(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055939
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】表示装置及びタッチ検出装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20240412BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240412BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1333
G06F3/041 410
G06F3/041 450
G06F3/041 470
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024028754
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2022204198の分割
【原出願日】2018-11-08
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮下 大聖
(72)【発明者】
【氏名】青木 均一
(57)【要約】
【課題】信頼性の高い表示装置及びタッチ検出装置を提供する。
【解決手段】 本実施形態に係る表示装置は、駆動電極を備えた第1基板と、第1基板と対向し、検出電極を備えた第2基板と、第2基板において非表示領域に配置されたメッシュ状の第1シールド電極と、を備え、第1シールド電極は、第1開口と島状の第1電極部とを有している。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域を囲む非表示領域とを有する表示パネルと、
第1方向に並んだ複数の第1端子と、
前記非表示領域に配置され、前記複数の第1端子にそれぞれ接続された第1配線及び第2配線を含む複数の配線と、
複数の第1開口と、互いに隣接する前記第1開口の間の第1電極部とを有し、前記第1配線と前記第2配線との間に配置され、第2端子に接続された第1シールド電極と、
前記第1シールド電極の前記複数の第1開口及び前記第1電極部に重畳する第1導電線と、を備え、
前記第1電極部の面積は、前記複数の第1開口のうちの1つの面積より大きく、
前記第1導電線は、前記第1方向に交差する第2方向に延出し、
前記第1シールド電極の電位は、固定電位である、表示装置。
【請求項2】
前記複数の配線にそれぞれ接続された複数の検出電極をさらに備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1導電線の電位は、交流電位である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
第2シールド電極と、第2導電線と、をさらに備え、
前記第2シールド電極は、複数の第2開口を有し、前記複数の配線を囲み、第3端子に接続され、
前記第2シールド電極は、前記第2導電線に重畳し、
前記第2導電線の電位は、交流電位である、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、第1辺と、前記第1辺に交差する第2辺と、前記第1辺に対向する第3辺と、前記第2辺に対向する第4辺と、を有し、
前記第1端子、前記第2端子、及び、前記第3端子は、前記第1辺に沿って配置され、
前記第2シールド電極は、前記第2辺、前記第3辺、及び、前記第4辺に沿って配置され、
前記第2辺に沿った前記第2シールド電極の第1幅、及び、前記第3辺に沿った前記第2シールド電極の第2幅は、前記第4辺に沿った前記第2シールド電極の第3幅より小さい、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルは、第1辺と、前記第1辺に交差する第2辺と、前記第1辺に対向する第3辺と、前記第2辺に対向する第4辺と、を有し、
前記第1端子、前記第2端子、及び、前記第3端子は、前記第1辺に沿って配置され、
前記第2シールド電極は、前記第2辺、前記第3辺、及び、前記第4辺に沿って配置され、
前記第2辺に沿った前記第2シールド電極の第1幅は、前記第4辺に沿った前記第2シールド電極の第3幅より小さい、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、第1辺と、前記第1辺に交差する第2辺と、前記第1辺に対向する第3辺と、前記第2辺に対向する第4辺と、を有し、
前記第1端子、前記第2端子、及び、前記第3端子は、前記第1辺に沿って配置され、
前記第2シールド電極は、前記第2辺、前記第3辺、及び、前記第4辺に沿って配置され、
前記第3辺に沿った前記第2シールド電極の第2幅は、前記第4辺に沿った前記第2シールド電極の第3幅より小さい、請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2導電線は、前記第3辺に沿った前記第2シールド電極に重畳している、請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1開口の各々は、同一サイズに形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記複数の第1開口の各々は、主開口と、前記主開口より小さい副開口と、を含む、請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示領域に配置された第3シールド電極をさらに備え、
前記第3シールド電極及び前記検出電極には、同一の電位が供給される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルは、第1辺と、前記第1辺に交差する第2辺と、前記第1辺に対向する第3辺と、前記第2辺に対向する第4辺と、を有し、
前記第1端子及び前記第2端子は、前記第1辺に沿って配置され、
前記第3シールド電極は、前記表示領域において、前記第2辺に沿って配置されている、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示領域において前記第4辺に沿って配置された第4シールド電極をさらに備え、
前記第4シールド電極及び前記検出電極には、同一の電位が供給される、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記主開口及び前記副開口は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する対角線方向に並んでいる、請求項10に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1導電線の幅は、前記複数の第1開口のうちの1つの面積より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置及びタッチ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の接触又は近接を検出するセンサを備えた表示装置が開発されている。静電容量型のセンサの一例として、互いに対向する一方の基板に駆動電極が設けられ、他方の基板に検出電極が設けられる構造が知られている。駆動電極には、信号電位を供給するための電源線が接続され、検出電極には、出力された信号を読み取るための配線がそれぞれ接続される。
配線が例えば電源線と容量結合した場合、検出回路によって検知される容量値が変動し、センサの感度が低下するおそれがある。したがって、センサは、配線と電源線との容量結合を抑制するために、電源線と重畳するシールド電極を備える場合がある。このようなシールド電極と配線との間に生じる寄生容量は、可能な限り小さいことが望ましい。一方、当該寄生容量を低減するためにシールド電極の面積を小さくした場合、電源線から輻射されるEMI(electro magnetic interference)ノイズを十分に遮蔽できないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、信頼性の高い表示装置及びタッチ検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、
駆動電極を備えた第1基板と、前記第1基板と対向し、検出電極を備えた第2基板と、前記第2基板において非表示領域に配置されたメッシュ状の第1シールド電極と、を備え、前記第1シールド電極は、第1開口と島状の第1電極部とを有している、表示装置が提供される。
また、一実施形態によれば、
駆動電極を備えた第1基板と、前記第1基板と対向し、検出電極を備えた第2基板と、前記第2基板において前記検出電極が配置されていない領域に配置されたメッシュ状の第1シールド電極と、を備え、前記第1シールド電極は、第1開口と島状の第1電極部とを有している、タッチ検出装置が提供される。
一実施形態によれば、
複数の駆動電極と、
複数の第1開口と、互いに隣接する前記第1開口の間の第1電極部とを有し、前記第1電極部の面積が前記第1開口の面積より大きい、メッシュ状の第1シールド電極と、
所定電位が供給される第1電源線と、を備え、
前記第1開口及び前記第1電極部は、前記第1電源線に重畳し、
前記第1電源線と前記第1開口とが重畳する第1面積は、前記第1電源線と前記第1シールド電極とが重畳する第2面積の20%以上である、表示装置が提供される。
一実施形態によれば、
複数の駆動電極と、
複数の検出電極と、
複数の第1開口と、互いに隣接する前記第1開口の間の第1電極部とを有し、前記第1電極部の面積が前記第1開口の面積より大きい、メッシュ状の第1シールド電極と、
所定電位が供給される第1電源線と、を備え、
前記第1開口及び前記第1電極部は、前記第1電源線に重畳し、
前記第1シールド電極の前記第1開口の第1面積は、前記第1シールド電極の面積の20%以上である、タッチ検出装置が提供される。
一実施形態によれば、
複数の駆動電極と、
複数の検出電極と、
複数の第1開口と、互いに隣接する前記第1開口の間の第1電極部とを有し、前記第1電極部の面積が前記第1開口の面積より大きい、メッシュ状の第1シールド電極と、
所定電位が供給され、前記第1開口及び前記第1電極部に重畳する第1電源線と、
第2開口と、島状の第2電極部とを有し、前記第1シールド電極の外側に配置されたメッシュ状の第2シールド電極と、を備え、
前記第1シールド電極の前記第1開口の第1面積は、前記第1シールド電極の面積の20%以上である、タッチ検出装置が提供される。
一実施形態によれば、
表示領域と、前記表示領域を囲む非表示領域とを有する表示パネルと、
前記非表示領域に配置され、複数の第1端子にそれぞれ接続された複数の配線と、
複数の第1開口を有し、前記配線の間に配置され、第2端子に接続された第1シールド電極と、
複数の第2開口を有し、前記配線を囲み、第3端子に接続された第2シールド電極と、を備え、
前記第1シールド電極及び前記第2シールド電極の電位は、固定電位である、表示装置が提供される。
一実施形態によれば、
表示領域と、前記表示領域を囲む非表示領域とを有する表示パネルと、
第1方向に並んだ複数の第1端子と、
前記非表示領域に配置され、前記複数の第1端子にそれぞれ接続された第1配線及び第2配線を含む複数の配線と、
複数の第1開口と、互いに隣接する前記第1開口の間の第1電極部とを有し、前記第1配線と前記第2配線との間に配置され、第2端子に接続された第1シールド電極と、
前記第1シールド電極の前記複数の第1開口及び前記第1電極部に重畳する第1導電線と、を備え、
前記第1電極部の面積は、前記複数の第1開口のうちの1つの面積より大きく、
前記第1導電線は、前記第1方向に交差する第2方向に延出し、
前記第1シールド電極の電位は、固定電位である、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る表示装置1を概略的に示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す表示領域DAの構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す第1基板SUB1の構成例を示す平面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す駆動電極Txと切り替え回路C1及びC2とを電気的に接続する接続部を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、
図1に示す第2基板SUB2の構成例を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示す非表示領域NDAの構成例を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、
図6に示す領域A1を拡大して示す平面図である。
【
図14】
図14は、シールド電極SL1の開口OP1の面積と遮蔽効果との関係、及びオーバーコート層OCの形状を説明するための図である。
【
図15】
図15は、シールド電極SL1の他の例を示す平面図である。
【
図16】
図16は、シールド電極SL1の他の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0008】
本実施形態において、表示装置の一例として、検出機能付きの液晶表示装置を開示する。この液晶表示装置は、例えばスマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。なお、検出機能付きの表示装置として、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子層あるいはμ(マイクロ)LED素子等を有する自発光型の表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパー型の表示装置など、他の表示装置を適用することができる。
【0009】
図1は、第1実施形態に係る表示装置1を概略的に示す斜視図である。図に示す第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、互いに直交している。なお、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第3方向Zを示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。また、第3方向Zを示す矢印の先端側に表示装置1を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。
【0010】
表示装置1は、表示パネル2、照明ユニット3、センサ4、制御モジュール5、ICチップ6、ICチップ7、配線基板F1、F2、及びF3、などを備えている。
【0011】
表示パネル2は、一例では、液晶表示パネルである。表示パネル2は、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に挟持された図示しない液晶層とを備えている。第1基板SUB1と第2基板SUB2とは、第3方向Zに沿って互いに対向している。表示パネル2は、一例では、四角形である。図示した例では、表示パネル2は、第1方向Xに沿った一対の長辺EX1及びEX2と、第2方向Yに沿った一対の短辺EY1及びEY2とを有する略長方形状であるが、図示した例に限定されない。また、表示パネル2は、第1基板SUB1が第2基板SUB2よりも延出した実装部MTを有している。図示した例では、実装部MTは、第1基板SUB1のうち、第2基板SUB2の端部E2よりも第2方向Yに沿って延出した領域に相当する。端部E2は、表示領域DAと端部EX1との間に位置し、第1方向Xに沿って延出している。
【0012】
表示パネル2は、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAを囲む非表示領域NDAを有している。表示領域DAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する領域内に位置している。図示した例では、表示領域DAは、第1方向Xに沿った一対の長辺と、第2方向Yに沿った一対の短辺を有する略長方形状であるが、図示した例に限定されない。表示パネル2は、一例では、照明ユニット3からの光を選択的に透過することで画像を表示する透過型の液晶表示パネルである。なお、表示パネル2は、外光あるいは照明ユニット3からの光を選択的に反射させることで画像を表示させる反射型であってもよいし、透過型及び反射型の双方の表示機能を備えた半透過型であってもよい。
【0013】
照明ユニット3は、表示パネル2の背面側、すなわち、第1基板SUB1の直下に配置されている。照明ユニット3は、表示パネル2とほぼ同じ形状であり、ほぼ同じ大きさを有している。照明ユニット3は、表示領域DAの全域を照明する。照明ユニット3は、種々の形態が適用可能であるが、一例として、第1基板SUB1と対向する導光板と、導光板の端部に配置された発光ダイオード(LED)等の光源とを備えている。
【0014】
センサ4は、一例では、静電容量型のセンサである。センサ4は、表示パネル2に接触又は接近する物体を検出するタッチ検出装置に相当する。センサ4は、第2基板SUB2に設けられた複数の検出電極Rxを備えている。
【0015】
ICチップ6は、実装部MTに実装されている。ICチップ6は、表示領域DAに画像を表示するための各種信号を出力する。ICチップ7は、制御モジュール5に搭載されている。ICチップ7は、センサ4を駆動するための各種信号を出力する。
【0016】
配線基板F1は、第1基板SUB1と制御モジュール5とを電気的に接続している。配線基板F2は、第2基板SUB2と制御モジュール5とを電気的に接続している。配線基板F3は、照明ユニット3と制御モジュール5とを電気的に接続している。配線基板F1、F2、及びF3は、例えばフレキシブル配線基板である。センサ4を駆動するためにICチップ7から出力される信号は、配線基板F1及びF2を介して表示パネル2に供給される。
【0017】
図2は、
図1に示す表示領域DAの構成例を示す断面図である。第1基板SUB1は、基材10、絶縁層11、12、及び13、信号線S、共通電極CE、画素電極PE(PE1、PE2、PE3)、配向膜AL1などを備えている。基材10は、例えばガラス、又は樹脂等の透明な絶縁材料によって形成されている。絶縁層11は、基材10の上に形成されている。信号線Sは、絶縁層11の上に形成され、絶縁層12によって覆われている。共通電極CEは、絶縁層12の上に形成され、絶縁層13によって覆われている。画素電極PEは、絶縁層13の上に形成され、配向膜AL1によって覆われている。画素電極PEは、第1方向Xにおいて、隣り合う信号線Sの間の領域に配置され、各々が共通電極CEと対向している。図示した例では、画素電極PEの各々は、スリットSTを有している。画素電極PE及び共通電極CEは、例えばインジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料で形成されている。
【0018】
第2基板SUB2は、検出電極Rxに加え、オーバーコート層OC、基材20、遮光層21、カラーフィルタ層22、オーバーコート(平坦化膜)層23、配向膜AL2などを備えている。基材20は、例えばガラス、又は樹脂等の透明な絶縁材料によって形成されている。基材20は、第1基板SUB1と対向する第1面20Aと、第1面20Aと反対側の第2面20Bとを有している。検出電極Rxは、第2面20Bの上に形成され、オーバーコート層OCによって覆われている。遮光層21は、第1面20Aの下側に設けられている。遮光層21は、信号線Sの各々と対向し、各画素PXを区画している。ここで、画素PXとは、画像信号に対して個別に制御できる最小単位に相当する。カラーフィルタ層22は、遮光層21を覆うとともに、基材20とも接している。カラーフィルタ層22は、赤色のカラーフィルタCF1、緑色のカラーフィルタCF2、及び青色のカラーフィルタCF3を含んでいる。カラーフィルタCF1、CF2、及びCF3は、画素電極PE1、PE2、及びPE3とそれぞれ対向している。オーバーコート層23は、カラーフィルタ層22を覆っている。配向膜AL2は、オーバーコート層23を覆っている。オーバーコート層23及びオーバーコート層OCは、透明な樹脂によって形成されている。
【0019】
液晶層LCは、配向膜AL1と配向膜AL2との間に封入されている。配向膜AL1及びAL2は、一例では、基材10及び20の主面と平行な方向に液晶分子を配向させる水平配向膜である。液晶層LCに含まれる液晶分子は、共通電極CEと画素電極PEとの間に形成される電界によってその配向が制御される。
【0020】
本実施形態において、共通電極CEは、液晶分子を駆動するための電極として機能するとともに、センサ4が備える駆動電極Txとしても機能する。すなわち、共通電極CEは、表示領域DAに画像表示する表示期間において、画素電極PEとともに液晶分子の配向を制御する。一方、共通電極CEは、表示領域DAに接触又は接近する物体を検出するセンシング期間において、検出電極Rxと容量結合する駆動電極Txとして機能する。
【0021】
図3は、
図1に示す第1基板SUB1の構成例を示す平面図である。第1基板SUB1は、駆動電極Txと、切り替え回路C1及びC2とを備えている。駆動電極Txは、表示領域DAのほぼ全域に亘って配置されている。駆動電極Txは、一例では、ほぼ一定の幅を有する帯状に形成されている。図示した例では、駆動電極Tx1は、第1方向Xに沿って延出し、第2方向Yに沿って一定の間隔を置いて並んでいる。
【0022】
切り替え回路C1及びC2は、非表示領域NDAに配置され、駆動電極Txと電気的に接続されている。切り替え回路C1及びC2は、駆動電極Txを間に挟んで互いに対向している。図示した例では、切り替え回路C1は、端部EY1の近傍において、第2方向Yに沿って延出している。切り替え回路C2は、端部EY2の近傍において、第2方向Yに沿って延出している。
【0023】
ICチップ7から供給される制御信号は、配線基板F1を介して切り替え回路C1及びC2の各々に供給される。図示した例では、ICチップ7は、検出回路RCを備えている。検出回路RCは、センサ4から出力されたセンサ出力信号を検出する。なお、検出回路RCは、制御モジュール5に搭載されていてもよい。
【0024】
図4は、
図3に示す駆動電極Txと切り替え回路C1及びC2とを電気的に接続する接続部を模式的に示す図である。切り替え回路C1は、電位供給線VH1及びVL1と、電源線VP1とを含んでいる。電位供給線VH1及びVL2は、表示期間において駆動電極Tx(共通電極CE)にコモン電位を供給するための配線である。例えば、電位供給線VH1には、一定の電位が供給され、電位供給線VL1には、電位供給線VH1よりも低い一定の電位が供給される。電源線VP1は、センシング期間において駆動電極Txにセンサ駆動信号としての交流電位を供給するための配線である。
【0025】
切り替え回路C2は、切り替え回路C1と同様の構成である。すなわち、切り替え回路C2は、表示期間においてコモン電位を供給するための電位供給線VH2及びVL2と、センシング期間においてセンサ駆動信号を供給するための電源線VP2とを含んでいる。電位供給線VH2には、電位供給線VH1と同一の電位が供給され、電位供給線VL2には、電位供給線VL1と同一の低電位が供給される。電源線VP2には、電源線VP1と同一の交流電位が供給される。
【0026】
切り替え回路C1及びC2における接続の切り替えは、駆動電極Txに同一の電位が供給されるように同期して行われる。このような切り替えは、ICチップ7から供給される制御信号に基づいて制御される。すなわち、表示期間において、駆動電極Txは、ICチップ7からの供給された制御信号に基づいて、電位供給線VH1及びVH2、又は電位供給線VL1及びVL2と電気的に接続される。センシング期間において、駆動電極Txは、ICチップ7からの制御信号に基づいて、電源線VP1及びVP2と電気的に接続される。
【0027】
図5は、
図1に示す第2基板SUB2の構成例を示す平面図である。第2基板SUB2は、検出電極Rxを備えている。検出電極Rxは、表示領域DAのほぼ全域に亘って配置されている。図示した例では、検出電極Rxは、第2方向Yに沿って延出し、第1方向Xに沿って一定の間隔を置いて並んでいる。
【0028】
センシング期間において検出電極Rxから検出されるセンサ出力信号は、配線基板F2を介してICチップ7に伝達される。センシング期間において、導体あるいは誘電体である物体(例えば指など)が表示領域DAに接触又は接近すると、当該物体の近傍において共通電極CEと検出電極Rxとの間に形成される容量が変化する。すなわち、物体近傍の検出電極Rxから検出されるセンサ出力信号は、他の検出電極Rxから検出されるセンサ出力信号と異なる値を示す。検出回路RCは、検出電極Rxから検出されるセンサ出力信号の変化に基づいて、表示領域DAに物体が接触又は接近したことを検出する。また、検出回路RCは、表示領域DAにおいて、物体が接触又は近接した位置を特定する。
【0029】
図6は、
図5に示す非表示領域NDAの構成例を模式的に示す平面図である。第2基板SUB2は、非表示領域NDAにおいて、端子TE1、配線WL、シールド電極SL1及びSL2などを備えている。
【0030】
端子TE1は、
図5に示す配線基板F2と電気的に接続される。端子TE1は、検出電極Rxと端部E2との間において、第1方向Xに沿って並んでいる。図示した例では、端子TE1は、第1部分T11と、第2部分T12と、を含んでいる。第1部分T11及び第2部分T12は、第2方向Yに沿って離間している。第1部分T11は、第2部分T12よりも表示領域DAに近接している。第1部分T11及び第2部分T12は、配線WLによって同一の検出電極Rxと電気的に接続されている。
【0031】
配線WLは、検出電極Rxと一対一で電気的に接続されている。図示した例では、検出電極Rxは、波型に屈曲している。配線WLは、一例では、検出電極Rxの両端部から引き出され、非表示領域NDAに配置されている。図示した例では、すべての配線WLは、端部EY1側の非表示領域NDAに配置されている。換言すると、配線WLは、検出電極Rxと端部EY2との間の非表示領域NDAには配置されていない。より具体的には、検出電極Rxから端部EX2側に引き出された配線WLは、端部EX2、端部EY1、及び端部E2に沿って延出し、第2部分T12と電気的に接続されている。検出電極Rxから端部E2側に引き出された配線WLは、第1部分T11と電気的に接続されている。
【0032】
なお、配線WLの配置は、図示した例に限定されない。例えば、配線WLは、端部EY2側の非表示領域NDAに配置されてもよい。あるいは、図において左側半分の領域に配置された検出電極Rxと電気的に接続された配線WLが端部EY1側の非表示領域NDAに配置され、右側半分の領域に配置された検出電極Rxと電気的に接続された配線WLが端部EY2側の非表示領域NDAに配置されてもよい。
【0033】
シールド電極SL1は、端部EY1側の非表示領域NDAにおいて配線WLと配線WLとの間に配置されている。より具体的には、シールド電極SL1は、端部EY1に沿って延出するとともに、端部E2に沿って第2基板SUB2の中央付近まで延出し、第2部分T12と電気的に接続されている。
【0034】
シールド電極SL2は、すべての検出電極Rxとシールド電極SL1とを囲んでいる。図示した例では、シールド電極SL2は、端部E2、EY1、EX2、及びEY2に沿って延出するとともに、端部EY2側に位置する一部の端子TE1を除いた端子TE1を囲んでいる。尚、シールド電極SL2は、一部が切断された形状にしてもよく、端部E2、EY1、EX2、及びEY2のうち2つあるいは3つの端部に沿って延出した形状としてもよい。また、シールド電極SL2は、全ての端子TE1を囲むように配置されてもよい。
【0035】
図において二点鎖線で示すように、配線基板F2が備える端子TE2は、第1部分T11及び第2部分T12の双方と重畳している。端子TE1と端子TE2とは、例えば異方性導電膜などによって接着され、電気的に接続される。検出電極Rxから出力されたセンサ出力信号は、端子TE2のうち、検出電極Rxと電気的に接続された端子T21を介して、
図1に示したICチップ7へ伝達される。シールド電極SL1及びSL2へ印加される電位は、端子TE2のうち端子T22を介してICチップ7から供給される。
【0036】
シールド電極SL1及びSL2の電位は、一例では、検出電極Rxの電位(振幅)と同一の電位である。あるいは、シールド電極SL1及びSL2の電位は、例えば接地電位等の固定電位である。なお、シールド電極SL1及びSL2の電位が固定電位である場合には、シールド電極SL1及びSL2の電位は、ICチップ7以外の電源線から供給されてもよい。
【0037】
検出電極Rx、配線WL、端子TE1、及びシールド電極SL1及びSL2は、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム等の金属材料によって形成され、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。配線WL、端子TE1、及びシールド電極SL1及びSL2は、基材20の第2面20Bに設けられており、検出電極Rxと同一材料で形成することができる。図示した例では、端子TE1の近傍を除き、第2基板SUB2の全面にオーバーコート層OCが設けられている。図示した例では、オーバーコート層OCは、配線基板F2と重畳する略L字状の領域Bには設けられていない。オーバーコート層OCは、すべての検出電極Rx、配線WL、及びシールド電極SL1及びSL2を覆っている。これにより、検出電極Rx、配線WL、シールド電極SL1及びSL2の腐食等が抑制される。
【0038】
図7は、センサ4を模式的に示す図である。検出電極Rxと駆動電極Txとの間には、容量C11が形成されている。表示パネル2に指が接触した場合、指と駆動電極Tx、及び指と検出電極Rxとは、それぞれ容量結合する。このとき、指と駆動電極Tx及び検出電極Rxとの間には、容量C12が形成される。また、配線WLと、配線WLの周囲位置する他の導電体との間に電位差がある場合、配線WLと他の導電体との間には、寄生容量C13が生じる。ここで、他の導電体とは、例えば
図6に示すシールド電極SL1及びSL2などである。
【0039】
図8は、
図7の等価回路を示す図である。検出回路RCが検出するセンサ出力信号の変化率DIは、irx/itxによって表される。ここで、irxは、検出電極Rxを流れる電流であり、itxは、駆動電極Txを流れる電流である。表示パネル2に指が接触した場合、容量C12に起因して、電流itxのうち電流ifgが指側へ流れる。したがって、表示パネル2に指が接触している場合のセンサ出力信号の変化率DI1は、以下の式で表される。
DI1=(itx-ifg)/itx
さらに、配線WLと他の導電体との間に寄生容量C13が生じている場合、電流itxのうち電流ipが寄生容量C13側へ流れる。したがって、表示パネル2に指が接触し、且つ寄生容量C13が生じている場合のセンサ出力信号の変化率DI2は、以下の式で表される。
DI2=(itx-ip-ifg)/(itx-ip)
以上から、DI2>DI1が成り立つ。すなわち、寄生容量C13が大きい場合、センサ出力信号の変化率が小さくなるため、センサ4の検出感度が低下する。したがって、センサ4において、配線WLと他の配線との容量結合を可能な限り小さくすることが要求される。
【0040】
図9は、
図6に示す領域A1を拡大して示す平面図である。領域A1は、端部EX2と端部EY1とを含む領域である。第1基板SUB1が備える電源線VP1は、点線で示すように、領域A1に位置し、駆動電極Txの配列方向、すなわち第2方向Yに沿って延出している。
【0041】
配線WLは、電源線VP1と重畳していない。すなわち、端部EY1近傍の非表示領域NDAにおいて、第2方向Yに沿って延出した配線WLのうち、一部の配線WLaは、平面視で電源線VP1と表示領域DAとの間の領域に位置し、他の配線WLbは、平面視で電源線VP1とシールド電極SL2との間の領域に位置している。配線WLと電源線VP1とを重畳させないことで、電源線VP1から輻射されるEMIノイズの検出電極Rxへの影響を軽減することができる。
【0042】
検出電極Rxは、波型に屈曲した複数の金属細線MWの集合体によって形成されている。金属細線MWは、概ね第2方向Yに沿って延出している。図示した例では、検出電極Rxは、接続部P1と、電極部P2とを有している。接続部P1は、第1方向Xに沿って延出している。1つの検出電極RXに含まれる複数の金属細線MWは、接続部P1に接続されている。一部の金属細線MWは、電極部P2を構成している。検出電極Rxは、一例では、2つの電極部P2を有している。図示した例では、電極部P2の各々は、3本の金属細線MWによって構成されている。なお、図示は省略するが、表示領域DAにおける表示の均一性を実現するために、電極部P2の間に、フローティング電位の金属細線が配置されていてもよい。
【0043】
シールド電極SL1は、電源線VP1と重畳している。シールド電極SL1は、配線WLaと配線WLbとの間で、第2方向Yに沿って延出している。なお、シールド電極SL1は、配線WLから離間している。センサ駆動信号が供給される電源線VP1を、例えば検出電極Rxと同電位のシールド電極SL1によって覆うことにより、互いに電位の異なる配線WLと電源線VP1との容量結合を抑制することができる。さらに、本実施形態において、シールド電極SL1は、メッシュ状に形成されている。このような形状にすることで、シールド電極SL1と電源線VP1との重畳面積が小さくなるため、配線WLとシールド電極SL1の電位が異なる場合であっても、電源線VP1とシールド電極SL1との容量結合を抑制することができ、シールド線SL1を検出電極RXと同じ振幅で駆動することが容易となる。この結果、
図8を参照して説明したように、検出回路RCへ出力されるセンサ出力信号の変化率の減少を抑制することができ、センサ4の検出感度の低下を抑制することができる。
【0044】
シールド電極SL2は、検出電極Rxよりも外側の領域において、端部EX2及びEY1に沿って設けられている。また、端部EX2と端部EY1とが交差する角部CN近傍において、シールド電極SL2は、略三角形の領域に設けられている。より具体的には、シールド電極SL2は、最外周に位置する配線WLと端部EX2の間、及び最外周に位置する配線WLと端部EY1との間に配置されている。シールド電極SL2は、一例では、端部EX2及びEY1の双方から離間している。図示した例では、端部EY1に沿って延出したシールド電極SL2の幅WY1は、端部EX2に沿って設けられたシールド電極SL2の幅WX2より小さい。
【0045】
シールド電極SL2は、例えば端部EX2、EY1などから配線WL側へ侵入するESD(electro static discharge)ノイズを遮蔽する。したがって、センサ4へのESDノイズの侵入が抑制され、センサ4の誤動作及び破損が抑制される。また、シールド電極SL2は、シールド電極SL1と同様にメッシュ状に形成されている。シールド電極SL2の面積を小さくすることで、配線WLとシールド電極SL2の電位が異なる場合であっても、配線WLとシールド電極SL2との容量結合を抑制することができる。この結果、
図8を参照して説明したように、検出回路RCへ出力されるセンサ出力信号の変化率の減少を抑制することができ、センサ4の検出感度の低下を抑制することができる。
【0046】
図示した例では、第2基板SUB2は、シールド電極SL1及びSL2に加え、シールド電極SL3を備えている。シールド電極SL3は、配線WLaと検出電極Rxとの間に配置されている。シールド電極SL3の電位は、一例では、検出電極Rxと同一の電位である。このようなシールド電極SL3は、配線WLaと検出電極Rxとの間の容量結合を抑制する。なお、シールド電極SL3の電位は、例えば接地電位等の固定電位であってもよい。図示した例では、シールド電極SL3は、表示領域DAに位置し、検出電極Rxと同様に、波型の金属細線によって形成されている。シールド電極SL3の形状を検出電極Rxと同様の形状にすることにより、表示領域DAにおいて、検出電極Rx及びシールド電極SL3が視認されることを抑制することができる。
【0047】
図10は、
図9に示す電源線VP1の近傍を拡大して示す平面図である。シールド電極SL1は、開口OP1と、電極部IE1とを有している。シールド電極SL1の一部は、平面視で、電源線VP1と重畳している。つまり、開口OP1の少なくとも一部、及び、電極部IE1の一部は、電源線VP1と重畳している。本実施形態において、開口OP1は、規則的に配置されている。図示した例では、開口OP1は、第1方向X及び第2方向Yに沿って、千鳥状に配置されている。開口OP1は、一例では、略正方形状である。電極部IE1は、シールド電極SL1のうち、4つの開口OP1によって囲まれた島状の領域に相当する。したがって、電極部IE1は、略正方形状である。
【0048】
図示した例では、配線WLa側に位置する開口OP1は、そのすべてが電源線VP1と重畳している。一方、配線WLb側に位置する開口OP1は、その実質半分の領域が電源線VP1と重畳している。本実施形態において、開口OP1と電源線VP1とが重畳する領域の面積(第1面積)は、電源線VP1とシールド電極SL1とが重畳する領域の面積(第2面積)の20%以上である。ここでの第2面積は、シールド電極SL1のうち、電源線VP1と重畳する開口OP1の面積(第1面積)と、電源線VP1と重畳する電極部IE1の面積と、の総和に相当する。また、第1面積は、第2面積の30%以上70%以下であることが望ましい。
また、シールド電極SL1の面積を、開口OP1の面積と電極部IE1の面積との総和としたとき、開口OP1の面積は、シールド電極SL1の面積の20%以上であり、より望ましくは、シールド電極SL1の面積の30%以上70%以下である。
【0049】
図11は、
図10に示すシールド電極SL1の一部を拡大して示す平面図である。
図11は、方向a及び方向bによって規定されるa-b平面における平面図を示している。方向aと方向bとは、互いに直交しており、開口OP1の互いに直交する辺の延出方向にそれぞれ相当する。本実施形態において、開口OP11及びOP12の大きさは、ほぼ等しい。すなわち、開口OP11の方向aに沿った辺の長さa1と、開口OP12の方向aに沿った辺の長さa2とは、互いに等しい。また、開口OP11の方向bに沿った辺の長さb1と、開口OP12の方向bに沿った辺の長さb2とは、互いに等しい。開口OP11及び開口OP12の大きさは、遮蔽対象となるEMIノイズの周波数に応じて適宜に変更することができる。長さa1、b1、a2、及びb2は、例えば10μm以上500μm以下である。
【0050】
図12は、
図6に示す領域A2を拡大して示す平面図である。領域A2は、端部EX2と端部EY2とを含む領域である。第1基板SUB1が備える電源線VP2は、表示領域DAと端部EY2との間に位置し、駆動電極Txの配列方向、すなわち第2方向Yに沿って延出している。
【0051】
シールド電極SL2は、端部EX2及びEY2に沿って設けられている。シールド電極SL2は、一例では、端部EX2及びEY2の双方から離間している。シールド電極SL2は、電源線VP2と重畳している。図示した例では、端部EY2に沿って延出したシールド電極SL2の幅WY2は、端部EX2に沿って設けられたシールド電極SL2の幅WX2より大きい。
【0052】
図示した例では、第2基板SUB2は、シールド電極SL2と検出電極Rxとの間に配置されたシールド電極SL4を備えている。シールド電極SL4の電位は、一例では、検出電極Rxと同一の電位である。あるいは、シールド電極SL4の電位は、例えば接地電位等の固定電位であってもよい。シールド電極SL4は、表示領域DAに位置し、検出電極Rxと同様に、波型の金属細線によって形成されている。なお、シールド電極SL4は、省略されてもよい。
【0053】
図13は、
図12に示す電源線VP2の近傍を拡大して示す平面図である。シールド電極SL2は、開口OP2と、電極部IE2とを有している。シールド電極SL2の一部は、平面視で、電源線VP2と重畳している。つまり、開口OP2の少なくとも一部、及び、電極部IE2の一部は、電源線VP2と重畳している。開口OP2は、規則的に配置されている。図示した例では、開口OP2は、第1方向X及び第2方向Yに沿って、千鳥状に配置されている。開口OP2は、一例では、略正方形状である。電極部IE2は、シールド電極SL2のうち、4つの開口OP2によって囲まれた島状の領域に相当する。したがって、電極部IE2は、略正方形状である。
【0054】
本実施形態において、開口OP2と電源線VP2とが重畳する領域の面積(第3面積)は、電源線VP2とシールド電極SL2とが重畳する領域の面積(第4面積)の面積の20%以上である。ここでの第4面積は、シールド電極SL2のうち、電源線VP2と重畳する開口OP2の面積(第3面積)と、電源線VP2と重畳する電極部IE2の面積と、の総和に相当する。また、第3面積は、第4面積の30%以上70%以下であることが望ましい。
【0055】
図14は、シールド電極SL1の開口OP1の面積と遮蔽効果との関係、及びオーバーコート層OCの形状を説明するための図である。
図14(b)は、本実施形態のシールド電極SL1を示している。
図14(a)及び
図14(c)は、比較例としてのシールド電極ES1及びES2をそれぞれ示している。シールド電極SL1、ES1及びES2は、いずれも基材20の上に形成され、オーバーコート層OCによって覆われている。
【0056】
図14(a)に示すように、シールド電極ES1が有する開口EO1の総面積は、
図14(b)に示すシールド電極SL1が有する開口OP1の総面積より大きい。図示した例では、開口EO1と開口OP1の大きさは等しいが、開口EO1の数は、開口OP1の数の略2倍である。このような構造のシールド電極ES1によれば、オーバーコート層OCが塗布された際に、シールド電極ES1において、オーバーコート層OCがせき止められる。一方、開口EO1の総面積が大きいため、シールド電極ES1の下方に電源線VP1が位置する構成において、電源線VP1から輻射されるEMIノイズの遮蔽性能の低下を招くおそれがある。
【0057】
図14(c)に示すように、シールド電極ES2は、開口を有していない。したがって、電源線VP1から輻射されるEMIノイズをほとんど遮蔽することができる。一方、このような構造のシールド電極ES2によれば、オーバーコート層OCが塗布された際に、オーバーコート層OCがシールド電極ES2の上で広がりやすい。このため、オーバーコート層OCの厚さが所望の厚さよりも薄くなる傾向にある。
【0058】
一方、
図14(b)に示すように、本実施形態によれば、開口OP1と電源線VP1とが重畳する第1面積を、シールド電極SL1の開口OP1及び電極部IE1と電源線VP1とが重畳する第2面積の20%以上、より好ましくは30%以上にすることで、オーバーコート層OCと基材20との接触面積を確保し、オーバーコート層OCの広がりを抑制することができる。さらに、第1面積を第2面積の70%以下にすることで、電源線VP1から輻射されるEMIノイズの遮蔽性能も十分に得ることができる。なお、
図13に示すシールド電極SL2についても、同様の効果得ることができる。
【0059】
すなわち、本実施形態によれば、電源線VP1と重畳する領域に開口OP1と電極部IE1とを有するシールド電極SL1を設け、電源線VP2と重畳する領域に開口OP2と電極部IE2とを有するシールド電極SL2とを設けることで、シールド電極SL1及びSL2の上に設けられるオーバーコート層OCを所望の厚さに形成することができ、しかも、電源線VP1及びVP2から輻射されるEMIノイズを遮蔽することができる。この結果、信頼性の高い表示装置1を提供することができる。
【0060】
さらに、開口OP1及び開口OP2は、規則的に配置されている。したがって、電源線VP1とシールド電極SL1とが重畳する領域、及び電源線VP2とシールド電極SL2とが重畳する領域の双方において、電源線VP1及びVP2から輻射されるEMIノイズに対して、均一的な遮蔽性能を得ることができる。
【0061】
また、シールド電極SL2が電極部EI2を有することで、シールド電極SL2の抵抗値が低減される。この結果、ESDノイズのシールド電極SL2を経由した輻射が抑制され、センサ4のダメージを軽減することができる。
【0062】
図15は、シールド電極SL1の他の例を示す平面図である。
図15に示す例は、
図11に示す例と比較して、開口OP11の大きさが開口部OP12の大きさとは異なっている点で相違している。図示した例では、長さa1は長さa2よりも大きく、長さb1は長さb2よりも大きい。本例においても、
図11に示す例と同様の効果を得ることができる。さらに、本例によれば、開口OP11と開口OP12との方向aに沿った距離Daは、
図11における開口OP11と開口OP12との方向aに沿った距離Daより大きい。また、開口OP11と開口OP12との方向bに沿った距離Dbは、
図11における開口OP11と開口OP12との方向bに沿った距離Dbより大きい。したがって、シールド電極SL1の抵抗値を低減することができる。また、たとえ開口OP11からEMIノイズが漏れ出たとしても、同一周波数のEMIノイズを開口OP12から漏れ出ることを抑制することができ、遮蔽性能を向上することができる。
【0063】
図16は、シールド電極SL1の他の例を示す平面図である。
図16に示す例は、
図15に示す例と比較して、開口OP11が略長方形状である点で相違している。図示した例では、長さa1は長さa2より大きいが、長さb1は長さb2とほぼ等しい。本例においても、
図15と同様の効果を得ることができる。
なお、
図15、及び
図16に示した例は、シールド電極SL2にも適用可能である。
【0064】
以上の実施形態において、シールド電極SL1は、第1シールド電極に相当する。開口OP1及びOP11は、第1開口に相当し、電極部IE1は、第1電極部に相当する。電源線VP1は、第1電源線に相当する。シールド電極SL2は、第2シールド電極に相当する。開口OP2は、第2開口に相当し、電極部IE2は、第2電極部に相当する。また、開口OP12は、第3開口に相当する。シールド電極SL3は、第3シールド電極に相当する。オーバーコート層OCは、有機絶縁層に相当する。
【0065】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…表示装置、2…表示パネル、3…照明ユニット、4…センサ、5…制御モジュール、6,7…ICチップ、F1,F2,F3…配線基板、TE1,TE2…端子、SUB1…第1基板、SUB2…第2基板、Tx…駆動電極、Rx…検出電極、VP1,VP2…電源線、WL…配線、SL1,SL2,SL3…シールド電極、OP1,OP11,OP12,OP2…開口、IE1,IE2…電極部、OC…オーバーコート層。