくつかの製造業者により冷蔵ケースの扉に一体化された。これらのシステムにより、一般の消費者の買い物経験を中断することを最小にしながら、これらの「受動的な」扉を広告プラットフォームに変換することができた。消費者は依然として、選ぶ予定の物品を見通して選択することができ、一方で、店主またはメディアプラットフォームの所有者は、透明なディス
プレイメディアに、販促用のビデオおよび広告を流すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ここ数年の間に、このようなシステムの市場への浸透が非常に遅いことが明らかとなった。採用を制限するよう働いてきた要因は、
1)技術が非常に高価であり、法外に高い初期費用が必要である、
2)全体的な見た目/審美性が消費者に訴えない、かつ
3)広範な採用の欠如により、相当な広告収入をもたらす運営者が、ビジネスの事例を正
当化することを妨げられる
など、複数ある。
【0009】
ブランドは、その標的とする顧客の臨界数(critical mass)に到達させてくれるメデ
ィアプラットフォームを常に探している。デジタル表記メディアプラットフォームに関して、これは、非常に重要な設置基盤の必要に転換している。
【0010】
本発明の目的は、インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態により、(冷蔵ケース、冷凍ケースおよび/または自動販売機などの
)複数の小売製品ケースを備えるインテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームが提供される。各小売製品ケースは内部保管容積を有しており、それぞれが、小売製品ケースの内部保管容積を眺めるのを妨げる、少なくとも1つの不透明なデ
ィスプレイを備えている。各小売製品ケースは、顧客を検知するハードウェアと、在庫取得ハードウェアとをさらに備えている。
【0012】
プラットフォームは、小売製品ケースと通信している制御器/データ収集器をも備えて
いる。制御器/データ収集器は、各不透明なディスプレイが、小売製品ケースの在庫取得
ハードウェアを使用して制御器/データ収集器により取得される在庫に基づいて、小売製
品ケースの内部保管容積に物理的に入れられている小売製品に関する棚割りを提供するよう、各小売製品ケースの少なくとも1つの不透明なディスプレイを制御するよう構成され
ている。
【0013】
制御器/データ収集器は好ましくは、各小売製品ケースの少なくとも1つの不透明なディスプレイを制御して、小売ケースの内部保管容積に物理的に入れられている製品についての現在価格情報を表示し、その際、価格が制御器/データ収集器により指示されるよう構
成されている。
【0014】
制御器/データ収集器は、顧客を検知するハードウェアを使用して、顧客を検知するよ
う構成されているのが好ましく、かつ、顧客を検知するハードウェアを使用して制御器/
データ収集器により検知されたものに基づいて、各小売製品ケースの少なくとも1つの不
透明なディスプレイ上に販促を表示するよう構成されている。
【0015】
インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームは、(冷蔵ケースの扉などの)小売製品ケースのガラスの表面を、棚割りの不透明なディスプレイへと効果的に変容させることにより、小売業者用の革新的なマーチャンダイジング手法を提供する。
【0016】
本明細書に開示するマーチャンダイジング手法により、デジタル式の棚割りおよび価格
管理、即時の販促用のアップデートおよび販売データなどが提供される。本明細書に開示する店内での小売表記用の広告方法の革新は、(冷蔵ケース/冷凍ケースの扉などの)小
売製品ケースの単なるガラスの表面を、革新的な広告手法を提供するデジタル式の「スマート」スクリーンへと変換/変容させることにより、効果的に達成される。
【0017】
本発明の構造および作動の編成および形式は、そのさらなる目的および利点とともに、添付の図面と関連させて以下の説明を参照することにより、最もよく理解できるであろう。図中、類似の参照数字は類似の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】制御器/データ収集器が、複数の小売製品ケースとネットワーク接続されるようにした、インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームを示す図である。
図2図1に示すインテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームに係る小売製品ケースの構成要素のいくつかを示す図である。
図3】インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームのハードウェアスタックを示す図である。
図4】小売製品ケースの扉の正面を示す図である。
図5図4に類似の、扉の後面を示す図である。
図6】インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームの手法設計を示す図である。
図7】インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームの、1つの考え得るプラットフォームスタックを示す図である。
図8A】本発明に関連して実施できる、1つのシステム設計例を示す図である。
図8B】本発明に関連して実施できる、1つのシステム設計例を示す図である。
図9】本明細書に開示するディスプレイ用の、考え得るコンテンツの各層の「サンドイッチ」を示す図である。
図10】例えば普通サイズの広告、バナー広告、ホットスポット、ラベルおよびタグ、ならびにスポット取り引きなどの、ディスプレイに表示できるさまざまな種類の広告を示す図である。
図11】断面で示す小売製品ケースの扉の一部を示す図である。
図12】扉の一部を示す図である。
図13】本発明の実施形態に係る方法を示すブロック図である。
図14】本開示における1つまたはそれ以上の例に係る、扉にあるカメラの間隔の一例を示す図である。
図15】小売製品ケースおよび/または扉を示す他の異なる図であって、扉が開いているときの正面図および頂面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、異なる形態の実施形態を受け入れる余地があるが、本開示は、本発明の原理の実例とみなすべきであり、例示されたものに本発明を限定することを意図しないとの理解のもとに、特定の実施形態を図面に示し、かつ本明細書に詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係るインテリジェントなマーケティングおよび広告のため
のプラットフォーム10を示している。図示したように、インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォーム10は、制御器/データ収集器12が、複数の小売製
品ケース(retail product container)14とネットワーク接続されるようにしている。
【0021】
小売製品ケース14は同じである必要はないが、好ましくは、それぞれが、冷蔵ケース、冷凍ケースおよび/または自動販売機などの装置である。それとは関係なく、好ましくは
、それぞれが、購入用の製品を保管できる、内部保管容積を有している。
【0022】
図2に示すように、好ましくは各小売製品ケース14は、小売製品ケース14の扉にあるデ
ィスプレイなどの、少なくとも1つのディスプレイ16を備えている。好ましくは、ディス
プレイ16は、顧客が、内部保管容積内に保管されている製品を、ディスプレイを通して眺めるのを妨げる、不透明なディスプレイを備えている。ディスプレイ16は、例えば、顧客が対話(interact)できるタッチスクリーンLCDを備えていてもよい。
【0023】
好ましくは、各小売製品ケース14は、1つまたはそれ以上の(ヒートマップなどの)近
接センサ、カメラ、顔センサまたはスキャナ、および眼球センサ(すなわち虹彩追跡センサ)などの、顧客を検知するハードウェア18をさらに備えている。
【0024】
カメラを採用したと仮定すると、好ましくはカメラは、小売製品ケース14の扉に取り付けられる。好ましくは、カメラは、20フィート以上の視野の奥行きを有しており、170度
の視野の範囲を、好ましくは150度の顔認識能力とともに有している。好ましくは、買い
物客の対話(interaction)を監視し、関係する広告コンテンツをディスプレイ16で提供
し、かつ、店内での広告活動(advertisement engagement)を追跡するために、カメラに関連したソフトウェアが採用される。
【0025】
制御器/データ収集器12は、単一スクリーンおよび/または複数スクリーンのコンテンツおよび対話(interaction)を提供するために、各カメラを独立して制御するよう、かつ
、複数のディスプレイ16を集合的に制御するよう構成されていてもよい。好ましくは、制御器/データ収集器12およびディスプレイ16は、バナー広告および全画面広告の両方が、
単一のディスプレイ16に同時に表示されるようにできるよう構成されている。
【0026】
好ましくは、各小売製品ケース14は、小売製品ケース14内に配置され、かつ製品に向き合う、追加のカメラおよび/またはセンサなどの在庫取得ハードウェア20をさらに備えて
いる。
【0027】
図1に示すように、制御器/データ収集器12は、インターネット、ブルートゥース(登
録商標)などの従来の手段を介し、有線イーサネット、無線LANまたはセルラーネットワ
ークなどを介し、小売製品ケース14とネットワーク接続されている(好ましくはクラウドネットワーク)。制御器/データ収集器12は、小売製品ケース14のディスプレイ16を制御
するよう構成されており、かつ、(タッチスクリーンの対話(interaction)に関する情
報などの)ディスプレイ16からの情報、ならびに、小売製品ケース14の顧客を検知するハードウェア18および在庫取得ハードウェア20からの情報などの、小売製品ケース14からの情報を受信するよう構成されている。
【0028】
図示したように、各小売製品ケース14は、とりわけ、制御器/データ収集器12と売製品
ケース14との間の情報(すなわちデータ)のネットワーク接続および転送、ならびに、ディスプレイ16、顧客を検知するハードウェア18および在庫取得ハードウェア20の全体的な制御および機能を促進するよう構成された、インタフェース/追加ハードウェア22を含ん
でいる。
【0029】
制御器/データ収集器12は、1つまたはそれ以上のプロセッサ、メモリストレージ、ユーザインタフェースなどを有するサーバを備えていてもよく、小売製品ケース14のディスプレイ16に表示するものを指示し、かつ小売製品ケース14からの情報およびデータを受信するよう構成されているだけでなく、好ましくは受信した情報およびデータに基づいて分析を行うよう構成されてもいる。
【0030】
好ましくは、制御器/データ収集器12は、各小売製品ケース14のディスプレイ16を制御
して、各ディスプレイ16が、小売製品ケース14の在庫取得ハードウェア20を使用して制御器/データ収集器12により取得された在庫に基づき、小売製品ケース14の内部保管容積に
物理的に入れられている(しかしディスプレイ16を通して眺められない)小売製品に関する棚割りを提供するよう構成されている。このように、現実に、小売製品ケース14に保管されている製品が、その中にきちんと保管されていない場合がある、または、その中に保管されている製品が、その中に保管されている他の製品により塞がれていて眺められない場合があるという事実についての不利な面は存在しない。小売製品ケース14のディスプレイ16に表示される棚割りは、顧客に提示するものを効果的に最適化する。
【0031】
好ましくは、制御器/データ収集器12は、各小売製品ケース14のディスプレイ16を制御
して、小売製品ケース14の内部保管容積に物理的に入れられている製品についての現在価格情報を表示し、その際、価格が制御器/データ収集器12により指示されるよう構成され
ている。
【0032】
好ましくは、制御器/データ収集器12は、顧客を検知するハードウェア18を使用して、
顧客を検知するよう構成されており、かつ、顧客を検知するハードウェア18を使用して制御器/データ収集器12により検知されたものに基づいて、少なくとも1つのディスプレイ16に販促を表示するよう構成されている。
【0033】
上述したように、制御器/データ収集器12は、各小売製品ケース14の在庫を効果的に取
得する(すなわち、在庫取得ハードウェア20を画像認識ソフトウェアとともに使用して)。好ましくは、制御器/データ収集器12は、複数の小売製品ケース14の在庫に関する包括
的な貯蔵品について、分配器および/または店にデータを送信するよう構成されている。
より詳しくは、包括的なシステムは、補充通知を発行し、マーチャンダイジング更新、価格管理、即時の販売データおよび挙動による消費者分析を提供するよう構成されていてもよい。このように、システムは、広告、申し分の無いマーチャンダイジング、即時の価格および販促、在庫および直接の店舗配送手法ならびに分析力を提供する。
【0034】
図2は小売製品ケース14のいくつかの構成要素のみを示しており、小売製品ケース14が
当然、本発明に特に関係するわけではない考え得る冷蔵ユニットなどの他の構成要素を含むことになることを理解されたい。
【0035】
好ましくは、複数の小売製品ケース14および関連するディスプレイ16が、食料雑貨店などの小売店の通路に並んで配列されており、制御器/データ収集器12は、顧客を検知する
ハードウェア18および在庫取得ハードウェア20の両方により検知されるものに応じて、ディスプレイ16を操作するよう構成されている。
【0036】
例えば、好ましくは制御器/データ収集器12は、顧客を検知するハードウェア18により
何の動きも検知されていない(または、動きがそれ以上検知されなくなった)場合に、ディスプレイ16が全画面広告を表示するように、ディスプレイ16を操作するよう構成されている。換言すれば、顧客は、通路を近づいて来る際に、ディスプレイ16上の全画面広告を見る。
【0037】
好ましくは、制御器/データ収集器12は、小売製品ケース14の20フィート以内で動きが
検知された場合(すなわち、小売製品ケース14の扉に取り付けられた顧客を検知するハードウェア18により)、当該制御器/データ収集器12が、その特定のディスプレイ16を操作
して、全画面広告を表示するのを停止し、その代わりに小売製品ケース14内に配置された製品の棚割り表示するよう構成されている。好ましくは、バナー広告および値札も同時にロードおよび表示される。好ましくは、制御器/データ収集器12は、マーチャンダイジン
グ広告対象および層を管理するよう構成されている。これは、遠隔に、または、コンテンツ管理アプリケーションを使用することなどにより個々の小売地点で局所的に、促進および管理されてもよい。
【0038】
好ましくは、制御器/データ収集器12は、買い物客が、所与の小売製品ケース14に、よ
り近づいた際に、小売製品ケース14と関連付けられたディスプレイ16が再び変化するよう構成されている。例えば、ディスプレイ16は、その際ラベル(例えば、有機、非遺伝子組み換えなど)およびタグ(例えば、地域カード(local card)で特売、地元産、流行など)を表示するよう、変化してもよい。これらの販促用のラベルおよびタグは、制御器/デ
ータ収集器12を介して起動してもよく、かつ、静止のアニメーション化したアイコンの所定のセットから選択してもよく、または、それらは、小売業者および/またはブランドに
より、それらのビジネスおよびマーケティングニーズに基づいて仕様変更されてもよい。制御器/データ収集器12は、1つまたはそれ以上の顧客レビュー源を使用して、顧客格付けスコア(例えば1~5個の星、流行、人気など)を組み込むよう構成されていてもよい。
【0039】
好ましくは、制御器/データ収集器12は、買い物客が所与の小売製品ケース14の前に立
っている、または長居している際に、小売製品ケース14と関連付けられたディスプレイ16が、さらに再び変化するよう構成されている。この時点で、好ましくは制御器/データ収
集器12は、顧客を検知するハードウェア18を使用して、性別、年齢、気分など、その特定の顧客について効果的にさらに知ることができるようにされている。
【0040】
制御器/データ収集器12は、顧客について検知されたことを取得して、顧客がその前に
立っている小売製品ケース14と関連付けられたディスプレイ16に、その特定の顧客に対して、どの広告および他の情報を提示するか判定するよう構成されている。買い物客データを、買い物客が眺める範囲内にあるすべてのディスプレイ16で提供されている広告コンテンツと並行して追跡することにより、小売業者およびブランドが、より良いサービスを受け、購入決定の瞬間に新たな影響の機会がもたらされ、マーケティング支出が最適化され、新たな収入の流れが生み出される。
【0041】
好ましくは、制御器/データ収集器12およびディスプレイ16は、買い物客が(その特定
の小売製品ケース14の扉に取り付けられたカメラにより検知されていて)所与のディスプレイ16の前に立っている間、ニュースになった出来事(news events)、天気、スポーツ
イベントなどに関する即時のデータなど(すなわち、バナー広告、水平広告(horizontal
advertisement)、全画面広告、タグ、ラベル、スポット広告など、小売製品ケース14の中身に関する情報および広告に加えて)、関係する条件付きの広告が、ディスプレイ16に表示されるよう構成されている。
【0042】
上述したように、好ましくは制御器/データ収集器12は、所与の小売製品ケース14の在
庫の記録を、小売製品ケース14の内側の1つまたはそれ以上のカメラおよび/またはセンサなどの在庫取得ハードウェア20を使用することにより、維持するよう構成されている。好ましくは、制御器/データ収集器12が所与の製品は品切れであると判定したときに、制御
器/データ収集器12は、その特定の小売製品ケース14のディスプレイ16に表示されるもの
を制御する際に、このことを考慮に入れる。例えば、品切れのイラストを表示してもよく、かつ/または、広告を交換してもよく、そのようにして、品切れの広告機会に、異なる
ブランドを販売することができ、その際、特定の品切れ状況の場合に、特定の広告が表示される。
【0043】
図3は、プラットフォームのハードウェアスタックを示す。図示したように、ハードウ
ェアスタックは、LCDディスプレイ(すなわちディスプレイ16)と、専用のPCベースのメ
ディアプレーヤを介して供給され、エッジルータを介してネットワークに接続され、かつ
スマートIOTデバイス(すなわち、カメラおよびセンサ)を装備する表示コンテンツとか
らなっている。
【0044】
図6に示す図には、関係する広告コンテンツおよびカギとなるハードウェア構成要素の
システム構成図およびフローチャートが記載されている。好ましくは、専有のUI/UXコン
テンツ製品が生成され、それらは、ネットワークを介して中央で(遠隔に)管理される。これにより、メディアのスケジューリングおよびあらゆるレイアウト修正を遠隔で管理することが支援されることになる。
【0045】
くわえて、好ましくはIOT装置により収集された全ての入力が、(クラウドを介して)
局所的および遠隔に分析されて、システムにフィードバック入力を供給し、顧客に適合させた、より関連のある/的を絞ったコンテンツを推奨することになる。分析は好ましくは
匿名で行われ、カメラが捕捉した画像が、好ましくは(年齢および性別などの)顧客の人口的な特徴についての統計を収集するよう処理される。このデータは好ましくは、小売業者のために、「ヒートマップ」として知られる、買い物客の「往来」領域(顧客が、より集中し、かつ、より多くの時間を探し物にかけるなどする領域)を追跡する能力を含む、店内でのマーチャンダイジングレイアウト設計およびスマートマーチャンダイジングにとって貴重な、追加の統計用に、続いて分析される。
【0046】
好ましくは、内部に向いたカメラが、棚にある製品が品切れ警報に関して常に監視されることを保証するために、利用される。製品が売り切れた場合、好ましくは信号が、ディスプレイのレイアウトを更新するようシステムに、かつ店の運営者に注意喚起する。
【0047】
好ましくは、初期設定でプラットフォームは、全画面広告を流すようプログラムされている。顧客に向いたカメラが、動き検知能力を有し、近づいて来る顧客を分析し、かつ、棚に置かれた製品の棚割りを表示するようシステムを切り替えるように、プログラムされている。これらのカメラが捕捉した画像に基づくさらなる分析により、適合された販促用の広告が好ましくは起動される。
【0048】
好ましくは、ディスプレイの少なくとも一部が、双方向の(interactive)タッチ能力
を有し、棚割りに表示されたすべての製品を見たい、かつ、前に進んで選んだ製品を手に取りたいであろう他の買い物客への妨げを最小化しながら、さまざまな製品についての詳細な情報を買い物客がさらに探ることができるよう構成されている。
【0049】
システムは、(目の動きを追跡するための赤外線源を使用する特定のハードウェアと結合された、強力なソフトウェアツールを使用するなどにより)消費者の目の動きを追跡し、かつ注視点を広告と相関させるよう構成されていてもよい。これは、広告の成功と、買い物をする消費者の決定に影響を与えるその能力とを測定する、非常に強力な実証ツールとなる。
【0050】
上述したように、好ましくは各小売製品ケース14は扉を有しており、ディスプレイ16は、1つまたはそれ以上の(ヒートマップなどの)近接センサ、カメラ、顔センサまたはス
キャナ、および眼球センサ(すなわち虹彩追跡センサ)などの、顧客を検知するハードウェア18とともに、その扉に取り付けられている。
【0051】
図4は、ディスプレイ16と、カメラなどの顧客を検知するハードウェア18とを提供する
、扉30の前面31を示している。図示したように、好ましくはディスプレイ16は、顧客により双方向とされた1つまたはそれ以上のタッチゾーン32を備えるLCDパネルの形態とされている。アクセスパネル34が、メディアプレーヤ36とともに、扉30の底部に近接して設けられていてもよい。詳しく図示してはいないものの、保護パネルが、ディスプレイ16にわた
って、全体的に取り付けられていてもよい。
【0052】
図5に示すように、カメラまたは他の種類のセンサ(すなわち在庫取得ハードウェア20
)が、扉30の後面33に設けられていてもよく、それを(図1に示す)制御器/データ収集器12が使用して、小売製品ケース14の内部の中身に関する在庫の記録を保持できる。
【0053】
インテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームは、(冷蔵ケースの扉などの)小売製品ケースのガラスの表面を、棚割りの不透明なディスプレイへと効果的に変容させることにより、小売業者に対して革新的なマーチャンダイジング手法を提供する。本明細書に開示するマーチャンダイジング手法により、デジタル式の棚割りおよび価格管理、即時の販促用のアップデートおよび販売データなどが提供される。本明細書に開示する、店内での小売表記に関する広告方法の革新は、(冷蔵ケース/冷凍ケース
の扉などの)小売製品ケースの単なるガラスの表面を、革新的な広告手法を提供するデジタル式の「スマート」スクリーンに変換する/変容させることにより、効果的に実現され
る。
【0054】
ビジネスモデルとして、小売店の冷蔵ケースの扉には、ディスプレイ、カメラ、および、計量を最適化するために集合的に測定、反応、学習および通信するセンサを有する、「スマート」な冷蔵ケースの扉を後付けすることもできる。
【0055】
本明細書に開示するインテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプラットフォームは実際上、少なくとも、電子商取引による実物の小売事業所の収斂、電子市場としての店内での販促、即時およびアルゴリズム駆動の価格および販促、所与の消費者に対して個別化された自己学習/機械学習人工知能アルゴリズム駆動広告、挙動応答および外部
のデータ(すなわち、天気、行事、競技など)、ならびに、棚割り順守、自動補充、店内での監査など用のスマートセンサおよびデジタルマーチャンダイジングを誇っている。
【0056】
本明細書に開示する店内での小売表記に関する広告方法では、目立たない広告バナーまたはホットスポットを有する(好ましくは3フィート以内に顧客が来ると起動される)大
型のブランド/製品広告ローテーションおよび棚割りスクリーンという、2つの主要な技術を効果的に採用している。
【0057】
図6は、本明細書に開示するインテリジェントなマーケティングおよび広告のためのプ
ラットフォームの手法設計を示しており、図7は、本明細書に開示するインテリジェント
なマーケティングおよび広告のためのプラットフォームの1つの考え得るプラットフォー
ムスタックを示しており、図8図8の左半分が図8Aであり、図8の右半分が図8Bである)
は、本発明に関連して実施できる、1つの考え得るシステム設計を示している。図9は、本明細書に開示するディスプレイ16用の、考え得るコンテンツの層の「サンドイッチ」を示している。図10は、例えば普通サイズの広告、バナー広告、ホットスポット、ラベルおよびタグ、ならびにスポット取り引きなどの、ディスプレイ16に表示できる、異なる種類の広告を示している。図6図10は、説明するまでもなく分かるようになっている。
【0058】
上述したように、各小売製品ケース14は好ましくは、小売製品ケース14内部に配置され、かつ製品に向き合う、カメラなどの在庫取得ハードウェア20を備えている。詳しくは、カメラは、扉30の後面33に設けられていてもよく、それを(図1に示す)制御器/データ収集器12が使用して、小売製品ケース14の内部の中身に関する在庫の記録を保持できる。すなわち、制御器/データ収集器12は好ましくは、カメラを使用することにより、所与の小
売製品ケース14の在庫の記録を保持できるよう構成されている。
【0059】
このように、本発明の実施形態により、各小売製品ケース14内に置かれた製品の在庫を
検知し、かつ(LCDスクリーンなどの)製品を表示しているディスプレイ16上の棚割りを
更新する、自動化された能力が効果的に提供される。いずれかの物品が「品切れ」になっていれば、好ましくはシステムが、ディスプレイ16における情報を検知および更新して、消費者および店の運営者を案内するよう構成されている。
【0060】
好ましくは、自動検知システムは、スマートアルゴリズムを利用して、画像分析と、必要な情報を抽出するための、続く分析とを行うソフトウェアに連動して、小売製品ケース14の内部の棚の写真を撮るよう向けられたカメラを利用する。
【0061】
1つの実施形態では、多くのカメラを配列して、ソフトウェアを使って個々の写真を足
し合わせことにより棚領域全体を撮像し、かつ組み立てることができるが、カメラの配列は、それらすべてを、通常は入力の数が限られた作動中のPCにプラグ接続しなければならないため、挑戦となる。ゆえに、より好ましい実施形態を図11に示しており、そこではカメラ(図11では、カメラの1つが参照番号40で識別されている)が扉30の後面33の縁に取
り付けられており、好ましくはカメラは、扉30が開かれたときに写真を撮ることのできる角度に傾斜したブラケット42において収容されている。
【0062】
本発明の実施形態では、広角カメラ(例えば、180oのFOV(「魚眼」))が、広い領域
の適用範囲を提供するので、利用されるようにしてもよいが、通常、そのようなカメラの画質は、対象が縁部で甚だしく歪められて、画像処理ステップに関して画像を「認識する」ソフトウェアの能力を制限するので、不適切である。こうした次第で、より好ましい実施形態により、扉30のハンドル側の縁部に沿って、45oの角度を付けたハウジングに、120oの視野(対角線の)を有する小型のカメラが提供される。
【0063】
図11に示すように、好ましくはカメラは、ディスプレイパネルアセンブリ44とユニットの機械的なフレーム46との間で、空のベゼル空間43内に収容されている。任意の数のカメラを、各小売製品ケース14の各扉の内側に設けることができる。
【0064】
例えば、図12に示すように、3つのカメラ40を、各扉30の高さに沿って等しい距離に分
布させて、棚空間(すなわち、小売製品ケース14の内側)の完全な高さおよび幅の適用範囲を可能にしてもよい。
【0065】
好ましくは、システムは、扉の作動中(すなわち、扉30が開かれたとき)に、カメラ40が起動されて、扉30が開いているときにさまざまな間隔で写真を撮るよう構成されている。好ましくは、システムは、画像を処理して、棚全体を効果的に再構築するよう構成されている。システムは、カメラが任意の数のやり方で起動されるよう構成されていてもよい。例えば、システムは、カメラが、
(1)1つまたはそれ以上のカメラにより感知されている動き(これが該当する場合、好ま
しくはシステムは、カメラの少なくとも1つが常に残っているよう構成されている)、お
よび/または、
(2)扉30にある1つまたはそれ以上の加速度計48(図12を参照)により効果的に感知され
ている扉の動き(その際、システムは、カメラ40の動作が、扉30のさまざまな開き具合および位置(すなわち、扉30が開かれたときの)に応じて起動されるよう構成されている)により起動されるよう構成されていてもよい。
【0066】
厳密に何がカメラを起動するかにかかわらず、好ましくはシステムは、カメラが捕捉した画像が効果的に「縫い」合わされて、棚空間全体を再構築するよう構成されている。好ましくは、システムは、画像処理を利用し、画像を比較し、棚の上の製品のいずれかがなくなっているかを推断するよう構成されている。特定の製品のいずれかがなくなっている場合、好ましくはシステムは、コンテンツ管理ソフトウェアに信号を送って棚割りを適切
に(すなわち、ディスプレイ16上で)更新し、好ましくは製品が「品切れ」となっていることを表示するよう構成されている。くわえて、好ましくはシステムは、その特定の棚上の特定の物品の補充を速やかに行えるように、店舗在庫管理チームに通知するよう構成されている。
【0067】
複数の捕捉した画像を縫い合わせることを含む、先の実施形態では、開示されたシステムは、扉が回転する際に、第1、第2および第3のカメラを使用して、複数の画像を捕捉し
てもよい。例えば、第1の写真は第1のカメラにより撮られてもよく、第2の写真は第2のカメラにより撮られてもよく、第3の写真は第3のカメラにより撮られる。小売製品ケースにある、または小売製品ケース付近にある制御器は、3つの写真の関係する部分を、単一の
合成画像へと組み合わせてもよい。あるいは、3つのカメラのそれぞれからの単一の写真
の代わりに、第1のカメラが複数の写真を取って、それらを、第2のカメラおよび第3のカ
メラが撮った1つまたはそれ以上の写真と組み合わせてもよい。換言すれば、制御器は、
複数のカメラを指示して、扉が回転した際に相当数の画像を捕捉して、それにより、小売製品ケースの内部の中身に関して異なる位置/角度から画像を捕捉してもよい。
【0068】
1つの例では、制御器は、扉がより大きな回転速度で揺動しているとの測定を受信した
場合、写真の捕捉の頻度を変更してもよい(すなわち、制御器は、捕捉される画像の数を増加させてもよい)。別の例では、制御器は、カメラの頻度および/または他のパラメー
タを、状況的または環境的な要因に基づき、変更してもよい。例えば、低照度の状況では、1つまたはそれ以上のカメラの作動パラメータが、順応するよう調整されてもよい。他
の例では、カメラレンズにおける湿気または結露が検知されて、影響を受けたカメラの作動パラメータを制御器が修正する結果となってもよい。
【0069】
さらには、他の例では、小売製品ケースの揺動可能な扉に取り付けられた複数のカメラが、1つまたはそれ以上の動画ビデオカメラであってもよい。こうした次第で、これらの
ビデオカメラは、開始位置から、扉の回転の所定の終了位置まで、複数のビデオフレームを捕捉してもよい。終了位置は、開始位置からの、設定された所定の位置、所定の範囲、または、所定の相対回転角度(例えば、扉が開始位置から60度回転したときの)であってもよい。
【0070】
1つの例では、扉が回転する際に、第1、第2および第3のカメラを使用してシステムが捕捉した複数の画像が、小売製品ケースにある、または小売製品ケース付近にある電子的な制御器に送られてもよい。制御器は、コンピュータ実行可能命令を実行して、複数の画像を単一のパノラマの合成画像にデジタル式に組み合わせてもよい。合成画像は、サイズが大きくて、それゆえに、制御器におけるコンピュータメモリ/ストレージのかなりの量を
消費する場合がある。いくつかの実施形態では、合成画像は後処理を受けて、画像が消費するストレージを低減してもよい。
【0071】
1つの例では、従来のニューラルネットワークなどのニューラルネットワークを使用す
る人工知能を使用して、小売製品ケースの中身の関係する部分の境界縁を識別してもよい。その結果、境界縁の外側の画像のこれらの領域が、制御器で実行する後処理モジュールにより、肯定的に廃棄される場合がある。区域外の領域が、小売製品ケースの縁部フレームの外側にある画像の部分である場合もある。後処理の前出の例の少なくとも1つの利点
は、縁部位置でのメモリストレージ容量の節約にある。そのうえ、より小さい画像サイズにより、制御器からクラウド内の1つまたはそれ以上のリモートサーバへ画像を送信する
ためのネットワーク帯域幅消費も小さくなる結果となる。
【0072】
1つの例では、制御器は、扉の中または扉に取り付けられてパラメータを自動的に調整
する、1つまたはそれ以上のカメラに結合されていてもよい。制御器は、露出、焦点位置
、センサゲイン/ISO感度(ISO speed)、口径サイズなどの、ただしこれらに限定されな
い、カメラのパラメータを調整してもよい。露光用の数値は、時間が単位とされていてもよく、他のパラメータは、異なる作動状況において他の単位であってもよい。そのうえ、当業者であれば、本明細書に開示するすべてを検討したのち、1つまたはそれ以上のパラ
メータが相互関係を有していても、または依存していてもよいことを理解するであろう。例えば、f/11、ISO 100での1/25秒の露光は、f/2.8、ISO 100での1/400秒の露光に相当する。換言すれば、シャッタースピードが4つの絞りにより低減されているため、これは、
カメラ内の画像センサにより捕捉される光が、少なくなることを意味する。その結果、口径のサイズが4つの絞りによって増加して、より多くの光がカメラアセンブリに入るよう
にする。
【0073】
当業者であれば、パラメータを1つのやり方で調整することには、別のやり方に対して
一長一短あることを理解するであろう。例えば、露光を最大化するために、カメラ設定/
パラメータを、大口径、6400 ISOおよび低速シャッタースピードに設定する場合がある。反対に、露光を最小化するために、カメラ設定/パラメータを、小口径、100 ISOおよび高速シャッタースピードに設定する場合がある。むろん、捕捉された画像の鮮明さが、被写界深度(depth of field)、口径およびシャッタースピードパラメータにより影響される場合がある。小売製品ケース内に保管された据え置き型の小売製品の、相対的に近い距離での捕捉を含む、本明細書に開示する多くの例により、ぼやけ、または、平面の歪み(planar warp)なしに画像を捕捉する能力が考察されている。そのうえ、いくつかの例では
、カメラの画像センサは、画像捕捉の際に動いていて、それゆえに、捕捉されている対象とカメラとの間に、相対的な動きを導入してもよい。
【0074】
ぼやけに関し、制御器は、コンピュータ実行可能命令(例えば、ファームウェア、ソフトウェア、または、特定用途向け集積回路)を実行して、捕捉された画像に後処理を行い、ぼやけを軽減してもよい。1つの例では、制御器中のぼやけ軽減モジュールが、複数の
捕捉された画像にわたって重複している、捕捉された画像の部分を識別してもよい。そして次に、ぼやけ(および他の望ましくない画像特性)が低減されている、これらの重複した画像から、適切な部分を選択する。本明細書で説明したように、複数の捕捉された画像を縫い合わせる処理中に、ぼやけ軽減モジュールにより識別された部分が、最終的な合成画像に組み込まれてもよい。
【0075】
図11を参照して、いくつかのカメラタイプが40o回転している場合、それらは、回路基
板の幅ゆえに、6mmを超える厚みを必要とする場合がある。図11に示すカメラ位置は、デ
ィスプレイスクリーンアセンブリの薄いカバーを越えて突出している。カメラの最も目立つ点は、いくつかの実施形態では、ディスプレイスクリーンアセンブリ内のカメラレンズの面と同じ平面内にある。
【0076】
一方、他の実施形態では、カメラは、図11の図解の左下にある、大きな明るい色の物体として示されている、LCD/LEDディスプレイユニットの縁部を越えて突出するよう、意図
的に位置決めされている。このような位置決めの少なくとも1つの利点は、カメラの視界
が遮られないことである。いくつかの実施形態では、このような位置決めは、カメラの配置がヒンジ軸から約28’’となることにつながる場合がある。他の実施形態では、位置決めは、28’’を含む範囲にあってもよい。一方、他の実施形態では、配置は、実施態様に応じて、任意のこのような範囲の外側であってもよい。
【0077】
1つの例示的な実施形態では、カメラから棚の距離が、4インチに位置決めされていてもよく、棚上の小売製品は、扉のフレームに対して大略的に中央に配置されていてもよい。一方、カメラは、約120oの対角線の視野(FOV)を有していてもよく、かつ、視界が、カ
メラの細長い寸法の方向に幅広となるよう方位付けされていてもよい。すなわち、カメラ
は、扉のハンドル側付近に、ヒンジ側に向かって40oの傾斜で、その視界を扉内のディス
プレイスクリーンにより遮られることなく、位置決めされている。1つの実施形態では、4’’の位置決めが特定されているが、本開示はそのように限定されない。カメラから棚の距離は、いくつかの例では、4インチではない値に設定されていてもよい。
【0078】
図12を参照して、小売製品ケースの扉の一部が示されている。図12に示すように方位付けされた3つのカメラが、小売製品ケースの棚全体を、扉が約25oよりも大きな任意の角度で開いているときに、捕捉できる。他のいくつかの例では、カメラの種類および/または
カメラの仕様により、角度が25oよりも大きく、または小さくなる場合がある。
【0079】
カメラが、垂直な方向に方位付けされたセンサを内蔵している例では、2つのカメラで
十分な場合がある。ヒンジから28’’以上に位置決めされ、扉のヒンジ縁部に向かって約50o回転する2つのカメラは、カメラの配置が、上端および下端から21’’であり、かつ互いに30’’である場合に、小売製品ケースの中身の全状況を見ることができる。無論、当業者であれば、本明細書に開示したすべてを検討したのち、本開示が、先の例で示唆した21’’、30’’および50度の仕様に限定されないことを理解するであろう。むしろ、仕様は、本開示の基本的な教示に基づいて調整されるものと理解される。
【0080】
図13は、本発明の実施形態に係る方法のブロック図であり、先の説明を前提として、説明を要しない。
【0081】
図14を参照して、小売製品ケースの扉にあるカメラについての、間隔の一例を示している。図14の例では、上端および下端のカメラが、扉のフレームの外面から16.5’’とされている。そして、中央のカメラは、扉の縁部で中央に位置決めされており、かつ、他の2
つのカメラのそれぞれから20’’とされている。扉が、小売製品ケース内の棚上の製品に対して垂直方向に、中央に位置決めされていない、他の例では、3つのカメラの1つまたはそれ以上の位置が、それに応じて上方または下方に移動していてもよい。カメラは、それらのFOVが扉の内面を、ほんのわずかに外すよう角度を付けられていてもよい。ヒンジが
棚の縁部に接近しているので、この位置決めにより、ほとんどすべての扉角度に関し、景色のヒンジ側が、カメラ画像の縁部に維持される。
【0082】
図15を参照して、4つの図が、扉が約44oまたは25oで開いているときの、正面および上
部からの例示的な小売製品ケースおよび扉を異なる見方で示している。カメラの視野(FOV)が、透明なピラミッド(上面図で三角形)として示されている。棚の面は、(赤い)
内側平面として示されている。扉が30o以上で開いていると、景色全体がFOV内に収まる。扉の角度が25oに低下すると、ハンドル側の景色の一部がカメラFOVの外側に動き始める。当業者であれば、本明細書に開示したすべてを検討したのち、本開示が、先の例で開示した特定の角度に限定されないことを理解するであろう。むしろ、角度および仕様は、本開示の基本的な教示に基づいて調整できる。
【0083】
本発明の特定の実施形態を図示および説明したが、当業者であれば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、さまざまな修正案を考案できるものと考えられる。
【0084】
本出願は、2017年8月10日に出願された米国特許出願第15/674,198号の一部継続出願で
ある、2018年8月9日に出願された国際公開第PCT/US18/46103号の一部継続出願である、2018年12月17日に出願された米国特許出願第16/222,643号の優先権を主張する。上述したものすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15