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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056021
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】システム、端末、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240412BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024034303
(22)【出願日】2024-03-06
(62)【分割の表示】P 2020039364の分割
【原出願日】2020-03-06
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】新谷 紀幸
(72)【発明者】
【氏名】黒▲崎▼ 祥子
(57)【要約】
【課題】妊娠期と育児期との両方の期間に亘り、母子に関わる情報を続けて管理することが可能な管理ツールを実現する。
【解決手段】制御部は、妊婦、および、胎児または胎児前、の少なくともいずれか一方に関する情報を示す妊娠期情報を表示するための妊娠期表示UIを表示部に表示する第1ステップ(S102)と、経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報を示す育児期情報を表示するための育児期表示UIを表示部に表示する第2ステップと、を実行し、胎児の出生を制御部に認識させるための第1操作がユーザによって行われる(S109)まで、第1ステップを実行し、第1操作が行われた後は(S109のYES)、第2ステップを実行する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部、記憶部および表示部を備えている端末を備えたシステムであって、
前記制御部は、
妊婦、および、胎児または胎児前、の少なくともいずれか一方に関する情報を示す妊娠期情報を表示するための妊娠期表示UIを前記表示部に表示する第1ステップと、
経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報を示す育児期情報を表示するための育児期表示UIを前記表示部に表示する第2ステップと、を実行し、
前記胎児の出生を前記制御部に認識させるための第1操作がユーザによって行われるまで、前記第1ステップを実行し、前記第1操作が行われた後は、前記第2ステップを実行する、システム。
【請求項2】
前記第1操作を行うための第2UI部品は、前記妊娠期表示UIに含まれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記育児期表示UIには、前記妊娠期情報の表示を指示するための第3UI部品が含まれており、
前記第1ステップは、前記第1操作が行われた後は、前記第3UI部品が操作されたことに応答して実行される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記妊娠期情報の入力を支援する妊娠期入力支援UIを表示する第3ステップと、
前記育児期情報の入力を支援する育児期入力支援UIであって、前記妊娠期入力支援UIと一部が相違する該育児期入力支援UIを表示する第4ステップと、をさらに実行する、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記育児期表示UIには、前記第4ステップの実行を指示するための第4UI部品が含まれており、
前記妊娠期表示UIに含まれていた、前記第3ステップの実行を指示するための第5UI部品は、前記第1操作が行われた後、前記妊娠期表示UIから削除される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記記憶部には、妊娠週数または該妊娠週数を算定するために必要な基準日が記憶されており、
前記第1ステップは、前記妊娠週数が所定の週数を過ぎた場合に、前記第2UI部品が強調されるように、該第2UI部品の表示態様を変更することを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記表示態様が変更された前記第2UI部品は、前記妊娠期表示UIにおける前記妊娠期情報を表示するための領域に重ならないように配置される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1ステップで表示される前記妊娠期表示UIには、前記妊娠期情報の入力を終了することを指示するための第6UI部品が含まれており、
前記第6UI部品が操作された後、前記第1ステップでは、前記妊娠期表示UIにおいて、妊娠週数が進行することに伴う表示の更新が停止され、入力が完了している妊娠期情報の表示が維持される、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項9】
前記妊娠期表示UIと、該妊娠期表示UIと一部が相違する前記育児期表示UIとは、互いに共通する共通部品を含み、
前記共通部品は、
同一の操作に対して呼び出される同一の機能が割り当てられたUI部品、および、
同一の外観を有するUI部品の少なくともいずれか1つを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記妊娠期表示UIと、該妊娠期表示UIと一部が相違する前記育児期表示UIとは、互いに共通する共通部品を含み、
前記共通部品は、
前記表示部の同じ位置に同じ大きさおよび向きでUI部品が配置されたひな型を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
制御部と、
記憶部と、
表示部と、
を備え、
前記制御部は、
妊婦、および、胎児または胎児前、の少なくともいずれか一方に関する情報を示す妊娠期情報を表示するための妊娠期表示UIを前記表示部に表示する第1ステップと、
経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報を示す育児期情報を表示するための育児期表示UIを前記表示部に表示する第2ステップと、を実行し、
前記胎児の出生を前記制御部に認識させるための第1操作がユーザによって行われるまで、前記第1ステップを実行し、前記第1操作が行われた後は、前記第2ステップを実行する、端末。
【請求項12】
制御部、記憶部および表示部を備えている端末により実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記制御部に、
妊婦、および、胎児または胎児前、の少なくともいずれか一方に関する情報を示す妊娠期情報を表示するための妊娠期表示UIを前記表示部に表示する第1ステップと、
経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報を示す育児期情報を表示するための育児期表示UIを前記表示部に表示する第2ステップと、を実行させ、
前記胎児の出生を前記制御部に認識させるための第1操作がユーザによって行われるまで、前記第1ステップが実行され、前記第1操作が行われた後は、前記第2ステップが実行される、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母子に関わる情報を管理するためのシステム、端末、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、妊娠の届出をした者には、自治体より母子健康手帳が交付される。母子健康手帳には、妊娠期から乳幼児期までの母子に関わる重要な記録を、妊婦本人、医療機関または自治体の福祉関連機関などが記入できるようになっている。こうして、母子健康手帳により、妊娠期から乳幼児期までの母子の健康に関わる様々な情報を、1つの手帳で管理することが可能になっている。
【0003】
近年、特許文献1または2に示されるように、母子健康手帳で管理されるような母子に関わる情報を電子化して管理することが行われている。例えば、紙媒体の母子健康手帳で管理していた母子に関わる重要な記録をスマートフォンなどの端末で管理することを可能にする管理ツール(いわゆる、母子手帳アプリケーション)も広く利用されるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-191467号公報(2014年10月6日公開)
【特許文献2】特許第5033816号公報(2012年9月26日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の従来技術も含めて、児が胎内にいる期間(以下、妊娠期)と、児が生まれてからの期間(以下、育児期)との両方をカバーする、利便性の高い管理ツールを実現できたものはなかった。妊娠期と育児期とでは、管理すべき対象が母体から乳児へ、そして、母子に係る情報の情報源も、産科から小児科へと様変わりするためである。
【0006】
妊娠期の管理に便利な従来の管理ツールが、育児期に移行して、便利に使い続けられる管理ツールであるとは限らない。例えば、母体重の管理機能が充実していて妊娠期には重宝する管理ツールが、母体重の情報の重要度が低くなった育児期以降に便利に使える管理ツールであるとは考えられない。したがって、母親は、生まれた児の管理をうまく進めるために、妊娠期の管理に使っていた馴染みの管理ツールから、育児期の管理に便利な別の管理ツールに乗り換えることを余儀なくされる。
【0007】
出産を境にドラスティックに変化した環境に対応していかなければならない母親にとって、馴染みの管理ツールから不慣れな管理ツールへ乗り換えることのストレスは、無視できないものがある。妊娠期から育児期へ移行しても不慣れな新しい管理ツールに乗り換える必要なく、引き続き便利に使い続けられるような1つの管理ツールを実現することが望まれる。
【0008】
本発明の一態様は、妊娠期と育児期との両方の期間に亘り、母子に関わる情報を続けて管理することが可能な管理ツールを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るシステムは、制御部、記憶部および表示部を備えている端末を備えたシステムであって、前記制御部は、妊婦、および、胎児または胎児前、の少なくともいずれか一方に関する情報を示す妊娠期情報を表示するための妊娠期表示UIを前記表示部に表示する第1ステップと、経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報を示す育児期情報を表示するための育児期表示UIを前記表示部に表示する第2ステップと、を実行し、前記胎児の出生を前記制御部に認識させるための第1操作がユーザによって行われるまで、前記第1ステップを実行し、前記第1操作が行われた後は、前記第2ステップを実行する。
【0010】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る端末は、制御部と、記憶部と、表示部と、を備え、前記制御部は、妊婦、および、胎児または胎児前、の少なくともいずれか一方に関する情報を示す妊娠期情報を表示するための妊娠期表示UIを前記表示部に表示する第1ステップと、経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報を示す育児期情報を表示するための育児期表示UIを前記表示部に表示する第2ステップと、を実行し、前記胎児の出生を前記制御部に認識させるための第1操作がユーザによって行われるまで、前記第1ステップを実行し、前記第1操作が行われた後は、前記第2ステップを実行する。
【0011】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、制御部、記憶部および表示部を備えている端末により実行されるプログラムであって、前記プログラムは、前記制御部に、妊婦、および、胎児または胎児前、の少なくともいずれか一方に関する情報を示す妊娠期情報を表示するための妊娠期表示UIを前記表示部に表示する第1ステップと、経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報を示す育児期情報を表示するための育児期表示UIを前記表示部に表示する第2ステップと、を実行させ、前記胎児の出生を前記制御部に認識させるための第1操作がユーザによって行われるまで、前記第1ステップを実行し、前記第1操作が行われた後は、前記第2ステップを実行する。
【0012】
本発明の各態様に係る端末は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、本発明の各態様に係るプログラムは、コンピュータを前記端末が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記端末をコンピュータにて実現させるプログラムである。また、本発明の各態様に係るプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、妊娠期から育児期まで母子に関わる情報を続けて管理することが可能な管理ツールを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】スマートフォンの要部構成を示すブロック図である。
図2】本開示のプログラムの適用例を示す図である。
図3】母子情報データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図4】新規登録画面の一例を示す図である。
図5】妊娠期におけるホーム画面の一例を示す図である。
図6】妊娠記録表示画面の一例を示す図である。
図7】妊娠記録入力画面の一例を示す図である。
図8】出生登録画面の一例を示す図である。
図9】育児期におけるホーム画面の一例を示す図である。
図10】成長記録表示画面の一例を示す図である。
図11】成長記録入力画面の一例を示す図である。
図12】スマートフォンが、母子情報の管理ツールとして動作するときに実行する処理の流れを示す図である。
図13】スマートフォンが、母子情報の管理ツールとして動作するときに実行する処理の流れを示す図である。
図14】妊娠記録表示画面の他の例を示す図である。
図15】成長記録表示画面の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔実施形態1〕
<適用例>
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図2は、本開示のプログラムの適用例を示す図である。
【0016】
本開示のプログラムは、ユーザの端末にインストールされ、該端末が、本開示のプログラムに基づく機能を実現する。ここで、ユーザとは、妊娠期および育児期を問わず、母子に関わる情報(以下、母子情報)を、自身が持つ、情報処理を行うための端末を通じて取り扱うことのできる者のことであり、例えば、児の母親および児の家族などが「ユーザ」に含まれる。以下では、ユーザは、母親であるものと想定して説明を進める。本開示のプログラムは、一例として、母子手帳アプリケーションであり、端末は、一例として、ユーザが使用するスマートフォン1(端末)である。母子手帳アプリケーションは、一例として、サービスプロバイダが開発したアプリケーションを配信する配信サーバ6によって、ネットワーク7を介して、各ユーザのスマートフォンに配信される。スマートフォン1に母子手帳アプリケーションがインストールされると、スマートフォン1は、本開示のプログラムに基づく機能、すなわち、妊娠期から育児期まで母子に関わる情報を続けて管理することが可能な管理ツールを実現する端末として動作する。
【0017】
サービスプロバイダは、母子手帳アプリケーションをユーザに提供する団体である。本実施形態では、一例として、サービスプロバイダは、さらに、母子手帳アプリケーションを介して集められる母子情報を活用して、自治体とユーザとの連携を実現するための連携サービスを、自治体およびユーザに提供してもよい。さらに、サービスプロバイダが提供する連携サービスは、医療機関とユーザとの連携を実現するための連携サービスであってもよい。なお、配信サーバ6は、母子手帳アプリケーションの開発元のサービスプロバイダに帰属していてもよいし、サービスプロバイダから配信を委託された配信受託業者に帰属していてもよい。
【0018】
本実施形態において、妊婦、および、胎児または胎児前(以下、単に「胎児」という)の少なくともいずれか一方に関する情報、すなわち、妊娠期に観測された母子情報を、妊娠期情報と称する。妊娠期情報は、本開示のプログラムとしての母子手帳アプリケーションがインストールされたユーザのスマートフォン1に取り込まれる。一例として、妊娠期情報は、妊婦の体重、BMI(Body Mass Index)、血圧、脈拍、血糖値、浮腫、尿蛋白、尿糖、胎児の大きさ、推定胎児体重、および、胎児の様子を写した胎児画像などであってもよい。なお、胎児前とは、例えば、受精後第8週前までのヒトの胎児である胎芽の状態の児、および受精後8週以降から胎児になるまでの状態の児などを指す。
【0019】
本実施形態において、経産婦および小児の少なくともいずれか一方に関する情報、すなわち、育児期に観測された母子情報を、育児期情報と称する。育児期情報は、本開示のプログラムとしての母子手帳アプリケーションがインストールされたユーザのスマートフォン1に取り込まれる。一例として、育児期情報は、子供の身長、体重、頭囲、胸囲、子供を写した写真、および、子供が受けた予防接種の記録などであってもよい。なお、小児とは、乳幼児を含み、出生児から成人までを指す。
【0020】
上述の母子情報をスマートフォン1に取り込ませる手段は特に限定されない。例えば、母子情報は、スマートフォン1が備えている操作部を介してスマートフォン1のユーザにより、直接入力されてもよい。あるいは、Bluetooth(登録商標)などを介してスマートフォン1と接続された測定装置から、該測定装置が計測した母子情報がスマートフォン1宛てに転送されてもよい。測定装置は、例えば、体重計、血圧計、血糖値測定器などが想定されるがこれらに限られない。測定装置は、計測により得た、体重、血圧、血糖値などの値を、Bluetooth(登録商標)などを介してスマートフォン1に転送する。
【0021】
あるいは、例えば、母子情報は、医療機関によって作成されてもよい。例えば、産科で観測される妊娠期情報は、妊婦または胎児を診察した医療機関の装置または記録媒体からスマートフォン1に転送される。具体的には、医療機関によって作成された母子情報は、エコー撮像装置2が取得した胎児画像、医療機関にて計測した体重および血圧、または、医療機関にて実施された血液検査および尿検査の結果であってもよい。また、妊娠期情報は、医療機関において、妊婦または胎児を診察した医師が医師端末3を操作して作成した電子カルテに含まれている医師所見であってもよい。医師所見には、医師が診断した胎児の様子を表す用語や医師のコメントが記入されている。この場合、妊娠期情報を、エコー撮像装置2、医師端末3および電子カルテサーバ4などの医療機関に帰属する各装置と接続可能なUSB(Universal Serial Bus)メモリ5などの外部記録媒体に記憶させる。そして、そのUSBメモリ5をスマートフォン1に挿入して、妊娠期情報をスマートフォン1に転送してもよい。また、胎児画像などの妊娠期情報は、エコー撮像装置2または医師端末3などから、電子カルテサーバ4などの所定のサーバ(クラウド)上にアップロードされてもよい。そして、スマートフォン1は、クラウドから、アップロードされたユーザの妊娠期情報をダウンロードしてもよい。
【0022】
医療機関において、エコー撮像装置2と不図示のLAN(Local Area Network)で接続される医師端末3または電子カルテサーバ4が、ネットワーク7を介して、妊娠期情報をスマートフォン1に送信してもよい。エコー撮像装置2または診察時に医師が操作する医師端末3は、近距離無線通信手段を介して妊娠期情報をスマートフォン1に送信してもよい。あるいは、エコー撮像装置2または診察時に医師が操作する医師端末3を、スマートフォン1と有線接続し、妊娠期情報をエコー撮像装置2または医師端末3からスマートフォン1に転送してもよい。
【0023】
育児期情報は、小児科医が操作する医師端末3、該医師端末3と接続される電子カルテサーバ4またはUSBメモリ5から、上述したのと同様の方法で、スマートフォン1に転送されてもよい。
【0024】
管理サーバ8は、妊娠期情報および育児期情報を含む母子情報を活用して、自治体とユーザ(および、必要に応じて医療機関とユーザ)との連携を実現するための連携サービスを実現するための装置である。管理サーバ8は、サービスプロバイダに帰属し、サービスプロバイダが配給する母子手帳アプリケーションをスマートフォン1にインストールして活用しているユーザを管理する。また、管理サーバ8は、サービスプロバイダとの間で契約を結んで連携サービスを利用している自治体および医療機関を管理する。さらに、管理サーバ8は、ユーザの居住地域を管轄する自治体およびユーザのかかりつけ医院を管理する。すなわち、管理サーバ8は、ユーザごとに、ユーザに対して行政サービスを提供する自治体と、ユーザがかかりつけで通っている医療機関とを紐付けて管理する。なお、サービスプロバイダに帰属する配信サーバ6と、上述の管理サーバ8とは、1台のコンピュータで構成されていてもよい。
【0025】
本実施形態において、母子手帳アプリケーションをインストールしたスマートフォン1は、管理サーバ8から記事または該記事に係る通知を受信して、該記事または該通知をユーザが閲覧可能なようにスマートフォン1の表示部に表示してもよい。本実施形態において、記事とは、自治体または医療機関から提供された情報が、母子手帳アプリケーションをインストールしたスマートフォン1において閲覧可能なようにフォーマットされたデータのことである。本実施形態において、記事は、自治体または医療機関から提供された情報を含んでいれば、その内容は問わない。一例として、自治体から提供される記事は、自治体から児の保護者に宛てた連絡事項を含んでいてもよいし、自治体主催で開かれる各種イベントの告知を含んでいてもよい。一例として、医療機関から提供される記事は、医師が監修した妊婦の健康に関する情報を含んでいてもよいし、医療機関から妊婦に宛てた各種の連絡事項を含んでいてもよい。連絡事項は、例えば、次回の妊婦健診のお知らせ、および、医療機関主催の母親学級開催のお知らせなどであってもよい。
【0026】
サービスプロバイダと契約した各自治体および各医療機関は、独自に作成した記事を管理サーバ8に登録することができる。自治体は、サービスプロバイダと契約することにより、母子手帳アプリケーションをインストールしているユーザ(例えば、母親)に対して、管理サーバ8を介して、効率よく情報を提供することが可能となり、行政サービスの質を向上させることができる。例えば、自治体の担当者は、自治体端末9を操作して、記事を作成し、管理サーバ8にアップする。自治体は、妊娠期を過ごす妊婦向けの記事を配信してもよいし、育児期を過ごす乳幼児の母親向けの記事を配信してもよい。ユーザは、妊娠期には妊婦向けの記事を、育児期には乳幼児の母親向けの記事を、母子手帳アプリケーションを介して受け取ることができる。また、医療機関は、サービスプロバイダと契約することにより、母子手帳アプリケーションをインストールしている患者(ここでは、妊婦)に対して、管理サーバ8を介して、適宜情報を提供するという付加価値の高いサービスを提供することが可能となる。
【0027】
このように、自治体および医療機関がサービスプロバイダと契約して、ユーザとの連携サービスを利用することにはメリットがある。そうすると、サービスプロバイダは、管理サーバ8の利用料として、自治体および医療機関から、対価の支払を受けることが可能である。これにより、母子手帳アプリケーションのユーザへの提供は無償又は廉価で行いつつ、母子手帳アプリケーションの開発費および運営費を自治体および医療機関から回収する、といった課金モデルを構築することができる。
【0028】
<スマートフォン1のハードウェア構成>
図1は、スマートフォン1の要部構成を示すブロック図である。スマートフォン1は、一例として、制御部10、記憶部11、接続部12、通信部13、操作部14、および、表示部15を備えている。なお、スマートフォン1は、一般的なスマートフォンが備えている機能を実現するために、スマートフォンが標準的に備えている、不図示の各種部品をさらに備えていてもよい。
【0029】
操作部14は、ユーザの操作を受け付けるための入力装置である。操作部14は、受け付けたユーザの操作に対応する指示信号を制御部10に入力する。一例として、操作部14は、表示部15とともにタッチパネルを構成してもよい。操作部14は、表示部15の表示面でもある操作部14の入力面に、ユーザの指などの指示体が接触または接近することを検知することが可能なデバイスを含んで構成される。
【0030】
表示部15は、制御部10が処理した情報をユーザに視認可能に提示する出力装置である。例えば、表示部15は、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって構成される。例えば、表示部15には、妊娠期情報および育児期情報を管理するための母子手帳アプリケーションのユーザインタフェース(UI)が表示されたりする。母子手帳アプリケーションのUIは、一例として、ソフトウェアボタン、および、情報を表示するためのボックス領域などのように各種のUI部品を1以上含んで構成されるアプリケーション画面である。
【0031】
通信部13は、ネットワーク7を介して、例えば、配信サーバ6および管理サーバ8などの外部の装置と相互通信を行うものである。本実施形態では、ネットワーク7は、インターネットを含む広域通信ネットワークを想定しているが、ネットワーク7は、電話回線網、移動体通信網、CATV(CAble TeleVision)通信網、衛星通信網などを含んでいてもよい。
【0032】
接続部12は、USBメモリ5などの外部記録媒体を、スマートフォン1に接続するための端子を含んで構成される。USBメモリ5が、接続部12を介して、スマートフォン1に電気的に接続されると、スマートフォン1の制御部10は、USBメモリ5との間の通信を確立することができる。そして、制御部10は、接続部12を介して、USBメモリ5に格納されているデータの読み出し、消去、および、USBメモリ5へのデータの書き込みなどを行うことができる。
【0033】
制御部10は、スマートフォン1の各部の動作を統括的に制御するものである。制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)または専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置から成る。制御部10は、記憶部11に記憶されている、スマートフォン1の各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで、スマートフォン1の各部の動作を制御することができる。
【0034】
記憶部11は、制御部10にて用いられる各種データを記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。本実施形態では、一例として、記憶部11には、母子情報データベース(以下、DB)41、および、UI部品庫42が不揮発的に記憶されている。これらのデータのデータ構造は、後に詳述する。
【0035】
<スマートフォン1のソフトウェア構成>
スマートフォン1の制御部10は、一例として、情報取得部31、出生認識部32、および、表示制御部20を含む。表示制御部20は、さらに、妊娠期入力支援部21、妊娠期表示制御部22、育児期入力支援部23、および、育児期表示制御部24を含む。これらの各部は、例えば、CPU(central processing unit)等としての制御部10がROM(read only memory)等の記憶装置に記憶されているプログラム、具体的には、母子手帳アプリケーションプログラムをRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現される。
【0036】
情報取得部31は、接続部12、通信部13および操作部14などを介して、スマートフォン1に供給された母子情報を取得し、該母子情報を母子情報DB41に格納する。例えば、情報取得部31は、ユーザが操作部14を操作して入力した母子情報を母子情報DB41に格納する。
【0037】
出生認識部32は、妊娠期において管理対象であった胎児の出生を認識して、表示制御部20に対して、妊娠期から育児期への移行を指示する。出生認識部32は、胎児の出生を制御部10に認識させるための第1操作がユーザによって行われたことに応答して、胎児の出生を認識してもよい。第1操作は、例えば、表示部15に表示された特定のUI部品をユーザが操作部14を用いて特定の方法で操作することであってもよいし、ユーザが出産した児に関する母子情報(身長、体重など)を出生情報として入力する操作であってもよい。出生認識部32が出生を認識した後、制御部10において、妊娠期において胎児として扱われていた管理対象は、乳児として扱われる。
【0038】
表示制御部20は、妊娠期入力支援部21、妊娠期表示制御部22、育児期入力支援部23、および、育児期表示制御部24の各部を制御することにより、母子手帳アプリケーションのUIを統括的に制御する。
【0039】
妊娠期入力支援部21は、表示制御部20の制御にしたがい、妊娠期情報の管理に際して、ユーザの入力操作を支援するためのUIを表示する。例えば、妊娠期入力支援部21は、妊婦であるユーザが、日々の体重、血圧および血糖値などを入力するための妊娠記録入力画面(例えば、図7)を表示する。妊娠記録入力画面を介して入力された妊娠期情報は、情報取得部31によって取得され、母子情報DB41に格納される。
【0040】
さらに、妊娠期入力支援部21は、母子情報として母子情報DB41に格納されている胎児のエコー写真に対して、ユーザがコメントを付加するための支援UIを表示してもよい。ユーザは、上述の支援UIを、操作部14を用いて操作し、エコー写真に対して所望のコメントを付加することができる。なお、エコー写真は、例えば、エコー撮像装置2または医師端末3から、ネットワーク7またはUSBメモリ5などを介して、スマートフォン1に転送される。
【0041】
妊娠期表示制御部22は、表示制御部20の制御にしたがい、妊娠記録表示画面(例えば、図6)を表示する。妊娠記録表示画面は、母子情報DB41に格納されている1以上の妊娠期情報、または、該1以上の妊娠期情報を処理した結果である妊娠記録をユーザに閲覧可能に提示するためのUIである。
【0042】
育児期入力支援部23は、表示制御部20の制御にしたがい、育児期情報の管理に際して、ユーザの入力操作を支援するためのUIを表示する。例えば、育児期入力支援部23は、母親であるユーザが、乳児の体重および身長などを入力するための成長記録入力画面(例えば、図11)を表示する。成長記録入力画面を介して入力された育児期情報は、情報取得部31によって取得され、母子情報DB41に格納される。
【0043】
育児期表示制御部24は、表示制御部20の制御にしたがい、成長記録表示画面(例えば、図10)を表示する。成長記録表示画面は、母子情報DB41に格納されている1以上の育児期情報、または、該1以上の育児期情報を処理した結果である成長記録をユーザに閲覧可能に提示するためのUIである。
【0044】
表示制御部20は、上述したUIの他にも、ユーザの特定の操作に応答して、新規登録画面(例えば、図4)、および、出生登録画面(例えば、図8)などを表示部15に表示させてもよい。新規登録画面は、ユーザが母子手帳アプリケーションの利用を最初に開始するときに、妊婦であるユーザの各種の情報を登録するためのUIである。出生登録画面は、ユーザが娩出した児の各種の情報を登録するためのUIである。
【0045】
一例として、表示制御部20は、出生認識部32が胎児の出生を認識するまでは、妊娠期入力支援部21および妊娠期表示制御部22を制御して、スマートフォン1を、妊娠期情報を管理するための管理ツールとして動作させる。表示制御部20は、出生認識部32が胎児の出生を認識した後は、妊娠期入力支援部21に代えて育児期入力支援部23を制御する。表示制御部20は、これに加えて、育児期表示制御部24を制御して、スマートフォン1を、育児期情報を管理するための管理ツールとして動作させる。すなわち、表示制御部20は、児の出生というイベントを境にして、妊娠期用から育児期用へとUIの動線を切り替える。これにより、ユーザは、1つのアプリケーションを使い続けながら、妊娠期情報の管理から、育児期情報の管理へと円滑に移行することが可能となる。
【0046】
なお、表示制御部20は、育児期に移行した後も、妊娠期表示制御部22を制御して、妊娠期情報の表示機能を維持してもよい。これにより、ユーザは、育児期に移行した後も、引き続き、妊娠期情報を確認することができる。
【0047】
記憶部11に記憶されている母子情報DB41には、あらゆる母子情報が格納されている。母子情報のうち、母体基礎情報411は、ユーザが母子手帳アプリケーションの利用を最初に開始するときに、上述の新規登録画面を介してスマートフォン1に入力した情報である。乳児基礎情報412は、ユーザが児の出生を制御部10に認識させるために、上述の出生登録画面を介してスマートフォン1に入力した情報である。これらの情報は、表示制御部20および表示制御部20の制御下で動作する各部が、表示部15に表示させるUIを構成するために適宜参照される。
【0048】
なお、新規登録画面を介して母体基礎情報411が母子情報DB41に登録された後も、情報取得部31は、新たな母体基礎情報411の追加、および、既存の母体基礎情報411の変更または削除を受け付けて、母子情報DB41を更新してもよい。また、出生登録画面を介して乳児基礎情報412が母子情報DB41に登録された後も、情報取得部31は、新たな乳児基礎情報412の追加、および、既存の乳児基礎情報412の変更または削除を受け付けて、母子情報DB41を更新してもよい。
【0049】
記憶部11に記憶されているUI部品庫42には、表示部15に表示されるUI(例えば、アプリケーションの画面)に配置されるあらゆるUI部品が格納されている。共通部品421は、妊娠期および育児期に共通して画面に配置されるUI部品である。このように共通のUI部品が、妊娠期および育児期に亘って画面に配置されることにより、ユーザは、妊娠期から育児期に移行しても、同じような使い勝手で、母子手帳アプリケーションを使い続けることができる。つまり、妊娠期から使っているユーザは、母子手帳アプリケーションを出産後も引き続き利用して、出産前と同じ操作感覚で出産後の管理を行うことができる。
【0050】
妊娠期部品422は、妊娠期情報を管理するために画面に配置されるUI部品である。妊娠期部品422は、妊娠期に特有の機能を、表示部15に表示される画面を介して実現するために利用される。
【0051】
育児期部品423は、育児期情報を管理するために画面に配置されるUI部品である。育児期部品423は、育児期に特有の機能を、表示部15に表示される画面を介して実現するために利用される。
【0052】
表示制御部20および表示制御部20の制御下で動作する各部は、UI部品庫42から必要なUI部品を読み出して画面を構成し、画面を表示部15に表示することにより、UIをユーザに提示する。
【0053】
<母子情報DB41>
図3は、スマートフォン1の記憶部11に記憶されている母子情報DB41のデータ構造の一例を示す図である。母子情報DB41は、これには限定されないが、一例として、母子情報ID、日付情報、妊娠週数、情報タイプ、細分類、および、データの各項目を有する。
【0054】
母子情報IDの項目には、スマートフォン1が母子情報を一意に識別するための識別情報が格納される。例えば、情報取得部31は、取得した1つの母子情報に対して、一意の識別番号を自動的に採番してもよい。
【0055】
日付情報の項目には、母子情報に対応付けられている日付情報が格納される。母子情報に対応付けられている日付情報とは、該母子情報に関わる任意の日付を示す情報である。例えば、日付情報は、入力日、計測日、健診日、作成日時、更新日時、保存日時、取得日時、送信日時、および、受信日時などを示すがこれらに限定されない。
【0056】
妊娠週数の項目には、母子情報に対応付けられている妊娠週数が格納される。例えば、情報取得部31は、上述の日付情報と、基準日とに基づいて算出した妊娠週数を、該項目に格納する。
【0057】
基準日は、妊婦の妊娠週数を算出するために基準となる日付である。一例として、基準日は、最終月経開始日および分娩予定日の少なくともいずれか一方を含む。基準日は、例えば、母体基礎情報411の一部として予め記憶部11に記憶されている。情報取得部31は、母子情報に対応付けられている日付情報が、基準日から何週何日離れているのかに基づいて、該母子情報に対応付ける妊娠週数を算出することができる。例えば、情報取得部31は、記憶部11から読み出した最終月経開始日を妊娠0週0日とし、日付情報が示す日付が該最終月経開始日の70日後であれば、妊娠週数を、妊娠10週0日と算出する。
【0058】
あるいは、例えば、情報取得部31は、日付情報が示す日付が分娩予定日の何日前であるのかに基づいて、妊娠週数を算出する。例えば、情報取得部31は、医師の判断に基づいてユーザが入力した分娩予定日から十月十日遡った日付を懐妊日(妊娠0週0日の基準日)として設定することができる。そして、情報取得部31は、上述の懐妊日と日付情報との差分から妊娠週数を算出してもよい。このような構成によれば、ユーザが最終月経開始日を入力せずとも、医師が判断した分娩予定日のみから妊娠週数を判定することが可能となる。
【0059】
情報タイプの項目には、母子情報のタイプが格納される。情報取得部31は、母子情報の中身に応じて情報タイプを決定し、該項目に格納する。上述したとおり、母子情報の中身が、体重または血圧などのように、妊婦および胎児の少なくともいずれか一方の状態を示す情報である場合、情報取得部31は、該母子情報の情報タイプを「状態情報」と決定し、該項目に格納する。母子情報の中身が、歩数などのように、妊婦がとった行動を示す情報である場合、情報取得部31は、該母子情報の情報タイプを「行動記録」と決定し、該項目に格納する。母子情報の中身が、血液型、既往歴、ワクチン接種履歴などのように、妊婦ごとに固有の基礎的な情報である場合、情報取得部31は、該母子情報の情報タイプを「基礎情報」と決定し、該項目に格納する。
【0060】
なお、基礎情報は、時間の経過とは独立して基本的に不変の情報であるので、情報取得部31は、母子情報の情報タイプが基礎情報である場合には、これらの母子情報について、日付情報および妊娠週数を関連付けることを省略してもよい。
【0061】
情報取得部31は、さらに、母子情報が妊娠期に入力または観測された情報である場合に、該母子情報の情報タイプを「妊娠期情報」と決定してもよい。また、情報取得部31は、母子情報が育児期に入力または観測された情報である場合に、該母子情報の情報タイプを「育児期情報」と決定してもよい。
【0062】
細分類の項目には、タイプ分けされた母子情報をさらに細かく分類するための母子情報の種類が格納される。例えば、状態情報における「体重」、「血圧」、「血糖値」などが種類に該当する。
【0063】
データの項目には、母子情報の中身であるデータまたは該データが保存されている場所のリンク情報が格納される。該項目に格納されるデータのデータ型またはファイル形式は、母子情報の種類に応じて適宜定められる。例えば、分娩予定日のデータ型は、年月日を表現する数字列であってもよいし、体重のデータ型は、kg数を表現する数字列であってもよい。予防接種履歴のデータ型は、接種年月日と予防接種の種類とを対応付けたテーブルであってもよい。電子カルテまたは電子カルテ内の医師所見は、数字および文字を入力するための1以上の項目からなる文書ファイルであってもよい。
【0064】
本実施形態では、情報取得部31は、母子情報を取得すると、まず、該母子情報の中身であるデータに対して、日付情報と併せて母子情報IDを採番して紐付ける。次に、情報取得部31は、日付情報と、先に登録されていた分娩予定日などの基準日とに基づいて、妊娠週数を算定し、該母子情報に関連付ける。さらに、情報取得部31は、母子情報の中身のデータに基づいて、該母子情報の情報タイプと細分類とを決定して、これらを該母子情報に関連付ける。こうして、情報取得部31は、母子情報の中身であるデータに対して様々な付帯情報を関連付けた上で、該母子情報を母子情報DB41に追加する。
【0065】
<UIの例>
図4図11は、表示制御部20および表示制御部20の各部が表示部15を介してユーザに提供するUIの一具体例を示す図である。
【0066】
図4は、新規登録画面の一例を示す図である。表示制御部20は、例えば、ユーザが、母子手帳アプリケーションをスマートフォン1にダウンロードして利用を開始するときに、図4に示す新規登録画面300を表示部15に表示する。新規登録画面300を介して入力されたユーザの情報は、情報取得部31によって取得され、母体基礎情報411として母子情報DB41に格納される。
【0067】
新規登録画面300が表示部15に一度に表示しきれない場合には、表示制御部20は、新規登録画面300をスクロール可能に表示してもよい。
【0068】
一例として、母体基礎情報411は、メールアドレス、パスワード、生年月日、選択自治体、選択医療機関、最終月経開始日、および、分娩予定日の各項目で構成される。例えば、図4に示す新規登録画面300に配置された各UI部品を通じて、ユーザは、上述の項目に係る情報をスマートフォン1に入力することができる。
【0069】
「選択自治体」のUI部品は、例えば、ユーザの居住地域に該当する都道府県および市区町村をそれぞれ選択するためのプルダウンメニューで構成される。情報取得部31は、ユーザによって選択された都道府県と市区町村との組み合わせに基づいて、該ユーザの居住地域を管轄する自治体を識別する自治体IDを特定し、母体基礎情報411として母子情報DB41に格納する。
【0070】
「選択医療機関」のUI部品は、例えば、医療機関の所在地に該当する都道府県ならびに市区町村、および、医療機関名をそれぞれ選択するためのプルダウンメニューで構成される。情報取得部31は、ユーザによって選択された都道府県と市区町村と医療機関名との組み合わせに基づいて、該ユーザがかかりつけ医院に指定した医療機関を識別する医療機関IDを特定し、母体基礎情報411として母子情報DB41に格納する。
【0071】
特定された自治体IDおよび医療機関IDは、スマートフォン1から管理サーバ8にアップロードされ、管理サーバ8においてユーザIDと紐付けて管理してもよい。これにより、管理サーバ8は、ユーザごとに、該ユーザが選択した自治体および医療機関を特定することができる。そして、管理サーバ8は、ユーザが選択した自治体または医療機関から提供された記事または該記事に係る通知を、該ユーザのスマートフォン1に配信することができる。
【0072】
別の実施形態では、管理サーバ8は、スマートフォン1のユーザに対して、ユーザIDを発行しなくてもよく、自装置の記憶部において、ユーザIDと、自治体IDおよび医療機関IDとを紐付けて管理しなくてもよい。このような形態では、スマートフォン1は、管理サーバ8に対して記事または通知を要求する度に、自端末において特定された自治体IDおよび医療機関IDを管理サーバ8に送信する。このようにすれば、管理サーバ8は、自装置においてユーザと自治体および医療機関との対応関係を把握せずとも、記事の要求をスマートフォン1から受け付けたときに、要求元のユーザにつき、該ユーザが選択した自治体および医療機関を特定することができる。
【0073】
最終月経開始日および分娩予定日のUI部品は、例えば、年、月および日を選択するためのプルダウンメニューで構成される。情報取得部31は、ユーザによって入力された最終月経開始日および分娩予定日を、母体基礎情報411として母子情報DB41に格納する。最終月経開始日および分娩予定日は、基準日であり、母子情報に紐付けられている日付情報に基づいて妊娠週数を算出するために用いられる。
【0074】
図5は、妊娠期におけるホーム画面の一例を示す図である。出生認識部32が出生を認識するまでの妊娠期においては、一例として、表示制御部20は、ユーザが母子手帳アプリケーションを起動したとき、最初に、図5に示すホーム画面400を表示部15に表示してもよい。
【0075】
ホーム画面400は、例えば、日数進捗情報401およびフッタ402を含む。日数進捗情報401は、児の成長に係る日数進捗情報をユーザに提示するためのUI部品である。図5に示すとおり、妊娠期において、日数進捗情報401は、現在から分娩予定日(出産予定日)までの残り日数を含んでいてもよいし、現在の妊娠週数を含んでいてもよい。フッタ402は、母子手帳アプリケーションの特定の画面を呼び出すためのユーザの操作を支援するUI部品からなる。一例として、フッタ402は、HOMEボタン403と、BABYボタン404と、CLINICボタン405と、LOCALボタン406とを含む。HOMEボタン403は、ホーム画面を呼び出すためのUI部品である。BABYボタン404(第1UI部品)は、母子情報を表示する表示画面を呼び出すためのUI部品である。CLINICボタン405は、ユーザが選択した医療機関に係る情報を表示する表示画面を呼び出すためのUI部品である。LOCALボタン406は、ユーザが選択した自治体に係る情報を表示する表示画面を呼び出すためのUI部品である。
【0076】
妊娠期において、操作部14を介して、BABYボタン404に対するユーザの操作(第2操作)が受け付けられると、表示制御部20は、妊娠期表示制御部22に、妊娠期情報を表示するための妊娠記録表示画面を表示部15に表示させる。
【0077】
ホーム画面400は、さらに、ニックネーム407を含んでいてもよい。ニックネーム407は、ユーザが胎児に対して付けた名前を表示するためのUI部品である。例えば、胎児に付与するニックネームは、不図示の設定画面から、ユーザが任意のタイミングで登録できるようになっている。
【0078】
ホーム画面400は、さらに、兄弟切替ボタン408を含んでいてもよい。兄弟切替ボタン408は、ユーザが、表示部15に情報を表示させる対象の子を切り替えるためのUI部品である。例えば、ユーザが、兄弟切替ボタン408をタップすると、表示制御部20は、登録されている兄弟のそれぞれに対応する選択肢を表示部15に表示させる。ユーザが、別の子を選択する操作を行うと、表示制御部20は、選択された該別の子に対応するホーム画面400を表示部15に表示する。
【0079】
図6は、妊娠記録表示画面の一例を示す図である。妊娠期表示制御部22は、例えば、ユーザが、妊娠期においてBABYボタン404をタップしたことに応答して、図6に示す妊娠記録表示画面500を表示部15に表示する。
【0080】
妊娠記録表示画面500は、妊娠期情報を閲覧可能に表示するための表示領域501と、出生登録ボタン502と、情報入力ボタン503とを含む。妊娠記録表示画面500は、さらに、ニックネーム407、日数進捗情報401、兄弟切替ボタン408、健診ボタン506、および、フッタ402などを含んでいてもよい。
【0081】
表示領域501は、母子情報DB41に格納されている妊娠期情報をユーザに提示するためのUI部品である。一例として、妊娠期情報は、母体重であり、図6に示す例では、表示領域501には、母親であるユーザの体重がグラフで表されている。グラフにおいて、縦軸は、体重を示し、横軸は、日付情報(具体的には、計測日)を示す。他の例では、妊娠期情報は、推定児体重であってもよい。推定児体重は、例えば、産科医師によって、エコー写真に基づいて決定される。
【0082】
なお、切替タブは、体重記録に対応するタブ、エコー写真に対応する切替タブ505に限らず、これらのタブに代えて、あるいは、これらのタブに加えて、別の妊娠期情報を表示するための切替タブが設けられてもよい。
【0083】
妊娠期表示制御部22は、表示領域501において、母体重以外の他の妊娠期情報を表示させてもよい。例えば、胎児を写したエコー写真を表示領域501に表示してもよい。表示領域501における表示内容の切り替えは、例えば、切替タブ505などがユーザによって操作されたことに応答して行われる。
【0084】
例えば、図6に示す妊娠記録表示画面500において、切替タブ505がユーザによってタップされると、妊娠期表示制御部22は、図14に示す妊娠記録表示画面500を表示部15に表示する。図14に示す妊娠記録表示画面500では、表示領域501には、例えば、エコー写真の一覧が表示される。
【0085】
本開示に係るプログラムでは、第1操作を行うための第2UI部品は、妊娠期表示UIに含まれていてもよい。例えば、出生登録ボタン502(第2UI部品)は、出生登録画面を呼び出すためのUI部品である。胎児の出生を制御部10に認識させるための操作(第1操作)を行うための出生登録ボタン502は、妊娠記録表示画面500(妊娠期表示UI)に含まれている。このため、ユーザは、妊娠期の管理ツールとして母子手帳アプリケーションを利用している期間に、出生登録ボタン502があることを認知することができる。そして、ユーザは、実際に出産した後、すぐに出生登録ボタン502に対する簡単な操作で児の出生をスマートフォン1に認識させることができる。結果として、ユーザの出生登録漏れを防ぎ、母子手帳アプリケーションにおいて、妊娠期から育児期への移行のトリガとなる出生のイベント発生を遅滞なく確実にとらえられる。
【0086】
また、本開示に係るプログラムにおいて、記憶部11には、妊娠週数または該妊娠週数を算定するために必要な基準日が記憶されており、第1ステップは、妊娠週数が所定の週数を過ぎた場合に、第2UI部品が強調されるように、該第2UI部品の表示態様を変更することを含んでいてもよい。
【0087】
具体的には、妊娠期表示制御部22は、妊娠週数が所定の週数を過ぎた場合に、出生登録ボタン502(第2UI部品)が強調されるように、出生登録ボタン502の表示態様を変更してもよい。なお、ユーザの現在の妊娠週数は、例えば、現在の日付と基準日とによって算定可能である。記憶部11には、妊娠週数または該妊娠週数を算定するために必要な基準日が記憶されている。一例として、妊娠期表示制御部22は、現在の妊娠週数が、正産期(例えば、在胎週数41週6日)を過ぎたら、出生登録ボタン502を今までよりも目立つように強調表示してもよい。
【0088】
上述の構成によれば、母子手帳アプリケーションにおいて、妊娠期から育児期への移行のトリガとなる“出生”のイベントの発生をより確実にとらえ、ユーザに、育児期以降も継続して該母子手帳アプリケーションを使ってもらうように促すことができる。
【0089】
また、本開示に係るプログラムでは、表示態様が変更された第2UI部品は、妊娠期表示UIにおける妊娠期情報を表示するための領域に重ならないように配置されてもよい。
【0090】
具体的には、妊娠期表示制御部22は、表示態様が変更された出生登録ボタン502が、妊娠記録表示画面500における妊娠期情報を表示するための領域、すなわち、表示領域501に重ならないように、出生登録ボタン502を配置することが望ましい。例えば、妊娠期表示制御部22は、出生登録ボタン502のサイズを大きくして表示領域501にかかるようにしたり、表示位置を表示領域501に近づけたりしない。妊娠期表示制御部22は、出生登録ボタン502の色を変更したり、点滅させたり、出生登録ボタン502の絵柄にアニメーションを付与したりする。こうして、妊娠期表示制御部22は、表示領域501の視認性を損なわずに、今までよりもユーザの目に留まるように出生登録ボタン502の表示態様を変更する。
【0091】
上述の構成によれば、出生登録ボタン502の強調表示または促しは、妊娠期情報の閲覧を阻害しない程度にして、ユーザを刺激しすぎないようにすることができ、ユーザに妊娠期の管理ツールを快適に利用してもらうことができる。例えば、在胎週数41週6日を過ぎても出産していない妊婦にとって、出生登録ボタン502の目立ち過ぎる強調表示やタップ操作の促しは、不安、苛立ちなどストレスの原因になり得る。そのため、妊婦を徒に刺激しないように配慮して表示態様を変更することは有意義である。
【0092】
情報入力ボタン503(第5UI部品)は、妊娠記録入力画面を呼び出すためのUI部品である。
【0093】
また、本開示に係るプログラムでは、第1ステップで表示される妊娠期表示UIには、妊娠期情報の入力を終了することを指示するための第6UI部品が含まれており、第6UI部品が操作された後、第1ステップでは、妊娠期表示UIにおいて、妊娠週数が進行することに伴う表示の更新が停止され、入力が完了している妊娠期情報の表示が維持されてもよい。
【0094】
具体的には、妊娠記録表示画面500は、妊娠期情報の入力を終了することを指示するための記録終了ボタン504(第6UI部品)を含んでいてもよい。妊娠期表示制御部22は、記録終了ボタン504が操作された後、妊娠記録表示画面500を表示するにあたり、妊娠週数が進行することに伴う表示の更新を停止する。例えば、妊娠期表示制御部22は、日数進捗情報401および表示領域501を、記録終了ボタン504が操作された時点までに入力されている妊娠期情報に基づく表示内容のまま維持し、それ以降、時間が進行しても、これらの表示内容を更新することを停止する。例えば、妊娠期表示制御部22は、日数進捗情報401を、現在時間の進行に関係なく、記録終了ボタン504が操作された時点のまま維持する。また、妊娠期表示制御部22は、表示領域501において、母体重のグラフまたはエコー写真の一覧を、記録終了ボタン504が操作された時点の表示内容を維持して表示する。
【0095】
上述の構成によれば、妊娠期情報の入力を終えたいが、これまで入力した妊娠期情報を閲覧したいというユーザが、母子手帳アプリケーションを、過去の情報の閲覧目的で、快適に継続して利用できるという効果がある。
【0096】
このような使い方を所望するユーザとしては、例えば、児を無事に出産したが育児期の管理ツールとして本母子手帳アプリケーションを利用することを望まないユーザ、または、様々な事情で出産まで妊娠を継続できなかったユーザなどが想定される。
【0097】
このようなユーザは、上述の構成により、生まれた児の情報を入力するように繰り返し促されたり、妊娠が継続しているという体裁で行われる現状にそぐわない表示に気分を害したりすることなく、快適に、必要な過去の情報を必要なときに閲覧することができる。
【0098】
妊娠記録表示画面500は、さらに、健診ボタン506を含んでいてもよい。健診ボタン506は、妊婦健診に係る母子情報の入力を支援するための画面(不図示)を呼び出すためのUI部品である。
【0099】
図7は、妊娠記録入力画面の一例を示す図である。妊娠期入力支援部21は、例えば、ユーザが妊娠記録表示画面500における情報入力ボタン503をタップしたことに応答して、図7に示す妊娠記録入力画面550を表示部15に表示する。
【0100】
妊娠記録入力画面550は、UI部品として、例えば、計測日、すなわち、日付情報を入力するためのテキストボックス、および、妊娠期情報を入力するためのテキストボックスを含む。妊娠期情報を入力するためのテキストボックスは、妊娠期情報の種類ごとに配置されている。母体重の他にも、血圧、血糖値などの計測結果を入力するテキストボックスが設けられていてもよい。なお、母体重、血圧、血糖値などの計測結果は、Bluetooth(登録商標)などでスマートフォン1と通信可能に接続された、上述の測定装置から転送されてもよい。
【0101】
妊娠記録入力画面550には、登録ボタン551が含まれていてもよい。ユーザが上述のテキストボックスに日付情報および妊娠期情報を入力した上で、登録ボタン551を操作したことに応答して、情報取得部31は、入力された日付情報および妊娠期情報を取得し、母子情報DB41に格納する。
【0102】
図8は、出生登録画面の一例を示す図である。表示制御部20は、例えば、ユーザが、妊娠記録表示画面500における出生登録ボタン502を操作したことに応答して、図8に示す出生登録画面350を表示部15に表示する。出生登録画面350を介して入力された児の情報は、情報取得部31によって取得され、乳児基礎情報412として母子情報DB41に格納される。
【0103】
出生登録画面350が表示部15に一度に表示しきれない場合には、表示制御部20は、出生登録画面350をスクロール可能に表示してもよい。
【0104】
一例として、乳児基礎情報412は、娩出日(つまり、児の誕生日)、妊娠期間、性別、出生児の体重、身長、頭囲、および、胸囲の各項目で構成される。
【0105】
娩出日のUI部品は、例えば、最終月経開始日および分娩予定日と同様に、年、月および日を選択するためのプルダウンメニューで構成される。情報取得部31は、ユーザによって入力された娩出日を、乳児基礎情報412として母子情報DB41に格納する。
【0106】
表示制御部20は、入力された娩出日と、妊娠期に母体基礎情報411として入力された基準日(例えば、最終月経開始日)とに基づいて、妊娠期間を計算し、求めた妊娠期間を、妊娠期間を入力するためのテキストボックス351に表示させてもよい。
【0107】
妊婦であるユーザは、自分が今日現在妊娠何週何日であるかを意識していないことも多く、出産したその日が妊娠何週何日であったかを把握していて即答できるユーザは少ないと考えられる。そこで、表示制御部20は、妊娠期に予め入力されていた母体基礎情報411を利用して妊娠期間を求め、ユーザに代わり、テキストボックス351に妊娠期間の値を埋める。このようにすれば、ユーザの出生情報を登録する作業の負担を軽減することが可能となる。
【0108】
以上のとおり、1つの母子手帳アプリケーションが、妊娠期と育児期との両方の管理機能を備えていることメリットとして、妊娠期に入力された母子情報を、育児期に移行した後も利用することができるという点がある。このような母子情報の援用は、情報を登録する作業の負担を軽減するなど、ユーザに対して有利な効果がある。
【0109】
出生登録画面350に配置された各テキストボックスに情報が入力された状態で、登録ボタン352が操作されたことに応答して、情報取得部31は、これらの児に関する情報を乳児基礎情報412として取得し、母子情報DB41に格納する。
【0110】
出生認識部32は、胎児の出生を制御部10に認識させるための第1操作が行われたことに応答して、児の出生を認識する。そして、出生認識部32は、母子手帳アプリケーションが育児期の管理ツールを実現するように、制御部10の各部、特に、表示制御部20に対して指示する。ここで、第1操作は、これには限定されないが、例えば、出生登録ボタン502に対するタップ操作、または、登録ボタン352に対するタップ操作などが想定される。
【0111】
表示制御部20は、出生認識部32の指示にしたがって、スマートフォン1が育児期の管理ツールとして動作するように、各UIの動線を切り替えたり、UIを再構築したりする。
【0112】
図9は、育児期におけるホーム画面の一例を示す図である。出生認識部32が出生を認識した後の育児期においては、一例として、表示制御部20は、ユーザが母子手帳アプリケーションを起動したとき、最初に、図9に示すホーム画面450を表示部15に表示してもよい。
【0113】
表示制御部20は、妊娠期のホーム画面400と一部が相違するホーム画面450を表示部15に表示する。妊娠期のUI(画面)と育児期のUI(画面)との「一部が相違する」とは、妊娠期のUI(画面)と育児期のUI(画面)との少なくとも一部が共通していることを意味する。本開示に係るプログラムでは、妊娠期表示UIと、一部が相違する育児期表示UIとは、互いに、共通する共通部品421を含んでいる。共通部品421は、例えば、同一の操作に対して呼び出される同一の機能が割り当てられたUI部品、同一の外観を有するUI部品、および、表示部15の同じ位置に同じ大きさおよび向きで、同一のUI部品が配置されたひな型、の少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。
【0114】
例えば、上述の共通のひな型に基づいて、母子情報を入力するための画面上のUI部品の配置が、妊娠期のUI(画面)と育児期のUI(画面)とで同じであることは、「UIの少なくとも一部が共通している」と言える。例えば、UI部品に対する操作性が同じであること、すなわち、同一の操作に対して呼び出される同一の機能が割り当てられたUI部品を妊娠期のUI(画面)および育児期のUI(画面)のどちらにも配置することは、「UIの少なくとも一部が共通している」と言える。例えば、同一の外観を有するUI部品を妊娠期のUI(画面)および育児期のUI(画面)のどちらにも配置することは、「UIの少なくとも一部が共通している」と言える。
【0115】
一例として、ホーム画面450は、ホーム画面400と同様に、日数進捗情報401、フッタ402、および、ニックネーム407を含んで構成される。また、これらの各UI部品の配置は、妊娠期のホーム画面400と共通であることが好ましい。ホーム画面400とホーム画面450との共通部分は、共通部品421を用いて構成される。これにより、ユーザは、UIの見た目の変化に戸惑うことなく、育児期以降も見慣れたUIを介して母子手帳アプリケーションを使い続けることができる。
【0116】
育児期のホーム画面450において、妊娠期のホーム画面400と相違する点は、日数進捗情報401が、妊娠週数ではなく新生児の月齢であるという点である。もう一つの相違する点は、BABYボタン404の操作によって呼び出される画面が、妊娠記録表示画面ではなく、後述する成長記録表示画面であるという点である。なお、もう一つ相違する点として、例えば、ニックネーム407に下に表示される写真またはイラストが変更されてもよい。
【0117】
図10は、成長記録表示画面の一例を示す図である。育児期表示制御部24は、例えば、ユーザが、育児期においてBABYボタン404をタップしたことに応答して、妊娠記録表示画面500と一部が相違する成長記録表示画面600を表示部15に表示する。
【0118】
成長記録表示画面600は、妊娠記録表示画面500と同様に、日数進捗情報401、表示領域501、および、フッタ402を含んで構成される。成長記録表示画面600は、さらに、兄弟切替ボタン408、および、健診ボタン603などを含んでいてもよい。成長記録表示画面600では、情報入力ボタン503に代えて、情報入力ボタン601が配置される。これらの各UI部品の配置は、妊娠期の妊娠記録表示画面500と共通であることが好ましい。妊娠記録表示画面500と成長記録表示画面600との共通部分は、共通部品421を用いて構成される。これにより、ユーザは、UIの見た目の変化に戸惑うことなく、育児期以降も見慣れたUIを介して母子手帳アプリケーションを使い続けることができる。
【0119】
育児期の成長記録表示画面600において、妊娠期の妊娠記録表示画面500と相違する点は、日数進捗情報401が、妊娠週数に代えて新生児の月齢を示す点である。もう一つの相違する点は、BABYボタン404の操作によって呼び出される画面が、妊娠記録表示画面500はなく、成長記録表示画面600であるという点である。
【0120】
さらに、成長記録表示画面600が妊娠記録表示画面500と相違する点として、表示領域501に配置されるグラフが、母体重から乳児の身長および体重を示すグラフに変更されてもよい。さらに、相違する点として、切替タブ505によってグラフから切り替えられた後の表示領域501には、胎児のエコー写真に代えて、子供の予防接種の記録が表示されてもよい。このように、切替タブ505によって切り替えて表示される内容は、妊娠期と育児期とで変更される。しかし、「体重管理グラフに対応する記録タブの隣の切替タブ505は、医療機関から提供される医療(妊娠期においてはエコー写真、育児期においては診察や予防接種)の履歴と対応する」という点で、画面のレイアウトを共通にすることができる。このように、母子手帳アプリケーションの機能を呼び出すためのUI部品の配置を妊娠期と育児期とで共通とすることにより、ユーザは、管理すべき内容が大きく変化することに戸惑うことなく、育児期以降も使い慣れたUIを介して母子手帳アプリケーションを使い続けることができる。
【0121】
例えば、図10に示す成長記録表示画面600において、切替タブ505がユーザによってタップされると、育児期表示制御部24は、図15に示す成長記録表示画面600を表示部15に表示する。図15に示す成長記録表示画面600では、表示領域501には、例えば、子供の予防接種の記録が表示される。
【0122】
他の例では、切替タブ505によって切り替えられた後の表示領域501には、子供の写真が表示されてもよい。表示領域501に表示される子供の写真は、例えば、スマートフォン1のカメラ(不図示)で撮影した写真であってもよい。このようにすれば、「体重管理グラフに対応する記録タブの隣の切替タブ505は、児の様子を写した写真一覧に対応する」という点で、妊娠期と育児期の画面のレイアウトを共通にすることができる。
【0123】
さらに、相違する点として、成長記録表示画面600には、妊娠記録入力画面550を呼び出すための情報入力ボタン503に代えて、後述する成長記録入力画面を呼び出すための情報入力ボタン601(第4UI部品)が配置される。
【0124】
本開示に係るプログラムでは、育児期表示UIには、妊娠期情報の表示を指示するための第3UI部品が含まれており、妊娠期情報を表示するための妊娠記録表示画面500を表示するステップ(第1ステップ)は、第1操作が行われた後は、第3UI部品が操作されたことに応答して実行されてもよい。
【0125】
具体的には、さらに、相違する点として、記録終了ボタン504に代えて、妊娠記録表示画面500を呼び出すための表示指示ボタン602(第3UI部品)が配置されていてもよい。このように、胎児の出生を制御部10に認識させるための第1操作がユーザによって行われた後は、妊娠期表示制御部22は、情報入力ボタン601が操作されたことに応答して、妊娠記録表示画面500を表示させる。これにより、ユーザは、育児期に移行した後でも、妊娠期の記録を必要に応じて簡単に見返すことができる。
【0126】
また、本開示に係るプログラムでは、育児期表示UIには、育児期情報の入力を支援する成長記録入力画面650を表示するステップ(第4ステップ)の実行を指示するための第4UI部品が含まれており、妊娠期表示UIに含まれていた、妊娠期情報の入力を支援する妊娠記録入力画面550を表示するステップ(第3ステップ)の実行を指示するための第5UI部品は、第1操作が行われた後、妊娠期表示UIから削除されてもよい。
【0127】
具体的には、育児期に移行した後に表示される妊娠記録表示画面500においては、妊娠記録入力画面550を呼び出すための情報入力ボタン503(第5UI部品)は、妊娠記録表示画面500から削除されることが好ましい。すなわち、育児期以降は、妊娠記録表示画面500は閲覧可能であるが、妊娠期情報を入力するための妊娠記録入力画面550は呼び出されないように表示制御部20を構成する。
【0128】
これにより、妊娠期は、妊娠記録表示画面500の情報入力ボタン503を介して、妊娠期情報を入力するようにユーザを案内することができる。そして、育児期に移行した後は、成長記録表示画面600から育児期情報を入力するようにユーザを案内することができる。その上、育児期に移行した後は、妊娠記録表示画面500を通じて、妊娠期情報を閲覧することを可能にしつつ、情報入力ボタン503を非表示にして、育児期において不要となった妊娠記録入力画面550への誘導を停止することができる。このため、妊娠期から育児期への移行に際して、ユーザを不要な画面への誘導したり、ユーザを混乱させたりすることを避けることができる。
【0129】
成長記録表示画面600は、さらに、健診ボタン603を含んでいてもよい。健診ボタン603は、乳幼児健診に係る母子情報の入力を支援するための画面(不図示)を呼び出すためのUI部品である。
【0130】
図11は、成長記録入力画面の一例を示す図である。育児期入力支援部23は、例えば、ユーザが成長記録表示画面600における情報入力ボタン601をタップしたことに応答して、妊娠記録入力画面550と一部が相違する成長記録入力画面650を表示部15に表示する。
【0131】
成長記録入力画面650は、妊娠記録入力画面550と同様に、UI部品として、計測日、すなわち、日付情報を入力するためのテキストボックス、および、育児期情報を入力するためのテキストボックスを含む。育児期情報を入力するためのテキストボックスは、育児期情報の種類ごとに配置されている。乳児の身長および体重の他にも、頭囲、胸囲、などの計測結果を入力するテキストボックスが設けられていてもよい。
【0132】
成長記録入力画面650には、妊娠記録入力画面550と同様に登録ボタン551が含まれていてもよい。ユーザが上述のテキストボックスに日付情報および育児期情報を入力した上で、登録ボタン551を操作したことに応答して、情報取得部31は、入力された日付情報および育児期情報を取得し、母子情報DB41に格納する。
【0133】
これらの各UI部品の配置は、妊娠期の妊娠記録入力画面550と共通であることが好ましい。妊娠記録入力画面550と成長記録入力画面650との共通部分は、共通部品421を用いて構成される。これにより、ユーザは、UIの見た目の変化に戸惑うことなく、育児期以降も見慣れたUIを介して母子手帳アプリケーションを使い続けることができる。
【0134】
<処理の流れ>
図12および図13は、母子手帳アプリケーションが搭載されたスマートフォン1が、母子情報の管理ツールとして動作するときに実行する処理の流れを示す図である。具体的には、児の出生前、すなわち、妊娠期における母子情報を管理する機能は、図12に示されており、児の出生後、すなわち、育児期における母子情報を管理する機能は、図13に示されている。図12に示される一連の処理は、例えば、スマートフォン1において、妊娠期に母子手帳アプリケーションが起動されると開始される。
【0135】
ステップS101では、表示制御部20は、妊娠記録表示画面500を呼び出す操作をユーザから受け付ける。例えば、図5図7のいずれかのアプリケーションの画面のフッタ402に配置されたBABYボタン404(第1UI部品)をタップする操作(第2操作)などが上述の操作に該当する。BABYボタン404がタップされた場合、表示制御部20は、S101のYESからS102に進む。BABYボタン404がタップされない間は(S101のNO)、表示制御部20は、BABYボタン404に対するタップ操作を待機したり、他のUI部品が操作されたことに応答して、他の処理を実行したりしてもよい。
【0136】
ステップS102(第1ステップ)では、妊娠期表示制御部22は、妊娠期情報を表示するための妊娠記録表示画面500(妊娠期表示UI)を表示部15に表示する。
【0137】
ステップS103では、表示制御部20は、妊娠記録入力画面550を呼び出す操作をユーザから受け付ける。例えば、図6に示す妊娠記録表示画面500に配置された情報入力ボタン503をタップする操作などが上述の操作に該当する。情報入力ボタン503がタップされた場合、表示制御部20は、S103のYESからS104に進む。情報入力ボタン503がタップされない間は(S103のNO)、表示制御部20は、情報入力ボタン503に対するタップ操作を待機したり、S107に進んで、他のUI部品が操作されたことに応答して、他の処理を実行したりしてもよい。
【0138】
ステップS104(第3ステップ)では、妊娠期入力支援部21は、妊娠期情報の入力を支援する妊娠記録入力画面550(妊娠期入力支援UI)を表示部15に表示する。
【0139】
ステップS105では、妊娠期入力支援部21は、妊娠期情報が入力されたか否かを判定する。妊娠期入力支援部21は、例えば、図7に示す妊娠記録入力画面550に配置された各種のテキストボックスに値が入っている状態で登録ボタン551がタップ操作されたことに基づいて、妊娠期情報が入力されたと判定してもよい。妊娠期情報が入力された場合、制御部10は、S105のYESからS106に進む。妊娠期情報が入力されなかった場合、例えば、図7に示す戻るボタンがタップされた場合、制御部10は、S105のNOからS102に戻る。
【0140】
ステップS106では、情報取得部31は、上述の各種のテキストボックスに入力された値を、妊娠期情報として取得して、母子情報DB41に登録する。
【0141】
ステップS107では、表示制御部20は、出生登録画面350を呼び出す操作をユーザから受け付ける。例えば、図6に示す妊娠記録表示画面500に配置された出生登録ボタン502(第2UI部品)をタップする操作などが上述の操作に該当する。出生登録ボタン502がタップされた場合、表示制御部20は、S107のYESからS108に進む。出生登録ボタン502がタップされない間は(S107のNO)、表示制御部20は、出生登録ボタン502に対するタップ操作を待機したり、S119に進んで、他のUI部品が操作されたことに応答して、他の処理を実行したりしてもよい。
【0142】
ステップS108では、表示制御部20は、出生情報を登録するための出生登録画面350を表示部15に表示する。なお、表示制御部20は、出生登録画面350を、ポップアップ画面として、妊娠記録表示画面500に重畳させて表示してもよいし、妊娠記録表示画面500とは別の画面として、妊娠記録表示画面500から切り替えて表示してもよい。
【0143】
ステップS109では、表示制御部20は、出生情報が入力されたか否かを判定する。表示制御部20は、例えば、図8に示す出生登録画面350に配置された各種のボックスに値が入っている状態で登録ボタン352がタップ操作されたことに基づいて、出生情報が入力されたと判定してもよい。出生情報が入力された場合、制御部10は、S109のYESからS110に進む。出生情報が入力されなかった場合、例えば、図8に示す戻るボタンがタップされた場合、制御部10は、S109のNOからS102に戻る。すなわち、制御部10の表示制御部20は、ポップアップ表示された上層の出生登録画面350を閉じて、下層の妊娠記録表示画面500をアクティブな状態に戻してもよい。あるいは、表示制御部20は、出生登録画面350から妊娠記録表示画面500へ画面を切り替えてもよい。あるいは、表示制御部20は、S101に戻り、出生登録画面350からホーム画面400へ画面を切り替えてもよい。
【0144】
このように、本実施形態では、児の出生を制御部10に認識させるため第1操作は、出生登録ボタン502のタップ操作のみで構成されていない。本実施形態では、一例として、出生登録画面350の各種のボックスに値が入っている状態で登録ボタン352をタップすることが第1操作に該当する。しかし、他の例では、出生登録ボタン502のタップ操作を第1操作としてもよい。
【0145】
ステップS110では、情報取得部31は、出生登録画面350の各種のボックスに入っている値を、乳児基礎情報412として、母子情報DB41に登録する。
【0146】
ステップS111では、出生認識部32は、表示制御部20が第1操作を受け付けたことに応答して、妊娠期において胎児として管理していた児の出生を認識する。出生認識部32は、表示制御部20に対して、育児期の管理ツールとして動作するように指示する。これ以後、母子手帳アプリケーションは、妊娠期から育児期に移行し、育児期の管理ツールとして機能することができる。
【0147】
ステップS112では、表示制御部20は、必要に応じて、妊娠期に表示されていたホーム画面400を、育児期の管理に適合するように再構築してもよい。例えば、表示制御部20は、ホーム画面400の一部を、育児期の管理に適合するように変更して、ホーム画面450を構成する。一例として、表示制御部20は、S109の第1操作が行われた後は、BABYボタン404に対するタップ操作に応答して、S102ではなく、後述するS114が実行されるようにフッタ402を変更する。
【0148】
こうして、S109以降は、母子手帳アプリケーションが起動されると、ホーム画面400に代えて、S112で再構築されたホーム画面450が表示される。図13に示されるS113以降の一連の処理は、例えば、スマートフォン1において、育児期以降に、母子手帳アプリケーションが起動されると開始される。
【0149】
ステップS113では、表示制御部20は、成長記録表示画面600を呼び出す操作をユーザから受け付ける。例えば、図9図11のいずれかのアプリケーションの画面のフッタ402に配置されたBABYボタン404(第1UI部品)をタップする操作(第2操作)などが上述の操作に該当する。BABYボタン404がタップされた場合、表示制御部20は、S113のYESからS114に進む。BABYボタン404がタップされない間は(S113のNO)、表示制御部20は、BABYボタン404に対するタップ操作を待機したり、他のUI部品が操作されたことに応答して、他の処理を実行したりしてもよい。
【0150】
ステップS114(第2ステップ)では、育児期表示制御部24は、育児期情報を表示するための成長記録表示画面600(育児期表示UI)を表示部15に表示する。
【0151】
ステップS115では、表示制御部20は、成長記録入力画面650を呼び出す操作をユーザから受け付ける。例えば、図10に示す成長記録表示画面600に配置された情報入力ボタン601をタップする操作などが上述の操作に該当する。情報入力ボタン601がタップされた場合、表示制御部20は、S115のYESからS116に進む。情報入力ボタン601がタップされない間は(S115のNO)、表示制御部20は、情報入力ボタン601に対するタップ操作を待機したり、S121に進んで、他のUI部品が操作されたことに応答して、他の処理を実行したりしてもよい。
【0152】
ステップS116(第4ステップ)では、育児期入力支援部23は、育児期情報の入力を支援する成長記録入力画面650(育児期入力支援UI)を表示部15に表示する。
【0153】
ステップS117では、育児期入力支援部23は、育児期情報が入力されたか否かを判定する。育児期入力支援部23は、例えば、図11に示す成長記録入力画面650に配置された各種のテキストボックスに値が入っている状態で登録ボタン551がタップ操作されたことに基づいて、育児期情報が入力されたと判定してもよい。育児期情報が入力された場合、制御部10は、S117のYESからS118に進む。育児期情報が入力されなかった場合、例えば、図11に示す戻るボタンがタップされた場合、制御部10は、S117のNOからS114に戻る。
【0154】
ステップS118では、情報取得部31は、上述の各種のテキストボックスに入力された値を、育児期情報として取得して、母子情報DB41に登録する。
【0155】
上述の方法によれば、妊娠期においては、BABYボタン404(第1UI部品)に対するユーザのタップ操作(第2操作)に応答して、妊娠記録表示画面500を表示するS102(第1ステップ)が実行される。妊娠期とは、胎児の出生を制御部10に認識させるための第1操作がユーザによって行われるまでの期間である。そして、第1操作が行われて育児期に移行した後は、BABYボタン404に対するタップ操作に応答して、成長記録表示画面600を表示するS114(第2ステップ)が実行される。
【0156】
これにより、妊娠期における母子情報(妊娠期情報)の管理に続いて、育児期における母子情報(育児期情報)の管理を行うことができる母子手帳アプリケーションを実現することができる。具体的には、ユーザは、妊娠期において、育児期で使用されるUI(画面やUI部品)の存在を意識することなく、妊娠期に便利なUIを使って母子情報の管理を行うことができる。そして、ユーザが出生を母子手帳アプリケーションに登録した後は、妊娠期のUIを呼び出していたのと同じUI部品に対する同じ操作の仕方で、今度は、育児期のUIを呼び出すことが可能となる。
【0157】
加えて、上述の育児期のUIは、妊娠期のUIとは一部が相違するだけであり、妊娠期と育児期とでUIは少なくとも部分的に共通である。例えば、妊娠期と育児期とにおいて、UI部品のレイアウトを共通にしたり、画面のデザインを共通にしたり、機能的に同一の画面について遷移ルートを共通にしたりできる(例えば、情報表示画面から情報入力画面へ遷移する、など)。
【0158】
以上のことから、妊娠期と育児期とでは管理すべき項目や必要とされる機能が異なるところであるが、ユーザは、操作方法を従来から変更する必要がなく、しかも、妊娠期に使い慣れたUIにて、引き続き、育児期情報の管理を行うことができる。具体的には、出生登録ボタン502が操作されて出生情報が登録された後は、同じBABYボタン404に対する同じタップ操作によって、妊娠記録表示画面500ではなく成長記録表示画面600が表示されるようになる。そのため、妊娠期から育児期への移行が円滑に行われる。結果として、ユーザにとって使い勝手のよい母子手帳アプリケーションが実現される。
【0159】
上述の方法によれば、妊娠期情報の入力を支援する妊娠記録入力画面550(妊娠期入力支援UI)を表示するステップS104(第3ステップ)と、育児期情報の入力を支援する成長記録入力画面650(育児期入力支援UI)であって、妊娠記録表示画面500(妊娠期入力支援UI)と一部が相違する成長記録入力画面650を表示するステップS116(第4ステップ)と、が制御部10においてさらに実行される。
【0160】
これにより、ユーザは、日々の母子情報の入力操作に関しても、妊娠期から慣れている操作と同じ操作によって、育児期情報の入力を継続できる。そのため、育児期情報の管理するために、新しい操作に慣れるようにユーザに負担を強いることがなくなる。
【0161】
より好ましくは、スマートフォン1は、以下のステップS119~S122を実行する。
【0162】
ステップS119では、妊娠期表示制御部22は、妊娠期情報の入力停止を指示する操作をユーザから受け付ける。例えば、図6に示す妊娠記録表示画面500に配置された記録終了ボタン504をタップする操作などが上述の操作に該当する。記録終了ボタン504がタップされた場合、妊娠期表示制御部22は、S119のYESからS120に進む。記録終了ボタン504がタップされない間は(S119のNO)、表示制御部20は、S102に戻り、妊娠記録表示画面500の表示を維持する。
【0163】
ステップS120では、妊娠期表示制御部22は、現在の妊娠週数の進行に伴う、妊娠記録表示画面500の更新を停止する。例えば、妊娠期表示制御部22は、日数進捗情報401および表示領域501の更新を停止して、記録終了ボタン504がタップされた時点における表示内容を維持してもよい。具体的には、妊娠期表示制御部22は、妊娠週数の数字を維持し、表示領域501に配置されているグラフの月日の表示を維持する。
【0164】
ステップS121では、表示制御部20が、妊娠記録表示画面500を呼び出すための操作を受け付ける。例えば、妊娠期において記録終了ボタン504が操作された後に、BABYボタン404がタップされたケース、または、育児期において表示指示ボタン602がタップされたケースなどが想定される。これらのケースに該当する場合は、表示制御部20は、S121のYESからS122に進む。
【0165】
ステップS122では、妊娠期表示制御部22は、記録終了ボタン504が操作された時点における表示内容にて妊娠記録表示画面500を表示する。妊娠期表示制御部22は、S119以降、表示する妊娠記録表示画面500から、情報入力ボタン503および記録終了ボタン504を削除することが好ましい。
【0166】
〔変形例〕
(1)妊娠期から育児期に移行した後は、管理対象を、「母体」と「乳児」とに分けて、それぞれの母子情報を管理してもよい。このようにすれば、妊娠期から使い慣れている共通のUIを使って母体と乳児との育児期情報の入力をまとめられる一方で、母体と乳児とを区別した上で、自治体および医療機関との連携を強化することができる。一例として、スマートフォン1は、産科の医療機関から、母体の産後の経過に合わせたお知らせを受け取る一方、自治体から、乳児の経過に合わせたお知らせを受け取ることができる。
【0167】
(2)情報取得部31は、出生登録画面350を介して入力された「娩出日」が、新規登録画面300を介して妊娠期に入力されていた「分娩予定日」よりも所定以上早いか否かを判定するように構成されていてもよい。例えば、情報取得部31は、実際の娩出日が分娩予定日よりも4週以上早い場合(例えば、児が在胎週数36週6日よりも前に生まれた場合)に、育児期における児の月齢の処理方法を、正期産児の月齢の処理方法とは異ならせてもよい。
【0168】
具体的には、情報取得部31は、「娩出日」が「分娩予定日」よりも所定以上早い場合に、児の月齢につき、「娩出日」に基づく「実際月齢」とは別に、「分娩予定日」に基づく「修正月齢」を算定し、母子情報DB41に格納してもよい。
【0169】
これにより、制御部10は、必要に応じて、「実際月齢」と「修正月齢」とを使い分けて育児期情報の管理を実施することができる。例えば、自治体からの記事については、児の「実際月齢」に応じて取得し、児の実際の月齢に合った情報を収集することができる。その一方で、児の成長度合いを基準と比較する場合には、基準の情報を「修正月齢」に基づいて取得し、適切な基準との適切な比較を行うことが可能となる。
【0170】
(2-1)36週6日よりも前に生まれても、正期産児と変わらない十分な大きさで生まれ、医師等の判断により、修正月齢での管理が不要と判断された場合には、ユーザの操作にしたがって「修正月齢」の値を破棄できるようにしてもよい。
【0171】
(3)妊娠期に入力された母子情報のうち、不変の情報は、育児期において改めて入力させずに、妊娠期において母子情報DB41に登録された情報を活用するように制御部10の各部、特に、表示制御部20を構成することが好ましい。例えば、図8に示す「妊娠期間」の項目は、妊娠期に新規登録画面300から取得された基準日(最終月経開始日、分娩予定日)と、娩出日とに基づいて算定可能である。
【0172】
(4)妊娠期表示制御部22は、妊娠期に、表示領域501において、妊娠週数に基づいてエコー写真を時系列で表示するように構成されていてもよい。これに対応して、育児期表示制御部24は、スマートフォン1で撮影した児の写真を、成長記録表示画面600の表示領域501において、時系列で表示するように構成されていてもよい。このようにすれば、育児期も、妊娠期と同じように、日数進捗情報401に基づいて、子供の写真が時系列で並べて表示されるので、ユーザは、児の成長記録をより楽しく閲覧することができる。写真の一覧表示おいても、UIを共通化させることにより、ユーザは、妊娠期から育児期に移行しても、画面の見た目に違和感を覚えることなく、児の写真を閲覧することができる。
【0173】
一例として、スマートフォン1は、人工知能(AI)などを活用した公知の顔認識機能を利用可能であり、スマートフォン1に保存されている写真に写る子供の顔を、該顔認識技術にて識別する。情報取得部31は、母子手帳アプリケーションで管理している児であると識別された写真を、記憶部11から読み出す。妊娠期表示制御部22は、情報取得部31によって読み出された児の写真を、その撮影日に基づいて時系列に表示する。妊娠期表示制御部22は、娩出日と撮影日とに基づいて算定された月齢を、写真ごとに表示してもよい。
【0174】
(5)母子情報DB41において、児の母子情報は、兄弟別に保持することが好ましい。そして、ホーム画面400、ホーム画面450、妊娠記録表示画面500、および、成長記録表示画面600は、児ごとに作成されることが好ましい。この場合、表示制御部20は、管理対象の児を切り替える「兄弟切替ボタン」を、各画面に配置する。これにより、ユーザは、「兄弟切替ボタン」を1つ操作するだけで、兄の成長記録表示画面600と、弟の成長記録表示画面600とを簡易に切り替えることができる。
【0175】
この場合、母子手帳アプリケーションでは、一人のユーザ(母親)につき、複数の子供(兄弟)を一意に識別するための兄弟IDが発行される。児の母子情報は、母子情報DB41において、兄弟IDと紐付けて管理される。これにより、母子情報DB41において、体重や予防接種の記録などを、子供ごとに管理することができる。
【0176】
図3に示す母子情報DB41は、子供が一人であることを想定したデータ構造になっている。母子情報を兄弟ごとに管理する実施形態では、母子情報DB41において、さらに、兄弟IDの項目を設けて、母子情報のレコードごとに兄弟IDを紐付ければよい。
【0177】
(5-1)育児期表示制御部24は、兄弟間の同一月齢のときの育児期情報を並べて表示するように構成されていてもよい。例えば、兄の生後6ヶ月の写真、体重および身長と、弟の生後6ヶ月の写真、体重および身長とを並べて表示してもよい。これにより、ユーザは、見比べて、育児期の管理を楽しむこともできるし、「上の子のときはどうだったか」などと過去の記録を閲覧して、下の子の現在の対応の参考にすることもできる。
【0178】
(6)制御部10は、さらに、不図示の記事取得部を備えていてもよい。記事取得部は、日数進捗情報401に応じて、自治体または医療機関が提供する記事、および、該記事に係る通知を取得する。具体的には、記事取得部は、妊娠期においては現在の妊娠週数、また、育児期においては現在の児の月齢(または出生日)に合った記事を管理サーバ8から取得する。
【0179】
例えば、自治体は、「令和*年*月*日~令和*年*月*日生まれの子対象」というように、記事の対象者を示すタグを記事に紐付けて該記事を管理サーバ8にアップロードする。管理サーバ8は、記事に自治体IDを紐付けて管理する。管理サーバ8は、選択自治体と児の日数進捗情報401との条件が合致するユーザのスマートフォン1に宛てて、記事または通知を配信する。これにより、ユーザは、自分の子の日数進捗情報401に応じた記事をタイムリーに取得し、閲覧することができる。
【0180】
(6-1)管理サーバ8は、記事にカテゴリを紐付けて管理してもよい。カテゴリとは、記事を内容において分類するために付与される情報である。例えば、自治体が発行する記事のうち、乳児の予防接種に関する記事には、「予防接種関連」というカテゴリが紐付けられてもよい。また、乳幼児の健康診断に関する記事には、「健康診断関連」というカテゴリが紐付けられてもよい。そして、記事取得部は、「実際月齢」と「修正月齢」とを使い分けて、自治体からの記事をカテゴリ別に取得してもよい。例えば、記事取得部は、カテゴリ「予防接種関連」の記事を「実際月齢」に基づいて取得し、カテゴリ「健康診断関連」の記事を「修正月齢」に基づいて取得してもよい。
【0181】
(7)サービスプロバイダは、母子手帳アプリケーションの開発費や運営維持費の回収を、母子手帳アプリケーションの利用料の名目でユーザから回収することも考えられる。しかし、これに限らず、サービスプロバイダは、上述の費用を、自治体および医療機関から回収するような課金モデルを構築してもよい。これにより、サービスプロバイダは、母子手帳アプリケーションを、ユーザに対しては無料または廉価で提供することができる。
【0182】
さらに、具体的には、妊娠期の管理ツールとしてのアプリケーション利用料は、産科から回収し、育児期の管理ツールとしてのアプリケーション利用料は、ユーザから直接または小児科から回収するという課金モデルを構築することも可能である。
【0183】
妊娠期に重要であった医療機関(産科)との連携は、育児期に移行した後は、その重要度は低くなる。よって、育児期におけるサービスの運営費用を、産科からは回収することは難しい。そこで、育児期におけるサービスの運営費用は、ユーザから直接または小児科から回収することで運営を維持できる。
【0184】
新規のアプリケーションをダウンロードして利用することは、ユーザにとって、心理的にハードルが高い行為であり、アプリケーションの利用料が有料であればなおさらである。そこで、母子手帳アプリケーションが最初に利用されるまでの心理的ハードルを少しでも下げるために、母子手帳アプリケーションの利用を無料としユーザに利用を促すことが考えられる。一方、育児期に移行するころには、母子手帳アプリケーションに慣れ、ユーザが気に入って使い込んでいる状況であると推測される。そのため、サービスプロバイダは、母子手帳アプリケーションを妊娠期において利用済みであるユーザに対しては課金を行いやすい。
【0185】
(8)本開示に係る母子手帳アプリケーションについて、ユーザは、出産後から利用を開始してもよい。この場合、表示制御部20は、新規登録画面300において、出産後であることを指定するチェックボックス(不図示)を設けてもよい。そして、表示制御部20は、ユーザに、最終月経開始日および分娩予定日の入力する代わりに、出産後のチェックボックスにチェックを入れるように促す。表示制御部20は、例えば、出産後のチェックボックスにチェックが入った状態で、新規登録画面300最下の登録ボタンが押下された場合に、次に、出生登録画面350を表示部15に表示してもよい。
【0186】
〔ソフトウェアによる実現例〕
スマートフォン1の制御ブロック(特に情報取得部31、出生認識部32、表示制御部20および表示制御部20の各部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0187】
後者の場合、スマートフォン1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0188】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0189】
1 スマートフォン(端末)
2 エコー撮像装置
3 医師端末
4 電子カルテサーバ
5 USBメモリ
6 配信サーバ
7 ネットワーク
8 管理サーバ
9 自治体端末
10 制御部
11 記憶部
12 接続部
13 通信部
14 操作部
15 表示部
20 表示制御部
21 妊娠期入力支援部
22 妊娠期表示制御部
23 育児期入力支援部
24 育児期表示制御部
31 情報取得部
32 出生認識部
300 新規登録画面
350 出生登録画面
404 BABYボタン(第1UI部品)
500 妊娠記録表示画面(妊娠期表示UI)
501 表示領域
502 出生登録ボタン(第2UI部品)
503 情報入力ボタン(第5UI部品)
504 記録終了ボタン(第6UI部品)
550 妊娠記録入力画面(妊娠期入力支援UI)
600 成長記録表示画面(育児期表示UI)
601 情報入力ボタン(第4UI部品)
602 表示指示ボタン(第3UI部品)
650 成長記録入力画面(育児期入力支援UI)
S102 第1ステップ
S104 第3ステップ
S114 第2ステップ
S116 第4ステップ
図1
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