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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056134
(43)【公開日】2024-04-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
A63F7/02 301C
A63F7/02 336
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023171971
(22)【出願日】2023-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】山本 真也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA13
(57)【要約】
【課題】遊技者の興趣が低下することを抑制する。
【解決手段】遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モード(一例として自動計数機能がオフ)と第2制御モード(一例として自動計数機能がオン)とがあり、第1制御モードでは、操作手段(一例として計数スイッチ)を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、第2制御モードでは、特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能である。第2制御モードにおいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行される状況では、所定の報知が行われる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、
報知手段と、を備え、
遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがあり、前記第1制御モードでは、前記操作手段を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードでは、前記特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、
前記第2制御モードにおいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行される状況では、所定の報知が行われることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技媒体を電子的に管理可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。遊技者は、電子化された遊技媒体を用いて、遊技を行うことができる。電子化された遊技媒体は、所定の操作(所謂、計数操作)に基づいて、遊技機外の管理装置へと移管されうる。管理装置は、遊技機から移管された遊技媒体に関する情報(遊技媒体数)を、カード型又はコイン型の管理媒体に書き込むことが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-162817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、遊技媒体を管理装置へと移管させる態様をさらに工夫し、遊技者の利便性を高めることが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、報知手段と、を備え、遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがあり、前記第1制御モードでは、前記操作手段を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードでは、前記特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードにおいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行される状況では、所定の報知が行われることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技者の利便性を高め得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、遊技機の斜視図である。
図2図2は、遊技盤の正面図である。
図3図3は、遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図4図4は、遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図5図5は、計数スイッチの操作態様に応じた計数球数を説明するための説明図である。
図6図6は、枠制御基板の入出力処理を説明するためのタイミングチャートである。
図7図7は、遊技機によって管理される遊技球数の変遷を説明するためのタイミングチャートである。
図8図8は、自動計数機能を説明するためのタイミングチャートである。
図9図9は、自動計数機能を説明するためのタイミングチャートである。
図10図10は、自動計数機能を説明するためのタイミングチャートである。
図11図11は、変更例における自動計数機能を説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機に具体化した一例について説明する。
図1に示すように、島設備(不図示)は、複数の遊技機10を設置できる。遊技機10は、パチンコ遊技機である。複数の遊技機10は、それぞれ管理装置90が併設される。島設備において、遊技機10と管理装置90とは、交互に並ぶ。
【0009】
管理装置90について説明する。
管理装置90は、カード型又はコイン型の管理媒体(不図示)を挿入可能な媒体挿入部91を備える。管理媒体は、投入金の残額、及び遊技媒体数P1を記憶できる。遊技媒体数P1は、遊技者が所有する遊技媒体数である。遊技媒体は、遊技機10において、遊技に使用可能な価値である。一例として、遊技媒体は、遊技球である。管理装置90は、現金を投入可能な現金投入部92を備える。現金投入部92への投入金額は、管理媒体に記憶される。
【0010】
管理装置90は、遊技者が操作可能な操作パネル93を備える。一例として、操作パネル93は、玉貸操作部、払出操作部、返却操作部、保有数表示部、及び残額表示部を備える。玉貸操作部は、管理媒体に記憶された残額に基づいて、遊技機10が管理する遊技媒体数P2を増加させるときに操作される。遊技媒体数P2は、遊技者が所有する遊技媒体の数量を示す。払出操作部は、遊技媒体数P1に基づいて、遊技媒体数P2を増加させるときに操作される。返却操作部は、管理媒体の返却を受けるときに操作される。保有数表示部には、遊技媒体数P1が表示される。各遊技媒体数P1,P2は、電子的に管理される遊技媒体の数を示す。残額表示部には、支払金の残額が表示される。
【0011】
管理装置90は、管理ユニット制御基板95を備える。管理ユニット制御基板95は、CPU95aと、メモリ95bと、を備える。CPU95aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の処理を行う。メモリ95bは、管理ユニット制御プログラムを記憶する。メモリ95bは、管理装置90の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。
【0012】
管理装置90は、通信端子95dを備える。管理ユニット制御基板95は、通信端子95dを介して遊技機10と接続される。管理ユニット制御基板95は、遊技機10が出力する各種の制御情報を入力可能に構成される。CPU95aは、遊技機10に対して各種の制御情報の一例として接続信号を出力する。
【0013】
管理装置90は、外部機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部機器(不図示)は、遊技場に設置されたホールコンピュータであるとよい。外部機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータであるとよい。この場合、管理コンピュータと管理装置90とは、相互に通信可能に接続されることが好ましい。
【0014】
管理装置90が実行する処理について説明する。
管理ユニット制御基板95のCPU95aは、媒体挿入部91に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された残額、及び遊技媒体数P1を読み出す。CPU95aは、現金投入部92に投入された金額を残額に加算する。CPU95aは、残額が0ではないとき、玉貸操作部が操作されると、管理媒体に記憶された残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する数の遊技媒体の付与を特定可能な付与情報を遊技機10へ出力する。
【0015】
CPU95aは、遊技媒体数P1が1以上であるとき、払出操作部が操作されると、管理媒体に記憶された遊技媒体数P1を所定数だけ減算し、当該所定数の遊技媒体の付与を特定可能な付与情報を遊技機10へ出力する。CPU95aは、遊技機10から計数情報を入力すると、当該計数情報から特定可能な遊技媒体数を、管理媒体に記憶された遊技媒体数P1に加算する。CPU95aは、保有数表示部を制御し、その時々の遊技媒体数P1を表示させる。CPU95aは、残額表示部を制御し、その時々の残額を表示させる。CPU95aは、返却操作部が操作されると、管理媒体を媒体挿入部91から排出させる。
【0016】
遊技機10について説明する。
図1及び図2に示すように、一例として、遊技機10は、遊技球を電子的に管理可能に構成される。一例として、遊技機10は、機内部において、所定数の遊技球が循環されるように構成される。これに限らず、遊技機10は、非循環型の遊技機であってもよい。遊技機10は、島設備(不図示)から遊技球の供給を受けること、及び島設備へ遊技球を返却することをできるように構成されてもよい。遊技機10は、遊技媒体数P2を管理可能に構成される。
【0017】
遊技機10は、枠11と、枠11に保持された遊技盤20と、を備える。遊技盤20は、遊技球が流下する遊技領域21aを有する。枠11について説明する。枠11は、外枠12と、中枠13と、前枠14と、を備える。外枠12は、釘等を用いて、島設備に固定される。中枠13は、遊技盤20を保持する。前枠14は、保護ガラス14aを有する。保護ガラス14aは、前枠14の開口部14bを封止する。保護ガラス14aは、遊技盤20の遊技領域21aを覆う。中枠13は、外枠12に対して開閉できるように支持される。前枠14は、中枠13に対して開閉できるように支持される。枠11は、施錠装置11Aを備える。施錠装置11Aは、適合する鍵を用いて施錠及び解錠できる。中枠13は、施錠装置11Aを解錠した場合に、外枠12に対して開放できる。前枠14は、施錠装置11Aを解錠した場合に、中枠13に対して開放できる。
【0018】
枠11は、発射操作部15を備える。発射操作部15は、遊技球を発射させる操作を可能に構成される。一例として、発射操作部15は、中枠13の前面側に設けられる。一例として、発射操作部15は、ハンドル型である。遊技機10は、発射操作部15の操作量に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように構成される。一例として、発射操作部15は、回動操作を可能なハンドルレバーと、タッチセンサD01と、発射停止スイッチD02と、ハンドルボリュームD03と、を備える(図3参照)。タッチセンサD01は、遊技者の手指が通電リング(不図示)に触れるとタッチ信号を出力する。発射停止スイッチD02は、発射操作部15の側方に突出する発射停止ボタンが押し込まれるとストップ信号を出力する。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバーが回動操作されると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。
【0019】
枠11は、遊技媒体数P2を表示できる遊技媒体数表示部16aを備える。一例として、遊技媒体数表示部16aは、前枠14の前面側に設けられる。遊技媒体数表示部16aは、遊技媒体数P2を表示する表示手段の一例である。遊技媒体数表示部16aは、所定の報知を実行できてもよい。枠11は、計数スイッチ16bを備える。一例として、計数スイッチ16bは、前枠14の前面側に設けられる。計数スイッチ16bは、予め定めた計数可能状態である場合に、計数操作が許容される。計数スイッチ16bは、計数操作がされると計数信号を出力する。計数スイッチ16bは、遊技者が操作可能な操作手段の一例である。枠11は、計数報知部16cを備える。一例として、計数報知部16cは、前枠14の前面側に設けられる。一例として、計数報知部16cは、計数可能状態であるか否かを点灯及び消灯等によって報知する。
【0020】
枠11は、スピーカを一例とする音声演出装置17を備える。一例として、音声演出装置17は、前枠14の前面側に配設される。音声演出装置17は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行できる。音声演出装置17は、所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行できる。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。
【0021】
枠11は、発光演出装置18を備える。発光演出装置18は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行できる。発光演出装置18は、発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知と示す)を実行できる。一例として、発光演出装置18は、前枠14の前面側に配設される。これに限らず、発光演出装置18は、枠11に代えて、又は加えて、遊技盤20に配設されてもよい。
【0022】
枠11は、遊技者が操作可能な演出操作部22を備える。一例として、演出操作部22は、押下げ操作ができるように構成されたボタン型の操作デバイスである。これに限らず、演出操作部22は、押込み操作又は引く操作ができるように構成されたレバー型の操作デバイスであってもよく、拳銃型又は操縦桿型の操作デバイスであってもよい。
【0023】
枠11は、異常な電波として所定の強度を超える電波を検知する電波センサD16を備える(図3参照)。電波センサD16は、異常な電波を検知すると電波検知信号を出力する。遊技盤20は、中枠13にある電波センサD16に加えて、電波センサを備え、遊技盤20にて異常な電波を検出できる構成であってもよい。遊技機10は、中枠13及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備え、磁石の接近を検知できる構成であってもよい。
【0024】
枠11は、中枠13に対して前枠14が開放されたことを検知する第1扉開放スイッチD17を備える(図3参照)。第1扉開放スイッチD17は、前枠14の開放を検知すると第1扉開放信号を出力する。中枠13は、外枠12に対して中枠13が開放されたことを検知する第2扉開放スイッチD18を備える(図3参照)。第2扉開放スイッチD18は、中枠13の開放を検知すると第2扉開放信号を出力する。
【0025】
枠11は、枠制御基板82と、発射制御基板83と、を備える。枠制御基板82、及び発射制御基板83は、中枠13の後側に固定されている。つまり、各制御基板82,83は、枠11に搭載される。各制御基板82,83は、施錠装置11Aを解錠して中枠13を開放しなければアクセスできない位置にある。各制御基板82,83の電気的構成については後述する。枠11は、電源ユニット89を備える。電源ユニット89は、中枠13の後側に固定されている。電源ユニット89は、施錠装置11Aを解錠して中枠13を開放しなければアクセスできない位置に設けられている。
【0026】
枠11は、遊技球の流通機構40を備える。
図2に示すように、遊技球の流通機構40は、回収機構41と、循環機構42と、発射機構43と、を含む。一例として、回収機構41、循環機構42、及び発射機構43は、中枠13に設けられる。回収機構41、循環機構42、及び発射機構43の動作は、枠制御基板82及び発射制御基板83によって制御される。
【0027】
回収機構41は、遊技盤20から排出された遊技球を循環機構42へ案内する。回収機構41は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成される。矢印Y1,Y2で示すように、遊技球は、遊技盤20から回収機構41に受け入れられた場合に、回収機構41を構成する通路を流下することにより、循環機構42へ到達する。循環機構42は、回収機構41から受け入れた遊技球を、所定の方向へ搬送する。一例として、循環機構42は、遊技球を揚上する。循環機構42は、遊技球を搬送する搬送部42Aを備える。搬送部42Aは、所定の方向に沿って延びる搬送通路と、搬送通路に収容されたスクリューと、スクリューを回転させる搬送モータ42aと、を備える(図3参照)。矢印Y3で示すように、循環機構42によって搬送された遊技球は、発射機構43へ到達する。
【0028】
矢印Y4で示すように、発射機構43は、循環機構42によって搬送された遊技球を、遊技盤20の遊技領域21aへ到達するように発射し得る。発射機構43は、遊技球を発射するための動作を行う。一例として、発射機構43は、遊技球を供給する供給動作を行う供給部43Aと、供給部43Aから供給された遊技球を打ち出す打出動作(発射動作)を行う打出部43Bと、を備える。供給部43Aは、搬送部42Aによって搬送された遊技球を1球ずつ切り出すことにより、打出部43Bへ供給する。供給部43Aは、遊技球を1球ずつ供給する動作を可能に構成された供給部材(可動片)と、当該供給部材を駆動する供給ソレノイド43aと、供給する遊技球を検知する供給センサD19と、を有する(図3参照)。供給部43Aから1球ずつ切り出された遊技球は、打出部43Bの打撃位置へ流入する。一例として、供給センサD19は、供給部材よりも上流側(循環機構42)側において遊技球を検知する。供給センサD19は、遊技球を検知すると、供給信号を出力する。打出部43Bは、打撃位置へ流入した遊技球を遊技領域21aへ向けて打ち出す。打出部43Bは、打撃位置にある遊技球を打撃する発射ハンマと、当該発射ハンマを駆動する発射ソレノイド43bと、を有する(図3参照)。
【0029】
流通機構40における遊技球の流れについて説明する。矢印Y4に示すように、遊技球が、発射機構43の打出部43Bによって発射される。遊技球は、遊技領域21aへ到達し得る。遊技球は、遊技領域21aに到達すると、当該遊技領域21aに開口する入賞口又はアウト口へ入球する。矢印Y1に示すように、遊技球は、遊技盤20に形成された排出口(不図示)から、回収機構41へ排出される。発射機構43によって発射されたが、遊技領域21aへ到達しなかった遊技球(所謂、ファール球)も、回収機構41へ流入する。矢印Y2に示すように、遊技球は、回収機構41を通って、循環機構42へ到達する。遊技球は、循環機構42によって、搬送される。矢印Y3に示すように、遊技球は、発射機構43へ戻り、再び発射される。
【0030】
遊技盤20について説明する。
遊技盤20は、表示演出装置19と、遊技制御基板80と、演出制御基板81と、を有する。表示演出装置19、遊技制御基板80、及び演出制御基板81は、遊技盤20の後側の部分に設けられる。つまり、表示演出装置19と、遊技制御基板80と、演出制御基板81は、遊技盤20に搭載される。
【0031】
遊技盤20は、四角板状の遊技板21を有する。遊技板21の前面には、正面視で略円形の遊技領域21aが画成される。遊技領域21aには、釘や風車などが配置される。遊技領域21aの略中央には、遊技板21を前後方向に貫通するように、表示窓口21bが形成される。遊技領域21aの左方には、発射操作部15の操作によって発射された遊技球を遊技領域21aへと案内する打出通路21cが形成される。遊技領域21a及び打出通路21cは、保護ガラス14aによって覆われる。
【0032】
遊技盤20は、情報表示装置30を備える。
一例として、情報表示装置30は、遊技盤20に設けられる。情報表示装置30は、各種の情報を表示する。一例として、情報表示装置30は、第1特別図柄表示部31、第2特別図柄表示部32、第1保留表示部33、第2保留表示部34、普通図柄表示部35、及び普通保留表示部36を含む。一例として、各表示部31~36は、遊技盤20において、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
【0033】
特別図柄表示部31,32は、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる特別図柄変動ゲーム(以下、特別ゲームと示す)を実行できる。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。以下の説明では、第1特別図柄表示部31で実行される特別ゲームを「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄表示部32で実行される特別ゲームを「第2特別ゲーム」と示す。
【0034】
第1保留表示部33は、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部34は、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0035】
普通図柄表示部35は、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。遊技機10では、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
【0036】
普通保留表示部36は、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置30には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
【0037】
遊技盤20には、複数の入賞口23が形成されている。複数の入賞口23は、遊技球が入球できるように、遊技領域21aに開口する。複数の入賞口23は、第1始動口23Aと、第2始動口23Bと、大入賞口23Cと、普通入賞口23Dと、を含む。複数の入賞口は、これらの入賞口23とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0038】
第1始動口23Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口23Aは、表示演出装置19の下方にある。第1始動口23Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、入賞センサとして、第1始動口23Aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサD11を備える(図3参照)。
【0039】
第2始動口23Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口23Bは、第1始動口23Aの右方にある。第2始動口23Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片23Baを備える。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口23Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図3参照)。また、遊技盤20は、入賞センサとして、第2始動口23Bへ入球した遊技球を検知する第2始動センサD12を備える(図3参照)。普通開閉片23Baは、所謂「普通電動役物」である。
【0040】
大入賞口23Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口23Cは、表示演出装置19の右下方にある。大入賞口23Cは、扉状であることを一例とする特別開閉片23Caを備える。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口23Cを開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(図3参照)。また、遊技盤20は、入賞センサとして、大入賞口23Cへ入球した遊技球を検知するカウントセンサD13を備える(図3参照)。
【0041】
普通入賞口23Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口23Dは、表示演出装置19の左下方、及び表示演出装置19の右下方にそれぞれある。普通入賞口23Dは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、入賞センサとして、普通入賞口23Dへ入球した遊技球を検知する普通センサD14を備える(図3参照)。
【0042】
遊技盤20は、ゲート24を備える。一例として、ゲート24は、遊技領域21aの右方領域であって、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの上方にある。ゲート24には、ゲート口24aが形成されている。ゲート口24aは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。ゲート24は、入賞センサとして、ゲート口24aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD15を有する(図3参照)。ゲート24は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート24は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0043】
遊技盤20には、アウト口25が形成されている。一例として、アウト口25は、遊技領域21aの最も下部において開口する。遊技球は、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dの何れにも入球しなかった場合に、アウト口25へ入球する。複数の入賞口23、及びアウト口25は、遊技領域21aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域21aから遊技球を返却するための返却口として把握できる。遊技球は、複数の入賞口23、又はアウト口25へ入球すると、遊技盤20の排出口(不図示)から排出される。遊技盤20の遊技領域21aから排出される遊技球は、所謂「アウト球」である。
【0044】
表示演出装置19について説明する。
表示演出装置19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。表示演出装置19は、表示窓口21bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技板21の後面に組み付けられる。一例として、表示演出装置19は、液晶ディスプレイである。表示演出装置19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行できる。表示演出装置19は、所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行できる。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これら演出図柄やキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。
【0045】
音声演出装置17、発光演出装置18、及び表示演出装置19は、所定の演出を実行する演出実行手段の一例である演出機器ESを構成する(図1参照)。音声演出装置17、発光演出装置18、及び表示演出装置19は、何れも所定の報知を実行できる。よって、演出機器ESは、所定の報知を行うことができる報知手段の一例である。報知手段は、所定の演出を実行可能な演出実行手段と兼用される。演出機器ESに含まれる演出装置は、音声演出装置17、発光演出装置18、及び表示演出装置19に限定されず、これらの演出装置の一部を省略した構成であってもよい。演出機器ESは、これらの演出装置に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する可動演出装置を含んでもよく、振動演出を実行する振動演出装置を含んでもよい。
【0046】
表示演出装置19による表示演出には、複数列の演出図柄を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。このように、演出機器ESを構成する表示演出装置19では、図柄の変動表示を実行できる。特別図柄表示部31,32、及び表示演出装置19は、変動ゲームを実行する手段の一例である。
【0047】
大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口23Cを開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口23Cは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0048】
遊技機10の機能について説明する。
遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載する。
確率変動機能は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0049】
遊技機10は、入球補助機能を搭載する。
入球補助機能は、第2始動口23Bへの入球率を変動させるための機能である。遊技機10は、第2始動口23Bへの入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高まり、第2始動口23Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0050】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択される1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口23Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0051】
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
【0052】
遊技機10は、コンプリート機能を搭載する。
コンプリート機能は、遊技機10の出玉が基準数(値)を超えない様に、基準数の手前で遊技機10の動作を停止させる機能である。コンプリート機能の作動条件は、一日の営業中における差玉PCが、基準数(一例として10万球)より少ない数に定めた作動基準数(95000球)に達することで成立する。差玉PCは、アウト球数(発射遊技球数)とセーフ球数(払出遊技球数)との差である。一例として、差玉PCの計数は、遊技球が発射されるごとに差玉PCから1減算するとともに、遊技球が入賞口23へ入球するごとに、当該入賞口に定められた賞球数を差玉PCに加算して行うとよい。一例として、差玉PCの計数は、差玉PCが0以下の場合において、遊技球が発射されたときに、差玉PCから1減算するようにしてもよく、差玉PCから1減算しないようにしてもよい。つまり、差玉PCは、一日の営業中における総差玉であってもよく、一日の営業中における最大差玉であってもよい。アウト球数は、遊技領域21aに到達した遊技球数であってもよく、当該遊技球数にファール球数を合算した遊技球数であってもよい。
【0053】
遊技機10の電気的構成について説明する。
図3に示すように、遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、遊技制御基板80、演出制御基板81、枠制御基板82、及び発射制御基板83を含む。
【0054】
遊技制御基板80と、演出制御基板81とは、遊技制御基板80から演出制御基板81へと、一方向に制御情報(信号、制御コマンド、及び電文など)を出力できるように接続される。遊技制御基板80は、所定の処理を実行し、演出制御基板81へ制御情報を出力する。演出制御基板81は、遊技制御基板80から入力した制御情報に基づいて所定の処理を実行する。遊技制御基板80と、枠制御基板82とは、双方向に制御情報を出力できるように接続される。枠制御基板82と、発射制御基板83とは、双方向に制御情報を出力できるように接続される。枠制御基板82は、所定の処理を実行し、遊技制御基板80及び発射制御基板83へ制御情報を出力する。発射制御基板83は、所定の手順で動作し、枠制御基板82へ制御情報を出力する。遊技機10の枠制御基板82と、管理装置90の管理ユニット制御基板95とは、遊技機10に設けられた接続端子板88を介して、双方向に制御情報を出力できるように接続される。
【0055】
遊技機10は、電源ユニット89を備える。一例として、電源ユニット89は、中枠13の裏側に設けられる。電源ユニット89は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板81及び枠制御基板82に対して供給する。枠制御基板82に供給された電力は、さらに遊技制御基板80及び発射制御基板83に対して供給される。電源ユニット89は、供給ソレノイド43a、発射ソレノイド43b、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット89は、メインスイッチ89aを備える。遊技機10は、メインスイッチ89aをオン状態としたまま電源ユニット89に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ89aをオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
【0056】
遊技制御基板80について詳しく説明する。
図4に示すように、遊技制御基板80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、乱数生成回路80dと、を備える。CPU80aは、遊技制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。ROM80bは、遊技制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶する。ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶する。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。一例として、変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。一例として、大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。一例として、はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
【0057】
RAM80cは、CPU80aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。RAM80cは、情報を記憶可能な手段の一例である。乱数生成回路80dは、ハードウェア乱数を生成する。遊技制御基板80は、CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
【0058】
遊技制御基板80は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15と接続される。CPU80aは、各センサD11~D15が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。CPU80aは、枠制御基板82から電波検知信号、第1扉開放信号、及び第2扉開放信号を入力可能である。遊技制御基板80は、各表示部31~36と接続される。CPU80aは、各表示部31~36の表示内容を制御可能である。遊技制御基板80は、各ソレノイドSL1,SL2と接続される。CPU80aは、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、それぞれ第2始動口23B、及び大入賞口23Cの開放態様を制御可能である。
【0059】
演出制御基板81について詳しく説明する。
演出制御基板81は、CPU81aと、ROM81bと、RAM81cと、を備える。CPU81aは、演出制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM81bは、演出制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶する。ROM81bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶する。RAM81cは、遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM81cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板81は、CPU81aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。演出制御基板81は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0060】
演出制御基板81は、表示演出装置19と接続される。CPU81aは、表示演出装置19の表示内容を制御可能である。一例として、CPU81aは、複数の制御レイヤにオブジェクトを配置し、それらの制御レイヤを重ね合わせた画像を生成し、表示演出装置19に表示させる。複数の制御レイヤには、それぞれ優先度が設定されている。CPU81aは、相対的に優先度が高い制御レイヤに配置されたオブジェクトを、相対的に優先度が低い制御レイヤに配置されたオブジェクトの手前にあるかのように表示させる。逆に、CPU81aは、相対的に優先度が低い制御レイヤに配置されたオブジェクトを、相対的に優先度が高い制御レイヤに配置されたオブジェクトの後に隠れるように表示させる。オブジェクトは、キャラクタ、文字(文字列)、アイコン、背景、エフェクト、及び記号などである。
【0061】
演出制御基板81は、音声演出装置17と接続される。CPU81aは、音声演出装置17の出力内容を制御可能である。演出制御基板81は、発光演出装置18と接続される。CPU81aは、発光演出装置18の発光態様を制御可能である。演出制御基板81は、演出操作部22と接続される。CPU81aは、演出操作部22が操作されたときに、演出操作部22が出力する操作信号を入力可能である。
【0062】
枠制御基板82について詳しく説明する。
図3に示すように、枠制御基板82は、CPU82a、ROM82b、RAM82c、性能表示モニタ82d、球抜きスイッチ82e、エラー解除スイッチ82f、遊技球クリアスイッチ82g、RAMクリアスイッチ82h、バックアップ電源82j、バックアップ回路82k、及び発射許可回路82mを備える。CPU82aは、枠制御プログラムを実行することにより、中枠13に搭載した機構の動作に関する処理を行う。ROM82bは、枠制御プログラムなどを記憶する。RAM82cは、遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM82cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
【0063】
性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する、通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、かつ大当り遊技が行われていないときの遊技である。有効球は、発射機構43(打出部)から発射された遊技球のうち、遊技領域21aへと到達した遊技球である。ベース値は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって求められる。
【0064】
球抜きスイッチ82eは、機内部にある遊技球を機外に排出可能となる状態(以下、球抜き状態と示す)を生起させるために操作される。球抜き状態は、流通機構40から遊技球を排出することが可能となる状態である。エラー解除スイッチ82fは、所定のエラーが設定された場合に、エラーの設定を解除するために操作される。エラーの設定は、エラーが検知された場合に行われる。遊技球クリアスイッチ82gは、RAM82cにデータとして記憶された遊技媒体数P2を0(零)に初期化するために操作される。RAMクリアスイッチ82hは、RAM80cに記憶される情報、及びRAM82cに記憶される情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)を行うときに操作される。RAMクリアスイッチ82hは、押込み操作がされるとRAMクリア信号を出力する。
【0065】
バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断(以下、電断と示す)された状態において、枠制御基板82のRAM82c、及び遊技制御基板80のRAM80cに対して、バックアップ用の電力を供給する。各RAM80c,82cは、バックアップ用の電力の供給を受けて、電断時におけるRAM80c,82cの記憶内容を電断後にも保持できる。これに限らず、RAM80c,82cの一方又は両方は、不揮発性メモリであることにより、電断後にも情報を保持可能であってもよい。バックアップの対象となる情報には、遊技媒体数P2、遊技情報、及び性能情報がある。一例として、遊技情報は、第1保留数、第2保留数、及び特別図柄など、遊技の進行に関わる情報である。一例として、遊技情報は、コンプリート機能の作動を示す情報であるコンプリートフラグを含む。一例として、性能情報は、ベース値を算出するのに必要な情報である。差玉PCは、バックアップの対象となる情報に含まれない。差玉PCは、電源断がされると初期化される。自動計数フラグは、バックアップの対象となる情報に含まれない。自動計数フラグは、電源断がされると初期化される。自動計数フラグについては後述する。
【0066】
バックアップ回路82kは、供給電圧が規定電圧未満になると、電断検出信号を、CPU80a及びCPU82aへ出力する。発射許可回路82mは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力するための回路である。発射許可信号の出力条件については後述する。
【0067】
枠制御基板82は、計数スイッチ16bと接続される。CPU82aは、計数スイッチ16bが出力する計数信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、電波センサD16、第1扉開放スイッチD17、第2扉開放スイッチD18、及び供給センサD19といった各種センサ及びスイッチと接続される。CPU82aは、電波検知信号、第1扉開放信号、及び第2扉開放信号といった、各種信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、電波検知信号、第1扉開放信号、第2扉開放信号、及び供給信号を入力すると、これらの各信号を遊技制御基板80へ出力する。
【0068】
枠制御基板82は、遊技媒体数表示部16aと接続される。CPU82aは、遊技媒体数表示部16aの表示内容を制御可能に構成される。枠制御基板82は、搬送部42A(搬送モータ42a)と接続される。CPU82aは、搬送部42Aの搬送動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、供給部43A(供給ソレノイド43a)と接続される。CPU82aは、供給ソレノイド43aに対する通電を制御することにより、供給部材(可動片)を変位させ、遊技球を供給する動作をさせることができる。
【0069】
枠制御基板82は、管理装置90と接続される。CPU82aは、管理ユニット制御基板95が出力する各種の制御情報(電文など)を入力可能に構成される。なお、管理装置90が出力する接続信号は、接続端子板88からCPU82aを経由せずに発射許可回路82mへ入力される。発射許可回路82mには、遊技制御基板80が出力する発射停止信号、及びCPU82aが出力するエラー信号等も入力される。
【0070】
発射制御基板83について詳しく説明する。
発射制御基板83は、発射機構43のうち打出部43Bの動作を制御するための発射制御回路83aを備える。発射制御回路83aは、枠制御基板82から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイド43bに対して駆動信号を出力する。発射制御基板83は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続される。発射制御回路83aは、タッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を入力可能に構成される。発射制御基板83は、発射ソレノイド43bと接続される。発射制御回路83aが発射ソレノイド43bに対して駆動信号を出力することにより、発射ソレノイド43bが駆動し、発射ハンマが遊技球を打撃する。
【0071】
発射制御回路83aは、パルスクロック生成部、動作判定部、遅延回路、タイミングパルス生成部、及びソレノイド駆動部を有する。パルスクロック生成部は、所定の周期tb(一例として600ms)でパルス信号を発生する。動作判定部は、動作可能条件が成立している場合、遅延回路を経由して、タイミングパルス生成部へ動作信号を出力する。動作判定部は、動作可能条件が成立していない場合、動作信号を出力しない。動作可能条件は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで成立する。動作判定部は、動作信号の出力を停止すると、動作停止信号を枠制御基板82へ出力する。枠制御基板82(CPU82a)は、動作停止信号を入力すると、所定の情報(以下、空打ち発生コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力する。
【0072】
遅延回路は、動作信号を入力すると、当該動作信号を、そのままタイミングパルス生成部へ出力する。遅延回路は、動作信号を入力しなくなった後も、予め定めた期間(以下、特定期間taと示す)にわたって動作信号を出力するように構成される。つまり、遅延回路は、動作信号の出力終了タイミングを遅延させる。一例として、特定期間taは、パルスクロック生成部によるパルス信号の発生周期tbの2倍の長さの期間である。これに限らず、特定期間taは、パルス信号の発生周期tbと同じ長さの期間であってもよく、2倍を超える長さの期間であってもよい。
【0073】
タイミングパルス生成部は、動作信号を入力している場合、当該動作信号とパルスクロック生成部から入力するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部へ出力する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを入力する毎に、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を、前記駆動信号として発射ソレノイド43bへ供給する。これにより、発射ソレノイド43bは、ハンドルレバーの回動操作量に応じた強度にて駆動し、遊技球が発射される。よって、パルス信号の発生周期tbは、遊技球の発射周期tbである。
【0074】
発射制御回路83aは、動作可能条件が成立している場合、発射ソレノイド43bが駆動するごとに、減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。発射制御回路83aは、動作可能条件が成立していない場合、発射ソレノイド43bが駆動しても、減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。一方、枠制御基板82のCPU82aは、減算基準信号を入力すると、供給ソレノイド43aに対する通電を制御し、供給部材(可動片)を変位させ、1球の遊技球を供給する動作をさせる。これにより、供給部43Aから1球の遊技球が切り出され、打出部43Bの打撃位置へ流入する。上述の通り、動作信号は、動作可能条件が非成立となって、減算基準信号が出力されなくなってからも、特定期間taにわたって出力される。よって、動作可能条件が非成立となっても、発射ソレノイド43bは、特定期間taにおいて1回以上動作し、所謂「空打ち」が実行され得る。
【0075】
枠制御基板82(CPU82a)が実行する処理について説明する。
枠側電断処理について説明する。
CPU82aは、バックアップ回路82kが出力する電断検出信号を入力すると、枠側電断処理を実行する。枠側電断処理において、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM82cに記憶させる。また、CPU82aは、枠側電断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM82cに記憶させる。その後、CPU82aは、完全に電断がされるまで待機する。電断のときにRAM82cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ用の電力によって電断後にも保持される。
【0076】
枠側電源投入処理について説明する。
CPU82aは、電源投入に伴って、枠制御基板82への供給電圧がCPU82aの動作に必要な電圧に達して起動すると、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、CPU82aは、RAM82cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、枠側電断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU82aは、バックアップフラグが記憶されており、かつチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされている情報が異常と判定した場合、CPU82aは、RAM82cに記憶された遊技媒体数P2及び遊技情報を初期化する。CPU82aは、性能情報を初期化しない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた遊技媒体数P2、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0077】
一方、バックアップされている情報が正常と判定した場合、CPU82aは、遊技球クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているか否かを判定する。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているとき、遊技媒体数P2を初期化する。CPU82aは、遊技情報及び性能情報を初期化しない。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されていないとき、遊技媒体数P2を初期化しない。CPU82aは、遊技情報及び性能情報を初期化しない。
【0078】
CPU82aは、RAMクリア信号を入力しているか否かに基づき、RAMクリアスイッチ82hが操作されたか否かを判定する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されているとき、RAM82cに記憶される遊技情報を初期化する。CPU82aは、遊技媒体数P2及び性能情報を初期化しない。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されていないとき、遊技情報を初期化しない。つまり、性能情報は、遊技媒体数P2が初期化される状況、及び遊技情報が初期化される状況の何れであっても初期化されない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた遊技媒体数P2、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、枠側通常処理を実行する。
【0079】
枠制御基板82の枠側通常処理について説明する。
枠側通常処理のうち遊技媒体数管理処理について説明する。
CPU82aは、遊技制御基板80から獲得賞球数情報を入力すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得賞球数を遊技媒体数P2に加算する。獲得賞球数情報は、所定の入賞口への入賞に伴い、賞球の付与条件が成立すると遊技制御基板80が出力する制御情報であって、当該入賞口に設定された賞球数を特定可能に構成される。
【0080】
CPU82aは、管理装置90から付与情報を入力すると、付与情報に示される付与球数を遊技媒体数P2に加算する。CPU82aは、供給センサD19によって、1球の遊技球が供給部43Aから打出部43Bへ供給されたことを検知すると、遊技媒体数P2を1減算する。これに限らず、CPU82aは、発射ソレノイド43bの駆動に応じて遊技媒体数P2を減算してもよい。前述の通り、CPU82aは、減算基準信号を入力すると、供給ソレノイド43aに対する通電を制御し、供給部材(可動片)を変位させ、1球の遊技球を供給する動作をさせる。これにより、供給部43Aから1球の遊技球が切り出され、打出部43Bの打撃位置へ流入する。CPU82aは、ファール球検知センサ(不図示)によってファール球が検知されると、遊技媒体数P2を1加算してもよい。CPU82aは、遊技媒体数表示部16aを制御し、その時々の遊技媒体数P2を表示させる。CPU82aは、減算の結果、遊技媒体数P2が0になると、遊技媒体数ゼロ信号を発射許可回路82mへ出力する。このように、CPU82aは、発射機構43の動作に応じて遊技媒体数P2を更新する。CPU82aは、遊技媒体数管理処理を実行することにより、遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段として機能できる。
【0081】
枠側通常処理のうち計数処理について説明する。
CPU82aは、計数可能状態である場合に、計数スイッチ16bの操作に基づいて、遊技媒体数P2に相当する遊技球を機外部へ移管する計数実行状態へ移行可能である。一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、かつ遊技媒体数P2が0ではない状態である。CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数報知部16cが点灯するように、計数報知部16cに内蔵された発光体を制御する。CPU82aは、計数実行状態である場合に、計数中信号を発射許可回路82mへ出力する。詳しくは後述する通り、CPU82aは、計数実行状態において、計数情報を管理装置90へ出力する。CPU82aは、計数情報から特定可能な計数球数を遊技媒体数P2から減算する。つまり、CPU82aは、電子化された遊技媒体としての遊技球を管理装置90へ移管する。CPU82aは、更新後の遊技媒体数P2を表示するように、遊技媒体数表示部16aを制御する。CPU82aは、計数処理を実行することにより、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段として機能できる。
【0082】
枠側通常処理のうち差玉監視処理について説明する。
差玉監視処理は、コンプリート機能の作動条件の成否を監視する処理である。CPU82aは、遊技制御基板80から獲得賞球数情報を入力すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得賞球数を差玉PCに加算する。一例として、差玉PCの管理は、RAM82cに記憶された基準値カウンタの更新により行われる。CPU82aは、差玉PCが1以上である場合に、供給センサD19によって、1球の遊技球が供給部43Aから打出部43Bへ供給されたことを検知すると、差玉PCを1減算する。CPU82aは、差玉PCが0である場合に、1球の遊技球が供給部43Aから打出部43Bへ供給されたことを検知しても、差玉PCを1減算しない。これに限らず、遊技盤20から排出される遊技球を検知するアウト球センサを回収機構41に設け、当該アウト球センサによって1球の遊技球が検知されるごとに、差玉PCを1減算してもよい。この場合に、アウト球センサによって検知される遊技球は、ファール球を含まないが、ファール球を含んでもよい。
【0083】
CPU82aは、更新の結果、差玉PCが作動基準数(一例として95000球)に達すると、コンプリート機能を作動させる。一例として、CPU82aは、コンプリートフラグをRAM82cに記憶させる。CPU82aは、コンプリートフラグが記憶されている間、遊技停止信号を発射許可回路82mへ出力する。CPU82aは、コンプリートコマンドを遊技制御基板80へ出力する。なお、CPU82aは、電源投入後、コンプリートフラグが記憶された状態で復帰し、枠側通常処理を開始した場合にも、コンプリートコマンドを遊技制御基板80へ出力する。コンプリートフラグは、RAM82cに記憶される遊技情報に含まれるから、RAMクリアスイッチ82hの操作に応じて初期化されるまで記憶保持される。
【0084】
枠側通常処理のうち枠側エラー処理について説明する。
枠側エラー処理は、エラーの発生を検知し、エラーを設定するための処理である。以下の説明では、あるエラーについて「設定する」と示す場合、当該エラーを特定可能な情報(フラグなど)をRAM等の記憶手段に記憶させることを意味する。あるエラーについて「設定を解除する」と示す場合、当該エラーを特定可能な情報をRAM等の記憶手段から消去させることを意味する。CPU82aは、エラーを設定すると、当該エラーの発生を特定可能な制御情報(以下、エラー発生コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力する。CPU82aは、エラーの設定を解除すると、当該エラーの解消を特定可能な制御情報(以下、エラー解消コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力する。
【0085】
CPU82aは、第1扉開放スイッチD17から第1扉開放信号を入力すると、前枠14が開放状態にある第1扉開放エラーを設定する。CPU82aは、第1扉開放信号を入力しなくなると、第1扉開放エラーの設定を解除する。CPU82aは、第2扉開放スイッチD18から第2扉開放信号を入力すると、中枠13が開放状態にある第2扉開放エラーを設定する。CPU82aは、第2扉開放信号を入力しなくなると、第2扉開放エラーの設定を解除する。
【0086】
CPU82aは、電波センサD16から電波検知信号を入力すると、電波エラーを設定する。電波エラーは、電波を用いた不正(ゴト行為)が行われている可能性が高い状態である。CPU82aは、電波エラーを設定すると、電源断がされるまで電波エラーを解除しない。なお、電源投入後、電波エラーが解消されておれば、電波エラーの設定がされず、電波エラーが再び検知されれば、電源投入後にも電波エラーが設定される。
【0087】
CPU82aは、供給センサD19が出力する供給信号に基づいて、供給部43Aに球詰りが発生していることを検知すると、供給センサエラーを設定する。一例として、CPU82aは、供給ソレノイド43aの駆動に伴い、供給信号がオン状態となってからオフ状態とならずに規定時間が経過すると、供給センサエラーを設定する。CPU82aは、エラー解除スイッチ82fが操作されると、供給センサエラーの設定を解除する。なお、供給センサエラーの設定が解除されても、供給部43Aにおける球詰りが解消されていなければ、所定時間の経過後に供給センサエラーが再設定される。
【0088】
CPU82aは、遊技媒体数P2が所定球数Z1を超えると、遊技球数オーバーエラーを設定する。CPU82aは、遊技媒体数P2が所定球数Z2未満になると、遊技球数オーバーエラーの設定を解除する(但し、Z2<Z1)。なお、遊技媒体数P2は、計数スイッチ16bの操作により、遊技媒体数P2の一部を計数球数として管理装置90へ出力することで減らすことができる。
【0089】
枠側通常処理のうちエラー報知処理について説明する。
CPU82aは、エラーを設定中、当該エラーを特定可能な情報の一例であるエラーコードを表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。CPU82aは、エラーコードの表示と、ベース値(性能情報)の表示とを所定時間毎に交互に切り替えるとよい。CPU82aは、複数通りのエラーを設定している場合、複数通りのエラーコード、及びベース値を所定時間ずつ順に表示させる。これに限らず、CPU82aは、エラーコードを表示させ、ベース値を表示させない構成であってもよい。CPU82aは、設定中のエラーが解除されると、エラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ82dを制御する。CPU82aは、エラーを設定中、当該エラーを特定可能なエラーコードを表示するように、遊技媒体数表示部16aを制御してもよい。遊技機10は、機裏側に、エラーコードを表示するための専用の表示部を備えてもよい。
【0090】
CPU82aは、特定のエラーを設定中、遊技球の発射を規制する制御を行いうる。一例として、CPU82aは、供給センサエラーを設定中、発射許可回路82mに対してエラー信号を出力する。ここで、発射許可回路82mは、管理装置90から接続信号を入力しており、遊技制御基板80から発射停止信号を入力しておらず、且つ、CPU82aから遊技媒体数ゼロ信号、計数中信号、遊技停止信号、及びエラー信号を入力していないときに発射許可信号を生成し、発射制御基板83へ出力する。つまり、発射許可信号がオン状態になる。このように、発射許可回路82mにおける発射許可信号の出力条件は、管理装置90から接続信号を入力しており、遊技制御基板80から発射停止信号を入力しておらず、且つ、CPU82aからエラー信号、計数中信号、遊技停止信号、及び遊技媒体数ゼロ信号を入力していないことによって成立する。
【0091】
管理装置90から接続信号を入力していることは、管理装置90と遊技機10とが正常に接続されていることを示す。CPU82aからエラー信号を入力していないことは、枠制御基板82にて遊技球の発射を禁止する必要があるエラーが発生していないことを示す。CPU82aから遊技媒体数ゼロ信号を入力していないことは、遊技媒体数P2が0ではないことを示す。CPU82aから計数中信号を入力していないことは、計数実行状態ではないことを示す。CPU82aから遊技停止信号を入力していないことは、コンプリート機能が作動中ではないことを示す。
【0092】
遊技制御基板80(CPU80a)が行う各種の処理について説明する。
メイン側電断処理について説明する。
CPU80aは、バックアップ回路82kが出力する電断検出信号を入力すると、メイン側電断処理を実行する。メイン側電断処理において、CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM80cに記憶させる。また、CPU80aは、バックアップフラグをRAM80cに記憶させる。その後、CPU80aは、完全に電断がされるまで待機する。電断のときにRAM80cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ用の電力によって電断後にも保持される。CPU80aは、メイン側電断処理を開始してから完全に電断がされるまで、発射停止信号を枠制御基板82(発射許可回路82m)へ出力する。
【0093】
メイン側電源投入処理について説明する。
遊技制御基板80のCPU80aは、電源投入に伴って起動すると、メイン側電源投入処理を実行する。CPU80aは、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。例えば、CPU80aは、RAM80cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、メイン側電断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU80aは、バックアップフラグが記憶されており、かつ、チェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされた情報が異常と判定された場合、CPU80aは、RAM80cに記憶された遊技情報を初期化する。CPU80aは、遊技情報が初期化されたことを特定可能な制御情報(以下、初期化コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、メイン側電源投入処理を終了する。
【0094】
バックアップされた情報を正常と判定した場合、CPU80aは、枠制御基板82を経由して、RAMクリアスイッチ82hからRAMクリア信号を入力しているか否かを判定する。なお、RAMクリアスイッチ82hは、遊技制御基板80に設けられてもよく、遊技制御基板80とは異なる制御基板に設けられてもよい。RAMクリア信号を入力している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されている遊技情報を初期化する。この場合、CPU80aは、初期化コマンドを演出制御基板81へ出力する。一方、RAMクリア信号を入力していない場合、CPU80aは、バックアップされた遊技情報に基づいて復帰することを特定可能な制御情報(以下、復電コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、メイン側電源投入処理を終了する。
【0095】
CPU80aは、メイン側電源投入処理を開始してからメイン側電源投入処理を終了するまでの間、発射停止信号を枠制御基板82(発射許可回路82m)へ出力する。つまり、メイン側電源投入処理が終了すると、発射停止信号の出力が停止される。発射停止信号の出力は、復電コマンド又は初期化コマンドの出力と同時に、又は復電コマンド又は初期化コマンドの出力直後に終了する。そして、CPU80aは、メイン側電源投入処理を終了すると、タイマ割込み処理を許可する。つまり、タイマ割込み処理は、遊技情報が初期化されていれば、初期化後の遊技情報に基づいて実行される。この場合に、CPU80aは、第1保留数及び第2保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて各種の処理を実行する。タイマ割込み処理は、遊技情報が初期化されていなければ、バックアップされている遊技情報に基づいて実行される。この場合に、CPU80aは、第1保留数及び第2保留数が電断時の保留数であり、電断時に第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されていれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、電断時に大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。
【0096】
CPU80aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。タイマ割込み処理として実現される処理には、後述する大当り遊技処理、状態移行処理、及びメイン側エラー処理のための処理も含まれる。
【0097】
特別図柄入力処理について説明する。
CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23Aへ入球した場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第1保留数が上限数(一例として4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第1保留数を1加算して更新する。続けて、CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部33を制御する。CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な制御情報を演出制御基板81へ出力する。第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD11によって検知されると成立する。
【0098】
次に、CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
【0099】
CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第1始動口23Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合に、第2始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口23Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口23Bへ入球している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第2保留数が上限数(一例として4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第2保留数を1加算して更新する。CPU80aは、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部34を制御する。CPU80aは、更新後の第2保留数を特定可能な制御情報を演出制御基板81へ出力する。第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD12によって検知されると成立する。
【0100】
次に、CPU80aは、遊技制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。遊技機10は、特別ゲームに用いる乱数情報をRAM80cに記憶させておくことで、当該特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第2始動口23Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0101】
特別図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU80aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU80aは、大当り遊技中ではなく、かつ何れの特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は何れかの特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU80aは、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、CPU80aは、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0102】
第1保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU80aは、第1保留数を1減算して更新する。CPU80aは、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部33を制御する。CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な制御情報を演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM80cから取得する。CPU80aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。CPU80aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。一例として、大当り抽選は、当り乱数の値が大当りとする値であるか否かにより行うとよい。
【0103】
大当りに当選した場合、CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU80aは、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0104】
大当りに当選しなかった場合、CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU80aは、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0105】
第2保留数が零よりも大きい場合、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU80aは、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0106】
CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板81へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御情報である。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御情報である。変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御情報である。
【0107】
特別図柄開始処理を終了すると、CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部31を制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示部31を制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御情報(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。
【0108】
一例として、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部32を制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示部32を制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板81へ出力する。
【0109】
大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU80aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU80aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。
【0110】
最初に、CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御情報(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口23Cを開状態とする。CPU80aは、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口23Cを閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御情報(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御情報(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU80aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御情報(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板81に出力してもよい。
【0111】
状態移行処理について説明する。
一例として、CPU80aは、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高確率状態に制御する。CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一例として、CPU80aは、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットしない。つまり、CPU80aは、低確率状態に制御する。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0112】
一例として、CPU80aは、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RAM80cに作動フラグをセットする。つまり、CPU80aは、高入球率状態に制御する。CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、RAM80cに記憶される実行カウンタの値を更新することにより、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。一例として、CPU80aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、RAM80cに記憶される作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
【0113】
メイン側エラー処理について説明する。
メイン側エラー処理では、各種のエラーの設定、エラーの設定の解除、及び所定の制御情報(制御コマンド)の出力が行われる。CPU80aは、枠制御基板82からエラー発生コマンドを入力すると、当該コマンドを演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、枠制御基板82からエラー解消コマンドを入力すると、当該コマンドを演出制御基板81へ出力する。
【0114】
CPU80aは、第1扉開放スイッチD17から、枠制御基板82を経由して第1扉開放信号を入力した場合、第1扉開放エラーを設定する。CPU80aは、第2扉開放スイッチD18から、枠制御基板82を経由して第2扉開放信号を入力した場合に、第2扉開放エラーを設定する。扉開放エラーを設定した場合に、CPU80aは、所定の制御情報(以下、扉開放エラー設定コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、第1扉開放信号を入力しなくなった場合に、第1扉開放エラーの設定を解除する。CPU80aは、第2扉開放信号を入力しなくなった場合に、第2扉開放エラーの設定を解除する。第1扉開放エラーの設定、及び第2扉開放エラーの設定を何れも解除した場合に、CPU80aは、所定の制御情報(以下、扉開放エラー解除コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、第1扉開放エラーを設定してから当該設定を解除するまでの間、発射停止信号を枠制御基板82(発射許可回路82m)へ出力する。
【0115】
CPU80aは、空打ち発生コマンドを入力した場合に、所定の制御情報(以下、空打ち報知コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。CPU80aは、コンプリートコマンドを入力した場合に、所定の制御情報(以下、コンプリート報知コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。そして、CPU80aは、遊技停止状態を生起させる。一例として、CPU80aは、第1始動センサD11、第2始動センサD12、及びゲートセンサD15による遊技球の検知を無効化する。つまり、CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を入力しても第1保留数を増加させない。CPU80aは、第2始動センサD12から検知信号を入力しても第2保留数を増加させない。CPU80aは、ゲートセンサD15から検知信号を入力しても普通ゲームの保留数を増加させない。CPU80aは、普通ソレノイドSL1を制御して第2始動口23Bを閉鎖させる。CPU80aは、特別ソレノイドSL2を制御して大入賞口23Cを閉鎖させる。
【0116】
演出制御基板81(CPU81a)が実行する各種の処理について説明する。
サブ側電源投入処理について説明する。
CPU81aは、電源投入に伴って起動すると、初期化コマンド又は復電コマンドを入力するまで待機する。CPU81aは、初期化コマンド又は復電コマンドを入力すると、サブ側電源投入処理を実行する。
【0117】
CPU81aは、初期化コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、RAMクリア報知(初期化報知)を実行させる。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な情報(以下、RAMクリア情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含む。CPU81aは、RAMクリア報知を開始してから所定時間(例えば30秒)が経過すると、RAMクリア報知を終了するように演出機器ESを制御する。CPU81aは、初期化コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び所定の演出図柄の組合せを表示するように表示演出装置19を制御する。
【0118】
CPU81aは、復電コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、復電報知を実行させる。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列など、RAMクリアの非実行を特定可能な情報(以下、復電情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含む。CPU81aは、復電報知を開始してから所定時間(例えば30秒)が経過すると、復電報知を終了するように演出機器ESを制御する。これに限らず、CPU81aは、復電報知を実行させない構成であってもよい。CPU81aは、復電コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び上記所定の演出図柄の組合せとは異なる演出図柄の組合せを表示するように表示演出装置19を制御する。
【0119】
CPU81aは、初期化コマンド又は復電コマンドを入力すると、所定の制御周期(例えば108ms)毎に、各種の通常時処理を実行する。通常時処理には、サブ側エラー処理、大当り演出処理、及び演出ゲーム処理などが含まれる。
【0120】
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU81aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。CPU81aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。CPU81aは、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。CPU81aは、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。大当り演出は、所定の演出の一例である。大当り演出は、所定の演出音声を音声演出装置17から出力する音声演出を伴わせて実行される。所定の演出音声は、人や動物の声、楽曲(BGM)、及び効果音等であるとよい。
【0121】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU81aは、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。具体的に、CPU81aは、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、CPU81aは、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、CPU81aは、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
【0122】
CPU81aは、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、表示演出装置19を制御する。つまり、CPU81aは、演出ゲームを開始させる。また、CPU81aは、演出ゲームに関連して予告演出を実行させる場合、当該予告演出を実行するように、表示演出装置19を含む演出機器ESを制御する。予告演出は、実行中である演出ゲームが大当りとなる期待度(以下、大当り期待度と示す)を示唆又は報知する演出である。演出ゲーム及び予告演出は、所定の演出の一例である。演出ゲーム及び予告演出は、所定の演出音声を音声演出装置17から出力する音声演出を伴わせて実行される。所定の演出音声は、人や動物の声、楽曲(BGM)、及び効果音等であるとよい。
【0123】
CPU81aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定で停止表示させる。なお、CPU81aは、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0124】
サブ側エラー処理について説明する。
サブ側エラー処理は、遊技制御基板80から入力したエラーに関するコマンドに応じて、エラー報知を実行させるための処理である。
【0125】
CPU81aは、扉開放エラー設定コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、扉開放エラー報知を実行させる。一例として、扉開放エラー報知は、中枠13及び前枠14のうち少なくとも1つが開放されていることを特定可能な情報(以下、扉開放エラー情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含む。一例として、扉開放エラー情報は、「扉が開いています」の文字列である。CPU81aは、扉開放エラー解除コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、扉開放エラー報知を終了させる。つまり、扉開放エラー情報の表示が終了する。
【0126】
CPU81aは、コンプリート報知コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、コンプリート機能が作動したことの報知(以下、コンプリート報知と示す)を実行させる。一例として、コンプリート報知は、コンプリート機能が作動したことを特定可能な情報(以下、コンプリート情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含む。一例として、コンプリート情報は、「本日の遊技は終了」の文字列のように、コンプリート機能が作動中であることを間接的に示す情報である。一例として、コンプリート情報は、「コンプリート機能作動中」の文字列のように、コンプリート機能が作動中であることを直接的に示す情報を含んでもよい。
【0127】
CPU81aは、空打ち報知コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、空打ち発生報知を実行させる。一例として、空打ち発生報知は、空打ちが発生したことを特定可能な情報(以下、空打ち発生情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含む。一例として、空打ち発生情報は、星を模した画像を表示する態様にて表示される。空打ち発生報知は、空打ちが発生したことを特定可能な特定発光パターンにて発光演出装置18を発光、消灯、又は点灯させることを含むとよい。特定発光パターンは、空打ち発生報知に専用の発光パターンであってもよく、所定のエラーと兼用の発光パターンであってもよい。CPU81aは、空打ち報知コマンドを入力してから、特定期間taが経過すると、演出機器ESを制御し、空打ち発生報知を終了させる。つまり、空打ち発生情報の表示が終了する。
【0128】
CPU82aは、遊技制御基板80から、遊技球数オーバーエラーの発生を特定可能なエラー発生コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、遊技球数オーバー報知を実行させる。一例として、遊技球数オーバー報知は、遊技球数オーバーエラーが発生したことを特定可能な情報(以下、遊技球数オーバー情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含む。一例として、遊技球数オーバー情報は、「遊技球数オーバーが発生!」の文字列のように、遊技球数オーバーエラーの発生を直接的に示す情報である。遊技球数オーバー情報は、遊技球数オーバーエラーの発生を間接的に示す情報であってもよい。遊技球数オーバー報知は、遊技球数オーバーエラーの発生を特定可能な発光パターンにて発光演出装置18を発光、消灯、又は点灯させることを含んでもよい。この発光パターンは、遊技球数オーバー報知に専用の発光パターンであってもよく、所定のエラーと兼用の発光パターンであってもよい。一例として、遊技球数オーバー報知は、「遊技球数が所定球数を越えています」の文字列を読み上げる音声など、遊技球数オーバーエラーの発生を特定可能な音声を音声演出装置17から出力することを含んでもよい。CPU81aは、遊技球数オーバーエラーの解消を特定可能なエラー解消コマンドを入力すると、遊技球数オーバー報知を終了させる。つまり、遊技球数オーバー情報の表示が終了する。
【0129】
このように、遊技球数オーバー報知は、遊技媒体数P2が所定球数Z1を越えると開始され、遊技球数が所定球数Z2を下回ると終了される。遊技球数オーバーは、エラーとして扱ったが、他のエラーのように遊技に支障を与えるものではなく、遊技球数が増えすぎていることを遊技者に注意喚起する意味合いが強い。遊技球数オーバー報知は、遊技媒体数P2として示される遊技中の遊技者の持ち球を移管させることを促す報知に相当する。遊技球数オーバー報知は、持ち球を移管させるために計数スイッチ16bの操作が必要であるから、計数スイッチ16bの操作を促す報知であるとも言える。
【0130】
遊技球の発射停止条件には、複数通りの条件がある。
一例として、発射停止条件には、条件[1]~[10]の10通りがある。条件[1]は、タッチセンサD01からのタッチ信号がオフ状態になることである。条件[2]は、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオン状態になることである。条件[3]は、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)が0になることである。条件[4]は、計数実行状態に移行することである。条件[5]は、遊技媒体数P2が0になっていることである。条件[1]~[5]は、所定のエラーが検知されることとは異なる特定の条件の一例である。遊技機10では、所定のエラーが検知されることとは異なる特定の条件が成立したことに応じて、遊技球を発射するための動作が制限される。そして、演出機器ESでは、遊技球を発射するための動作の制限を認識できるように特定の報知が行われる。特定の条件の一部又は全部は、電子的に管理する媒体数(一例として遊技媒体数P2)が0(零)になったことである。
【0131】
条件[6]は、遊技制御基板80から発射停止信号が出力されていることである。発射停止信号は、メイン側電源投入処理を実行中であるとき(条件[6A])、メイン側電断処理を実行中であるとき(条件[6B])、第1扉開放エラーを設定中であるとき(条件[6C])に出力される。このように、遊技機10では、所定の条件が成立したことに応じて、遊技制御基板80から枠制御基板82へ、遊技球を発射するための動作の制限を指示する発射停止信号(情報)を出力できる。条件[6A]~[6C]は、所定の条件の一例である。つまり、所定の条件は、複数ある。また、所定の条件の一部又は全部は、所定のエラーが検知されることである。第1扉開放エラーは、所定のエラーの一例である。
【0132】
条件[7]は、管理装置90から接続信号を入力していないことである。例えば、管理装置90と枠制御基板82とが接続されていない状況、及びケーブルに断線が発生した状況が想定される。条件[8]は、枠制御基板82において発射停止になるエラーが設定されていることである。一例として、発射停止になるエラーは、供給センサエラーである。条件[9]は、枠制御基板82と発射制御基板83との接続に異常があることである。例えば、枠制御基板82と発射制御基板83とが接続されていない状況、及びケーブルに断線が発生した状況が想定される。条件[10]は、コンプリート機能が作動したことである。
【0133】
遊技機10は、計数スイッチ16bを操作することによって、遊技媒体数P2に示される遊技媒体を外部機器(一例として管理装置90)へと移管可能に構成される。以下の説明では、遊技媒体数P2に示される遊技媒体のうち、一部又は全部を計数して外部機器に移管することを単に「計数」と示す場合がある。外部機器への遊技媒体の移管は、移管させる遊技媒体数を特定可能な制御情報として、計数情報を生成し、該計数情報を外部機器へと出力することによって行われる。以下の説明では、計数情報に特定される遊技媒体数を「指示数」と示す場合がある。
【0134】
遊技機10は、自動計数機能を搭載する。自動計数機能は、計数スイッチ16bを操作しなくても、遊技媒体数P2の計数を自動的に進行させることができる機能である。自動計数機能が作動中である場合に、計数情報は、計数スイッチ16bを用いた特定の操作をしなくても、遊技媒体を機外部に移管するように生成及び出力される。自動計数機能が非作動中である場合に、計数情報は、計数スイッチ16bを用いた特定の操作に応じて、遊技媒体を機外部に移管するように生成及び出力される。自動計数機能が非作動中であることは、自動計数機能がオフであることである。自動計数機能がオフである状態は、遊技媒体の移管に関する第1制御モードとなる。自動計数機能が作動中であることは、自動計数機能がオンであることである。自動計数機能がオンである状態は、遊技媒体の移管に関する第2制御モードとなる。このように、遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがある。第1制御モードは、所謂「手動計数モード」であり、第2制御モードは、所謂「自動計数モード」である。
【0135】
自動計数機能の切替え処理について説明する。
切替え処理は、自動計数機能のオンとオフとを切り替える処理である。一例として、自動計数機能は、計数スイッチ16bを用いた所定の操作によって、オンとオフとを切替え可能である。
【0136】
自動計数機能をオフからオンに切り替える処理について説明する。
CPU82aは、自動計数機能がオフである場合に、計数スイッチ16bの操作が開始されると、計数スイッチ16bの操作時間を計測する。一例として、CPU82aは、RAM82cに記憶される第2操作タイマの値を更新することによって操作時間を計測する。CPU82aは、計数スイッチ16bの操作が開始されてから終了する迄の操作時間が第3操作時間Tp(一例として4000ms)未満であれば、自動計数機能をオンに切り替えない。一方、CPU82aは、計数スイッチ16bの操作が開始されてから終了する迄の操作時間が第3操作時間Tp以上であれば、自動計数機能をオンに切り替える。すなわち、CPU82aは、RAM82cに自動計数フラグを記憶させる。CPU82aは、自動計数機能をオンに設定すると、所定の制御情報(以下、自動計数開始コマンドと示す)を遊技制御基板80に出力する。遊技制御基板80のCPU80aは、自動計数開始コマンドを入力すると、所定の制御情報(以下、開始報知コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0137】
自動計数機能をオンからオフに切り替える処理について説明する。
CPU82aは、自動計数機能がオンである場合に、計数スイッチ16bの操作が開始されると、自動計数機能をオフに切り替える。すなわち、CPU82aは、RAM82cに自動計数フラグを消去する。詳しくは後述するように、自動計数機能がオンからオフに切り替えられると、新たに計数スイッチ16bを操作しなければ、計数情報が出力されない。CPU82aは、自動計数機能をオフに設定すると、自動計数機能がオフに設定されたことを特定可能な制御情報(以下、自動計数解除コマンドと示す)を遊技制御基板80に出力する。遊技制御基板80のCPU80aは、自動計数解除コマンドを入力すると、所定の制御情報(以下、解除報知コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0138】
次に、計数情報生成処理について説明する。
計数情報生成処理は、枠制御基板82のCPU82aが遊技媒体数P2をもとに計数情報を生成する処理である。計数情報生成処理において、CPU82aは、計数スイッチ16bの操作に基づいて計数情報を生成できる。計数情報生成処理において生成された計数情報は、後述する情報入出力処理によって管理装置90に出力される。
【0139】
自動計数機能がオフ(第1制御モード)である場合の処理内容について説明する。
図5に示すように、計数情報は、計数スイッチ16bの操作態様に応じて異なる指示数(計数球数)に対応する制御情報として生成される。一例として、計数スイッチ16bの操作態様が第1操作態様である場合に、計数情報は、1球を特定可能な情報(以下、第1計数情報と示す)として生成される。計数スイッチ16bの操作態様が第2操作態様である場合に、計数情報は、最大で250球を特定可能な情報(以下、第2計数情報と示す)として生成される。一例として、第1操作態様は、計数スイッチ16bの操作を開始してからの操作時間を第1操作時間Tm(一例として500ms)未満とする短押し操作である。一例として、第2操作態様は、計数スイッチ16bの操作を開始してからの操作時間を第1操作時間Tm以上とする長押し操作である。遊技機10は、計数スイッチ16bの操作態様によって、1球又は250球というように、移管する遊技球数を調節可能に構成される。
【0140】
ここで、遊技媒体数P2を短時間で移管するためには、計数スイッチ16bの1回の短押し操作、又は長押し操作によって、できるだけ多くの遊技媒体数P2を移管することが好ましいともいえる。しかし、第1操作態様の操作を有効にする理由は、例えば遊技球数が「1202球」であるときに一の位の「2球」を移管させるなど、端数を遊技者の判断で移管できるように利便性を図ることが考えられる。また、計数スイッチ16bの1回の短押し操作、又は長押し操作によって、全ての遊技媒体数P2を移管させない理由は、計数情報の出力中に通信障害などの理由で全てが消滅するなどの事態を防止するためである。また、段階的に移管させた方が、遊技者は、持ち球の実感が湧きやすく、安心感を得られる。
【0141】
CPU82aは、計数スイッチ16bの操作時間を計測する。一例として、CPU82aは、RAM82cに記憶される第1操作タイマの値を更新することによって操作時間を計測する。CPU82aは、計数スイッチ16bの操作が開始されてから終了する迄の操作時間が第1操作時間Tm未満であれば、第1計数情報を生成する。CPU82aは、計数スイッチ16bの操作が開始されてからの操作時間が第1操作時間Tm以上になると、第2計数情報を生成する。この場合に、CPU82aは、遊技媒体数P2が250球を越えている場合に、250球を特定可能な第2計数情報を生成する。一方、CPU82aは、遊技媒体数P2が250球未満の場合、その数を特定可能な計数情報を生成する。なお、CPU82aは、計数スイッチ16bの操作時間が第1操作時間Tm以上であっても、その時点の遊技媒体数P2が1球であれば、操作時間が第1操作時間Tm未満であるときと同様に1球を特定可能な第2計数情報を生成する。また、CPU82aは、計数スイッチ16bの操作時間が第1操作時間Tmを超えても連続的(継続的)に操作されている場合、以降、操作時間が第2操作時間Tn(一例として300ms)に達する毎に、第2計数情報を生成する。CPU82aは、移管の結果、遊技媒体数P2が0になると、計数完了を特定可能な制御情報(以下、計数完了コマンドと示す)を遊技制御基板80に出力する。遊技制御基板80のCPU80aは、計数完了コマンドを入力すると、所定の制御情報(以下、完了報知コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0142】
以上のように、計数スイッチ16bの操作時間の増加に応じて計数球数を増加させることにより、遊技媒体数P2の遊技球を管理装置90へ移管する時間が短縮されうる。例えば、遊技媒体数P2が50000球であるとする。この場合に、計数スイッチ16bを短押し操作して全ての遊技媒体数P2を移管しようとする場合に、計数スイッチ16bの操作回数は、50000回となる。仮に、1回の短押し操作を500msに満たないが、500msに近い時間で行ったとすると、全ての遊技媒体数P2を移管させるためには、約2500秒の時間を要する。一方、計数スイッチ16bを長押し操作すれば、約60秒で済む。つまり、計数スイッチ16bの第2操作態様によれば、移管のための時間短縮を図り得る。このような時間短縮は、遊技を止めるために必要な時間が長くなることによる遊技者の煩わしさや、遊技球数を一旦移管させて遊技を継続しようとする遊技者の煩わしさも抑制し得る。なお、自動計数機能がオフであり続ける場面において、第2計数情報を生成させ続けるには、計数スイッチ16bを長押し操作し続ける必要がある。
【0143】
自動計数機能がオン(第2制御モード)である場合の処理内容について説明する。
自動計数機能がオンである場合に、CPU82aは、自動計数機能がオフに設定されるか、遊技媒体数P2が0になる迄の間、自動計数時間Tq(一例として300ms)が経過する毎に、特定計数情報を生成する。自動計数時間Tqと第2操作時間Tnとは、Tn=Tqの関係を満たす。これに限らず、自動計数時間Tqと第2操作時間Tnとは、Tn<Tqの関係を満たしてもよく、Tq<Tnの関係を満たしてもよい。
【0144】
CPU82aは、遊技媒体数P2が250球を越えている場合に、250球を特定可能な特定計数情報を生成する。一方、CPU82aは、遊技媒体数P2が250球未満の場合、その数を特定可能な特定計数情報を生成する。このように、一例として、特定計数情報と第2計数情報とは、機外部へ移管する遊技球数として1球~250球を特定可能である点、及びその生成周期が同じである点で同じ性質を有する。特定計数情報と第2計数情報とは、特定計数情報が計数スイッチ16bを用いた断続的又は連続的な操作を必要とせずに生成される一方、第2計数情報が計数スイッチ16bを用いた断続的又は連続的な操作に基づいて生成される点で異なる性質を有する。第1計数情報も同様である。CPU82aは、遊技媒体数P2が0になると計数完了コマンドを遊技制御基板80に出力する。遊技制御基板80のCPU80aは、計数完了コマンドを入力すると完了報知コマンドを演出制御基板81に出力する。
【0145】
一例として、各操作時間Tm,Tn,Tpは、Tn<Tm<Tpの関係を満たす。これに限らず、各操作時間Tm,Tn,Tpは、Tm<Tn<Tpの関係を満たしてもよく、Tm=Tn<Tpの関係を満たしてもよい。一例として、第3操作時間Tpは、第1操作時間Tmに第2操作時間TnをN倍した時間を加算した時間よりも長い(但しNは自然数)。これに限らず、第3操作時間Tpは、第1操作時間Tmの1倍を超える長さであることが好ましく、第2操作時間Tnの1倍を超える長さであることが好ましい。つまり、第3操作時間Tpは、長押し操作に基づく計数情報の生成が1回又は複数回にわたって行われ得る長さの時間であるとよい。
【0146】
自動計数機能がオフであり続けると仮定し、長押し操作によって、3000球を超える遊技媒体を移管する場面では、1回の第1操作時間Tm(500ms×1)及び12回の第2操作時間Tn(300ms×12)に相当する4100ms以上の時間にわたって、計数スイッチ16bを操作し続けなければならない。一方、長押し操作によって自動計数機能がオンに設定される場面では、第3操作時間Tp(4000ms)にわたる長押し操作を行った後は、計数スイッチ16bの操作をしなくても、自動計数によって3000球を超える遊技媒体の移管を完了させ得る。自動計数機能がオフであり続けると仮定し、短押し操作によって、3000球を超える遊技媒体を移管する場面では、3000回以上にわたって、計数スイッチ16bを操作し続けなければならない。仮に、1回の短押し操作を500msに満たないが、500msに近い時間で行ったとすると、全ての遊技媒体数P2を移管させるためには、約1500秒を超える時間を要する。一方、長押し操作によって自動計数機能がオンに設定される場面では、第3操作時間Tp(4000ms)にわたる1回の長押し操作をした後は、計数スイッチ16bの操作をしなくても、自動計数によって3000球を超える遊技媒体の移管を完了させ得る。
【0147】
このように、所定数を超える遊技媒体を機外部に移管させるために必要な計数スイッチ16bの操作量(操作回数又は操作時間)は、第1制御モードであるときに比して第2制御モードであるときの方が少なくなる。計数スイッチ16bは、連続操作時間が第1操作時間Tm以上となる長押し操作が可能である。第1操作時間Tmは、規定時間の一例である。所定数は、所定量の長押し操作がされたときに機外部に移管される遊技媒体数であるとよい。1回の第1操作時間Tm及び12回の第2操作時間Tnにわたる長押し操作は、所定量の長押し操作の一例である。所定数は、一例として3000球である。
【0148】
また、第1操作又は第2操作に基づく特定情報の出力は、第1規定数の遊技媒体を機外部に移管するように実行できるといえる。短押し操作は、第1操作の一例である。第1操作時間Tmを超えて第3操作時間Tpを超えない長押し操作は、第2操作の一例である。第1規定数は、一例として、1球又は250球である。第3操作に基づく特定情報の出力は、第1規定数に比して多い第2規定数の遊技媒体を機外部に移管するように実行可能であるといえる。第3操作時間Tpを超える長押し操作は、第3操作の一例である。第2規定数は、一例として、所定数である3000球を超える遊技媒体数である。
【0149】
枠側通常処理に含まれる情報入出力処理について説明する。
情報入出力処理は、枠制御基板82が外部機器との間で遊技球数に関する各種情報(以下、遊技球情報と示す)を入力及び出力するための処理である。一例として、外部機器は、管理装置90である。
【0150】
図6に示すように、CPU82aは、予め決められた順序で遊技球情報を出力及び入力する処理を行う。CPU82aは、遊技機10の電源が投入されて起動した後、周期T毎に情報入出力処理を繰り返し実行する。一例として、周期Tは、300msである。周期Tは、計数スイッチ16bの操作態様が長押し操作となる第1操作時間Tm(一例として500ms)よりも短く、計数スイッチ16bを長押し操作にて操作した場合に計数情報が生成される周期に相当する第2操作時間Tn(一例として300ms)と同じであるとよい。情報入出力処理においてCPU82aは、管理装置90との間で電文を入出力(送受信)する。一例として、電文には、情報通知と、計数通知と、貸出通知と、貸出受領と、がある。これら4種類の電文は、周期T毎に、予め定められた順番で入出力される。
【0151】
各周期Tにおいて、電文は、情報通知→計数通知→貸出通知→貸出受領の順に入出力される。情報通知は、遊技機10に関する情報を通知する電文である。情報通知の通知内容は、RAM82cにデータとして記憶されている遊技媒体数P2を含む。計数通知は、計数スイッチ16bの操作によって計数された遊技球の個数に関する情報を通知する電文である。計数通知の通知内容は、周期Tで出力される計数球数と、遊技機10に電源が投入されている間に計数された計数球数の累積値に相当する計数累積球数と、を含む。つまり、計数通知は、計数情報である。計数累積球数はRAM82cにデータとして記憶されており、遊技機10の電源投入時に0(零)にクリアされる。
【0152】
貸出通知は、遊技球の貸出数に関する情報を通知する電文である。貸出通知は、操作パネル93の玉貸操作部(又は払出操作部)が操作された場合に、貸出す遊技球の個数に応じた数を通知する。貸出通知は、付与情報の一例である。貸出通知は、周期Tにおける計数通知の計数球数が1以上の場合に0(零)を通知する。貸出受領は、貸出通知の受領結果に関する情報を通知する電文である。貸出受領は、貸出通知の受領結果が正常である場合は正常を通知する一方で、貸出通知の受領結果が異常である場合は異常を通知する。受領結果が異常になる場合は、遊技機10が球抜き状態である場合と、RAM82cに記憶されている遊技球数が100000球以上である場合と、を含む。
【0153】
周期Tにおいて、CPU82aは、管理装置90に対して情報通知を出力する。次に、同一周期Tにおいて、CPU82aは、情報通知の出力後に管理装置90に対して計数通知を出力する。このとき、CPU82aは、計数球数が0(零)であれば0(零)を示すデータを出力する。一方、CPU82aは、計数球数が1以上であれば、250球を1回の周期Tで出力可能なデータの最大値として、1以上を示すデータを出力する。次に、同一周期TにおいてCPU82aは、計数通知の出力後に管理装置90が出力する貸出通知を入力する。次に、同一周期TにおいてCPU82aは、貸出通知の入力後に管理装置90に対して貸出受領を出力する。その後、CPU82aは、周期Tの経過後、次の周期Tの開始によって新たな情報通知を出力する。以上のようにCPU82aは、周期T毎に、情報通知、計数通知、貸出通知及び貸出受領の入出力を繰り返す。なお、CPU82aは、周期T内での計数スイッチ16bの操作によって発生した計数球数は、当該周期T内では出力せず、次の周期T以降の計数通知で出力する。
【0154】
計数情報生成処理及び情報入出力処理は、遊技媒体を機外部に移管するように実行される所定の制御の一例である。計数情報生成処理及び情報入出力処理を実行するCPU82aは、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段の一例として機能できる。また、計数情報生成処理及び情報入出力処理を実行するCPU82aは、遊技媒体の移管に関する特定情報を出力可能な出力手段の一例として把握することもできる。計数情報(計数通知)は、特定情報の一例である。
【0155】
ここで、1回の周期Tにおける情報入出力処理について仮想的に数を当て嵌めて具体的に説明する。仮想的な数は、遊技媒体数P2を600球とし、ある周期Tが開始される前の計数球数を250球とする。ある周期Tが開始される前の計数累積球数を0(零)とする。図6及び図7では、計数累積球数を累積球数と図示する。
【0156】
CPU82aは、周期Tの開始時点での遊技媒体数P2が600球であるから、「遊技球数=600球」を示すデータを含む情報通知を管理装置90へ出力する。次に、CPU82aは、情報通知の出力後に、周期Tの開始時点で計数されている計数球数が250球であるから、「計数球数=250球」を示すデータ及び「計数累積球数=250球」を示すデータを含む計数通知を管理装置90へ出力する。なお、CPU82aは、計数通知を出力する際、計数通知で出力する計数球数の移管が成功した場合の遊技媒体数P2、つまり情報通知で出力した遊技球数から計数通知で出力した計数球数を減算した減算後遊技球数(ここでは350球)を、遊技球数とは別にRAM82cに記憶する。
【0157】
次に、CPU82aは、貸出通知を入力すると、計数通知で出力した計数球数に相当する個数分の遊技球が管理装置90へ移管されたことを特定する。CPU82aは、貸出通知を正常に入力している場合、受領結果として「正常」を示す貸出受領を管理装置90へ出力する。このとき、CPU82aは、計数通知で出力した計数球数に相当する個数分の遊技球を外部に移管させたことでRAM82cに記憶する遊技媒体数P2を更新する。一例として、CPU82aは、計数通知を出力した際にRAM82cに記憶した減算後遊技球数と等しくなるように、RAM82cに記憶されている遊技媒体数P2を更新する。つまり、遊技媒体数P2は、この時点で600球から250球を減算した350球に更新される。ここで、遊技媒体数P2の更新手法は、遊技媒体数P2に減算後遊技球数を上書きしてもよく、遊技媒体数P2と減算後遊技球数の差分を、遊技媒体数P2から減算してもよい。なお、差分は、計数通知で出力した計数球数に相当する。その後、CPU82aは、RAM82cに記憶されている減算後遊技球数を0(零)にクリアするとともに、計数累積数を250球のままとする。その結果、次の周期Tの開始時点においてRAM82cには、遊技媒体数P2として350球が記憶されているとともに、計数累積球数として250球が記憶されることとなる。
【0158】
以上のように、第1制御モードでは、計数スイッチ16bを用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能である。第2制御モードでは、特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能である。短押し操作は、特定の操作の一例である。なお、計数に係る操作の要否という観点からは、第2計数情報の出力契機となる所定周期(操作時間Tm,Tn)に到達する毎の長押し操作についても特定の操作の1つとして捉え得る。第2制御モードでは、計数スイッチ16bの操作を必要とせずに遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能である。また、第2制御モードは、計数スイッチ16bの操作によって解除可能である。
【0159】
計数スイッチ16bの短押し操作に基づいて、遊技媒体を第1態様で機外部に移管するように特定情報が出力される。短押し操作は、第1操作の一例である。一例として、第1態様は、1球ずつ、遊技球を管理装置90に移管する態様である。第1操作時間Tmを超えて第3操作時間Tpを超えない計数スイッチ16bの長押し操作に基づいて、遊技媒体を第2態様で機外部に移管するように特定情報が出力される。第1操作時間Tmを超えて第3操作時間Tpを超えない長押し操作は、第2操作の一例である。一例として、第2態様は、長押し操作が終了するか、遊技媒体数P2が0になるまで、原則として250球ずつ、遊技球を管理装置90に移管する態様である。第3操作時間Tpを超える計数スイッチ16bの長押し操作に基づいて、遊技媒体を第3態様で機外部に移管するように特定情報が出力される。第3操作時間Tpを超える長押し操作は、第3操作の一例である。一例として、第3態様は、計数スイッチ16bの操作を必要とせずに、遊技媒体数P2が0になるまで、原則として250球ずつ、遊技球を管理装置90に移管する態様である。
【0160】
計数報知処理について説明する。
計数報知処理は、演出制御基板81のCPU81aによって実行される。CPU81aは、完了報知コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、計数完了報知を実行させる。計数完了報知は、遊技媒体の移管が完了し、遊技機10において管理する遊技媒体数P2が0になったことを認識可能な音声を出力する態様で実行される。一例として、計数完了報知は、計数完了音声を音声演出装置17から出力することを含むとよい。一例として、計数完了音声は、「チュリチュリンチュリリリン♪」といった効果音であるとよい。一例として、計数完了音声は、「持ち玉が0になりました」の文字列を読み上げる人の声であってもよい。
【0161】
一例として、計数完了報知は、遊技媒体の移管が完了して遊技媒体数P2が0になったことを認識可能な情報(以下、計数完了情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含んでもよい。一例として、計数完了情報は、「持ち玉が0になりました」の文字列であるとよい。一例として、計数完了報知は、遊技媒体の移管が完了して遊技媒体数P2が0になったことを認識可能な発光パターンにて発光演出装置18を発光、消灯、又は点灯させることを含んでもよい。
【0162】
CPU81aは、開始報知コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、自動計数開始報知を実行させる。自動計数開始報知は、自動計数機能がオンに設定されたことを認識可能な音声を出力する態様で実行される。一例として、自動計数開始報知は、自動計数開始音声を音声演出装置17から出力することを含むとよい。一例として、自動計数開始音声は、「ピロピロリン♪」といった効果音であるとよい。一例として、自動計数開始音声は、「自動計数を開始します」の文字列を読み上げる人の声であってもよい。
【0163】
一例として、自動計数開始報知は、自動計数機能がオンに設定されたことを認識可能な情報(以下、自動計数開始情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含んでもよい。一例として、自動計数開始情報は、「自動計数を開始します」又は「自動計数中です」の文字列であるとよい。一例として、自動計数開始報知は、自動計数機能がオンに設定されたことを認識可能な発光パターンにて発光演出装置18を発光、消灯、又は点灯させることを含んでもよい。自動計数開始報知は、所定の報知の一例である。第2制御モードにおいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行される状況では、所定の報知が行われる。所定の報知は、少なくとも音声出力により行われる。遊技媒体を第3態様で機外部に移管するように特定情報が出力される状況では、所定の報知が行われるともいえる。
【0164】
CPU81aは、解除報知コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、自動計数解除報知を実行させる。自動計数解除報知は、自動計数機能がオフに設定されたことを認識可能な音声を出力する態様で実行される。一例として、自動計数解除報知は、自動計数解除音声を音声演出装置17から出力することを含むとよい。一例として、自動計数解除音声は、「ちゃんちゃん♪」といった効果音であるとよい。一例として、自動計数解除音声は、「自動計数を解除しました」の文字列を読み上げる人の声であってもよい。
【0165】
一例として、自動計数解除報知は、自動計数機能がオフに設定されたことを認識可能な情報(以下、自動計数解除情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含んでもよい。一例として、自動計数解除情報は、「自動計数を解除しました」や「手動計数中です」の文字列であるとよい。一例として、自動計数解除報知は、自動計数機能がオフに設定されたことを認識可能な発光パターンにて発光演出装置18を発光、消灯、又は点灯させることを含んでもよい。
【0166】
遊技機10では、所定の演出の一例である大当り演出、演出ゲーム、及び予告演出の実行中に、計数可能状態となる場面が発生し得る。よって、計数完了報知、自動計数開始報知、及び自動計数解除報知の実行期間と、これら所定の演出の実行期間とは、少なくとも一部の期間が重複し得る。計数完了報知の優先度は、所定の演出の優先度に比して高いとよい。自動計数開始報知の優先度は、所定の演出の優先度に比して高いとよい。自動計数解除報知の優先度は、所定の演出の優先度に比して高いとよい。ここで、音声報知の優先度を音声演出と比べて高くするには、音声報知の実行期間中、音声演出の音量を0にする(停止する)、又は音声報知の音量より小さくするとよい。表示報知の優先度を表示演出と比べて高くするには、表示報知のオブジェクトを表示演出のオブジェクトよりも優先度が高い制御レイヤに配置するとよい。発光報知の優先度を発光演出と比べて高くするには、発光報知の実行期間中、発光演出を停止するとよい。
【0167】
遊技機10では、エラー報知の実行中に、計数可能状態となる場面が発生し得る。よって、計数完了報知、自動計数開始報知、及び自動計数解除報知といった計数に関する報知の実行期間と、エラー報知の実行期間とは、少なくとも一部の期間が重複し得る。計数完了報知の優先度は、エラー報知の優先度に比して低いとよい。自動計数開始報知の優先度は、エラー報知の優先度に比して低いとよい。自動計数解除報知の優先度は、エラー報知の優先度に比して低いとよい。これに限らず、計数に関する報知の優先度は、エラー報知の優先度に比して高くてもよい。また、計数完了報知、自動計数開始報知、及び自動計数解除報知のうち任意の1つ又は複数の優先度は、第1エラー報知の優先度に比して低く、第2エラー報知の優先度と同じであり、第3エラー報知の優先度に比して高くてもよい。
【0168】
ここで、ある音声報知の優先度を他の音声報知と比べて高くするには、ある音声報知の実行期間中、他の音声報知の音量を0にする(停止する)、又はある音声報知の音量より小さくするとよい。ある表示報知の優先度を他の表示報知と比べて高くするには、ある表示報知のオブジェクトを他の表示報知のオブジェクトよりも優先度が高い制御レイヤに配置するとよい。ある発光報知の優先度を他の発光報知と比べて高くするには、ある発光報知の実行期間中、他の発光報知を停止するとよい。
【0169】
また、ある音声報知の優先度を他の音声報知と同じにするには、ある音声報知と他の音声報知の音量を同じにする、又は各音声報知を、それぞれに予め定められた規定音量にて並行して出力してもよい。ある表示報知の優先度を他の表示報知と同じにするには、ある表示報知のオブジェクトと他の表示報知のオブジェクトとを同じ大きさとし、相互に重ならないように制御レイヤに配置するとよい。ある発光報知の優先度を他の発光報知と同じにするには、ある発光報知と、他の発光報知とを異なる発光手段で並行して実行するとよい。例えば、上記の例であれば、第1エラー報知と計数に関する報知とでは、第1エラー報知を優先して実行し、計数に関する報知を実行しないとよい。例えば、第2エラー報知と計数に関する報知とでは、第2エラー報知と計数に関する報知とを同時に実行するとよい。例えば、第3エラー報知と計数に関する報知とでは、計数に関する報知を優先して実行し、第3エラー報知を実行しないとよい。
【0170】
遊技媒体数P2の具体的な遷移態様について説明する。
図7は、遊技機10において、600球の遊技球を遊技媒体数P2として管理している場合に、全球を外部に移管させる場合の管理データの変遷を示す。この一例においては、賞球や貸し球による遊技媒体数P2の増加は発生していないものとする。遊技球を移管するにあたり、計数スイッチ16bは第2操作態様(長押し操作)で操作されるものとする。計数スイッチ16bの操作開始時点において自動計数機能はオフであり、かつ、遊技媒体数P2に示される全ての球技媒体の移管が完了するまでの計数スイッチ16bの操作時間が第3操作時間Tpに到達しない。周期T1~T4は、情報入出力処理の周期Tを示す。つまり、図7には4周期分の情報入出力処理が示される。一例として、周期T1~T3は、300msである。一例として、第1操作時間Tmは500msであり、第2操作時間Tnは300msであり、第3操作時間Tpは40000msである。
【0171】
時点t1において、計数スイッチ16bの長押し操作が開始される。第1操作時間Tmが経過する時点t2において、最初の指示数が250球で確定する。この指示数は、枠側通常処理のうち計数情報生成処理で生成される計数情報から把握できる計数球数になる。時点t2において250球の遊技球を移管することが確定した場合、移管後の遊技媒体数P2として想定される数は、図中に示すように350球となる。
【0172】
時点t2において、計数情報として250球を示すデータが生成される。この計数情報は、その時点で実行されている情報入出力処理(周期T1の処理)では出力されない。計数情報は、次の周期T2の情報入出力処理において、計数通知として出力される。周期T2の開始時点において、RAM82cには、「遊技媒体数P2=600球」と、「減算後遊技球数=350球」と、「計数球数=250球」と、「計数累積球数=250球」と、が記憶される。周期T2において、最初に、「遊技媒体数P2=600球」を示すデータを含む情報通知が出力される。次に、周期T2では、「計数球数=250球」を示すデータと、「計数累積球数=250球」を示すデータと、を含む計数通知が出力される。
【0173】
計数スイッチ16bの長押し操作が継続されることによって、第2操作時間Tnが経過し、周期T2内の時点t3に到達すると、2回目の指示数が250球で確定する。時点t3において250球の遊技球を移管することが確定した場合、移管後の遊技媒体数P2として想定される数は、図中に示すように100球となる。時点t3において、計数情報として250球を示すデータが生成される。この計数情報は、その時点で実行されている情報入出力処理(周期T2の処理)では出力されない。計数情報は、次の周期T3の情報入出力処理において、計数通知として出力される。
【0174】
周期T2は、計数通知の出力後、貸出通知と受領結果の入出力を経て終了する。貸出通知と入力結果とが入出力されることによって、計数通知で出力した計数球数に相当する個数分の遊技球が、外部へ移管されたことになる。このため、周期T3の開始時点において、RAM82cには、「遊技媒体数P2=350」と、「減算後遊技球数=100球」と、「計数球数=250球」と、「計数累積球数=500球」と、が記憶される。周期T3において、最初に、「遊技媒体数P2=350球」を示すデータを含む情報通知が出力される。次に、周期T3では、「計数球数=250球」を示すデータと、「計数累積球数=500球」を示すデータと、を含む計数通知が出力される。
【0175】
計数スイッチ16bの長押し操作が継続されることによって、さらに第2操作時間Tnが経過し、周期T3内の時点t4に達すると、3回目の指示数が100球で確定する。この段階では遊技媒体数P2のうち計数情報として計数されている遊技球が100球である。時点t4において、100球の遊技球を移管することが確定した場合、移管後の遊技球数として想定される遊技媒体数P2は、図中に示すように0(零)となる。時点t4において、計数情報として100球を示すデータが生成される。この計数情報は、その時点で実行されている情報入出力処理(周期T3の処理)では出力されない、計数情報は、次の周期T4の情報入出力処理において、計数通知として出力される。
【0176】
周期T3は、計数通知の出力後、貸出通知と受領結果の入出力を経て終了する。貸出通知と入力結果とが入出力されることによって、計数通知で出力した計数球数に相当する個数分の遊技球が、外部へ移管されたことになる。このため、周期T4の開始時点において、RAM82cには、「遊技媒体数P2=100球」と、「減算後遊技球数=0球」と、「計数球数=100球」と、「計数累積球数=600球」と、が記憶される。周期T4において、最初に、「遊技媒体数P2=100球」を示すデータを含む情報通知が出力される。次に、周期T4において、「計数球数=100球」を示すデータと、「計数累積球数=600球」を示すデータと、を含む計数通知が出力される。
【0177】
周期T4は、計数通知の出力後、貸出通知と受領結果の入出力を経て終了する。貸出通知と貸出受領が入出力されることで、計数通知で出力した計数球数に相当する個数分の遊技球が、外部へ移管されたことになる。このため、周期T4の次の周期が開始される時点t5以降、RAM82cには、「遊技媒体数P2=0球」と、「減算後遊技球数=0球」と、「計数球数=0球」と、「計数累積球数=600球」と、が記憶される。これにより、「遊技媒体数P2=600球」に相当する数の遊技球の全てが外部に移管されたことになる。そして、遊技媒体数P2の計数が完了する時点t5において、計数完了報知が開始され、所定期間の経過後に計数完了報知が終了される。なお、計数スイッチ16bの操作が開始されてから、計数球数の指示が完了するまでの時間は、合計で1100msであるから、第3操作時間Tp(ここでは4000ms)を超えない。よって、自動計数機能はオフのままで、オンとはならない。
【0178】
図8は、計数スイッチ16bを用いた長押し操作の開始時点において自動計数機能がオフであり、かつ、遊技媒体数P2に示される全ての球技媒体の移管完了前に、計数スイッチ16bの操作時間が第3操作時間Tpに到達する状況を示す。一例として、遊技媒体数P2は、3001球以上であればよい。なお、指示数(計数球数)の確定、及び計数情報の生成後に行われる計数通知、貸出通知、及び受領結果の入出力は、上述した状況と同様であるから、その詳細な説明を省略する。一例として、自動計数時間Tqは、第2操作時間Tnと同じ300msである。
【0179】
時点t11において、計数スイッチ16bの長押し操作が開始される。第1操作時間Tmが経過する時点t12において、最初の指示数が250球で確定する。この指示数は、枠側通常処理のうち計数情報生成処理で生成される計数情報から把握できる計数球数になる。時点t12において、計数情報として250球を示すデータが生成される。第2操作時間Tnが経過する時点t13,t14において、それぞれ指示数が250球で確定する。各時点t13,t14において、計数情報として250球を示すデータが生成される。
【0180】
計数スイッチ16bの操作が開始される時点t11から、第3操作時間Tpが経過する時点t15までの間において、自動計数機能は、オフのままである。第3操作時間Tpが経過する時点t15において、自動計数機能は、オンに設定される。自動計数機能がオンに設定される時点t15において、自動計数開始報知が開始され、所定期間の経過後に自動計数開始報知が終了される。
【0181】
自動計数機能がオンに切り替えられる直前であって、計数スイッチ16bの長押し操作に基づいて最後に250球の指示数が確定する時点t14から、自動計数時間Tqが経過する時点t16において、自動計数機能による最初の指示数が250球で確定する。時点t16において、計数情報として250球を示すデータが生成される。
【0182】
時点t17において、計数スイッチ16bの長押し操作が終了する。自動計数機能がオンに設定されているとき、自動計数機能は、計数スイッチ16bの長押し操作が終了されても、オンのままに維持される。自動計数時間Tqが経過する時点t18,t19において、それぞれ指示数が250球で確定する。各時点t18,t19において、計数情報として250球を示すデータが生成される。
【0183】
その後、遊技媒体数P2が0になるまでの間、計数スイッチ16bの操作がされなくても、自動計数が継続される。つまり、遊技媒体数P2が0になるまで、指示数(計数球数)を250球又は遊技媒体数P2として計数情報が生成され、管理装置90に出力されることとなる。そして、遊技媒体数P2が0となって計数が完了する時点において、計数完了報知が開始され、所定期間の経過後に計数完了報知が終了される。
【0184】
図9は、計数スイッチ16bを用いた長押し操作の開始時点において自動計数機能がオンであり、自動計数が実行される状況を示す。計数スイッチ16bの操作開始時点において、遊技媒体数P2が1球以上である状況を示す。
【0185】
自動計数機能がオンであるとき、自動計数時間Tqが経過する時点t21~t25において、それぞれ指示数が250球で確定する。各時点t21~t25において、計数情報として250球を示すデータが生成される。時点t26において、計数スイッチ16bが所定の態様で操作されたとする。なお、ここでは、計数スイッチ16bが長押し操作されたとする。時点t26において、自動計数機能は、オフに設定される。自動計数機能がオフに設定される時点t26において、自動計数解除報知が開始され、所定期間の経過後に自動計数解除報知が終了される。
【0186】
計数スイッチ16bの長押し操作が継続されることによって、計数スイッチ16bの長押し操作が開始されてから第1操作時間Tmが経過する時点t27において、長押し操作に基づく指示数が250球で確定する。時点t27において、計数情報として250球を示すデータが生成される。計数スイッチ16bの長押し操作が継続されることによって、第2操作時間Tnが経過する時点t28において、2回目の指示数が250球で確定する。時点t28において、計数情報として250球を示すデータが生成される。その後、計数スイッチ16bの操作が終了されるか、遊技媒体数P2が0になるまでの間、第2操作時間Tnが経過するごとに、250球の遊技球を示す計数情報が生成されることとなる。
【0187】
遊技機10では、自動計数機能がオフに設定される契機となった長押し操作が継続され、当該長押し操作が開始されてから第3操作時間Tpが経過した場合であっても、自動計数機能がオンに設定されない。これに限らず、自動計数機能がオフに設定される契機となった長押し操作が継続され、当該長押し操作が開始されてから第3操作時間Tpが経過した場合に、自動計数機能がオンに再設定されてもよい。また、自動計数機能がオンに設定されている場合に、計数スイッチ16bが短押し操作された場面では、自動計数機能がオフに設定される一方、当該操作によっては、計数球数として1球を示す計数情報が生成されないとよい。これに限らず、自動計数機能がオフに設定される契機となった短押し操作に基づいて、計数球数として1球を示す計数情報が生成されてもよい。
【0188】
図10は、自動計数機能がオンであることに基づく自動計数の実行中に電力供給が遮断され、電力供給が再開された状況を示す。計数スイッチ16bの長押し操作に基づいて自動計数機能がオンとなった場合であって、当該長押し操作は、電力供給の遮断及び再開を跨いで継続されているものと仮定する。
【0189】
計数スイッチ16bの長押し操作が開始され、第2操作時間Tnが経過する時点t31において、指示数が250球で確定する。時点t31において、計数情報として250球を示すデータが生成される。長押し操作が開始されてから第3操作時間Tpが経過する時点t32において、自動計数機能は、オンに設定される。自動計数機能がオンに設定される時点t32において、自動計数開始報知が開始され、所定期間の経過後に自動計数開始報知が終了される。自動計数機能がオンであるとき、自動計数時間Tqが経過する時点t33~t36において、それぞれ指示数が250球で確定する。各時点t33~t36において、計数情報として250球を示すデータが生成される。
【0190】
時点t37において、図中に電断と示すように、電力供給が遮断される。それから所定の期間が経過した時点t38において、図中に復電と示すように、電力供給が再開され、枠側電源投入処理が完了して枠側通常処理が開始され、計数可能状態に移行する。ここで、自動計数フラグは、バックアップの対象とされていない情報であるから、自動計数機能は、オフにリセットされる。この時点t38において、CPU82aは、計数スイッチ16bが継続して操作されていても、第1操作タイマ及び第2操作タイマを起動しない。CPU82aは、第1操作時間Tm及び第3操作時間Tpが経過したか否かを監視しない。つまり、CPU82aは、時点t38から第1操作時間Tmを経過しても、計数情報を生成しない。CPU82aは、時点38から第3操作時間Tpを経過しても、自動計数機能をオフのまま維持して、オンに設定しない。なお、CPU82aは、計数スイッチ16bの操作を終了してから、改めて、短押し操作又は長押し操作をする場合には、これらの操作に応じた指示数を確定し、計数情報を生成することとなる。同様に、CPU82aは、計数スイッチ16bの操作を終了してから、改めて、第3操作時間Tpを超える長押し操作がされた場合に、自動計数機能をオンに設定する。
【0191】
特定態様操作に基づいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されているときに電力供給が遮断され、電力供給が再開された状況では、電力供給が再開される前から特定態様操作が継続されている状況であっても、当該特定態様操作に基づいては遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されない。第2制御モードを設定する操作は、計数スイッチ16bの連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作を含む。上述の通り、特定態様操作は、一例として長押し操作である。
【0192】
本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)第1制御モードにおいて、遊技者は、特定の操作をすることによって、遊技媒体を機外部に移管できる。一方、第2制御モードにおいて、遊技者は、特定の操作をしなくても、遊技媒体を機外部に移管できる。このように、特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管する機能と、特定の操作を必要とせずに遊技媒体を機外部に移管する機能とを遊技者に提供できる。よって、遊技者の利便性を高め得る。
【0193】
(2)第2制御モードでは、何ら操作手段を操作せずとも、遊技媒体を機外部に移管できる。一例として、操作手段は、計数スイッチ16bである。よって、遊技者の利便性を高めうる。
【0194】
(3)第2制御モードは、操作手段の操作によって解除できる。よって、遊技者の利便性を高めうる。
(4)操作手段を用いて、第1操作、第2操作、及び第3操作の何れを行うかによって、それぞれ異なる態様で遊技媒体を機外部に移管するように、特定情報(一例として計数情報)を出力させ得る。よって、遊技者の利便性を高め得る。一例として、第1操作は、短押し操作であり、第2操作は、第1操作時間Tmを超えて第3操作時間Tpを超えない長押し操作であり、第3操作は、第3操作時間Tpを超える長押し操作である。
【0195】
(5)第2制御モードにおいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行される状況は、所定の報知によって遊技者等に認識され得る。一例として、所定の報知は、自動計数開始報知である。したがって、遊技者等は、第2制御モードによって遊技媒体の移管が行われることを容易に把握できる。よって、遊技者の利便性を高め得る。
【0196】
(6)遊技媒体数P2は、表示によって報知される一方、第2制御モードによる遊技媒体の移管は、音声によって報知される。よって、表示によって所定の報知が行われる構成に比して、第2制御モードによる遊技媒体の移管の進行状況を視認し難くなることを抑制できる。
【0197】
(7)所定の報知は、所定の演出を実行可能な演出実行手段(例えば演出機器ES)において実行されるから、専用の報知手段を設ける構成に比して、遊技機10の構成を簡略化できる。そのうえで、所定の報知の優先度は、所定の演出の優先度に比して高いから、遊技者が所定の報知を見落としてしまうことを抑制できる。
【0198】
(8)操作手段を用いて、第1操作、第2操作、及び第3操作の何れを行うかによって、それぞれ異なる態様で遊技媒体を機外部に移管するように、特定情報を出力させ得る。そして、遊技媒体を第3態様で移管するように特定情報が出力される状況は、所定の報知によって遊技者等に認識され得る。したがって、遊技者等は、第3態様での移管が行われることを容易に把握できる。よって、遊技者の利便性を高め得る。
【0199】
(9)第2制御モードでは、第1制御モードに比して、より少ない操作手段の操作によって、より多くの遊技媒体を機外部に移管させることができる。よって、遊技者の利便性を高め得る。
【0200】
(10)第3操作によれば、電子的に管理されている遊技媒体の全てを機外部に移管させ得る。よって、操作手段の操作態様と、遊技媒体の移管数との関係を、遊技者に理解させ易くできる。一例として、操作手段は、計数スイッチ16bである。一例として、第3操作は、第3操作時間Tpを超える長押し操作である。
【0201】
(11)操作手段を用いて、第1操作、第2操作、及び第3操作の何れを行うかによって、それぞれ異なる態様で遊技媒体を機外部に移管するように、特定情報を出力させ得る。そして、第3操作によれば、第1操作及び第2操作に比して、より多くの遊技媒体を機外部に移管させることができる。よって、遊技者の利便性を高め得る。
【0202】
(12)連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作は、所謂「長押し操作」である。このような特定態様操作が継続されていても、その間に復電が行われた場合には、復電後に遊技媒体を機外部に移管する所定の制御が停止される。例えば、操作手段の誤操作又は操作の誤検知がされるようなときに、電力供給の再開に伴って、遊技媒体が機外部に移管されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者の利便性を高め得る。
【0203】
(13)電力供給が再開された状況であっても、特定態様操作を一旦終了すれば、特定態様情報に応じて特定情報が出力可能である。よって、遊技者の利便性を高め得る。
(14)操作手段を用いて、第1操作、第2操作、及び第3操作の何れを行うかによって、それぞれ異なる態様で遊技媒体を機外部に移管するように、特定情報を出力させ得る。ここで、連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作は、所謂「長押し操作」である。このような特定態様操作が継続されていても、その間に復電が行われた場合には、復電後に特定情報の出力が停止される。例えば、操作手段の誤操作又は操作の誤検知がされるようなときに、電力供給の再開に伴って特定情報が出力されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者の利便性を高め得る。
【0204】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0205】
図11に示すように、遊技機10は、第2制御モード(自動計数機能がオン)であるとき、自動計数の進行に伴って、遊技媒体数P2が特定数となったことの報知(以下、特定数報知と示す)を実行可能に構成されてもよい。一例として、特定数は、250球であるとよい。一例として、特定数は、250球を超える球数であってもよい。CPU82aは、自動計数機能がオンであるとき、遊技媒体の移管によって遊技媒体数P2が特定数になる時点t43において、自動計数機能をオフに設定する。このとき、CPU82aは、所定の制御情報(以下、特定数コマンドと示す)を遊技制御基板80に出力する。CPU80aは、特定数コマンドを入力すると、所定の制御情報(以下、特定数報知コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0206】
CPU81aは、特定数報知コマンドを入力すると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、特定数報知を実行させる。特定数報知は、自動計数の進行に伴って、遊技媒体数P2が特定数になったことを認識可能な音声を出力する態様で実行される。一例として、特定数報知は、特定数音声を音声演出装置17から出力することを含むとよい。一例として、特定数音声は、「ピロン♪」といった効果音であるとよい。一例として、特定数音声は、「持ち玉は残り250になりました、自動計数を続けますか」の文字列を読み上げる人の声であってもよい。
【0207】
一例として、特定数報知は、自動計数の進行に伴って、遊技媒体数P2が特定数になったことを認識可能な情報(以下、特定数情報と示す)を表示演出装置19に表示することを含んでもよい。一例として、特定数情報は、「持ち玉は残り250になりました、自動計数を続けますか?」の文字列であるとよい。一例として、特定数報知は、自動計数の進行に伴って、遊技媒体数P2が特定数になったことを認識可能な発光パターンにて発光演出装置18を発光、消灯、又は点灯させることを含んでもよい。
【0208】
・遊技機10は、計数が行われることに伴って、計数が行われたことの報知(以下、計数報知と示す)を実行可能に構成されてもよい。CPU81aは、計数に応じて遊技媒体数P2が減少されると、演出機器ESを構成する演出装置17~19の一部又は全部を制御し、計数報知を実行させる。一例として、遊技機10は、短押し操作に基づく遊技球の計数が行われたことを示す計数報知(以下、第1計数報知と示す)を実行可能であるとよい。第1計数報知は、1球の遊技球の移管を示す報知とも言える。一例として、遊技機10は、長押し操作に基づく遊技球の計数が行われたことを示す計数報知(以下、第2計数報知と示す)を実行可能であるとよい。第2計数報知は、最大で250球の遊技球の移管が行われたことを示す報知とも言える。一例として、遊技機10は、第2制御モードに基づいて、自動計数時間Tqの経過に伴う遊技球の自動計数が行われたことを示す計数報知(以下、第3計数報知と示す)を実行可能であるとよい。第3計数報知は、最大で250球の遊技球の移管が行われたことを示す報知とも言える。第1計数報知、第2計数報知、及び第3計数報知の態様は、互いに異なる態様であるとよい。第2計数報知及び第3計数報知の態様は、同じ態様であってもよい。このとき、第1計数報知の態様は、第2計数報知及び第3計数報知の一方又は両方と同じ態様であってもよく、何れとも異なる態様であってもよい。なお、報知用の音声、報知用の画像、及び報知用の発光パターンのうち、少なくとも1つが異なる場合、互いに異なる態様となり、全てが同じ場合に、同じ態様となる。本変更例によれば、計数が行われる毎に計数報知が実行されるから、計数の進行を理解し易くできる。
【0209】
・遊技機10は、計数スイッチ16bとは別に、自動計数機能をオンに設定する操作を可能に構成された操作部を備えてもよい。遊技機10は、計数スイッチ16bとは別に、自動計数機能をオフに設定するための操作部を備えてもよい。
【0210】
・CPU82aは、自動計数機能がオンであるとき、自動計数の進行によって、遊技媒体数P2が0になると、自動計数機能をオフに設定してもよい。これに限らず、CPU82aは、自動計数機能をオンのまま維持してもよい。
【0211】
・自動計数開始報知、自動計数解除報知、特定数報知、及び計数完了報知は、演出機器ESとは異なる報知手段によって実行してもよい。つまり、これら計数に関する報知は、専用の報知手段によって実行されてもよい。
【0212】
・自動計数フラグは、バックアップの対象となる情報であってもよい。つまり、CPU82aは、電力供給が遮断されたとき、自動計数機能がオンであれば、電力供給が再開されたとき、自動計数機能をオンに制御するとよい。CPU82aは、電力供給が遮断されたとき、自動計数機能がオフであれば、電力供給が再開されたとき、自動計数機能をオフに制御するとよい。
【0213】
・CPU82aは、計数実行状態において、電力供給が遮断された場合であっても、計数スイッチ16bが操作された状態のまま電力供給が再開された場合には、電力供給が遮断された状態から遊技媒体の移管を再開してもよい。例えば、図10に例示した場面において、CPU82aは、電力供給が再開された状況において、特定態様操作(一例として長押し操作)が終了されてから、再び特定態様操作が開始されると特定情報を出力可能であってもよく、所定条件が満たされるまでの間にわたって特定情報の出力が制限されてもよい。一例として、所定条件は、電力供給が再開されてから規定時間が経過することであってもよい。本変更例によれば、規定時間において、所望の処理を優先的に実行できる。
【0214】
・差玉監視処理(差玉PCの計数)は、遊技制御基板80(CPU80a)が実行してもよい。この場合に、遊技盤20は、遊技領域21aから排出される「アウト球」を検知するアウト球センサを備え、CPU80aは、アウト球センサから検知信号を入力する毎に差玉PCを1減算するとよい。CPU80aは、差玉PCが作動基準数に達してコンプリート機能の作動条件が成立すると、発射停止信号を枠制御基板82(発射許可回路82m)へ出力する。本変更例であっても、コンプリート機能の作動に応じて、遊技球の発射を停止できる。
【0215】
・遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。遊技機10は、遊技球が所定領域(所謂「V領域」)を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0216】
・特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0217】
・遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
【0218】
・遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
・CPU80a、ROM80b、RAM80c、及び乱数生成回路80dは、ワンチップに構成されていてもよい。
【0219】
・演出制御基板81をサブ統括制御基板とし、演出制御基板81とは別に表示演出装置19を専門に制御する表示制御基板、発光演出装置18を専門に制御する発光制御基板、音声演出装置17を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板とを含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板にCPU80a、及びCPU81aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0220】
・遊技機10は、遊技媒体数P2を内部的に管理する遊技機として構成されたが、遊技媒体は、実際の遊技球であってもよい。この場合に、遊技機10は、遊技球を貯留するための球皿と、球皿から遊技球を排出する操作が可能な排出ボタンと、球皿から排出される遊技球を検知する排出センサと、を備える。そして、遊技機10は、排出センサで検知した結果(遊技球数)を特定可能な計数情報を、管理装置90へ出力するとよい。
【0221】
・遊技機は、回動式遊技機(所謂スロットマシン)として具体化してもよい。本変更例において、遊技機は、複数のリールと、ベットボタンと、スタートレバーと、ストップボタンと、を有する。各リールには、それぞれ複数の図柄が配置される。遊技機は、電子的に遊技媒体数を管理する。遊技機では、ベットボタンの操作によって遊技媒体数を減少させるとともに、賭け数を増加できる。遊技機は、賭け数が規定賭け数である場合に、スタートレバーを操作することによって、変動ゲームを実行できる。遊技機において、変動ゲームの権利は、媒体の消費を対価として特定事象が発生する第2状況において獲得可能である。変動ゲームは、複数のリールを回転させることにより実行される。遊技機は、ストップボタンの操作によって、各リールの回転を停止できる。そして、遊技機は、各リールの停止によって表示される図柄の組み合わせに応じて、各種の特典(賞)を付与する。
【0222】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(付記1A)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、を備え、遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがあり、前記第1制御モードでは、前記操作手段を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードでは、前記特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【0223】
(付記1B)前記第2制御モードでは、前記操作手段の操作を必要とせずに遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能である付記1Aに記載の遊技機。
(付記1C)前記第2制御モードは、前記操作手段の操作によって解除可能である付記1A又は付記1Bに記載の遊技機。
【0224】
(付記1D)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する特定情報を出力可能な出力手段と、を備え、前記操作手段の第1操作に基づいて、遊技媒体を第1態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第2操作に基づいて、遊技媒体を第2態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第3操作に基づいて、遊技媒体を第3態様で機外部に移管するように特定情報が出力されることを特徴とする遊技機。
【0225】
(付記2A)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、報知手段と、を備え、遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがあり、前記第1制御モードでは、前記操作手段を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードでは、前記特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードにおいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行される状況では、所定の報知が行われることを特徴とする遊技機。
【0226】
(付記2B)遊技媒体数を表示する表示手段を備え、前記所定の報知は、音声出力により行われる付記2Aに記載の遊技機。
(付記2C)前記報知手段は、所定の演出を実行可能な演出実行手段と兼用され、前記所定の報知の優先度は、前記所定の演出の優先度に比して高い付記2A又は付記2Bに記載の遊技機。
【0227】
(付記2D)前記報知手段は、所定の演出を実行可能な演出実行手段と兼用され、前記所定の報知の実行期間と、前記所定の演出の実行期間と、は少なくとも一部の期間が重複し得る付記2A~付記2Bのうち何れか一項に記載の遊技機。
【0228】
(付記2E)前記報知手段は、前記演出実行手段の一部又は全部と兼用される付記2A~付記2Dのうち何れか一項に記載の遊技機。
(付記2F)前記報知手段は、前記演出実行手段の全部と異なる付記2A~付記2Eのうち何れか一項に記載の遊技機。
【0229】
(付記2G)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する特定情報を出力可能な出力手段と、報知手段と、を備え、前記操作手段の第1操作に基づいて、遊技媒体を第1態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第2操作に基づいて、遊技媒体を第2態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第3操作に基づいて、遊技媒体を第3態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、遊技媒体を前記第3態様で機外部に移管するように特定情報が出力される状況では、所定の報知が行われることを特徴とする遊技機。
【0230】
(付記3A)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、を備え、遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがあり、前記第1制御モードでは、前記操作手段を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードでは、前記特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、所定数を超える遊技媒体を機外部に移管させるために必要な前記操作手段の操作量は、前記第1制御モードであるときに比して前記第2制御モードであるときの方が少なくなることを特徴とする遊技機。
【0231】
(付記3B)前記操作手段は、連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作が可能であり、前記所定数は、前記特定の操作として所定量の前記特定態様操作がされたときに機外部に移管される遊技媒体数である付記3Aに記載の遊技機。
【0232】
(付記3C)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する特定情報を出力可能な出力手段と、を備え、前記操作手段の第1操作に基づいて、遊技媒体を第1態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第2操作に基づいて、遊技媒体を第2態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第3操作に基づいて、遊技媒体を第3態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記第1操作又は前記第2操作に基づく特定情報の出力は、第1規定数の遊技媒体を機外部に移管するように実行でき、前記第3操作に基づく特定情報の出力は、前記第1規定数に比して多い第2規定数の遊技媒体を機外部に移管するように実行可能であることを特徴とする遊技機。
【0233】
(付記4A)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、を備え、遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがあり、前記第1制御モードでは、前記操作手段を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードでは、前記特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードを設定する操作は、前記操作手段の連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作を含み、前記特定態様操作に基づいて前記第2制御モードが設定され、遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されているときに電力供給が遮断され、電力供給が再開された状況では、電力供給が再開される前から前記特定態様操作が継続されている状況であっても、当該特定態様操作に基づいては遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されないことを特徴とする遊技機。
【0234】
(付記4B)前記電力供給が再開された状況において、前記特定態様操作が終了されてから、再び前記特定態様操作が開始されると、遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されうる付記4A又は付記4Bに記載の遊技機。
【0235】
(付記4C)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、を備え、前記操作手段の第1特定操作に基づいて、遊技媒体を第1態様で機外部に移管するように所定の制御が実行され、前記操作手段の第2特定操作に基づいて、遊技媒体を第2態様で機外部に移管するように所定の制御が実行され、前記第1特定操作及び前記第2特定操作のうち少なくとも一方は連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作を含み、前記第1特定操作及び前記第2特定操作のうち一方に基づいて、遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されているときに電力供給が遮断され、電力供給が再開された状況では、電力供給が再開される前から前記特定態様操作が継続されている状況であっても、当該特定態様操作に基づいては、遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されないことを特徴とする遊技機。
【0236】
(付記4D)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する制御を実行可能な制御手段と、を備え、遊技媒体の移管に関する制御モードには、第1制御モードと第2制御モードとがあり、前記第1制御モードでは、前記操作手段を用いた特定の操作に応じて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記第2制御モードでは、前記特定の操作をしなくても遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御を実行可能であり、前記特定の操作は、前記操作手段の連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作を含み、前記特定態様操作に基づいて遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されているときに電力供給が遮断され、電力供給が再開された状況では、電力供給が再開される前から前記特定態様操作が継続されている状況であっても、当該特定態様操作に基づいては遊技媒体を機外部に移管するように所定の制御が実行されないことを特徴とする遊技機。
【0237】
(付記4E)遊技に使用可能な遊技媒体を電子的に管理する管理手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技媒体の移管に関する特定情報を出力可能な出力手段と、を備え、前記操作手段の第1操作に基づいて、遊技媒体を第1態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第2操作に基づいて、遊技媒体を第2態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記操作手段の第3操作に基づいて、遊技媒体を第3態様で機外部に移管するように特定情報が出力され、前記第2操作及び前記第3操作のうち少なくとも一方は連続操作時間が規定時間以上となる特定態様操作を含み、前記第2操作及び前記第3操作のうち一方に基づいて特定情報が出力されているときに電力供給が遮断され、電力供給が再開された状況では、電力供給が再開される前から前記特定態様操作が継続されている状況であっても、当該特定態様操作に基づいては特定情報が再出力されないことを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0238】
10…遊技機 16a…遊技媒体数表示部 16b…計数スイッチ 17…音声演出装置 18…発光演出装置 19…表示演出装置 80…遊技制御基板 80a…CPU 81…演出制御基板 81a…CPU 82…枠制御基板 82a…CPU 90…管理装置 ES…演出機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11