(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056219
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】清掃具
(51)【国際特許分類】
A47L 1/06 20060101AFI20240416BHJP
A47L 1/15 20060101ALI20240416BHJP
A47L 13/20 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A47L1/06
A47L1/15
A47L13/20 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162957
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】510183796
【氏名又は名称】株式会社プラナ
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】松本 忠男
【テーマコード(参考)】
3B074
【Fターム(参考)】
3B074AA05
3B074AB01
3B074EE00
(57)【要約】
【課題】従来の弾性板による清掃具に比べて、清掃面上の複数種類の塵埃や多くの塵埃を捕獲する機能、及び清掃面上の液体を除去する機能に優れた清掃具を提供する。
【解決手段】清掃面1に先端が直線状に接触し、先端を清掃面1に押し付けることにより変形可能な板状の弾性材料よりなる複数の弾性板4、5をほぼ平行に配置して固定したヘッド部2と、ヘッド部2に取り付けた把手3とを備え、弾性板4、5には、清掃面1と接触する先端から所定の長さの複数個の切り込みが形成され、先端が接触する直線に対してほぼ垂直な方向にヘッド部2を移動させることにより、清掃面1上の塵埃、汚れ、液体の少なくとも1つを除去する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃面に先端が直線状に接触し、前記先端を前記清掃面に押し付けることにより変形可能な板状の弾性材料よりなる複数の弾性板をほぼ平行に配置して固定したヘッド部と、該ヘッド部に取り付けた把手とを備え、前記複数の弾性板は、前記清掃面と接触する先端から所定の長さの複数個の切り込みが形成されている先端部分を有する少なくとも1枚の弾性板を含み、前記先端が接触する直線に対してほぼ垂直な方向に前記ヘッド部を移動させることにより、前記清掃面上の塵埃、汚れ、液体の少なくとも1つを除去することを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記弾性板において、前記清掃面に接触する直線状の部分の長さは10~50cm、前記先端での厚さは1~10mm、前記切り込みの長さは0.2~30mm、前記複数個の切り込みは0.2~50mmの間隔で形成され、前記切り込みの隙間の幅は、前記先端部分が変形していない状態では3mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の清掃具。
【請求項3】
前記ヘッド部は、前記複数の弾性板により前記移動方向の前面側に飛散する塵埃を抑制するため、前記複数の弾性板の前記移動方向の前面側に遮蔽板を備えることを特徴とする請求項2に記載の清掃具。
【請求項4】
前記複数の弾性板は、前記ヘッド部に固定された個所から前記先端までの長さが、前記移動方向に対して順に短くなるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の清掃具。
【請求項5】
前記複数の弾性板は、前記ヘッド部に固定された個所から前記先端までの長さが、前記移動方向に対して順に短くなるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の清掃具。
【請求項6】
前記複数の弾性板の任意の2つにおいて、前記弾性材料の種類、前記先端での厚さ、前記清掃面に押し付けたときの弾性変形の大きさ、前記先端が清掃面に接触したときの前記清掃面と該弾性板とのなす角度、前記切り込みの長さ、前記切り込みの間隔、のうち、いずれか2つの点が互いに異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の清掃具。
【請求項7】
前記複数の弾性板の任意の2つにおいて、前記弾性材料の種類、前記先端での厚さ、前記清掃面に押し付けたときの弾性変形の大きさ、前記先端が清掃面に接触したときの前記清掃面と該弾性板とのなす角度、前記切り込みの長さ、前記切り込みの間隔、のうち、いずれか3つ以上の点が互いに異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の弾性体からなる先端部分を床面上に接触させながら移動させることにより、塵埃を捕獲する清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、窓ガラス等の平坦な面の汚れや塵埃を除去するために、棒状の把手の先にゴム板などを設けた清掃具が、窓ガラス用のワイパー等として使用されており、その従来例が特許文献1及び2に記載されている。
【0003】
また、ゴム板等の弾性体材料よりなり、複数の切り込みを形成した先端を押し付けて移動させることにより、その先端の複数の切り込みに埃等の塵埃を捕獲する清掃具が特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-23881号公報
【特許文献2】実開昭56-168045号公報
【特許文献3】特開2019-171133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の窓ガラス用のワイパーと同様な形態の清掃具、すなわち、ワイパー型清掃具は、平坦な清掃面に弾力のあるゴム板等の1辺の先端を押し付けて移動させることにより、汚れや塵埃などを掻き取り、除去するものである。清掃面を水で濡らしながら行う場合もある。このようなワイパー型清掃具は、窓ガラス以外の用途にも使用され、机面、家具面、狭い床面などの塵埃を除去する目的で、簡易な清掃具として使用されている。
【0006】
さらに、上記のワイパー型清掃具は塵埃の捕獲機能がないことや、清掃具の移動により塵埃が前方に飛散するという問題があり、それを改善する目的で特許文献3の先端に切り込みを有する清掃具が開発されている。
【0007】
しかし、特許文献3の清掃具を用いる場合、塵埃の種類や大きさに応じて、先端部分の形態、例えば、先端の厚さや弾性変形の大きさ、切り込みの大きさ、切り込みの間隔等を変えることが望ましく、複数種類の塵埃が含まれる場合は、先端部分を交換して清掃を行う必要が生ずる。また、床面上の汚水などの液体を除去する場合には塵埃の捕獲の場合とは異なる硬さの弾性板が必要となる。さらに、床面上の塵埃の量が多いとき、先端に切り込みを有する1つの弾性板を用いても十分に捕獲できなく、周囲に塵埃が飛散する場合が生ずる。
【0008】
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたものであり、従来の弾性板による清掃具に比べて、清掃面上の複数種類の塵埃や多くの塵埃を捕獲する機能、及び清掃面上の液体を除去する機能に優れた清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点では、本発明の清掃具は、清掃面に先端が直線状に接触し、前記先端を前記清掃面に押し付けることにより変形可能な板状の弾性材料よりなる複数の弾性板をほぼ平行に配置して固定したヘッド部と、該ヘッド部に取り付けた把手とを備え、前記複数の弾性板は、前記清掃面と接触する先端から所定の長さの複数個の切り込みが形成されている先端部分を有する少なくとも1枚の弾性板を含み、前記先端が接触する直線に対してほぼ垂直な方向に前記ヘッド部を移動させることにより、前記清掃面上の塵埃、汚れ、液体の少なくとも1つを除去することを特徴とする。
【0010】
本発明の清掃具では、清掃面にゴム板等の弾性体材料よりなる弾性板の先端を押し付けて移動させることにより、先端に形成された複数の切り込みに埃等の塵埃を捕獲することにより、塵埃の拡散を少なくして、塵埃の回収をする点においては従来の特許文献3の清掃具と同様である。しかし、本願発明においては、その先端の切込みを有する弾性板に平行に1つ又は複数の弾性板を配置することにより、複数種類の塵埃や多くの塵埃を捕獲する機能を持たせ、さらに、清掃面上の液体を除去する機能を高めている。すなわち、複数の弾性板の先端が同時に清掃面に接するように構成し、それぞれの弾性板が先端に切り込みを有するように構成すれば塵埃の回収量を増やすことができる。また、その場合、各弾性板の先端の厚さや弾性変形の大きさ、切り込みの大きさ、切り込みの間隔等を変えることにより複数種類の塵埃を捕獲することができる。また、汚水等の液体を除去する場合には、切り込みのない弾性板を配置してもよい。すなわち、捕獲や除去を目的とする塵埃の種類や汚水等に応じて、平行に配置する複数の弾性板の形態を選択することができる。
【0011】
第2の観点では、本発明は、第1の観点の清掃具において、前記弾性板において、前記清掃面に接触する直線状の部分の長さは10~50cm、前記先端での厚さは1~10mm、前記切り込みの長さは0.2~30mm、前記複数個の切り込みは0.2~50mmの間隔で形成され、前記切り込みの隙間の幅は、前記先端部分が変形していない状態では3mm以下であることを特徴とする。
【0012】
本発明の清掃具は、表面が平坦な様々な清掃面に適用が可能である。清掃面に接触する先端の幅は、目的とする清掃面の面積や用途に合わせて、10~50cm程度が望ましい。また、ゴム板等の弾性板の先端の厚さは、目的とする塵埃や液体に応じて1~10mm程度の範囲内で選択すればよい。なお、弾性板は先端まで同一の厚さとすること、又は、先端部のみ厚さを薄くすることが可能である。切り込みを有する弾性板においては、その切り込みの長さは先端から0.2~30mm程度とすることができる。塵埃の形状が大きい場合や先端部の柔軟性を得たい場合では切り込みの長さは大きい方が望ましく、細かい塵埃を捕獲するためには切り込みの長さは小さい方が望ましい。この場合、切り込みの中に塵埃が捕獲できればよいので、切り込みの長さが小さく切り込みを設ける先端の厚さが厚い場合は、切り込みは清掃面に接する清掃具の移動方向の前面から切り込まれていればよく、後側の面まで突き抜けている必要はない。複数の切り込みを形成する場合の間隔は、捕獲を目的とする塵埃の形状に応じて、0.2~50mm程度の間隔を選択することができる。また、切り込みの隙間の幅は、目的とする塵埃の大きさにもよるが、通常の数mm程度の塵埃を先端が変形した状態で移動したときに隙間から逃さないためには、先端部分が変形していない状態で3mm以下とするのが望ましい。目的とする塵埃の形状に応じて、先端部分が変形していない状態での隙間の幅は0~3mmの範囲で選択可能である。
【0013】
第3の観点では、本発明は、前記第2の観点の清掃具において、前記ヘッド部は、前記複数の弾性板により前記移動方向の前面側に飛散する塵埃を抑制するため、前記複数の弾性板の前記移動方向の前面側に遮蔽板を備えることを特徴とする。本観点の発明は、清掃具を使用して塵埃を捕獲する際に、前方に飛散する塵埃を遮断するため、前面側に遮蔽板を設けるものである。塵埃の飛散防止は清浄環境が必要な病院内等の清掃においては特に必要であり、遮蔽板により捕獲しきれない塵埃の前方への飛散を抑制することができる。ここで、遮蔽板としては、弾性板と同様な素材や形状の板を遮蔽板として用いてもよく、全く異なる素材や形状の板を用いてもよい。遮蔽板は先端が清掃面に接触してもよく、接触しなくてもよい。
【0014】
第4の観点では、本発明は、前記第2の観点の清掃具において、前記複数の弾性板は、前記ヘッド部に固定された個所から前記先端までの長さが、前記移動方向に対して順に短くなるように構成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明は、通常の使用方法では、複数の弾性板を備えたヘッド部に取り付けた把手を手前、すなわち前方に引いて清掃面上を移動させることにより塵埃等の捕獲を行うものである。この場合、把手を清掃面に対して垂直ではなく手前に傾けた状態で移動させる方が清掃作業が容易であり、このとき、各弾性板の清掃面に接するまでの高さを移動方向に対して順に短くなるように構成することにより、複数の弾性板の先端を同時に清掃面に接触させることができる。また、後側の弾性板を曲げ角度が大きくなるように押し込み、前側の弾性板が曲げ角度が小さい状態で清掃面に接触するように保持して移動させ、清掃面と各弾性板との間で接触角度の違いを持たせることにより、様々な種類の塵埃の捕獲や汚れの除去への対応が可能となる。
【0016】
第5の観点では、本発明は、前記第3の観点の清掃具において、前記複数の弾性板は、前記ヘッド部に固定された個所から前記先端までの長さが、前記移動方向に対して順に短くなるように構成されていることを特徴とする。本観点の発明は、遮蔽板を備えた前記第3の観点の発明に対して、前記第4の観点の発明と同様な機能を備えるものである。
【0017】
第6の観点では、本発明は、前記第1乃至第5の観点の清掃具において、前記複数の弾性板の任意の2つにおいて、前記弾性材料の種類、前記先端での厚さ、前記清掃面に押し付けたときの弾性変形の大きさ、前記先端が清掃面に接触したときの前記清掃面と該弾性板とのなす角度、前記切り込みの長さ、前記切り込みの間隔、のうち、いずれか2つの点が互いに異なることを特徴とする。
【0018】
前述のように、先端に切り込みを備えた弾性板を用いて塵埃を捕獲する場合、塵埃の種類や大きさに応じて、先端部分の形態、例えば、先端の厚さや弾性変形の大きさ、切り込みの大きさ、切り込みの間隔等を変えることが望ましい。また、床面上の汚水などの液体を除去する場合には塵埃の捕獲の場合とは異なる硬さの弾性板が必要となる。そこで、多様な塵埃の捕獲や汚水の除去等に対応するためには、その目的に適した、弾性材料の種類、先端の厚さ、清掃面に押し付けたときの弾性変形の大きさ、先端部の清掃面とのなす角度、切り込みの長さ、切り込みの間隔を備えることが望ましい。本観点の発明は、複数の弾性板の中の2つの弾性板において、上記の形態の2つの点が互いに異なるように設定するものである。例えば、ヘッド部が2枚の弾性板を備える場合はその2枚の間で、3枚以上の弾性板を備える場合はいずれか2枚の間で、上記の中の2つの点が異なる形態を有することを規定するものである。清掃具の用途に合わせて、その効果や製作コスト等を考慮し、有効な形態を選択して設定すればよい。
【0019】
第7の観点では、本発明は、前記第1乃至第5の観点の清掃具において、前記複数の弾性板の任意の2つにおいて、前記弾性材料の種類、前記先端での厚さ、前記清掃面に押し付けたときの弾性変形の大きさ、前記先端が清掃面に接触したときの前記清掃面と該弾性板とのなす角度、前記切り込みの長さ、前記切り込みの間隔、のうち、いずれか3つ以上の点が互いに異なることを特徴とする。本観点の発明は、複数の弾性板の中の2つの弾性板において、上記の形態の3つ以上の点が互いに異なるように設定するものである。例えば、ヘッド部が2枚の弾性板を備える場合はその2枚の間で、3枚以上の弾性板を備える場合はいずれか2枚の間で、上記の中の3つ以上の点が異なる形態を有することを規定するものである。本観点の発明においても、清掃具の用途に合わせて、その効果や製作コスト等を考慮し、有効な形態を選択して設定すればよい。
【発明の効果】
【0020】
上記のように、本発明により、従来の弾性板による清掃具に比べて、清掃面上の複数種類の塵埃や多くの塵埃を捕獲する機能、及び清掃面上の液体を除去する機能に優れた清掃具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施例1に係る清掃具の概略形状を示す斜視図であり、ヘッド部の先端を清掃面に押し付けた状態を示す。
【
図2】本実施例の清掃具のヘッド部を示す模式的な図であり、
図2(a)、(b)は、それぞれ、側面図及び正面図、
図2(c)はヘッド部の弾性板の構成を説明するための模式図。
【
図3】実施例2に係る清掃具のヘッド部の概略形状を模式的に示す側面図であり、
図3(a)は静止状態、
図3(b)はヘッド部の先端を清掃面に押し付けた状態を示す。
【
図4】実施例3に係る清掃具のヘッド部の概略形状を模式的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の清掃具を実施例により詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複した説明を省略する。
【実施例0023】
図1は、実施例1に係る清掃具の概略形状を示す斜視図であり、ヘッド部の先端を清掃面に押し付けた状態を示す。
図2(a)、(b)は、それぞれ、本実施例の清掃具のヘッド部の模式的な側面図及び正面図であり、
図2(c)はヘッド部の弾性板の構成を説明するための模式図である。
【0024】
図1において、本実施例の清掃具10は、ヘッド部2と、ヘッド部2に取り付けた把手3とを備えている。ヘッド部2は、先端を清掃面1に押し付けることにより変形可能な板状の弾性材料よりなる2枚の弾性板4及び5を平行に重ねて配置し、その上部をコの字状の固定治具6に挟んで固定して構成している。4つの固定ネジ8で固定板9を弾性板側に押し込むことにより固定する。把手3の先端は固定治具6に固定されている。本実施例の清掃具は、
図1のように矢印で示す移動方向に斜めに傾けて使用するものであり、この場合、弾性板4及び5のそれぞれの先端4a及び5aは清掃面1に直線状に接触する。
図2に示すように、弾性板4及び5は、それぞれ、先端4a及び5aから所定の長さの複数個の切り込み7が形成されている。ここで、弾性板4及び5において、清掃面1に接触する直線状の部分の長さWは10~50cm、先端での厚さは1~10mm、切り込み7の長さdは0.2~30mm、複数個の切り込みの間隔pは0.2~50mm、程度の範囲で目的に合わせて選択可能であり、切り込み7の隙間の幅gは、先端部分が変形していない状態では3mm以下である。
【0025】
本実施例においては、ヘッド部2の固定治具6に挟んで固定された個所から先端までの弾性板4の長さL1は弾性板5の長さL2よりも小さく、その長さが移動方向に対して順に短くなるように構成されている。また、弾性板の厚さは弾性板5の方が弾性板4よりも大きく、切り込み7の長さdは弾性板5の方が弾性板4よりも長く、切り込み7の間隔pは弾性板5の方が弾性板4よりも小さい。弾性板4及び5を上記のように構成することにより、弾性板の先端4a及び5aを清掃面1に押し付けたときのそれぞれの弾性板の弾性変形の大きさ、及び清掃面1とそれぞれの弾性板とのなす角度が互いに異なっている。
【0026】
本実施例の構成の具体的な作用効果としては、前側の弾性板4で掻き出した捕獲しきれない塵埃を後側の弾性板5によりその切り込みに挟んで塊にして捕獲し、塵埃の回収量を増やすことができる。また、その場合、各弾性板の厚さや弾性変形の大きさ、切り込みの大きさ、切り込みの間隔が変えられているので、複数種類の塵埃を捕獲することができる。さらに、清掃面1に緩やかな凹凸や段差がある場合、2つの異なる弾性板があることにより清掃面1上の弾性板の先端が接触しない部分を減らすことが可能となる。
【0027】
本実施例における具体的な構成及び寸法の一例としては、弾性板4及び5の弾性材料としてはゴム板を用い、横幅Wを340mm、弾性板4において、厚さt1を2mm、長さL1を42mm、切り込み7の長さdを3mm、切り込み7の間隔pを5mmとし、弾性板5において、厚さt2を3mm、長さL2を47mm、切り込み7の長さdを5mm、切り込み7の間隔pを3mmとし、切り込み7の隙間の幅gは0~0.5mm程度とすることができる。
本実施例においては、固定治具16の内部に、遮蔽板19と弾性板13との間、及び弾性板14と15との間に、それぞれ、一定の間隔を設けるための板状のスペーサー21及び22を挿入している。弾性板13及び14は、それぞれ先端から所定の長さの複数個の切り込みが形成されているが、弾性板15の先端には切り込みは形成されていない。実施例1のヘッド部2と同様に、ここで、弾性板13、14及び15において、清掃面1に接触する直線状の部分の長さWは10~50cm、先端での厚さは1~10mmである。弾性板13及び14の切り込みの長さは0.2~30mm、複数個の切り込みの間隔は0.2~50mm程度の範囲で目的に合わせて選択可能であり、切り込みの隙間の幅は、先端部分が変形していない状態では3mm以下である。
本実施例の構成の弾性板13及び14の具体的な作用効果は実施例1の弾性板4及び5と同様である。切り込みのない3枚目の弾性板15の作用効果は、弾性板14から後側に飛散する塵埃を防ぐこと及び水拭き時の汚水の回収を効率的に行うことである。
本実施例における具体的な構成及び寸法の一例としては、弾性板13、14及び15の弾性材料としてはゴム板、遮蔽板19としては厚さ2mmのプラスチック板を用い、横幅Wを340mm、弾性板13~15の厚さを3mm、弾性板13、14、15の固定個所から先端までの長さをそれぞれ、42mm、47mm、48mm、弾性板13及び14の切り込みの長さを、それぞれ3mm及び5mm、切り込みの間隔を、それぞれ5mm及び3mmとすることができる。