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特開2024-56181送信回路、通信装置、通信方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056181
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】送信回路、通信装置、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20240416BHJP
   H04L 5/16 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H04B1/04 Z
H04L5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162906
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】下田 俊宏
【テーマコード(参考)】
5K060
【Fターム(参考)】
5K060BB04
5K060BB07
5K060CC04
5K060HH01
5K060HH06
5K060HH11
5K060HH21
5K060HH39
5K060LL12
(57)【要約】
【課題】送信時の無線特性の低下を抑制すること。
【解決手段】周波数変換部21は、データが送信される期間はベースバンド信号を第1の無線周波数信号に変換する。周波数変換部21は、データが送信されない期間はベースバンド信号を第2の無線周波数信号に変換する。増幅器22は、GaNデバイスを含み、第1の無線周波数信号又は第2の無線周波数信号を増幅する。帯域通過フィルタ23は、所定の通過帯域内の信号を通過させる。第1の無線周波数信号は帯域通過フィルタ23の通過帯域内の帯域の信号であり、第2の無線周波数信号は帯域通過フィルタ23の通過帯域外の帯域の信号である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発振信号、及び該第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号が選択的に入力され、前記入力された前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号を使用して、ベースバンド信号を無線周波数信号に変換する周波数変換部と、
増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含み、前記無線周波数信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器で増幅された無線周波数信号が入力され、所定の通過帯域内の信号を通過させる帯域通過フィルタとを備え、
前記周波数変換部には、データが無線送信される期間は前記第1の発振信号が入力され、データが無線送信されない期間は前記第2の発振信号が入力され、
前記周波数変換部は、前記第1の発振信号が入力される場合は前記ベースバンド信号を第1の無線周波数信号に変換し、前記第2の発振信号が入力される場合は前記ベースバンド信号を第2の無線周波数信号に変換し、
前記第1の無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域内の帯域の信号であり、前記第2の無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域外の帯域の信号である、送信回路。
【請求項2】
前記帯域通過フィルタは、前記第1の無線周波数信号をアンテナに向けて通過させ、前記第2の無線周波数信号を全反射する、請求項1に記載の送信回路。
【請求項3】
前記送信回路は、時分割複信方式の無線通信で使用される送信回路であり、前記データが無線送信されない期間は、時分割複信方式の無線通信において前記アンテナを介してデータが受信される期間である、請求項2に記載の送信回路。
【請求項4】
前記第1の無線周波数信号は、前記帯域通過フィルタの通過帯域内の帯域の信号、かつ前記増幅器の増幅帯域内の信号であり、
前記第2の無線周波数信号は、前記帯域通過フィルタの通過帯域外の帯域の信号、かつ前記増幅器の増幅帯域外の信号である、請求項1から3何れか1項に記載の送信回路。
【請求項5】
前記増幅器は、飽和状態で第2の無線周波数信号を増幅する、請求項4に記載の送信回路。
【請求項6】
前記周波数変換部は、前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号を切り替えて出力する切替スイッチと、該切替スイッチから出力される前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号と前記ベースバンド信号とをミキシングするミキサとを含む、請求項1から3何れか1項に記載の送信回路。
【請求項7】
前記データが送信される期間と、前記データが送信されない期間とにおいて、前記増幅器の前記窒化ガリウムデバイスのドレイン電流は一定である、請求項1から3何れか1項に記載の送信回路。
【請求項8】
前記増幅器の前段に、増幅素子として、窒化ガリウムデバイスとは異なるデバイスを含む別の増幅器を更に有する、請求項1から3何れか1項に記載の送信回路。
【請求項9】
通信装置であって、
送信ベースバンド信号の生成、及び受信ベースバンド信号に対する信号処理を実施するベースバンド部と、
第1の発振信号を出力する第1の発振器と、
前記第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号を出力する第2の発振器と、
前記送信ベースバンド信号を送信無線周波数信号に変換する送信回路と、
前記送信無線周波数信号を送信し、受信無線周波数信号を受信するアンテナと、
前記受信無線周波数信号を前記受信ベースバンド信号に変換する受信回路とを備え、
前記送信回路は、
前記第1の発振信号、及び前記第2の発振信号が選択的に入力され、前記入力された前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号を使用して、前記送信ベースバンド信号を送信無線周波数信号に変換する周波数変換部と、
増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含み、前記送信無線周波数信号を増幅する増幅器と、
前記増幅器で増幅された送信無線周波数信号が入力され、所定の通過帯域内の信号を通過させる帯域通過フィルタとを有し、
前記周波数変換部には、データが無線送信される期間は前記第1の発振信号が入力され、データが無線送信されない期間は前記第2の発振信号が入力され、
前記周波数変換部は、前記第1の発振信号が入力される場合は前記送信ベースバンド信号を第1の送信無線周波数信号に変換し、前記第2の発振信号が入力される場合は前記送信ベースバンド信号を第2の送信無線周波数信号に変換し、
前記第1の送信無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域内の帯域の信号であり、前記第2の送信無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域外の帯域の信号である、通信装置。
【請求項10】
前記帯域通過フィルタは、前記第1の送信無線周波数信号を前記アンテナに向けて通過させ、前記第2の送信無線周波数信号を全反射する、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
前記通信装置は、時分割複信方式の無線通信で使用される通信装置であり、前記データが無線送信される期間は、前記送信回路が前記第1の送信無線周波数信号を前記アンテナを介して送信する期間であり、前記データが無線送信されない期間は、前記受信回路に前記アンテナから前記受信無線周波数信号を供給される期間である、請求項9又は10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記周波数変換部は、前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号を切り替えて出力する切替スイッチと、該切替スイッチから出力される前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号と前記送信ベースバンド信号とをミキシングする第1のミキサとを含み、
前記受信回路は、前記受信無線周波数信号を増幅する第3の増幅器と、該第3の増幅器で増幅された受信無線周波数信号と前記第1の発振信号とをミキシングする第2のミキサとを含む、請求項9又は10に記載の通信装置。
【請求項13】
データが無線送信される期間において、第1の発振信号を使用して、ベースバンド信号を、帯域通過フィルタの通過帯域幅内の信号である第1の無線周波数信号に変換し、
前記第1の無線周波数信号を、増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含む増幅器で増幅し、
前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第1の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタを通過した第1の無線通信信号をアンテナに向けて出力し、
データが無線送信されない期間において、前記第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号を使用し、ベースバンド信号を、前記帯域通過フィルタの通過帯域外の信号である第2の無線周波数信号に変換し、
前記第2の無線周波数信号を、前記増幅器で増幅し、
前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第2の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタにおいて第2の無線通信信号を全反射させる、通信方法。
【請求項14】
データが無線送信される期間において、第1の発振信号を使用して、ベースバンド信号を、帯域通過フィルタの通過帯域幅内の信号である第1の無線周波数信号に変換し、
前記第1の無線周波数信号を、増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含む増幅器で増幅し、
前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第1の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタを通過した第1の無線通信信号をアンテナに向けて出力し、
データが無線送信されない期間において、前記第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号を使用し、ベースバンド信号を、前記帯域通過フィルタの通過帯域外の信号である第2の無線周波数信号に変換し、
前記第2の無線周波数信号を、前記増幅器で増幅し、
前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第2の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタにおいて第2の無線通信信号を全反射させる処理をプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送信回路、通信装置、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術として、特許文献1は、電力増幅器(PA:Power Amplifier)を開示する。特許文献1において、電力増幅器は、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)方式で無線信号の送信及び受信を行う無線通信基地局において、送信用ハイパワーアンプとして使用される。高効率な増幅器を実現するために、送信用ハイパワーアンプの信号増幅用トランジスタには、窒化ガリウム(GaN)-高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)が使用される。送信用ハイパワーアンプにおいて、GaN-HEMTには、所定の繰返し周期で間欠的に高周波信号が供給される。すなわち、送信期間においてGaN-HEMTに高周波信号が供給され、受信期間においてはGaN-HEMTには高周波信号が供給されない。
【0003】
GaN-HEMTなどのGaNデバイスは、送信と受信との切替えにおいて、高周波信号が供給される状態から、高周波信号が供給されない状態に切り替わると、ドレイン電流の低下が起こり、利得低下などが発生する。ドレイン電流の過渡応答は、Idqドリフトとも呼ばれる。特許文献1に記載の送信用ハイパワーアンプは、GaN-HEMTのゲート端子に印加されるゲートバイアス電圧を、高周波信号が供給されない期間、つまり受信期間において一時的に浅く設定する。このようにすることで、出力信号に影響を与えずに、GaN-HEMTをIdqドリフト状態から回復させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2012/111451号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、GaN-HEMTをIdqドリフト状態から回復させるために、高周波信号が供給されない受信期間において、ゲート端子に印加されるゲートバイアス電圧が一時的に浅く設定される。しかしながら、Idqドリフト状態から通常状態への回復に要する時間はデバイスごとに異なり得る。従って、特許文献1において、Idqドリフトを抑制できない場合があり得る。Idqドリフトが発生した場合、利得低下や無線信号の位相の変動が発生し、無線特性が低下する。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑み、データ送信が間欠的に実施される場合において、送信時の無線特性の低下を抑制することができる送信回路、通信装置、通信方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示は、第1の態様として、送信回路を提供する。送信回路は、第1の発振信号、及び該第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号が選択的に入力され、前記入力された前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号を使用して、ベースバンド信号を無線周波数信号に変換する周波数変換部と、増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含み、前記無線周波数信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された無線周波数信号が入力され、所定の通過帯域内の信号を通過させる帯域通過フィルタとを含む。前記周波数変換部には、データが無線送信される期間は前記第1の発振信号が入力され、データが無線送信されない期間は前記第2の発振信号が入力される。前記周波数変換部は、前記第1の発振信号が入力される場合は前記ベースバンド信号を第1の無線周波数信号に変換し、前記第2の発振信号が入力される場合は前記ベースバンド信号を第2の無線周波数信号に変換する。前記第1の無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域内の帯域の信号であり、前記第2の無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域外の帯域の信号である。
【0008】
本開示は、第2の態様として、通信装置を提供する。通信装置は、送信ベースバンド信号の生成、及び受信ベースバンド信号に対する信号処理を実施するベースバンド部と、第1の発振信号を出力する第1の発振器と、前記第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号を出力する第2の発振器と、前記送信ベースバンド信号を送信無線周波数信号に変換する送信回路と、前記送信無線周波数信号を送信し、受信無線周波数信号を受信するアンテナと、前記受信無線周波数信号を前記受信ベースバンド信号に変換する受信回路とを含む。前記送信回路は、前記第1の発振信号、及び前記第2の発振信号が選択的に入力され、前記入力された前記第1の発振信号又は前記第2の発振信号を使用して、前記送信ベースバンド信号を送信無線周波数信号に変換する周波数変換部と、増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含み、前記送信無線周波数信号を増幅する増幅器と、前記増幅器で増幅された送信無線周波数信号が入力され、所定の通過帯域内の信号を通過させる帯域通過フィルタとを含む。前記周波数変換部には、データが無線送信される期間は前記第1の発振信号が入力され、データが無線送信されない期間は前記第2の発振信号が入力される。前記周波数変換部は、前記第1の発振信号が入力される場合は前記送信ベースバンド信号を第1の送信無線周波数信号に変換し、前記第2の発振信号が入力される場合は前記送信ベースバンド信号を第2の送信無線周波数信号に変換する。前記第1の送信無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域内の帯域の信号であり、前記第2の送信無線周波数信号は前記帯域通過フィルタの通過帯域外の帯域の信号である。
【0009】
本開示は、第3の態様として、通信方法を提供する。データが無線送信される期間において、第1の発振信号を使用して、ベースバンド信号を、帯域通過フィルタの通過帯域幅内の信号である第1の無線周波数信号に変換し、前記第1の無線周波数信号を、増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含む増幅器で増幅し、前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第1の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタを通過した第1の無線通信信号をアンテナに向けて出力し、データが無線送信されない期間において、前記第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号を使用し、ベースバンド信号を、前記帯域通過フィルタの通過帯域外の信号である第2の無線周波数信号に変換し、前記第2の無線周波数信号を、前記増幅器で増幅し、前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第2の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタにおいて第2の無線通信信号を全反射させることを含む。
【0010】
本開示は、第4の態様として、プログラムを提供する。プログラムは、データが無線送信される期間において、第1の発振信号を使用して、ベースバンド信号を、帯域通過フィルタの通過帯域幅内の信号である第1の無線周波数信号に変換し、前記第1の無線周波数信号を、増幅素子として窒化ガリウムデバイスを含む増幅器で増幅し、前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第1の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタを通過した第1の無線通信信号をアンテナに向けて出力し、データが無線送信されない期間において、前記第1の発振信号の周波数とは周波数が異なる第2の発振信号を使用し、ベースバンド信号を、前記帯域通過フィルタの通過帯域外の信号である第2の無線周波数信号に変換し、前記第2の無線周波数信号を、前記増幅器で増幅し、前記帯域通過フィルタに前記増幅器で増幅された第2の無線周波数信号を入力し、前記帯域通過フィルタにおいて第2の無線通信信号を全反射させる処理をプロセッサに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る送信回路、通信装置、通信方法、及びプログラムは、データ送信が間欠的に実施される場合において、送信時の無線特性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示に係る通信装置の概略的な構成例を示すブロック図。
図2】本開示の一実施形態に係る通信装置を示すブロック図。
図3】通信装置の動作手順を示すフローチャート。
図4】比較例における信号増幅用トランジスタのドレイン電流を示す信号波形図。
図5】本実施形態における信号増幅用トランジスタのドレイン電流を示す信号波形図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。図1は、本開示に係る通信装置の概略的な構成例を示す。通信装置10は、ベースバンド部11、少なくとも1つの第1の発振器12、第2の発振器13、アンテナ14、送信回路20、及び受信回路30を有する。ベースバンド部11は、送信ベースバンド信号の生成、及び受信ベースバンド信号に対する信号処理を実施する。第1の発振器12は、第1の発振信号を出力する。第2の発振器13は、第2の発振信号を出力する。第2の発振信号の周波数は、第1の発振信号の周波数とは異なる。送信回路20は、送信ベースバンド信号を送信無線周波数信号に変換する。アンテナ14は、送信無線周波数信号を送信し、受信無線周波数信号を受信する。受信回路30は、受信無線周波数信号を受信ベースバンド信号に変換する。
【0014】
送信回路20は、周波数変換部21、増幅器22、及び帯域通過フィルタ23を有する。周波数変換部21には、第1の発振信号、及び第2の発振信号が選択的に入力される。周波数変換部21は、入力された第1の発振信号又は第2の発振信号を使用して、送信ベースバンド信号を送信無線周波数信号に変換する。
【0015】
周波数変換部21には、データが無線送信される期間は第1の発振信号が入力され、データが無線送信されない期間は第2の発振信号が入力される。周波数変換部21は、第1の発振信号が入力される場合は送信ベースバンド信号を第1の送信無線周波数信号に変換する。周波数変換部21は、第2の発振信号が入力される場合は送信ベースバンド信号を第2の送信無線周波数信号に変換する。第1の送信無線周波数信号は、帯域通過フィルタ23の通過帯域内の帯域の信号である。一方、第2の送信無線周波数信号は、帯域通過フィルタ23の通過帯域外の帯域の信号である。
【0016】
増幅器22は、増幅素子として窒化ガリウムデバイス(GaNデバイス)を含む。増幅器22は、周波数変換部21で生成された無線周波数信号を増幅する。
【0017】
帯域通過フィルタ23には、増幅器22で増幅された送信無線周波数信号が入力される。帯域通過フィルタ23は、所定の通過帯域の信号を通過させ、通過帯域外の信号を通過させない。増幅器22が第1の送信無線周波数信号を増幅する場合、帯域通過フィルタ23は、第1の送信無線周波数信号をアンテナ14側に通過させる。この場合、第1の送信無線周波数信号はアンテナ14に供給され、第1の送信無線周波数信号がアンテナ14から送信される。
【0018】
一方、増幅器22が第2の送信無線周波数信号を増幅する場合、帯域通過フィルタ23は、第2の送信無線周波数信号をアンテナ14側に通過させない。このため、第2の送信無線周波数信号は、アンテナ14には供給されない。増幅器22は、データが無線送信されない期間に第2の送信無線周波数信号を帯域通過フィルタ23に出力しており、受信回路30は、その期間において、アンテナ14から受信無線周波数信号を受信できる。
【0019】
本開示では、周波数変換部21は、データが無線送信される期間は、送信ベースバンド信号を、帯域通過フィルタ23の通過帯域内の信号である第1の送信無線周波数信号に変換する。周波数変換部21は、データが無線送信されない期間は、送信ベースバンド信号を、帯域通過フィルタ23の通過帯域外の信号である第2の送信無線周波数信号に変換する。第2の送信無線周波数信号は、帯域通過フィルタ23の通過帯域外の信号であるため、帯域通過フィルタ23を通過できず、従って、アンテナ14に供給されない。このため、データが送信されない期間において、増幅器22が第2の送信無線周波数信号を増幅しても、受信には影響を与えない。本開示では、増幅器22は、データが送信されない期間においても増幅を停止しない。このようにすることで、データが送信されない期間からデータが送信される期間に切り替わった直後でも、増幅器22において、GaNデバイスに特有のIdqドリフトを発生させずに、第1の送信無線周波数信号を増幅することができる。従って、本開示は、データ送信が間欠的に実施される場合において、データ送信における無線特性の劣化を抑制できる。
【0020】
以下、図面を参照し、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本開示の一実施形態に係る通信装置を示す。通信装置100は、ベースバンド部101、第1の発振器102、第2の発振器103、第1のスイッチ104、第1のミキサ105、第1の増幅器106、第2の増幅器107、帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)108、サーキュレータ109、アンテナ110、第2のスイッチ111、第3の増幅器112、第2のミキサ113、及び制御部120を有する。
【0021】
本実施形態において、通信装置100は、他の装置との間で、TDD方式で無線信号の送信及び受信を行うものとする。通信装置100は、例えば、携帯電話通信網の無線基地局において使用される。通信装置100は、図1に示される通信装置10に対応する。
【0022】
ベースバンド部101は、デジタル信号の変調及び復調を行う。ベースバンド部101は、信号送信時に、送信ベースバンド信号(以下、単にベースバンド信号とも呼ぶ)を生成する。ベースバンド部101は、データ送信に関連する部分として、例えば送信されるデータを符号化する符号化器、及び符号化されたデータを所定の変調方式で変調する変調器を含む。ベースバンド部101は、信号受信時は、送信されたデータを生成する。ベースバンド部101は、データ受信に関連する部分として、例えば受信された信号を復調する復調器、及び送信されたデータを復号化する復号器を含む。ベースバンド部101は、ハードウェア的には、プロセサ及びメモリと、ASIC(application specific integrated circuit)とを含み得る。ベースバンド部101は、図1に示されるベースバンド部11に対応する。
【0023】
第1の発振器102及び第2の発振器103は、局部発振器(LO:Local Oscillator)であり、それぞれ所定周波数の発振信号(以下、LO信号とも呼ぶ)を出力する。以下では、第1の発振器102が出力するLO信号を第1のLO信号と呼び、第2の発振器が出力するLO信号を第2のLO信号と呼ぶ。第1のスイッチ104は、切替スイッチであり、第1のLO信号又は第2のLO信号を選択する。第1のスイッチ104は、選択した第1のLO信号又は第2のLO信号を、第1のミキサ105に出力する。第1の発振器102は、図1に示される第1の発振器12に対応する。第2の発振器103は、図1に示される第2の発振器13に対応する。
【0024】
第1のミキサ105は、ベースバンド部101が出力するベースバンド信号と、第1のスイッチ104を介して入力される第1のLO信号又は第2のLO信号とをミキシングする。第1のミキサ105は、ベースバンド信号と、第1のLO信号又は第2のLO信号とを乗算し、ベースバンド信号を無線周波数(RF:Radio Frequency)信号にアップコンバートする。第1のミキサ105は、図1に示される周波数変換部21に対応する。
【0025】
以下の説明において、第1のLO信号とベースバンド信号とをミキシングして得られるRF信号を第1の送信RF信号と呼ぶ。第1の送信RF信号は、無線通信において使用される周波数の信号である。第1の送信RF信号は、第2の増幅器107の増幅帯域内で、かつBPF108の通過帯域内の信号である。また、以下の説明において、第2のLO信号とベースバンド信号とをミキシングして得られるRF信号を第2の送信RF信号と呼ぶ。第2の送信RF信号は、BPF108の通過帯域外の信号である。送信RF信号は、単にRF信号とも呼ばれる。
【0026】
第1の増幅器106は、第1のミキサ105から出力されるRF信号を増幅する。第2の増幅器107は、第1の増幅器106から出力されるRF信号を増幅する。第2の増幅器107は、パワーアンプであり、RF信号を所定電力まで増幅する。第2の増幅器107は、増幅素子、すなわち信号増幅用のデバイスとして、GaN-HEMTなどのGaNデバイスを含む。一方、第1の増幅器106は、GaNデバイス以外のデバイスを用いて構成される。なお、図2では第1の増幅器106が1つだけ図示されているが、本実施形態はこれには限定されない。通信装置100は、互いに直列に接続される複数の第1の増幅器106を含み得る。第2の増幅器107は、図1に示される増幅器22に対応する。第1の増幅器106は、増幅器22の前段に配置される別の増幅器に対応する。
【0027】
本実施形態において、第1のLO信号の周波数、及び第2のLO信号の周波数は、第1のRF信号の信号帯域と第2のRF信号の信号帯域とが分離した信号帯域になるように設定される。別の言い方をすると、第1のLO信号の周波数、及び第2のLO信号の周波数は、第1のRF信号の信号帯域と第2のRF信号の信号帯域とが互いに重複しないように設定される。第2のRF信号の信号帯域は、第2の増幅器107の増幅帯域外の信号帯域に設定されてもよい。その場合、第2の増幅器107は、入力される第2のRF信号を、増幅器を飽和させることができるレベルまで増幅してもよい。つまり、第2の増幅器107は、飽和状態で第2のRF信号を増幅してもよい。
【0028】
BPF108には、第2の増幅器107で増幅された第1のRF信号又は第2のRF信号が入力される。BPF108は、所定周波数帯のRF信号を透過し、所定周波数帯から外れた周波数帯のRF信号を透過させない。より詳細には、BPF108は、第1のRF信号を透過させ、第2のRF信号を全反射する。BPF108は、図1に示される帯域通過フィルタ23に対応する。通信装置100において、第1のミキサ105、第1の増幅器106、第2の増幅器107、及びBPF108は、信号送信に関連する送信回路を構成する。この送信回路は、図1に示される送信回路20に対応する。
【0029】
サーキュレータ109は、BPF108から出力されるRF信号をアンテナ110に出力する。アンテナ110は、信号送信時は、電気信号であるRF信号の電気エネルギーを電磁波エネルギーに変換し、電磁波エネルギーを空中に放射する。アンテナ110は、信号受信時は、電磁波エネルギーを吸収して電気エネルギーに変換し、電気信号、すなわち受信RF信号をサーキュレータ109に出力する。アンテナ110は、図1に示されるアンテナ14に対応する。
【0030】
第2のスイッチ111は、第3の増幅器112又は終端器を、サーキュレータ109から出力されるRF信号の出力先として選択する。第2のスイッチ111は、信号送信時は、終端器を選択する。終端器は終端抵抗を含み、終端抵抗は信号送信時にBPF108から出力されるRF信号を終端する。第2のスイッチ111は、信号受信時は、第3の増幅器112を選択する。信号受信時にサーキュレータ109から出力されるRF信号、すなわち受信RF信号は、第3の増幅器112に出力される。
【0031】
第3の増幅器112は、受信RF信号を増幅する。第3の増幅器112は、例えば低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)であり、アンテナ110で受信された微弱な受信RF信号を増幅する。第2のミキサ113は、受信側の周波数変換部であり、第3の増幅器112で増幅された受信RF信号と、第1の発振器102が出力する第1のLO信号とをミキシングする。第2のミキサ113は、受信RF信号と第1のLO信号と乗算し、受信RF信号を受信ベースバンド信号にダウンコンバートする。第2のミキサ113は、ダウンコンバートした受信ベースバンド信号を、ベースバンド部101に出力する。通信装置100において、第3の増幅器112及び第2のミキサ113は、信号受信に関連する受信回路を構成する。この受信回路は、図1に示される受信回路30に対応する。
【0032】
制御部120は、通信装置100の各部を制御するコントローラである。制御部120は、ハードウェア的には、例えばプロセサ及びメモリを含む。制御部120は、TDD方式における信号送信と信号受信とに合わせて、第1のスイッチ104、及び第2のスイッチ111を制御する。制御部120は、信号送信時、すなわちデータが無線送信される期間は、第1のスイッチ104に第1のLO信号を選択させ、第2のスイッチ111に終端器を選択させる。信号送信時、第1のミキサ105はベースバンド信号を第1のRF信号にアップコンバートする。第1の増幅器106及び第2の増幅器107は第1のRF信号を増幅し、BPF108は、第1のRF信号をアンテナ110に出力する。
【0033】
制御部120は、信号受信時、すなわちデータが無線送信されない期間は、第1のスイッチ104に第2のLO信号を選択させ、第2のスイッチ111に第3の増幅器112を選択させる。信号受信時、第1のミキサ105はベースバンド信号を第2のRF信号にアップコンバートする。第1の増幅器106及び第2の増幅器107は第2のRF信号を増幅する。BPF108は、第2のRF信号を全反射し、アンテナ110側に通過させない。アンテナ110が受信した受信RF信号は、第2のスイッチ111を介して第3の増幅器112に入力され、第3の増幅器112で増幅される。受信RF信号は、第2のミキサ113で受信ベースバンド信号にダウンコンバートされ、受信ベースバンド信号がベースバンド部101に入力される。
【0034】
次いで、動作手順を説明する。図3は、通信装置100の動作手順を示す。通信装置100の動作手順は、通信方法に対応する。通信装置100の動作手順は、TDD方式における送信のタイムスロットの期間、すなわち送信期間における動作手順と、受信のタイムスロットの期間、すなわち受信期間における動作手順とを含む。
【0035】
1つ前の受信期間が終わり、タイムスロットが送信期間に切り替わると、制御部120は、第1のスイッチ104に、第1の発振器102が出力する第1のLO信号を選択させる(ステップS11)。また、制御部120は、受信回路側へのRF信号の回り込みを防ぐために、第2のスイッチ111に終端器を選択させる。
【0036】
ベースバンド部101は、送信されるデータに応じたベースバンド信号、すなわち送信ベースバンド信号を生成する(ステップS12)。第1のミキサ105は、第1のスイッチ104を介して入力される第1のLO信号と送信ベースバンド信号とをミキシングし、送信ベースバンド信号を第1のRF信号に変換する(ステップS13)。
【0037】
第1のRF信号は、第1の増幅器106で増幅された後、GaNデバイスを含む第2の増幅器107に入力される。第2の増幅器107は、第1のRF信号を増幅する(ステップS14)。BPF108は、第2の増幅器107で増幅された第1のRF信号をサーキュレータ109側に通過させる(ステップS15)。第1のRF信号は、サーキュレータ109を介してアンテナ110に入力され、アンテナ110から出力される(ステップS16)。ステップS11からS16までの動作は、通信装置100の送信期間における動作に対応する。
【0038】
送信期間が終わり、タイムスロットが受信期間に切り替わると、制御部120は、第1のスイッチ104に、第2の発振器103が出力する第2のLO信号を選択させる(ステップS17)。また、制御部120は、第2のスイッチ111に、第3の増幅器112を選択させる。
【0039】
ベースバンド部101は、信号受信時は、例えば送信データなしに対応するベースバンド信号を出力する。第1のミキサ105は、第1のスイッチ104を介して入力される第2のLO信号とベースバンド信号とをミキシングし、ベースバンド信号を第2のRF信号に変換する(ステップS18)。第2のRF信号は、第1の増幅器106で増幅された後、GaNデバイスを含む第2の増幅器107に入力される。第2の増幅器107は、第2のRF信号を増幅する(ステップS19)。
【0040】
BPF108には、第2の増幅器107で増幅された第2のRF信号が入力される。第2のRF信号はBPF108の通過帯域から外れているため、BPF108は、第2のRF信号を全反射する(ステップS20)。このため、第2のRF信号は、アンテナ110には出力されない。
【0041】
第3の増幅器112には、サーキュレータ109及び第2のスイッチ111を介して、アンテナ110で受信されたRF信号、すなわち受信RF信号が入力される。第3の増幅器112は、受信RF信号を増幅する(ステップS21)。第2のミキサ113は、第1の発振器102が出力する第1のLO信号と、第3の増幅器112で3増幅された受信RF信号をミキシングし、受信RF信号を受信ベースバンド信号にダウンコンバートする(ステップS22)。ベースバンド部101は、受信ベースバンド信号に対して復調及び復号化などを行い、送信されたデータを復号化する(ステップS23)。ステップS17からS23までの動作は、通信装置100の受信期間における動作に対応する。通信装置100は、送信期間の動作と、受信期間の動作とを、交互に繰り返し実行する。
【0042】
ここで、比較例として、通信装置100において受信時に第2の増幅器107の増幅動作を停止する場合を考える。図4は、比較例における、第2の増幅器107に含まれる信号増幅用トランジスタのドレイン電流を示す。図4において、横軸は時間を表し、縦軸はドレイン電流を表す。また、Rxは受信を表し、Txは送信を表す。図4において、実線で示される波形はIdqドリフトが発生した時の波形を示し、点線で示される波形は理想的な波形を示す。
【0043】
TDD方式において、送信期間と受信期間とは交互に切り替えられる。受信期間において第2の増幅器107が増幅動作を停止する場合、ドレイン電流は、あるレベルでほぼ一定の電流となる。タイムスロットが受信期間から送信期間に切り替わり、第2の増幅器107が増幅動作を開始すると、ドレイン電流は受信期間におけるドレイン電流から増加する。しかしながら、Idqドリフトの影響で、送信期間において、ドレイン電流はすぐには理想的なドレイン電流まで上がらず、図4に示されるように、徐々に理想的なドレイン電流に近付いていく。
【0044】
図5は、本実施形態における第2の増幅器107に含まれる信号増幅用トランジスタのドレイン電流を示す。図5において、横軸は時間を表し、縦軸はドレイン電流を表す。本実施形態では、受信期間において、第2の増幅器107には、BPF108の通過帯域外の信号である第2のRF信号が入力される。第2のRF信号は、第2の増幅器107で増幅された場合でも、BPF108で全反射し、サーキュレータ109側に出力されない。このため、本実施形態では、受信期間において、第2の増幅器107の増幅動作を停止させずに継続することができ、ドレイン電流を、送信期間と受信期間とで一定に保つことができる。なお、ドレイン電流は、送信期間と受信期間とで厳密に同一である必要はなく、ほぼ一定であればよい。
【0045】
本実施形態では、受信期間と送信期間とで、第2の増幅器107に入力される無線周波数信号の周波数が切り替えられ、受信期間では、第2の増幅器107に、BPF108の通過帯域外の信号である第2のRF信号が入力される。BPF108は、受信期間において第2のRF信号を全反射し、受信期間において第2のRF信号はアンテナ110には供給されない。このため、本実施形態では、受信期間において送信回路からアンテナ110へのRF信号の出力を抑制しつつ、第2の増幅器107の増幅動作を維持することができ、受信期間において、第2の増幅器107を送信期間と同様な条件で動作させることができる。このようにすることで、受信期間から送信期間に切り替わるときに、第2の増幅器107のドレイン電流が大きく変化することを抑制でき、Idqドリフトの発生を抑制できる。本実施形態では、Idqドリフトの発生を抑制できるため、増幅動作停止から増幅動作開始への切替えに伴うGaNデバイスに特有の線形性の変動を抑制した状態で、第2の増幅器107を使用することができる。従って、本実施形態は、送信される無線周波数信号の利得が低下することを抑制でき、また、無線周波数信号の歪みを抑制することができる。
【0046】
なお、上記実施形態では、通信装置100が、TDD方式で無線通信を行う装置である例を説明した。しかしながら、本開示において、通信方式はTDD方式には限定されない。本開示は、送信回路が無線送信を実施する期間と無線送信を実施しない期間とを含む通信方式で通信を行う通信装置に適用することができる。本開示において、送信回路が無線送信を実施しない期間において、受信回路が無線周波数信号を受信することは、必ずしも必要はない。
【0047】
また、上記実施形態では、ベースバンド信号をRF信号に直接変換する例を説明した。しかしながら、本開示は、これには限定されない。本開示において、ベースバンド信号を所定の中間周波数のIF信号に変換し、IF信号をRF信号に変換してもよい。その場合、第2の増幅器107は、第1のRF信号、又は第2のRF信号を増幅する。IF信号を用いる場合でも、BPF108において、第2の増幅器107から出力される第1のRF信号を通過させ、第2の増幅器107から出力される第2のRF信号を全反射させることで、上記で説明した効果と同様な効果が得られる。
【0048】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
10:通信装置
11:ベースバンド部
12:第1の発振器
13:第2の発振器
14:アンテナ
21:周波数変換部
22:増幅器
23:帯域通過フィルタ
30:受信回路
100:通信装置
101:ベースバンド部
102:第1の発振器
103:第2の発振器
104:第1のスイッチ
105:第1のミキサ
106:第1の増幅器
107:第2の増幅器
108:BPF
109:サーキュレータ
110:アンテナ
111:第2のスイッチ
112:第3の増幅器
113:第2のミキサ
120:制御部
図1
図2
図3
図4
図5