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  • 特開-アリ行動阻害剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024055965
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】アリ行動阻害剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/22 20060101AFI20240412BHJP
   A01P 17/00 20060101ALI20240412BHJP
   A01N 53/10 20060101ALI20240412BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
A01N43/22
A01P17/00
A01N53/10 210
A01M1/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032360
(22)【出願日】2024-03-04
(62)【分割の表示】P 2020012810の分割
【原出願日】2020-01-29
(71)【出願人】
【識別番号】000207584
【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】三田 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】引土 知幸
(72)【発明者】
【氏名】中山 幸治
(57)【要約】
【課題】アリ行動阻害活性を有する化合物及びこれを含む、忌避剤、及び駆除剤の提供。
【解決手段】γ-ヘキサラクトン、γ-ヘプタラクトン、及びγ-オクタラクトンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、ピレトリンとを含有することを特徴とする、アリ行動阻害剤。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
γ-ヘキサラクトン、γ-ヘプタラクトン、及びγ-オクタラクトンからなる群から選択される、少なくとも1種の化合物と、ピレトリンとを含有することを特徴とするアリ行動阻害剤。
【請求項2】
前記化合物が、γ-ヘキサラクトン、及びγ-ヘプタラクトンからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載のアリ行動阻害剤。
【請求項3】
前記化合物が、γ-オクタラクトンであることを特徴とする、請求項1に記載のアリ行動阻害剤。
【請求項4】
行動阻害が種間の交信阻害であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のアリ行動阻害剤。
【請求項5】
行動阻害が行列阻害であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のアリ行動阻害剤。
【請求項6】
ピレトリンがアリ行動阻害効果持続促進剤であることを特徴とする、請求項1に記載のアリ行動阻害剤。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のアリ行動阻害剤を含有することを特徴とする、アリの忌避剤。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載のアリ行動阻害剤をアリ及び/又はアリの生息環境に適用することを特徴とする、アリの忌避方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載のアリ行動阻害剤を含有することを特徴とする、アリの駆除剤。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載のアリ行動阻害剤をアリ及び/又はアリの生息環境に適用することを特徴とする、アリの駆除方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリの行動阻害活性を有する化合物、好ましくは、アリの行列形成能阻害活性を有する化合物に関する。さらに、該化合物を使用したアリの行動阻害剤、忌避剤、及び駆除剤、又は該化合物を使用したアリの行動阻害方法、アリの忌避方法、及びアリの駆除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アリは代表的な衛生害虫であり、一般家庭はもちろん産業上の様々な場所に侵入して大きな被害を与えている。そのため、多くの駆除方法が用いられているが、棲息場所が人間生活と密着しているため、殺虫剤の使用は制限され、また狭い隙間等に隠れる習性を持ち、繁殖力が強いことから従来の方法では効果的な駆除が得られていないのが現状である。
【0003】
また、γ-オクタラクトン、プロピオン酸ベンジル及びレモナイル(Lemonile)は、独特の臭気を有することや、蚊に対して忌避作用を有することが知られている(特許文献1~3)。しかしながら、これらの化合物やインドール、メチルヘプテノン及びジヒドロジャスモン酸メチル等がアリの行動阻害活性を有することや、これらの化合物をアリへ適用した際に、忌避作用や駆除作用を有することは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-172715号公報
【特許文献2】特開2016-172716号公報
【特許文献3】中国特許公開公報101810203号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はアリの行動阻害活性を有する化合物及び当該化合物を使用したアリの行動阻害剤、忌避剤、及び駆除剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、これまで蚊に対し、忌避効果を有するものとして知られていたγ-オクタラクトン、プロピオン酸ベンジル、レモナイルが、驚くべきことに、アリに対する行動阻害効果を有すること、さらに、これらと構造が類似する化合物や、インドール、メチルヘプテノン及びジヒドロジャスモン酸メチルが、アリに対する行動阻害効果を有することを見出し、さらに研究を続け、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下に関する。
[1] 下記の一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、インドール、メチルヘプテノン及びジヒドロジャスモン酸メチルからなる群から選択される、少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするアリ行動阻害剤。
【化1】
(式中、Rは炭素数1~8の直鎖又は分鎖のアルキル基を表す。)
【化2】
(式中、Rは炭素数2~7の直鎖又は分鎖のアルキル基を表す。)、又は
【化3】
(式中、Rは、不飽和結合を含む、炭素数8~12の直鎖又は分鎖のアルキル基を表す。)
[2] 一般式(I)で表される化合物が、γ-オクタラクトンであることを特徴とする、前記[1]のアリ行動阻害剤。
[3] 一般式(II)で表される化合物が、プロピオン酸ベンジルであることを特徴とする、前記[1]に記載のアリ行動阻害剤。
[4] 一般式(III)で表される化合物が、レモナイル(Lemonile)であることを特徴とする、前記[1]に記載のアリ行動阻害剤。
[5] 行動阻害が種間の交信阻害であることを特徴とする、前記[1]~[4]のいずれかに記載のアリ行動阻害剤。
[6] 行動阻害が行列阻害であることを特徴とする、前記[1]~[5]のいずれかに記載のアリ行動阻害剤。
[7] さらにピレトリンを含むことを特徴とする、前記[1]~[6]のいずれかに記載のアリ行動阻害剤。
[8] ピレトリンがアリ行動阻害効果持続促進剤であることを特徴とする、前記[7]に記載のアリ行動阻害剤。
[9] 前記[1]~[8]のいずれかに記載のアリ行動阻害剤を含有することを特徴とする、アリの忌避剤。
[10] 前記[1]~[8]のいずれかに記載のアリ行動阻害剤をアリ及び/又はアリの生息環境に適用することを特徴とする、アリの忌避方法。
[11] 前記[1]~[8]のいずれかに記載のアリ行動阻害剤を含有することを特徴とする、アリの駆除剤。
[12] 前記[1]~[8]のいずれかに記載のアリ行動阻害剤をアリ及び/又はアリの生息環境に適用することを特徴とする、アリの駆除方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、優れたアリの行動阻害活性を有する製剤(組成物)及び、該化合物を使用したアリの行動阻害剤、忌避剤、及び駆除剤、又は該化合物を使用したアリの忌避方法、及びアリの駆除方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、試験例1で用いたろ紙を示す。処理区では、上記[1]で定義された化合物で処理されており、もう半分の無処理区では、当該化合物で処理されていない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において「アリ」とは、分類学上の昆虫綱ハチ目(膜翅目)に属する昆虫を意味し、例えば、アミメアリ(Pristomyrmex punctatus)、トビイロケアリ(Lasius japonicus)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、クロヤマアリ(Formica japonica)、トビイロシワアリ(Tetramorium tsushimae)、ルリアリ(Ochetellus glaber)、クロオオアリ(Camponotus japonicus)、アルゼンチンアリ(Linepithema humile)、アカカミアリ(Solenopsis geminata)、及びヒアリ(Solenopsis invicta)等が含まれるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明のひとつの態様は、アリの行動阻害物質に関する。本発明において、「アリの行動阻害」とは、アリの成虫/幼虫又はオス/メスの区別に関わらずに前記アリの行動を阻害することを包含する。また、本発明において、「アリ行動阻害物質」とは、アリ行動阻害活性を有する物質を意味する。
アリの行動阻害とは、例えば、具体的には、種間の交信阻害、行列阻害、集合阻害、歩行阻害であるが、これらに限定されない。
また、本発明の別の態様は、アリの忌避剤に関する。アリの忌避剤には、本発明のアリ行動阻害剤が含まれる。本発明において、「アリを忌避する」とは、アリの成虫/幼虫又はオス/メスの区別に関わらず、アリを対象である施用箇所等へ寄せ付けないか、寄せ付けにくいこと、あるいは、アリが対象へ寄りつかないことを包含する。
また、本発明のさらなる別の態様は、アリの駆除剤に関する。アリの駆除剤には、本発明のアリ行動阻害剤の他、公知の殺虫剤等のアリ駆除に有用な成分やアリの食餌成分等が含まれていてもよい。
【0012】
以下、本発明のアリ行動阻害剤の製造方法について詳しく説明する。
【0013】
<アリ行動阻害物質>
本発明で用いるアリ行動阻害剤(組成物)は、一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物、インドール、メチルヘプテノン及びジヒドロジャスモン酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする。好ましくは、本発明で用いるアリ行動阻害剤は、これらの化合物を有効成分として含有する。以下、これらの化合物を、「アリ行動阻害物質」又は本発明で使用される化合物ともいう。
【0014】
<一般式(I)で表される化合物>
【化4】
【0015】
上記一般式(I)において、Rは炭素数1~8の直鎖又は分鎖のアルキル基を表す。このようなRとしては、例えば、好ましくは、炭素数2~7のアルキル基、より好ましくは、炭素数2~6のアルキル基、さらに好ましくは、炭素数4のアルキル基であるが、これらに限定されない。
このような炭素数1~8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2,3-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、3,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、2-オクチル基、3-オクチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
の炭素数が上記範囲内であることにより、本発明のアリ行動阻害効果が得られる。
また、一般式(I)で表される化合物として、γ-バレロラクトン、γ-ヘキサラクトン、γ-ヘプタラクトン、γ-オクタラクトン、γ-ノナラクトン、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトン、γ-ドデカラクトン等が挙げられ、好ましくは、γ-ヘキサラクトン、γ-オクタラクトン、γ-デカラクトン、γ-ウンデカラクトンであり、より好ましくは、γ-ヘキサラクトン、γ-オクタラクトン、γ-デカラクトンであり、さらに好ましくは、γ-オクタラクトンであるが、これらに限定されない。
【0016】
本発明のアリ行動阻害剤において、上記の一般式(I)で表される化合物は、市販品を用いても良いが、天然物から抽出して、又は公知方法に従って、化学合成で得ることも出来る。
【0017】
<一般式(II)で表される化合物>
【化5】
【0018】
上記一般式(II)において、Rは炭素数2~7の直鎖又は分鎖のアルキル基を表す。好ましくは、炭素数2~5のアルキル基、より好ましくは、炭素数2~4のアルキル基、さらに好ましくは、炭素数2のアルキル基であるが、これらに限定されない。
このような炭素数2~7のアルキル基としては、例えば、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、2,3-ジメチルプロピル基、1-エチルプロピル基、1‐メチルブチル基、2-メチルブチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、2-ヘキシル基、3-ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、1,1,2-トリメチルプロピル基、3,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、2-ヘプチル基、3-ヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
の炭素数が上記範囲内であることにより、本発明のアリ行動阻害効果が得られる。
【0019】
一般式(II)で表される化合物として、例えば、プロピオン酸ベンジル、酪酸ベンジル、イソ酪酸ベンジル、2-メチル酪酸ベンジル、吉草酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、ヘキサン酸ベンジル、オクタン酸ベンジル等が挙げられ、好ましくは、プロピオン酸ベンジル、酪酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、ヘキサン酸ベンジルであり、より好ましくは、プロピオン酸ベンジル、酪酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジルであり、さらに好ましくは、プロピオン酸ベンジルであるが、これらに限定されない。
【0020】
本発明において、上記の一般式(II)で表される化合物は、市販品を用いても良いが、天然物から抽出して、又は公知方法に従って、化学合成で得ることも出来る。
【0021】
<一般式(III)で表される化合物>
【化6】
【0022】
上記一般式(III)において、Rは、不飽和結合を含む、炭素数8~12の直鎖又は分鎖のアルキル基を表す。好ましくは、Rは、炭素数9~12のアルキル基、より好ましくは、炭素数10~12のアルキル、さらに好ましくは、炭素数10のアルキル基であるが、これらに限定されない。
炭素数8~12のアルキル基としては、例えば、n-オクチル基、イソオクチル基、2-オクチル基、3-オクチル基、2‐メチルオクチル基、3-メチルオクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、2-ノニル基、3‐ノニル基、4-ノニル基、2-メチルノニル基、3-メチルノニル基、n-デシル基、イソデシル基、2-デシル基、3-デシル基、4-デシル基、5-デシル基、2-メチルデシル基、3-メチルデシル基、n-ウンデシル基、イソウンデシル基、2-ウンデシル基、3-ウンデシル基、4-ウンデシル基、5-ウンデシル基、n-ドデシル基、イソドデシル基、2-ドデシル基、3-ドデシル基、4-ドデシル基、5-ドデシル基、6-ドデシル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、Rには、不飽和結合が少なくとも1箇所含まれ、好ましくは1~3箇所、より好ましくは、1~2箇所、さらに好ましくは、2箇所含まれる。
の炭素数が上記範囲内であるか、及び/又はRに不飽和結合が少なくとも1箇所含まれることにより、本発明のアリ行動阻害効果が得られる。
【0023】
一般式(III)で表される化合物として、例えば、シトロネリルニトリル、レモナイル、マンダリル(Mandaryl)、2-トリデセンニトリル等が挙げられ、好ましくは、シトロネリルニトリル、レモナイル、マンダリル、より好ましくは、レモナイル、マンダリル、さらに好ましくは、レモナイルであるが、これらに限定されない。
本発明において、下記の一般式(III)で表される化合物は、市販品を用いても良いが、天然物から抽出して、又は公知方法に従って、化学合成で得ることも出来る。
【0024】
<インドール、メチルヘプテノン、ジヒドロジャスモン酸メチル及び天然ピレトリン>
インドールは、以下の構造式を有する化合物であり、香料等に用いられている。
【化7】
インドールは、市販品を用いても良いが、天然物から抽出して、又は公知方法に従って、化学合成で得ることも出来る。
【0025】
メチルヘプテノンは、以下の構造式を有する化合物である。香料等に用いられている。
【化8】
メチルヘプテノンは、市販品を用いても良いが、天然物から抽出して、又は公知方法に従って、化学合成で得ることも出来る。
【0026】
ジヒドロジャスモン酸メチルは、以下の構造式を有する化合物である。香料等に用いられている。
【化9】
ジヒドロジャスモン酸メチルは、市販品を用いても良いが、天然物から抽出して、又は公知方法に従って、化学合成で得ることも出来る。また、本発明において、ジヒドロジャスモン酸メチルは、通常、立体異性体の混合物であるが、その混合比は特定されず、どのような混合比のものを用いてもよい。
【0027】
本発明のアリ行動阻害効果の持続促進剤に含まれる天然ピレトリンは、除虫菊等に含まれる殺虫活性を有する天然有機化合物であり、除虫菊から抽出等により得られる。殺虫成分として、ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンIIの6種類が含まれることが知られている。本発明においては、除虫菊の産地や、各殺虫成分の含有比率は特定されず、どのような産地、含有比率のものを用いてもよい。好ましくは、本発明のアリ行動阻害持続促進剤には、天然ピレトリンは有効成分として含まれる。
【0028】
本発明のアリ行動阻害剤(組成物)は、上記[1]で定義された化合物自体であってもよいし、当該化合物と、例えば、賦形剤、担体や溶剤などの添加剤との混合物であってもよい。
【0029】
本発明のアリ行動阻害剤における前記化合物の配合量は、アリ行動阻害効果が発揮されれば特に限定されず、剤形や適用方法、使用場所に応じて適宜選択することができる。アリ行動阻害剤、あるいはアリ行動阻害剤を含有するアリの忌避剤及びアリの駆除剤の総量に対し、化合物を、例えば、1ppm~100000ppm(0.0001重量%~10重量%)、好ましくは10ppm~30000ppm(0.001重量%~3重量%)の濃度で配合してよいが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の別の好ましい態様では、例えば、本発明のアリ行動阻害剤を、殺虫剤やそれを含む食毒剤と併用したり、捕獲器等の限られた区画内に餌又は食毒剤等と合わせて使用してもよく、エアゾール剤、液剤、シート、燻煙剤、燻蒸剤などの各種アリ駆除製剤に適宜適用してアリ駆除剤として用いることができる。所望により、本発明のアリ行動阻害剤、あるいはアリ行動阻害剤を含有するアリの忌避剤及びアリの駆除剤に対し、種々の添加剤が当分野における技術常識に従って使用される。
【0031】
本発明に使用される前記殺虫剤としては、特に限定されないが、例えば、上記したピレトリンの他、アレスリン、フラメトリン、レスメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、フタルスリン、イミプロトリン、シフェノトリン、フェンバレレート、エトフェンプロクス、シラフルオフェン、プラレトリン、フェンフルトリン、トランスフルトリン、メトフルトリン等のピレスロイド剤;フェニトロチオン、トリクロルホン、ジクロルボス、ピリダフェンチオン、ダイアジノン、フェンチオン等の有機リン剤;カルバリル、メチルカルバミン酸-2-(1-メチルプロピル)フェニル(BPMC)、プロポクスル、セビン等のカーバメート剤;メトキサジアゾン等のオキサジアゾール系殺虫剤;ヒドラメチルノン等のヒドラゾン系殺虫剤;フィプロニル等のフェニルピラゾール系殺虫薬;イミダクロプリド、ジノテフラン等のネオニコチノイド系化合物;ホウ酸、ホウ酸塩等が挙げられ、これらは、マイクロカプセル化されてもよく、又はサイクロデキストリンで包接化されてもよい。
【0032】
添加剤として使用される共力剤としては、特に限定されないが、例えば、ピペロニルブトキドやN-(2―エチルヘキシル)-ビシクロ-[2,2,1]-5-ヘプテン-2,3-ジカルボキシイミド等が挙げられ、これらを前記殺虫剤と合わせて用いてもよい。
【0033】
捕獲器に使用される基材としては、特に限定されないが、粘着剤として、天然ゴム系、又は、ポリブテン、ポリイソブテンを主体とし、ロジン、パラフィンワックス等で粘着力を高めた合成ゴム系粘着物を例示できる。その他、必須ではないが、芳香剤、防臭剤、殺菌剤、安定剤、溶剤等の補助成分を適宜配合することによって、効力の優れた多目的組成物が得られる。捕獲器の形態は特に限定されないが、器具内に本発明のアリ行動阻害物質を含浸させた各種の担体を設置し、当該担体と離れた器具内の別の箇所において、アリを粘着剤等により捕獲する形態などがある。
【0034】
こうして得られた本発明のアリ行動阻害剤は、アリに直接、あるいは、台所、廊下、倉庫、家電の裏や家電と壁との隙間、床下、地下室、庭等、アリが排廻する場所又はアリの生息環境に適用すれば、アリに対し高い行動阻害効果、忌避効果及び/又は駆除効果を奏するものである。本発明のアリ行動阻害剤の剤型は特に限定されないが、エアゾール剤、スプレー剤等の液剤とすることが好ましい。
本発明のアリ行動阻害剤の施用箇所は、屋外でも屋内でも良い。例えば、好ましい施用箇所として、アリに直接、あるいは、台所、廊下、居間、玄関、窓サッシ、壁、倉庫、ベランダ、庭等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
前記液剤は水性でも油性でもよく、また液剤の調製において用いられる溶剤としては、特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ヘキサン、ケロシン(ケロセン)、パラフィン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類;キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。前記液剤は、さらに、通常の塗膜形成剤、乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、噴射剤等の添加剤を配合することができ、スプレー形態、塗布形態、接着剤形態、乳剤、分散剤、懸濁剤、エアゾール、ローション、ペースト、クリーム、マイクロエマルジョン等の形態で利用することができる。
【0036】
液剤は、トリガー式やポンプ式のスプレー容器に充填し、噴射剤を要しないスプレー形態や、耐圧製容器に充填し噴射剤を配合してなるエアゾール形態が好ましい。後者は、エアゾール容器にエアゾール原液を入れ、噴射剤としては、特に限定されないが、ジメチルエーテル、液化石油ガス(LPG)、圧縮ガス(窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素、圧縮空気等)、フルオロカーボン等が挙げられ、これらを加圧充填することで、本発明のエアゾールを提供することができる。エアゾールの種類としては、水性エアゾール、油性エアゾールのいずれでも製剤可能である。
【0037】
上記の液剤に用いられる、その他の添加剤としては、例えば、ニトロセルロース、アセチルセルロース、アセチルブチリルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニル樹脂等のビニル系樹脂;アルキッド系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化ゴム、ポリビニルアルコール等の塗膜形成剤;石鹸類;ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エステル、高級アルコールの硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアルキルアリールスルホン酸塩等の界面活性剤;カゼイン、ゼラチン、アルギン酸等、その他、気泡剤、補助剤、増量剤等を挙げることができる。
【0038】
また、本発明のアリ行動阻害剤は、例えばポリビニルアルコールやカルボキシメチルセルロース等を用いたスプレードライ法;ゼラチン、ポリビニルアルコール、アルギン酸等を用いた液中硬化法;コアセルベーション法等に従いマイクロカプセル化した形態、あるいはサイクロデキストリン包接した形態として、前記液剤に添加することができる。さらに、本発明のアリ行動阻害剤の効果に影響を及ぼさない範囲において、犬猫忌避剤、鳥の忌避剤、蛇の忌避剤、殺虫及び殺ダニ剤、効力増強剤、酸化防止剤、齧歯類動物駆除及び忌避剤、昆虫成長制御物質、摂餌物質、他の誘引活性成分であるアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミンなどのアルキルアミン類、2-ジメチルアミノエタノール、1-ジメチルアミノ-2-メチル-2-プロパノール、2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-プロパノールなどのアミノアルコール類、ペリプラノン類、ボルニルアセテート、テルペノイド類、クミン、ローレル、バジル、オレガノ、精油、エキストラクト等の香料、さらには殺菌剤、防黴剤、防腐剤、着香料、着色料、誤食防止剤等をさらに配合することもできる。
【実施例0039】
次に、試験例、実施例、比較例及び参考例等を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【0040】
なお、本発明に使用する実施例、比較例及び参考例の化合物は市販されたものを容易に入手することができ、それを使用することができる。
【0041】
<<試験例1>>アリ忌避(接触忌避)効力試験
試験方法:20cmx1cmに裁断したろ紙の半分に、供試化合物の95%エタノール溶液を滴下処理し、5分間風乾させた(処理量:22.5mg/m)。風乾後、左右の一端を封じた配線モール内(20cmx1cm)に、封じた側に無処理面が来るようにろ紙を挿入した(図1参照)。モールの内壁にタルクを塗布し、封じた側から供試昆虫アミメアリを1回の試験につき3匹放ち、1分間、無処理面にとどまる虫数を計数、観察し、忌避率を下記式に基づき、算出したところ、結果は、以下の表1の通りとなった。試験は処理直後及び30分後のそれぞれにおいて、3回繰り返した。
【0042】
【数1】
【0043】
【表1】
【0044】
上記試験の結果、少なくとも、以下のことが判った。なお、参考例については、後述の試験例3において、試験例1及び2の結果と合わせて考察する。
(1)一般式(I)の化合物について、γ-ヘキサラクトン、γ-オクタラクトン、γ-デカラクトン及びγ-ドデカラクトン(実施例1~4)は優れたアリ忌避効果を示したが、一般式(I)において、Rの炭素数が本発明の範囲外の15である、γ-ペンタデカラクトン(比較例1)では、アリ忌避効果はほとんどみられなかった。
(2)一般式(II)の化合物について、プロピオン酸ベンジル、吉草酸ベンジル(ペンタン酸フェニルメチル)、オクタン酸ベンジル(カプリル酸ベンジル)及びイソ吉草酸ベンジル(実施例5~8)では優れたアリ忌避効果を示したが、一般式(II)において、Rの炭素数が本発明の範囲外の11である、ラウリン酸ベンジル(比較例2)では、アリ忌避効果はほとんどみられなかった。
(3)一般式(II)の化合物について、レモナイル(Lemonile)、シトロネリルニトリル及びマンダリル(Mandaryl)(実施例9~11)では優れたアリ忌避効果を示したが、一般式(III)において、Rが不飽和結合を含まない、ドデカンニトリル(比較例3)では、アリ忌避効果はほとんどみられなかった。
(4)さらに、インドール、メチルヘプテノン及びジヒドロジャスモン酸メチル(実施例12~14)は優れたアリ忌避効果を示したが、酢酸デセニル(比較例4)、ジヒドロミルセノール(比較例5)では、アリ忌避効果はほとんどみられなかった。
【0045】
<<試験例2>>アリ行列阻止効力(非接触・空間忌避)試験1
試験方法:適量のハチミツ水と粉チーズを中央付近にセットした厚さ2mmで40cm四方のベニヤ板を、トビイロシワアリの巣から1m以内に設置し、巣から出たトビイロシワアリを誘引して行列を形成させた。行列の付近に15cmの距離がわかるよう印をつけ、その距離の範囲内で3分間行列するアリの様子を観察し、触角でコミュニケーションをとっているペアの数を計数した。
幅1cm高さ10cmの濾紙に対して供試化合物が所定量(11.3mg/m)となるようにアセトン溶液を添加した後、溶剤を風乾した。その後に、行列中15cm幅の中央部となる7.5cmの地点で行列の真上約1.5cmの高さに、上記の薬剤処理した濾紙の底辺が来るようにして固定した。固定後3分間に上記と同様に触角でコミュニケーションをとっているペアの数を計数した。
【0046】
さらに、その後10分以内のアリの行列の様子を確認し、以下の指標で評価した。
評価A:処理前後に行列の変化なし。
評価B:処理部付近を避けるようにして行列は乱れるが、その後、元の行列に収束する。
評価C:四方へ分散するように行列が崩れる。
なお、本試験では、アリ単体の行動の様子ではなく、行列という集団の行動に着目して、その行動の変化について観察した。
【0047】
【表2】
【0048】
試験例1において、アリ忌避(接触忌避)効果があった、本発明で使用される、実施例の化合物は、アリ行列阻止効力試験においても優れた効果を有した。すなわち、本発明で使用される化合物は、アリ忌避効果のみならず、アリ行列阻止効果にも優れる。
なお、天然ピレトリンは、試験例1における、アリ忌避(接触忌避)効果はあったが、アリ行列阻止効果はなかった。詳細は不明であるが、おそらく、揮散性が低いためと考えられる。
また、ジヒドロミルセノール(比較例5)は、本発明で使用される、実施例の化合物と同じ、揮散性の香料成分であるものの、アリ行列阻止効果はなかった。
さらに、アリの忌避活性が知られているシトロネラオイル(比較例6)では、アリは、処理地点を避けるように移動するものの、行列は再度収束し、アリ同士の触角のコンタクトも見られた。詳細は不明であるが、本発明で使用される、実施例の化合物とシトロネラオイルとでは、アリに対する作用が異なり、シトロネラオイルは、実施例の化合物よりもアリ行列阻止効力効果が低かったものと考えられる。
【0049】
なお、アリの行列は、個々のアリが触角で、何らかの活性となる化合物を辿ることと、アリ同士の触角によるコミュニケーションにより形成されるものと考えられる。詳細は不明であるが、上記の結果は、触角と化合物との物理的接触による忌避作用以外に、本発明で用いた特定の揮発性を有する化合物が、空間に放散され、アリのコミュニケーションに影響したものと考察される。
【0050】
<<試験例3>>アリ行列阻止効力(非接触・空間忌避)試験2
試験方法は、試験例2とほぼ同様である。上記のように、ハチミツ水と粉チーズを用いてトビイロシワアリを誘引して行列を形成させた。幅1cm高さ10cmの濾紙に対して供試化合物が各々所定量(11.3mg/m)となるようにアセトン溶液を添加した後、溶剤を風乾した。その後に、行列中15cm幅の中央部となる7.5cmの地点で行列の真上約1.5cmの高さに、上述の薬剤処理した濾紙の底辺が来るようにして固定した。固定してから、30分後、60分後のアリの行列の様子を確認し、試験例2と同じ指標で評価した。
なお、試験例3でも、試験例2と同様に、アリ単体の行動の様子ではなく、行列という集団の行動に着目して、その行動の変化について観察した。
【0051】
【表3】
【0052】
以上の結果より、試験例2において、単独では行列阻害へ影響しなかった天然ピレトリン(参考例)を、本発明で使用される化合物と併用することにより、行列阻害効果が持続する、あるいは、促進されることがわかった(各実施例+天然ピレトリン)。なお、このような効果は、単独では行列阻害に影響がなかったジヒドロミルセノール(比較例5)と本発明で使用される化合物とを併用した場合には見られなかった(実施例9+ジヒドロミルセノール及び併用参考例)。
【0053】
次に、本発明のアリ行動阻害物質を用いた各種製剤化の具体例を示すが、これらには限定されない。
【0054】
<スプレー剤の製造例1>
γ-オクタラクトン1.0w/v%にエタノール(無水)を加え、100mLとした薬液をトリガー式ポンプスプレー容器に充填し、本発明のアリ行動阻害組成物を含むスプレー剤を得た。
【0055】
<スプレー剤の製造例2>
プロピオン酸ベンジル0.5w/v%、インドール0.5w/v%、及びピレトリン0.5w/v%の混合物にさらに、エタノール(無水)を加え、100mLとした薬液をトリガー式ポンプスプレー容器に充填し、本発明のアリ行動阻害組成物を含むスプレー剤を得た。
【0056】
<エアゾール剤の製造例1>
γ-オクタラクトン0.1重量%と無臭ケロセン49.9重量%の原液とを耐圧エアゾール容器に充填し、噴射バルブを装填した。さらに、噴射ガスであるLPG(液化石油ガス)50.0重量%を加圧充填して、本発明のアリ行動阻害組成物を含むエアゾール剤(100重量%)を得た。
【0057】
<エアゾール剤の製造例2>
γ-オクタラクトン0.04重量%、プロピオン酸ベンジル0.03重量%及びジヒドロジャスモン酸メチル0.03重量%の混合物と無臭ケロセン49.9重量%の原液とを耐圧エアゾール容器に充填し、噴射バルブを装填した。さらに、噴射ガスであるLPG(液化石油ガス)50.0重量%を加圧充填して、本発明のアリ行動阻害組成物を含むエアゾール剤(100重量%)を得た。
【0058】
<エアゾール剤の製造例3>
レモナイル0.1重量%及びピレトリン0.2重量%の混合物と無臭ケロセン49.7重量%の原液とを耐圧エアゾール容器に充填し、噴射バルブを装填した。さらに、噴射ガスであるLPG(液化石油ガス)50.0重量%を加圧充填して、本発明のアリ行動阻害組成物を含むエアゾール剤(100重量%)を得た。
【0059】
<エアゾール剤の製造例4>
γ-オクタラクトン0.03重量%、プロピオン酸ベンジル0.04重量%、レモナイル0.03重量%及びピレトリン0.2重量%の混合物と無臭ケロセン49.7重量%の原液とを耐圧エアゾール容器に充填し、噴射バルブを装填した。さらに、噴射ガスであるLPG(液化石油ガス)50.0重量%を加圧充填して、本発明のアリ行動阻害組成物を含むエアゾール剤(100重量%)を得た。
【0060】
<エアゾール剤の製造例5>
γ-オクタラクトン0.01重量%、プロピオン酸ベンジル0.01重量%、レモナイル0.01重量%、インドール0.01重量%、メチルヘプテノン0.01重量%、ピレトリン0.2重量%、フタルスリン0.3重量%及びフェノトリン0.3重量%の混合物と無臭ケロセン49.15重量%の原液とを耐圧エアゾール容器に充填し、噴射バルブを装填した。さらに、噴射ガスであるLPG(液化石油ガス)50.0重量%を加圧充填して、本発明のアリ行動阻害組成物を含むエアゾール剤(100重量%)を得た。
【0061】
上記したスプレー剤、エアゾール剤を用い、家屋へ侵入しようとするアリの行列が見られた窓枠部や玄関脇に噴霧したところ、アリの行動が阻害されることにより、アリの行列が消滅し、あるいは、アリが噴霧箇所を忌避することにより、アリの家屋への侵入を防ぐことができた。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明により得られるアリ行動阻害剤は、アリに対し、優れたアリ行動阻害活性を有した。また、該アリ行動阻害剤を用いることにより、様々な種類のアリの忌避剤及びアリの駆除剤を提供することができる。
図1