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特開2024-56004景品取得ゲーム装置および景品支持部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056004
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】景品取得ゲーム装置および景品支持部材
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033839
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2020062354の分割
【原出願日】2020-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】光明 壮登
(57)【要約】
【課題】 景品取得ゲーム装置においてプレイヤの意欲を喚起させやすくする。
【解決手段】 景品取得ゲーム装置は、景品を展示する空間を有する景品展示空間と、景品を落下させるべき落下領域と、景品を把持するアーム部を含み、景品を落下領域に導くためのクレーンと、プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、操作にしたがって、クレーンを駆動させるクレーン制御部と、を備える。アーム部は、本体部と、景品支持部を含む。景品支持部には、1以上の支持片を取り付け可能である。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品を展示する空間を有する景品展示空間と、
前記景品を落下させるべき落下領域と、
前記景品を把持するアーム部を含み、前記景品を前記落下領域に導くためのクレーンと、
プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、
前記操作にしたがって、前記クレーンを駆動させるクレーン制御部と、を備え、
前記アーム部は、本体部と、景品支持部を含み、
前記景品支持部には、1以上の支持片を取り付け可能であることを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
景品を展示する空間を有する景品展示空間と、
前記景品を落下させるべき落下領域と、
前記景品を把持するアーム部を含み、前記景品を前記落下領域に導くためのクレーンと、
プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、
前記操作にしたがって、前記クレーンを駆動させるクレーン制御部と、を備え、
前記アーム部は、複数の取付部を有し、
前記複数の取付部のいずれかに、1以上の支持片を取り付け可能であることを特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記景品支持部は、前記本体部の先端において着脱可能な状態にて取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記複数の取付部を有する複数種類のアタッチメントのうちのいずれかが、前記アーム部に取り付けられ、
前記1以上の支持片は、前記アーム部に取り付けられたアタッチメントにおける前記複数の取付部のいずれかに取り付け可能であることを特徴とする、請求項2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
設置対象となる景品取得ゲーム装置に設けられるアーム部に取り付けるための切り欠きと、
複数の取付部と、を備え、
前記複数の取付部のいずれかに、1以上の支持片を取り付け可能であることを特徴とする景品支持部材。
【請求項6】
前記複数の取付部を有する板状の支持片装着部と、
前記切り欠きを有し、端部の一部が前記支持片装着部と連接する板状の土台部と、を備え、
前記取付部は、前記支持片を挿入可能な孔として構成されることを特徴とする、請求項5に記載の景品支持部材。
【請求項7】
前記土台部の切り欠きは、前記支持片装着部と連接しない側の端部の中央において凹状に開放され、
前記切り欠きおよび前記アーム部に固定部材を挿通することによって、前記アーム部に前記土台部を取り付け可能であることを特徴とする、請求項6に記載の景品支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品等の物品を移動させて獲得する景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くのゲームセンターには、クレーンゲーム装置(景品取得ゲーム装置)が設置されている。従来、クレーンゲーム装置の一種として、景品保持用の棒状部材を有するものが提案されている。このクレーンゲーム装置においては、棒状部材の先端部に溝等を設け、景品に取り付けた輪状部材をその溝に引っ掛けて吊るしている。このクレーンゲーム装置においてプレイヤは、横方向ボタンおよび縦方向ボタンを駆使してクレーンを操作する。クレーンによって輪状部材を棒状部材から離脱させ落下口へ景品を移動できれば、プレイヤは景品を獲得できる(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のクレーンゲーム装置においては、輪状部材が棒状部材の溝を支点として揺動する。つまり、クレーンのアームを輪状部材に当接させると、景品が揺動する。景品が揺動することで、プレイヤに景品獲得への期待感を抱かせることを図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-94492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のクレーンゲーム装置は、輪状部材が棒状部材の溝等の範囲で揺動するものである。したがって、アームを輪状部材に当てたとしても、輪状部材(及び景品)の揺れが小さくなりやすかった。景品の揺れが小さいことから、プレイヤは景品獲得への十分な期待感を得られない可能性があった。また、プレイヤの挑戦意欲が低下してしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記課題認識に基づいて完成された発明であり、その主たる目的は、景品取得ゲーム装置においてプレイヤの意欲を喚起させやすくするための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の景品取得ゲーム装置は、景品を展示する空間を有する景品展示空間と、景品を落下させるべき落下領域と、景品を把持するアーム部を含み、景品を落下領域に導くためのクレーンと、プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、操作にしたがって、クレーンを駆動させるクレーン制御部と、を備える。アーム部は、本体部と、景品支持部を含む。景品支持部には、1以上の支持片を取り付け可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、景品取得ゲーム装置においてプレイヤの意欲を喚起させやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ゲーム装置の全体構成を示す斜視図である。
図2】ゲーム装置の機能ブロック図である。
図3】吊り下げ部材の構造を示す図である。
図4】吊り下げ部材が支持部材に支持されている状態を示す図である。
図5】クレーンが吊り下げ部材に当接する様子を示す図である。
図6】支持部材に対する吊り下げ部材の状態を示す概念図である。
図7】支持部材に対する吊り下げ部材の状態を示す概念図である。
図8】第2実施形態におけるゲーム装置の全体構成を示す図である。
図9】クレーンの構成を示す正面図である。
図10】クレーンの動作について示す図である。
図11】第2実施形態における変形例を示す図である。
図12】第3実施形態におけるクレーンの構造を示す図である。
図13】着脱部の構造を示す図である。
図14】本体部への支持片の取り付け態様について示す図である。
図15】クレーンが景品を把持している状態を示す図である。
図16】他の使用形態を示す図である。
図17】他の使用形態を示す図である。
図18】第3実施形態における変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を表現することがある。また、以下の実施形態およびその変形例について、ほぼ同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、景品取得ゲーム装置(以下、「ゲーム装置1」という。)の全体構成を示す斜視図である。
ゲーム装置1は、直方体形状の基台2と、基台2上に設けられた箱形の景品収容部4を備える。景品収容部4の内方に景品展示空間Sが形成されている。景品展示空間Sには、板状の載置台5の端面から支持部材10が延在している。支持部材10は棒状部材からなり、その基端が載置台5に接続されている。支持部材10の先端には、後述する吊り下げ部材50を介して景品Aが吊り下げられている。以下、支持部材10の延在方向先端側を右、基端側を左として各方向を示すことがある。景品展示空間Sの下方に、落下領域Rが設けられている。
【0012】
景品展示空間Sの上方には、クレーン8が設けられている。クレーン8は、景品展示空間Sを前後左右及び上下に移動可能である。
【0013】
景品収容部4は、その前面および左右側面が透明なガラス張りとされている。外部からの景品Aの視認性が考慮されたものである。景品収容部4の前面には、扉11が設けられ、店員などのオペレータが景品Aを扉11を開けて景品収容部4内に配置等することができる。
【0014】
基台2の内部には、落下領域Rに通じ、落下領域Rから落下した景品Aを収容する景品ストック空間14が形成されている。基台2の前面には、景品ストック空間14に落下した景品Aを取り出すための景品取出口16が形成されている。
【0015】
基台2の前面側には操作卓18が設けられている。操作卓18にはコイン投入口20、ICカードリーダ21、操作部22及び入力受付部24が設けられている。プレイヤは、コイン投入口20にコインを投入するか、ICカードリーダ21にICカードをタッチする。後者の場合、電子マネーによる支払処理が実行されるが、公知の技術であるため、その詳細については説明を省略する。
【0016】
操作部22は、プレイヤがクレーン8を移動させるために操作する操作ボタン22a、22bを有する。操作部22は、プレイヤの操作に基づく入力信号を受け付ける「入力部」として機能する。操作ボタン22aは、クレーン8を左右方向に移動させるためのボタンであり、操作ボタン22bは、クレーン8を前後方向に移動させるためのボタンである。なお、変形例においては、クレーン8を前後左右に移動させるジョイスティック等を採用してもよい。
【0017】
入力受付部24は、タッチパネルからなる。入力受付部24は、管理者がゲームの設定情報を入力する「設定入力部」として機能するとともに、操作部22の操作方法やゲーム結果など、ゲームに関する情報を表示させる「表示部」としても機能する。ゲーム装置1は、そのほかにもスピーカ(不図示)や外部接続端子等を備える。
【0018】
クレーン8は、クレーン本体25及び一対のアーム26を有する。クレーン本体25は、アーム26を開閉駆動するモータを含む。アーム26は、く字状をなしており、クレーン本体25の下部に左右対称となるように2本備えられる。なお、本実施形態におけるクレーン8の構造については公知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0019】
プレイヤは操作部22を操作してクレーン8を移動させる。このクレーン8の移動及びアーム26の開閉によって景品Aを落下領域Rへと移動させることで、プレイヤは景品Aを獲得できるが、詳細については後述する。
【0020】
クレーン8は、景品収容部4の上方に設置された図示略のガイドレールに沿って移動可能であり、クレーン駆動部28により駆動される。クレーン駆動部28は、クレーン8を前後方向及び左右方向に駆動する移動機構と、上下方向に駆動する昇降機構を含む。クレーン駆動部28により、クレーン8を景品展示空間Sの任意の位置に移動させることができる。なお、このような駆動機構については公知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0021】
図2は、ゲーム装置1の機能ブロック図である。
ゲーム装置1の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コプロセッサなどの演算器、メモリやストレージといった記憶装置、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、また、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。以下に説明する各ブロックは、ハードウェア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。
【0022】
ゲーム装置1は、ユーザインタフェース処理部100、機構部120、データ処理部140およびデータ格納部160を含む。
ユーザインタフェース処理部100は、各種の入力デバイスを介してプレイヤからの操作を受け付けるほか、画像表示や音声出力など、ユーザインタフェースに関する処理を担当する。機構部120は、クレーン8(図1参照)等の各種機構を駆動する。データ格納部160は、各種データを格納する。データ処理部140は、ユーザインタフェース処理部100からの入力及びデータ格納部160に格納されているデータに基づいて各種処理を実行する。
【0023】
ユーザインタフェース処理部100は、プレイヤからの入力を受け付ける入力部102と、プレイヤに対して画像や音声等の各種情報を出力する出力部104を含む。
【0024】
入力部102は、設定入力部106とクレーン操作部108を含む。
設定入力部106は、入力受付部24(図1参照)を介してオペレータからの設定入力を受け付ける。クレーン操作部108は、操作部22(図1参照)を介してプレイヤからの操作入力を受け付ける。ゲーム装置1には設定モードと遊戯モードがある。設定モードにおいては、オペレータは後述の各種設定を行う。景品の搬入も設定モード中に行われる。遊戯モードにおいては、プレイヤは操作部22を操作し、クレーンゲームをプレイする。
【0025】
出力部104は、画像表示部110と音声出力部112を含む。画像表示部110は、入力受付部24に各種画像を表示させる。音声出力部112は音声を出力する。
【0026】
機構部120は、クレーン駆動部28を含む。クレーン駆動部28により、クレーン8の移動、アーム26の開閉が実行されることは上述の通りである(図1参照)。
【0027】
データ処理部140は、クレーン制御部142および移動判定部144を含む。
クレーン制御部142は、クレーン操作部108による操作指示にしたがって、クレーン駆動部28にクレーン8の移動及びアーム26の開閉を指示する(図1参照)。移動判定部144は、景品Aが落下領域Rに移動したか否か、いいかえれば、景品A取得の成否を判定する。
【0028】
データ格納部160は、ゲームプログラム格納部162を含む。
ゲームプログラム格納部162は、クレーンゲームのゲームプログラムを格納する。
【0029】
図3は、吊り下げ部材50の構造を示す図である。図3(A)は斜視図、図3(B)は平面図、図3(C)は正面図をそれぞれ示す。
吊り下げ部材50は、本体部52、半環状のアーム当接部54及び半環状の懸吊部56を有する。本体部52は、矩形板状の土台部51と、土台部51の端面両角から土台部51と同一平面上に延在する2つの延在部53とからなる。2つの延在部53は、平行となっている。すなわち、本体部52は、二股構造を有する。
【0030】
懸吊部56は、2つの延在部53の端部から本体部52と垂直に延出する。また、アーム当接部54は、土台部51における延在部53とは反対側の端部から本体部52と垂直に延出する。アーム当接部54の延在方向は懸吊部56の延在方向と逆向きとなっている。すなわち、吊り下げ部材50は、側面視においてクランク状をなしている。以下、本体部52におけるアーム当接部54の基端となる面を「第1面F」という。また、本体部52における懸吊部56の基端となる面を「第2面B」という。
【0031】
本体部52の第2面Bにおける2つの延在部53の間には、懸吊部56の延在方向に突出する2つの突起60が設けられている。突起60の機能については後述する。
【0032】
アーム当接部54の基端には、補強用のリブ55が設けられている。リブ55は、本体部52の端縁に沿って延在している。また、懸吊部56の頂点の位置には、景品A(図1参照)を吊り下げるための引掛り部64が2つ設けられている。引掛り部64は、懸吊部56の頂点の位置において径方向内向きに突出する突起である。景品Aの引掛り部64への引掛け態様について詳細は後述する。
【0033】
図4は、吊り下げ部材50が支持部材10に支持されている状態を示す図である。図4(A)は吊り下げ部材50の第1面F側を示し、図4(B)は第2面B側を示す。
吊り下げ部材50は、支持部材10によって支持される。より具体的には、支持部材10の先端部と、土台部51における第2面Bに位置する縁(エッジ)とが点接触態様で当接する。本体部52が支持部材10に支持されるとき、アーム当接部54は、支持部材10の延在方向先端側に位置し、本体部52から上方へ延在する。また、懸吊部56は、支持部材10の延在方向基端側に位置し、本体部52から下方へ延在する。支持部材10の中途には、板状の揺動抑制部材32が取り付けられている。揺動抑制部材32は、支持部材10の延在方向と垂直な方向に延在している。揺動抑制部材32の機能については後述する。
【0034】
本体部52における支持部材10の当接位置は、2つの突起60の間となる。2つの突起60により、吊り下げ部材50は支持部材10の延在方向と垂直な方向に滑ることを制限される。つまり、突起60は、吊り下げ部材50がこの方向に移動することを規制する「移動規制構造」として機能する。
【0035】
2つの引掛り部64の間には、景品Aの端部が引掛けられている。具体的には、景品Aにはフック部材66が取り付けられている。懸吊部56における2つの引掛り部64の間にフック部材66が引掛けられることで、景品Aは懸吊部56に吊り下げられる。なお、景品Aに紐を取り付け、その紐を引掛り部64に架け渡すようにして、景品Aを懸吊部56に吊り下げてもよい。
【0036】
吊り下げ部材50は、支持部材10と点接触態様で当接する。この当接点が、支持部材10による吊り下げ部材50の支点Psとなっている。この支点Psの直下に、フック部材66の懸吊部56との吊持点Ph及び景品Aの重心が存在することとなる。
【0037】
図5は、クレーン8の動作を示す図である。図5(A)はクレーン8が吊り下げ部材50の真上に位置している状態、図5(B)はアーム26が開いた状態で吊り下げ部材50と当接している状態、図5(C)はアーム26が閉じ、吊り下げ部材50がアーム26に引っかかっている状態、図5(D)はアーム26から吊り下げ部材50が外れている状態をそれぞれ示す。なお、図5(A)に示されるような、支持部材10に対して吊り下げ部材50のバランスが保たれた状態を「平衡状態」とよぶことがある。
【0038】
プレイヤはまず操作部22(図1参照)を操作して、クレーン8を吊り下げ部材50の上方に移動させる。プレイヤによる操作部22の操作が完了すると、図5(A)に示すように、アーム26が開く。
【0039】
アーム26が開いた後、クレーン8は下降する。下降が完了すると(図5(B))、アーム26が閉じる。プレイヤによるクレーン8の移動がうまくいけば、図5(C)に示すように、アーム26がアーム当接部54に当接する。
【0040】
アーム26の閉動作によってアーム当接部54が支持部材10の先端方向への力を受け、吊り下げ部材50が平衡状態から動く。図5(C)の例では、アーム26はアーム当接部54において頂点Pmからずれた位置に当接している。このため、アーム当接部54が支点Ps周りのモーメント力を受け、水平面内で回動している。このとき、吊り下げ部材50は揺動抑制部材32に当接し、揺動が規制される。すなわち、揺動抑制部材32は、吊り下げ部材50の水平面内での回動を規制する。吊り下げ部材50は、揺動抑制部材32からの反力を受ける。
【0041】
アーム26が閉じ終わると、図5(D)に示すようにクレーン8は上昇する。クレーン8の上昇に伴い、アーム26がアーム当接部54から離脱する。アーム26の離脱により、アーム当接部54に対して支持部材10の先端方向への力が作用しなくなる。このとき、吊り下げ部材50は慣性で平衡状態に戻ろうとする。これにより、吊り下げ部材50は、支持部材10との当接位置を支点Psとして揺動する。以下、吊り下げ部材50の揺動について詳細に説明する。
【0042】
図6、7は、支持部材10(図5参照)に対する吊り下げ部材50の動作を示す概念図である。図6は平面視を示し、図7は側面視を示す。図6(A)、図7(A)は図5(A)に対応する状態、図6(B)、図7(B)は図5(C)に対応する状態、図6(C)、図7(C)は図5(D)に対応する状態を示す。図6、7において、支点Ps(図4(B)参照)をとおり水平方向に延びる線を「軸線L1」、支点Psをとおり鉛直方向に延びる線を「軸線L2」と称する。
【0043】
本実施形態において、吊り下げ部材50は2種類の揺動をする。すなわち、吊り下げ部材50は、軸線L2周りの揺動と、軸線L1周りの揺動とを行う。図6においては前者、図7においては後者をそれぞれ示している。
【0044】
軸線L2周りの揺動について説明する。
図6(A)に示すように、平衡状態において土台部51の長手方向は軸線L1の延在方向と平行となっている。図5(C)に関連して説明したとおり、アーム26がアーム当接部54に当接すると、アーム当接部54に対して支持部材10の先端方向への力が作用する。このとき、アーム26がアーム当接部54における頂点Pmからずれた位置に当接すると、軸線L2を中心としたモーメントが作用する。そのため、図6(B)に示すように、吊り下げ部材50は軸線L2周りに回動する。図5(C)の例では、反時計回りに回動している。図6(B)に示すように、吊り下げ部材50が揺動抑制部材32に当接すると、それ以上反時計回りに回動することがない。このとき、吊り下げ部材50は揺動抑制部材32から反力を受ける。
【0045】
アーム26がアーム当接部54から離脱すると、図6(C)に示すように、吊り下げ部材50は揺動抑制部材32から受けていた反力によって軸線L2周りに時計回りに回動する。
【0046】
ここで、揺動抑制部材32の機能について説明する。
仮に、揺動抑制部材32が設けられていない場合を想定する。この場合には、クレーン8が駆動したとき、吊り下げ部材50の揺動角度が大きくなってしまうことがある。この角度が大きすぎると、吊り下げ部材50が支持部材10から簡単に離脱してしまう。その結果、景品Aが簡単に獲得できてしまい、プレイヤに物足りなさを感じさせる可能性がある。揺動抑制部材32を取り付けることで、吊り下げ部材50の最大揺動角度を調整することができ、景品Aの獲得への難易度を適度なものとすることができる。したがって、プレイヤにプレイの満足感を与えることができる。
【0047】
吊り下げ部材50は揺動抑制部材32により軸線L2周りに回動を抑制される。本体部52は2つの突起60の間に支点Psを位置させながら、支持部材10の先端側へとずれていく。プレイヤは、吊り下げ部材50を回動させつつずらしていき、吊り下げ部材50を支持部材10の先端から外すことで景品Aを獲得する。
【0048】
突起60は、吊り下げ部材50が支持部材10の延在方向と垂直な方向に移動することを規制するために設けられている。仮に、突起60が設けられていない場合を想定する。この場合には、吊り下げ部材50における支持部材10との当接位置が延在部53近傍にまで移動してしまうおそれがある。さらに、延在部53にも支持部材10が当接し、吊り下げ部材50は支持部材10と2箇所で当接したままロックする可能性がある。この状態になってしまうと、アーム26(図5参照)を吊り下げ部材50に当接させても、吊り下げ部材50が回動しなくなり、景品Aの獲得が困難となる。その結果、プレイヤの意欲を損なう可能性がある。
【0049】
本実施形態においては、2つの突起60間に支点Psの移動を制限している。そのため、上記のように吊り下げ部材50がロックするおそれがなくなり、プレイ意欲を維持できる。
【0050】
軸線L1周りの揺動について説明する。
図7(A)に示すように、平衡状態において吊持点Phは支点Psの直下に位置している。すなわち、吊持点Phは軸線L2上に存在している。図5(C)に関連して説明したとおり、アーム26がアーム当接部54に当接すると、アーム当接部54に対して支持部材10の先端方向への力が作用する。このとき、図7(B)に示すように、吊持点Phは軸線L2と離隔した位置に移動する。
【0051】
図5(D)に関連して説明したとおり、アーム26がアーム当接部54から離脱すると、吊り下げ部材50は慣性によって平衡状態に戻ろうとする。このとき、図7(C)に示すように、吊持点Phは、図7(B)の状態における吊持点Phの位置から軸線L2を挟んで反対側に移動する。吊り下げ部材50は、アーム26(図5(C)、(D)参照)がアーム当接部54から離脱したのち、軸線L1周りに振り子のように揺動しつつも、平衡状態に収束する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、アーム26がアーム当接部54に当接したときに吊り下げ部材50が動く。アーム26の当接が解除されると、吊り下げ部材50が平衡状態に戻ろうとして軸線L1周りに大きく回動する。これに伴い、懸吊部56に吊り下げられる景品Aも揺動する。したがって、プレイヤに景品A獲得への期待感を抱かせることができ、プレイ意欲を喚起できる。
【0053】
本実施形態によれば、吊り下げ部材50は支持部材10と点接触態様で当接している。吊り下げ部材50と支持部材10との間の摩擦力が小さいため、吊り下げ部材50の動きを大きくできる。つまり、吊り下げ部材50の軸線L1又は軸線L2周りの回動を大きくできる。これに伴い、懸吊部56に吊り下げられる景品Aも大きく回動する。したがって、プレイ意欲を喚起できる。
【0054】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態とアーム及び吊り下げ部材の形状が異なる。
図8は、第2実施形態におけるゲーム装置200の全体構成を示す図である。
ゲーム装置200においては、景品展示空間Sに載置台202が備えられている。載置台202には景品Aが載置される。景品Aの上面には、半環状の吊り下げ部材250が取り付けられている。
【0055】
景品展示空間Sの上方には、クレーン208が設けられている。クレーン208は、アーム226を有する。アーム226を吊り下げ部材250に引っ掛けて景品Aを落下領域Rに移動させることにより、プレイヤは景品Aを獲得する。以下、クレーン208の構造について説明する。
【0056】
図9は、クレーン208の構成を示す正面図である。図9(A)はアーム226が作動していない状態を示し、図9(B)はアーム226が作動した状態を示す。
クレーン208は、クレーン本体25、アーム226及び支持機構Mを含む。アーム226は、第1アーム部230及び第2アーム部234を備える。第1アーム部230は、略L字状をなしている。第2アーム部234は、支持機構Mを介してクレーン本体25に支持される棒状部235と、棒状部235の一端から棒状部235に対して斜め下方に延在する連結部236とからなる。連結部236の先端には、第1アーム部230がねじ232によって組付けられている。第1アーム部230と第2アーム部234とがなす角度は、任意に設定可能である。連結部236の下端と第1アーム部230の上端とを合わせてねじ232で締結させる。両者を所望の角度に調整し、ねじ232で締結することで両者のなす角度が固定できる。
【0057】
クレーン本体25と第2アーム部234とは、支持機構Mによって連結されている。支持機構Mは、支持部材209及び連結部材212を含む。支持部材209は、支柱体210及び一対のボールチェーン211を含む。支柱体210は、ボールチェーン211によってクレーン本体25に垂下され、棒状部235の連結部236側の端部を支持する。第2アーム部234は、支柱体210に設けられた支点P1を中心として回動する。
【0058】
連結部材212は、ボールチェーン214及び連結片216からなる。ボールチェーン214の一端は、支柱体210と離隔して第2アーム部234の端部を支持する。ボールチェーン214の他端は、連結片216に支持されている。連結片216は、クレーン本体25に設けられた回動軸と接続されている。クレーン本体25に設けられたモータの駆動により、連結片216がこの回動軸を中心に回動する。以下、連結片216の上方への回動動作を、「連結片216が開く」とよぶことがある。逆に、下方への回動動作を、「連結片216が閉じる」とよぶことがある。連結片216が動くことで、第2アーム部234が支点P1を中心として回動する。第2アーム部234におけるボールチェーン214との連結点が、第2アーム部234の回動運動における力点P2となっている。
【0059】
図9(A)に示すように、アーム226が非作動(連結片216が閉じている状態)のときには、棒状部235が水平な状態となっている。すなわち、支点P1と力点P2がほぼ同じ高さとなっている。また、第1アーム部230の先端部231も水平な状態となっている。一方、図9(B)に示すように、アーム226が作動(連結片216が開いている状態)のときには、棒状部235が水平方向に対して傾いた状態となっている。この状態においては、力点P2が支点P1より高い位置にある。また、先端部231が水平方向に対して傾きを有する。
【0060】
図10は、クレーン208の動作について示す図である。図10(A)はクレーン208が景品Aの上方に位置している状態、図10(B)は連結片216が開き、クレーン208が下降している状態、図10(C)はクレーン208が下降して連結片216が閉じかかっている状態、図10(D)はアーム226に吊り下げ部材250が吊り下がっている状態、図10(E)は連結片216が開き、景品Aを払い出している状態をそれぞれ示す。なお、図10(A)に示されるような、棒状部235が水平に保たれている状態を、アーム226の「初期状態」とよぶことがある。
【0061】
プレイヤはまず操作部22(図1参照)を操作して、図10(A)に示すように、クレーン208を吊り下げ部材250の上方に移動させる。プレイヤによる操作部22の操作が完了すると、図10(B)に示すように、連結片216が開き、アーム226が支点P1を中心に回動する。
【0062】
アーム226の回動後、クレーン208は下降する。下降が完了すると、連結片216が閉じ、アーム226が支点P1を中心に回動して初期状態に戻ろうとする。プレイヤによる操作がうまくいくと、図10(C)に示すように第1アーム部230が吊り下げ部材250に当接し、先端部231が吊り下げ部材250の半環状部に挿入される。第1アーム部230が吊り下げ部材250に当接すると、アーム226は吊り下げ部材250から反力を受けて支点P1を中心に反時計回りに回動する。
【0063】
連結片216が閉じ終わると、クレーン208は上昇し始める。このとき、図10(D)に示すように先端部231に吊り下げ部材250が引掛かる。すなわち、第1アーム部230は、吊り下げ部材250を引掛ける「フック」として機能する。先端部231に吊り下げ部材250を引掛けたままクレーン208が移動する。図10(E)に示すように、連結片216が開き、景品Aを落下領域R(図8参照)に移動できれば、プレイヤは景品Aを獲得できる。
【0064】
以上、説明したとおり、本実施形態においては、支持機構Mにボールチェーン211、214を含む。これにより、クレーン208の移動時において支柱体210及びアーム226が揺動する。この揺動によって、第1アーム部230を吊り下げ部材250に引っかけることの難易度が上がり、プレイヤの挑戦欲を掻き立てることができる。また、第1アーム部230は略L字状をなしている。フックとして一般的であるS字フックを使用する場合とは異なり、クレーン208は、プレイヤが第1アーム部230に吊り下げ部材250を引掛けやすい構造となっている。本実施形態においては、第1アーム部230の形状によってプレイヤに景品Aの獲得のしやすさを感じさせつつ、アーム226の揺動によりプレイヤの挑戦欲を掻き立てる。したがって、プレイ意欲を喚起できる。
【0065】
本実施形態においては、第1アーム部230が吊り下げ部材250に当接する際、アーム226が支点P1を中心として回動する。この回動によって、ゲーム装置200はプレイヤに対して景品Aが獲得できるか否かという興趣を与えることができる。
【0066】
本実施形態においては、アーム226が支点P1を中心に回動する。この構造により、景品Aが吊り下げ部材第1アーム部230に吊り下げられた後、ゲーム装置200はアーム226を回動させて景品Aを払い出すことができる。つまり、ゲーム装置200は、第1アーム部230がフックとして機能しつつも、景品Aの払い出し時には景品Aの吊り下げ態様を解除できる。したがって、景品Aの払い出しに人手を必要としない。
【0067】
図11は、第2実施形態における変形例1を示す図である。
変形例1のクレーン308においては、クレーン208とアームの形状が異なる。クレーン308のアーム326は、T字状をなしている。アーム326では、第2アーム部334と第1アーム部330とが一体成形されている。第2アーム部334の一端に支点P1、他端に力点P2を有する。支点P1と力点P2との間から第1アーム部330が下方に延設されている。アーム326の下端部には、第1アーム部330が形成されている。第1アーム部330は、吊り下げ部材250(図8参照)に当接するアーム326は、上部に棒状の第2アーム部334が形成されている。第2アーム部334は支柱体210及びボールチェーン214によって支持される。アーム326は、支柱体210に設けられた支点P1を中心に回動する。
【0068】
クレーン308においても、支持機構Mにボールチェーン211、214を含む。これにより、クレーン308の移動時にアーム326が揺動する。したがって、第2実施形態と同様にプレイ意欲を喚起させやすくなる。
【0069】
クレーン308においては、第2アーム部334及び第1アーム部330が一体に形成されている。したがって、部品点数が少なく組立てが容易である。一方、第2アーム部334と第1アーム部330とがなす角度を変更することができない。第2実施形態におけるクレーン208は、第1アーム部230と第2アーム部234とがなす角度を任意に変更可能である。クレーン208においては、この角度を変更することで、第1アーム部230による吊り下げ部材250の保持のしかたを変えることができる。つまり、クレーン208は、この角度を変更することで、景品A獲得の難易度を簡便に調整できる。
【0070】
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態とクレーンの構造が異なる。
図12は、第3実施形態におけるクレーン408の構造を示す図である。図12(A)は正面図、図12(B)は側面図である。
【0071】
クレーン408は、クレーン本体25及び2つのアーム426を備える。アーム426は、本体部428及び着脱部430を有する。本体部428は、く字状をなしている。本体部428の先端に、着脱部430が取り付けられる。着脱部430には、景品A(後述)を支持するための支持片450が着脱可能となっている。本実施形態においては、1つの着脱部430につき2つの支持片450が取り付けられている。以下、着脱部430において図12(A)における上側の面を表面、下側の面を裏面と称する。
【0072】
図13は、着脱部430の構造を示す図である。図13(A)は平面図であり、図13(B)は底面図である。
着脱部430は、板材を曲げ成形して得られる。着脱部430は土台部431と支持片装着部433を有する。土台部431は、端部に向けて先細りとなるテーパ形状を有する。その先端部中央が凹状に開放され、挿通部432が形成されている。この挿通部432にねじが挿通される態様で、着脱部430が本体部428に取り付けられる(詳細は後述)。土台部431の基端と、支持片装着部433の上端とが連設され、土台部431と支持片装着部433とは所定の角度をなす。
【0073】
支持片装着部433は、土台部431との接続位置を長手方向とする長方形状をなしている。支持片装着部433には、その長手方向に沿って5つの孔部434が設けられている。各孔部434の内周面には雌ねじ(不図示)が設けられており、支持片450の外周面に設けられる雄ねじ(不図示)と螺合されることによって支持片450が取り付けられる。
【0074】
図14は、本体部428への支持片450の取り付け態様について示す図である。図14(A)は支持片450の着脱部430への取り付け完了前の状態、図14(B)は取り付け後の状態、図14(C)はEリング460を取り付けた状態、図14(D)は本体部428への取り付け完了後の状態をそれぞれ示す。
【0075】
まず、着脱部430へ支持片450を取り付ける。図14(A)、(B)に示すように、支持片450を着脱部430の表面から裏面へ向かう方向で孔部434に挿入する。挿入に際しては、孔部434の雌ねじと支持片450の雄ねじを螺合する。次いで、図14(C)に示すように、孔部434の上部には支持片450上端が突出する。この位置には、支持片450の雄ねじも突出する。この雄ねじの歯面にEリング460を嵌合させる。
【0076】
図14(D)に示すように、支持片450を取り付けた着脱部430の裏面をアーム426の本体部428の先端に対向させる。そして、挿通部432にねじ470を挿通しつつ本体部428に設けられている雌ねじ(不図示)にねじ470を螺合する。これにより、本体部428とねじ470との間に挿通部432を挟み込む態様で、本体部428の先端に着脱部430が組み付けられる。
【0077】
図15は、クレーン408が景品Aを把持している状態を示すパースがかかった図である。
上記のとおり、着脱部430(図12(A)参照)には、複数の支持片450が取り付けられている。複数の支持片450により景品Aの底部を下方から支持する態様で、クレーン408は景品Aを把持している。
【0078】
以上、説明したとおり、本実施形態によれば、アーム426の先端部に支持片450が着脱可能な着脱部430を備えている。着脱部430へ装着する支持片450の数や位置を変更することで、アーム426の先端部の形状を簡素に変更できる。アーム426の先端部の形状が異なれば、景品とアーム426との当接位置も異なる。したがって、本実施形態のアーム426を採用すれば、景品の獲得のしやすさや獲得の仕方を適宜変更できる。つまり、プレイヤを飽きさせず、プレイ意欲を維持させることができる。
【0079】
図16、17は、他の使用形態を示す図である。図16(A)、(B)は使用形態1、図17(A)、(B)は使用形態2をそれぞれ示す。
使用形態1においては、着脱部430に支持片450が1つ取り付けられている。支持片450は、5つの孔部434のうち中央の孔部434に取り付けられている。使用形態1の着脱部430を本体部428に装着すれば、例えば図16(B)に示すように、景品Aに取り付けられた環状の吊り下げ部材350を支持片450に引っ掛けるゲームが提供できる。
【0080】
図17(A)に示すように、使用形態2においては、一対の着脱部430に支持片450がそれぞれ1つずつ取り付けられている。支持片450は、着脱部430の挿通部432を上に向けた状態において、一番左の孔部434にそれぞれ取り付けられている。すなわち、一対の本体部428に使用形態2の着脱部430を装着すれば、図17(B)に示すように、景品Aの左右において支持片450の当接位置が前後にずれることとなる。支持片450の取り付け位置を変更することで、景品Aに対する支持点を変えることができる。したがって、左右のアーム426により安定支持が必要となる遊戯性を提供できる。つまり、プレイヤに対して、どのように支持片450を景品Aに当接させればよいか、考えさせることができる。よって、プレイ意欲を喚起させることができる。
【0081】
使用形態2においては、左右の着脱部430を近接させることとなる。この形態は、景品Aのサイズが小さいときに都合がよい。なお、景品Aのサイズに応じて左右の着脱部430の距離を適宜調節可能である。
【0082】
図18は、第3実施形態における変形例(以下、「変形例2」という。)を示す図である。変形例2においては、着脱部430に対してアタッチメント500を組み付けた態様を示す。図18(A)は着脱部430にアタッチメント500を取り付けた状態の表面、図18(B)はその裏面をそれぞれ示す。図18(C)はアタッチメント500の構造を示す。
変形例2においては、着脱部430にアタッチメント500を取り付けて、着脱可能な支持片450の数を増やしている。図18(C)に示すように、アタッチメント500には、複数の孔部534が設けられている。孔部534の内周面には、図示しない雌ねじが備わる。
【0083】
図18(B)に示すように、支持片450を孔部534及び孔部434(図13(A)、(B)参照)に挿通させることで、着脱部430とアタッチメント500とを組み付けている。孔部534(及び孔部434)を挿通させた後、支持片450の雄ねじにはナット600が締結される。これにより、支持片450が孔部534(及び孔部434)から脱落することを防ぐことができる。
【0084】
変形例2においても、着脱部430及びアタッチメント500に支持片450を着脱可能である。したがって、アーム426(図12(A)、(B)参照)の先端部の形状を簡素に変更できる。また、変形例2においては、多くの支持片450を着脱可能となっている。したがって、景品の大きさ等に併せて支持片450の数を多彩に変更可能である。
【0085】
本発明は上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。上記実施形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成してもよい。また、上記実施形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。
【0086】
第1実施形態においては、アーム当接部が半環状であると説明した。変形例においては、半円盤状等その他の中実形状であってもよい。
【0087】
また、アーム当接部は、アームを当接させるためにプレイヤによって注視されやすい。このアーム当接部に広告等を取り付ければ、その宣伝効果が期待できる。
【0088】
第1実施形態においては、アーム当接部及び懸吊部が本体部の端部に設けられる例を説明した。変形例においては、本体部の端部より中央寄りの位置に設けられてもよい。いずれの場合においても、本体部における支持部材10との当接位置(支点)から離隔した位置において、アーム当接部及び懸吊部が支点を挟んだ位置において逆向きに延在していればよい。
【0089】
第1実施形態においては、吊り下げ部材に2つの突起を設けた場合を説明した。変形例においては、突起の数を1つや3つ等任意の数に設定可能である。たとえば、突起の数を1つにする場合には、吊り下げ部材の支持部材に対する移動の自由度を高めることができる。突起の数を3つにする場合には、支持部材との当接点を隣り合う2つの突起の間に位置させ、吊り下げ部材を水平方向に対して偏らせることができる。また、突起にかえて本体部52にくぼみを設け、支点Psをそのくぼみの範囲に収まるようにしてもよい。
【0090】
第1実施形態においては、支持部材10の材質について特に説明しなかった。支持部材10の材質は、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の棒材であってもよい。また、支持部材10は、棒材にゴム等の摩擦係数の高い素材を巻き付ける等してもよい。これにより、吊り下げ部材50を支持部材10から外れにくくなる。したがって、景品獲得の難易度が上がり、プレイヤの挑戦欲を掻き立てることができる。
【0091】
第2実施形態においては、支持機構にボールチェーンが含まれるため、クレーンの移動時においてアームが揺動すると説明した。変形例においてはボールチェーンに限らず、紐やワイヤー等その他の、線状で撓む材質(吊持部材等)を採用してもよい。この場合においても、クレーンの移動時においてアームが揺動する。したがって、第2実施形態と同様に、プレイヤの挑戦欲を掻き立てることができる。
【0092】
第2実施形態及び変形例1においては、支柱体210がボールチェーンを介してクレーン本体25に垂下されると説明した。他の変形例においては、支柱体がクレーン本体25にねじ等によって直接取り付けられてもよい。この場合においても、吊り下げ部材250と当接する際にアーム226が揺動する。したがって、プレイヤのゲームに対するプレイ意欲を喚起させることができる。
【0093】
第3実施形態においては、本体部428への着脱部430の取り付けにねじを用いる場合を説明した。変形例においては、本体部428の先端に磁石を取り付け、着脱部430の取り付けを磁力によって行う等その他の取り付け態様としてもよい。
【0094】
また、第3実施形態においては、孔部434の内周面に雌ねじ、支持片の外周面に雄ねじをそれぞれ設け、これらを螺合することによって支持片を着脱部に取り付けた。支持片にはさらに、その雄ねじの歯面にEリングを嵌合させた。変形例においては、支持片の外周面に凹部を設け、孔部を挿通した支持片の凹部にEリングを嵌合させることによって支持片を着脱部に取り付けてもよい。この場合には、雄ねじおよび雌ねじを設ける必要がなく、支持片および孔部の構造が簡素化できる。
【0095】
第3実施形態においては、着脱部430に設けられている孔部434を5つとして説明した。着脱部430に対する孔部434の数はこれに限らず、3つ等任意の数としてよい。また、アタッチメント500に設けられる孔部534の数も同様に、10個等任意の数としてよい。
【0096】
実施形態における景品取得ゲーム装置は、いわゆるネットキャッチャーにも応用可能である。ネットキャッチャーは、プレイヤがPCから景品取得状態を映像でリアルタイムに見ながら操作情報を送信することで遠隔地にあるクレーンゲーム装置のクレーンを操作するクレーンゲームである。プレイヤが取得した景品はプレイヤに郵送される。
【0097】
第2実施形態のゲーム装置を思想として以下のようにとらえることもできる。すなわち、ある態様の景品取得ゲーム装置は、景品を展示する空間を有する景品展示空間と、景品を吊り下げ可能な吊り下げ部材と、景品を落下させるべき落下領域と、吊り下げ部材に当接可能であるアーム部を含み、景品を落下領域に導くためのクレーンと、プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、操作にしたがって、クレーンを駆動させるクレーン制御部と、を備える。クレーンは、クレーン本体に垂下され、アーム部の回動における支点となる支柱体と、クレーン本体とアーム部とを連結し、アーム部の回動における作用点となる連結部材と、を含む。アーム部における吊り下げ部材との当接点が、アーム部の回動における作用点となる。
【0098】
第3実施形態のゲーム装置を思想として以下のようにとらえることもできる。すなわち、ある態様の景品取得ゲーム装置は、景品を展示する空間を有する景品展示空間と、景品を落下させるべき落下領域と、景品に当接可能であるアーム部と、アーム部を支持するクレーン本体と、を含み、景品を落下領域に導くためのクレーンと、プレイヤからの操作を受け付ける操作部と、操作にしたがってクレーンを駆動させるクレーン制御部と、を備える。アーム部の先端部は、景品を支持する一又は複数の支持片を任意に着脱可能である着脱部を有する。
【符号の説明】
【0099】
1 ゲーム装置、2 基台、4 景品収容部、5 載置台、8 クレーン、10 支持部材、11 扉、14 景品ストック空間、16 景品取出口、18 操作卓、20 コイン投入口、21 ICカードリーダ、22 操作部、24 入力受付部、25 クレーン本体、26 アーム、28 クレーン駆動部、32 揺動抑制部材、50 吊り下げ部材、51 土台部、52 本体部、53 延在部、54 アーム当接部、55 リブ、56 懸吊部、60 突起、64 引掛り部、66 フック部材、100 ユーザインタフェース処理部、102 入力部、104 出力部、106 設定入力部、108 クレーン操作部、110 画像表示部、112 音声出力部、120 機構部、140 データ処理部、142 クレーン制御部、144 移動判定部、160 データ格納部、162 ゲームプログラム格納部、200 ゲーム装置、202 載置台、208 クレーン、209 支持部材、210 支柱体、211 ボールチェーン、212 連結部材、214 ボールチェーン、216 連結片、226 アーム、230 第1アーム部、231 先端部、232 ねじ、234 第2アーム部、235 棒状部、236 連結部、250 吊り下げ部材、308 クレーン、326 アーム、330 第1アーム部、334 第2アーム部、350 吊り下げ部材、408 クレーン、426 アーム、428 本体部、430 着脱部、431 土台部、432 挿通部、433 支持片装着部、433 支持片着脱部、434 孔部、450 支持片、460 Eリング、470 ねじ、500 アタッチメント、534 孔部、600 ナット、A 景品、B 第2面、F 第1面、L1 軸線、L2 軸線、M 支持機構、P1 支点、P2 力点、Ph 吊持点、Pm 頂点、Ps 支点、R 落下領域、S 景品展示空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図18