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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056187
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ガイド部材
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/00 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
B42D15/00 341D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162913
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】522397994
【氏名又は名称】下澤 彩乃
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100152515
【弁理士】
【氏名又は名称】稲山 朋宏
(72)【発明者】
【氏名】下澤 彩乃
(57)【要約】
【課題】トレーディングカードに傷をつけることなくスリーブに収納することが可能なガイド部材を提供する。
【解決手段】ガイド部材は、前後方向に積層する第1シート2及び第2シート3を含むシート体10を備える。第1シート2の左端部2Lと、第2シート3の左端部3Lとは、それぞれ、上下方向に対して傾斜した第1仮想線M1に沿って延びる。第1シート2の右端部2Rと第2シート3の右端部3Rとは、それぞれ、上下方向に対して傾斜した第2仮想線M2に沿って延びる。第1仮想線M1と第2仮想線M2との間の左右方向の幅は、上側から下側に向けて次第に小さくなる。第1シート2の上端部2Uの少なくとも一部の位置と、第2シート3の上端部3Uの少なくとも一部の位置とは、上下方向において異なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが収納されるスリーブに前記カードを案内するガイド部材であって、
第1方向に積層する第1シート及び第2シートを含むシート体を備え、
前記第1シートの前記第1方向と直交する第2方向の一方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の一方側の端部とは、それぞれ、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に対して傾斜した第1仮想線に沿って延び、
前記第1シートの前記第2方向の他方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の他方側の端部とは、それぞれ、前記第3方向に対して傾斜した第2仮想線に沿って延び、
前記第1シートの前記第2方向の一方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の一方側の端部とのそれぞれの少なくとも一部が接続し、
前記第1シートの前記第2方向の他方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の他方側の端部とのそれぞれの少なくとも一部が接続し、
前記第1仮想線と前記第2仮想線との間の前記第2方向の幅は、前記第3方向の一方側から他方側に向けて次第に小さくなり、
前記シート体の前記第3方向の一方側の端部の前記第2方向の長さは、前記カードの短辺の長さよりも長く、
前記シート体の前記第3方向の他方側の端部の前記第2方向の長さは、前記スリーブの開口の長さよりも短く、
前記第1シートの前記第3方向の一方側の端部の少なくとも一部の位置と、前記第2シートの前記第3方向の一方側の端部の少なくとも一部の位置とが、前記第3方向において異なることを特徴とするガイド部材。
【請求項2】
前記第1シートは、
前記第2方向の一方側の端部と他方側の端部との間に亘って延びる折り目を有することを特徴とする請求項1に記載のガイド部材。
【請求項3】
前記折り目の延びる方向は、前記第2方向と交差することを特徴とする請求項2に記載のガイド部材。
【請求項4】
前記第1シートの前記第3方向の一方側の端部に第1切り欠きが形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガイド部材。
【請求項5】
前記第2シートの前記第3方向の一方側の端部に第2切り欠きが形成されたことを特徴とする請求項1に記載のガイド部材。
【請求項6】
前記第1シートの前記第3方向の一方側の端部は、
前記第2方向の一方側から他方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第1一方側延伸部、前記第2方向の他方側から一方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第1他方側延伸部、及び、前記第1一方側延伸部の前記第2方向の他方側の端部と前記第1他方側延伸部の前記第2方向の一方側の端部との間に亘って前記第3方向と交差する方向に沿って延びる第1中間延伸部を有し、
前記第2シートの前記第3方向の一方側の端部は、
前記第2方向の一方側から他方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第2一方側延伸部、前記第2方向の他方側から一方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第2他方側延伸部、及び、前記第2一方側延伸部の前記第2方向の他方側の端部と前記第2他方側延伸部の前記第2方向の一方側の端部との間に亘って前記第3方向と交差する方向に沿って延びる第2中間延伸部を有し、
前記第1一方側延伸部は、前記第2一方側延伸部よりも前記第3方向の他方側に位置し、且つ、前記第1他方側延伸部は、前記第2他方側延伸部よりも前記第3方向の一方側に位置することを特徴とする請求項1に記載のガイド部材。
【請求項7】
前記第1中間延伸部の少なくとも一部と、前記第2中間延伸部の少なくとも一部とが、前記第1方向に重なることを特徴とする請求項6に記載のガイド部材。
【請求項8】
前記第1シートの前記第3方向の他方側の端部の少なくとも一部の位置と、前記第2シートの前記第3方向の他方側の端部の少なくとも一部の位置とが、前記第3方向において異なることを特徴とする請求項1に記載のガイド部材。
【請求項9】
前記第1シートの前記第2方向の一方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の一方側の端部とのそれぞれのうち、前記第3方向の他方側の端部近傍は接続されておらず、且つ、
前記第1シートの前記第2方向の他方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の他方側の端部とのそれぞれのうち、前記第3方向の他方側の端部近傍は接続されていないことを特徴とする請求項1に記載のガイド部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードスリーブにカードを収納するためのガイド部材に関する。
【背景技術】
【0002】
トレーディングカードは、外傷や汚れ等から保護するため、スリーブと呼ばれる袋状の保護フィルム内に収納される場合が多い。又、スリーブにトレーディングカードを収納する為のガイド部材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3237982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トレーディングカードの価値は、そのコンディションに大きく左右される。このため、ガイド部材を用いてトレーディングカードをスリーブに収納する場合において、スリーブやガイド部材の縁部等と接触してトレーディングカードが傷が付くことを防止する必要がある。
【0005】
本発明の目的は、トレーディングカードに傷をつけることなくスリーブに収納することが可能なガイド部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガイド部材は、カードが収納されるスリーブに前記カードを案内するガイド部材であって、第1方向に積層する第1シート及び第2シートを含むシート体を備え、前記第1シートの前記第1方向と直交する第2方向の一方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の一方側の端部とは、それぞれ、前記第1方向及び前記第2方向と直交する第3方向に対して傾斜した第1仮想線に沿って延び、前記第1シートの前記第2方向の他方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の他方側の端部とは、それぞれ、前記第3方向に対して傾斜した第2仮想線に沿って延び、前記第1シートの前記第2方向の一方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の一方側の端部とのそれぞれの少なくとも一部が接続し、前記第1シートの前記第2方向の他方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の他方側の端部とのそれぞれの少なくとも一部が接続し、前記第1仮想線と前記第2仮想線との間の前記第2方向の幅は、前記第3方向の一方側から他方側に向けて次第に小さくなり、前記シート体の前記第3方向の一方側の端部の前記第2方向の長さは、前記カードの短辺の長さよりも長く、前記シート体の前記第3方向の他方側の端部の前記第2方向の長さは、前記スリーブの開口の長さよりも短く、前記第1シートの前記第3方向の一方側の端部の少なくとも一部の位置と、前記第2シートの前記第3方向の一方側の端部の少なくとも一部の位置とが、前記第3方向において異なることを特徴とする。
【0007】
ガイド部材では、第1シートと第2シートとのそれぞれの第3方向の一方側の端部の位置がずれているので、第1方向に露出した部分を第1シート及び第2シートの少なくとも一方の少なくとも一部に形成させることができる。使用者は、シート体のうち露出した部分をトレーディングカードにより第1方向に押すことで、第1シートと第2シートとの間の隙間を押し広げることができる。使用者は、押し広げられた第1シートと第2シートとの間の隙間にトレーディングカードを通すことにより、トレーディングカードを傷付けることなくスリーブに収納できる。
【0008】
本発明において、前記第1シートは、前記第2方向の一方側の端部と他方側の端部との間に亘って延びる折り目を有してもよい。使用者は、トレーディングカードにより第1シートを折り目に沿って折り曲げることで、第1シートと第2シートとの間の隙間を容易に押し広げることができる。
【0009】
本発明において、前記折り目の延びる方向は、前記第2方向と交差してもよい。この場合、ガイド部材は、トレーディングカードを第3方向の一方側から他方側に移動させるときに折り目にトレーディングカードが引っ掛って傷つくことを防止できる。
【0010】
本発明において、前記第1シートの前記第3方向の一方側の端部に第1切り欠きが形成されてもよい。この場合、第1シートと第2シートとの間を通過するトレーディングカードの経路長を短くできるので、使用者の操作を容易化できる。
【0011】
本発明において、前記第2シートの前記第3方向の一方側の端部に第2切り欠きが形成されてもよい。この場合、第1シートと第2シートとの間を通過するトレーディングカードの経路長を短くできるので、使用者の操作を容易化できる。
【0012】
本発明において、前記第1シートの前記第3方向の一方側の端部は、前記第2方向の一方側から他方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第1一方側延伸部、前記第2方向の他方側から一方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第1他方側延伸部、及び、前記第1一方側延伸部の前記第2方向の他方側の端部と前記第1他方側延伸部の前記第2方向の一方側の端部との間に亘って前記第3方向と交差する方向に沿って延びる第1中間延伸部を有し、前記第2シートの前記第3方向の一方側の端部は、前記第2方向の一方側から他方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第2一方側延伸部、前記第2方向の他方側から一方側に向けて前記第3方向に沿って延びる第2他方側延伸部、及び、前記第2一方側延伸部の前記第2方向の他方側の端部と前記第2他方側延伸部の前記第2方向の一方側の端部との間に亘って前記第3方向と交差する方向に沿って延びる第2中間延伸部を有し、前記第1一方側延伸部は、前記第2一方側延伸部よりも前記第3方向の他方側に位置し、且つ、前記第1他方側延伸部は、前記第2他方側延伸部よりも前記第3方向の一方側に位置してもよい。この場合、シート体の第3方向の一方側の端部において、第2方向の一方側の端部近傍では第2シートが露出し、第2方向の他方側の端部近傍では第1シートが露出する。このため使用者は、第1シート及び第2シートの何れかの露出した部分をトレーディングカードにより押し広げることにより、第1シートと第2シートとの間に隙間を形成させることができる。
【0013】
本発明において、前記第1中間延伸部の少なくとも一部と、前記第2中間延伸部の少なくとも一部とが、前記第1方向に重なってもよい。第1中間延伸部と第2中間延伸部とがずれている場合、トレーディングカードが引っ掛って傷つく可能性がある。これに対し、ガイド部材では、第1中間延伸部と第2中間延伸部とが第1方向に重なっているので、この部分にトレーディングカードが引っ掛って傷つくことを防止できる。
【0014】
本発明において、前記第1シートの前記第3方向の他方側の端部の少なくとも一部の位置と、前記第2シートの前記第3方向の他方側の端部の少なくとも一部の位置とが、前記第3方向において異なってもよい。この場合、使用者は、シート体の第3方向の他方側の端部をスリーブに挿入する操作を容易に行うことができる。
【0015】
本発明において、前記第1シートの前記第2方向の一方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の一方側の端部とのそれぞれのうち、前記第3方向の他方側の端部近傍は接続されておらず、且つ、前記第1シートの前記第2方向の他方側の端部と、前記第2シートの前記第2方向の他方側の端部とのそれぞれのうち、前記第3方向の他方側の端部近傍は接続されていなくてもよい。この場合、第2方向の長さが相違する複数のトレーディングカードをスリーブに容易に収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ガイド部材1の正面図である。
図2】第1シート2の正面図である。
図3】第2シート3の正面図である。
図4】ガイド部材1の使用方法(第1工程)を示す図である。
図5】ガイド部材1の使用方法(第2工程)を示す図である。
図6】ガイド部材1の使用方法(第3工程)を示す図である。
図7】ガイド部材1の使用方法(第4工程)を示す図である。
図8】ガイド部材1の使用方法(第5工程)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態に係るガイド部材1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図面に記載されている装置の構成は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。以下、図1の上側、下側、左側、右側、手前側、及び奥側を、それぞれ、ガイド部材1の上側、下側、左側、右側、前側、及び後側という。
【0018】
<ガイド部材1の概要>
図1に示すように、ガイド部材1は、透明なポリプロピレン製のシートからなるシート体10を備える。シート体10は、第1シート2(図2参照)と第2シート3(図3参照)とを含む。第1シート2及び第2シート3は、前後方向に積層する。第1シート2は、第2シート3の前側に配置される。第1シート2及び第2シート3のそれぞれの厚さは、一例として0.2mmである。
【0019】
第1シート2の左端部2L及び第2シート3の左端部3Lは、何れも、第1仮想線M1に沿って延びる。第1シート2の右端部2R及び第2シート3の右端部3Rは、何れも、第2仮想線M2に沿って延びる。第1仮想線M1及び第2仮想線M2は、それぞれ直線状に延び、且つ上下方向と交差する。第1仮想線M1及び第2仮想線M2は、左右方向に並ぶ。第1仮想線M1は、第2仮想線M2に対して左側に位置する。第1仮想線M1に沿って下側に向かう方向は、第2仮想線M2に近接する側、即ち右側に傾斜する。第2仮想線M2に沿って下側に向かう方向は、第1仮想線M1に近接する側、即ち左側に傾斜する。第1仮想線M1及び第2仮想線M2の左右方向の幅は、上側から下側に向けて次第に小さくなる。
【0020】
<第1シート2>
図2に示すように、第1シート2の下端部2Dは、左右方向と平行に延びる。第1シート2の上端部2Uは、第1左延伸部21、第1右延伸部22、及び第1中間延伸部23を含む。第1左延伸部21は、左端部2Lから右側に向けて、左右方向と平行に延びる。第1右延伸部22は、右端部2Rから左側に向けて、左右方向と平行に延びる。第1中間延伸部23は、第1左延伸部21の右端部と、第1右延伸部22の左端部との間に亘って、左右方向と交差する方向に延びる。第1中間延伸部23に沿って第1左延伸部21側から第1右延伸部22側に延びる方向は、下側に傾斜する。第1右延伸部22及び第1中間延伸部23は、第1シート2の右上の角に第1切り欠き26を形成する。
【0021】
第1シート2は、左端部2Lと右端部2Rとの間に亘って直線状に延びる折り目20を有する。折り目20は、左右方向と交差する。折り目20に沿って左端部2L側から右端部2R側に延びる方向は、下側に傾斜する。第1シート2は、折り目20よりも上側の部分(以下、「折り返し部27」という。)に対して前側に向かう方向の力が加えられることにより、折り曲げることが可能である。第1シート2が折り目20により折り曲げられた状態で、折り返し部27は第2シート3(図1参照)から離隔する。
【0022】
左端部2Lと下端部2Dとの交点を、交点P11という。右端部2Rと下端部2Dとの交点を、交点P12という。左端部2Lと第1左延伸部21との交点を、交点P13という。右端部2Rと第1右延伸部22との交点を、交点P14という。第1左延伸部21と第1中間延伸部23との交点を、交点P15という。第1右延伸部22と第1中間延伸部23との交点を、交点P16という。折り目20と左端部2Lとの交点を、交点P17という。折り目20と右端部2Rとの交点を、交点P18という。
【0023】
第1シート2は、交点P11~P16で湾曲する。交点P11、P12における曲率半径は、1mmである。交点P13、P14、P15における曲率半径は、2mmである。交点P16における曲率半径は、7mmである。
【0024】
交点P11、P12間の左右方向の距離L11は、下端部2Dの左右方向の長さに対応する。距離L11は、一例として60mmである。交点P13、P15間の左右方向の距離L12は、第1左延伸部21の左右方向の長さに対応する。距離L12は、一例として25mmである。
【0025】
交点P11、P12間の中央位置を通って上下方向に延びる仮想的な線を、第1中心線C1という。交点P11と第1中心線C1との間の左右方向の距離L13と、交点P12と第1中心線C1との間の左右方向の距離L14とは等しい。距離L13、L14は、一例として30mmである。交点P16は、第1中心線C1よりも左側に位置する。
【0026】
交点P11、P13間の上下方向の距離L15は、一例として85mmである。交点P12、P14間の上下方向の距離L16は、一例として68mmである。交点P11、P17間の上下方向の距離L17は、一例として72mmである。交点P12、P18間の上下方向の距離L18は、一例として50mmである。
【0027】
交点P11における下端部2Dと左端部2Lとのなす角度θ11と、交点P12における下端部2Dと右端部2Rとのなす角度θ12とは同一である。角度θ11、θ12は、一例として97°である。交点P13における左端部2Lと第1左延伸部21とのなす角度θ13と、交点P14における右端部2Rと第1右延伸部22とのなす角度θ14とは同一である。角度θ13、θ14は、一例として83°である。交点P15における第1左延伸部21と第1中間延伸部23とのなす角度θ15は、一例として125°である。交点P16における第1右延伸部22と第1中間延伸部23とのなす角度θ16は、一例として235°である。
【0028】
<第2シート3>
図3に示すように、第2シート3の下端部3Dは、左右方向と平行に延びる。第2シート3の上端部3Uは、第2左延伸部31、第2右延伸部32、及び第2中間延伸部33を含む。第2左延伸部31は、左端部3Lから右側に向けて、左右方向と平行に延びる。第2右延伸部32は、右端部3Rから左側に向けて、左右方向と平行に延びる。第2中間延伸部33は、第2左延伸部31の右端部と、第2右延伸部32の左端部との間に亘って、左右方向と交差する方向に延びる。第2中間延伸部33に沿って第2左延伸部31側から第2右延伸部32側に延びる方向は、下側に傾斜する。第2右延伸部32及び第2中間延伸部33は、第2シート3の右上の角に第2切り欠き36を形成する。
【0029】
左端部3Lと下端部3Dとの交点を、交点P21という。右端部3Rと下端部3Dとの交点を、交点P22という。左端部3Lと第2左延伸部31との交点を、交点P23という。右端部3Rと第2右延伸部32との交点を、交点P24という。第2左延伸部31と第2中間延伸部33との交点を、交点P25という。第2右延伸部32と第2中間延伸部33との交点を、交点P26という。
【0030】
第2シート3は、交点P21~P26で湾曲する。交点P21、P22における曲率半径は、1mmである。交点P23、P24、P25における曲率半径は、2mmである。交点P26における曲率半径は、7mmである。
【0031】
交点P21、P22間の左右方向の距離L21は、下端部3Dの左右方向の長さに対応する。距離L21は、一例として61.72mmである。交点P23、P25間の左右方向の距離L22は、第2左延伸部31の左右方向の長さに対応する。距離L22は、一例として21.11mmである。
【0032】
交点P21、P22間の中央位置を通って上下方向に延びる仮想的な線を、第2中心線C2という。交点P21と第2中心線C2との間の左右方向の距離L23と、交点P22と第2中心線C2との間の左右方向の距離L24とは等しい。距離L23、L24は、一例として30.86mmである。交点P26は、第2中心線C2よりも右側に位置する。
【0033】
交点P21、P23間の上下方向の距離L25は、一例として83mmである。交点P22、P24間の上下方向の距離L26は、一例として54mmである。
【0034】
交点P21における下端部3Dと左端部3Lとのなす角度θ21と、交点P22における下端部3Dと右端部3Rとのなす角度θ22とは同一である。角度θ21、θ22は、一例として97°である。交点P23における左端部3Lと第2左延伸部31とのなす角度θ23と、交点P24における右端部3Rと第2右延伸部32とのなす角度θ24とは同一である。角度θ23、θ24は、一例として83°である。交点P15における第2左延伸部31と第2中間延伸部33とのなす角度θ25は、一例として125°である。交点P26における第2右延伸部32と第2中間延伸部33とのなす角度θ26は、一例として235°である。
【0035】
<シート体10>
図1に示すように、第1シート2及び第2シート3は、第1中心線C1と第2中心線C2とのそれぞれの位置が一致するように配置され、前後方向に重ねられる。左端部2L、3Lのそれぞれの一部同士、右端部2R、3Rのそれぞれの一部同士、及び、第1中間延伸部23と第2中間延伸部33とのそれぞれの一部同士は、前後方向に重なる。
【0036】
第1シート2の下端部2Dと、第2シート3の下端部3Dとの上下方向の位置は相違する。下端部2Dは下端部3Dよりも下側に位置する。下端部2D、3D間の上下方向の距離L7は、一例として7mmである。
【0037】
第1シート2の第1左延伸部21と、第2シート3の第2左延伸部31との上下方向の位置は相違する。第1左延伸部21は、第2左延伸部31よりも下側に位置する。第2シート3の前面のうち、第2左延伸部31の近傍の部分は、第1シート2と重ならずに露出する。以下、この部分を「露出部38」という。又、第1シート2の第1右延伸部22と、第2シート3の第2右延伸部32との上下方向の位置は相違する。第1右延伸部22は、第2右延伸部32よりも上側に位置する。第1シート2の後面のうち、第1右延伸部22の近傍の部分は、第2シート3と重ならずに露出する。以下、この部分を「露出部28」という。一方、第1シート2の第1中間延伸部23の一部と、第2シート3の第2中間延伸部33の一部とは、上下方向に重なる。
【0038】
左端部2L、3Lのそれぞれのうち、第1シート2の交点P17に対して下方の近傍の部分は、熱溶着により接続される。以下、左端部2L、3Lの接続部を、「溶着部11」という。溶着部11は、左端部2L、3Lに沿って第1仮想線M1と平行に延びる。左端部2L、3Lのうち、溶着部11よりも下側の部分は熱溶着されておらず、接続されていない。右端部2R、3Rのそれぞれのうち、第1シート2の交点P18に対して下方の近傍の部分は、熱溶着により接続される。以下、左端部3L、3Lの接続部を、「溶着部12」という。溶着部12は、左端部2L、3Lに沿って第2仮想線M2と平行に延びる。左端部2L、3Lのうち、溶着部12よりも下側の部分は熱溶着されておらず、接続されていない。
【0039】
溶着部11の上端の位置P31と、溶着部11の下端の位置P32との間の上下方向の距離L1は、一例として30mmである。位置P32と、第1シート2の下端部2Dとの間の上下方向の距離L2は、一例として38.5mmである。溶着部11の第1仮想線M1と直交する方向の幅L3は、一例として2.5mmである。溶着部12の上端の位置P33と、溶着部12の下端の位置P34との間の上下方向の距離L4は、一例として10mmである。位置P34と、第1シート2の下端部2Dとの間の上下方向の距離L5は、一例として38.5mmである。溶着部11の第1仮想線M1と直交する方向の幅L3は、一例として2.5mmである。
【0040】
距離L2、L5は等しい。即ち、左端部2L、3Lのうち互いに接続していない部分と、右端部2R、3Rのうち互いに接続していない部分とのそれぞれの長さは等しい。又、第1シート2の下端部2Dと位置P32、P34のそれぞれとの間の距離は、等しい。
【0041】
第1シート2の下端部2Dの左右方向の長さは、シート体10の下端部の左右方向の長さに対応する。以下、シート体10の下端部の左右方向の長さを、L8と表記する。第2シート3の交点P23と、第1シートの交点P14との間の左右方向の長さは、シート体10の上端部の左右方向の長さに対応する。以下、シート体10の上端部の左右方向の長さを、L9と表記する。
【0042】
<使用方法>
図4図8を参照し、ガイド部材1を用いてトレーディングカード8がカードスリーブ9に収納される場合の各工程について説明する。なお、トレーディングカード8は、長辺と短辺とを有する長方形の板である。図5に示すように、トレーディングカード8の長辺の長さをL31と表記し、短辺の長さをL32と表記する。なお、ガイド部材1のシート体10の上端部の左右方向の長さL9(図1参照)は、トレーディングカード8の短辺の長さL32よりも長い。又、カードスリーブ9は長方形の袋体であり、短辺に対応する位置に開口9Aを有する。カードスリーブ9のサイズは、トレーディングカード8よりも一回り大きく、内部にトレーディングカード8を収容可能である。なお、ガイド部材1のシート体10の下端部の左右方向の長さL8(図1参照)は、開口9Aの左右方向の長さよりも短い。
【0043】
図4に示すように、はじめに使用者は、ガイド部材1のうちシート体10の下端部2D、3Dをカードスリーブ9の開口9Aに向けて上側から近づけ(矢印Y11)、シート体10の下端部2D、3Dの近傍をカードスリーブ9内に挿入する。図5に示すように、ガイド部材1のシート体10のうち、下端部2D、3Dを含む一部は、カードスリーブ9に配置される。
【0044】
次に使用者は、第1シート2のうち第1右延伸部22の近傍に位置する露出部28に、トレーディングカード8の下端部を接触させる。使用者は、露出部28を前側に押すことにより、折り目20よりも上側の折り返し部27に対して前側に向かう方向の力を加える。第1シート2は、折り目20に沿って折り曲げられ、折り返し部27は第2シート3から離隔する。第1シート2と第2シート3との間の隙間が押し広げられる。
【0045】
図6に示すように、使用者は、押し広げられた隙間にトレーディングカード8を押し込み、左斜め下側に移動させ、第1シート2と第2シート3との間にトレーディングカード8を進入させる(矢印Y12)。更に使用者は、図7に示すように、第1シート2と第2シート3との間を通してトレーディングカード8を下側に移動させる(矢印Y13)。トレーディングカード8は、溶着部11、12に接触して左右方向の位置を調整させながら、下側に移動する。トレーディングカード8は、シート体10の下端部2D、3Dから下方に排出され、カードスリーブ9の内部に進入する(矢印Y13)。
【0046】
図8に示すように、トレーディングカード8の下端部がカードスリーブ9の底部9Bに到達した場合、トレーディングカード8の下側への移動を停止させる。これにより、トレーディングカード8はカードスリーブ9内に配置された状態となる。その後、使用者は、カードスリーブ9に対してガイド部材1を上側に移動させ、カードスリーブ9の開口9Aからシート体10の下端部を引き抜く(矢印Y14)。以上により、トレーディングカード8はカードスリーブ9に収容される。
【0047】
<本実施形態の作用、効果>
ガイド部材1では、第1シート2と第2シート3とのそれぞれの上端部2U、3Uの一部の位置が上下方向にずれており、第1シート2に露出部28を形成させることができる。使用者は、第1シート2の露出部28をトレーディングカード8により前側に押すことで、第1シート2と第2シート3との間の隙間を容易に押し広げることができる。使用者は、押し広げられた第1シート2と第2シート3との間の隙間にトレーディングカード8を通すことにより、トレーディングカード8を傷付けることなくカードスリーブ9に収納できる。
【0048】
第1シート2は、左端部2Lと右端部2Rとの間に亘って延びる折り目20を有する。使用者は、トレーディングカード8により第1シート2を折り目20に沿って折り曲げることで、第1シート2と第2シート3との間の隙間を容易に押し広げることができる。又、折り目20の延びる方向は、左右方向に対して傾斜する。これにより、ガイド部材1は、使用者が第1シート2と第2シート3との間の隙間にトレーディングカード8を通して下側に向けて移動させるときに、折り目20にトレーディングカード8が引っ掛って傷つくことを防止できる。
【0049】
第1シート2の第1右延伸部22及び第1中間延伸部23は、第1シート2の右上の角に第1切り欠き26を形成する。第2シート3の第2右延伸部32及び第2中間延伸部33は、第2シート3の右上の角に第2切り欠き36を形成する。第1切り欠き26及び第2切り欠き36により、ガイド部材1は、第1シート2と第2シート3との間をトレーディングカード8が通過する場合の経路長を短くできる。従って、使用者は、ガイド部材1を用いてトレーディングカード8をカードスリーブ9に収納する操作を容易且つ迅速に行うことができる。
【0050】
第2シート3の第2左延伸部31は、第1シート2の第1左延伸部21よりも上側に位置する。又、第1シート2の第1右延伸部22は、第2シート3の第2右延伸部32よりも上側に位置する。このため、シート体10の上端部2U、3Uにおいて、左端部2L、3L近傍では第2シート3が露出して露出部38が形成され、右端部2R、3R近傍では第1シート2が露出して露出部28が形成される。このため使用者は、第1シート2及び第2シート3の何れかの露出部28、38をトレーディングカード8により押すことにより、第1シート2と第2シート3との間の隙間を容易に押し広げることができる。
【0051】
第1シート2の第1中間延伸部23と第2シート3の第2中間延伸部33とがずれている場合、トレーディングカード8がこの部分に引っ掛って傷つく可能性がある。これに対し、ガイド部材1では、第1中間延伸部23と第2中間延伸部33とのそれぞれの一部が前後方向に重なっているので、この部分にトレーディングカード8が引っ掛って傷つくことを防止できる。
【0052】
第1シート2の下端部2Dと第2シート3の下端部3Dとのそれぞれの上下方向の位置は相違する。この場合、使用者は、シート体10の下端部をカードスリーブ9の開口9Aに挿入するときに引っ掛ることを抑制できる。従って、使用者は、シート体10の下端部をカードスリーブ9の開口9Aに挿入する操作を容易に行うことができる。
【0053】
シート体10では、第1シート2の左端部2Lと第2シート3の左端部3Lとのそれぞれの一部が溶着部11により接続し、第1シート2の右端部2Rと第2シート3の右端部3Rとのそれぞれの一部が溶着部12により接続する。このため、トレーディングカード8をカードスリーブ9に挿入する為に、シート体10に対してトレーディングカード8を下側に移動させる場合、トレーディングカード8がシート体10からはみ出すことを防止できる。なお、第1シート2の左端部2Lと第2シート3の左端部3Lとのそれぞれのうち下端部2D、3Dの近傍は接続されておらず、且つ、第1シート2の右端部2Rと第2シート3の右端部3Rとのそれぞれのうち下端部2D、3Dの近傍は接続されていない。このため、左右方向の長さが相違する複数のトレーディングカード8を、ガイド部材1を用いてカードスリーブ9に容易に収納できる。
【0054】
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上述したガイド部材1の各寸法は一例であり、他の値であってもよいことは言うまでもない。
【0055】
第1シート2の上端部2Uは、左右方向の全域に亘って、第2シート3の上端部3Uよりも上側に位置してもよい。又は、第1シート2の上端部2Uは、左右方向の全域に亘って、第2シート3の上端部3Uよりも下側に位置してもよい。つまり、第1シート2の上端部2Uと第2シート3の上端部3Uとの位置は、左右方向の全域に亘って、上下方向に異なっていていもよい。
【0056】
第1シート2の折り目20は、左右方向と平行に延びていてもよい。第1シート2の折り目20に対応する折り目が、第2シート3にも形成されていてもよい。第1シート2に折り目20は形成されていなくてもよい。使用者は、第2シート3の露出部38をトレーディングカード8により後側に押すことで、第1シート2と第2シート3との間の隙間を押し広げてもよい。
【0057】
第1シート2に第1切り欠き26は形成されていなくてよく、第2シート3にのみ第2切り欠き36が形成されていてもよい。又は、第2シート3に第2切り欠き36は形成されていなくてよく、第1シート2にのみ第1切り欠き26が形成されていてもよい。第1シート2の上端部2Uは、左右方向と平行な方向又は左右方向と交差する方向に直線状に延びていてもよい。第2シート3の上端部3Uは、左右方向と平行な方向又は左右方向と交差する方向に直線状に延びていてもよい。
【0058】
第2シート3の第2左延伸部31は、第1シート2の第1左延伸部21よりも下側に位置してもよい。この場合、第1シート2のうち第1左延伸部21の近傍に露出部分が形成されてもよい。又は、第1シート2の第1右延伸部22は、第2シート3の第2右延伸部32よりも下側に位置してもよい。この場合、第2シート3のうち第2右延伸部32の近傍に露出部分が形成されてもよい。第1シート2の第1中間延伸部23と第2シート3の第2中間延伸部33とのそれぞれの位置は、上下方向にずれていてもよい。
【0059】
第1シート2の下端部2Dと第2シート3の下端部3Dとのそれぞれの上下方向の位置は一致していてもよい。即ち、下端部2D、3Dは、前後方向に重なっていてもよい。
【0060】
溶着部11は、左端部2L、3Lのうち、折り目20と左端部2Lとの交点P17から下端部3Dまでの間に亘る全域に設けられていてもよい。溶着部12は、右端部2R、3Rのうち、折り目20と右端部2Rとの交点P18から下端部3Dまでの間に亘る全域に設けられていてもよい。第1シート2及び第2シート3は、1枚のシートを折り曲げて前後方向に重ねることにより形成されてもよい。この場合、左端部2L、3L又は右端部2R、3Rは、折り目により形成されてもよい。
【0061】
<その他>
前後方向は、本発明の「第1方向」の一例である。左右方向は、本発明の「第2方向」の一例である。左側は、本発明の「第2方向の一方側」の一例である。右側は、本発明の「第2方向の他方側」の一例である。上下方向は、本発明の「第3方向」の一例である。上側は、本発明の「第3方向の一方側」の一例である。下側は、本発明の「第3方向の一方側」の一例である。第1左延伸部21は、本発明の「第1一方側延伸部」の一例である。第1右延伸部22は、本発明の「第1他方側延伸部」の一例である。第1中間延伸部23は、本発明の「第1中間延伸部」の一例である。第2左延伸部31は、本発明の「第2一方側延伸部」の一例である。第2右延伸部32は、本発明の「第2他方側延伸部」の一例である。第2中間延伸部33は、本発明の「第2中間延伸部」の一例である。
【符号の説明】
【0062】
1 :ガイド部材
2 :第1シート
3 :第2シート
8 :トレーディングカード
9 :カードスリーブ
10 :シート体
20 :折り目
21 :第1左延伸部
22 :第1右延伸部
23 :第1中間延伸部
26 :第1切り欠き
31 :第2左延伸部
32 :第2右延伸部
33 :第2中間延伸部
36 :第2切り欠き
M1 :第1仮想線
M2 :第2仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8