(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056118
(43)【公開日】2024-04-22
(54)【発明の名称】産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240415BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023063915
(22)【出願日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】202211235312.1
(32)【優先日】2022-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523054492
【氏名又は名称】中国長江電力股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】毛 業棟
(72)【発明者】
【氏名】冉 毅川
(72)【発明者】
【氏名】李 友平
(72)【発明者】
【氏名】張 春輝
(72)【発明者】
【氏名】宋 晶輝
(72)【発明者】
【氏名】徐 波
(72)【発明者】
【氏名】譚 ▲ユン▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲ユー▼靜
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲グェァ▼
(72)【発明者】
【氏名】冉 應兵
(72)【発明者】
【氏名】司 漢松
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC06
5L050CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】統一のデータ結構モデルを介して異なる水力発電企業間、異なる水力発電所間及びそれらの内部のデータ情報統合の問題を解決し、データ孤島を突破し、水力発電企業のビッグデータの適用に基盤を据える産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法を提供する。
【解決手段】産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法は、水力発電設備に基づく論理的な設備階層構造を築くことと、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルを築くことと、KKSコーディング規則及び元の設備コーディングに基づいて水力発電設備コードを築くことと、コード及びデータ相関関係に基づいて水力発電設備の様々なデータの全景情報モデルを築くことと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1、水力発電設備に基づく論理的な設備階層構造を築き、システム、サブシステム及び構成部分の包含関係に従って、水力発電設備を多層の共通論理的な設備階層構造の集合に築き、当該論理的な構造は、類同な設備の類型全体を含む必要があるステップと;
S2、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルを築き、KKSコーディング規則に基づいて手動で築かれたKKSコードデータをS1に得られた論理的な設備階層に対応させて完備したサンプリングされた水力発電設備の階層モデルを形成し、このモデルは、各ノードにこれに対応する唯一のKKSコードがあるステップと;
S3、KKSコーディング規則及び元の設備コーディングに基づいて水力発電設備コードを築き、情報抽出方法で元の設備コードにおける設備のデータ集合As={A1,...,An}を獲得し、KKSコーディング規則に基づいて手動でKKSコードデータ集合KKS={K1,...,Kn}を築き、ここで、An はn番目の設備の資産コード、Knはn番目の設備の KKSコードであり、設備のKKSコードと元の設備コードを組み合わせて、設備の新たな二重コードCnew={[K1、A1],.... [Kn、An]}を形成し、設備の新たな二重コードデータ集合が生じ、新たな二重コードCnewを既存の元の設備コードに対応させて元の設備ツリーと新たな設備ツリーの1対1のマッピングを遂げるステップと;
S4、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて水力発電設備の様々なデータの全景情報モデルを築き、前記全景情報は水力発電設備の静的情報、動的情報、知識及び分析方法を含むステップとを備える
ことを特徴とする産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。
【請求項2】
S4において、前記静的情報は、設備の工場出荷時に与えられ、且つ設備の動作状態に従って変化しない、工場出荷の情報、固有の特性、固有のパラメータ等の様々な情報を含み、
静的情報の原コードのデータ集合をT(静的)={T(静的)1,…, T(静的)n}と定義し、ここでT(静的)nは、n番目の静的情報の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の静的情報のデータ集合K(静的)を築き、その式は次の通りであり、
K(静的)={K(静的)1,…,K(静的)n};
ここで、K(静的)n=[Kn+T(静的)n];
K(静的)nは、n番目の設備の静的情報のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(静的)nは、n番目の静的情報の原コードを表し;
T(静的)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の静的情報のデータコードK(静的)nを獲得し、且つ設備とその静的情報データとの相関を迅速に実現することができ;
前記静的情報と設備との対応関係は、一つの設備を複数の異なる静的情報に対応させ、一つの静的情報も複数の類似な設備又は部品に対応させる
ことを特徴とする請求項1に記載の産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。
【請求項3】
S4において、前記動的情報は、設備の運転中に生成された実時間データと、実時間データの加工で生成された結果データとを含み、このデータは、設備の動作や状態に従って変化し、様々な監視装置やセンサーによって測定され、
動的情報の原コードのデータ集合をT(動的)={T(動的)1,…, T(動的)n}と定義し、ここでT(動的)nは、n番目の動的情報の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の動的情報のデータ集合K(動的)を築き、その式は次の通りであり、
K(動的)={K(動的)1,…,K(動的)n};
ここで、K(動的)n=[Kn+T(動的)n];
K(動的)nは、n番目の設備の動的情報のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(動的)nは、n番目の動的情報の原コードを表し;
T(動的)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の動的情報のデータコードK(動的)nを獲得し、且つ設備とその動的情報データとの相関を迅速に実現することができ;
前記動的情報と設備との対応関係は、一つの設備を複数の異なる動的情報に対応させるが、一つの動的情報を一つの設備又は部品のみに対応させる
ことを特徴とする請求項2に記載の産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。
【請求項4】
S4において、前記知識は、設備の運転及び保全中に形成された故障実例、機製モデル、保全ルール及び様々な基準等の設備又は部品の運転及び保全に関連する様々な知識の蓄積を含むだけでなく、構造化データや非構造化データ等の多次元異種データも含み、
知識の原コードのデータ集合をT(知識)={T(知識)1,…, T(知識)n}と定義し、ここでT(知識)nは、n番目の知識の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の知識のデータ集合K(知識)を築き、その式は次の通りであり、
K(知識)={K(知識)1,…,K(知識)n};
ここで、K(知識)n=[Kn+T(知識)n];
K(知識)nは、n番目の設備の知識のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(知識)nは、n番目の知識の原コードを表し;
T(知識)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の知識のデータコードK(知識)nを獲得し、且つ設備とその知識との相関を迅速に実現することができ;
前記知識と設備との対応関係は、一つの設備又は部品を複数の知識に対応させる
ことを特徴とする請求項3に記載の産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。
【請求項5】
S4において、前記分析方法は、従来の分析方法及びアルゴリズムを含むだけでなく、様々なビッグ・データの分析方法やアルゴリズム等の様々な規則、指標及びアルゴリズムも含み;
分析方法の原コードのデータ集合をT(方法)={T(方法)1,…, T(方法)n}と定義し、ここでT(方法)nは、n番目の方法の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の方法のデータ集合K(方法)を築き、その式は次の通りであり、
K(方法)={K(方法)1,…,K(方法)n};
ここで、K(方法)n=[Kn+T(方法)n];
K(方法)nは、n番目の設備の方法のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(方法)nは、n番目の方法の原コードを表し;
T(方法)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の方法のデータコードK(方法)nを獲得し、且つ設備とその方法との相関を迅速に実現することができ;
前記サンプリングされた分析方法K(方法)と設備との対応関係は、1対1のマッピングとなる
ことを特徴とする請求項4に記載の産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。
【請求項6】
S4で築かれた水力発電設備の様々なデータの全景情報モデル中のKKSコードは、抽出され且つS2で築かれた、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルと1対1のマッピングを行い、形成されたマッピング結果は、設備を巡って揃えられ、設備を巡る全景情報モデルを形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電産業における産業用インターネットの技術分野に属し、特に産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の水力発電企業は、生産分野の産業用センサーの実時間データと、経営管理における構造化データ及び非構造化データを含む大量のデータを生産運転の過程で生成するが、それらのデータは、様々なサブシステムに分布しているため、相互接続及び共有を保証できず、価値を有効的に開発利用できず、データリソースの浪費を引き起こす。中国の水力発電産業の発展に伴い、ますます多くの応用は、システム間の相互作用やライフサイクル間に渡る管理や外部データの共有や総合的な統計及び決断などの状況に直面する。ただし、これらの状況に必要なデータは、乱雑にされ、散在していて統合的に利用し難くなり、次のような代表的な問題がある。多くのデータが形成されていたが、データリソースが不明確となるというデータの不可知;システムが散在して情報孤島を形成して共有困難となるというデータの不適切さ;データの品質が低下して統計を不正確にしてデータが多様化となるというデータの不可用;有効的な管理モデルが形成されておらず、データ標準が不一致となるというデータ管理の無計画;共有バックアップメカニズムが不備となるというデータ安全の保証困難性;データが有効に利用されず、決定者に有力なサポートを提供できないなどというデータの分析困難性。
【0003】
そのため、元の自動化と情報化に基づいて統一の設備及びデータを採用して数学的モデル化を行って生産実時間領域データや管理領域データ等のマルチソース異種データを深く融合させることで、すべてのデータは、統合され且つモデル情報と融合すると、水力発電所の様々な高いレベルの応用を満たし、統一のデジタル化された設備対象を築くようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、背景技術に存在する技術的課題に鑑み、産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法を提供する。この方法は、統一の設備及びデータを採用して数学的モデル化を行って生産実時間領域データや管理領域データ等のマルチソース異種データを深く融合させると、すべてのデータが統合され且つモデル情報と融合して、水力発電所の様々な高いレベルの応用を満たすようになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明で採用される技術手段は、
S1、水力発電設備に基づく論理的な設備階層構造を築き、システム、サブシステム及び構成部分の包含関係に従って、水力発電設備を多層の共通論理的な設備階層構造の集合に築き、当該論理的な構造は、類同な設備の類型全体を含む必要があるステップと;
S2、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルを築き、KKSコーディング規則に基づいて手動で築かれたKKSコードデータをS1に得られた論理的な設備階層に対応させて完備したサンプリングされた水力発電設備の階層モデルを形成し、このモデルは、各ノードにこれに対応する唯一のKKSコードがあるステップと;
S3、KKSコーディング規則及び元の設備コーディングに基づいて水力発電設備コードを築き、情報抽出方法で元の設備コードにおける設備のデータ集合As={A1,...,An}を獲得し、KKSコーディング規則に基づいて手動でKKSコードデータ集合KKS={K1,...,Kn}を築き、ここで、An はn番目の設備の資産コード、Knはn番目の設備の KKSコードであり、設備のKKSコードと元の設備コードを組み合わせて、設備の新たな二重コードCnew={[K1、A1],.... [Kn、An]}を形成し、設備の新たな二重コードデータ集合が生じ、新たな二重コードCnewを既存の元の設備コードに対応させて元の設備ツリーと新たな設備ツリーの1対1のマッピングを遂げるステップと;
S4、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて水力発電設備の様々なデータの全景情報モデルを築き、前記全景情報は水力発電設備の静的情報、動的情報、知識及び分析方法を含むステップとを備える産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。
【0006】
好ましくは、S4において、前記静的情報は、設備の工場出荷時に与えられ、且つ設備の動作状態に従って変化しない、工場出荷の情報、固有の特性、固有のパラメータ等の様々な情報を含み、
静的情報の原コードのデータ集合をT(静的)={T(静的)1,…, T(静的)n}と定義し、ここでT(静的)nは、n番目の静的情報の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の静的情報のデータ集合K(静的)を築き、その式は次の通りであり、
K(静的)={K(静的)1,…,K(静的)n};
ここで、K(静的)n=[Kn+T(静的)n];
K(静的)nは、n番目の設備の静的情報のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(静的)nは、n番目の静的情報の原コードを表し;
T(静的)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の静的情報のデータコードK(静的)nを獲得し、且つ設備とその静的情報データとの相関を迅速に実現することができ;
前記静的情報と設備との対応関係は、一つの設備を複数の異なる静的情報に対応させ、一つの静的情報も複数の類似な設備又は部品に対応させる。
【0007】
好ましくは、S4において、前記動的情報は、設備の運転中に生成された実時間データと、実時間データの加工で生成された結果データとを含み、このデータは、設備の動作や状態に従って変化し、様々な監視装置やセンサーによって測定され、
動的情報の原コードのデータ集合をT(動的)={T(動的)1,…, T(動的)n}と定義し、ここでT(動的)nは、n番目の動的情報の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の動的情報のデータ集合K(動的)を築き、その式は次の通りであり、
K(動的)={K(動的)1,…,K(動的)n};
ここで、K(動的)n=[Kn+T(動的)n];
K(動的)nは、n番目の設備の動的情報のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(動的)nは、n番目の動的情報の原コードを表し;
T(動的)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の動的情報のデータコードK(動的)nを獲得し、且つ設備とその動的情報データとの相関を迅速に実現することができ;
前記動的情報と設備との対応関係は、一つの設備を複数の異なる動的情報に対応させるが、一つの動的情報を一つの設備又は部品のみに対応させる。
【0008】
好ましくは、S4において、前記知識は、設備の運転及び保全中に形成された故障実例、機製モデル、保全ルール及び様々な基準等の設備又は部品の運転及び保全に関連する様々な知識の蓄積を含むだけでなく、構造化データや非構造化データ等の多次元異種データも含み、
知識の原コードのデータ集合をT(知識)={T(知識)1,…, T(知識)n}と定義し、ここでT(知識)nは、n番目の知識の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の知識のデータ集合K(知識)を築き、その式は次の通りであり、
K(知識)={K(知識)1,…,K(知識)n};
ここで、K(知識)n=[Kn+T(知識)n];
K(知識)nは、n番目の設備の知識のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(知識)nは、n番目の知識の原コードを表し;
T(知識)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の知識のデータコードK(知識)nを獲得し、且つ設備とその知識との相関を迅速に実現することができ;
前記知識と設備との対応関係は、一つの設備又は部品を複数の知識に対応させる。
【0009】
好ましくは、S4において、前記分析方法は、従来の分析方法及びアルゴリズムを含むだけでなく、様々なビッグ・データの分析方法やアルゴリズム等の様々な規則、指標及びアルゴリズムも含み;
分析方法の原コードのデータ集合をT(方法)={T(方法)1,…, T(方法)n}と定義し、ここでT(方法)nは、n番目の方法の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の方法のデータ集合K(方法)を築き、その式は次の通りであり、
K(方法)={K(方法)1,…,K(方法)n};
ここで、K(方法)n=[Kn+T(方法)n];
K(方法)nは、n番目の設備の方法のデータコードを表し;
Knは、n番目の設備のKKSコードを表し;
T(方法)nは、n番目の方法の原コードを表し;
T(方法)nをKnと組み合わせることでn番目の設備の方法のデータコードK(方法)nを獲得し、且つ設備とその方法との相関を迅速に実現することができ;
前記サンプリングされた分析方法K(方法)と設備との対応関係は、1対1のマッピングとなる。
【0010】
好ましくは、S4に築かれた水力発電設備の様々なデータの全景情報モデル中のKSSコードは、抽出され且つS2に築かれた、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルと1対1のマッピングを行い、形成されたマッピング結果は、設備を巡って揃えられ、設備を巡る全景情報モデルを形成する。
【0011】
本発明は、次の有益な効果を達成できる。
1、本発明は、水力発電設備情報が研究対象を中心に再統合され、適切な論理的管理で設備対象の全ての情報を網羅することで、ユーザーがデータを利用するとともに、規則的、一括処理及び完全にデータを獲得して、データ及びモデルに対するユーザーの共有及び応用の効率が向上するようにする。
2、本発明は、水力発電設備とその情報モデルとを相関させ、融合する方法を提供することで、水力発電設備のデータ情報の融合を遂げ、統一のデジタル化された設備対象を築き、水力発電企業の産業用インターネットプラットフォームの高いレベルの応用を満たすようにする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、次に図面及び実施例と相まって更に説明される。
図1は本発明の水力発電設備情報モデルの快速な構築手順を示す。
図2は本発明の水力発電設備の全景情報モデルを示す。
図3は、実施例2における設備情報の全景構築結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例1
本発明は、産業用インターネットの水力発電設備の情報モデルを統合し、設備を巡って設備、情報、知識及び分析を網羅することで、水力発電設備と情報、知識及び分析方法の間の断片化と無秩序の問題を解決し、設備とその関連情報、知識及び分析方法の間の相関と整合を遂げ、業界データが断片化されるという問題を解決する。本発明は、水力発電設備に対してオブジェクト指向概念を初めて導入し、水力発電設備を巡って全景情報モデルを築く方法を提供する。従来の第三標準型の数学的モデル化は、対象と中心を明らかにせず、実施が複雑になり、主題が不明確になり、データサービスを提供する場合も直感的ではない。このモデルは、アルゴリズムモデルや規則モデルや指標加工等の分析方法を初めて考えに入れるが、従来の設備情報モデルは、通常、データ自体のみを考えに入れる。水力発電設備を例にとると、情報モデルの構築方法及び過程は次のとおりである。
S1、水力発電設備に基づく論理的な設備階層構造を築く。システム、サブシステム及び構成部分の包含関係に従って、水力発電設備を多層の共通論理的な設備階層構造の集合に築く。当該論理的な構造は、類同な設備の類型全体を含む必要がある。
例えば、水車発電機に基づく論理的な設備階層構造を築く。システム、サブシステム及び構成部分の包含関係に従って、水車発電機を多層の水車発電機の共通論理的な設備階層構造の集合に築く。表1に示されたように、当該論理的な構造は、水車発電機の類型全体を含む必要がある。
表1 水車発電設備の論理的な設備階層構造表
S2、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルを築く。KKSコーディング規則に基づいて手動で築かれたKKSコードデータをS1に得られた論理的な設備階層に対応させて完備した、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルを形成する。このモデルは、各ノードにこれに対応する唯一のKKSコードがある。
例えば、サンプリングされた水車発電機の階層モデルを築く。KKSコーディング規則に基づいて手動で築かれたKKSコードデータをS1に得られた論理的な設備階層に対応させて完備したサンプリングされた水車発電機の階層モデルを形成する。表2に示されたように、このモデルは、各ノードにこれに対応する唯一のKKSコードがある。
表2 サンプリングされた水車発電機の階層モデル
S3、KKSコーディング規則及び元の設備コーディングに基づいて水力発電設備コードを築く。情報抽出方法で元の設備コードにおける設備のデータ集合A
s={A
1,...,A
n}を獲得し、KKSコーディング規則に基づいて手動でKKSコードデータ集合KKS={K
1,...,K
n}を築き、ここで、A
n はn番目の設備の資産コード、K
nはn番目の設備の KKSコードである。設備のKKSコードと元の設備コードを組み合わせて、設備の新たな二重コードC
new={[K
1、A
1],.... [K
n、A
n]}を形成し、設備の新たな二重コードデータ集合が生じる。新たな二重コードC
newを既存の元の設備コードに対応させて元の設備ツリーと新たな設備ツリーの1対1のマッピングを遂げる。
例えば、表3に示されたように、水車発電機のKKSコード及び新たな二重コードは次の通りである。
表3 元の設備ツリーと新たな設備ツリーの1対1のマッピング
S4、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて水力発電設備の様々なデータの全景情報モデルを築く。前記全景情報は水力発電設備の静的情報、動的情報、知識及び分析方法を含む。
例えば、設備の動的情報データ集合の構築を例にとると、水力発電設備の様々な全景情報を築く。表4に示されたように、まず、動的情報の原コードT
(動的
)nを揃えて、動的情報のデータ集合T
(動的
)を形成する。このデータ集合には、各データに1対1で対応する明確な設備対象があるため、設備対象のKKSコード及び動的情報の原コードT
(動的
)nは結びついて設備の動的情報データK
(動的
)nになる。これらのデータを組み合わせると、設備の動的情報のデータ集合K
(動的
)を形成する。設備の静的情報、知識及び分析方法などの他の情報構築方法は、動的情報のデータ集合と同じである。
表4 設備の動的情報データ集合の構築
設備のKKSコードに基づいて築かれた設備の様々な全景情報のデータ集合は全て設備対象のKKSコードを含む。設備の全景情報を築く場合、様々な情報のデータ集合に対応する設備のKKSコードフィールドを抽出することで、水力発電設備を巡る設備全景のデータ集合は、快速に形成されることができる。このデータ集合の特徴は次の通りである。(1)快速に例示化できる。(2)知識や分析方法を設備と相関させることで、知識及び方法の蓄積を遂げ、設備の運転及び保全経験の蓄積に対して新たな解決手段を提供する。
【0014】
実施例2:
本実施は、実施例1に基づいて、水力発電所の水車発電機の構築結果を例にとり、(適切な論理的管理で設備対象の全ての情報を網羅することで、ユーザーがデータを利用するとともに、規則的、一括処理及び完全にデータを獲得して、データ及びモデルに対するユーザーの共有及び応用の効率が向上するようにする)本発明の技術的効果を説明するように、構築過程及び結果を更に解き明かす。具体的な実施効果の例は次のとおりである。
1、表5に水車発電機の論理的な設備の概要を示す。当該論理的な設備は水車発電機全体の部品の名称(部品に関するデータが膨大となるため、前の30個の設備名称を例にとって説明する)を最大限に含める。
表5 水力発電設備の論理的な設備の構築例示
表5のデータが計算機の表示画面に示された結果は、設備ツリーとして、例示化された設備ツリーに基づいて設備のKKSコードと相まって水車発電機 の(部分的に)例示化された設備ツリーを形成する。例示化された設備ツリーのデータを導出して、表の形式で提示する効果を表6に示す。
表6 水力発電設備の例示化された設備の構築例示
表6からわかったように、各設備はKKSコードと原システムコードという2種のコードに対応する。KKSコードと原システムコードは、新たな二重コードを構成するようになる。たとえば、「03011M」という発電所の1F車発電機のKKSコードが「XJB-JZ-01F」という原システムコードとともに形成された新たな二重コードは、「03011M-XJB-JZ-01F」である。
2、設備の測定点コードを築く。そのコードは、本発明に記載の規則に従って設備KKSコード及びその原コードによって生成され、且つ例示化された設備ツリーに基づいて設備の動的情報と設備との相関を遂げる。その動的情報 (測定点情報)と設備との相関結果を表7に示す。
表7 水力発電設備の例示化された設備と設備測定点情報(動的情報)との関連表
表7から分かったように、各測定点は新たな二重コードに対応し、例えば、「水力タービンの効率」は「03011CJB12ES008------AAIC1INV」に対応する。
3、産業用インターネットプラットフォームに基づいて、水力発電設備の情報モデルを築いて獲得する。当該モデルは、
図3に示されたように、任意の設備、システム又は部品をその中心に配置する可能性がある(例えば、水力タービンを
図3のモデルの中心とする)。例示化された様々な設備を選ぶと、対応する情報も同期的に変更する可能性がある。
水力発電設備の情報モデルは、既存の産業用インターネットを介して築く。このモデルは、サーバと表示装置とを備え、且つ複数の発電所は、本発明の構築方法でデータ共有を達成する。表示画面の動的情報/測定データを選ぶと、その結果は対応する設備の測定データ表に表示される(表8~10を参照)。設備の関連情報にクエリーを行う必要がある場合は、対応するコードや中国語名(中国語の名称は、英語の名称やフランス語の名称などの複数の言葉に拡張できる)などに基づいて、いずれも対応する必要な情報を検索することができる。
表8 水力発電設備の測定情報(動的情報)の展示表
表9 水力発電設備のスマート警報 (分析方法)の展示表
表10 水力発電設備の基本情報(静的情報)の展示表
【0015】
そのため、本発明は、産業用インターネットプラットフォームに基づいて、本発明によって提供された水力発電設備の情報モデル構築方法で情報モデルを築くことで複数の発電所がデータ共有を行うと、水力発電設備情報が研究対象を中心に再統合され、適切な論理的管理で設備対象の全ての情報を網羅することで、ユーザーがデータを利用するとともに、規則的、一括処理及び完全にデータを獲得して、データ及びモデルに対するユーザーの共有及び応用の効率が向上するようにする。
【0016】
上記実施例はただ本発明の好ましい技術手段であり、本発明を限定するものと見なしてならなく、本発明の保護範囲は、発明登録請求の範囲に記載の技術手段に加えて、発明登録請求の範囲に記載の技術手段における技術特徴の同等な取替手段をも保護範囲とすべきである。即ち、この範囲で行われる同等な取替改良も本発明の保護範囲に含まれるものである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1、水力発電設備に基づく論理的な設備階層構造を築き、システム、サブシステム及び構成部分の包含関係に従って、水力発電設備を多層の共通論理的な設備階層構造の集合に築き、当該論理的な構造は、類同な設備の類型全体を含む必要があるステップと;
S2、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルを築き、KKSコーディング規則に基づいて手動で築かれたKKSコードデータをS1に得られた論理的な設備階層に対応させて完備したサンプリングされた水力発電設備の階層モデルを形成し、このモデルは、各ノードにこれに対応する唯一のKKSコードがあるステップと;
S3、KKSコーディング規則及び元の設備コーディングに基づいて水力発電設備コードを築き、情報抽出方法で元の設備コードにおける設備のデータ集合As={A1,...,An}を獲得し、KKSコーディング規則に基づいて手動でKKSコードデータ集合KKS={K1,...,Kn}を築き、ここで、An はn番目の設備の資産コード、Knはn番目の設備の KKSコードであり、設備のKKSコードと元の設備コードを組み合わせて、設備の新たな二重コードCnew={[K1、A1],.... [Kn、An]}を形成し、設備の新たな二重コードデータ集合が生じ、新たな二重コードCnewを既存の元の設備コードに対応させて元の設備ツリーと新たな設備ツリーの1対1のマッピングを遂げるステップと;
S4、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて水力発電設備の様々なデータの全景情報モデルを築き、前記全景情報は水力発電設備の静的情報、動的情報、知識及び分析方法を含むステップとを備えており、
S4において、前記静的情報は、設備の工場出荷時に与えられ、且つ設備の動作状態に従って変化しない、工場出荷の情報、固有の特性、固有のパラメータ等の様々な情報を含み、
静的情報の原コードのデータ集合をT
(
静的
)
={T
(
静的
)1
,…, T
(
静的
)n
}と定義し、ここでT
(
静的
)n
は、n番目の静的情報の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の静的情報のデータ集合K
(
静的
)
を築き、その式は次の通りであり、
K
(
静的
)
={K
(
静的
)1
,…,K
(
静的
)n
};
ここで、K
(
静的
)n
=[K
n
+T
(
静的
)n
];
K
(
静的
)n
は、n番目の設備の静的情報のデータコードを表し;
K
n
は、n番目の設備のKKSコードを表し;
T
(
静的
)n
は、n番目の静的情報の原コードを表し;
T
(
静的
)n
をK
n
と組み合わせることでn番目の設備の静的情報のデータコードK
(
静的
)n
を獲得し、且つ設備とその静的情報データとの相関を迅速に実現することができ;
前記静的情報と設備との対応関係は、一つの設備を複数の異なる静的情報に対応させ、一つの静的情報も複数の類似な設備又は部品に対応させ、
S4において、前記動的情報は、設備の運転中に生成された実時間データと、実時間データの加工で生成された結果データとを含み、このデータは、設備の動作や状態に従って変化し、様々な監視装置やセンサーによって測定され、
動的情報の原コードのデータ集合をT
(
動的
)
={T
(
動的
)1
,…, T
(
動的
)n
}と定義し、ここでT
(
動的
)n
は、n番目の動的情報の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の動的情報のデータ集合K
(
動的
)
を築き、その式は次の通りであり、
K
(
動的
)
={K
(
動的
)1
,…,K
(
動的
)n
};
ここで、K
(
動的
)n
=[K
n
+T
(
動的
)n
];
K
(
動的
)n
は、n番目の設備の動的情報のデータコードを表し;
K
n
は、n番目の設備のKKSコードを表し;
T
(
動的
)n
は、n番目の動的情報の原コードを表し;
T
(
動的
)n
をK
n
と組み合わせることでn番目の設備の動的情報のデータコードK
(
動的
)n
を獲得し、且つ設備とその動的情報データとの相関を迅速に実現することができ;
前記動的情報と設備との対応関係は、一つの設備を複数の異なる動的情報に対応させるが、一つの動的情報を一つの設備又は部品のみに対応させ、
S4において、前記知識は、設備の運転及び保全中に形成された故障実例、機製モデル、保全ルール及び様々な基準等の設備又は部品の運転及び保全に関連する様々な知識の蓄積を含むだけでなく、構造化データや非構造化データ等の多次元異種データも含み、
知識の原コードのデータ集合をT
(
知識
)
={T
(
知識
)1
,…, T
(
知識
)n
}と定義し、ここでT
(
知識
)n
は、n番目の知識の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の知識のデータ集合K
(
知識
)
を築き、その式は次の通りであり、
K
(
知識
)
={K
(
知識
)1
,…,K
(
知識
)n
};
ここで、K
(
知識
)n
=[K
n
+T
(
知識
)n
];
K
(
知識
)n
は、n番目の設備の知識のデータコードを表し;
K
n
は、n番目の設備のKKSコードを表し;
T
(
知識
)n
は、n番目の知識の原コードを表し;
T
(
知識
)n
をK
n
と組み合わせることでn番目の設備の知識のデータコードK
(
知識
)n
を獲得し、且つ設備とその知識との相関を迅速に実現することができ;
前記知識と設備との対応関係は、一つの設備又は部品を複数の知識に対応させ、
S4において、前記分析方法は、従来の分析方法及びアルゴリズムを含むだけでなく、様々なビッグ・データの分析方法やアルゴリズム等の様々な規則、指標及びアルゴリズムも含み;
分析方法の原コードのデータ集合をT
(
方法
)
={T
(
方法
)1
,…, T
(
方法
)n
}と定義し、ここでT
(
方法
)n
は、n番目の方法の原コードを表し、KKSコード及びデータ相関関係に基づいて設備の方法のデータ集合K
(
方法
)
を築き、その式は次の通りであり、
K
(
方法
)
={K
(
方法
)1
,…,K
(
方法
)n
};
ここで、K
(
方法
)n
=[K
n
+T
(
方法
)n
];
K
(
方法
)n
は、n番目の設備の方法のデータコードを表し;
K
n
は、n番目の設備のKKSコードを表し;
T
(
方法
)n
は、n番目の方法の原コードを表し;
T
(
方法
)n
をK
n
と組み合わせることでn番目の設備の方法のデータコードK
(
方法
)n
を獲得し、且つ設備とその方法との相関を迅速に実現することができ;
前記サンプリングされた分析方法K
(
方法
)
と設備との対応関係は、1対1のマッピングとなり、
S4で築かれた水力発電設備の様々なデータの全景情報モデル中のKKSコードは、抽出され且つS2で築かれた、サンプリングされた水力発電設備の階層モデルと1対1のマッピングを行い、形成されたマッピング結果は、設備を巡って揃えられ、設備を巡る全景情報モデルを形成する
ことを特徴とする産業用インターネットプラットフォームに基づく水力発電設備情報モデルの構築方法。