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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056193
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】カーポート
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/02 20060101AFI20240416BHJP
   H02S 20/10 20140101ALI20240416BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20240416BHJP
【FI】
E04H6/02 A
H02S20/10 T
H02S20/23 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162923
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000131120
【氏名又は名称】株式会社サンレール
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】片桐 正実
(57)【要約】
【課題】太陽光発電パネルへの負荷を軽減することができるカーポートを提供する。
【解決手段】水上側から水下側に向かう方向と直交する方向に延びて配置されている一対の桁材と、一対の桁材間に水上側から水下側に沿う方向に所定間隔置きに配置されている支持部と、所定間隔置きに配置されている支持部間に配置することによって、該支持部に支持される複数の太陽光発電パネル4とを有している。そして、太陽光発電パネル4の端部を上方から押えるパネル間押え部8A,妻側押え部8B,水上押え部8Cと、を備えている。そしてさらに、パネル間押え部8A,妻側押え部8B,水上押え部8Cは、支持部に取り付けられている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上側から水下側に向かう方向と直交する方向に延びて配置されている少なくとも一対の桁材と、
前記少なくとも一対の桁材間に前記水上側から前記水下側に沿う方向に所定間隔置きに配置されている支持部と、
前記所定間隔置きに配置されている支持部間に配置することによって、該支持部に支持される複数の太陽光発電パネルと、
前記太陽光発電パネルの端部を上方から押える押え部と、を有し、
前記押え部は、前記支持部に取り付けられてなるカーポート。
【請求項2】
前記支持部は、前記少なくとも一対の桁材間に配置されるにあたって、該桁材に対してスライド可能に連結されたスライド金具を用いて、配置されてなる請求項1に記載のカーポート。
【請求項3】
前記複数の太陽光発電パネルのうち、前記水上側に位置する太陽光発電パネルと、前記水下側に位置する太陽光発電パネルとの間に、第1止水パッキンが設けられてなる請求項1に記載のカーポート。
【請求項4】
前記水上側から前記水下側に向かう方向に沿う方向に設けられている前記複数の太陽光発電パネル間に、前記押え部のうち、パネル間押え部が設けられてなり、
前記パネル間押え部には、第2止水パッキンが設けられてなる請求項1に記載のカーポート。
【請求項5】
前記第1止水パッキンの下部には、前記第1止水パッキンに沿う方向に雨受け金具が設けられてなる請求項3に記載のカーポート。
【請求項6】
前記支持部は、前記太陽光発電パネルを支持する箇所に複数の溝が設けられ、
前記雨受け金具の端部には、前記支持部が設けられてなり、
前記複数の溝に流れ落ちた雨水は、前記水下側に位置する前記雨受け金具に流れるようになっている請求項5に記載のカーポート。
【請求項7】
前記支持部は、鉛直上下方向に沿って、第1空間部と、第2空間部と、第3空間部とが形成されるように仕切られてなり、
前記第1空間部と、前記第2空間部と、前記第3空間部に流れ落ちた雨水は、前記水下側に流れるようになっている請求項1に記載のカーポート。
【請求項8】
前記支持部には、前記複数の太陽光発電パネルのうち、前記水上側に位置する太陽光発電パネルと、前記水下側に位置する太陽光パネルとの間と、前記水上側から前記水下側に向かう方向に沿う方向に設けられている前記複数の太陽光発電パネル間とが交差する部分に、前記第2空間部と、前記第3空間部とを連通させる連通孔が設けられてなる請求項7に記載のカーポート。
【請求項9】
前記水下に位置する前記支持部の端部には、該水下に流れてきた雨水を受ける破風が設けられてなり、
前記破風の下部には、樋が設けられてなる請求項1又は7に記載のカーポート
【請求項10】
前記破風には、前記水下に位置する太陽光発電パネルよりも高さのある止水板が設けられてなる請求項9に記載のカーポート。
【請求項11】
前記破風には、前記樋に雨水が流れるように誘導する誘導板が設けられてなる請求項9に記載のカーポート。
【請求項12】
前記支持部には、前記太陽光発電パネル同士を電気的に接続可能な配線ケーブルを配置することができる第1配置部が設けられてなる請求項1に記載のカーポート。
【請求項13】
前記破風には、前記配線ケーブルを配置可能な第2配置部が設けられてなる請求項12に記載のカーポート。
【請求項14】
前記水上に位置する前記押え部には、前記配線ケーブルを配置可能な第3配置部が設けられてなる請求項12に記載のカーポート。
【請求項15】
前記第2配置部には、該第2配置部に配置される前記配線ケーブルを隠蔽する第1ケーブルカバー部が設けられてなる請求項13に記載のカーポート。
【請求項16】
前記第3配置部には、該第3配置部に配置される前記配線ケーブルを隠蔽する第2ケーブルカバー部が設けられてなる請求項14に記載のカーポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電機能を備えたカーポートに関する。
【背景技術】
【0002】
一般住宅の敷地内や周辺領域などに車庫として建造されるカーポートを利用して太陽光発電を行うために、カーポート上に太陽光発電パネルを設置するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-30774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなカーポートは、施工時に屋根の目地などにシーリングをしなければならない構造であることから、太陽光発電パネルに負荷を与えてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、太陽光発電パネルへの負荷を軽減することができるカーポートを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、あくまで、後述する実施形態の参照符号を付したものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0007】
請求項1の発明によれば、水上側から水下側に向かう方向と直交する方向に延びて配置されている少なくとも一対の桁材(2)と、
前記少なくとも一対の桁材(2)間に前記水上側から前記水下側に沿う方向に所定間隔置きに配置されている支持部(3)と、
前記所定間隔置きに配置されている支持部(3)間に配置することによって、該支持部(3)に支持される複数の太陽光発電パネル(4)と、
前記太陽光発電パネル(4)の端部を上方から押える押え部(パネル間押え部8A,妻側押え部8B,水上押え部8C)と、を有し、
前記押え部(パネル間押え部8A,妻側押え部8B,水上押え部8C)は、前記支持部(3)に取り付けられてなることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明によれば、上記請求項1に記載のカーポートにおいて、前記支持部(3)は、前記少なくとも一対の桁材(2)間に配置されるにあたって、該桁材(2)に対してスライド可能に連結されたスライド金具(12)を用いて、配置されてなることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明によれば、上記請求項1に記載のカーポートにおいて、前記複数の太陽光発電パネル(4)のうち、前記水上側に位置する太陽光発電パネル(4)と、前記水下側に位置する太陽光発電パネル(4)との間に、第1止水パッキン(止水パッキン13)が設けられてなることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明によれば、上記請求項1に記載のカーポートにおいて、前記水上側から前記水下側に向かう方向に沿う方向に設けられている前記複数の太陽光発電パネル(4)間に、前記押え部のうち、パネル間押え部(8A)が設けられてなり、
前記パネル間押え部(8A)には、第2止水パッキン(止水パッキン8Ac)が設けられてなることを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明によれば、上記請求項3に記載のカーポートにおいて、前記第1止水パッキン(止水パッキン13)の下部には、前記第1止水パッキン(止水パッキン13)に沿う方向に雨受け金具(14)が設けられてなることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明によれば、上記請求項5に記載のカーポートにおいて、前記支持部(3)は、前記太陽光発電パネル(4)を支持する箇所に複数の溝(30c1)が設けられ、
前記雨受け金具(14)の端部には、前記支持部(3)が設けられてなり、
前記複数の溝(30c1)に流れ落ちた雨水は、前記水下側に位置する前記雨受け金具(14)に流れるようになっていることを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明によれば、上記請求項1に記載のカーポートにおいて、前記支持部(3)は、鉛直上下方向に沿って、第1空間部(本体部30a)と、第2空間部(第1垂木31a)と、第3空間部(第2垂木31b)とが形成されるように仕切られてなり、
前記第1空間部(本体部30a)と、前記第2空間部(第1垂木31a)と、前記第3空間部(第2垂木31b)に流れ落ちた雨水は、前記水下側に流れるようになっていることを特徴としている。
【0014】
請求項8の発明によれば、上記請求項7に記載のカーポートにおいて、前記支持部(3)には、前記複数の太陽光発電パネル(4)のうち、前記水上側に位置する太陽光発電パネル(4)と、前記水下側に位置する太陽光パネル(4)との間と、前記水上側から前記水下側に向かう方向に沿う方向に設けられている前記複数の太陽光発電パネル(4)間とが交差する部分に、前記第2空間部(第1垂木31a)と、前記第3空間部(第2垂木31b)とを連通させる連通孔(32)が設けられてなることを特徴としている。
【0015】
請求項9の発明によれば、上記請求項1又7に記載のカーポートにおいて、前記水下に位置する前記支持部(3)の端部には、該水下に流れてきた雨水を受ける破風(16)が設けられてなり、
前記破風(16)の下部には、樋(18A)が設けられてなることを特徴としている。
【0016】
請求項10の発明によれば、上記請求項9に記載のカーポートにおいて、前記破風(16)には、前記水下に位置する太陽光発電パネル(4)よりも高さのある止水板(16c)が設けられてなることを特徴としている。
【0017】
請求項11の発明によれば、上記請求項9に記載のカーポートにおいて、前記破風(16)には、前記樋(18A)に雨水が流れるように誘導する誘導板(16f)が設けられてなることを特徴としている。
【0018】
請求項12の発明によれば、上記請求項1に記載のカーポートにおいて、前記支持部(3)には、前記太陽光発電パネル(4)同士を電気的に接続可能な配線ケーブル(4a)を配置することができる第1配置部(腕部31d)が設けられてなることを特徴としている。
【0019】
請求項13の発明によれば、上記請求項12に記載のカーポートにおいて、前記破風(16)には、前記配線ケーブル(4a)を配置可能な第2配置部(被係止片16a2)が設けられてなることを特徴としている。
【0020】
請求項14の発明によれば、上記請求項12に記載のカーポートにおいて、前記水上に位置する前記押え部(水上押え部8C)には、前記配線ケーブル(4a)を配置可能な第3配置部(被係止片8Ca2)が設けられてなることを特徴としている。
【0021】
請求項15の発明によれば、上記請求項13に記載のカーポートにおいて、前記第2配置部(被係止片16a2)には、該第2配置部(被係止片16a2)に配置される前記配線ケーブル(4a)を隠蔽する第1ケーブルカバー部(第1ケーブルカバー部材19A)が設けられてなることを特徴としている。
【0022】
請求項16の発明によれば、上記請求項14に記載のカーポートにおいて、前記第3配置部(被係止片8Ca2)には、該第3配置部(被係止片8Ca2)に配置される前記配線ケーブル(4a)を隠蔽する第2ケーブルカバー部(第2ケーブルカバー部材19B)が設けられてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、あくまで、後述する実施形態の参照符号を付したものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
請求項1に係る発明によれば、少なくとも一対の桁材(2)間に水上側から水下側に沿う方向に所定間隔置きに支持部(3)配置することができ、そしてさらに、太陽光発電パネル(4)の端部を押え部(パネル間押え部8A,妻側押え部8B,水上押え部8C)によって上方から押えることができるから、従来のように施工時に屋根の目地などにシーリングをする必要がなくなる。これにより、本発明は、太陽光発電パネルへの負荷を軽減することができる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、支持部(3)は、少なくとも一対の桁材(2)間に配置されるにあたって、該桁材(2)に対してスライド可能に連結されたスライド金具(12)を用いて、配置されているから、スライド金具(12)をスライドさせて、支持部(3)の取付位置を変更することが可能となる。したがって、このようにすれば、太陽光発電パネル(4)のサイズに合わせて、支持部(3)の間隔を変更することが可能となる。
【0026】
請求項3の発明によれば、水上側に位置する太陽光発電パネル(4)と、水下側に位置する太陽光発電パネル(4)との間に、第1止水パッキン(止水パッキン13)が設けられているから、第1止水パッキン(止水パッキン13)にて止水されることとなり、これによって、カーポート(1)から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0027】
請求項4の発明によれば、太陽光発電パネル(4)間に、パネル間押え部(8A)が設けられてなり、このパネル間押え部(8A)には、第2止水パッキン(止水パッキン8Ac)が設けられているから、太陽光発電パネル(4)の端部からパネル間押え部(8A)の外周面をつたって下方に落下しようとする雨水を止水することができる。これにより、カーポート(1)から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0028】
請求項5の発明によれば、第1止水パッキン(止水パッキン13)の下部には、第1止水パッキン(止水パッキン13)に沿う方向に雨受け金具(14)が設けられているから、第1止水パッキン(止水パッキン13)から落下してきた雨水を確実に受けることができる。これにより、カーポート(1)から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0029】
請求項6の発明によれば、複数の溝(30c1)に流れ落ちた雨水が、水下側に位置する雨受け金具(14)に流れるようになっているから、カーポート(1)から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0030】
請求項7の発明によれば、第1空間部(本体部30a)と、第2空間部(第1垂木31a)と、第3空間部(第2垂木31b)に流れ落ちた雨水は、水下側に流れるようになっているから、カーポート(1)から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0031】
請求項8の発明によれば、第2空間部(第1垂木31a)と、第3空間部(第2垂木31b)とを連通させる連通孔(32)が設けられているから、第2空間部(第1垂木31a)にて雨水を受けただけでは、オーバフローが発生し、カーポート(1)から雨漏りする可能性がある事態を低減させることができる。
【0032】
請求項9の発明によれば、水下に流れてきた雨水を破風(16)で受けて樋(18A)に流することができる。これにより、カーポート(1)から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0033】
請求項10の発明によれば、水下に位置する太陽光発電パネル(4)よりも高さのある止水板(16c)が設けられているから、太陽光発電パネル(4)をつたって水下に流れた雨水が破風(16)を乗り越えてしてしまい、適切に排水することができなくなる事態をないようにすることができる。
【0034】
請求項11の発明によれば、樋(18A)に雨水が流れるように誘導する誘導板(16f)が設けられているから、この誘導板(16f)によって、樋(18A)に雨水が流れ落ちるようにすることができる。これにより、カーポート(1)から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0035】
請求項12の発明によれば、支持部(3)には、太陽光発電パネル(4)同士を電気的に接続可能な配線ケーブル(4a)を配置することができる第1配置部(腕部31d)が設けられているから、カーポート(1)から、配線ケーブル(4a)が垂れ下がった状態となる事態を低減させることができるため、意匠性を向上させることができる。
【0036】
請求項13の発明によれば、破風(16)には、配線ケーブル(4a)を配置可能な第2配置部(被係止片16a2)が設けられているから、破風(16)から配線ケーブル(4a)が垂れ下がった状態となる事態を低減させることができることから、意匠性を向上させることができる。
【0037】
請求項14の発明によれば、水上に位置する押え部(水上押え部8C)には、配線ケーブル(4a)を配置可能な第3配置部(被係止片8Ca2)が設けられているから、水上に位置する押え部(水上押え部8C)から配線ケーブル(4a)が垂れ下がった状態となる事態を低減させることができることから、意匠性を向上させることができる。
【0038】
請求項15の発明によれば、第1ケーブルカバー部(第1ケーブルカバー部材19A)によって、配線ケーブル(4a)を隠蔽することができるため、意匠性を向上させることができる。
【0039】
請求項16の発明によれば、第2ケーブルカバー部(第2ケーブルカバー部材19B)によって、配線ケーブル(4a)を隠蔽することができるため、意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施形態に係るカーポートの平面図である。
図2】同実施形態に係るカーポートの側面図である。
図3図2に示す水上側の一部を拡大し、一部断面にしている拡大図である。
図4】(a)は、図2に示す水上に位置する桁材部分を拡大し、一部断面にしている拡大側面図、(b)は、図2に示す水上に位置する桁材部分を拡大し、一部断面にしている拡大図である。
図5図2に示す水下側の一部を拡大し、一部断面にしている拡大図である。
図6】同実施形態に係るカーポートの平面部分を一部拡大した、一部破断図である。
図7図6に示す図示左側の支持部を正面から見た場合の拡大断面図である。
図8図6に示す図示右側の支持部を正面から見た場合の拡大断面図である。
図9】(a)は、図6に示す図示左側の水下側の支持部に位置するパネル間押え部を除外し、一部破断にした部分の拡大図、(b)は、(a)に示すX1-X1線断面図である。
図10】(a)は、水上と妻側とのコーナー部分を示す斜視図、(b)は、水下と妻側とのコーナー部分を示す斜視図である。
図11】(a)は、図10(a)に示す水上側の縦断面図、(b)は、水上押え部に第2カバー部材を係止した状態を示す斜視図である。
図12】(a)は、水上側に位置する太陽光発電パネルと水下側に位置する太陽光発電パネルとの間に止水パッキンを取り付けようとしている状態を示す縦断面図、(b)は、水上側に位置する太陽光発電パネルと水下側に位置する太陽光発電パネルとの間に止水パッキンを取り付けた状態を示す縦断面図である。
図13図5に示す破風側の部分を拡大した側面図である。
図14】(a)は、図5に示す破風側の部分を拡大し、一部断面にしている拡大図、(b)は、破風に第1カバー部材を係止した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明に係るカーポートの一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0042】
図1に示すカーポート1は、一対の桁材2と、一対の桁材2の間に、横架するように所定間隔置きに配置されている支持部3と、支持部3間に配置することによって、該支持部3に支持される複数の太陽光発電パネル4と、で主に構成されている。以下、各構成について、詳しく説明することとする。なお、太陽光発電パネル4は、従来周知の構成であるため、詳細な説明は省略することとする。
【0043】
<桁材の説明>
桁材2は、図3に示すように、断面視略矩形状の第1桁材20と、断面視略矩形状の第2桁材21と、で構成されている。そして、図3及び図4(a)に示すように、この第1桁材20の下部20aと、第2桁材21の上部21aとは、六角ボルトやナットなどの固定金具K1によって取り付け固定されている。これにより、第1桁材20と第2桁材21とは、連結されることとなる。また、図4(a)に示すように、第1桁材20を複数連結する場合には、第1桁材20同士の連結部分の上部20b側に、側面視矩形状の第1桁材ジョイント部材22を配置し、ビスなどの固定金具K2を用いて、第1桁材20の上部20b側それぞれに、取り付け固定する。これにより、第1桁材ジョイント部材22によって、第1桁材20同士が連結されることとなる。また、図4(a)に示すように、第1桁材20の端部20c及び第2桁材21の端部21c(図示では、右端部)には、側面視縦長矩形状のカバー材23が設けられており、このカバー材23は、ビスなどの固定金具K3によって、第1桁材20及び第2桁材21に取り付け固定されている。なお、固定金具K1のナットは、緩み止め効果のある「くさびナット」等を使用している。
【0044】
かくして、このように構成される桁材2は、図1に示すように、水上側から水下側に向かう方向(図示では、上下方向)と直交する方向(図示では、左右方向)に、横長矩形状に延びて配置される。そして、このような桁材2は、間隔を開けて一対配置されることとなる。
【0045】
ところで、このような桁材2には、図1に示すX部分に、図2に示すような支柱5が設けられている。この支柱5は、図2に示すように、上下方向に縦長矩形状に延びて設けられており、上部側が、桁材2に取り付け固定され、下部側が、地面Gに埋設固定されている。これにより、桁材2は、起立状に立設固定されるようになっている。桁材2への取り付け固定について、より詳しく説明すると、図3及び図5に示すように、支柱5の上部側は、第2桁材21に六角ボルトやナットなどの固定金具K4によって取り付け固定されている。これにより、支柱5の上部側が、桁材2に取り付け固定されることとなる。なお、固定金具K4のナットは、緩み止め効果のある「くさびナット」等を使用している。
【0046】
一方、図2に示すように、支柱5間には、補強のためのブレス6が取り付け固定されている。具体的に説明すると、ブレス6は、図3及び図5に示すように、側面視、横長矩形状に形成されており、図3に示すように、水上側に位置する右端部6aが、側面視L字状のブレス取付金具7を介して、六角ボルトやナットなどの固定金具K5によって、支柱5に取り付け固定される。そして、図5に示すように、水下側に位置する左端部6bが、側面視L字状のブレス取付金具7を介して、六角ボルトやナットなどの固定金具K6によって、支柱5に取り付け固定される。これにより、支柱5間には、補強のためのブレス6が取り付け固定されることとなる。なお、固定金具K5,K6のナットは、緩み止め効果のある「くさびナット」等を使用している。
【0047】
かくして、このようにして、一対の桁材2は、複数の支柱5(図1では、6個)によって支持されることとなる。
【0048】
<支持部の説明>
支持部3は、図7図8図9(b)に示すように、支持片30と、垂木31と、で構成されている。支持片30は、図7図8図9(b)に示すように、断面視略T字状に形成されており、中空状で断面視略矩形状の本体部30aを有している。そして、図7図8図9(b)に示すように、本体部30aの上部30a1側両端部には、鉤状の被係止部30bが上方に一体的に突出して設けられている。そしてさらに、図7図8図9(b)に示すように、被係止部30bの側部30b1から外方向に向かって、断面視細長矩形状の載置片30cが一体的に突出して設けられている。なお、この載置片30cには、図7図8図9(b)に示すように、上面側に、高さと幅2mm程度の凹凸状の溝30c1が複数設けられている。
【0049】
一方、図7図8図9(b)に示すように、本体部30aの下部30a1側両端部には、階段状の係止部30dが下方に一体的に突出して設けられている。
【0050】
他方、垂木31は、図7図8図9(b)に示すように、中空状で断面視略矩形状の第1垂木31aと、第1垂木31aの下部31a1に一体的に設けられている中空状で断面視縦長矩形状の第2垂木31bと、第2垂木31bの下部31b1に一体的に設けられている中空状で断面視略矩形状の第3垂木31cと、で構成されている。第1垂木31aには、図7図8図9(b)に示すように、両側面から断面視鉤状の被係止部31a2が一体的に内方向に向かって突出して設けられている。この被係止部31a2には、図7図8図9(b)に示すように、係止部30dが係止され、ビスなどの固定金具K7(図7図8参照)によって、取り付け固定されている。これにより、支持片30と、垂木31とが連結されることとなる。
【0051】
一方、第2垂木31bには、図7図8図9(b)に示すように、側部31b2から外方向に向かって、断面視L字状の腕部31dが一対一体的に突出して設けられている。また、第3垂木31cには、図7図8図9(b)に示すように、両側面から断面視鉤状の被係止部31c1が一体的に内方向に向かって突出して設けられている。
【0052】
かくして、このように構成される支持部3は、図7図8図9(b)に示すように、載置片30c上に太陽光発電パネル4が載置される。そして、図10(a)に示すように、水上側から水下側に向かう方向に沿う方向に設けられている太陽光発電パネル4同士の間に、パネル間押え部8Aが設けられている。このパネル間押え部8Aは、図7及び図9(b)に示すように、断面視略凹状の本体部8Aaと、この本体部8Aaの上面から外方向に向かって一体的に突出して設けられている断面視細長矩形状の押え片8Abとで構成されている。したがって、図7及び図9(b)に示すように、この押え片8Abによって、太陽光発電パネル4同士の間の端部が上方から押えられることとなる。なお、このパネル間押え部8Aは、図1に示す水上側から水下側に向かって設けられることとなる。
【0053】
ところで、このパネル間押え部8Aは、図7及び図9(b)に示すように、支持部3の支持片30に取り付けられている。より詳しく説明すると、図7及び図9(b)に示すように、被係止部30bにスライド金具9が、被係止部30bにスライド自在に係止されている。そして、図7及び図9(b)に示すように、このスライド金具9に断面視コ字状のスペーサ金具10を介して、パネル間押え部8Aの本体部8Aaが、六角ボルトやナットpなどの固定金具K8によって、取り付け固定されている。これにより、パネル間押え部8Aは、支持部3の支持片30に取り付けられることとなる。なお、図7及び図9(b)に示すように、パネル間押え部8Aの押え片8Abの下面(太陽光発電パネル4同士の間の端部を押える面)には、止水パッキン8Acが貼り付けられている。また、固定金具K8のナットは、緩み止め効果のある「くさびナット」等を使用している。
【0054】
一方、図1に示す妻側に位置する太陽光発電パネル4の端部には、図10(a)に示すように、妻側押え部8Bが設けられている。この妻側押え部8Bは、図8に示すように、断面視略逆L字状の本体部8Baと、この本体部8Baの左端部8Ba1に、上方向に向かって一体的に突出して設けられている断面視略逆L字状の押え片8Bbと、で構成されている。これにより、図8に示すように、この押え片8Bbによって、図1に示す妻側に位置する太陽光発電パネル4の端部が上方から押えられることとなる。なお、この妻側押え部8Bは、図10に示すように、水上側から水下側に向かって設けられることとなる。この際、妻側押え部8B同士の連結部分には、図10(a)に示すように、L字状の妻側ジョイン部材8B1が取り付けられることとなる。
【0055】
ところで、この妻側押え部8Bは、図8に示すように、支持部3の支持片30に取り付けられている。より詳しく説明すると、図8に示すように、被係止部30bにスライド金具9が、被係止部30bにスライド自在に係止されている。そして、図8に示すように、このスライド金具9に断面視コ字状のスペーサ金具10を介して、妻側押え部8Bの本体部8Baが、六角ボルトやナットなどの固定金具K9によって、取り付け固定されている。これにより、妻側押え部8Bは、支持部3の支持片30に取り付けられることとなる。なお、固定金具K9のナットは、緩み止め効果のある「くさびナット」等を使用している。
【0056】
一方、図1に示す水上に位置する太陽光発電パネル4の端部には、図10(a)に示すように、水上押え部8Cが設けられている。この水上押え部8Cは、図11(a)に示すように、断面視略逆L字状の本体部8Caと、この本体部8Caの右端部8Ca1に、上方向に向かって一体的に突出して設けられている断面視略逆L字状の押え片8Cbと、で構成されている。これにより、図11(a)に示すように、この押え片8Cbによって、図1に示す水上に位置する太陽光発電パネル4の端部が上方から押えられることとなる。なお、この水上押え部8Cは、図1に示す右側の妻側から左側の妻側まで設けられることとなる。この際、水上押え部8C同士の連結部分には、図10(a)に示すように、L字状の隅上ジョイン部材8C1が取り付けられることとなる。
【0057】
ところで、上記のように構成される支持部3は、図4に示すように、桁材2の第1桁材20に取り付け固定できるようになっている。より詳しく説明すると、図4(a)に示すように、第1桁材20の上面には、垂木用ブラケット11が載置されている。この垂木用ブラケット11は、断面視横長矩形状の土台部11aと、この土台部11aの上面から上方に向かって一体的に設けられている断面視階段状の係止部11bと、で構成されている。この係止部11bは、図4(a)に示すように、第3垂木31cに設けられている被係止部31c1に係止され、ビスなどの固定金具K10によって取り付け固定されている。これにより、垂木31(支持部3)と、垂木用ブラケット11とが連結固定されることとなる。
【0058】
一方、図4(b)に示すように、第1桁材20の上部20dには、スライド金具12がスライド自在に嵌め込まれている。そして、このスライド金具12には、垂木用ブラケット11の土台部11aが、六角ボルトやナットなどの固定金具K11によって、取り付け固定されている。これにより、支持部3は、第1桁材20に取り付け固定できることとなる。なお、固定金具K11のナットは、緩み止め効果のある「くさびナット」等を使用している。
【0059】
かくして、このように、スライド金具12を用いて、支持部3を、第1桁材20に取り付け固定するようにすれば、スライド金具12をスライドさせて、支持部3の取付位置を変更することが可能となる。これにより、図1に示すように、一対の桁材2の間に、横架するように所定間隔置きに配置されている支持部3の間隔を変更することが可能となるから、太陽光発電パネル4のサイズに合わせて、支持部3の間隔を変更することが可能となる。
【0060】
したがって、上記説明してきたカーポート1のような構成にすれば、一対の桁材2の間に、横架するように所定間隔置きに支持部3を配置することができ、さらに、支持部3間に複数の太陽光発電パネル4を配置することができる。そしてさらに、太陽光発電パネル4の端部をパネル間押え部8A及び妻側押え部8B並びに水上押え部8Cによって上方から押えることができるから、従来のように施工時に屋根の目地などにシーリングをする必要がなくなる。これにより、本願発明は、太陽光発電パネル4への負荷を軽減することができる。
【0061】
また、本実施形態においては、太陽光発電パネル4を直接屋根材としていることから、すっきりとしたシャープな印象をもつ外観とすることができる。
【0062】
<止水の説明>
ところで、上記のように構成されるカーポート1は、雨漏りがし難くなる止水構造を有している。そのため、以下、この止水構造について詳しく説明することとする。
【0063】
<第1止水の説明>
まず、太陽光発電パネル4に降った雨水は、図1に示す水上から水下(図示上下方向)に流れることとなる。そのため、図1に示すように、水上側(図示上側)に位置する太陽光発電パネル4と、水下側(図示下側)に位置する太陽光発電パネル4との間(図示左右方向)には、止水パッキン13が設けられている。この点、詳しく説明すると、図12(b)に示すように、水上側(図示右側)に位置する太陽光発電パネル4と、水下側(図示左側)に位置する太陽光発電パネル4との間に、太陽光発電パネル4の上面と面一となるように、断面視矩形状の止水パッキン13が設けられている。これにより、図1に示す水上から水下(図示上下方向)に流れた雨水は、止水パッキン13にて止水されることとなるから、カーポート1から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0064】
ところで、このような止水パッキン13を設けるにあたっては、図12(a)に示すように、水下側(図示左側)に位置する太陽光発電パネル4の端部(図示では、右端部)に止水パッキン13を貼り付けておき、その後、水上側(図示右側)に位置する太陽光発電パネル4の端部(図示では、左端部)に、止水パッキン13を貼り付けた方が好ましい。このようにすれば、図12に示す止水パッキン13の下方に位置する雨受け金具14にて、落下してきた雨水を確実に受けることができるためである。すなわち、雨水は、図1に示す水上から水下(図示上下方向)に流れることから、水上側(図示上側)に位置する太陽光発電パネル4をつたって下方に落下する可能性が高い。そのため、水上側(図示右側)に位置する太陽光発電パネル4の端部(図示では、左端部)に、後で、止水パッキン13を貼り付けた方が、例え、止水パッキン13にて止水できなくとも、落下した雨水を、雨受け金具14にて、確実に受けることができることとなる。
【0065】
ところで、この雨受け金具14は、図12に示すように、断面視略凹状の本体部14aと、本体部14aの両側部より上方に一体的に突出して設けられている断面視鉤状の被係止部14bと、で構成されている。そして、この被係止部14bには、樹脂等で形成される断面視I形状の緩衝部材15が係止されている。
【0066】
かくして、このような雨受け金具14は、図12に示すように、水上側(図示右側)に位置する支持片30と、水下側(図示左側)に位置する支持片30との間に嵌め込まれて設けられており、止水パッキン13の下方に位置するようになっている。そして、この雨受け金具14も、止水パッキン13と同様、水上側(図示上側)に位置する太陽光発電パネル4と、水下側(図示下側)に位置する太陽光発電パネル4との間(図示左右方向)に設けられている。
【0067】
ところで、緩衝部材15は、水上側(図示右側)に位置する支持片30と、水下側(図示左側)に位置する支持片30との間に嵌め込んだ際の緩衝材としての役割を担うものである。そしてさらに、緩衝部材15は、図12に示すように、上面15aが、載置片30cの上面より上方に位置するようになっており、さらに、複数の溝15a1が設けられている。これにより、緩衝部材15に流れ込んだ雨水が、複数の溝15a1を通って、載置片30cの上面に流れ落ちることとなる。それゆえ、水切りの役割も担うことができる。
【0068】
一方、太陽光発電パネル4に降った雨水は、図1に示す水上から水下(図示上下方向)に流れることとなるから、支持部3側、すなわち、図7図8図9(b)に示すパネル間押え部8Aの本体部8Aa内を、図1に示す水上から水下(図示上下方向)に流れることとなる。この際、本実施形態においては、図7及び図9(b)に示すように、パネル間押え部8Aの押え片8Abの下面(太陽光発電パネル4同士の間の端部を押える面)に、止水パッキン8Acが貼り付けられているから、この止水パッキン8Acにて、パネル間押え部8Aの本体部8Aa内を流れず、太陽光発電パネル4の端部からパネル間押え部8Aの外周面をつたって下方に落下しようとする雨水を止水することができる。これにより、カーポート1から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0069】
しかしながら、この止水パッキン8Acでも止水できない雨水は、太陽光発電パネル4をつたって下方に落下してしまうこととなる。そこで、本実施形態においては、図7図8図9(b)に示すように、太陽光発電パネル4が載置される載置片30c上面側に、凹凸状の溝30c1を複数設けている。これにより、下方に落下してきた雨水が凹凸状の溝30c1に落下することとなり、これによって、図9(a)に示すように、この溝30c1を通って、雨水が、水上側から水下側に流れることとなる。それゆえ、図12(b)に示すように、水上側(図示右側)に位置する支持片30と、水下側(図示左側)に位置する支持片30との間に雨受け金具14が嵌め込まれているから、溝30c1を通って、水上側から水下側に流れてきた雨水は、雨受け金具14に落下することとなる。これにより、カーポート1から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0070】
<第2止水の説明>
ところで、雨受け金具14に落下した雨水は、図6に示す左右方向に流れるようになっている。すなわち、雨受け金具14と支持部3が交差する部分に流れるようになっている。具体的に説明すると、雨受け金具14に落下した雨水は、図7に示すように、矢印Y1に示す方向に流れていき、支持片30の本体部30aに流れることとなる。そしてさらに、雨受け金具14に落下した雨水は、図8に示すように、矢印Y2に示す方向に流れていき、支持片30の本体部30aに流れることとなる。なお、雨受け金具14によって妻側(図6に示す右側)に流れ込んだ雨水が、カーポート1から漏れ出さないように、図6に示すように、雨受け金具14の妻側の端部には、平面視凸状の止水キャップ14Aが嵌め込まれてる。
【0071】
ところで、支持片30の本体部30aに流れ込んだ雨水は、図12(b)に示すように、水上側(図示右側)に位置する支持片30と、水下側(図示左側)に位置する支持片30との間に、隙間S1が形成されているから、図7及び図8に示す第1垂木31a内に流れ込むこととなる。そして、この第1垂木31a内に流れ込んだ雨水は、図1に示す水下側に流れることとなる。なお、第1垂木31a内に流れ込まなかった雨水は、本体部30aを通って、図1に示す水下側に流れることとなる。
【0072】
しかしながら、第1垂木31a内にて雨水を受けただけでは、オーバフローが発生し、カーポート1から雨漏りする可能性がある。そこで、本実施形態においては、図6に示すように、雨受け金具14と、支持部3とが交差する部分の支持部3に鉛直上下方向に貫通する連通孔32が設けられている。具体的に説明すると、図7及び図8に示すように、第1垂木31aの下部31a1中央部分に、直径約20mmの連通孔32が設けられている。これにより、連通孔32を介して、第1垂木31a内の空間と第2垂木31b内の空間とが連通することとなるから、第1垂木31a内に流れ込んだ雨水は、連通孔32を通って、第2垂木31b内に流れる込むこととなる。そして、この第2垂木31b内に流れ込んだ雨水は、図1に示す水下側に流れることとなる。したがって、このようにすれば、オーバフローが発生し、カーポート1から雨漏りする事態を低減させることができる。なお、第2垂木31b内に流れ込まなかった雨水は、第1垂木31aを通って、図1に示す水下側に流れることとなる。
【0073】
ところで、上記説明したように、太陽光発電パネル4に降った雨水は、図7図8図9(b)に示すパネル間押え部8Aの本体部8Aa内を、図1に示す水上から水下(図示上下方向)に流れることとなる。この際、図7及び図9(b)に示す固定金具K8、図8に示す固定金具K9の僅かな隙間をつたって、本体部30a内に落下してくる可能性がある。この場合、本体部30a内に落下した雨水は、上記説明したように、図7及び図8に示す第1垂木31a内に流れ込むか、図1に示す水下側に流れることとなる。そして、この第1垂木31a内に流れ込んだ雨水は、上記説明したように、図7及び図8に示す第2垂木31b内に流れ込むか、図1に示す水下側に流れることとなる。
【0074】
<排水の説明>
かくして、このようにして、太陽光発電パネル4をつたって、図1に示す水上から水下(図示上下方向)に流れた雨水、及び、本体部30a内を通って水下に流れた雨水、及び、第1垂木31a内を通って水下に流れた雨水、並びに、第2垂木31b内を通って水下に流れた雨水は、図2図5図10(b),図13に示す破風16に向かって流れることとなる。この点、具体的に説明すると、破風16は、図10(b)に示すように、左右方向に延びる(図1に示す左の妻側から右の妻側まで)略横長矩形状の本体部16aと、本体部16aより内向き方向(図13に示す右方向)に向かって、直線状に延びる取付部16bと、取付部16bの端部(図13では、右端部)に上方に向かって突出して一体的に設けられている略横長矩形状の止水板16cと、で主に構成されている。そして、この取付部16bは、図10(b)及び図13に示すように、六角ボルトやナットなどの固定金具K12を用いて、支持部3の支持片30に取り付けられている。具体的に説明すると、図13に示すスライド金具17が、図7及び図9(b)に示す、被係止部30bにスライド自在に係止されている。そして、このスライド金具17には、取付部16bが、固定金具K12によって、取り付け固定されている。これにより、取付部16bは、図10(b)及び図13に示すように、六角ボルトやナットなどの固定金具K12を用いて、支持部3の支持片30に取り付けられることとなる。なお、固定金具K12のナットは、緩み止め効果のある「くさびナット」等を使用している。
【0075】
したがって、このようにすれば、図1に示す水下に位置する太陽光発電パネル4の端部には、破風16が設けられることとなる。そして、このような破風16には、図10(b)に示すように、本体部16aの両端部(図示では、右端部のみを図示)に、台形状のカバー部材16dが、ビスなどの固定金具K13を用いて取り付け固定されている。そして、このカバー部材16dには、図10(b)に示すように、台形状の支持部材16eが、図13に示すように、ビスなどの固定金具K14を用いて取り付け固定されている。そしてさらに、この支持部材16eには、アルミなどで形成される樋18Aが取り付け固定されている。具体的に説明すると、この樋18Aは、図13に示すように、断面視略凹状の本体部18Aaと、この本体部18Aaの左側面上端から外方向に向かって一体的に突出して設けられている左係止片18Abと、この本体部18Aaの右側面上端から外方向に向かって一体的に突出して設けられている右係止片18Acと、で構成されている。この本体部18Aaは、図13に示すように、ビスなどの固定金具K15によって、支持部材16eに取り付けられており、左係止片18Abが、本体部16aより内向き方向(図示右方向)に向かって一体的に突出して設けられている被係止片16a1に係止されている。そしてさらに、右係止片18Acが、支持部3の第3垂木31cの下面にビスなどの固定金具K16によって、取り付け固定されている。これにより、図13に示すように、破風16の下部側に、樋18Aが設けられることとなる。
【0076】
かくして、このように図1に示す水下に位置する太陽光発電パネル4の端部に破風16を設けるようにすれば、図13に示すように、太陽光発電パネル4をつたって水下に流れた雨水は、矢印Y3に示すように、破風16に向かって流れ、本体部30a内を通って水下に流れた雨水は、矢印Y3に示すように、破風16に向かって流れ、第1垂木31a内を通って水下に流れた雨水は、矢印Y3に示すように、破風16に向かって流れ、第2垂木31b内を通って水下に流れた雨水は、矢印Y3に示すように、破風16に向かって流れることとなる。これにより、破風16の下部側に、樋18Aが設けることにより、破風16に向かって流れたこれら雨水は、樋18Aに流れ落ちることとなる。そして、この樋18Aに流れ落ちた雨水は、図13に示すように、樋18Aに設けられている竪樋18Bに流れ込み、図2に示すように地面Gに排水されることとなる。したがって、このようにすれば、水下に流れ落ちた雨水を適切に排水することができるため、カーポート1から雨漏りする事態を低減させることができる。
【0077】
ところで、破風16に設けられている止水板16cは、図13に示すように、水下に位置する太陽光発電パネル4よりも高さがあるように設定されている。これは、太陽光発電パネル4をつたって水下に流れた雨水が破風16を乗り越えてしてしまい、適切に排水することができなくなる事態がないようにするためである。そのため、破風16に設けられている止水板16cは、図13に示すように、水下に位置する太陽光発電パネル4よりも高さがあるように設定されている。したがって、このようにすれば、太陽光発電パネル4をつたって水下に流れた雨水を、樋18Aに確実に流し落とすことができる。
【0078】
また、図13に示すように、本体部16aには、被係止片16a1よりも上側に、内向き方向(図示右方向)に向かって下り傾斜状に一体的に突出して設けられている断面視矩形状の誘導板16fが設けられている。この誘導板16fは、図13に示すように、下端部16f1が、樋18A内に位置していることから、破風16に向かって流れ落ちた雨水が、樋18Aに確実に流れ落ちるように誘導することができる。これにより、破風16に向かって流れ落ちた雨水が、樋18Aに流れ落ちず、これによって、カーポート1から雨漏りしてしまう事態を低減させることができる。
【0079】
かくして、上記説明してきたように、カーポート1は、雨漏りがし難くなる止水構造を有している。
【0080】
<太陽光発電パネルの配線ケーブルに関する説明>
ところで、従来周知の構成である太陽光発電パネル4は、太陽光発電パネル4同士を電気的に接続する配線ケーブル4a(図11(b),図14(b)参照)を備えている。そのため、この配線ケーブル4a(図11(b),図14(b)参照)に対し、何の処置も施さなければ、カーポート1から、配線ケーブル4a(図11(b),図14(b)参照)が垂れ下がった状態となり、意匠性が極めて悪くなる。そこで、本実施形態においては、意匠性を向上させるため、以下のような構成としている。
【0081】
図7図8図9(b)に示すように、支持部3の第2垂木31bには、腕部31dが設けられているから、この腕部31dに、図4(a)及び図11(a)に示すように、配線ケーブル4aを載置することができる。これにより、カーポート1から、配線ケーブル4aが垂れ下がった状態となる事態を低減させることができるため、意匠性を向上させることができる。
【0082】
さらに、図14(a)に示すように、破風16の本体部16aには、誘導板16fよりも上側に、内向き方向(図示右方向)に向かって一体的に突出して設けられている一対の断面視矩形状の被係止片16a2が設けられている。この被係止片16a2内には、図14(a)に示すように、配線ケーブル4aを通すことができるようになっている。これにより、破風16から配線ケーブル4aが垂れ下がった状態となる事態を低減させることができることから、意匠性を向上させることができる。そしてさらには、この一対の被係止片16a2には、図14(a)に示すように、断面視コ字状の第1ケーブルカバー部材19Aが係止できるようになっている。これにより、図14(b)に示すように、被係止片16a2内に通された配線ケーブル4aが、第1ケーブルカバー部材19Aによって隠蔽されることとなるため、さらに意匠性を向上させることができる。
【0083】
一方、図11(b)に示すように、本体部8Caには、内向き方向(図示左方向)に向かって一体的に突出して設けられている一対の矩形状の被係止片8Ca2が設けられている。この被係止片8Ca2内には、図11(b)に示すように、配線ケーブル4aを通すことができるようになっている。これにより、水上押え部8Cから配線ケーブル4aが垂れ下がった状態となる事態を低減させることができることから、意匠性を向上させることができる。そしてさらには、この一対の被係止片8Ca2には、図11(b)に示すように、第2ケーブルカバー部材19Bが係止できるようになっている。これにより、図11に示すように、被係止片8Ca2内に通された配線ケーブル4aが、第2ケーブルカバー部材19Bによって隠蔽されることとなるため、さらに意匠性を向上させることができる。
【0084】
かくして、上記説明してきた構成を備えていることにより、本実施形態におけるカーポート1は、意匠性を向上させることできることとなる。
【0085】
<変形例の説明>
なお、本実施形態において例示したカーポート1の内容は、あくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、桁材2として一対しか例示してないが、勿論、一対でなく、それ以上でも良い。
【0086】
また、本実施形態においては例示していないが、上記説明したカーポート1を横に連棟することによって、拡張することもできる。
【0087】
また、本実施形態においては例示していないが、上記説明した支持部3を接続することによって、カーポート1を奥行方向に連棟させることもできる。なお、この際、支持部3の第2垂木31bには、接続部分から雨漏りがしないよう、接続部分にシーリング材を施すのが好ましい。
【符号の説明】
【0088】
1 カーポート
2 桁材
3 支持部
30a 本体部(第1空間部)
30c1 溝
31a 第1垂木(第2空間部)
31b 第2垂木(第3空間部)
31c 第3垂木(第3空間部)
31d 腕部(第1配置部)
32 連通孔
4 太陽光発電パネル
4a 配線ケーブル
8A パネル間押え部(押え部)
8Ac 止水パッキン(第2止水パッキン)
8B 妻側押え部(押え部)
8C 水上押え部(押え部)
8Ca2 被係止片(第3配置部)
12 スライド金具
13 止水パッキン(第1止水パッキン)
14 雨受け金具
16 破風
16a2 被係止片(第2配置部)
16c 止水板
16f 誘導板
18A 樋
19A 第1ケーブルカバー部材(第1ケーブルカバー部)
19B 第2ケーブルカバー部材(第2ケーブルカバー部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14