(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056150
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
F23G 5/50 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
F23G5/50 N
F23G5/50 C
F23G5/50 L
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160076
(22)【出願日】2022-10-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-15
(71)【出願人】
【識別番号】501370370
【氏名又は名称】三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大丸 卓一郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 稔彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 知大
(72)【発明者】
【氏名】岩下 信治
(72)【発明者】
【氏名】林 慶一
(72)【発明者】
【氏名】江草 知通
(72)【発明者】
【氏名】栗山 修平
【テーマコード(参考)】
3K062
【Fターム(参考)】
3K062AA01
3K062AB01
3K062AC01
3K062BA02
3K062CA01
3K062CA08
3K062CB09
3K062DA01
3K062DA22
3K062DB01
3K062DB06
3K062DB28
3K062DB30
(57)【要約】
【課題】燃焼設備における排ガス温度を安定化させることができる制御装置を提供する。
【解決手段】被焼却物を燃焼させる燃焼炉を有する燃焼設備用の制御装置であって、燃焼設備内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、第1調整部とは異なる方法でガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、燃焼設備内の状態に応じて第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部と、第1制御部により第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、燃焼設備内の排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部と、を備える制御装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被焼却物を燃焼させる燃焼炉を有する燃焼設備用の制御装置であって、
前記燃焼設備内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、前記第1調整部とは異なる方法で前記ガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、前記燃焼設備内の状態に応じて前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部と、
前記第1制御部により前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、前記燃焼設備内の前記排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記燃焼設備は、前記排ガスの前記ガス温度を検出する排ガス温度検出部をさらに有し、
前記第1調整部は、前記燃焼設備から回収されて前記燃焼炉内の前記排ガスに供給されるろ液の量、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度、または前記排ガスに供給される炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部であり、
前記第2調整部は、前記ろ液の量、前記燃焼空気の温度、または前記炉内水噴霧の量のうち、いずれか別の1つを調整する調整部であり、
前記第1制御部は、前記燃焼設備内の状態として少なくとも前記排ガス温度検出部の検出結果に基づき、前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1調整部は、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、
前記第1制御部は、前記燃焼炉内または前記燃焼炉の後流側の酸素濃度が所定の範囲となるように、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物の供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、前記燃焼設備内の状態として少なくとも前記第3調整部と前記第4調整部とのうち少なくとも一方を制御しても前記酸素濃度が一定以上目標値と乖離する場合に前記第1調整部を制御する
請求項1または請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記燃焼設備は、前記燃焼炉内の前記被焼却物の燃焼状態を撮像可能な画像取得部を更に備え、
前記第1調整部は、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、
前記第1制御部は、前記燃焼設備内の状態として少なくとも前記画像取得部の撮像結果に基づいて前記第1調整部の制御の要否または制御量を決定する
請求項1または請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記ガス温度に関する閾値である排ガス温度閾値を調整可能な閾値調整部を更に備え、
前記第1調整部は、前記燃焼設備から回収されて前記燃焼炉内の前記排ガスに供給されるろ液の量、または前記排ガスに供給される炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部であり、
前記第2調整部は、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、
前記第1制御部は、前記ガス温度と前記排ガス温度閾値とに基づき、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物の供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、
前記閾値調整部は、前記第1制御部が前記第1調整部と前記第2調整部とのうち前記第1調整部を含む1つ以上を制御した場合に、前記排ガス温度閾値を変更する
請求項1または請求項2に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、燃焼炉内にアンモニアまたは尿素を吹き込む吹込み装置と、ボイラで熱回収した排ガスの一部を再循環用排ガスとしてその再循環用排ガスを脱硝処理する再循環用触媒脱硝装置と、再循環用触媒脱硝装置にて脱硝処理された再循環用排ガスを燃焼炉内に吹き込む排ガス再循環ファンとを備えた排ガス処理システムが開示されている。この排ガス処理システムでは、再循環用触媒脱硝装置からの再循環用排ガスのNOx濃度が所定値となるように再循環用排ガスに吹き込まれるアンモニアの吹込み量が制御される。
【0003】
また、例えば特許文献2には、主燃焼室における後燃焼が行われる後燃焼ゾーンから燃焼排ガスを引き抜き、この引き抜いた燃焼排ガスに尿素水を吹き込んでアンモニアガスを含んだアンモニア含有燃焼排ガスを生成し、このアンモニア含有燃焼排ガスを二次燃焼が行われる二次燃焼ゾーンの燃焼排ガス流れの下流側に吹き込むストーカ式燃焼炉の無触媒脱硝方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-072571号公報
【特許文献2】特開2013-108668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ごみを処理する燃焼設備の燃焼炉内では、被焼却物の燃焼に伴って生じる排ガスのガス温度が上昇すると排ガスの脱硝率が低下する場合がある。このため、燃焼炉内に水を噴霧してガス温度を低下させることがあるが、水を噴霧した結果、燃焼炉内における被焼却物の燃焼状態が悪化してしまい、燃焼設備における排ガス温度が安定化しない場合がある。
【0006】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、燃焼設備における排ガス温度を安定化させることができる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る制御装置は、被焼却物を燃焼させる燃焼炉を有する燃焼設備用の制御装置であって、前記燃焼設備内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、前記第1調整部とは異なる方法で前記ガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、前記燃焼設備内の状態に応じて前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部と、前記第1制御部により前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、前記燃焼設備内の前記排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、燃焼設備における排ガス温度を安定化させることができる制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係る燃焼設備の構成を示す図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の第1実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の第2実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】本開示の第3実施形態に係る燃焼設備の構成を示す図である。
【
図8】本開示の第3実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の第4実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
【
図10】本開示の第4実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図11】本開示の第4実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図12】本開示の実施形態に係るコンピュータの構成を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態の制御装置を、図面を参照して説明する。
【0011】
<第1実施形態>
(燃焼設備)
燃焼設備100は、例えば、都市ごみ、産業廃棄物、またはバイオマスなどを被焼却物として焼却処理するストーカ式燃焼炉である。以下では、説明の便宜上、「被焼却物」を「ごみ」と称する。本実施形態におけるごみは、燃焼炉内で燃焼反応を発生させるための燃料である。
【0012】
図1に示すように、燃焼設備100は、燃焼炉1と、排熱回収ボイラ12と、減温塔13と、集塵装置14と、出口流路15と、煙突16と、誘引ファン17と、ごみピット18と、灰押出装置19と、灰ピット20と、ろ液供給部21と、炉内水供給部22と、排ガス再循環ライン23と、脱硝材供給部24と、排ガス温度検出部25と、酸素濃度検出部26と、流量検出部27と、制御装置30と、を備えている。
【0013】
(燃焼炉)
燃焼炉1は、内部でごみWを搬送しながら燃焼させる炉である。燃焼炉1によるごみWの燃焼に伴って、燃焼炉1からは排ガスが発生する。発生した排ガスは、燃焼炉1の上部に接続された排熱回収ボイラ12へ送られる。
【0014】
排熱回収ボイラ12は、排ガスと水との間で熱交換を行うことで水を加熱して蒸気を発生させる。発生した蒸気は、燃焼設備100の外部における蒸気タービン等の機器(図示省略)で利用される。排熱回収ボイラ12を通過した排ガスは、減温塔13で冷却された後、集塵装置14に送られる。集塵装置14でススや塵埃が除去された排ガスは、出口流路15および煙突16を通じて大気中へ排出される。
【0015】
ここで、出口流路15の中途には、燃焼炉1内で発生する排ガスを煙突16に向かって誘引可能な誘引ファン17(IDF;Induced Draft Fan)が配置されている。誘引ファン17は、燃焼炉1内から排ガスを誘引することで、燃焼炉1内部を負圧の状態に維持する。
【0016】
本実施形態における誘引ファン17の回転数(排ガスの誘引量)は、燃焼炉1の外部に設けられた制御装置30によって制御されている。具体的には、誘引ファン17は、回転数を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0017】
つまり、誘引ファン17は、当該信号が示す回転数に基づいて回転し、燃焼炉1内における排ガスを誘引し、煙突16に向けて送気する。また、誘引ファン17は、自身の出力回転数を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0018】
燃焼炉1は、炉本体2と、燃料供給機構3と、ストーカ4と、風箱5と、排出シュート6と、火炉7と、押込送風機8と、1次空気ライン9と、空気予熱器10(第1調整部,第2調整部)と、2次空気ライン11と、を有している。
【0019】
(炉本体)
炉本体2の内部には、ごみWを燃焼させるための処理空間Vが形成されている。この処理空間Vでは、ごみWが燃焼しながら搬送方向Da(
図1における左右方向)に搬送される。処理空間Vで焼却されたごみWは、排出シュート6を通じて炉本体2の外部に排出される。
【0020】
以下では、説明の便宜上、搬送方向Daにおける排出シュート6から燃料供給機構3へ向かう側(
図1における左側)を「一方側Dal」と称する。また、一方側Dalとは反対側のごみWが搬送される側(
図1における右側)を「他方側Dar」と称する。
【0021】
(燃料供給機構)
燃料供給機構3は、ごみWを燃焼炉1の外部から受け入れるとともに、受け入れたごみWを炉本体2内部の処理空間Vに供給する機構である。本実施形態における燃料供給機構3は、ホッパ300と、フィーダ310と、を有している。
【0022】
(ホッパ)
ホッパ300は、炉本体2内部にごみWを供給するための燃焼炉1の入口である。ホッパ300には、燃焼炉1の外部からクレーン182によってごみWが投入される。ホッパ300は、入口部301と、出口部302と、を有している。
【0023】
入口部301は、外部からごみWが入るホッパ300における入口部分である。入口部301は、重力方向に一致する上下方向Dvの上方側Dvuから供給されたごみWを下方側Dvdの出口部302へと導く。入口部301は、上下方向Dvに延びる筒状を成している。入口部301の下部には出口部302が接続されている。したがって、入口部301に投入されたごみWは、重力にしたがって下方側Dvdに落下する。
【0024】
以下では、説明の便宜上、上下方向Dvにおける上方側Dvu(
図1における上側)を単に「上方側Dvu」と称する。また、上方側Dvuとは反対の側(
図1における下側)を単に「下方側Dvd」と称する。
【0025】
出口部302は、入口部301に投入されたごみWを炉本体2内部の処理空間Vへ導くホッパ300における出口部分である。出口部302は、ごみWを炉本体2内部の処理空間Vへ供給する前に、このごみWを一時的に貯留する貯留空間Rを内部に形成している。本実施形態における出口部302は、搬送方向Daに延びる箱形形状を成している。
【0026】
(フィーダ)
フィーダ310は、ホッパ300内のごみWを炉本体2内部の処理空間Vに供給する装置である。フィーダ310は、出口部302の内面における上方側Dvuを向く床面302aに対して搬送方向Daに往復移動可能に配置されている。
【0027】
フィーダ310における一方側Dalの端部は、油圧等によってフィーダ310を往復移動させるフィーダ駆動機構(図示省略)に接続されている。フィーダ310は、フィーダ駆動機構によって、貯留空間R内を搬送方向Daに往復移動可能とされている。すなわち、フィーダ310は、出口部302の床面302a上を一方側Dalから他方側Darに向かって進退可能とされている。
【0028】
フィーダ310は、搬送方向Daおよび炉幅方向Dwに延びるとともに所定の厚さを有する板状を成している。フィーダ310は、上方側Dvuを向く上面311と、上面311に接続されるとともに他方側Darを向く押出面312と、を有している。以下では、説明の便宜上、搬送方向Daおよび上下方向Dvのそれぞれに対して垂直な方向である炉本体2の幅方向を「炉幅方向Dw」と称する。
【0029】
上面311は、入口部301から供給されたごみWが堆積する面である。押出面312は、床面302a上に堆積したごみWを他方側Darに押し出す面である。すなわち、フィーダ310は、このフィーダ310自身が所定のタイミングで搬送方向Daに往復移動することで、貯留空間R内のごみWを処理空間Vに向かって間欠的に押し出す。
【0030】
本実施形態におけるごみWは、貯留空間R内部で圧密されている。貯留空間R内のごみWは、粘性を有するとともに、この貯留空間R内をひとかたまりで搬送方向Daに移動する1つの連続体としてみなすことができる。
【0031】
つまり、フィーダ310における上面311上のごみW、および出口部302における床面302a上のごみWは、貯留空間R内で一体になっている。そのため、フィーダ310の押出面312がごみWを処理空間V側に押し出すことにより、上面311上に堆積したごみWも連動して処理空間V側に移動する。
【0032】
本実施形態におけるフィーダ310の搬送方向Daへの進退動作は、上記制御装置30によって制御されている。具体的には、フィーダ310は、進退に係る指示を示す信号を制御装置30から受信する。つまり、フィーダ310は、当該信号が示す指示に基づいて出口部302の床面302a上を往復移動する。
【0033】
また、フィーダ310は、基準位置からの自身の進退量、進退速度、および進退し始めるタイミングの間隔を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信可能である。本実施形態におけるフィーダ310は、基準位置からの自身の進退量を示す信号を制御装置30に送信する。
【0034】
(ストーカ)
ストーカ4は、複数の火格子(図示省略)により構成されており、この複数の火格子は、燃料供給機構3によってごみWが層状に供給されるストーカ面4aを形成している。火格子は、固定火格子(図示省略)と、可動火格子(図示省略)とで構成されている。
【0035】
固定火格子は、風箱5の上方側Dvuを向く風箱5の表面に固定されている。可動火格子は、一定の速度で一方側Dal(上流側)と他方側Dar(下流側)へ移動することで、この可動火格子と固定火格子の上(ストーカ面4a上)にあるごみWを攪拌混合させながら下流側へ搬送する。ストーカ4は、ストーカ面4aに層状に供給されたごみWを燃焼させながら、排出シュート6に向かって搬送している。
【0036】
炉本体2は、一方側Dalから順に、乾燥段200、燃焼段201、および後燃焼段202を有している。これら乾燥段200、燃焼段201、および後燃焼段202は、処理空間Vを搬送方向Daに区画している。乾燥段200は、ホッパ300から供給されたごみWを、ストーカ4上で燃焼に先立って乾燥させる領域である。
【0037】
燃焼段201および後燃焼段202は、乾燥した状態のごみWをストーカ4上で燃焼させる領域である。燃焼段201では、ごみWから発生する熱分解ガスによる拡散燃焼が起き、輝炎Fが生じる。後燃焼段202では、拡散燃焼後のごみWの固定炭素燃焼が起きるため、輝炎Fは生じない。したがって、燃焼に伴って生じる輝炎Fは、主として燃焼段201に形成される。
【0038】
(風箱)
風箱5は、ストーカ4の下方から処理空間Vに向かって燃焼用の空気を供給する。風箱5は、搬送方向Daに複数配列されている。本実施形態では、風箱5によって炉本体2における乾燥段200、燃焼段201、および後燃焼段202が区画されている。
【0039】
(排出シュート)
排出シュート6は、燃焼を終えて灰となったごみWを炉本体2よりも下方側Dvdに位置する灰押出装置19へ落下させる装置である。排出シュート6は、後燃焼段202の他方側Darの端部に設けられている。
【0040】
(火炉)
火炉7は、炉本体2の上部から上方側Dvuに向かって延びている。処理空間V内でごみWが燃焼することによって生じた排ガスは、火炉7を通じて排熱回収ボイラ12に送られる。
【0041】
(押込送風機)
押込送風機8は、処理空間VでごみWを燃焼させるための空気を燃焼炉1内部に向かって圧送する装置である。本実施形態における押込送風機8の回転数(空気の流量)は、上記制御装置30によって制御されている。具体的には、押込送風機8は、回転数を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0042】
つまり、押込送風機8は、当該信号が示す回転数に基づいて回転し、上記空気を処理空間Vへ向けて圧送する。また、押込送風機8は、自身の出力回転数を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0043】
押込送風機8は、第1押込送風機81と、第2押込送風機82と、を有している。第1押込送風機81は、1次空気ライン9を通じて、風箱5に向かって燃焼用の空気を圧送する。第2押込送風機82は、2次空気ライン11を通じて、火炉7に向かって燃焼用の空気を圧送する。
【0044】
(1次空気ライン)
1次空気ライン9は、第1押込送風機81と風箱5とを接続している。第1押込送風機81が駆動されることで、1次空気ライン9を通じてごみWの燃焼に必要な空気が風箱5に供給される。風箱5に供給された空気は、ストーカ4の下方からごみWに向かう。以下、説明の便宜上、1次空気ライン9を通じて炉本体2内部へ供給される空気を「燃焼空気」と称する。
【0045】
1次空気ライン9は、1次空気ダンパ90を有している。1次空気ダンパ90は、1次空気ライン9の中途に設けられており、1次空気ダンパ90が有するダンパの開度によって1次空気ライン9内の燃焼空気の流量を規制している。本実施形態における1次空気ダンパ90の開度は、制御装置30によって制御されている。具体的には、1次空気ダンパ90は、開度を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0046】
(空気予熱器)
空気予熱器10は、第1押込送風機81から圧送される空気を予熱する熱交換器である。空気予熱器10は、1次空気ライン9の中途に設けられており、第1押込送風機81から風箱5に向かって流れる1次燃焼空気を予熱する。
【0047】
空気予熱器10によって予熱された1次燃焼空気は、処理空間Vに供給され、ごみWの燃焼に利用されるとともにごみWの燃焼に伴って発生する排ガスと熱交換する。したがって、空気予熱器10は、燃焼空気の温度を調整することで、排ガスの温度を調整可能である。
【0048】
本実施形態における空気予熱器10の設定温度(燃焼空気の温度)は、上記制御装置30によって制御されている。具体的には、空気予熱器10は、設定温度を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0049】
つまり、空気予熱器10は、当該信号が示す温度に基づいて燃焼空気を予熱する。また、空気予熱器10は、自身の設定温度を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0050】
(2次空気ライン)
2次空気ライン11は、第2押込送風機82と火炉7とを接続している。第2押込送風機82が駆動されることで、2次空気ライン11を通じて、ごみWの燃焼に必要な空気が火炉7内に供給される。火炉7内に供給された2次空気は、ストーカ4の上方からごみWに向かう。以下、説明の便宜上、2次空気ライン11を通じて炉本体2内部へ供給される空気を「燃焼空気」と称する。
【0051】
2次空気ライン11は、2次空気ダンパ110を有している。2次空気ダンパ110は、2次空気ライン11の中途に設けられており、2次空気ダンパ110が有するダンパの開度によって2次空気の流量を規制している。本実施形態における2次空気ダンパ110の開度は、制御装置30によって制御されている。具体的には、2次空気ダンパ110は、開度を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0052】
(ごみピット)
ごみピット18は、ごみWを貯留するとともに、ごみWをホッパ300に供給する。ごみピット18は、ごみピット本体180と、プラットフォーム181と、クレーン182と、クレーン制御装置189と、を有している。
【0053】
ごみピット本体180は、燃焼炉1よりも一方側DalでごみWを貯留する室である。ごみピット本体180は、ホッパ300の入口部301に接続されている。すなわち、ホッパ300内部とごみピット本体180内部とは連通しており、ごみピット本体180内部からホッパ300の内部へごみWが供給可能とされている。
【0054】
ここで、ごみピット18は、ごみピット本体180内に貯留されているろ液(ごみWから出た汚水)の貯留量を計測可能な第1レベルセンサ18aを有している。第1レベルセンサ18aは、例えば、ごみピット18内におけるろ液の液面の高さを計測することで、ごみピット18内のろ液の貯留量を計測可能なセンサである。第1レベルセンサ18aは、ごみピット本体180内に配置されている。第1レベルセンサ18aは、計測結果を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。
【0055】
プラットフォーム181は、ごみWをごみピット本体180内部へ搬入するための搬入口である。プラットフォーム181は、ごみピット本体180の一方側Dalに形成されている搬入用の開口部に接続されている。プラットフォーム181には、燃焼設備100の外部からごみ収集車Tが搬入される。ごみ収集車Tは、搬入したごみWをごみピット本体180内部へ投入する。
【0056】
クレーン182は、ごみピット本体180内に貯留されたごみWの一部を把持するとともに、把持したごみWをごみピット本体180からホッパ300の入口部301へ移送する。クレーン182は、ごみピット本体180の上方側Dvuの天井部分に設けられている。
【0057】
クレーン182は、天井に設けられているレール183と、レール183に沿って走行するガーダ184と、このガーダ184を横行するトロリ185と、このトロリ185から吊り下げられているワイヤ186と、このワイヤ186の巻き上げおよび巻き下げを行う巻上機187と、ワイヤ186の先端に取り付けられているグラップル188と、を有している。
【0058】
クレーン制御装置189は、ガーダ184の走行、トロリ185の横行、巻上機187によるワイヤ186の巻き上げと巻き下げ、およびグラップル188の把持動作等を制御する装置である。
【0059】
(灰押出装置)
灰押出装置19は、排出シュート6を通じて炉本体2よりも下方側Dvdに落下したごみW(灰)を受けるとともに、後続の灰ピット20へ押し出す装置である。灰押出装置19は、押出装置本体190と押出機構(図示省略)と、を有している。
【0060】
押出装置本体190は、処理空間Vで燃焼を終えて灰となったごみWを受けるとともに一時的に堆積させる。押出装置本体190は、炉本体2よりも下方側Dvdに配置されている。押出装置本体190は、排出シュート6に下方側Dvdから接続されている。押出機構は、灰ピット20に向けて押出装置本体190内に落下したごみW(灰)を押し出す。
【0061】
(灰ピット)
灰ピット20は、押出装置内のごみWを受け入れるとともに内部に貯留する室である。本実施形態における灰ピット20は、押出装置本体190に他方側Darから接続されている。灰ピット20内に貯留されたごみWは、例えば灰クレーン等(図示省略)によって燃焼設備100の外部へ移送される。
【0062】
ここで、灰ピット20は、灰ピット20内に貯留されているろ液(灰であるごみWから出た汚水)の貯留量を計測可能な第2レベルセンサ20aを有している。第2レベルセンサ20aは、例えば、灰ピット20内におけるろ液の液面を計測することで、灰ピット20内のろ液の貯留量を計測するセンサである。第2レベルセンサ20aは、灰ピット20内に配置されている。第2レベルセンサ20aは、計測結果を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。
【0063】
(ろ液供給部)
ろ液供給部21は、ごみピット18および灰ピット20でごみWから発生するろ液(汚水)を回収するとともに燃焼炉1内に供給する。ろ液供給部21は、第1ろ液ライン210と、第1ろ液ポンプ211(第1調整部,第2調整部)と、第2ろ液ライン212と、第2ろ液ポンプ213(第1調整部,第2調整部)と、を有している。
【0064】
第1ろ液ライン210は、ごみピット18と火炉7とを接続する管である。ごみピット18内におけるごみWから発生したろ液は、第1ろ液ライン210内をごみピット18から火炉7内に向かって流通する。本実施形態における第1ろ液ライン210の一端は、ごみピット18の下部に接続されており、第1ろ液ライン210の他端は、火炉7における2次空気ライン11との接続箇所よりも下方側Dvdの火炉7に接続されている。
【0065】
第1ろ液ポンプ211は、第1ろ液ライン210の中途に配置されている。第1ろ液ポンプ211は、ごみピット18から発生するろ液を第1ろ液ライン210を通じて火炉7内に向かって圧送する。第1ろ液ライン210内を第1ろ液ポンプ211によって圧送されたろ液は、火炉7内に噴霧され、火炉7内を流れる排ガスと熱交換する。したがって、第1ろ液ポンプ211は、ごみピット18で発生するろ液を燃焼炉1内に供給することで、排ガスの温度を調整可能である。
【0066】
本実施形態における第1ろ液ポンプ211の始動や停止、定格回転数(ごみピット18からのろ液の流量)は、上記制御装置30によって制御されている。具体的には、第1ろ液ポンプ211は、始動の指示を示す信号または停止の指示を示す信号や、出力回転数を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0067】
つまり、第1ろ液ポンプ211は、当該信号が示す回転数に基づいて回転し、ごみピット18から汲み上げたろ液を火炉7内に向けて圧送する。また、第1ろ液ポンプ211は、自身の出力回転数を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0068】
第2ろ液ライン212は、灰ピット20と火炉7とを接続する管である。灰ピット20内におけるごみWから発生したろ液は、第2ろ液ライン212内を灰ピット20から火炉7内に向かって流通する。本実施形態における第2ろ液ライン212の一端は、灰ピット20の下部に接続されており、第2ろ液ライン212の他端は、火炉7における2次空気ライン11との接続箇所よりも下方側Dvdの火炉7に接続されている。
【0069】
第2ろ液ポンプ213は、第2ろ液ライン212の中途に配置されている。第2ろ液ポンプ213は、灰ピット20から発生するろ液を汲み上げるとともに、第2ろ液ライン212を通じて汲み上げたろ液を火炉7内に向かって圧送する。
【0070】
第2ろ液ライン212内を第2ろ液ポンプ213によって圧送されたろ液は、火炉7内に噴霧され、火炉7内を流れる排ガスと熱交換する。したがって、第2ろ液ポンプ213は、灰ピット20で発生するろ液を燃焼炉1内に供給することで、排ガスの温度を調整可能である。
【0071】
本実施形態における第2ろ液ポンプ213の始動や停止、定格回転数(灰ピット20からのろ液の流量)は、上記制御装置30によって制御されている。具体的には、第2ろ液ポンプ213は、始動の指示を示す信号または停止の指示を示す信号や、出力回転数を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0072】
つまり、第2ろ液ポンプ213は、当該信号が示す回転数に基づいて回転し、灰ピット20から汲み上げたろ液を火炉7内に向けて圧送する。また、第2ろ液ポンプ213は、自身の出力回転数を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0073】
(炉内水供給部)
炉内水供給部22は、燃焼炉1内に炉内水(水)を供給する。炉内水供給部22は、水タンク220と、炉内水ライン221と、炉内水ポンプ222(第1調整部,第2調整部)と、を有している。
【0074】
水タンク220は、汚水ではない炉内水を溜める水槽である。本実施形態における水タンク220は、例えば、ごみピット本体180に隣接して配置されている。
【0075】
炉内水ライン221は、水タンク220と火炉7とを接続する管である。水タンク220内における炉内水は、炉内水ライン221内を水タンク220から火炉7内に向かって流通する。本実施形態における炉内水ライン221の一端は、水タンク220内に接続されており、炉内水ライン221の他端は、火炉7における2次空気ライン11との接続箇所よりも上方側Dvuの火炉7に接続されている。
【0076】
炉内水ポンプ222は、炉内水ライン221の中途に配置されている。炉内水ポンプ222は、水タンク220内の水を汲み上げるとともに、炉内水ライン221を通じて汲み上げた炉内水を火炉7内に向かって圧送する。
【0077】
炉内水ライン221内を炉内水ポンプ222によって圧送された水は、火炉7内に噴霧され、火炉7内を流れる排ガスと熱交換する。したがって、炉内水ポンプ222は、炉内水を燃焼炉1内に供給することで、排ガスの温度を調整可能である。
【0078】
本実施形態における炉内水ポンプ222の始動や停止、定格回転数(水タンク220からのろ液の流量)は、上記制御装置30によって制御されている。具体的には、炉内水ポンプ222は、始動の指示を示す信号または停止の指示を示す信号や、出力回転数を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0079】
つまり、炉内水ポンプ222は、当該信号が示す回転数に基づいて回転し、水タンク220から汲み上げた水を火炉7内に向けて圧送する。また、炉内水ポンプ222は、自身の出力回転数を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0080】
(排ガス再循環ライン)
排ガス再循環ライン23は、出口流路15内を流れる燃焼後の排ガスを火炉7内に還流させる。本実施形態における排ガス再循環ライン23は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)を実現するための管である。
【0081】
排ガス再循環ライン23は、出口流路15と火炉7とを接続している。本実施形態における排ガス再循環ライン23の一端は、出口流路15における集塵装置14近傍に接続されており、排ガス再循環ライン23の他端は、火炉7における炉内水ライン221との接続箇所よりも上方側Dvuの火炉7に接続されている。
【0082】
(脱硝材供給部)
脱硝材供給部24は、火炉7内を流れる排ガスへアンモニア水(NH3)や尿素水(CH4N2O)などの脱硝材を供給する。脱硝材供給部24は、脱硝材供給源240と、脱硝材供給ライン241と、を有している。脱硝材供給源240は、内部に上記脱硝材を保持するとともに、保持している脱硝材を外部へ供給可能な装置である。本実施形態における脱硝材供給源240は、外部へ脱硝材を供給する状態である「供給状態」と、供給しない状態である「非供給状態」とに切り替わることができる。
【0083】
脱硝材供給ライン241は、脱硝材供給源240と排ガス再循環ライン23とを接続する管である。脱硝材供給ライン241内における脱硝材は、脱硝材供給ライン241内を脱硝材供給源240から排ガス再循環ライン23に向かって流れる。排ガス再循環ライン23に流入した脱硝材は、排ガス再循環ライン23内を出口流路15から火炉7に向かって流れる排ガスに合流するとともに、合流した排ガスとともに火炉7内へ供給される。
【0084】
本実施形態における脱硝材供給部24が供給状態であるか非供給状態であるかは、上記制御装置30によって制御されている。具体的には、脱硝材供給部24の脱硝材供給源240は、脱硝材供給の有無(状態)に係る指示を示す信号を制御装置30から有線または無線通信を介して受信する。
【0085】
つまり、脱硝材供給部24は、当該信号が示す指示に基づいて供給状態から非供給状態へ、または非供給状態から供給状態へ遷移する。また、脱硝材供給部24の脱硝材供給源240は、自身の脱硝材供給の有無(状態)を示す信号を制御装置30に有線または無線通信を介して所定の時間間隔で送信する。
【0086】
(排ガス温度検出部)
排ガス温度検出部25は、燃焼炉1内を流れる排ガスのガス温度を計測するセンサである。排ガス温度検出部25は、火炉7内に配置されている。具体的には、排ガス温度検出部25は、火炉7における排ガス再循環ライン23との接続箇所よりも後流の火炉7に配置されている。排ガス温度検出部25は、検出結果を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。
【0087】
(酸素濃度検出部)
酸素濃度検出部26は、排ガスの酸素濃度を計測するセンサである。酸素濃度検出部26は、出口流路15内に設けられている。具体的には、酸素濃度検出部26は、出口流路15における誘引ファン17よりも煙突16側の出口流路15に配置されている。
【0088】
酸素濃度検出部26は、燃焼炉1内から出口流路15へ流れる排ガスの酸素濃度を検出することで、間接的に燃焼炉1内の排ガスの酸素濃度を検出している。酸素濃度検出部26は、検出結果を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。
【0089】
(流量検出部)
流量検出部27は、燃焼空気の流量を計測するセンサである。流量検出部27は、1次空気ライン9の中途に設けられている。具体的には、流量検出部27は、1次空気ライン9における空気予熱器10よりも風箱5側の1次空気ライン9に配置されている。流量検出部27は、検出結果を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。
【0090】
(制御装置)
制御装置30は、上述した各種装置と信号を送受信することで、燃焼炉1内の排ガス温度を調整する。
図2に示すように、本実施形態における制御装置30は、取得部31と、判定部32と、第1制御部33と、第2制御部34と、記憶部35と、を備えている。
【0091】
(取得部)
取得部31は、上述した各種装置の信号を受信するとともに、受信した各種装置の信号が示す値や状態等を取得する。
【0092】
(誘引ファンからの取得)
取得部31は、誘引ファン17から送信される信号を受信することで、当該信号が示す誘引ファン17の出力回転数を取得する。取得部31は、取得した誘引ファン17の出力回転数を判定部32に送る。
【0093】
(フィーダからの取得)
取得部31は、フィーダ310から送信される信号を受信することで、当該信号が示すフィーダ310の基準位置からの進退量を取得する。取得部31は、取得したフィーダ310の基準位置からの進退量を判定部32に送る。
【0094】
(押込送風機からの取得)
取得部31は、第1押込送風機81および第2押込送風機82のそれぞれから送信される信号を受信することで、これら信号が示す第1押込送風機81および第2押込送風機82の出力回転数を取得する。取得部31は、取得した第1押込送風機81および第2押込送風機82の出力回転数を判定部32に送る。
【0095】
(空気予熱器からの取得)
取得部31は、空気予熱器10から送信される信号を受信することで、当該信号が示す空気予熱器10の設定温度を取得する。取得部31は、取得した空気予熱器10の設定温度を判定部32に送る。
【0096】
(第1レベルセンサ、第2レベルセンサからの取得)
取得部31は、第1レベルセンサ18aから送信される信号を受信することで、当該信号が示すごみピット18におけるろ液貯留量(計測結果)を取得する。また、取得部31は、第2レベルセンサ20aから送信される信号を受信することで、当該信号が示す灰ピット20におけるろ液貯留量(計測結果)を取得する。取得部31は、取得したごみピット18および灰ピット20におけるろ液貯留量を判定部32に送る。
【0097】
(第1ろ液ポンプ、第2ろ液ポンプからの取得)
取得部31は、第1ろ液ポンプ211から送信される信号を受信することで、当該信号が示す第1ろ液ポンプ211の出力回転数を取得する。また、取得部31は、第2ろ液ポンプ213から送信される信号を受信することで、当該信号が示す第2ろ液ポンプ213の出力回転数を取得する。取得部31は、取得した第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213の出力回転数を判定部32に送る。
【0098】
(炉内水ポンプからの取得)
取得部31は、炉内水ポンプ222から送信される信号を受信することで、当該信号が示す炉内水ポンプ222の出力回転数を取得する。取得部31は、取得した炉内水ポンプ222の出力回転数を判定部32に送る。
【0099】
(脱硝材供給部からの取得)
取得部31は、脱硝材供給部24の脱硝材供給源240が送信する信号を受信することで、当該信号が示す脱硝材供給源240の脱硝材供給の有無(状態)を取得する。取得部31は、取得した脱硝材供給源240の脱硝材の供給状態を判定部32に送る。
【0100】
(排ガス温度検出部からの取得)
また、取得部31は、排ガス温度検出部25から送信される信号を受信することで、当該信号が示す火炉7内における排ガスのガス温度(検出結果)を取得する。取得部31は、取得した排ガスのガス温度を判定部32に送る。
【0101】
(酸素濃度検出部からの取得)
また、取得部31は、酸素濃度検出部26から送信される信号を受信することで、当該信号が示す出口流路15内を流れる排ガスの酸素濃度(検出結果)を取得する。取得部31は、取得した排ガスの酸素濃度を判定部32に送る。
【0102】
(流量検出部からの取得)
また、取得部31は、流量検出部27から送信される信号を受信することで、当該信号が示す一次空気ライン内を流れる燃焼空気の酸素濃度(検出結果)を取得する。取得部31は、取得した燃焼空気の流量を判定部32に送る。
【0103】
(判定部)
判定部32は、取得部31から受け付けた各種装置の信号が示す値や状態等と、記憶部35が予め記憶している所定の各種値とに基づいて判定処理をする。
【0104】
(誘引ファンに関する判定)
判定部32は、取得部31から誘引ファン17の出力回転数を受け付けた場合、当該出力回転数を記憶部35が予め記憶している所定の誘引ファン17の最大出力回転数で除し、当該出力回転数の最大出力回転数に対する割合(%)を求める。以下、説明の便宜上、求めた割合を「誘引ファン17の回転数」と称する。
【0105】
判定部32は、誘引ファン17の回転数と記憶部35が予め記憶している所定の第1割合閾値P1(%)とを比較する。誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1以下である場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1以下である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0106】
一方、誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1以下である」と最後に判定した時刻の次に「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい」と判定した時刻との差分を確認する。
【0107】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている所定の第1継続時間t1以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第1継続時間t1未満である場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい、かつ、第1継続時間t1未満である」と判定する。一方、時刻の差分が第1継続時間t1以上である場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい、かつ、第1継続時間t1以上である」と判定する。
【0108】
さらに、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい、かつ、第1継続時間t1未満である」と判定した場合、誘引ファン17の回転数と記憶部35が予め記憶している所定の第2割合閾値P2(%)とを比較する。求めた割合が第2割合閾値P2以下である場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2以下である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0109】
一方、誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2以下である」と最後に判定した時刻の次に「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい」と判定した時刻との差分を確認する。
【0110】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている所定の第1継続時間t1以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第1継続時間t1未満である場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい、かつ、第1継続時間t1未満である」と判定する。一方、時刻の差分が第1継続時間t1以上である場合、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい、かつ、第1継続時間t1以上である」と判定する。
【0111】
本実施形態における第1割合閾値P1は、第2割合閾値P2よりも小さい。本実施形態におけるこれら第1割合閾値P1および第2割合閾値P2には、例えば90%以上100%未満の数値が採用される。なお、第1割合閾値P1および第2割合閾値P2には、90%未満の数値が採用されてもよい。また、第1継続時間t1には、例えば1秒以上10秒未満の時間が採用される。なお、第1継続時間t1には10秒以上の時間が採用されてもよい。
【0112】
(排ガス温度検出部に関する判定)
判定部32は、取得部31から排ガスのガス温度を受け付けた場合、当該ガス温度が記憶部35によって予め記憶されている所定の第1ガス温度G1よりも大きいか否かを判定する。ガス温度が第1ガス温度G1以下である場合、判定部32は、「ガス温度が第1ガス温度G1以下である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0113】
一方、ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい場合、判定部32は、「ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「ガス温度が第1ガス温度G1以下である」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい」と判定した時刻との差分を確認する。
【0114】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている所定の第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定する。
【0115】
一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定する。
【0116】
さらに、判定部32は、「ガス温度が第1ガス温度G1以下である」、または「ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定した場合、ガス温度が記憶部35によって予め記憶されている所定の第2ガス温度G2未満であるか否かを判定する。ガス温度が第2ガス温度G2以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第2ガス温度G2以上である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0117】
一方、ガス温度が第2ガス温度G2よりも小さい場合、判定部32は、「ガス温度が第2ガス温度G2よりも小さい」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「ガス温度が第2ガス温度G2以上である」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が第2ガス温度G2よりも小さい」と判定した時刻との差分を確認する。
【0118】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第2ガス温度G2よりも小さい、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定する。
【0119】
一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第2ガス温度G2よりも小さい、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定する。
【0120】
また、判定部32は、取得部31から排ガスのガス温度を受け付けた場合、当該ガス温度が記憶部35によって予め記憶されている所定の第3ガス温度G3以上であるか否かを判定する。ガス温度が第3ガス温度G3未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第3ガス温度G3未満である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0121】
一方、ガス温度が第3ガス温度G3以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第3ガス温度G3以上である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「ガス温度が第3ガス温度G3未満である」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が第3ガス温度G3以上である」と判定した時刻との差分を確認する。
【0122】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている所定の第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第3ガス温度G3以上である、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第3ガス温度G3以上である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定する。
【0123】
さらに、判定部32は、「ガス温度が第3ガス温度G3未満である」、または「ガス温度が第3ガス温度G3以上である、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定した場合、ガス温度が記憶部35によって予め記憶されている所定の第4ガス温度G4以下であるか否かを判定する。ガス温度が第4ガス温度G4よりも大きい場合、判定部32は、「ガス温度が第4ガス温度G4よりも大きい」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0124】
一方、ガス温度が第4ガス温度G4以下である場合、判定部32は、「ガス温度が第4ガス温度G4以下である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「ガス温度が第4ガス温度G4よりも大きい」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が第4ガス温度G4以下である」と判定した時刻との差分を確認する。
【0125】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている所定の第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第4ガス温度G4以下である、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第4ガス温度G4以下である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定する。
【0126】
また、判定部32は、取得部31から排ガスのガス温度を受け付けるとともに、「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1以下である」または「誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい、かつ、第1継続時間t1未満である」と判定した場合、当該ガス温度が記憶部35によって予め記憶されている所定の第5ガス温度G5以上であるか否かを判定する。ガス温度が第5ガス温度G5未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第5ガス温度G5未満である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0127】
一方、ガス温度が第5ガス温度G5以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第5ガス温度G5以上である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「ガス温度が第5ガス温度G5未満である」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が第5ガス温度G5以上である」と判定した時刻との差分を確認する。
【0128】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている所定の第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第5ガス温度G5以上である、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第5ガス温度G5以上である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定する。
【0129】
さらに、判定部32は、「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2以下である」または「誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい、かつ、第1継続時間t1未満である」と判定した場合、ガス温度が記憶部35によって予め記憶されている所定の第6ガス温度G6未満であるか否かを判定する。
【0130】
同様に、判定部32は、「ガス温度が第5ガス温度G5未満である」、または「ガス温度が第5ガス温度G5以上である、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定した場合、ガス温度が第6ガス温度G6未満であるか否かを判定する。ガス温度が第6ガス温度G6以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第6ガス温度G6以上である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0131】
一方、ガス温度が第6ガス温度G6未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第6ガス温度G6未満である」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。同時に、判定部32は、この時刻と、「ガス温度が第6ガス温度G6以上である」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が第6ガス温度G6未満である」と判定した時刻との差分を確認する。
【0132】
この時、判定部32は、当該差分が記憶部35によって予め記憶されている所定の第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度が第6ガス温度G6未満である、かつ、第2継続時間t2未満である」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度が第6ガス温度G6未満である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定する。
【0133】
本実施形態における第1ガス温度G1は、第2ガス温度G2よりも大きい。本実施形態におけるこれら第1ガス温度G1および第2ガス温度G2には、例えば900℃以上1000℃未満の数値が採用される。なお、第1ガス温度G1および第2ガス温度G2には、900℃未満または1000℃以上の数値が採用されてもよい。
【0134】
また、第3ガス温度G3は、第4ガス温度G4よりも大きい。本実施形態におけるこれら第3ガス温度G3および第4ガス温度G4には、例えば900℃以上1000℃未満の数値が採用される。なお、第3ガス温度G3および第4ガス温度G4には、900℃未満または1000℃以上の数値が採用されてもよい。
【0135】
また、第5ガス温度G5は、第6ガス温度G6よりも大きい。本実施形態におけるこれら第5ガス温度G5および第6ガス温度G6には、例えば900℃以上1100℃未満の数値が採用される。なお、第5ガス温度G5および第6ガス温度G6には、900℃未満または1100℃以上の数値が採用されてもよい。
【0136】
これら第1ガス温度G1、第2ガス温度G2、第3ガス温度G3、および第4ガス温度G4は、第5ガス温度G5、第6ガス温度G6、第1ガス温度G1、第2ガス温度G2、第3ガス温度G3、第4ガス温度G4の順番で温度が高い。また、第2継続時間t2には、例えば1秒以上60秒未満の時間が採用される。なお、第2継続時間t2には60秒以上の時間が採用されてもよい。
【0137】
(空気予熱器に関する判定)
判定部32は、取得部31から空気予熱器10の設定温度を受け付けた後に、「ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定した場合、当該設定温度が記憶部35によって記憶されている所定の第1燃焼温度T1以上であるか否かを判定する。
【0138】
設定温度が第1燃焼温度T1以上である場合、判定部32は、「設定温度が第1燃焼温度T1以上である」と判定する。一方、設定温度が第1燃焼温度T1未満である場合、判定部32は、「設定温度が第1燃焼空気温度未満である」と判定する。
【0139】
また、判定部32は、取得部31から空気予熱器10の設定温度を受け付けるとともに、「排ガスのガス温度が第2ガス温度G2よりも小さい、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定した場合、当該設定温度が記憶部35によって記憶されている所定の第2燃焼温度T2以下であるか否かを判定する。
【0140】
設定温度が第2燃焼温度T2以下である場合、判定部32は、「設定温度が第2燃焼温度T2以下である」と判定する。一方、設定温度が第2燃焼温度T2よりも大きい場合、判定部32は、「設定温度が第2燃焼空気温度よりも大きい」と判定する。
【0141】
本実施形態における第1燃焼温度T1は、第2燃焼温度T2よりも小さい。本実施形態におけるこれら第1燃焼温度T1および第2燃焼温度T2には、例えば100℃以上200℃未満の数値が採用される。なお、第1燃焼温度T1および第2燃焼温度T2には、100℃未満または200℃以上の数値が採用されてもよい。
【0142】
(第1制御部)
第1制御部33は、第1調整部としての空気予熱器10、第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213、ならびに炉内水ポンプ222のうちいずれかと、第1調整部とは異なる第2調整部としての空気予熱器10、第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213、ならびに炉内水ポンプ222のうちいずれかを制御可能である。
【0143】
第1制御部33は、燃焼設備100内の状態に応じて第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する。例えば、第1制御部33は、燃焼設備100内の状態として排ガス温度検出部25の検出結果(ガス温度)に基づいて第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する。
【0144】
(空気予熱器に関する制御)
第1制御部33は、判定部32が「設定温度が第1燃焼温度T1以上である」と判定した場合、設定温度を低下させる指示を示す信号を第1調整部または第2調整部としての空気予熱器10に送信する。具体的には、第1制御部33は、記憶部35によって予め記憶されている所定の「単位時間tu」毎に、記憶部35によって予め記憶されている所定の「調整温度Ta」だけ低下させる指示を示す信号を空気予熱器10に送信し、送信時刻を記憶部35に記憶させる。
【0145】
また、第1制御部33は、判定部32が「設定温度が第2燃焼温度T2以下である」と判定した場合、設定温度を上昇させる指示を示す信号を空気予熱器10に送信する。具体的には、第1制御部33は、単位時間tu毎に調整温度Taだけ上昇させる指示を示す信号を空気予熱器10に送信し、最初に送信した時刻のみを記憶部35に記憶させる。
【0146】
ここで、判定部32は、取得部31から空気予熱器10の設定温度を受け付けた場合、第1制御部33が記憶部35に記憶させた送信時刻および現在時刻の差分と、単位時間tuとを比較する。当該差分が単位時間tu未満である場合、判定部32は、「前回の温度制御から単位時間tu以上経過していない」と判定する。一方、当該差分が単位時間tu以上である場合、判定部32は、「前回の温度制御から単位時間tu以上経過した」と判定する。
【0147】
本実施形態における記憶部35が予め記憶している所定の単位時間tuには、例えば、1分以上60分以下の時間が採用される。なお、単位時間tuは60分以上の時間であってもよい。また、調整温度Taには、例えば、1℃以上100℃以下の温度が採用される。なお、調整温度Taは、100℃以上の温度であってもよい。
【0148】
(第1ろ液ポンプおよび第2ろ液ポンプに関する制御)
また、第1制御部33は、判定部32が「ガス温度が第3ガス温度G3以上である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定した場合、始動の指示を示す信号を第1調整部または第2調整部としての第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213に送信する。一方、第1制御部33は、判定部32が「ガス温度が第4ガス温度G4以下である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定した場合、停止の指示を示す信号を第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213に送信する。
【0149】
(炉内水ポンプに関する制御)
また、第1制御部33は、判定部32が「ガス温度が第5ガス温度G5以上である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定した場合、始動の指示を示す信号を第1調整部または第2調整部としての炉内水ポンプ222に送信する。一方、第1制御部33は、判定部32が「ガス温度が第6ガス温度G6未満である、かつ、第2継続時間t2以上である」と判定した場合、停止の指示を示す信号を炉内水ポンプ222に送信する。
【0150】
(第2制御部)
第2制御部34は、第1制御部33によって第1調整部および第2調整部のうち1つ以上が選択的に制御された後に、燃焼設備100内の排ガスへ脱硝材を供給するように脱硝材供給部24を制御する。具体的には、第2制御部34は、第1調整部および第2調整部のうち1つ以上が制御された後に、脱硝材供給部24の脱硝材供給源240に供給の指示を示す信号を送信する。
【0151】
(制御装置の動作)
続いて、制御装置30の動作について説明する。以下、
図3を参照して第1調整部または第2調整部が空気予熱器10である場合の制御装置30の動作の一例について説明する。ただし、以下に説明する処理の順番は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。
【0152】
取得部31は、空気予熱器10の設定温度を空気予熱器10から取得する(ステップS0)。次に、判定部32は、前回の設定温度制御から単位時間tu以上経過したか否かを判定する(ステップS1)。前回の温度制御から単位時間tu以上経過していないと判定部32が判定した場合(ステップS1:NO)、ステップS0の処理が再び行われる。
【0153】
前回の温度制御から単位時間tu以上経過したと判定部32が判定した場合(ステップS1:YES)、取得部31は、排ガスのガス温度を排ガス温度検出部25から取得する(ステップS2)。次に、判定部32は、ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きいか否かを判定するとともに、ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい場合にガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい状態が第2継続時間t2以上継続しているか否かを判定する(ステップS3)。
【0154】
ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい、かつ、第2継続時間t2以上であると判定部32が判定した場合(ステップS3:YES)、判定部32は、空気予熱器10の設定温度が第1燃焼温度T1以上であるか否かを判定する(ステップS4)。設定温度が第1燃焼温度T1未満であると判定部32が判定した場合(ステップS4:NO)、ステップS0の処理が再び行われる。
【0155】
設定温度が第1燃焼温度T1以上であると判定部32が判定した場合(ステップS4:YES)、第1制御部33は、設定温度を単位時間tu毎に調整温度Taだけ低下させる指示を示す信号を空気予熱器10に送信する(ステップS5)。ステップS5の処理を終えた場合、ステップS0の処理が再び行われる。
【0156】
ガス温度が第1ガス温度G1以下である、または、ガス温度が第1ガス温度G1よりも大きい、かつ、第2継続時間t2未満であると判定部32が判定した場合(ステップS3:NO)、判定部32は、ガス温度が第2ガス温度G2よりも大きいか否かを判定するとともに、ガス温度が第2ガス温度G2よりも大きい場合にガス温度が第2ガス温度G2よりも大きい状態が第2継続時間t2以上継続しているか否かを判定する(ステップS6)。
【0157】
ガス温度が第2ガス温度G2よりも大きい、かつ、第2継続時間t2以上であると判定部32が判定した場合(ステップS6:YES)、判定部32は、空気予熱器10の設定温度が第2燃焼温度T2以上であるか否かを判定する(ステップS7)。設定温度が第2燃焼温度T2未満であると判定部32が判定した場合(ステップS7:NO)、ステップS0の処理が再び行われる。
【0158】
設定温度が第2燃焼温度T2以上であると判定部32が判定した場合(ステップS7:YES)、第1制御部33は、設定温度を単位時間tu毎に調整温度Taだけ上昇させる指示を示す信号を空気予熱器10に送信する(ステップS8)。ステップS8の処理を終えた場合、ステップS0の処理が再び行われる。
【0159】
ガス温度が第2ガス温度G2以下である、または、ガス温度が第2ガス温度G2よりも大きい、かつ、第2継続時間t2未満であると判定部32が判定した場合(ステップS6:NO)、ステップS0の処理が再び行われる。
【0160】
以上説明したステップS1からステップS8の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0161】
以下、
図4を参照して第1調整部または第2調整部が第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213である場合の制御装置30の動作の一例について説明する。ただし、以下に説明する処理の順番は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。
【0162】
取得部31は、排ガスのガス温度を空気予熱器10から取得する(ステップS10)。次に、判定部32は、ガス温度が第3ガス温度G3以上であるか否かを判定するとともに、ガス温度が第3ガス温度G3以上である場合にガス温度が第3ガス温度G3以上である状態が第2継続時間t2以上継続しているか否かを判定する(ステップS11)。
【0163】
ガス温度が第3ガス温度G3以上である、かつ、第2継続時間t2以上であると判定部32が判定した場合(ステップS11:YES)、第1制御部33は、始動の指示を示す信号を第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213に送信する(ステップS12)。ステップS12の処理を終えた場合、ステップS10の処理が再び行われる。
【0164】
ガス温度が第3ガス温度G3未満である、または、ガス温度が第3ガス温度G3以上である、かつ、第2継続時間t2未満であると判定部32が判定した場合(ステップS11:NO)、判定部32は、ガス温度が第4ガス温度G4以下であるか否かを判定するとともに、ガス温度が第4ガス温度G4以下である場合にガス温度が第4ガス温度G4以下である状態が第2継続時間t2以上継続しているか否かを判定する(ステップS13)。
【0165】
ガス温度が第4ガス温度G4以下である、かつ、第2継続時間t2以上であると判定部32が判定した場合(ステップS13:YES)、第1制御部33は、停止の指示を示す信号を第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213に送信する(ステップS14)。ステップS14の処理を終えた場合、ステップS10の処理が再び行われる。
【0166】
ガス温度が第4ガス温度G4よりも大きい、または、ガス温度が第4ガス温度G4以下である、かつ、第2継続時間t2未満であると判定部32が判定した場合(ステップS13:NO)、ステップS10の処理が再び行われる。
【0167】
以上説明したステップS10からステップS14の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0168】
以下、
図5を参照して第1調整部または第2調整部が炉内水ポンプ222である場合の制御装置30の動作の一例について説明する。ただし、以下に説明する処理の順番は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。
【0169】
取得部31は、排ガスのガス温度を空気予熱器10から取得する(ステップS20)。次に、取得部31は、誘引ファン17の回転数を取得する(ステップS21)。次に、判定部32は、誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きいか否かを判定するとともに、誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい場合に誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい状態が第1継続時間t1未満継続しているか否かを判定する(ステップS22)。
【0170】
誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい、かつ、第1継続時間t1未満であると判定部32が判定した場合(ステップS22:YES)、判定部32は、ガス温度が第5ガス温度G5以上であるか否かを判定するとともに、ガス温度が第5ガス温度G5以上である場合にガス温度が第5ガス温度G5以上である状態が第2継続時間t2以上継続しているか否かを判定する(ステップS23)。
【0171】
ガス温度が第5ガス温度G5以上である、かつ、第2継続時間t2以上であると判定部32が判定した場合(ステップS23:YES)、第1制御部33は、始動の指示を示す信号を炉内水ポンプ222に送信する(ステップS24)。ステップS24の処理を終えた場合、ステップS20の処理が再び行われる。
【0172】
誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1以下である、または、誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい、かつ、第1継続時間t1以上であると判定部32が判定した場合(ステップS22:NO)、判定部32は、誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きいか否かを判定するとともに、誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい場合に誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい状態が第1継続時間t1未満継続しているか否かを判定する(ステップS25)。
【0173】
誘引ファン17の回転数が第1割合閾値P1よりも大きい、かつ、第1継続時間t1未満であると判定部32が判定した場合(ステップS25:YES)、判定部32は、ガス温度が第6ガス温度G6よりも小さいか否かを判定するとともに、ガス温度が第6ガス温度G6よりも小さい場合にガス温度が第6ガス温度G6よりも小さい状態が第2継続時間t2以上継続しているか否かを判定する(ステップS26)。
【0174】
ガス温度が第6ガス温度G6よりも小さい、かつ、第2継続時間t2以上であると判定部32が判定した場合(ステップS26:YES)、第1制御部33は、停止の指示を示す信号を炉内水ポンプ222に送信する(ステップS27)。ステップS27の処理を終えた場合、ステップS20の処理が再び行われる。
【0175】
また、ステップS25で、誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2以下である、または、誘引ファン17の回転数が第2割合閾値P2よりも大きい、かつ、第1継続時間t1以上であると判定部32が判定した場合(ステップS25:NO)、ステップS27に進む。
【0176】
また、ステップS26で、ガス温度が第6ガス温度G6以上である、または、ガス温度が第6ガス温度G6よりも小さい、かつ、第2継続時間t2未満であると判定部32が判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS20の処理が再び行われる。
【0177】
また、ステップS23で、ガス温度が第5ガス温度G5以下である、または、ガス温度が第5ガス温度G5以上である、かつ、第2継続時間t2未満であると判定部32が判定した場合(ステップS23:NO)、ステップS26へ進む。
【0178】
以上説明したステップS20からステップS27の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0179】
(作用効果)
第1実施形態に係る制御装置30によれば、排ガスのガス温度を調整する第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、燃焼設備100内の排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部が制御される。
【0180】
これにより、例えば、ガス温度を調整する手段としての調整部が1つのみである制御装置30の構成と比較して、ガス温度を調整する制御を燃焼設備100内の状態に応じて選択的に行うことができる。したがって、燃焼設備100内における燃焼状態の悪化を抑制することができ、その結果、燃焼設備100における排ガス温度を安定化させることができる。
【0181】
また、第1実施形態に係る制御装置30によれば、第1調整部は、ろ液の量、燃焼空気の温度、または炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部である。そして、第2調整部は、ろ液の量、燃焼空気温度、または炉内水噴霧の量のうち、いずれか別の1つを調整する調整部である。さらに、第1制御部33は、燃焼設備100内の状態として排ガス温度検出部25の検出結果であるガス温度に基づき、第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する。
【0182】
これにより、上記実施形態の作用効果をより具体的な構成で実現することができる。また、第1制御部33が排ガスのガス温度に基づいて第1調整部および第2調整部を選択的に制御するため、燃焼設備100内における燃焼状態の悪化をより抑制することができる。
【0183】
<第2実施形態>
次に、本開示の第2実施形態に係る燃焼設備100の制御装置30の構成について説明する。第2実施形態では、制御装置30の各処理部の機能および動作の一部が第1実施形態に対して異なっている。また、第2実施形態における第1調整部は、空気予熱器10である。第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
【0184】
(判定部)
判定部32は、取得部31から受け付けた各種装置の信号が示す値や状態等と、記憶部35が予め記憶している所定の各種値とに基づいて判定処理をする。
【0185】
(酸素濃度検出部に関する判定)
判定部32は、取得部31から排ガスの酸素濃度を燃焼設備内の状態として受け付けた場合、当該酸素濃度の時間平均Tmが記憶部35によって予め記憶されている所定の第1範囲R1に収まっているか否かを判定する。本実施形態における時間平均Tmは、例えば30分以上の時間平均が採用される。なお、時間平均Tmは30分未満の時間平均であってもよい。
【0186】
酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1内に収まっている場合、判定部32は、「酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1内である」と判定する。一方、酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1を超えている場合、判定部32は、「酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1外である」と判定する。
【0187】
また、判定部32は、取得部31から排ガスの酸素濃度を受け付けた場合、当該酸素濃度が記憶部35によって予め記憶されている所定の酸素濃度閾値以上であるか否かを判定する。酸素濃度が酸素濃度閾値未満である場合、判定部32は、「酸素濃度が低い」と判定する。一方、酸素濃度が酸素濃度閾値以上である場合、判定部32は、「酸素濃度が高い」と判定する。
【0188】
また、判定部32は、取得部31から排ガスの酸素濃度を受け付けた場合、当該酸素濃度を一時的に記憶する。判定部32は、取得部31から酸素濃度を新たに受け付けた場合、一時的に記憶した酸素濃度に対して新たに受け付けた酸素濃度が高いか低いかを判定する。
【0189】
新たに受け付けた酸素濃度が一時的に記憶した酸素濃度よりも高い場合、判定部32は、「酸素濃度が上昇している」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。一方、新たに受け付けた酸素濃度が一時的に記憶した酸素濃度よりも低い場合、判定部32は、「酸素濃度が低下している」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0190】
「酸素濃度が上昇している」と判定した場合、判定部32は、この判定した時刻と、「酸素濃度が低下している」と最後に判定した時刻の次に「酸素濃度が上昇している」と判定した時刻との差分を確認する。
【0191】
この時、判定部32は、当該差分が第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「酸素濃度上昇が継続していない」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「酸素濃度上昇が継続している」と判定する。
【0192】
「酸素濃度が低下している」と判定した場合、判定部32は、最新の時刻と、「酸素濃度が上昇している」と最後に判定した時刻の次に「酸素濃度が低下している」と判定した時刻との差分を確認する。
【0193】
この時、判定部32は、当該差分が第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「酸素濃度低下が継続していない」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「酸素濃度低下が継続している。
【0194】
(流量検出部に関する判定)
判定部32は、取得部31から燃焼空気の流量を受け付けた場合、当該流量が記憶部35によって予め記憶されている所定の第2範囲R2内に収まっているか否かを判定する。燃焼空気の流量が第2範囲R2内に収まっている場合、判定部32は、「流量が第2範囲R2内である」と判定する。一方、燃焼空気の流量が第2範囲R2を超えている場合、判定部32は、「流量が第2範囲R2外である」と判定する。
【0195】
(フィーダに関する判定)
判定部32は、取得部31からフィーダ310の基準位置からの進退量を受け付けた場合、当該進退量が記憶部35によって予め記憶されている所定の第3範囲R3内に収まっているか否かを判定する。フィーダ310の進退量が第3範囲R3内に収まっている場合、判定部32は、「ごみ供給量が第3範囲R3内である」と判定する。一方、フィーダ310の進退量が第3範囲R3を超えている場合、判定部32は、「ごみ供給量が第3範囲R3外である」と判定する。
【0196】
(排ガス温度検出部に関する判定)
判定部32は、取得部31から排ガスのガス温度を受け付けた場合、当該ガス温度を一時的に記憶する。判定部32は、取得部31からガス温度を新たに受け付けた場合、一時的に記憶したガス温度に対して新たに受け付けたガス温度が高いか低いかを判定する。
【0197】
新たに受け付けたガス温度が一時的に記憶したガス温度よりも高い場合、判定部32は、「ガス温度が上昇している」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。一方、新たに受け付けたガス温度が一時的に記憶したガス温度よりも低い場合、判定部32は、「ガス温度が低下している」と判定し、判定した時刻を記憶部35に記憶させる。
【0198】
「ガス温度が上昇している」と判定した場合、判定部32は、最新の時刻と、「ガス温度が低下している」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が上昇している」と判定した時刻との差分を確認する。
【0199】
この時、判定部32は、当該差分が第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度上昇が継続していない」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度上昇が継続している」と判定する。
【0200】
「ガス温度が低下している」と判定した場合、判定部32は、最新の時刻と、「ガス温度が上昇している」と最後に判定した時刻の次に「ガス温度が低下している」と判定した時刻との差分を確認する。
【0201】
この時、判定部32は、当該差分が第2継続時間t2以上であるか否かを判定する。時刻の差分が第2継続時間t2未満である場合、判定部32は、「ガス温度低下が継続していない」と判定する。一方、時刻の差分が第2継続時間t2以上である場合、判定部32は、「ガス温度低下が継続している」と判定する。
【0202】
(第1制御部)
本実施形態における第1制御部33は、第1実施形態の構成に加えて、第3調整部としての第1押込送風機81と、第4調整部としてのフィーダ310とのうち少なくとも一方を制御する。
【0203】
(第1押込送風機に関する制御)
第1制御部33は、「酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1外である」と判定部32が判定した場合、第1押込送風機81の送風する燃焼空気量を記憶部35によって予め記憶されている所定の計画範囲Rt内で変更する。第1制御部33は、燃焼空気の増減(回転数の増減)の指示を示す信号を第1押込送風機81に送信することで燃焼空気量を計画範囲Rt内で変更する。
【0204】
具体的には、第1制御部33は、「酸素濃度が酸素濃度閾値未満である」と判定部32が判定した場合、回転数増加の指示を示す信号を第1押込送風機81に送信する。一方、第1制御部33は、「酸素濃度が酸素濃度閾値以上である」と判定部32が判定した場合、回転数減少の指示を示す信号を第1押込送風機81に送信する。また、第1制御部33は、「流量が第2範囲R2外である」と判定部32が判定した場合、回転数増加の指示を示す信号を第1押込送風機81に送信する。
【0205】
(フィーダに関する制御)
第1制御部33は、「進退量が第3範囲R3外である」と判定部32が判定した場合、進退量増減の指示を示す信号と、進退速度増減の指示を示す信号と、進退し始めるタイミングの間隔を広げるまたは狭める指示を示す信号とのうち1つ以上をフィーダ310に送信する。
【0206】
(空気予熱器に関する制御)
第1制御部33は、「ガス温度低下が継続している」、かつ、「酸素濃度上昇が継続している」と判定部32が判定した場合、設定温度増加の指示を示す信号を第1調整部としての空気予熱器10に送信する。
【0207】
また、第1制御部33は、「ガス温度上昇が継続している」、かつ、「酸素濃度低下が継続している」と判定部32が判定した場合、設定温度減少の指示を示す信号を空気予熱器10に送信する。
【0208】
(制御装置の動作)
以下、
図6を参照して制御装置30の動作の一例について説明する。ただし、以下に説明する処理の順番は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。
【0209】
取得部31は、排ガスのガス温度を空気予熱器10から取得する(ステップS30)。次に、取得部31は、酸素濃度を酸素濃度検出部26から取得する(ステップS31)。次に、判定部32は、酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1を超えているか否かを判定する(ステップS32)。
【0210】
酸素濃度が第1範囲R1外であると判定部32が判定した場合(ステップS32:YES)、第1制御部33は、回転数の増減の指示を示す信号を第1押込送風機81に送信することで燃焼空気量を計画範囲Rt内で変更する(ステップS33)。酸素濃度が第1範囲R1内であると判定部32が判定した場合(ステップS32:NO)、ステップS30の処理が再び行われる。
【0211】
次に、判定部32は、燃焼空気の流量が第2範囲R2内であるか否か、および、ごみ供給量が第3範囲R3内であるか否かを判定する(ステップS34)。流量が第2範囲R2内である、かつ、ごみ供給量が第3範囲R3内であると判定部32が判定した場合(ステップS34:YES)、判定部32は、ガス温度低下が継続しているか否か、および、酸素濃度上昇が継続しているか否かを判定する(ステップS35)。
【0212】
流量が第2範囲R2外である、または、ごみ供給量が第3範囲R3外であると判定部32が判定した場合(ステップS34:NO)、ステップS30の処理が再び行われる。ガス温度低下が継続している、かつ、酸素濃度上昇が継続していると判定部32が判定した場合(ステップS35:YES)、第1制御部33は、設定温度増加の指示を示す信号を第1調整部としての空気予熱器10に送信する(ステップS36)。
【0213】
ステップS36の処理を終えた場合、ステップS30の処理が再び行われる。ガス温度低下が継続していない、または、酸素濃度上昇が継続していないと判定部32が判定した場合(ステップS35:NO)、判定部32は、ガス温度上昇が継続しているか否か、および、酸素濃度低下が継続しているか否かを判定する(ステップS37)。
【0214】
ガス温度上昇が継続している、かつ、酸素濃度低下が継続していると判定部32が判定した場合(ステップS37:YES)、第1制御部33は、設定温度減少の指示を示す信号を第1調整部としての空気予熱器10に送信する(ステップS38)。ガス温度上昇が継続していない、または、酸素濃度低下が継続していないと判定部32が判定した場合(ステップS37:NO)、ステップS30の処理が再び行われる。
【0215】
以上説明したステップS30からステップS38の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0216】
したがって、酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1を超えた状態で、第3調整部としての第1押込送風機81が制御されてもなお、酸素濃度が上昇または低下し続けている場合に、第1制御部33は、第1調整部としての空気予熱器10を制御している。
【0217】
(作用効果)
第2実施形態に係る制御装置30では、第1制御部33によって第1押込送風機81が制御されてもなお、酸素濃度が上昇または低下している場合に、第1制御部33によって空気予熱器10が制御される。
【0218】
これにより、例えば、燃焼空気の量が調整されてもなお、燃焼炉1内における酸素濃度が高いまたは低い場合、すなわち、燃焼炉1内における燃焼状態が良くない場合であっても、燃焼空気の温度が調整されることで燃焼状態を改善することができる。したがって、燃焼設備100における排ガス温度を安定化させることができる。
【0219】
<第3実施形態>
次に、本開示の第3実施形態に係る燃焼設備100の制御装置30の構成について説明する。第3実施形態では、燃焼設備100が画像取得部28を更に備え、制御装置30の各処理部の機能および動作の一部が第1実施形態に対して異なっている。また、第3実施形態における第1調整部は、空気予熱器10である。第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
【0220】
(画像取得部)
画像取得部28は、炉本体2内部を撮像可能な可視カメラである、画像取得部28は、炉本体2内部の天井2aに設けられている。画像取得部28が炉本体2内部を撮影して生成した撮像結果(処理画像)中では、フィーダ310と、乾燥段200と、燃焼段201と、後燃焼段202のそれぞれが写る領域は予め特定されている。画像取得部28は、所定の時間間隔で炉本体2内部を撮像し、撮像結果を示す信号を制御装置30へ有線または無線通信を介して送信する。
【0221】
画像取得部28の撮像範囲には、主として輝炎Fが写る。輝炎Fは主として燃焼段201に生じており、輝炎Fは主として炉内画像の上半部に写りこむ。ここで、輝炎Fは、一方側Dalの端部に燃え切り長さを有している。燃え切り長さは、燃焼段201におけるごみWの拡散燃焼が終了したことを示すストーカ4上の一地点(揮発ガス発生完了点)であり、燃焼炉1内での好適な燃焼を図るための制御に用いられる指標の1つである。
【0222】
(取得部)
取得部31は、上述した各種装置の信号を受信するとともに、受信した各種装置の信号が示す値や状態等を取得する。
【0223】
(画像取得部からの取得)
取得部31は、画像取得部28から送信される信号を受信することで、当該信号が示す撮像結果を取得する。取得部31は、取得した撮像結果を判定部32に送る。
【0224】
(判定部)
判定部32は、取得部31から受け付けた各種装置の信号が示す値や状態等と、記憶部35が予め記憶している所定の各種値とに基づいて判定処理をする。
【0225】
(画像取得部に関する判定)
判定部32は、取得部31から燃焼設備内の状態として撮像結果を受け付けた場合、当該撮像結果に基づいて燃え切り長さが記憶部35によって予め記憶されている所定の長さである燃え切り閾値以下であるか否かを判定する。燃え切り長さが燃え切り閾値よりも大きい場合、判定部32は、「燃焼状態が不良である」と判定する。一方、燃え切り長さが燃え切り閾値以下である場合、判定部32は、「燃焼状態が良好である」と判定する。
【0226】
(制御装置の動作)
以下、
図8を参照して制御装置30の動作の一例について説明する。ただし、以下に説明する処理の順番は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。本実施形態では、第1実施形態で説明した制御装置30の動作におけるステップS3とステップS4の間にステップS9の処理がある点以外はすべて同様の処理である。したがって、ステップS1からステップS8についての説明は省略する。
【0227】
ステップS8に次いで、判定部32は、燃焼状態が良好であるか否かを判定する(ステップS9)。燃焼状態が良好であると判定部32が判定した場合(ステップS9:YES)、ステップS4へ進む。燃焼状態が不良であると判定部32が判定した場合、ステップS0の処理が再び行われる。
【0228】
ステップS1からステップS9の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0229】
(作用効果)
第3実施形態に係る制御装置30では、画像取得部28の撮像結果に基づいて第1調整部としての空気予熱器10が第1制御部33によって制御される。
【0230】
これにより、燃焼炉1内の燃焼状態を示す撮像結果に基づく制御を第1制御部33が行うため、例えば、燃焼炉1内の状態を運転員が目視で確認して制御される必要がない。したがって、燃焼状態の判定のばらつきを抑制することができる。したがって、燃焼設備100における排ガス温度を安定化させることができる。
【0231】
<第4実施形態>
次に、本開示の第4実施形態に係る燃焼設備100の制御装置30の構成について説明する。第4実施形態では、制御装置30の各処理部の機能および動作の一部が第1実施形態に対して異なっている。また、第1調整部は、第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213、または、炉内水ポンプ222であり、第2調整部は、空気予熱器10である。第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
【0232】
(制御装置)
図9に示すように、本実施形態における制御装置30は、取得部31と、判定部32と、第1制御部33と、第2制御部34と、閾値調整部36と、記憶部35と、を備えている。
【0233】
(第1制御部)
本実施形態における第1制御部33は、第1実施形態の構成に加えて、排ガス温度検出部25の検出結果と排ガス温度閾値とに基づき、第3調整部としての第1押込送風機81と、第4調整部としてのフィーダ310とのうち少なくとも一方を制御する。
【0234】
(閾値調整部)
閾値調整部36は、第1制御部33が第1調整部と第2調整部とのうち第1調整部を含む一つ以上を制御した際に、排ガス温度検出部25の検出結果に基づいて上記排ガス温度閾値を変更する。
【0235】
ここで、排ガス温度閾値とは、第1実施形態で説明した記憶部35によって予め記憶されている第1ガス温度G1、第2ガス温度G2、第3ガス温度G3、第4ガス温度G4、第5ガス温度G5、第6ガス温度G6である。
【0236】
具体的には、閾値調整部36は、第1制御部33が第1調整部を制御した際に、記憶部35によって予め記憶されている所定の温度である閾値調整量を排ガス温度閾値から減じる。本実施形態における閾値調整量は、例えば、第1ろ液ポンプ211、第2ろ液ポンプ213、および炉内水ポンプ222の各回転数に基づいて算出されるろ液および炉内水の供給量に対応している。
【0237】
本実施形態における閾値調整量には、例えば1℃以上100℃未満の数値が採用される。なお、閾値調整量には、100℃以上の数値が採用されてもよい。
【0238】
(制御装置の動作)
以下、
図10を参照して制御装置30の動作の一例について説明する。ただし、以下に説明する処理の順番は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。本実施形態では、第1実施形態で説明した制御装置30の動作におけるステップS12の次にステップS15の処理がある点以外はすべて同様の処理である。したがって、ステップS1からステップS14についての説明は省略する。
【0239】
ステップS12に次いで、閾値調整部36は、排ガス温度閾値(第1ガス温度G1、第2ガス温度G2、第3ガス温度G3、第4ガス温度G4、第5ガス温度G5、第6ガス温度G6)から閾値調整量を減じることで、排ガス温度閾値を調整する(ステップS15)。ステップS15の処理を終えた場合、ステップS10の処理が再び行われる。
【0240】
ステップS10からステップS15の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0241】
以下、
図11を参照して制御装置30の動作の一例について説明する。ただし、以下に説明する処理の順番は、以下の例に限定されず、適宜入れ替えられてもよい。本実施形態では、第1実施形態で説明した制御装置30の動作におけるステップS24の次にステップS28の処理がある点以外はすべて同様の処理である。したがって、ステップS20からステップS27についての説明は省略する。
【0242】
ステップS24に次いで、閾値調整部36は、排ガス温度閾値(第1ガス温度G1、第2ガス温度G2、第3ガス温度G3、第4ガス温度G4、第5ガス温度G5、第6ガス温度G6)から閾値調整量を減じることで、排ガス温度閾値を調整する(ステップS28)。ステップS28の処理を終えた場合、ステップS20の処理が再び行われる。
【0243】
ステップS20からステップS28の処理は、燃焼設備100の運転段階で繰り返し実行される。
【0244】
(作用効果)
第4実施形態に係る制御装置30では、第1調整部と第2調整部とのうち第1調整部を含む一つ以上が制御された際に、排ガス温度閾値が閾値調整部36によって変更される。
【0245】
これにより、ろ液や炉内水を燃焼炉1内に供給した際に、排ガスのガス温度が低下するとともに排ガス温度閾値が下がる。したがって、燃焼炉1内におけるガス温度をより正確に調整することができ、その結果、燃焼設備100における排ガス温度を安定化させることができる。
【0246】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は各実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
【0247】
なお、
図12は、本実施形態に係るコンピュータ1100の構成を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1100は、プロセッサ1110、メインメモリ1120、ストレージ1130、インターフェース1140を備える。
【0248】
上述の制御装置30は、コンピュータ1100に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ1130に記憶されている。プロセッサ1110は、プログラムをストレージ1130から読み出してメインメモリ1120に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ1110は、プログラムに従って、上述した各記憶部35に対応する記憶領域をメインメモリ1120に確保する。
【0249】
プログラムは、コンピュータ1100に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。また、コンピュータ1100は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ1110によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0250】
ストレージ1130の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ1130は、コンピュータ1100のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース1140または通信回線を介してコンピュータ1100に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ1100に配信される場合、配信を受けたコンピュータ1100が当該プログラムをメインメモリ1120に展開し、上記処理を実行してもよい。上記実施形態では、ストレージ1130は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0251】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ1130に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0252】
また、実施形態では、第1ろ液ライン210の一端がごみピット18に接続され、第2ろ液ライン212の一端が灰ピット20に接続される構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、ごみピット18がごみピット本体180に下方側Dvdから接続された第1ろ液吸収タンクをさらに有し、灰ピット20が灰ピット本体と灰ピット本体に下方側Dvdから接続された第2ろ液吸収タンクをさらに有する構成であってもよい。この際、第1ろ液ライン210の一端は、第1ろ液吸収タンクに接続され、第2ろ液ライン212の一端は、第2ろ液吸収タンクに接続される。またこの際、第1レベルセンサ18aは、第1ろ液吸収タンク内に配置され、第2レベルセンサ20aは、第2ろ液吸収タンク内に配置される。
【0253】
また、実施形態では、空気予熱器10が第1ラインにのみ配置されている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。例えば、燃焼炉1は、2次空気ライン11の中途に配置される第2空気予熱器をさらに有する構成であってもよい。この際、第2空気予熱器が第1調整部または第2調整部として、第1制御部33によって1次空気ライン9に配置されている空気予熱器10と同様に制御されてもよい。
【0254】
また、第2実施形態では、「流量が第2範囲R2外である」と判定部32が判定した場合、第1制御部33回転数増加の指示を示す信号を第1押込送風機81に送信するが、この構成に限定されることはない。例えば、「流量が第2範囲R2外である」と判定部32が判定した場合、第1制御部33は、1次空気ダンパ90に開度上昇を示す信号を送信してもよい。
【0255】
また、第1調整部または第2調整部としての第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213とは、第1制御部33によって同時に制御される必要はなく、それぞれ独立して制御されてもよい。この場合、例えば、第1レベルセンサ18aから取得部31が取得したろ液の貯留量と、第2レベルセンサ20aから取得したろ液の貯留量とを比較し、ろ液の貯留量が多い方のろ液ポンプのみが第1制御部33によって制御されてもよい。
【0256】
また、燃焼設備100は、1次空気ライン9内を流れる燃焼空気の温度を検出するとともに検出結果を制御装置30に送信する燃焼空気温度検出部をさらに備えてもよい。制御装置30の取得部31は、燃焼空気温度検出部から送信される信号を受信することで、当該信号が示す燃焼空気の温度を取得する。取得部31は、取得したこの燃焼空気温度を判定部32に送信する。この場合、第1実施形態で説明した制御装置30の動作におけるステップS0の処理では、取得部31が空気予熱器10の設定温度を空気予熱器10から取得する構成に替えて、取得部31が燃焼空気の温度を燃焼空気温度検出部から取得する構成であってよい。またこの場合、ステップS4では、燃焼空気の温度が第1燃焼温度T1以上であるか否かを判定部32が判定し、ステップS7では、燃焼空気の温度が第2燃焼温度T2以上であるか否かを判定部32が判定すればよい。
【0257】
また、実施形態では、排ガス温度検出部25が検出したガス温度に基づいて、第1制御部33が第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御しているが、この構成に限定されることはない。例えば、取得部31が第1レベルセンサ18aおよび第2レベルセンサ20aから燃焼設備100内の状態としてごみピット18および灰ピット20からろ液の貯留量を取得し、ろ液の貯留量に基づいて第1制御部33が第1調整部と第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御してもよい。例えば、判定部32が、取得されたろ液の貯留量と、記憶部35によって予め記憶されている所定のろ液閾値とを比較する。ろ液貯留量がろ液閾値以上である場合、判定部32が「燃焼設備100が第1状態である」と判定し、ろ液貯留量がろ液閾値以上である場合、判定部32が「燃焼設備100が第2状態である」と判定する。「燃焼設備100が第1状態である」と判定部32が判定した場合、制御装置30は、例えば、ステップS20から始まる動作を行わなくてもよい。すなわち、第1制御部33は、第1調整部としての第1ろ液ポンプ211および第2ろ液ポンプ213と、第2調整部としての空気予熱器10とのうち、1つ以上を選択的に制御する。また、「燃焼設備100が第2状態である」と判定部32が判定した場合、制御装置30は、例えば、ステップS10から始まる動作を行わなくてもよい。すなわち、第1制御部33は、第1調整部としての空気予熱器10と、第2調整部としての炉内水ポンプ222とのうち、1つ以上を選択的に制御する。
【0258】
また、第2実施形態における制御装置30の動作のステップS33では、酸素濃度の時間平均Tmが第1範囲R1に収まるようにごみ供給量を制御してもよい。例えば、ステップS34の処理の後に、第1制御部33がフィーダ310に進退量増減の指示を示す信号と、進退速度増減の指示を示す信号と、進退し始めるタイミングの間隔を広げるまたは狭める指示を示す信号とのうち1つ以上を送信する処理を行ってもよい。
【0259】
また、実施形態では、酸素濃度検出部26が出口流路15内に設けられている構成を説明したが、この構成に限定されることはない。酸素濃度検出部26は、燃焼炉1内に設けられてもよい。
【0260】
また、各実施形態で説明される燃焼設備100における制御装置30の構成は、それぞれ独立した構成に留まることはなく、各実施形態に記載の構成要素を適宜組み合わせて制御装置30を構成してもよい。
【0261】
また、実施形態では、燃焼設備100がストーカ式燃焼炉とされているが、ストーカ式燃焼炉に限定されることはない。燃焼設備100は、例えば、キルンストーカ炉、バイオマス流動床ボイラ、汚泥燃焼炉等であってもよい。したがって、上述の制御装置30は、これらキルンストーカ炉、バイオマス流動床ボイラ、汚泥燃焼炉等の燃焼設備の制御装置であってもよい。
【0262】
<付記>
各実施形態に記載の制御装置は、例えば以下のように把握される。
【0263】
(1)第1の態様に係る制御装置30は、被焼却物Wを燃焼させる燃焼炉1を有する燃焼設備100用の制御装置30であって、前記燃焼設備100内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、前記第1調整部とは異なる方法で前記ガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、前記燃焼設備100内の状態に応じて前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部33と、前記第1制御部33により前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、前記燃焼設備100内の前記排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部34と、を備える。
【0264】
これにより、ガス温度を調整する手段としての調整部が1つのみである制御装置30の構成と比較して、ガス温度を調整する制御を燃焼設備100内の状態に応じて選択的に行うことができるため、燃焼設備100内における燃焼状態の悪化を抑制することができる。
【0265】
(2)第2の態様に係る制御装置30は、(1)の制御装置30であって、前記燃焼設備100は、前記排ガスの前記ガス温度を検出する排ガス温度検出部25をさらに有し、前記第1調整部は、前記燃焼設備100から回収されて前記燃焼炉1内の前記排ガスに供給されるろ液の量、前記燃焼炉1内に供給される燃焼空気の温度、または前記排ガスに供給される炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部であり、前記第2調整部は、前記ろ液の量、前記燃焼空気の温度、または前記炉内水噴霧の量のうち、いずれか別の1つを調整する調整部であり、前記第1制御部33は、前記燃焼設備100内の状態として少なくとも前記排ガス温度検出部25の検出結果に基づき、前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御してもよい。
【0266】
これにより、排ガスのガス温度に基づいて第1調整部および第2調整部を選択的に制御されるため、燃焼設備100内における燃焼状態の悪化をより抑制することができる。
【0267】
(3)第3の態様に係る制御装置30は、(1)または(2)の制御装置30であって、前記第1調整部は、前記燃焼炉1内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、前記第1制御部33は、前記燃焼炉1内または前記燃焼炉1の後流側の酸素濃度が所定の範囲となるように、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物Wの供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、前記燃焼設備100内の状態として少なくとも前記第3調整部と前記第4調整部とのうち少なくとも一方を制御しても前記酸素濃度が一定以上目標値と乖離する場合に前記第1調整部を制御してもよい。
【0268】
これにより、燃焼炉1内における燃焼状態が良くない場合であっても、燃焼空気の温度が調整されることで燃焼状態を改善することができる。
【0269】
(4)第4の態様に係る制御装置30は、(1)から(3)のうちいずれかの制御装置30であって、前記燃焼炉1内の前記被焼却物Wの燃焼状態を撮像可能な画像取得部28を更に備え、前記第1調整部は、前記燃焼炉1内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、前記第1制御部33は、前記燃焼設備100内の状態として少なくとも前記画像取得部28の撮像結果に基づいて前記第1調整部の制御の要否または制御量を決定してもよい。
【0270】
これにより、燃焼炉1内の燃焼状態を示す撮像結果に基づく制御を第1制御部33が行うため、燃焼炉1内の状態を運転員が目視で確認して制御される必要がない。
【0271】
(5)第5の態様に係る制御装置30は、(3)または(4)の制御装置30であって、前記ガス温度に関する閾値である排ガス温度閾値を調整可能な閾値調整部36を更に備え、前記第1調整部は、前記燃焼設備100から回収されて前記燃焼炉1内の前記排ガスに供給されるろ液の量、または前記排ガスに供給される炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部であり、前記第2調整部は、前記燃焼炉1内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、前記第1制御部33は、前記ガス温度と前記排ガス温度閾値とに基づき、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物Wの供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、前記閾値調整部は、前記第1制御部が前記第1調整部と前記第2調整部とのうち前記第1調整部を含む1つ以上を制御した場合に、前記排ガス温度閾値を変更してもよい。
【0272】
これにより、ろ液や炉内水を燃焼炉1内に供給した際に、排ガスのガス温度が低下するとともに排ガス温度閾値が下がる。したがって、燃焼炉1内におけるガス温度をより正確に調整することができる。
【符号の説明】
【0273】
1…燃焼炉 2…炉本体 2a…天井 3…燃料供給機構 4…ストーカ 4a…ストーカ面 5…風箱 6…排出シュート 7…火炉 8…押込送風機 9…1次空気ライン 10…空気予熱器 11…2次空気ライン 12…排熱回収ボイラ 13…減温塔 14…集塵装置 15…出口流路 16…煙突 17…誘引ファン 18…ごみピット 18a…第1レベルセンサ 19…灰押出装置 20…灰ピット 20a…第2レベルセンサ 21…ろ液供給部 22…炉内水供給部 23…排ガス再循環ライン 24…脱硝材供給部 25…排ガス温度検出部 26…酸素濃度検出部 27…流量検出部 28…画像取得部 30…制御装置 31…取得部 32…判定部 33…第1制御部 34…第2制御部 35…記憶部 36…閾値調整部 81…第1押込送風機 82…第2押込送風機 90…1次空気ダンパ 100…燃焼設備 110…2次空気ダンパ 180…ごみピット本体 181…プラットフォーム 182…クレーン 183…レール 184…ガーダ 185…トロリ 186…ワイヤ 187…巻上機 188…グラップル 189…クレーン制御装置 190…押出装置本体 200…乾燥段 201…燃焼段 202…後燃焼段 210…第1ろ液ライン 211…第1ろ液ポンプ 212…第2ろ液ライン 213…第2ろ液ポンプ 220…水タンク 221…炉内水ライン 222…炉内水ポンプ 240…脱硝材供給源 241…脱硝材供給ライン 300…ホッパ 301…入口部 302…出口部 302a…床面 310…フィーダ 311…上面 312…押出面 1100…コンピュータ 1110…プロセッサ 1120…メインメモリ 1130…ストレージ 1140…インターフェース Da…搬送方向 Dar…他方側 Dal…一方側 Dv…上下方向 Dvd…下方側 Dvu…上方側 Dw…炉幅方向 F…輝炎 G1…第1ガス温度 G2…第2ガス温度 G3…第3ガス温度 G4…第4ガス温度 G5…第5ガス温度 G6…第6ガス温度 P1…第1割合閾値 P2…第2割合閾値 R…貯留空間 R1…第1範囲 R2…第2範囲 R3…第3範囲 Rt…計画範囲 T…ごみ収集車 T1…第1燃焼温度 t1…第1継続時間 T2…第2燃焼温度 t2…第2継続時間 Ta…調整温度 Tm…時間平均 tu…単位時間 V…処理空間 W…被焼却物,ごみ
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被焼却物を燃焼させる燃焼炉を有する燃焼設備用の制御装置であって、
前記燃焼設備内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、前記第1調整部とは異なる方法で前記ガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、前記燃焼設備内の状態に応じて前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部と、
前記第1制御部により前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、前記燃焼設備内の前記排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部と、
を備え、
前記第1調整部は、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、
前記第1制御部は、前記燃焼炉内または前記燃焼炉の後流側の酸素濃度が所定の範囲となるように、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物の供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、前記燃焼設備内の状態として少なくとも前記第3調整部と前記第4調整部とのうち少なくとも一方を制御しても前記酸素濃度が一定以上目標値と乖離する場合に前記第1調整部を制御する制御装置。
【請求項2】
被焼却物を燃焼させる燃焼炉を有する燃焼設備用の制御装置であって、
前記燃焼設備内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、前記第1調整部とは異なる方法で前記ガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、前記燃焼設備内の状態に応じて前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部と、
前記第1制御部により前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、前記燃焼設備内の前記排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部と、
を備え、
前記ガス温度に関する閾値である排ガス温度閾値を調整可能な閾値調整部を更に備え、 前記第1調整部は、前記燃焼設備から回収されて前記燃焼炉内の前記排ガスに供給されるろ液の量、または前記排ガスに供給される炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部であり、
前記第2調整部は、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、
前記第1制御部は、前記ガス温度と前記排ガス温度閾値とに基づき、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物の供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、
前記閾値調整部は、前記第1制御部が前記第1調整部と前記第2調整部とのうち前記第1調整部を含む1つ以上を制御した場合に、前記排ガス温度閾値を変更する制御装置。
【請求項3】
前記燃焼設備は、前記排ガスの前記ガス温度を検出する排ガス温度検出部をさらに有し、
前記第1調整部は、前記燃焼設備から回収されて前記燃焼炉内の前記排ガスに供給されるろ液の量、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度、または前記排ガスに供給される炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部であり、
前記第2調整部は、前記ろ液の量、前記燃焼空気の温度、または前記炉内水噴霧の量のうち、いずれか別の1つを調整する調整部であり、
前記第1制御部は、前記燃焼設備内の状態として少なくとも前記排ガス温度検出部の検出結果に基づき、前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する 請求項1又は2に記載の制御装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る制御装置は、被焼却物を燃焼させる燃焼炉を有する燃焼設備用の制御装置であって、前記燃焼設備内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、前記第1調整部とは異なる方法で前記ガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、前記燃焼設備内の状態に応じて前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部と、前記第1制御部により前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、前記燃焼設備内の前記排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部と、を備え、前記第1調整部は、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、前記第1制御部は、前記燃焼炉内または前記燃焼炉の後流側の酸素濃度が所定の範囲となるように、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物の供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、前記燃焼設備内の状態として少なくとも前記第3調整部と前記第4調整部とのうち少なくとも一方を制御しても前記酸素濃度が一定以上目標値と乖離する場合に前記第1調整部を制御する。
本開示に係る制御装置は、被焼却物を燃焼させる燃焼炉を有する燃焼設備用の制御装置であって、前記燃焼設備内の排ガスのガス温度を調整する第1調整部と、前記第1調整部とは異なる方法で前記ガス温度を調整する第2調整部とを制御可能であり、前記燃焼設備内の状態に応じて前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上を選択的に制御する第1制御部と、前記第1制御部により前記第1調整部と前記第2調整部とのうち1つ以上が選択的に制御された後に、前記燃焼設備内の前記排ガスへ脱硝剤を供給するように脱硝剤供給部を制御する第2制御部と、を備え、前記ガス温度に関する閾値である排ガス温度閾値を調整可能な閾値調整部を更に備え、前記第1調整部は、前記燃焼設備から回収されて前記燃焼炉内の前記排ガスに供給されるろ液の量、または前記排ガスに供給される炉内水噴霧の量のうち、いずれか1つを調整する調整部であり、前記第2調整部は、前記燃焼炉内に供給される燃焼空気の温度を調整する調整部であり、前記第1制御部は、前記ガス温度と前記排ガス温度閾値とに基づき、前記燃焼空気の量を制御する第3調整部と、前記被焼却物の供給量を調整する第4調整部とのうち少なくとも一方を制御し、前記閾値調整部は、前記第1制御部が前記第1調整部と前記第2調整部とのうち前記第1調整部を含む1つ以上を制御した場合に、前記排ガス温度閾値を変更する。