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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055921
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】画像検査装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/00 519
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024026701
(22)【出願日】2024-02-26
(62)【分割の表示】P 2019213232の分割
【原出願日】2019-11-26
(31)【優先権主張番号】P 2018236529
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】川井 宗明
(57)【要約】
【課題】上流の搬送手段から下流の搬送手段に印刷用紙Pを搬送しながら被検査物の画像を高精度で検査できる画像検査装置を提供する。
【解決手段】画像検査装置1は、印刷装置2の第1搬送手段11が第1搬送速度V1で搬送してきた印刷用紙Pを、検査装置3の第2搬送手段12が第2搬送速度V2で搬送しながら第1検査手段21で検査する。第1検査手段21は、第1搬送手段と第2搬送手段の中間の位置(C)から、印刷用紙の長さの半分を越える寸法L1だけ下流の位置に配置されている。V1とV2が実質的に同一でなくても、第1検査手段の検査開始タイミングは、印刷用紙の搬送速度がV2となった時より後であるため、第1検査手段が読み取った画像に乱れは生じない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の第1搬送手段が第1搬送速度で搬送するシート状の被検査物を第2搬送速度で搬送する下流側の第2搬送手段と、前記第2搬送手段が搬送する被検査物に形成された画像を検査する検査手段と、を備えた画像検査装置であって、
被検査物の搬送速度が前記第2搬送速度となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に前記検査手段が配置されたことを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
被検査物の搬送速度を決める保持力が前記第2搬送手段によって与えられることとなった時の被検査物の先端部の位置よりも下流側に前記検査手段が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記第1搬送手段と前記第2搬送手段は被検査物を吸着して搬送する吸着搬送手段であり、
前記第1搬送手段と前記第2搬送手段の中間の位置から、被検査物の長さの半分を越える寸法だけ下流の位置に、前記検査手段が配置されたことを特徴とする請求項2に記載の画像検査装置。
【請求項4】
前記第1搬送手段の下流側の端部と前記検査手段の間隔を、被検査物の長さを越える寸法としたことを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記検査手段は、読み取り精度が相対的に高い第1検査部と、読み取り精度が相対的に低い第2検査部を含んでおり、
前記第1検査部を、被検査物の搬送速度が前記第2搬送速度となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の画像検査装置。
【請求項6】
前記検査手段は,読み取り精度が相対的に高い少なくとも2つの第1検査部を含んでおり、
前記少なくとも2つの第1検査部のうち、高精度の読み取りが必要な画像を読み取る前記第1検査部を、被検査物の搬送速度が前記第2搬送速度となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の画像検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の被検査物に形成された画像を検査する画像検査装置に係り、特に、上流側の搬送手段から搬送されてきた被検査物を下流側の他の搬送手段で搬送しつつ、当該被検査物に形成されている画像を高精度で検査することができる画像検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には画像形成装置の発明が開示されている。この画像形成装置は、同文献の図1に示すように画像検査用のカメラユニット230を有している。このカメラユニット230には、シートをローラで挟持して上流から下流へ向けて搬送するシート搬送パス223が設けられ、その上下の同一位置に2台のカメラ231,232が対向するように配置されている。カメラユニット230では、シートはシート搬送パス223に沿って一方向に搬送され、その間に2台のカメラ231,232が、搬送されるシートの上面及び下面の各画像をそれぞれ読み取る。シート検査装置150はカメラユニット230から送られたシートの撮影画像を用いてシートに印刷された画像を検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-31963号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された画像形成装置のカメラユニットには、シートを搬送する搬送手段として、シートを上下から挟み込んで回転するローラ対が所定間隔で配置されたローラ搬送部が設けられており、ローラ対とローラ対の間においてカメラユニットがシートの画像を撮影するものとされていた。このため、ローラ対とローラ対の間では、シートを保持・案内する部材が存在しないため、高速で搬送されるシートの位置が安定しにくく、シートは紙面に垂直な方向に位置が変動する挙動を示すことがあった。カメラユニットが例えばCISのように焦点深度が浅い撮像装置である場合には、このようにシートが焦点深度方向に移動すると画像の読み取りが不可能になってしまう。
【0005】
そこで、本願発明者は、図9に示すように、吸着式の搬送手段で印刷用紙を搬送しながらカメラで印刷用紙の画像を検査する画像検査装置を発明した。この画像検査装置1aは、印刷用紙が移動する方向に沿って順に配置された印刷装置2と、検査装置3aと、後処理装置4から構成されている。
【0006】
印刷装置2は、複数種類の印刷用紙を格納する複数の格納部5と、格納部5に接続されており、印刷用紙を反転させることによって表裏を裏返して同一経路を2回搬送できるループ状の搬送経路6と、搬送経路6の一部に設けられ、印刷用紙を吸着して搬送する第1搬送手段11と、第1搬送手段11の上方に配置されて第1搬送手段11で搬送される印刷用紙にインクを吐出して画像を形成する印刷手段7とを備えている。第1搬送手段11は、多数の孔が形成されたベルトを複数のローラに掛け回したベルトコンベア8と、ベルトコンベア8のベルトの下面側に設けられてベルトの上面側に印刷用紙を吸着させる図示しない吸引手段とを備えており、印刷用紙を吸着手段でベルトの上面側に吸着し、ベルトを移動させて印刷用紙を搬送する。便宜上、この第1搬送手段11で搬送される印刷用紙の露出した面を表面と呼び、その反対側を裏面と呼ぶものとする。
【0007】
検査装置3aは、前段の印刷装置2の第1搬送手段11に接続され、表面を上側に露出した姿勢で印刷用紙を吸着して搬送する第2搬送手段12と、第2搬送手段12の上流側の上方に下向きに配置されて印刷用紙の表面の画像を検査する第1検査手段21とを備えている。第2搬送手段12の構成は第1搬送手段11と概ね同一である。また、第2搬送手段12の下流側には、前段の第2搬送手段12から送られた印刷用紙を、裏面を下側に露出した姿勢で吸着して搬送する第3搬送手段13と、第3搬送手段13の上流側の下方に上向きに配置されて印刷用紙の裏面の画像を検査する第2検査手段22とが設けられている。第3搬送手段13の構成は第1搬送手段11及び第2搬送手段12と概ね同一であるが、上下が反転した逆の姿勢で配置されている。
【0008】
後処理装置4は、検査装置3aで表裏の画像が検査された印刷用紙を受け入れ、これに種々の必要な後処理を施して最終製品として排出する装置である。
【0009】
この画像検査装置1aによれば、印刷装置2の第1搬送手段11の第1搬送速度V1と、検査装置3aの第2搬送手段12の第2搬送速度V2は、実質的に同一となるように制御されており、その制御が正しく行われている場合には、検査装置3aの第1検査手段21による印刷用紙の画像の検査に問題が生じることはない。
【0010】
しかしながら、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一とはいえない状態では、検査装置3aの第1検査手段21によって印刷用紙の画像を検査する際に、図10(a)~(c)を参照して以下に説明するように、画像の読み取りに問題が生じる。図10(a)~(c)は、例えば第1搬送速度V1よりも第2搬送速度V2の方が大きい場合(上流側よりも下流側の搬送速度が大きい場合)に、印刷用紙が第1搬送手段11から第2搬送手段12に受け渡されて第1検査手段21で検査が行われる状態を連続的に示す図である。
【0011】
図10(a)は、印刷用紙Pが第1搬送手段11で吸着搬送されながら印刷手段7で画像を形成されている状態を示している。印刷用紙Pの先端部は第2搬送手段12に達しておらず、印刷用紙Pは第1搬送速度V1(<第2搬送速度V2)で搬送されている。
【0012】
図10(b)は、印刷用紙Pが第1搬送手段11と第2搬送手段12で搬送されながら、印刷手段7で後端部に画像を形成されている状態を示している。印刷用紙Pは、その先端部は既に第2搬送手段12に達しており、第2搬送手段12による搬送力をうけつつ第1検査手段21による画像の検査が始められているが、第1搬送手段11によって吸着搬送されている部分の方が、第2搬送手段12によって吸着搬送されている部分よりも長いため、印刷用紙Pは第1搬送速度V1(<第2搬送速度V2)で搬送されている。
【0013】
図10(c)は、印刷手段7による画像の形成が終了し、印刷用紙Pは、第1搬送手段11と第2搬送手段12で搬送されながら、第1検査手段21によって画像の検査が行われている状態を示している。印刷用紙Pは、第1搬送手段11によって吸着搬送されている部分よりも、第2搬送手段12によって吸着搬送されている部分の方が長いため、第2搬送速度V2(>第1搬送速度V1)で搬送されている。すなわち、印刷用紙Pの搬送速度は大きくなっている。
【0014】
図11は、図10(a)~(c)に示した画像検査における印刷用紙Pの挙動を、搬送が開始されてから経過した時間(横軸)と、搬送が開始された位置を基準とする印刷用紙Pの位置(縦軸)との関係で示したグラフである。このグラフの直線の傾きは印刷用紙Pの搬送速度を示している。このグラフによれば、印刷用紙Pの搬送が開始されてから所定の時間が経過し、印刷用紙Pが所定の位置に到達したところで、印刷用紙Pの搬送速度が大きくなっている。すなわち、図10を参照して説明したように、印刷用紙Pの搬送速度は、第1搬送手段11の第1搬送速度V1から、第搬送手段11の第2搬送速度V2(>第1搬送速度V1)に増大している。
【0015】
図12は、画像検査装置1aにおける印刷用紙Pの画像検査において、第1検査手段21によって読み取られた画像の一例を示しており、図12(a)は正規に読み取られた場合の画像であり、図12(b)は図10及び図11に示したような状態で読み取られた場合の画像である。画像は「あ行」と「か行」のひらがなを連続して縦に並べたものであり、図12において上から下に向けた方向で第1検査手段21に読み込まれている。
【0016】
画像検査装置1aによる画像の読み取りにおいて、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に等しい場合には、印刷用紙は均一な速度(V1=V2)で搬送されるため、図12(a)に示すように第1検査手段21が読み取る画像に乱れは生じない。ところが、図10及び図11を参照して説明したように、印刷用紙Pの搬送速度が増大するような場合には、相対的に小さい第1搬送速度V1で搬送されている印刷用紙Pの画像を読み取ると、図12(b)の上半部のように搬送方向について相対的に伸びた長い画像となり、その後、相対的に大きい第2搬送速度V2で搬送されている印刷用紙Pの画像を読み取ると、図12(b)の下半部のように搬送方向について相対的に縮んだ短い画像となる。このように画像の読み取り途中で印刷用紙Pの搬送速度が変化すると、読み取った画像に乱れが生じてしまい、正しい検査を行う支障となってしまう。以上説明したのは、印刷用紙Pの搬送速度が画像の読み取り中に増大する例であったが、逆に減少する場合には図12(b)とは逆に、読み込み方向について上半部が短く、下半部が長い乱れた画像となってしまう。
【0017】
本発明は、従来技術の問題点に鑑みてなされた本願発明者による発明において、新たに発見された課題を解決するものであり、上流側の搬送手段から下流側の搬送手段にかけて被検査物を搬送しながら、当該被検査物に形成された画像を高精度で検査できる画像検査装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の画像検査装置は、
上流側の第1搬送手段が第1搬送速度で搬送するシート状の被検査物を第2搬送速度で搬送する下流側の第2搬送手段と、前記第2搬送手段が搬送する被検査物に形成された画像を検査する検査手段と、を備えた画像検査装置であって、
被検査物の搬送速度が前記第2搬送速度となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に前記検査手段が配置されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明の画像検査装置によれば、上流側の第1搬送手段と下流側の第2搬送手段で被検査物を搬送しながら、検査手段で被検査物の画像の検査を行うことができる。その際、第1搬送速度と第2搬送速度が実質的に同一でなくても、検査手段が被検査物の画像の検査を開始するタイミングは、被検査物の搬送速度が第2搬送速度となった時よりも後であるため、検査中の被検査物の搬送速度は第2搬送速度で一定しており、変化することはないので、検査手段が読み取った画像に乱れは生じない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態の画像検査装置の全体構成図である。
図2】第1実施形態の画像検査装置において、印刷装置の第1搬送速度よりも検査装置の第2搬送速度の方が大きい場合に印刷用紙の画像を検査する工程を連続的に示す図である。
図3】第1実施形態の画像検査装置において、印刷装置の第1搬送速度の方が検査装置の第2搬送速度よりも大きい場合に印刷用紙の画像を検査する工程を連続的に示す図である。
図4】第2実施形態の画像検査装置の全体構成図である。
図5】第3実施形態の画像検査装置の全体構成の一部を示す図である。
図6】第4実施形態の画像検査装置の全体構成図である。
図7】第4実施形態の画像検査装置においてカメラの撮像対象であるバーコードを示す図である。
図8】第5実施形態の画像検査装置の全体構成図である。
図9】本願発明者が本発明に先立って提案した画像検査装置の全体構成図である。
図10図9に示す画像検査装置において、印刷装置の第1搬送速度よりも検査装置の第2搬送速度の方が大きい場合に印刷用紙の画像を検査する工程を連続的に示す図である。
図11図9に示す画像検査装置において、印刷装置の第1搬送速度よりも検査装置の第2搬送速度の方が大きい場合に印刷用紙の画像を検査する際の印刷用紙の速度変化を示すグラフである。
図12図9に示す画像検査装置において検査手段が読み取った印刷用紙の画像を示す図であって、分図(a)は、印刷装置の第1搬送速度と検査装置の第2搬送速度が実質的に同一である場合に正しく読み取られた画像を示す図であり、分図(b)は、図9及び図10に示す場合に乱れた状態で読み取られた画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態を図1図3を参照して説明する。
図1に模式的に示すように、この画像検査装置1は、印刷装置2と検査装置3と後処理装置4が、印刷用紙Pが移動する方向に沿って配置された構成とされている。印刷装置2は印刷用紙Pに画像を形成し、印刷用紙Pに形成された画像は検査装置3で検査される。このため、本実施形態の画像検査装置1における被検査物は画像が形成された印刷用紙Pとなる。
【0022】
印刷装置2は、複数種類の印刷用紙Pを格納する複数の格納部5と、格納部5に接続されており、印刷用紙Pを反転させることによって表裏を裏返して同一経路を2回搬送できるループ状の搬送経路6と、搬送経路6の一部に設けられ、印刷用紙Pを吸着して搬送する第1搬送手段11と、第1搬送手段11の上方に配置されて第1搬送手段11で搬送される印刷用紙Pにインクを吐出して画像を形成する印刷手段7とを備えている。印刷手段7はインク色が異なる複数のインクジェットヘッドを有しており、印刷用紙Pの両面にカラー画像を形成することができる。
【0023】
第1搬送手段11は、下流側の駆動ローラ9と、上流側の従動ローラ10と、その他の2個の小従動ローラ10a,10bに搬送ベルト14を掛け回したベルトコンベア8を有している。搬送ベルト14には多数の貫通孔が設けられている。第1搬送手段11の上側の搬送ベルト14の下面側には、多数の貫通孔が形成された図示しないプラテンが接しており、さらにプラテンの下面には図示しないチャンバが取り付けられ、チャンバの内部は図示しないファンで吸引されるようになっている。このように、第1搬送手段11は吸着搬送手段であり、ファンが駆動されれば、空気は搬送ベルト14の上方から、搬送ベルト14とプラテンの貫通孔を経てチャンバに吸い込まれるため、印刷用紙Pは搬送ベルト14の上面側に吸着され、搬送ベルト14を駆動すれば印刷用紙Pを第1搬送速度V1で搬送することができる。
【0024】
なお、上流側及び下流側とは、各搬送手段11,12,13が印刷用紙Pを搬送する方向である搬送方向の上流側及び下流側の意味で使用している。また、便宜上、第1搬送手段11から第2搬送手段12に搬送されてくる印刷用紙Pの露出した面を表面と呼び、その反対側を裏面と呼ぶものとする。
【0025】
検査装置3は、第2搬送手段12と第1検査手段21を備えている。第2搬送手段12は、前段の印刷装置2の第1搬送手段11に接続され、表面を上側に露出した姿勢で印刷用紙Pを吸着して搬送する。第1検査手段21は、第2搬送手段12の第2搬送速度V2と同期して画像を読み取るように設定されている。第2搬送手段12の構成は第1搬送手段11と概ね同一である。第2搬送手段12は、印刷用紙Pを第2搬送速度V2で搬送する。第1検査手段21は、第2搬送手段12の下流側の上方に下向きに配置されており、印刷用紙Pの表面の画像を検査する。第1検査手段21が配置されている第2搬送手段12の下流側の位置とは、図1において中心線Cで示す第1搬送手段11と第2搬送手段12の中間の位置から、印刷用紙Pの長さの半分以上の寸法L1だけ下流の位置である。画像検査装置1では、多様なサイズの印刷用紙Pを使用する可能性があるが、そのような場合には、使用する可能性のある印刷用紙Pの中で、前記寸法L1を設定する基準としては、搬送方向の長さが最も長いものを選択することが好ましい。
【0026】
前記寸法L1を上述のように設定すれば、印刷用紙Pの先端部が第1検査手段21に到達した時点では、印刷用紙Pのうち、第1搬送手段11の搬送力の作用を受けるのは、印刷用紙Pの搬送方向の長さの半分未満である上流側の部分だけであり、印刷用紙Pの搬送方向の長さの半分以上である下流側の部分は、第2搬送手段12の搬送力の作用を受けている。すなわち、第1検査手段21が印刷用紙Pの画像の検査を開始するタイミングは、印刷用紙Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後であるため、検査中の印刷用紙Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することはないので、第1検査手段21が読み取った画像に乱れが生じることはない。
【0027】
第2搬送手段12の下流側には、前段の第2搬送手段12から送られた印刷用紙Pを、裏面を下側に露出した姿勢で吸着して搬送する第3搬送手段13と、第3搬送手段13の下流側の下方に上向きに配置されて印刷用紙Pの裏面の画像を検査する第2検査手段22が設けられている。第3搬送手段13の構成は第1搬送手段11及び第2搬送手段12と概ね同一であるが、上下が反転した逆の姿勢となっている。また、第2検査手段22は、第2搬送手段12と第3搬送手段13の中間の位置から、前記寸法L1を越える長さだけ下流側に離れた位置に設置されている。
【0028】
なお、第2搬送手段12の従動ローラ10の上方と、第3搬送手段13の従動ローラ10の下方には、印刷用紙Pの先端の浮き上がりを押さえ込む押さえローラ15がそれぞれ設けられている。これらの押さえローラ15は、搬送ベルト14に従動して回転している。
【0029】
第1検査手段21と第2検査手段22は、同じ仕様のCIS(密着イメージセンサ、Contact Image Sensor)であるが、印刷用紙Pに形成された画像を検査のために読み取る検査部としては、CISに限らず、その他の原理又は構造のセンサでもよいし、カメラを用いることもできる。
【0030】
後処理装置4は、印刷装置2で画像が形成され、検査装置3で当該画像が検査された印刷用紙Pに対し、種々の後処理を加えて排出する装置である。後処理の内容としては、ソート・スタック等の仕分け作業、ステープル、合紙の挿入、各種態様の紙折り、封筒への挿入等があり、目的に応じて必要な機能を備えた後処理装置4を設けることができる。
【0031】
この画像検査装置1によれば、印刷装置2の第1搬送手段11の第1搬送速度V1と、検査装置3の第2搬送手段12の第2搬送速度V2と、検査装置3の第3搬送手段13の第3搬送速度V3は、実質的に同一となるように制御されており、その制御が正しく行われている場合には、検査装置3の第1検査手段21及び第2検査手段22による印刷用紙Pの画像の検査は問題なく行われる。
【0032】
「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように、図9に示した画像検査装置1aでは、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一とはいえない場合には印刷用紙Pの画像の読み取りに問題が生じていたが、以下に詳細に説明するように、本実施形態の画像検査装置1によれば、上述した検査手段21,22の配置の変更によってこの問題は解消されている。
【0033】
図2(a)~(c)は、第1搬送速度V1よりも第2搬送速度V2の方が大きい場合(上流側よりも下流側の搬送速度が大きい場合)に、印刷用紙Pが第1搬送手段11から第2搬送手段12に受け渡されて第1検査手段21で検査が行われる状態を連続的に示す図である。
【0034】
図2(a)は、印刷用紙Pが第1搬送手段11で吸着搬送されながら印刷手段7で画像を形成されている状態を示している。印刷用紙Pの先端部は第2搬送手段12に達しておらず、印刷用紙Pは第1搬送速度V1(<第2搬送速度V2)で搬送されている。
【0035】
図2(b)は、印刷用紙Pが第1搬送手段11と第2搬送手段12で搬送されながら、印刷手段7で後端部に画像を形成されている状態を示している。印刷用紙Pは、その先端部が既に第2搬送手段12に達しており、第2搬送手段12による搬送力をうけているが、第1搬送手段11によって吸着搬送されている部分の方が、第2搬送手段12によって吸着搬送されている部分よりも長いため、印刷用紙Pは第1搬送速度V1(<第2搬送速度V2)で搬送されている。印刷用紙Pの先端部は第2搬送手段12に達しているが、第2搬送手段12の下流側の端部付近にある第1検査手段21にはまだ到達しておらず、印刷用紙Pの画像の検査はまだ始まっていない。
【0036】
図2(c)は、印刷手段7による画像の形成が終了し、第1搬送手段11と第2搬送手段12で印刷用紙Pが搬送されている状態を示している。印刷用紙Pは、第1搬送手段11によって吸着搬送されている部分よりも、第2搬送手段12によって吸着搬送されている部分の方が長いため、第1搬送手段11の影響は受けず、第2搬送速度V2(>第1搬送速度V1)で搬送されている。すなわち、印刷用紙Pの搬送速度は、図2(b)に示した状態よりも大きくなっている。しかしながら、印刷用紙Pはまだ第1検査手段21に到達しておらず、印刷用紙Pの画像の検査はまだ始まっていない。この後、印刷用紙Pは第2搬送速度V2で搬送されながら第1検査手段21によって検査されるが、検査中、搬送速度は第2搬送速度V2で一定しているので、読み取った画像に乱れが生じることはなく、適切な検査を行うことができる。
【0037】
なお、印刷用紙Pは、第1検査手段21による表面の検査を受けて第2搬送手段12を通過した後、第3搬送手段13によって搬送されながら第2検査手段22によって裏面の検査を受ける。前述した通り、第2搬送速度V2と第3搬送速度V3は実質的に同一の速度となるように制御されているが、仮にそのようになっていなくとも、印刷用紙Pの先端が第2検査手段22に到達して検査が始められるのは、印刷用紙Pの半分を越える部分が第3搬送手段13に入り、用紙の搬送速度が第3搬送速度V3になった後である。従って、第2検査手段22による検査中、搬送速度は第3搬送速度V3で一定しているので、第3搬送速度V3と第2搬送速度V2が同じであるか否かに関係なく、第2検査手段22が読み取った画像に乱れが生じることはなく、第2検査手段22が読み取った画像によって適切な検査を行うことができる。
【0038】
図3(a)~(c)は、第1搬送速度V1の方が第2搬送速度V2よりも大きい場合(上流側の方が下流側よりも搬送速度が大きい場合)に、印刷用紙Pが第1搬送手段11から第2搬送手段12に受け渡されて第1検査手段21で検査が行われる状態を連続的に示す図である。
【0039】
図3(a)は、印刷用紙Pが第1搬送手段11で吸着搬送されながら印刷手段7で画像を形成されている状態を示している。印刷用紙Pの先端部は第2搬送手段12に達しておらず、印刷用紙Pは第1搬送速度V1(>第2搬送速度V2)で搬送されている。
【0040】
図3(b)は、印刷用紙Pが第1搬送手段11と第2搬送手段12で搬送されながら、印刷手段7で後端部に画像を形成されている状態を示している。印刷用紙Pは、その先端部が既に第2搬送手段12に達しており、第2搬送手段12による搬送力をうけているが、第1搬送手段11によって吸着搬送されている部分の方が、第2搬送手段12によって吸着搬送されている部分よりも長いため、印刷用紙Pは第1搬送速度V1(>第2搬送速度V2)で搬送されている。印刷用紙Pの先端部は第2搬送手段12に達しているが、第2搬送手段12の下流側の端部付近にある第1検査手段21にはまだ到達しておらず、印刷用紙Pの画像の検査はまだ始まっていない。
【0041】
図3(c)は、印刷手段7による画像の形成が終了し、第1搬送手段11と第2搬送手段12で印刷用紙Pが搬送されている状態を示している。印刷用紙Pは、第1搬送手段11によって吸着搬送されている部分よりも、第2搬送手段12によって吸着搬送されている部分の方が長いため、第1搬送手段11の影響は受けず、第2搬送速度V2(<第1搬送速度V1)で搬送されている。すなわち、印刷用紙Pの搬送速度は、図3(b)に示した状態よりも小さくなっている。しかしながら、印刷用紙Pはまだ第1検査手段21に到達しておらず、印刷用紙Pの画像の検査はまだ始まっていない。この後、印刷用紙Pは第2搬送速度V2で搬送されながら第1検査手段21によって検査されるが、検査中、搬送速度は第2搬送速度V2で一定しているので、読み取った画像に乱れが生じることはなく、適切な検査を行うことができる。
【0042】
なお、印刷用紙Pは、第1検査手段21による表面の検査を受けて第2搬送手段12を通過した後、第3搬送手段13によって搬送されながら第2検査手段22によって裏面の検査を受けるが、図2を参照して説明した場合と同様、第3搬送手段13の第3搬送速度V3と第2搬送手段12の第2搬送速度V2が同じか否かに関係なく、第2検査手段22が読み取った画像に乱れが生じることはなく、適切な検査を行うことができる。
【0043】
本発明の第2実施形態を図4を参照して説明する。
図4に第2実施形態の画像検査装置1’を示す。第2実施形態の画像検査装置1’の基本的な構成は第1実施形態の画像検査装置1と同一であり、図4中、第1実施形態と対応する部分には図1と同一の符号を付し、第1実施形態の説明を援用する。以下に説明する通り、第2実施形態が第1実施形態と異なるのは、第1検査手段21と第2検査手段22の配置である。
【0044】
図4に示すように、第2実施形態の画像検査装置1’の第1検査手段21は、第2搬送手段12の上流側の上方に下向きで配置されており、かつ上流側にある第1搬送手段11の下流側の端部との間隔L2は、印刷用紙の長さを越える寸法としている。なお、第1搬送手段11の下流側の端部とは、形状としての端部である搬送ベルト14が巻かれた駆動ローラ9の右端ではなく、第1搬送手段11において印刷用紙Pに搬送力を与えうる最も右端の位置を意味する。本実施形態では、この画像検査装置1’において用いられる最大の用紙はA3であり、その縦の長さが420mmであることに鑑み、L2=420mmとした。このような構成としたことにより、第2実施形態における検査装置3’の搬送方向の機長は第1実施形態よりも長くなっている。
【0045】
図4に示すように、第2実施形態の画像検査装置1’の第2検査手段22は、第3搬送手段13の上流側の下方に上向きで配置した。第2搬送手段12と第3搬送手段13は第1実施形態と同様、間隔を置かずに並べて設置されている。
【0046】
第2実施形態の画像検査装置1’によれば、印刷用紙PとしてA3用紙を縦長で搬送する場合であっても、その印刷用紙Pの先端部が第1検査手段21に到達した時点では、印刷用紙Pの後端部は既に第1搬送手段11を離れており、印刷用紙Pは第2搬送手段12の搬送力のみを受けている。すなわち、第1検査手段21が印刷用紙Pの画像の検査を開始するタイミングは、印刷用紙Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後であるため、印刷用紙Pの検査中の搬送速度は第2搬送速度V2で一定であり、変化することはないので、第1検査手段21が読み取った画像に乱れが生じることはない。A3よりも搬送方向の長さが短い印刷用紙Pであれば、同様の効果が得られる。
【0047】
なお、第2実施形態の画像検査装置1’において、第2搬送手段12の下流側の端部と、第2検査手段22の間隔を前記L2と同様に420mmとすれば、図4に示したものよりも検査装置3’の搬送方向の機長はさらに長くなる。しかしながら、印刷用紙PとしてA3を縦長で搬送した場合に、第2搬送手段12の搬送速度V2と、第3搬送手段13の搬送速度V3とが実質的に同一でなかったとしても、印刷用紙Pは搬送速度V3の一定速度で搬送されるようになってから第2検査手段22での検査が始まるため、第2検査手段22での検査に問題が発生することはなくなる。
【0048】
以上説明した第1及び第2実施形態では、搬送手段として吸引ファンを用いた吸着搬送手段を示したが、吸着手段としては静電吸着の原理を用いたものでもよく、吸着の原理及び構造は問わない。また、上流側の搬送速度と下流側の搬送手段が異なることによって下流側での画像検査に不具合が生じるのは、格別、搬送手段が吸着式の場合のみではなく、ローラ搬送式の搬送手段でも同様であり、その場合の例を第3実施形態として次に説明する。
【0049】
本発明の第3実施形態を図5を参照して説明する。
図5に第3実施形態の画像検査装置1”を示す。第3実施形態の画像検査装置1”の構成のうち、第1実施形態と共通の部分には図1中の符号と同一の符号を付して第1実施形態の説明を援用する。以下に説明するように、第3実施形態が第1及び第2実施形態と異なるのは、搬送手段がローラ式である点と、第1検査手段21の配置である。
【0050】
図5に示すように、印刷装置2’の第1搬送手段11’と、検査装置3”の第2搬送手段12’は、ローラ搬送手段である。第1搬送手段11’と第2搬送手段12’は、印刷用紙Pを挟持して保持力を与えることにより搬送する駆動ローラ9と従動ローラ10の組合せをそれぞれ2対有している。また図5中、符号25は、第1搬送手段11’から第2搬送手段12’を経て下流へと設置された印刷用紙Pの搬送経路である。
【0051】
図5に示すように、第3実施形態における第1検査手段21の配置は、第1及び第2実施形態と異なっている。本実施形態において、上流側にある第1搬送手段11’の第1搬送速度V1と、下流側にある第2搬送手段12’の第2搬送速度V2は同一となるように制御されているが、構成部品の公差等により実質的に同一とはいえない場合が生じうる。そのような場合、印刷用紙Pが上流側の第1搬送手段11’のみに挟持されて搬送されている状態では、印刷用紙Pの搬送速度はV1となるが、上流側の第1搬送手段11’と下流側の第2搬送手段12’に同時に挟持されて搬送されている状態では、印刷用紙Pの搬送速度は一定せず、また下流側の搬送手段のみに挟持されて搬送されている状態では、印刷用紙Pの搬送速度はV2となる。
【0052】
そこで、本実施形態では、印刷用紙Pが第2搬送手段12’のみから保持力を与えられることによって搬送速度が第2搬送速度V2となった時点での印刷用紙Pの先端部の位置よりも下流側に、第1検査手段21を配置している。すなわち、図5に示すように、第1搬送手段11’が印刷用紙Pに保持力を与える最も下流側の駆動ローラ9及び従動ローラ10のニップ点から、第1検査手段21の検査位置までの距離をL3とすると、このL3は、印刷用紙Pの搬送方向の長さから、印刷用紙Pの先端部から画像の読み込み開始位置までの余白の長さを引いた長さ以上であればよい。第1検査手段21をこのような配置とすれば、図5に示すように、搬送されている印刷用紙Pの後端部が第1搬送手段11’を抜けて搬送速度が第2搬送速度V2で一定となった直後に、当該印刷用紙Pの先端部が第1検査手段21の検査位置を通過して先端部に最も近い画像から検査が開始される。
【0053】
以上説明したように、本発明における搬送手段は第1及び第2実施形態のような吸着式に限らないが、第3実施形態のようなローラ搬送手段を用いた場合には、搬送中に用紙が紙面と垂直方向な方向にばたつく可能性があるため、検査手段としては焦点深度が深いCISよりも、焦点深度が浅い他の画像検査用デバイスを採用することが好ましい。
【0054】
本発明の第4実施形態を図6及び図7を参照して説明する。
図6に第4実施形態の画像検査装置100を示す。第4実施形態の画像検査装置100の構成のうち、第1実施形態と共通の部分には図1中の符号と同一の符号を付して第1実施形態の説明を援用する。以下に説明するように、第4実施形態が第1実施形態と異なるのは、第2搬送手段12の上方に下向きで設けられた第1検査手段が、第1検査部としてのカメラ31と、第2検査部としてのCIS32の二つを含む点である。
【0055】
なお、図6には、第1実施形態における第3搬送手段13に相当する構成が図示されていないが、印刷用紙Pの表面だけを検査するのであれば、これは必要ない。もちろん、図6において第1実施形態の第3搬送手段13に相当する構成を設け、印刷用紙Pの裏面も検査できるようにしてもよい。その場合には、必要に応じて、第3搬送手段13の下方に上向きで設ける第2検査手段22として、第2搬送手段12と同様にカメラとCISを設けてもよい。
【0056】
カメラ31は、第2検査部であるCIS32に比べると、焦点深度が深く、設置位置の許容誤差が比較的大きい。数値例を挙げると、設置位置が撮像対象から120mmであるとすれば、許容誤差は±2~3mm程度である。また、読み取り精度は、第2検査部であるCIS32に比べると相対的に高く、数値例を挙げれば300dpi程度である。カメラ31は、このように高い読み取り精度を有しているため、被検査物である印刷用紙Pに形成された画像のうち、特に高精度の読み取りが必要な画像を撮像するために用いられる。
【0057】
図7は、カメラ31が撮像する画像の一例であるバーコードを示している。バーコードは、ナローバーNBとワイドバーWB、ナロースペースNSとワイドスペースWSの組合せから構成されている。バーコードの読み取り方向(図7中上下方向、すなわちバーに直交する方向)に関するナローバーNBとワイドバーWBの幅の比率、及びナロースペースNSとワイドスペースWSの幅の比率は、例えば1:2~1:3程度の所定値に設定されている。図7の左図は、用紙が搬送速度V1で搬送されている際にカメラ31が読み取ったバーコードの画像であり、図7の右図は、用紙が搬送速度V1よりも大きい搬送速度V2で搬送されている際にカメラ31が読み取った同じバーコードの画像である。すなわち、同じバーコードであっても、搬送速度V1で搬送されている時に読み取った画像に比べ、これより速い搬送速度V2で搬送されている時に読み取った画像は読み取り方向に伸びている。従って、バーコードを読み取っている途中で用紙の搬送速度が変化すると、読み取ったバーコードの画像の前記比率が一つの画像内で変化してしまうため、読み取り不能となってしまう。なお、バーコードにおいて規定されているナローバーNBとワイドバーWBの幅の比率が、規定値からどの程度外れると読み取れなくなるかは、当該読み取り装置(カメラ)の性能によって決まる。
【0058】
そこで、カメラ31は、第1実施形態の第1検査手段21と同様、印刷用紙Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった場合に、画像の検査を開始できる位置に配置されている。すなわち、第1搬送手段11と第2搬送手段12の中間の位置から、印刷用紙Pの長さの半分以上の寸法(第1実施形態では図1にL1で示した。)だけ下流の位置であり、この実施形態では第2搬送手段12の駆動ローラ9の近傍の位置となる。
【0059】
CIS32は、第1検査部であるカメラ31に比べると、焦点深度が浅く、設置位置の許容誤差が比較的小さい。数値例を挙げると、設置位置が撮像対象から12mmであるとすれば、許容誤差は±0.2mm程度である。また、読み取り精度は、第1検査部であるカメラ31に比べると相対的に低く、数値例を挙げれば200dpi程度である。CIS32の読み取り精度は低いため、被検査物である印刷用紙Pに形成された画像のうち、特に高精度の読み取りが必要な画像以外の画像を撮像するために用いられる。例えば、ビットマップデータに基づいて印刷用紙Pに印刷された画像を全面検査する場合等に用いられる。このような画像の読み取りにカメラ31を用いる必要性は小さく、読み取り精度の点でCIS32で十分である。また、CIS32による読み取り時に用紙の搬送速度が変化しても、読み取りに与える影響は少ないため、CIS32を設置する位置は、カメラ31の場合のような条件を満たす必要性は小さい。すなわち、CIS32は、第2搬送手段12においてカメラ31よりも上流側である押さえローラ15の近傍に設けてよい。
【0060】
第4実施形態の画像検査装置100によれば、カメラ31の読み取り対象は、高精細な読み取りが必要なバーコードであるが、このカメラ31の読み取り精度はバーコードの読み取りに必要な解像度を備えている。また、カメラ31が印刷用紙Pの画像の検査を開始するタイミングは、印刷用紙Pの搬送速度が第2搬送速度となった時よりも後であるため、第1搬送速度と第2搬送速度が実質的に同一でなくても、カメラ31による印刷用紙Pの検査中は印刷用紙Pの搬送速度は第2搬送速度で一定しており、変化することがない。従って、カメラ31が読み取った画像に乱れは生じず、読み取りに問題はない。一方、相対的に読み取り精度が低いCIS32の読み取り対象は、高精細な読み取りが不要な画像であるため、印刷用紙Pの搬送速度が搬送中に変化したとしても、CIS32による読み取りに実質的な問題は生じない。なお、前記カメラ31に替えて、レーザーなどを利用して光学的な読み取りを行なうバーコードリーダを用いることもできる。
【0061】
本発明の第5実施形態を図8を参照して説明する。
図8に第5実施形態の画像検査装置200を示す。第5実施形態の画像検査装置200の構成のうち、第1実施形態と共通の部分には図1中の符号と同一の符号を付して第1実施形態の説明を援用する。以下に説明するように、第5実施形態が第1実施形態と異なるのは、第2搬送手段12の上方に下向きで設けられた第1検査手段が、第1検査部としてのカメラ31a及びカメラ31bの二台のカメラを含む点である。
【0062】
なお、図8には、第1実施形態における第3搬送手段13に相当する構成が図示されていないが、印刷用紙Pの表面だけを検査するのであれば、これは必要ない。もちろん、図8において第1実施形態の第3搬送手段13に相当する構成を設け、印刷用紙Pの裏面も検査できるようにしてもよい。その場合には、必要に応じて、第3搬送手段13の下方に上向きで設ける第2検査手段22として、第2搬送手段12と同様に2台のカメラを設けてもよい。
【0063】
カメラ31a及びカメラ31bは第4実施形態のカメラ31と同一であり、何れも、CISに比べて焦点深度が深く設置位置の許容誤差が比較的大きい読み取り精度の高い検査手段である。
【0064】
一方のカメラ31aは、被検査物である印刷用紙Pに形成された画像のうち、特に高精度の読み取りが必要な画像を撮像するために用いられ、具体的には第4実施形態で説明したようなバーコードを読み取る。そこで、カメラ31aは、第4実施形態のカメラ31と同様、印刷用紙Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった場合に、画像の検査を開始できる位置に配置されている。すなわち、第1搬送手段11と第2搬送手段12の中間の位置から、印刷用紙Pの長さの半分以上の寸法(第1実施形態では図1にL1で示した。)だけ下流の位置であり、この実施形態では第2搬送手段12の駆動ローラ9の近傍の位置となる。
【0065】
また、他方のカメラ31bは、被検査物である印刷用紙Pに形成された画像のうち、特に高精度の読み取りが必要な画像以外の画像を撮像するために用いられる。例えば、印刷用紙のページ番号(数字)、その他のキャラクターを読み取る場合等に用いられる。キャラクターをカメラで読み取る場合には、読み取り時に用紙の搬送速度が変化しても読み取りに与える影響はバーコード等の場合に較べて少ないため、カメラ31bを設置する位置は、カメラ31aの場合のような条件を満たす必要性は小さい。すなわち、カメラ31bは、第2搬送手段12においてカメラ31aよりも上流側である押さえローラ15の近傍に設けてよい。
【0066】
第5実施形態の画像検査装置200によれば、カメラ31aの読み取り対象は、高精細な読み取りが必要なバーコードであるが、このカメラ31aの読み取り精度はバーコードの読み取りに必要な解像度を備えている。また、カメラ31aが印刷用紙Pの画像の検査を開始するタイミングは、印刷用紙Pの搬送速度が第2搬送速度となった時よりも後であるため、第1搬送速度と第2搬送速度が実質的に同一でなくても、カメラ31aによる印刷用紙Pの検査中は印刷用紙Pの搬送速度は第2搬送速度で一定しており、変化することがない。従って、カメラ31aが読み取った画像に乱れは生じず、読み取りに問題はない。一方、カメラ31bの読み取り対象は、高精細な読み取りが不要なキャラクターであるため、印刷用紙Pの搬送速度が搬送中に変化したとしても、カメラ31bによる読み取りに実質的な問題は生じない。なお、前記カメラ31aに替えて、レーザーなどを利用して光学的な読み取りを行なうバーコードリーダを用いることもできる。
【0067】
《実施形態における各態様の画像検査装置1の構成とその効果について》
第1態様の画像検査装置1,1’,1”は、
上流側の第1搬送手段11が第1搬送速度V1で搬送するシート状の被検査物Pを第2搬送速度V2で搬送する下流側の第2搬送手段12と、前記第2搬送手段12が搬送する被検査物Pに形成された画像を検査する検査手段21と、を備えた画像検査装置1,1’,1”であって、
被検査物Pの搬送速度が前記第2搬送速度V2となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に前記検査手段21が配置されたことを特徴としている。
【0068】
第1態様の画像検査装置1,1’,1”によれば、
上流側の第1搬送手段11と下流側の第2搬送手段12で被検査物Pを搬送しながら、検査手段21で被検査物Pの画像の検査を行うことができる。その際、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一でなくても、検査手段21が被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、被検査物Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後である。このため、検査中の被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することはないので、検査手段21が読み取った画像に乱れは生じない。
【0069】
第2態様の画像検査装置1,1’,1”は、第1態様の画像検査装置1,1’,1”において、
被検査物Pの搬送速度を決める保持力が前記第2搬送手段12.12’によって与えられることとなった時の被検査物Pの先端部の位置よりも下流側に前記検査手段21が配置されたことを特徴としている。
【0070】
第2態様の画像検査装置1,1’,1”によれば、
上流側の第1搬送手段11と下流側の第2搬送手段12が被検査物Pに保持して搬送しながら、検査手段21で被検査物Pの画像の検査を行うことができる。ここで、この検査手段21は、被検査物Pの搬送速度を決める搬送手段の保持力が第2搬送手段12,12’によって与えられることになった時点での被検査物Pの先端部の位置よりも下流側に配置されている。このため、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一でなくても、検査手段21が被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、被検査物Pの搬送速度が、第2搬送手段12,12’の保持力の作用を受けて第2搬送速度V2となった時よりも後となる。このため、検査中の被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することはないので、検査手段21が読み取った画像に乱れは生じない。
【0071】
第3態様の画像検査装置1,1’は、第2態様の画像検査装置1,1’において、
前記第1搬送手段11と前記第2搬送手段12は被検査物Pを吸着して搬送する吸着搬送手段であり、前記第1搬送手段11と前記第2搬送手段12の中間の位置から、被検査物Pの長さの半分を越える寸法だけ下流の位置に、前記検査手段21が配置されたことを特徴としている。
【0072】
第3態様の画像検査装置1,1’によれば、
第1搬送手段11と第2搬送手段12の中間の位置から、被検査物Pの長さの半分を越える寸法だけ下流の位置に検査手段21が配置されている。このため、被検査物Pの先端部が検査手段21に到達した時点では、被検査物Pのうち、第1搬送手段11の吸着力による搬送力の作用を受けるのは、被検査物Pの搬送方向の長さの半分未満である上流側の部分だけであり、被検査物Pの搬送方向の長さの半分を越える寸法である下流側の部分は、第2搬送手段12の吸着力による搬送力の作用を受けている。すなわち、検査手段21が被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、第1搬送手段11が被検査物Pに与えている吸着力よりも第2搬送手段12が被検査物Pに与えている吸着力の方が大きくなり、被検査物Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後である。このため、検査中の被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することはないので、検査手段21が読み取った画像に乱れが生じることはない。
【0073】
第4態様の画像検査装置1,1’は、第1態様の画像検査装置1,1’において、
前記第1搬送手段11の下流側の端部と前記検査手段21の間隔を、被検査物Pの長さを越える寸法としたことを特徴としている。
【0074】
第4態様の画像検査装置1,1’によれば、
第1搬送手段11の下流側の端部と検査手段21の間隔が被検査物Pの長さを越えているため、被検査物Pの先端部が検査手段21に到達した時点では、被検査物Pの後端部は第1搬送手段11を離れており、被検査物Pは第2搬送手段12の搬送力のみを受けている。すなわち、検査手段21が被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、被検査物Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後である。このため、被検査物Pの検査中に被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定であり、変化することはないので、検査手段21が読み取った画像に乱れが生じることはない。
【0075】
第5態様の画像検査装置100は、第1態様の画像検査装置において、
前記検査手段は、読み取り精度が相対的に高い第1検査部31と、読み取り精度が相対的に低い第2検査部32を含んでおり、
前記第1検査部31を、被検査物Pの搬送速度が前記第2搬送速度V2となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴としている。
【0076】
第5実施形態の画像検査装置100によれば、第1検査部31は、第2検査部32に較べて読み取り精度が高い。また、第1検査部31が被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、被検査物Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後であるため、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一でなくても、第1検査部31による被検査物Pの検査中は被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することがない。従って、第1検査部31が読み取った画像に乱れは生じず、読み取りに問題はない。一方、相対的に読み取り精度が低い第2検査部32の読み取り対象を、高精細な読み取りが不要な画像とすれば、被検査物Pの搬送速度が搬送中に変化したとしても、第2検査部32による読み取りに実質的な問題は生じない。
【0077】
第6態様の画像検査装置200は、第1態様の画像検査装置において、
前記検査手段は、読み取り精度が相対的に高い少なくとも2つの第1検査部31a,31bを含んでおり、
前記少なくとも2つの第1検査部31a,31bのうち、高精度の読み取りが必要な画像を読み取る前記第1検査部31aを、被検査物Pの搬送速度が前記第2搬送速度V2となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴としている。
上述の実施の形態では、第1検査部は第1検査部31aと第1検査部31bの2つであったが、第1検査部は3以上であってもよく、これらの第1検査部のうち、高精度の読み取りが必要な画像を読み取る1又は2以上の第1検査部が、被検査物Pの搬送速度が前記第2搬送速度V2となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置されればよい。
【0078】
第6態様の画像検査装置200によれば、第1検査部31aは、読み取り精度が相対的に高い。また、第1検査部31aが被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、被検査物Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後であるため、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一でなくても、第1検査部31aによる被検査物Pの検査中は被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することがない。従って、第1検査部31aが読み取った画像に乱れは生じず、読み取りに問題はない。一方、第1検査部31bの読み取り対象が、高精細な読み取りが不要な画像であれば、被検査物Pの搬送速度が搬送中に変化したとしても、第1検査部31bによる読み取りに実質的な問題は生じない。
【符号の説明】
【0079】
1,1’,1”,100,200…画像検査装置
2,2’…印刷装置
3,3’,3”…画像検査装置における画像検査機能の主要部である検査装置
4…後処理装置
8…ベルトコンベア
11,11’…第1搬送手段
12,12’…第2搬送手段
13…第3搬送手段
21…第1検査手段
22…第2検査手段
31,31a,31b…検査手段としての第1検査部
32…検査手段としての第2検査部
V1…第1搬送速度
V2…第2搬送速度
V3…第3搬送速度
P…被検査物としての印刷用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の第1搬送手段が第1搬送速度で搬送するシート状の被検査物を第2搬送速度で搬送する下流側の第2搬送手段と、前記第2搬送手段が搬送する被検査物に形成された画像を検査する検査手段と、を備えた画像検査装置であって、
前記第1搬送速度と前記第2搬送速度は同一となるように制御されているが同一とはな っておらず、
前記検査手段は、
前記第1搬送手段と前記第2搬送手段で同時に搬送されているが、前記第1搬送手段に よって搬送されている部分よりも前記第2搬送手段によって搬送されている部分の方が長 い被検査物の前記画像を検査することを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
前記第1搬送手段によって搬送されている部分よりも前記第2搬送手段によって搬送さ れている部分の方が長い状態とは、
被検査物の搬送速度を決める保持力が前記第2搬送手段のみによって与えられる状態で あり、前記検査手段は、前記状態が開始された際における被検査物の先端部の位置よりも下流側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
前記第1搬送手段によって搬送されている部分よりも前記第2搬送手段によって搬送さ れている部分の方が長い状態では、被検査物の搬送速度は前記第2搬送速度であり、
前記検査手段は、前記状態となった際における被検査物の先端部の位置よりも下流側に配置されたことを特徴とする請求項に記載の画像検査装置。
【請求項4】
前記検査手段は、読み取り精度が相対的に高い第1検査部と、読み取り精度が相対的に低い第2検査部を含んでおり、
前記第1検査部を、前記第1搬送手段と前記第2搬送手段で同時に搬送されている被検査物の搬送速度が前記第2搬送速度となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の画像検査装置。
【請求項5】
前記検査手段は,読み取り精度が相対的に高い少なくとも2つの第1検査部を含んでおり、
前記少なくとも2つの第1検査部のうち、高精度の読み取りが必要な画像を読み取る前記第1検査部を、前記第1搬送手段と前記第2搬送手段で同時に搬送されている被検査物の搬送速度が前記第2搬送速度となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴とする請求項1記載の画像検査装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の画像検査装置は、
上流側の第1搬送手段が第1搬送速度で搬送するシート状の被検査物を第2搬送速度で搬送する下流側の第2搬送手段と、前記第2搬送手段が搬送する被検査物に形成された画像を検査する検査手段と、を備えた画像検査装置であって、
前記第1搬送速度と前記第2搬送速度は同一となるように制御されているが同一とはな っておらず、
前記検査手段は、
前記第1搬送手段と前記第2搬送手段で同時に搬送されているが、前記第1搬送手段に よって搬送されている部分よりも前記第2搬送手段によって搬送されている部分の方が長 い被検査物の前記画像を検査することを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
《実施形態における各態様の画像検査装置1の構成とその効果について》
第1態様の画像検査装置1,1’,1”は、
上流側の第1搬送手段11,11’が第1搬送速度V1で搬送するシート状の被検査物Pを第2搬送速度V2で搬送する下流側の第2搬送手段12,12’と、前記第2搬送手段12,12’が搬送する被検査物Pに形成された画像を検査する検査手段21と、を備えた画像検査装置1,1’,1”であって、
前記第1搬送速度V1と前記第2搬送速度V2は同一となるように制御されているが同 一とはなっておらず、
前記検査手段21は、
前記第1搬送手段11,11’と前記第2搬送手段12,12’で同時に搬送されてい るが、前記第1搬送手段11,11’によって搬送されている部分よりも前記第2搬送手 段12,12’によって搬送されている部分の方が長い被検査物Pの前記画像を検査することを特徴としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
第2態様の画像検査装置1,1’,1”は、第1態様の画像検査装置1,1’,1”において、
前記第1搬送手段11,11’によって搬送されている部分よりも前記第2搬送手段1 2,12’によって搬送されている部分の方が長い状態とは、
被検査物Pの搬送速度を決める保持力が前記第2搬送手段12,12’のみによって与えられる状態であり、前記検査手段21は、前記状態が開始された際における被検査物Pの先端部の位置よりも下流側に配置されたことを特徴としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
第3態様の画像検査装置1,1’,1”は、第態様の画像検査装置1,1’,1”において、
前記第1搬送手段11,11’によって搬送されている部分よりも前記第2搬送手段1 2,12’によって搬送されている部分の方が長い状態では、被検査物Pの搬送速度は前 記第2搬送速度V2であり、
前記検査手段21は、前記状態となった際における被検査物Pの先端部の位置よりも下 流側に配置されたことを特徴としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
態様の画像検査装置100は、第1態様の画像検査装置において、
前記検査手段は、読み取り精度が相対的に高い第1検査部31と、読み取り精度が相対的に低い第2検査部32を含んでおり、
前記第1検査部31を、被検査物Pの搬送速度が前記第2搬送速度V2となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴としている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
実施形態の画像検査装置100によれば、第1検査部31は、第2検査部32に較べて読み取り精度が高い。また、第1検査部31が被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、被検査物Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後であるため、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一でなくても、第1検査部31による被検査物Pの検査中は被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することがない。従って、第1検査部31が読み取った画像に乱れは生じず、読み取りに問題はない。一方、相対的に読み取り精度が低い第2検査部32の読み取り対象を、高精細な読み取りが不要な画像とすれば、被検査物Pの搬送速度が搬送中に変化したとしても、第2検査部32による読み取りに実質的な問題は生じない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0077】
態様の画像検査装置200は、第1態様の画像検査装置において、
前記検査手段は、読み取り精度が相対的に高い少なくとも2つの第1検査部31a,31bを含んでおり、
前記少なくとも2つの第1検査部31a,31bのうち、高精度の読み取りが必要な画像を読み取る前記第1検査部31aを、被検査物Pの搬送速度が前記第2搬送速度V2となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置したことを特徴としている。
上述の実施の形態では、第1検査部は第1検査部31aと第1検査部31bの2つであったが、第1検査部は3以上であってもよく、これらの第1検査部のうち、高精度の読み取りが必要な画像を読み取る1又は2以上の第1検査部が、被検査物Pの搬送速度が前記第2搬送速度V2となった場合に前記画像の検査を開始できる位置に配置されればよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
態様の画像検査装置200によれば、第1検査部31aは、読み取り精度が相対的に高い。また、第1検査部31aが被検査物Pの画像の検査を開始するタイミングは、被検査物Pの搬送速度が第2搬送速度V2となった時よりも後であるため、第1搬送速度V1と第2搬送速度V2が実質的に同一でなくても、第1検査部31aによる被検査物Pの検査中は被検査物Pの搬送速度は第2搬送速度V2で一定しており、変化することがない。従って、第1検査部31aが読み取った画像に乱れは生じず、読み取りに問題はない。一方、第1検査部31bの読み取り対象が、高精細な読み取りが不要な画像であれば、被検査物Pの搬送速度が搬送中に変化したとしても、第1検査部31bによる読み取りに実質的な問題は生じない。