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特開2024-56222マンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056222
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】マンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 23/22 20060101AFI20240416BHJP
   B66B 31/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B66B23/22 D
B66B31/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162961
(22)【出願日】2022-10-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江▲崎▼ 昌彦
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA03
3F321AA10
3F321CE18
3F321CE31
(57)【要約】
【課題】 透光板が熱膨張することに対応することができるマンコンベヤ欄干装置を提供する。
【解決手段】 マンコンベヤ欄干装置は、光を放射する光源と、長手方向へ沿って延びて、光源を外側から覆う複数の透光板と、を備え、複数の透光板は、長手方向側の側端縁同士が当たるように、長手方向に並べられ、複数の透光板は、熱膨張性を有し、複数の透光板は、長手方向に交互に並べられる第1透光板及び第2透光板を含み、第1透光板の側端縁のそれぞれは、短手方向の上方へ行くにつれて互いに長手方向で離れるように、短手方向に対して傾斜して延び、第2透光板の側端縁のそれぞれは、短手方向の上方へ行くにつれて、互いに長手方向で近づくように、長手方向に対して傾斜して延びる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を放射する光源と、
長手方向へ沿って延びて、前記光源を外側から覆う複数の透光板と、を備え、
前記複数の透光板は、前記長手方向側の側端縁同士が当たるように、前記長手方向に並べられ、
前記複数の透光板は、熱膨張性を有し、
前記複数の透光板は、前記長手方向に交互に並べられる第1透光板及び第2透光板を含み、
前記第1透光板の前記側端縁のそれぞれは、短手方向の上方へ行くにつれて互いに前記長手方向で離れるように、前記短手方向に対して傾斜して延び、
前記第2透光板の前記側端縁のそれぞれは、前記短手方向の上方へ行くにつれて、互いに前記長手方向で近づくように、前記長手方向に対して傾斜して延びる、マンコンベヤ欄干装置。
【請求項2】
前記透光板の前記短手方向の上方部を外側から覆う上カバー部と、
前記透光板の前記短手方向の下方部を外側から覆う下カバー部と、を備える、請求項1に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項3】
前記第2透光板を前記短手方向の下方から支持する支持部と、
前記第1透光板に、前記短手方向の下方への力を加える加力部と、を備える、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項4】
前記加力部は、前記第1透光板のうち、隣接する前記第2透光板と前記短手方向視にて重なる部分に、力を加える、請求項3に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項5】
無端環状の手摺ベルトと、
前記手摺ベルトを支持する欄干本体部と、
前記支持部を有し、前記欄干本体部に対して着脱可能である下方着脱部と、を備え、
前記下方着脱部は、前記長手方向に複数並べられ、
前記第1透光板は、前記下方着脱部に対して着脱可能であり、前記隣接する二つの下方着脱部に跨って配置される、請求項3に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項6】
前記第1透光板の重さは、前記第2透光板の重さよりも、軽い、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ欄干装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のマンコンベヤ欄干装置を備える、マンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤ欄干装置は、光を放射する光源と、長手方向に沿って延びて、光源を外側から覆う複数の透光板と備えている(例えば、特許文献1)。そして、複数の透光板は、側端縁同士が当たるように、長手方向に並べられている。
【0003】
ところで、例えば、透光板が熱膨張性を有している場合には、環境の温度が上昇することによって、複数の透光板は、互いに熱膨張する。これにより、例えば、透光板が変形や破損する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-20183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、透光板が熱膨張することに対応することができるマンコンベヤ欄干装置及びマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤ欄干装置は、光を放射する光源と、長手方向へ沿って延びて、前記光源を外側から覆う複数の透光板と、を備え、前記複数の透光板は、前記長手方向側の側端縁同士が当たるように、前記長手方向に並べられ、前記複数の透光板は、熱膨張性を有し、前記複数の透光板は、前記長手方向に交互に並べられる第1透光板及び第2透光板を含み、前記第1透光板の前記側端縁のそれぞれは、短手方向の上方へ行くにつれて互いに前記長手方向で離れるように、前記短手方向に対して傾斜して延び、前記第2透光板の前記側端縁のそれぞれは、前記短手方向の上方へ行くにつれて、互いに前記長手方向で近づくように、前記長手方向に対して傾斜して延びる。
【0007】
マンコンベヤは、前記のマンコンベヤ欄干装置を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るマンコンベヤの全体正面図
図2図1のII領域の拡大図
図3図2のIII-III線の要部拡大断面図
図4】マンコンベヤ欄干装置の要部正面図
図5】マンコンベヤ欄干装置の要部正面図であって、透光板が熱膨張した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図5を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(図1においては、一つのみ図示している)のマンコンベヤ欄干装置(以下、単に「欄干装置」ともいう)4と、搬送部3及び欄干装置4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理部6とを備えていてもよい。
【0013】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「幅方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「前後方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0014】
第4方向D4は、搬送部3が人を搬送する搬送方向D4であり、第5方向D5は、搬送方向D4と直交する搬送直交方向D5である。なお、第2~第5方向D2~D5は、それぞれ所定の同一仮想面に含まれる方向であって、第1方向D1は、当該仮想面に対して直交する方向である。また、搬送方向D4は、本実施形態においては、第2横方向D2に対して傾斜する方向であるが、特に限定されず、例えば、第2横方向D2と平行な方向であってもよい。
【0015】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0016】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2a,2aを備えていてもよい。また、構造体2は、例えば、複数の枠材で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。
【0017】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0018】
また、例えば、走行部3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0019】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bが反転するように走行部3aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する一対の回転部5a,5aと、回転部5aを回転させる駆動源5bとを備えていてもよい。特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよく、また、駆動源5bは、例えば、モータとしてもよい。
【0020】
欄干装置4は、例えば、本実施形態のように、回転して走行する無端環状の手摺ベルト7と、手摺ベルト7を支持する欄干本体部8とを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト7が駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト7の走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
【0021】
図2及び図3に示すように、欄干本体部8は、例えば、手摺ベルト7(図2及び図3において、図示していない)を支持するための支持板(例えば、ガラス板)8aと、支持板8aを構造体2に固定する固定部8bとを備えていてもよい。なお、支持板8aは、例えば、本実施形態のように、搬送方向D4に複数並べられていてもよい。
【0022】
欄干装置4は、例えば、本実施形態のように、光を放射する光源9と、長手方向D4へ沿って延びて、光源9を外側から覆う複数の透光板10,11と、欄干本体部8に対して着脱可能である上方着脱部12及び下方着脱部13と、欄干本体部8の下部を覆う外側パネル14とを備えていてもよい。
【0023】
光源9は、例えば、本実施形態のように、下方着脱部13に固定されていてもよい。また、光源9の構成は、特に限定されない。光源9は、例えば、LEDでもよく、また、例えば、蛍光灯でもよく、ステップ3b側へ向けて光を放射する構成であればよい。
【0024】
上方着脱部12は、例えば、図示していない取付手段(例えば、ボルト及びナットの締結手段等)によって、欄干本体部8及び下方着脱部13の少なくとも一方に取り付けられていてもよい。また、上方着脱部12は、例えば、本実施形態のように、搬送方向D4に複数並べられていてもよい。
【0025】
下方着脱部13は、例えば、図示していない取付手段(例えば、ボルト及びナットの締結手段等)によって、欄干本体部8に取り付けられていてもよい。また、下方着脱部13は、例えば、本実施形態のように、搬送方向D4に複数並べられていてもよい。
【0026】
なお、図2においては、支持板8aの継目、上方着脱部12の継目、及び下方着脱部13の継目のそれぞれの位置は、搬送方向D4で同じ位置であるが、斯かる構成に限られない。例えば、支持板8aの継目、上方着脱部12の継目、及び下方着脱部13の継目のそれぞれの位置は、搬送方向D4で異なる位置であってもよい。
【0027】
透光板10,11は、例えば、長手方向D4に複数並べられていてもよい。なお、特に限定されないが、本実施形態においては、透光板10,11の長手方向D4は、搬送方向D4と平行であり、透光板10,11の短手方向D5は、搬送直交方向D5と平行である。
【0028】
そして、透光板10,11は、例えば、熱膨張性を有していてもよい。特に限定されないが、透光板10,11は、例えば、硬質樹脂で形成されていてもよい。なお、透光板10,11は、例えば、本実施形態のように、下方着脱部13に対して着脱可能であってもよい。
【0029】
図3に示すように、上方着脱部12は、例えば、透光板10,11よりも上方に配置される上パネル12aを備えていてもよい。上パネル12aは、例えば、本実施形態のように、透光板10,11の短手方向D5の上方部を外側から覆う上カバー部12bを備えていてもよい。なお、上カバー部12bは、例えば、遮光性を有していることが好ましいが、特に限定されず、例えば、透光性を有していてもよい。
【0030】
下方着脱部13は、例えば、本実施形態のように、透光板10,11よりも下方に配置される下パネル13aを備えていてもよい。下パネル13aは、例えば、本実施形態のように、透光板10,11の短手方向D5の下方部を外側から覆う下カバー部13bを備えていてもよい。なお、下カバー部13bは、例えば、遮光性を有していることが好ましいが、特に限定されず、例えば、透光性を有していてもよい。
【0031】
また、下方着脱部13は、例えば、本実施形態のように、透光板10,11を、短手方向D5の下方から支持する支持部13cと、透光板10に、短手方向D5の下方への力を加える加力部13dとを備えていてもよい。これにより、下方着脱部13は、透光板10,11を保持することができる。
【0032】
加力部13dの構成は、特に限定されない。加力部13dは、例えば、本実施形態のように、透光板10に弾性復元力を加える弾性体(例えば、板バネ等)としてもよい。また、加力部13dは、例えば、透光板10に自重を加える錘としてもよい。
【0033】
また、下方着脱部13は、光源9を収容する収容部13eと、透光板10,11に第1横方向D1で当たることによって、透光板10,11の第1横方向D1の位置を決める位置決め部13f,13fとを備えていてもよい。なお、収容部13eは、例えば、本実施形態のように、支持部13cを備えていてもよい。
【0034】
そして、例えば、本実施形態のように、収容部13eは、下パネル13aに固定され、光源9、加力部13d及び位置決め部13fは、収容部13eに固定されている、という構成でもよい。これにより、下方着脱部13は、一体となって、欄干本体部8に対して着脱可能である。
【0035】
図4に示すように、複数の透光板10,11は、例えば、長手方向D4側の側端縁10a,11a同士が当たるように、長手方向D4に並べられていてもよい。そして、複数の透光板10,11は、例えば、本実施形態のように、長手方向D4に交互に並べられる第1透光板10及び第2透光板11を備えていてもよい。
【0036】
第1透光板10において、例えば、本実施形態のように、側端縁10a,10aのそれぞれは、直線状に延びており、上端縁10b及び下端縁10cのそれぞれは、長手方向D4へ沿って、直線状に延びている、という構成でもよい。そして、第1透光板10の側端縁10a,10aのそれぞれは、例えば、本実施形態のように、短手方向D5の上方へ行くにつれて互いに長手方向D4で離れるように、短手方向D5に対して傾斜して延びていてもよい。
【0037】
これにより、第1透光板10において、側端縁10a,10aと下端縁10cとの成す角度(以下、「第1角度」ともいう)θ1,θ1のそれぞれは、90°よりも大きくなる。なお、特に限定されないが、第1角度θ1,θ1のそれぞれは、例えば、120°~150°としてもよく、また、例えば、130°~140°とすることが好ましい。
【0038】
また、第1角度θ1,θ1のそれぞれは、例えば、同じであることが好ましいが、特に限定されず、例えば、異なっていてもよい。なお、全ての第1透光板10の第1角度θ1のそれぞれは、例えば、同じであることが好ましいが、特に限定されず、例えば、異なっていてもよい。
【0039】
第2透光板11において、例えば、本実施形態のように、側端縁11a,11aのそれぞれは、直線状に延びており、上端縁11b及び下端縁11cのそれぞれは、長手方向D4へ沿って、直線状に延びている、という構成でもよい。そして、第2透光板11の側端縁11a,11aのそれぞれは、例えば、本実施形態のように、短手方向D5の上方へ行くにつれて互いに長手方向D4で近づくように、短手方向D5に対して傾斜して延びていてもよい。
【0040】
これにより、第2透光板11において、側端縁11a,11aと下端縁11cとの成す角度(以下、「第2角度」ともいう)θ2,θ2のそれぞれは、90°よりも小さくなる。なお、特に限定されないが、第2角度θ2,θ2のそれぞれは、例えば、30°~60°としてもよく、また、例えば、40°~50°とすることが好ましい。
【0041】
また、第2角度θ2,θ2のそれぞれは、例えば、同じであることが好ましいが、特に限定されず、例えば、異なっていてもよい。なお、全ての第2透光板11の第2角度θ2のそれぞれは、例えば、同じであることが好ましいが、特に限定されず、例えば、異なっていてもよい。
【0042】
なお、加力部13dは、例えば、本実施形態のように、第1透光板10のうち、隣接する第2透光板11と短手方向D5視にて重なる部分(具体的には、第1透光板10の上端縁10b)に、力を加えていてもよい。これにより、例えば、第1透光板10の側端縁10aと第2透光板11の側端縁11aとの間に、隙間が形成されることを抑制することができる。したがって、例えば、意匠性が低下することを抑制することができる。
【0043】
次に、本実施形態に係るマンコンベヤ1の作用について、図4及び図5を参照しながら説明する。
【0044】
例えば、図4に示すように、透光板10,11が熱膨張していない場合には、支持部13c(図3参照)は、第1透光板10及び第2透光板11の下端縁10c,11cに当たることによって、第1透光板10及び第2透光板11を、短手方向D5の下方から支持している。なお、支持部13cは、例えば、第2透光板11のみに当たり、第1透光板10から離れ、第2透光板11を介して第1透光板10を支持する、という構成でもよい。
【0045】
そして、例えば、環境の温度が上昇した場合に、図5に示すように、透光板10,11は、熱膨張する。このとき、第1透光板10の側端縁10aが、第2透光板11の側端縁11aに案内されるため、第1透光板10は、支持部13cに対して、短手方向D5の上方へ移動する。
【0046】
これにより、第1透光板10は、第2透光板11に対して、短手方向D5の上方へ移動する。したがって、透光板10,11が熱膨張することに対応することができるため、例えば、透光板10,11が変形や破損することを抑制することができる。
【0047】
しかも、上カバー部12bが透光板10,11の短手方向D5の上方部を外側から覆い、且つ、下カバー部13bが透光板10,11の短手方向D5の下方部を外側から覆っているため、ステップ3b(図3参照)側から、第1透光板10の移動が認識され難い。これにより、例えば、ステップ3b側から認識されることなく、透光板10,11が熱膨張することに対応することができる。
【0048】
また、加力部13dが、第1透光板10に、短手方向D5の下方への力を加えるため、第1透光板10及び第2透光板11を保持することができる。しかも、加力部13dが、第1透光板10のうち、隣接する第2透光板11と短手方向D5視にて重なる部分に、力を加えるため、第1透光板10の側端縁10aが第2透光板11の側端縁11aから離れることを抑制することができる。
【0049】
これにより、例えば、第1透光板10の側端縁10aと第2透光板11の側端縁11aとの間に、隙間が形成されることを抑制することができる。したがって、例えば、意匠性が低下することを抑制することができる。
【0050】
なお、例えば、本実施形態のように、第1透光板10の重さは、第2透光板11の重さよりも、軽い、という構成が好ましい。これにより、第1透光板10が、第2透光板11に対して、短手方向D5の上方へ移動する場合に、例えば、第1透光板10の移動を円滑にすることができる。
【0051】
特に限定されないが、例えば、第1透光板10及び第2透光板11において、材質、厚み、及び短手方向D5の長さがそれぞれ同じであることに対して、長手方向D4の長さが異なることによって、第1透光板10の重さが、第2透光板11の重さよりも、軽い、という構成でもよい。なお、第1透光板10の重さは、例えば、第2透光板11の重さと、同じでもよく、また、例えば、第2透光板11の重さよりも、重くてもよい。
【0052】
ところで、第1透光板10及び第2透光板11は、例えば、本実施形態のように、下方着脱部13に対して着脱可能であってもよい。そして、支持部13c(図3参照)が、第1透光板10及び第2透光板11の下端縁10c,11cを支持しているため、第2透光板11が下方着脱部13に装着された状態で、第1透光板10は、下方着脱部13から離脱可能である。
【0053】
そこで、図2に戻り、例えば、第1透光板10は、例えば、隣接する二つの下方着脱部13,13に跨って配置されてもよい。これにより、上方着脱部12を欄干本体部8から離脱し、その後、特定の下方着脱部13の長手方向D4の各端部に配置される第1透光板10を、それぞれ特定の下方着脱部13から離脱することによって、特定の下方着脱部13を欄干本体部8から離脱することができる。
【0054】
このように、第2透光板11を下方着脱部13から離脱することなく、第1透光板10を下方着脱部13から離脱するだけで、特定の下方着脱部13を欄干本体部8から離脱することができる。したがって、例えば、欄干本体部8に対する下方着脱部13の離脱を容易にすることができる。
【0055】
[1]
以上より、マンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、光を放射する光源9と、長手方向D4へ沿って延びて、前記光源9を外側から覆う複数の透光板10,11と、を備え、前記複数の透光板10,11は、前記長手方向D4側の側端縁10a,11a同士が当たるように、前記長手方向D4に並べられ、前記複数の透光板10,11は、熱膨張性を有し、前記複数の透光板10,11は、前記長手方向D4に交互に並べられる第1透光板10及び第2透光板11を含み、前記第1透光板10の前記側端縁10a,10aのそれぞれは、前記短手方向D5の上方へ行くにつれて互いに前記長手方向D4で離れるように、前記短手方向D5に対して傾斜して延び、前記第2透光板11の前記側端縁11a,11aのそれぞれは、前記短手方向D5の上方へ行くにつれて、互いに前記長手方向D4で近づくように、前記長手方向D4に対して傾斜して延びる、という構成が好ましい。
【0056】
斯かる構成によれば、複数の透光板10,11が熱膨張した場合に、第1透光板10は、第2透光板11に対して相対的に、短手方向D5の上方へ移動する。したがって、透光板10,11が熱膨張することに対応することができる。
【0057】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、前記透光板10,11の前記短手方向D5の上方部を外側から覆う上カバー部12bと、前記透光板10,11の前記短手方向D5の下方部を外側から覆う下カバー部13bと、を備える、という構成が好ましい。
【0058】
斯かる構成によれば、上カバー部12bが透光板10,11の短手方向D5の上方部を外側から覆い、且つ、下カバー部13bが透光板10,11の短手方向D5の下方部を外側から覆っているため、外側から、第2透光板11に対する第1透光板10の移動が認識され難い。
【0059】
[3]
また、上記[1]又は[2]のマンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、前記第2透光板11を前記短手方向D5の下方から支持する支持部13cと、前記第1透光板10に、前記短手方向D5の下方への力を加える加力部13dと、を備える、という構成が好ましい。
【0060】
斯かる構成によれば、支持部13cが、第2透光板11を短手方向D5の下方から支持し、加力部13dが、第1透光板10に、短手方向D5の下方への力を加えるため、第1透光板10が、第2透光板11に対して、短手方向D5の上方へ移動した場合でも、第1透光板10及び第2透光板11を保持することができる。
【0061】
[4]
また、上記[3]のマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、前記加力部13dは、前記第1透光板10のうち、隣接する前記第2透光板11と前記短手方向D5視にて重なる部分に、力を加える、という構成が好ましい。
【0062】
斯かる構成によれば、加力部13dが、第1透光板10のうち、隣接する第2透光板11と短手方向D5視にて重なる部分に、力を加えるため、第1透光板10の側端縁10aが第2透光板11の側端縁11aから離れることを抑制することができる。
【0063】
[5]
また、上記[3]又は[4]のマンコンベヤ欄干装置4は、本実施形態のように、無端環状の手摺ベルト7と、前記手摺ベルト7を支持する欄干本体部8と、前記支持部13cを有し、前記欄干本体部8に対して着脱可能である下方着脱部13と、を備え、前記下方着脱部13は、前記長手方向D4に複数並べられ、前記第1透光板10は、前記下方着脱部13に対して着脱可能であり、前記隣接する二つの下方着脱部13,13に跨って配置される、という構成が好ましい。
【0064】
斯かる構成によれば、特定の下方着脱部13の長手方向D4の各端部に配置される第1透光板10を、それぞれ特定の下方着脱部13から離脱することによって、特定の下方着脱部13を欄干本体部8から離脱することができる。これにより、第2透光板11を下方着脱部13から離脱することなく、第1透光板10を下方着脱部13から離脱することによって、下方着脱部13を欄干本体部8から離脱することができる。
【0065】
[6]
また、上記[1]~[5]の何れか一つのマンコンベヤ欄干装置4においては、本実施形態のように、前記第1透光板10の重さは、前記第2透光板11の重さよりも、軽い、という構成が好ましい。
【0066】
斯かる構成によれば、第1透光板10の重さが、第2透光板11の重さよりも、軽いため、第1透光板10が、第2透光板11に対して、短手方向D5の上方へ移動する場合に、例えば、第1透光板10の当該移動を円滑にすることができる。
【0067】
[7]
また、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、上記[1]~[6]の何れか一つのマンコンベヤ欄干装置4を備える、という構成が好ましい。
【0068】
斯かる構成によれば、透光板10,11が熱膨張することに対応することができる。
【0069】
なお、マンコンベヤ1及びマンコンベヤ欄干装置4は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1及びマンコンベヤ欄干装置4は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0070】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、上カバー部12bは、第1透光板10及び第2透光板11の両方の短手方向D5の上方部を外側から覆う、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。例えば、上カバー部12bは、第1透光板10の短手方向D5の上方部を外側から覆い、且つ、第2透光板11の短手方向D5の上方部を外側から覆うことなく、上カバー部12bの下端縁が第2透光板11の上端縁11bと接する、という構成でもよい。
【0071】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、支持部13cは、第2透光板11を短手方向D5の下方から支持し、加力部13dは、第1透光板10に、短手方向D5の下方への力を加える、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。
【0072】
例えば、支持部13cは、第1透光板10を短手方向D5の上方から支持し(上方から押さえ)、加力部13dは、第2透光板11に、短手方向D5の上方への力を加える、という構成でもよい。斯かる構成によれば、第2透光板11が支持部13cに対して短手方向D5の下方へ移動することによって、第2透光板11は、第1透光板10に対して、短手方向D5の下方へ移動する(即ち、第1透光板10は、第2透光板11に対して相対的に、短手方向D5の上方へ移動する)。
【0073】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、加力部13dは、第1透光板10のうち、隣接する第2透光板11と短手方向D5視にて重なる部分に、力を加える、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。例えば、加力部13dは、第1透光板10のうち、隣接する第2透光板11と短手方向D5視にて離れた部分に、力を加える、という構成でもよい。
【0074】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4においては、第1透光板10は、隣接する二つの下方着脱部13,13に跨って配置される、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。例えば、第2透光板11は、隣接する二つの下方着脱部13,13に跨って配置される、という構成でもよい。
【0075】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ欄干装置4は、上カバー部12b及び下カバー部13bを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ欄干装置4は、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ欄干装置4は、上カバー部12b及び下カバー部13bの少なくとも一方を備えていない、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…マンコンベヤ、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…マンコンベヤ欄干装置、5…駆動部、5a…回転部、5b…駆動源、6…処理部、7…手摺ベルト、8…欄干本体部、8a…支持板、8b…固定部、9…光源、10…第1透光板、10a…側端縁、10b…上端縁、10c…下端縁、11…第2透光板、11a…側端縁、11b…上端縁、11c…下端縁、12…上方着脱部、12a…上パネル、12b…上カバー部、13…下方着脱部、13a…下パネル、13b…下カバー部、13c…支持部、13d…加力部、13e…収容部、13f…位置決め部、14…外側パネル、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、D4…長手方向、搬送方向、D5…短手方向、搬送直交方向
図1
図2
図3
図4
図5