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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056085
(43)【公開日】2024-04-19
(54)【発明の名称】読取装置、読取方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/14 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
G06K7/14 047
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024036549
(22)【出願日】2024-03-11
(62)【分割の表示】P 2020148630の分割
【原出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】境井 徹
(57)【要約】
【課題】撮像時における距離合わせの負担を低減できる。
【解決手段】読取装置(ハンディターミナル10)は、コード情報が付された伝票を含む画像に基づいてコード情報から伝票に係る識別情報を取得する取得部(CPU11)と、第1モードにおいて、取得部による識別情報の取得が成功したか否かを判断する第1判断部(CPU11)と、第1判断部によって識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部に記憶された照合用画像と識別情報とが対応付けられた検索情報143を検索して、伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた識別情報を取得する検索部(CPU11)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード情報が付された伝票を含む画像に基づいて前記コード情報から前記伝票に係る識別情報を取得する取得部と、
第1モードにおいて、前記取得部による前記識別情報の取得が成功したか否かを判断する第1判断部と、
前記第1判断部によって前記識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部に記憶された照合用画像と前記識別情報とが対応付けられた検索情報を検索して、前記伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた前記識別情報を取得する検索部と、
を備える読取装置。
【請求項2】
第2モードにおいて、前記取得部による前記識別情報の取得が成功したか否かを判断する第2判断部と、
前記第2判断部によって前記識別情報の取得が成功した場合に、前記識別情報と前記識別情報の取得に成功した前記伝票を含む画像とを対応付けて前記検索情報として前記記憶部に記憶させる記憶制御部を備える請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記第2モードにおいて、前記伝票を含む画像における、前記コード情報の横幅に対する前記伝票を含む画像の横幅の比率が所定値未満である場合に、報知部に報知を行わせる報知制御部を備える請求項2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記伝票を含む画像に含まれる前記伝票の周囲の情報に基づいて前記照合用画像と比較する請求項1から3のいずれか一項に記載の読取装置。
【請求項5】
コンピューターを、
コード情報が付された伝票を含む画像に基づいて前記コード情報から前記伝票に係る識別情報を取得する取得部、
第1モードにおいて、前記取得部による前記識別情報の取得が成功したか否かを判断する第1判断部、
前記第1判断部によって前記識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部に記憶された照合用画像と前記識別情報とが対応付けられた検索情報を検索して、前記伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた前記識別情報を取得する検索部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配送業者によって用いられ、伝票に付されたコード情報(例えば、バーコード、2次元コードなど)を読み取るための端末装置としてハンディターミナル(読取装置)が知られている。このようなハンディターミナルにはイメージングセンサーが備えられており、伝票に付されたコード情報をイメージングセンサーによって撮像して画像を取得し、当該画像に基づいてコード情報をデコードすることによって伝票の識別情報を取得することができる。
【0003】
上記のような伝票に付されたコード情報から識別情報を取得する方法として、伝票の表面画像を取得して解析することでバーコードの位置座標を検出し、検出したバーコード位置座標を基に伝票画像の画素データを切出して識別情報を取得する方法が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-251010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなコード情報から識別情報を取得する方法では、伝票の画像を撮像するという簡単な動作で実施することが可能である。しかし、例えば床置きした荷物に付された伝票をユーザーが立った状態で読み取る場合にあっては、ハンディターミナルから伝票までの距離が遠くなり、撮像された画像における伝票のコード情報部分の画素数が少なくなるために、識別情報の取得に失敗してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、撮像時における距離合わせの負担を低減できる読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の読取装置は、
コード情報が付された伝票を含む画像に基づいて前記コード情報から前記伝票に係る識別情報を取得する取得部と、
第1モードにおいて、前記取得部による前記識別情報の取得が成功したか否かを判断する第1判断部と、
前記第1判断部によって前記識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部に記憶された照合用画像と前記識別情報とが対応付けられた検索情報を検索して、前記伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた前記識別情報を取得する検索部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮像時における距離合わせの負担を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ハンディターミナルの正面を示す外観図である。
図2】ハンディターミナルの背面を示す外観図である。
図3】ハンディターミナルの全体構成を表すブロック図である。
図4】ハンディターミナルが実行する読取処理の流れを示すフローチャートである。
図5】伝票を近距離から撮影した画像の例を示す図である。
図6】ハンディターミナルが実行する画像登録処理の流れを示すフローチャートである。
図7】荷物を床置きしてユーザーが伝票を立った状態で撮影した画像の例を示す図である。
図8】ハンディターミナルが実行する画像検索処理の流れを示すフローチャートである。
図9】ハンディターミナルが実行するチェックデコード処理の流れを示すフローチャートである。
図10】コード情報の横幅の画素数及び伝票を含む画像の横幅の画素数を表した伝票を含む画像の例を示す図である。
図11】コード情報の横幅の画素数及び伝票を含む画像の横幅の画素数を表した伝票を含む画像の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。
【0011】
まず、本実施形態に係る読取装置としてのハンディターミナル10の概要について説明する。ハンディターミナル10は、配送業者によって用いられ、伝票に付されたコード情報(例えばバーコード、2次元コードなど)を読み取るための端末装置である。図1は、ハンディターミナル10の正面を示す外観図である。図2は、ハンディターミナル10の背面を示す外観図である。
【0012】
ハンディターミナル10の背面には、撮像部18が設けられている。また、ハンディターミナル10は、撮像部18に撮像動作を開始させるための入力操作を受け付けるトリガーキー151と、ユーザーによる各種情報入力のための入力操作を受け付ける一般入力キー152と、各種情報を表示する表示部16と、を備える。
【0013】
トリガーキー151は、ハンディターミナル10の側面に1つ設けられている。なお、トリガーキー151は、複数設けられていてもよい。
一般入力キー152は、数字や文字などを入力するための文字入力キー、所定の機能を呼び出して実行させるためのファンクションキー、及び表示部16内に表示されたカーソルを移動させたり情報入力の対象領域を遷移させたりするためのカーソルキーなどを含む。これらの一般入力キー152及びトリガーキー151から、操作部15(図3参照)が構成される。
【0014】
表示部16は、ハンディターミナル10の正面に配置されており、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0015】
撮像部18は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)などの撮像素子を利用した小型カメラを備える。近距離から遠距離まで読み取り可能なフォーカシング(焦点距離調整)機構を備えるカメラは、高価であり、また、フォーカシングに時間を要し、スピーディーなスキャニングができない。そのため、撮像部18に備えられる小型カメラには、単焦点型のカメラが用いられる。
また、撮像部18は、トリガーキー151に対する入力操作(トリガーキー151を押下する操作)がなされると、当該入力操作に応じて当該カメラで撮影を行い、撮影した画像の画像データをCPU11(Central Processing Unit)(図3参照)に出力する。
【0016】
図3は、ハンディターミナル10の機能構成を示すブロック図である。
ハンディターミナル10は、CPU11(コンピューター)と、RAM12(Random Access Memory)と、ROM13(Read Only Memory)と、記憶部14と、操作部15と、表示部16と、通信部17と、撮像部18と、バス19などを備える。ハンディターミナル10の各部は、バス19により接続されている。以下では、既に説明した構成についての説明は省略する。
【0017】
CPU11は、記憶部14に記憶されているプログラム141や業務アプリ142に従って各種処理を行うことでハンディターミナル10の各部を制御するプロセッサである。
CPU11は、プログラム141を実行して後述する読取処理を行うことで、コード情報が付された伝票を含む画像に基づいて、コード情報から伝票に係る識別情報を取得する。ここで、CPU11は取得部として機能する。
また、CPU11は、プログラム141を実行して後述する読取処理を行うことで、配達モード(第1モード)において、取得部による識別情報の取得が成功したか否かを判断する。ここで、CPU11は第1判断部として機能する。
また、CPU11は、プログラム141を実行して後述する画像検索処理を行うことで、識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部14に記憶された照合用画像と識別情報とが対応付けられた検索情報143を検索して、伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた識別情報を取得する。ここで、CPU11は検索部として機能する。
また、CPU11は、プログラム141を実行して後述する読取処理を行うことで、登録モード(第2モード)において、取得部による識別情報の取得が成功したか否かを判断する。ここで、CPU11は第2判断部として機能する。
また、CPU11は、プログラム141を実行して後述する画像登録処理を行うことで、第2判断部によって識別情報の取得が成功した場合に、識別情報と当該識別情報の取得に成功した伝票を含む画像とを対応付けて検索情報143として記憶部14に記憶させる。ここで、CPU11は記憶制御部として機能する。
【0018】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0019】
ROM13は、情報を読み出し可能な不揮発性の記憶部であり、各種設定データ等が格納されている。
【0020】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリといった、データの書き込み及び読み出しが可能な記憶装置を備え、プログラム141、業務アプリ142、及び各種データを記憶する。
また、記憶部14は、伝票の識別情報と伝票に記載されたコード情報を含む画像(照合用画像)データを対応付けた検索情報143を記憶する。検索情報143には、識別情報と画像データの組み合わせの他に、当該組み合わせの登録数が含まれる。
【0021】
通信部17は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、無線LANによる無線通信に係る通信規格に対応した通信制御を行う。
【0022】
次に、本実施形態によるハンディターミナル10における動作を説明する。ハンディターミナル10における動作には、登録モード(第2モード)及び配達モード(第1モード)の二つのモードがある。
CPU11は、登録モードにおいて、後述する画像登録処理を行うことで、識別情報と伝票を含む画像とを対応付けて検索情報143として記憶部14に記憶する。
また、CPU11は、配達モードにおいて、識別情報の取得に失敗した場合、後述する画像検索処理を行うことで、記憶部14が記憶する検索情報143を検索し、伝票を含む画像に対応付けられた識別情報を取得する。
図4は、ハンディターミナル10が実行する読取処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、業務アプリ142等におけるユーザーの操作によって、予めハンディターミナル10における動作のモードが選択されている状態である。
CPU11は、ユーザーがトリガーキー151に対する入力操作(トリガーキー151を押下する操作)を行ったことを契機として、読取処理を開始する。
【0023】
まず、CPU11は、撮像部18を制御して、伝票のコード情報を含む画像を撮影する(ステップS1)。図5に伝票を近距離から撮影した画像の例を示す。
次に、CPU11は、現在のハンディターミナル10の動作モードは登録モードであるか否かを判断する(ステップS2)。動作モードが登録モードであった場合(ステップS2;YES)、CPU11は、ステップS1において撮像部18が撮影した写真の画像データからコード情報を検出する(ステップS3)。
次に、CPU11は、撮像部18が撮影した写真の画像データからコード情報が検出できたか否かを判断する(ステップS4)。コード情報が検出できた場合(ステップS4;YES)、CPU11は、検出されたコード情報をデコードして識別情報を取得する(ステップS5)。配達前に伝票の識別情報を登録する場合、コード情報を含む画像を近距離から撮影するので、撮影した画像のコード情報部分の画素数は十分にあり、当該コード情報をデコードし、識別情報を取得することができる。
次に、CPU11は、ステップS5におけるデコードが成功したか否かを判断する(ステップS6)。デコードが成功した場合(ステップS6;YES)、CPU11は、画像登録処理を実行する(ステップS7)。
【0024】
図6は、ハンディターミナル10が実行する画像登録処理の流れを示すフローチャートである。
画像登録処理において、CPU11は、読取処理のステップS1で撮影した画像(照合用画像)の画像データと、ステップS5で取得した識別情報を対応付けて、検索情報143として記憶部14に記憶する(ステップS71)。
次に、CPU11は、記憶部14に記憶されている画像データと識別情報の組み合わせ数である登録数を+1して(ステップS72)、画像登録処理を終了し、図4に示す読取処理のフローチャートに戻る。
【0025】
次に、CPU11は、通信部17を介して、ステップS5で取得した識別情報を外部に送信し(ステップS8)、処理を終了する。
また、撮影画像データからコード情報が検出できない場合(ステップS4;NO)、またはコード情報のデコードに失敗した場合(ステップS6;NO)、CPU11は、表示部16にエラー表示をし(ステップS9)、処理を終了する。
【0026】
また、ステップS2において、動作モードが配達モードである場合(ステップS2;NO)、CPU11は、上記ステップS3~S6と同様のステップS10~S13を行うが、荷物を床置きして、ユーザーが立った状態で伝票に記載されたコード情報を撮影することがある。図7に伝票をユーザーが立った状態で撮影した画像の例を示す。この場合、ハンディターミナル10から伝票までの距離が遠くなり、撮影された画像における伝票のコード情報部分の画素数が少なくなるためにコード情報を検出できなかったり(ステップS11;NO)、コード情報のデコードに失敗することがある(ステップS13;NO)。このとき、CPU11は、画像検索処理を実行する(ステップS14)。
【0027】
図8は、ハンディターミナル10が実行する画像検索処理の流れを示すフローチャートである。
画像検索処理において、CPU11は、記憶部14に、伝票に記載されたコード情報を含む画像(照合用画像)データとそれに対応する伝票の識別情報の組み合わせである検索情報143が1組でも登録されているか、つまり登録された照合用画像データがあるか否かを判断する(ステップS141)。
照合用画像データがある場合(ステップS141;YES)、CPU11は、照合用画像データを1つ取り出し、図4に示す読取処理のステップS1で撮影した画像の画像データ(撮影画像データ)と画像認識で比較をする(ステップS142)。
次に、CPU11は、ステップS142の比較の結果、撮影画像データの中に照合用画像データが検出できたか否かを判断する(ステップS143)。図5に示す画像の例を照合用画像データD1、図7に示す画像の例を撮影画像データD2であるとすると、撮影画像データD2の中から照合用画像データD1を検出することができる。
撮影画像データの中に照合用画像データが検出できた場合(ステップS143;YES)、CPU11は、照合用画像データに対応付けて記憶されている識別情報を取得して(ステップS144)、画像検索処理を終了する。
【0028】
また、撮影画像データの中に照合用画像データが検出できなかった場合(ステップS143;NO)、CPU11は、次に登録されている照合用画像データと識別情報の組み合わせがあるか否かを判断する(ステップS145)。
次に登録されている照合用画像データと識別情報の組み合わせがある場合(ステップS145;YES)、CPU11は、ステップS142に移行する。そして、CPU11は、撮影画像データの中に照合用画像データを検出するか(ステップS143;YES)、全ての照合用画像データと撮影画像データを比較するまで(ステップS145;NO)、ステップS142からステップS145を繰り返す。
照合用画像データと識別情報の組み合わせが登録されていない場合(ステップS141;NO)、または撮影画像データの中にすべての照合用画像データが検出されなかった場合(ステップS145;NO)、CPU11は、撮影画像データに対応する識別情報は記憶されていないとし(ステップS146)、画像検索処理を終了し、図4に示す読取処理のフローチャートに戻る。
【0029】
次に、CPU11は、ステップS14の画像検索処理において、撮影画像データに対応する識別情報が取得できたか否か判断する(ステップS15)。
識別情報が取得できた場合(ステップS15;YES)、CPU11は、ステップS8に移行する。識別情報が取得できなかった場合(ステップS15;NO)、CPU11は、読取処理を終了する。
【0030】
以上、上記の実施形態に係る読取装置(ハンディターミナル10)は、コード情報が付された伝票を含む画像に基づいてコード情報から伝票に係る識別情報を取得する取得部(CPU11)と、第1モード(配達モード)において、取得部による識別情報の取得が成功したか否かを判断する第1判断部(CPU11)と、第1判断部によって識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部(記憶部14)に記憶された照合用画像と識別情報とが対応付けられた検索情報143を検索して、伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた識別情報を取得する検索部(CPU11)と、を備える。
従って、撮像時における距離合わせの負担を低減できる。
また、上記の実施形態に係る読取装置(ハンディターミナル10)は、第2モード(登録モード)において、取得部(CPU11)による識別情報の取得が成功したか否かを判断する第2判断部(CPU11)と、第2判断部によって識別情報の取得が成功した場合に、識別情報と当該識別情報の取得に成功した伝票を含む画像とを対応付けて検索情報143として記憶部(記憶部14)に記憶させる記憶制御部(CPU11)と、を備えるので、伝票を含む画像に基づいて識別情報を取得することができる。
【0031】
(変形例)
本変形例では、上記の実施形態の図4に示す読取処理のフローチャートのステップS5の代わりに、チェックデコード処理を行う。チェックデコード処理を含む読取処理において、CPU11は、伝票を含む画像において、コード情報の横幅に対する伝票を含む画像の横幅の画素数の比率が所定値未満である場合に、ユーザーへの報知として表示部16にエラー表示を行わせる。ここで、CPU11は、報知制御部として機能し、表示部16は、報知部として機能する。
従って、伝票を含む画像において、コード情報の横幅に対する伝票を含む画像の横幅の画素数の比率が所定値未満である場合に、ユーザーにエラー表示を行い、当該比率が所定値以上になるように、ユーザーに伝票を含む画像を撮影し直すことを促すことができる。
登録モード時に撮影した画像において当該比率が所定値以上である場合、荷物の外面のデザイン等の伝票周囲の情報も撮影した画像に含まれ、画像検索処理の画像認識に利用される情報量が増えるため、伝票を含む画像の検出率を向上することができる。
図9は、ハンディターミナル10が実行するチェックデコード処理の流れを示すフローチャートである。
【0032】
まず、CPU11は、ステップS1で撮影した伝票を含む画像において、コード情報の横幅に対する伝票を含む画像の横幅の画素数の比率を求める(ステップS51)。
図10図11に伝票を含む画像の例を示す。ここで、コード情報の横幅の画素数をa、伝票を含む画像の横幅の画素数をbと表すと、コード情報の横幅に対する伝票を含む画像の横幅の画素数の比率はb/aである。
次に、CPU11は、比率(b/a)が、所定値(例えば、2.3)以上か否かを判断する(ステップS52)。
比率が2.3以上である場合(ステップS52;YES)、CPU11は、コード情報をデコードして識別情報を取得する(ステップS53)。
次に、CPU11は、ステップS53におけるデコードが成功したか否かを判断する(ステップS54)。デコードが成功した場合(ステップS54;YES)、CPU11は、「デコード成功」を保持し(ステップS55)、チェックデコード処理を終了する。
【0033】
また、比率が2.3未満である場合(ステップS52;NO)、またはデコードが失敗した場合(ステップS54;NO)、CPU11は、「デコード失敗」を保持し(ステップS56)、チェックデコード処理を終了する。この場合、CPU11は、図4に示す読取処理のフローチャートのステップS9において、エラー表示を行う。
【0034】
以上、上記の実施形態に係る読取装置(ハンディターミナル10)は、第2モード(登録モード)において、伝票を含む画像における、コード情報の横幅に対する伝票を含む画像の横幅の比率が所定値未満である場合に、報知部(表示部16)に報知を行わせる報知制御部(CPU11)を備えるので、ユーザーに伝票を含む画像を撮影し直すことを促すことができる。
また、検索部(CPU11)は、伝票を含む画像に含まれる伝票の周囲の情報に基づいて照合用画像と比較するので、画像検索処理の画像認識に利用される情報量が増えるため、伝票を含む画像の検出率を向上することができ、容易に識別情報を取得することができる。
【0035】
以上、本発明は上記の実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記の実施形態及び変形例では、記憶部14が、伝票に記載されたコード情報を含む画像データとそれに対応する伝票の識別情報の組み合わせである検索情報143を有するとしたがこれに限らない。検索情報143を有する記憶部は外部装置に備えられるとしてもよい。この場合、CPU11は、通信部17を介して、伝票に記載されたコード情報を含む画像(照合用画像)データとそれに対応する伝票の識別情報の組み合わせを外部装置の所定の記憶部に送信し、登録する。
【0036】
また、上記の実施形態及び変形例では、伝票の識別情報登録時に、伝票に記載されたコード情報を含む画像データとそれに対応する伝票の識別情報の組み合わせを記憶部に登録するとしたがこれに限らない。伝票に記載されたコード情報を含む画像データの代わりに、当該画像データへのパスや当該画像データのファイル名を伝票の識別情報と対応付けて登録してもよい。
【0037】
また、上記の実施形態の変形例では、CPU11は、伝票を含む画像において、コード情報の横幅に対する伝票を含む画像の横幅の画素数の比率が2.3未満である場合に、ユーザーへの報知としてエラー表示を行うとしたがこれに限らない。当該比率は2.3に限らず、画像検索処理において検出率が向上する数値であればよい。
【0038】
本発明の実施の形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
コード情報が付された伝票を含む画像に基づいて前記コード情報から前記伝票に係る識別情報を取得する取得部と、
第1モードにおいて、前記取得部による前記識別情報の取得が成功したか否かを判断する第1判断部と、
前記第1判断部によって前記識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部に記憶された照合用画像と前記識別情報とが対応付けられた検索情報を検索して、前記伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた前記識別情報を取得する検索部と、
を備える読取装置。
<請求項2>
第2モードにおいて、前記取得部による前記識別情報の取得が成功したか否かを判断する第2判断部と、
前記第2判断部によって前記識別情報の取得が成功した場合に、前記識別情報と前記識別情報の取得に成功した前記伝票を含む画像とを対応付けて前記検索情報として前記記憶部に記憶制御部を備える請求項1に記載の読取装置。
<請求項3>
前記第2モードにおいて、前記伝票を含む画像における、前記コード情報の横幅に対する前記伝票を含む画像の横幅の比率が所定値未満である場合に、報知部に報知を行わせる報知制御部を備える請求項2に記載の読取装置。
<請求項4>
前記検索部は、前記伝票を含む画像に含まれる前記伝票の周囲の情報に基づいて前記照合用画像と比較する請求項1から3のいずれか一項に記載の読取装置。
<請求項5>
コンピューターを、
コード情報が付された伝票を含む画像に基づいて前記コード情報から前記伝票に係る識別情報を取得する取得部、
第1モードにおいて、前記取得部による前記識別情報の取得が成功したか否かを判断する第1判断部、
前記第1判断部によって前記識別情報の取得が失敗したと判断された場合に、記憶部に記憶された照合用画像と前記識別情報とが対応付けられた検索情報を検索して、前記伝票を含む画像とマッチした照合用画像に対応付けられた前記識別情報を取得する検索部、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0039】
10 ハンディターミナル(読取装置)
11 CPU(取得部、第1判断部、第2判断部、検索部、記憶制御部、報知制御部、コンピューター)
12 RAM
13 ROM
14 記憶部
141 プログラム
142 業務アプリ
15 操作部
151 トリガーキー
152 一般入力キー
16 表示部(報知部)
17 通信部
18 撮像部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-03-19
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、読取装置、読取方法及びプログラムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、撮像時における距離合わせの負担を低減できる読取装置、読取方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る読取装置は、
バーコードまたは2次元コードとしてのコード情報を撮像することにより前記コード情報から識別情報を読み取ることが可能な読取装置であって、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第2モードに設定されているときに成功した場合に、前記識別情報の読み取りが成功した画像を照合用画像として前記読み取りに成功した識別情報に対応付けて所定の記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第1モードに設定されているときに失敗した場合に、前記識別情報の読み取りが失敗した画像マッチする照合用画像を前記記憶部に記憶されている照合用画像のなかから検索することにより前記識別情報を取得する検索手段と、
を備える。
また、本発明に係る読取方法は、
バーコードまたは2次元コードとしてのコード情報を撮像することにより前記コード情報から識別情報を読み取ることが可能な読取装置が実行する読取方法であって、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第2モードに設定されているときに成功した場合に、前記識別情報の読み取りが成功した画像を照合用画像として前記読み取りに成功した識別情報に対応付けて所定の記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第1モードに設定されているときに失敗した場合に、前記識別情報の読み取りが失敗した画像にマッチする照合用画像を前記記憶部に記憶されている照合用画像のなかから検索することにより前記識別情報を取得する検索処理と、
を含む。
また、本発明に係るプログラムは、
バーコードまたは2次元コードとしてのコード情報を撮像することにより前記コード情報から識別情報を読み取ることが可能な読取装置のコンピュータを、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第2モードに設定されているときに成功した場合に、前記識別情報の読み取りが成功した画像を照合用画像として前記読み取りに成功した識別情報に対応付けて所定の記憶部に記憶させる記憶制御手段、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第1モードに設定されているときに失敗した場合に、前記識別情報の読み取りが失敗した画像にマッチする照合用画像を前記記憶部に記憶されている照合用画像のなかから検索することにより前記識別情報を取得する検索手段、
として機能させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードまたは2次元コードとしてのコード情報を撮像することにより前記コード情報から識別情報を読み取ることが可能な読取装置であって、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第2モードに設定されているときに成功した場合に、前記識別情報の読み取りが成功した画像を照合用画像として前記読み取りに成功した識別情報に対応付けて所定の記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第1モードに設定されているときに失敗した場合に、前記識別情報の読み取りが失敗した画像マッチする照合用画像を前記記憶部に記憶されている照合用画像のなかから検索することにより前記識別情報を取得する検索手段と、
を備える読取装置。
【請求項2】
前記所定の対象物は、複数の記入欄が設けられた配達伝票であり、前記複数の記入欄のうちの少なくとも一つの記入欄が記入済みになっている請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
バーコードまたは2次元コードとしてのコード情報を撮像することにより前記コード情報から識別情報を読み取ることが可能な読取装置が実行する読取方法であって、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第2モードに設定されているときに成功した場合に、前記識別情報の読み取りが成功した画像を照合用画像として前記読み取りに成功した識別情報に対応付けて所定の記憶部に記憶させる記憶制御処理と、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第1モードに設定されているときに失敗した場合に、前記識別情報の読み取りが失敗した画像にマッチする照合用画像を前記記憶部に記憶されている照合用画像のなかから検索することにより前記識別情報を取得する検索処理と、
を含む読取方法。
【請求項4】
バーコードまたは2次元コードとしてのコード情報を撮像することにより前記コード情報から識別情報を読み取ることが可能な読取装置のコンピュータを、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第2モードに設定されているときに成功した場合に、前記識別情報の読み取りが成功した画像を照合用画像として前記読み取りに成功した識別情報に対応付けて所定の記憶部に記憶させる記憶制御手段、
前記コード情報が表記された所定の対象物を撮像することによる前記コード情報からの前記識別情報の読み取りが所定の第1モードに設定されているときに失敗した場合に、前記識別情報の読み取りが失敗した画像にマッチする照合用画像を前記記憶部に記憶されている照合用画像のなかから検索することにより前記識別情報を取得する検索手段、
として機能させるプログラム。