(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056267
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】チャック篏合装置、チャック篏合方法及びチャック篏合治具
(51)【国際特許分類】
B65B 7/02 20060101AFI20240416BHJP
B65B 51/04 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B65B7/02 Z
B65B51/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163029
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000147316
【氏名又は名称】株式会社生産日本社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】野口 ▲隆▼之
【テーマコード(参考)】
3E049
3E094
【Fターム(参考)】
3E049AA06
3E049AB06
3E049AB10
3E049BA01
3E049DA07
3E094AA12
3E094BA01
3E094CA40
3E094DA06
3E094EA20
3E094FA19
3E094FA30
3E094HA08
(57)【要約】
【課題】本開示は、製袋、充填時に確実にチャックを嵌合させることができるチャック篏合装置、チャック篏合方法及びチャック篏合治具を提供することをその目的とする。
【解決手段】本開示に係るチャック篏合治具は、開口部8と開口部の縁8aに沿って基材の内壁側に設けられたチャック部9とを有するチャック付包装体p2のチャック部9を嵌合するチャック篏合装置に設置するためのチャック篏合治具100おいて、プレート状の基部2と、基部の長さ方向の一端側又は両端側に配置され、基部の第2表面11よりも突出した位置に第3表面10を有する少なくとも一つの突出部3とを有し、突出部は、基部に弾性部を介してつながっており、第2表面と第3表面とは、突出部が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶことを特徴とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と該開口部の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部とを有するチャック付包装体の前記チャック部を嵌合するチャック篏合装置において、
前記チャック付包装体を保持する保持部と、
前記チャック付包装体の袋裏部のうち、前記チャック部の背後に配置される第1チャック篏合治具と、
前記チャック付包装体の袋表部のうち、前記チャック部の正面に配置される第2チャック篏合治具と、
前記第1チャック篏合治具と第2チャック篏合治具との間隔を狭めて前記チャック部を挟みこみ、又は、前記間隔を広げて前記チャック部を開放する駆動部と、を有し、
前記第1チャック篏合治具は、前記チャック部の全体を片側から覆う第1表面を有するプレート状部材であり、
前記第2チャック篏合治具は、プレート状の基部と、該基部の長さ方向の一端側又は両端側に配置され、前記基部の第2表面よりも突出した位置に第3表面を有する少なくとも一つの突出部とを有し、該突出部は、前記基部に弾性部を介してつながっており、かつ、前記第2表面及び前記第3表面は前記チャック部の全体を片側から覆い、
前記第2表面と前記第3表面とは、前記突出部が前記駆動部によって押し込まれたときに、同一平面上に並ぶことを特徴とするチャック篏合装置。
【請求項2】
前記第2チャック篏合治具は、前記基部の長さ方向の両端側にそれぞれ前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の両端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることを特徴とする請求項1に記載のチャック篏合装置。
【請求項3】
前記第2チャック篏合治具は、前記基部の長さ方向の一端側に前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の一端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることを特徴とする請求項1に記載のチャック篏合装置。
【請求項4】
開口部と該開口部の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部とを有するチャック付包装体の前記チャック部を嵌合するチャック篏合方法において、
前記チャック付包装体の袋裏部のうち、前記チャック部の背後に第1チャック篏合治具を接触させる工程と、
前記チャック付包装体の袋表部のうち、前記チャック部の正面に第2チャック篏合治具を配置する工程と、
前記第1チャック篏合治具と前記第2チャック篏合治具との距離を狭めて、前記チャック部の一端又は両端を挟んで部分嵌合させる工程と、
前記第1チャック篏合治具と前記第2チャック篏合治具との距離をさらに狭めて、前記チャック部の中央部を含む全体を挟んで全体嵌合させる工程と、を有することを特徴とするチャック篏合方法。
【請求項5】
開口部と該開口部の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部とを有するチャック付包装体の前記チャック部を嵌合するチャック篏合装置に設置するためのチャック篏合治具おいて、
プレート状の基部と、該基部の長さ方向の一端側又は両端側に配置され、前記基部の第2表面よりも突出した位置に第3表面を有する少なくとも一つの突出部とを有し、該突出部は、前記基部に弾性部を介してつながっており、前記第2表面と前記第3表面とは、前記突出部が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶことを特徴とするチャック篏合治具。
【請求項6】
前記基部の長さ方向の両端側にそれぞれ前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の両端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることを特徴とする請求項5に記載のチャック篏合治具。
【請求項7】
前記基部の長さ方向の一端側に前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の一端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることを特徴とする請求項5に記載のチャック篏合治具。
【請求項8】
前記基部と前記突出部とは別部材であり、該突出部は前記基部に弾性体を介して固定されていることを特徴とする請求項5に記載のチャック篏合治具。
【請求項9】
前記突出部は、チャック部当接予定部に溝を有していることを特徴とする請求項5に記載のチャック篏合治具。
【請求項10】
前記突出部の前記第3表面は、治具端部から治具中央部に向かって前記第2表面の側に下り傾斜を有していることを特徴とする請求項5に記載のチャック篏合治具。
【請求項11】
前記基部と前記突出部との隙間は、0~0.5mmであることを特徴とする請求項5に記載のチャック篏合治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャック付包装体のチャック部を確実に嵌合させるチャック篏合治具に関し、さらに、それを備えるチャック篏合装置及びそれを用いたチャック篏合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
製袋時あるいは充填時にチャック付包装体のチャック部を嵌合するが、袋表部と袋裏部にそれぞれ袋上部チャックを含む近傍に一対の扁平な治具をあてがい、片方の扁平な治具を袋側面に移動させ、もう一方の扁平な治具との間で、袋を挟むことによりチャック部を嵌合させる(例えば、特許文献1又は2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭63‐13135号公報
【特許文献2】特開2020‐66453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、チャック付包装体に内容物を充填した後にチャック嵌合する場合、内容物が水物などの重量物であると、充填機によって袋両端を把持している状態において内容物の重みで袋が下方向へ歪んでしまい、その結果、チャックの雄部と雌部が下方向へ向いてしまうことが多い。この状態で嵌合工程を施しても雌雄チャック部が平行に向き合っておらず、嵌合不良を起こすといった不具合が生じていた。
【0005】
チャック嵌合不良を起こしている状態で袋上端部を熱シールしてしまうと、内容物が漏れ出てしまうことがあるに加え、運搬時など該商品が傾いたり内圧がかかったりした後に消費者が袋を開封すると、袋内チャックよりも上側に付着していた内容物が袋外に垂れたり、開封者の手指に付着したりするといった不具合が生じていた。
【0006】
チャック部の嵌合は、袋片側の雌(雄)チャック部ともう一方側の雌(雄)チャック部が平行に位置した状態で両側を押圧することで嵌合不良を発生させずにチャック全域にわたって嵌合させることができる。しかし、特許文献1又は特許文献2で用いられている従来のチャック嵌合治具は、チャック部を一対の扁平状の板で袋両側から挟んで押圧することで嵌合させていたため、雌雄チャック部が下方向に傾いていた場合などでチャック嵌合不良を起こしていた。
【0007】
そこで本開示は、製袋、充填時に確実にチャックを嵌合させることができるチャック篏合装置、チャック篏合方法及びチャック篏合治具を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討した結果、チャック部が下方向に向いていても、チャック両端部はその影響をほぼ受けないため、嵌合し易いことに着目し、この性質を利用して袋のチャック両端部から袋中央部に向かって又は一方のチャック端部から他方のチャック端部に向かって、時間差を設けて嵌合せしめれば雌雄チャック部自体が嵌合ガイドとなり、チャック全域にわたって良好に嵌合できることを見出した。そこで本発明者は、このようなチャック端部と中央部との間で時間差を設けて雌雄チャック部を嵌合させるために、チャック嵌合治具を扁平板とせず、多段階構造とすることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。本発明に係るチャック篏合装置は、開口部と該開口部の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部とを有するチャック付包装体の前記チャック部を嵌合するチャック篏合装置において、前記チャック付包装体を保持する保持部と、前記チャック付包装体の袋裏部のうち、前記チャック部の背後に配置される第1チャック篏合治具と、前記チャック付包装体の袋表部のうち、前記チャック部の正面に配置される第2チャック篏合治具と、前記第1チャック篏合治具と第2チャック篏合治具との間隔を狭めて前記チャック部を挟みこみ、又は、前記間隔を広げて前記チャック部を開放する駆動部と、を有し、前記第1チャック篏合治具は、前記チャック部の全体を片側から覆う第1表面を有するプレート状部材であり、前記第2チャック篏合治具は、プレート状の基部と、該基部の長さ方向の一端側又は両端側に配置され、前記基部の第2表面よりも突出した位置に第3表面を有する少なくとも一つの突出部とを有し、該突出部は、前記基部に弾性部を介してつながっており、かつ、前記第2表面及び前記第3表面は前記チャック部の全体を片側から覆い、前記第2表面と前記第3表面とは、前記突出部が前記駆動部によって押し込まれたときに、同一平面上に並ぶことを特徴とする。
【0009】
本発明に係るチャック篏合装置では、前記第2チャック篏合治具は、前記基部の長さ方向の両端側にそれぞれ前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の両端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることが好ましい。袋のチャック両端部から袋中央部に向かって、時間差を設けてよりスムーズに嵌合することができる。
【0010】
本発明に係るチャック篏合装置では、前記第2チャック篏合治具は、前記基部の長さ方向の一端側に前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の一端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることが好ましい。袋の一方のチャック端部から他方のチャック端部に向かって、時間差を設けてよりスムーズに嵌合することができる。
【0011】
本発明に係るチャック篏合方法は、開口部と該開口部の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部とを有するチャック付包装体の前記チャック部を嵌合するチャック篏合方法において、前記チャック付包装体の袋裏部のうち、前記チャック部の背後に第1チャック篏合治具を接触させる工程と、前記チャック付包装体の袋表部のうち、前記チャック部の正面に第2チャック篏合治具を配置する工程と、前記第1チャック篏合治具と前記第2チャック篏合治具との距離を狭めて、前記チャック部の一端又は両端を挟んで部分嵌合させる工程と、前記第1チャック篏合治具と前記第2チャック篏合治具との距離をさらに狭めて、前記チャック部の中央部を含む全体を挟んで全体嵌合させる工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るチャック篏合治具は、開口部と該開口部の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部とを有するチャック付包装体の前記チャック部を嵌合するチャック篏合装置に設置するためのチャック篏合治具おいて、プレート状の基部と、該基部の長さ方向の一端側又は両端側に配置され、前記基部の第2表面よりも突出した位置に第3表面を有する少なくとも一つの突出部とを有し、該突出部は、前記基部に弾性部を介してつながっており、前記第2表面と前記第3表面とは、前記突出部が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るチャック篏合治具では、前記基部の長さ方向の両端側にそれぞれ前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の両端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることが好ましい。袋のチャック両端部から袋中央部に向かって、時間差を設けてよりスムーズに嵌合することができる。
【0014】
本発明に係るチャック篏合治具では、前記基部の長さ方向の一端側に前記基部の長さ方向に沿って前記突出部を2つ以上有し、該突出部の第3表面は前記基部の長さ方向の一端に近いほど、前記基部の第2表面よりもより突出した位置にあることが好ましい。袋の一方のチャック端部から他方のチャック端部に向かって、時間差を設けてよりスムーズに嵌合することができる。
【0015】
本発明に係るチャック篏合治具では、前記基部と前記突出部とは別部材であり、該突出部は前記基部に弾性体を介して固定されていることが好ましい。突出部が基部に対して、より安定的に独立して動くごとができるため、チャックの両端部又は片端部をより確実に押さえることができ、その結果、チャックの両端部又は片端部を確実に嵌合させることができる。
【0016】
本発明に係るチャック篏合治具では、前記突出部は、チャック部当接予定部に溝を有していることが好ましい。チャック部をより安定して押さえることができる。
【0017】
本発明に係るチャック篏合治具では、前記突出部の前記第3表面は、治具端部から治具中央部に向かって前記第2表面の側に下り傾斜を有していることが好ましい。スムーズにチャック部を嵌合することができる。
【0018】
本発明に係るチャック篏合治具では、前記基部と前記突出部との隙間は、0~0.5mmであることが好ましい。スムーズにチャック部を嵌合することができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示により、製袋、充填時に確実にチャックを嵌合させることができるチャック篏合装置、チャック篏合方法及びチャック篏合治具を提供することができる。例えば、雌雄チャック部が下方向に傾いていても確実にチャックを嵌合させることができる。このため、製品ロスや開封時に不具合が生じることがなくなるため、良好チャック付き袋製品を消費者に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】チャック付包装体の第1例を示す概略正面図である。
【
図3】チャック部の第1例を示す概略断面図である。
【
図4】チャック部の第2例を示す概略断面図である。
【
図5】本実施形態に係るチャック篏合治具の第1形態を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【
図6】第1チャック篏合治具と第2チャック篏合治具(チャック篏合治具の第1形態)とによって、チャック付包装体のチャック部の全体を挟んだ状態を表す概略断面である。
【
図7】第1チャック篏合治具と第2チャック篏合治具(チャック篏合治具の第1形態)とによって、チャック付包装体のチャック部の全体を挟んだ状態を表す概略正面である。
【
図8】本実施形態に係るチャック篏合治具の第2形態を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【
図9】第1チャック篏合治具と第2チャック篏合治具(チャック篏合治具の第2形態)とによって、チャック付包装体のチャック部の全体を挟んだ状態を表す概略断面である。
【
図10】本実施形態に係るチャック篏合治具の第3形態を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【
図11】本実施形態に係るチャック篏合治具の第4形態を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【
図12】本実施形態に係るチャック篏合治具の第5形態を示す概略図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【
図13】第1チャック篏合治具とチャック篏合治具(チャック篏合治具の第5形態)とによって、チャック付包装体のチャック部の全体を挟んだ状態を表す概略説明図を示す。
【
図14】第1チャック篏合治具とチャック篏合治具(チャック篏合治具の第6形態)とによって、チャック付包装体のチャック部の全体を挟んだ状態を表す概略説明図を示す。
【
図15】チャック付包装体のチャックを本実施形態に係るチャック篏合装置にて嵌合するときの状態を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0022】
[チャック付包装体・・・第1形態]
図1にチャック付包装体の一例を示す。
図2にC-C断面図を示す。
図1及び
図2に示すように、チャック付包装体p1は、開口部8と収容部Tを有する、基材がプラスチック樹脂製の袋体であり、開口部8の縁8aに沿って、チャック部9が設けられている。チャック部9は、嵌合構造を有し、開閉自在である。チャック部9は、
図3及び
図4に示すように、開口部8の縁8aに沿って内壁側に設けられていることが好ましい。チャック部9は、咬合することによって閉となり、また咬合を外すことで開となる開閉自在の構造を有する限り、いかなる構造であってもよい。例えば、
図3に示すように、チャック部9は、帯状の雌基部14b1と雌部14b2とを有する雌部材14bと、帯状の雄基部14a1と雄部14a2とを有する雄部材14aとを有し、雌部14b2に雄部14a2が咬合することによって閉となるチャック構造を有することが好ましい。
図3に示したチャック部9の雄基部14a1及び雌基部14b1は、基材5の内壁面に接着されている。また、
図4に示すように、チャック部9は、雌部14dと雄部14cとを有し、雌部14dに雄部14cが咬合することによって閉となるチャック構造を有していてもよい。
図4に示したチャック部9の雄部14c及び雌部14dは、基材5と一体に成形されている。本実施形態では、チャック部9は、
図3及び
図4に示したチャック構造に限定されず、例えば、雌部同士が咬合する構造を有していてもよい。
【0023】
本実施形態では、
図1及び
図2に示したチャック付包装体に限定されず、例えば、マチ付きのガゼット包装体であってもよい。さらに、チャック部よりも開口部8側にシール部を有する包装体であってもよい。
【0024】
[チャック篏合治具・・・第1形態]
図5及び
図6に本実施形態に係るチャック篏合治具の第1形態を示す概略図を示す。本実施形態に係るチャック篏合治具(第2チャック篏合治具)100は、プレート状の基部2と、基部2の長さ方向の両端側に配置され、基部2の第2表面11よりも突出した位置に第3表面10(10a,10b)を有する突出部3(3a,3b)とを有し、突出部3は、基部2に弾性部4(4a,4b)を介してつながっており、第2表面11と第3表面10(10a,10b)とは、
図6に示すように、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。
【0025】
プレート状の基部2は、例えば金属製のプレート状のベース板1にネジ、接着剤等によって固定されている。基部2は細長状の形状を有することが好ましく、チャック部9の全体をあてがう幅を有し、チャック部9の少なくとも中央部を含む一部分をあてがう長さを有している。突出部3(3a,3b)は、例えば、金属製の平板であり、プレート状の基部2の長さ方向の両端側に配置される。ここで、基部2と突出部3(3a,3b)とは別部材であり、突出部3(3a,3b)は基部2に弾性部4(4a,4b)として弾性体を介して固定されていることが好ましい。すなわち、突出部3(3a,3b)は、弾性部4(4a,4b)にネジ、接着剤、ガイド棒等によって固定されている。弾性部4(4a,4b)は、ベース板1にネジ、接着剤、ガイド棒等によって固定されている。弾性部4(4a,4b)は、弾性体であることが好ましく、例えば、バネ、ゴム、エラストマーである。弾性部4(4a,4b)がバネである場合には、螺旋ばねの内側にガイド棒を通すことで、弾性部の変形方向をベース板1の法線方向に限定することができる。
図5に示すように、突出部3(3a,3b)の表面である第3表面10(10a,10b)は、基部2の第2表面11よりも突出した位置に配置される。第2表面11から第3表面10(10a,10b)までの高さの差(突出の程度)は、例えば、3~15mmが好ましく、5~11mmがより好ましく、7~9mmがさらに好ましい。
図6及び
図7にプレート状部材である第1チャック篏合治具6とチャック篏合治具100とによって、チャック付包装体p2のチャック部9の全体を挟んだ状態を表す概略説明図を示す。
図7において、第1チャック篏合治具6は、チャック篏合治具100と同じ大きさを有するが、図示は省略している。
図6に示すチャック部9の全体を片側から覆う第1表面12を有するプレート状部材である第1チャック篏合治具6とチャック篏合治具100とによって、チャック付包装体p2のチャック部全体を挟んだとき、まず、第3表面10(10a,10b)がチャック付包装体p2のチャック両端部に当接し、弾性部4(4a,4b)を収縮させながら、突出部3(3a,3b)の第3表面10a,10bがチャック両端部を押圧する。これによって、チャック両端部のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、基部2の第2表面11がチャック付包装体p2のチャック中央部に当接し、チャック中央部を押圧する。これによって、チャック部9全体の嵌合が完了する。このとき、第2表面11と第3表面10(10a,10b)とは、
図6に示すように、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。その後、チャック篏合治具による押圧を解除する。
【0026】
[チャック篏合治具・・・第2形態]
図8及び
図9に本実施形態に係るチャック篏合治具の第2形態を示す概略図を示す。本実施形態に係るチャック篏合治具(第2チャック篏合治具)200は、プレート状の基部2と、基部2の長さ方向の一端側に配置され、基部2の第2表面11よりも突出した位置に第3表面10(10a)を有する突出部3(3a)とを有し、突出部3(3a)は、基部2に弾性部4(4a)を介してつながっており、第2表面11と第3表面10(10a)とは、
図9に示すように、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。
【0027】
第2形態のチャック篏合治具と、第1形態のチャック篏合治具との違いは、第1形態のチャック篏合治具では、突出部3が基部2の長さ方向の両端部に配置されているのに対して、第2形態のチャック篏合治具では、突出部3が基部2の長さ方向の一端部に配置されている点である。それ以外の構成は同様である。突出部3が基部2の長さ方向の一端部に配置されている第2形態のチャック篏合治具では、チャック付包装体p2のチャック部全体を挟んだとき、まず、第3表面10(10a)がチャック付包装体p2のチャック一端部に当接し、弾性部4(4a)を収縮させながら、チャック一端部を押圧する。これによって、チャック一端部のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、基部2の第2表面11がチャック付包装体p2のチャック中央部及びチャック他端部に当接し、チャック中央部及びチャック他端部を押圧する。これによって、チャック部9全体の嵌合が完了する。このとき、第2表面11と第3表面10(10a)とは、
図9に示すように、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。その後、チャック篏合治具による押圧を解除する。
【0028】
[チャック篏合治具・・・第3形態]
図10に本実施形態に係るチャック篏合治具の第3形態を示す概略図を示す。本実施形態に係るチャック篏合治具(第2チャック篏合治具)300は、プレート状の基部2と、基部2の長さ方向の両端側にそれぞれ基部2の長さ方向に沿って突出部3(3a1,3a2)(3b1,3b2)を2つ以上有し、突出部3の第3表面10(10a1,10a2)(10b1,10b2)は基部2の長さ方向の両端に近いほど、基部2の第2表面11よりもより突出した位置にあり、突出部3は、基部2に弾性部4(4a1,4a2)(4b1,4b2)を介してつながっており、第2表面11と第3表面10a1,10a2,10b1,10b2とは、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。
【0029】
第1形態のチャック篏合治具と、第3形態のチャック篏合治具との違いは、第1形態のチャック篏合治具では、突出部3が基部2の長さ方向の両端部にそれぞれ1つずつ配置されているのに対して、第2形態のチャック篏合治具では、突出部3が基部2の長さ方向の両端部にそれぞれ2つずつ配置されている点である。それ以外の構成は同様である。突出部3が基部2の長さ方向の両端部にそれぞれ2つずつ配置されている第3形態のチャック篏合治具では、チャック付包装体p2のチャック部全体を挟んだとき、まず、第3表面10a1,10b1がチャック付包装体p2のチャック両端部に当接し、弾性部4(4a1,4b1)を収縮させながら、チャック両端部を押圧する。これによって、チャック両端部のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、第3表面10a2,10b2がチャック付包装体p2のチャック両端部の内側に当接し、弾性部4(4a2,4b2)を収縮させながら、チャック両端部の内側をさらに押圧する。これによって、チャック両端部の内側のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、基部2の第2表面11がチャック付包装体p2のチャック中央部に当接し、チャック中央部を押圧する。これによって、チャック部9全体の嵌合が完了する。このとき、第2表面11と第3表面10a1,10a2,10b1,10b2とは、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。袋のチャック両端部から袋中央部に向かって、時間差を設けてよりスムーズに嵌合することができる。第2表面11から第3表面10a2,10b2までの高さの差は、例えば、3~15mmが好ましく、5~11mmがより好ましく、7~9mmがさらに好ましい。第3表面10a2,10b2から第3表面10a1,10b1までの高さの差(突出の程度)は、例えば、3~15mmが好ましく、5~11mmがより好ましく、7~9mmがさらに好ましい。その後、チャック篏合治具による押圧を解除する。
【0030】
[チャック篏合治具・・・第4形態]
図11に本実施形態に係るチャック篏合治具の第4形態を示す概略図を示す。本実施形態に係るチャック篏合治具(第2チャック篏合治具)400は、プレート状の基部2と、基部2の長さ方向の一端側に基部2の長さ方向に沿って突出部3(3a1,3a2)を2つ以上有し、突出部3の第3表面10(10a1,10a2)は基部2の長さ方向の一端に近いほど、基部2の第2表面11よりもより突出した位置にあり、突出部3は、基部2に弾性部4(4a1,4a2)を介してつながっており、第2表面11と第3表面10(10a1,10a2)とは、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。袋の一方のチャック端部から他方のチャック端部に向かって、時間差を設けてよりスムーズに嵌合することができる。
【0031】
第3形態のチャック篏合治具と、第4形態のチャック篏合治具との違いは、第3形態のチャック篏合治具では、突出部3が基部2の長さ方向の両端部にそれぞれ2つずつ配置されているのに対して、第4形態のチャック篏合治具では、突出部3が基部2の長さ方向の一端部だけに2つ配置されている点である。それ以外の構成は同様である。突出部3が基部2の長さ方向の一端部にのみ2つ配置されている第4形態のチャック篏合治具では、チャック付包装体p2のチャック部全体を挟んだとき、まず、第3表面10(10a1)がチャック付包装体p2のチャック一端部に当接し、弾性部4(4a1)が収縮しながら、チャック一端部を押圧する。これによって、チャック一端部のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、第3表面10(10a2)がチャック付包装体p2のチャック一端部の中央側に当接し、弾性部4(4a2)が収縮しながら、チャック一端部の中央側をさらに押圧する。これによって、チャック一端部の中央側のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、基部2の第2表面11がチャック付包装体p2のチャック中央部及び他端部に当接し、チャック中央部及び他端部を押圧する。これによって、チャック部9全体の嵌合が完了する。このとき、第2表面11と第3表面10a1,10a2とは、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。袋のチャック一端部から袋中央部、更には他端部に向かって、時間差を設けてよりスムーズに嵌合することができる。第2表面11から第3表面10a2までの高さの差は、例えば、3~15mmが好ましく、5~11mmがより好ましく、7~9mmがさらに好ましい。第3表面10a2から第3表面10a1までの高さの差(突出の程度)は、例えば、3~15mmが好ましく、5~11mmがより好ましく、7~9mmがさらに好ましい。その後、チャック篏合治具による押圧を解除する。
【0032】
[チャック篏合治具・・・第5形態]
図12に本実施形態に係るチャック篏合治具の第5形態を示す概略図を示す。本実施形態に係るチャック篏合治具(第2チャック篏合治具)500は、プレート状の基部2と、基部2の長さ方向の両端側に配置され、基部2の第2表面11よりも突出した位置に第3表面10(10a,10b)を有する突出部3(3a,3b)とを有し、突出部3は、基部2に弾性部4(4a,4b)を介してつながっており、突出部3の第3表面10(10a,10b)は、治具端部から治具中央部に向かって第2表面側に下り傾斜を有しており、第2表面11と第3表面10(10a,10b)とは、
図13に示すように、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。
【0033】
第5形態のチャック篏合治具と、第1形態のチャック篏合治具との違いは、第1形態のチャック篏合治具では、突出部3の第3表面10a,10bが基部2の第2表面11に対して、平行であるのに対して、第5形態のチャック篏合治具では、突出部3の第3表面10(10a,10b)がθ°傾斜している点である。それ以外の構成は同様である。なお、弾性部4(4a,4b)は、ゴム、エラストマーであることが好ましい。
図12に示すように、突出部3(3a,3b)の表面である第3表面10(10a,10b)は、傾斜させられていることにより、基部2の第2表面11よりも突出した位置に配置される。
図12では、突出部3(3a,3b)の第3表面10(10a,10b)の基部2側の端は、基部2の第2表面11とほぼ同じ高さである形態を示したが、突出部3(3a,3b)の第3表面10(10a,10b)の基部2側の端は、基部2の第2表面11よりも突出している形態であってもよい。傾斜角度θは、例えば、5~20度が好ましく、7~15度がより好ましく、9~12度がさらに好ましい。
図13にプレート状部材である第1チャック篏合治具6とチャック篏合治具500とによって、チャック付包装体p2のチャック部9の全体を挟んだ状態を表す概略説明図を示す。チャック部9の全体を片側から覆う第1表面12を有するプレート状部材である第1チャック篏合治具6とチャック篏合治具500とによって、チャック付包装体p2のチャック部全体を挟んだとき、まず、第3表面10(10a,10b)の最端部分から当接しはじめ、続いて第3表面10(10a,10b)がチャック付包装体p2のチャック両端部に当接する。このとき、チャック両端部から中央部に向かって押圧がかかるように当接し、かつ、第3表面10(10a,10b)においては、チャック篏合治具の両端近くなるほど押圧が強くなるように当接する。そして、第3表面10(10a,10b)内においてもチャック部9を、時間差をもって徐々に嵌合させることができる。弾性部4(4a,4b)が収縮しながら、
図13に示すように、突出部3(3a,3b)の第3表面10(10a,10b)の全面がチャック両端部に当接した状態で押圧する。これによって、チャック両端部のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、基部2の第2表面11がチャック付包装体p2のチャック中央部に当接し、チャック中央部を押圧する。これによって、チャック部9全体の嵌合が完了する。このとき、第2表面11と第3表面10(10a,10b)とは、
図13に示すように、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。スムーズにチャック部を嵌合することができる。その後、チャック篏合治具による押圧を解除する。
【0034】
チャック篏合治具100~500においては、基部2と突出部3とは別部材であると、突出部3が基部2に対して、より安定的に独立して動くごとができるため、チャックの両端部又は一端部をより確実に押さえることができ、その結果、チャックの両端部又は一端部を確実に嵌合させることができる。基部2と突出部3との隙間は、0~0.5mmであることが好ましく、より好ましくは、0.05~0.3mmである。スムーズにチャック部を嵌合することができる。チャック篏合治具300,400において、突出部3を2個以上並列させる場合には、突出部間の隙間は0~0.5mmであることが好ましく、より好ましくは、0.05~0.3mmである。スムーズにチャック部を嵌合することができる。
【0035】
[チャック篏合治具・・・第6形態]
図14に本実施形態に係るチャック篏合治具の第6形態を示す概略図を示す。本実施形態に係るチャック篏合治具(第2チャック篏合治具)600は、プレート状の基部2と、基部2の長さ方向の両端側に配置され、基部2の第2表面11よりも突出した位置に第3表面10(10a,10b)を有する突出部3(3a,3b)とを有し、突出部3は、基部2に弾性部4(4a,4b)を介してつながっており、第2表面11と第3表面10(10a,10b)とは、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。その後、チャック篏合治具による押圧を解除する。
【0036】
第6形態のチャック篏合治具と、第1形態のチャック篏合治具との違いは、第1形態のチャック篏合治具では、突出部3と基部2と弾性部4とが別部材であるのに対して、第6形態のチャック篏合治具では、突出部3と基部2と弾性部4が一体物である点である。第6形態のチャック篏合治具を金属製、ゴム製、エラストマー製とすることが好ましい。それ以外の構成は同様である。
図14にプレート状部材である第1チャック篏合治具6とチャック篏合治具600とによって、チャック付包装体(
図14では不図示)のチャック部全体を挟んだとき、まず、第3表面10(10a,10b)がチャック付包装体のチャック両端部に当接する。弾性部4(4a,4b)及び最両端側の折り曲げ部4a3,4b3が曲げられながら、突出部3(3a,3b)の第3表面10(10a,10b)の全面がチャック両端部に当接した状態で押圧する。なお、最両端側の折り曲げ部4a3,4b3も弾性部となる。これによって、チャック両端部のチャック部9が嵌合する。さらに挟み込むと、基部2の第2表面11がチャック付包装体のチャック中央部に当接し、チャック中央部を押圧する。これによって、チャック部全体の嵌合が完了する。このとき、第2表面11と第3表面10(10a,10b)とは、突出部3が押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。
【0037】
第6形態のチャック篏合治具600において、突出部3を一端側にだけ設ける形態としてもよい。
【0038】
チャック篏合治具100~600においては、弾性部4の弾性率は、突出部3の押圧がチャック部9を篏合させ、かつ、チャック部9を潰さない範囲で適宜調整される。
【0039】
チャック篏合治具200,400においては、突出部3を設ける一端側は、図面において左右どちらのあってもよい。
【0040】
チャック篏合治具100~600においては、突出部3は、チャック部当接予定部に溝を有していることが好ましい。溝は、チャック部9全体が埋まる深さよりも浅い深さを有することが好ましい。チャック部をより安定して押さえることができる。さらに突出部3に加えて基部2においても、チャック部当接予定部に溝を有していることが好ましい。チャック部をより安定して押さえることができる。突出部3の治具長さ方向の長さは、突出部3を一端側に設ける場合には治具全体の長さの5~30%が好ましく、より好ましくは治具全体の長さの15~25%であり、さらに好ましくは18~22%である。突出部3の治具長さ方向の長さは、突出部3を両端側に設ける場合には治具全体の長さの10~60%が好ましく、より好ましくは治具全体の長さの30~50%であり、さらに好ましくは36~44%である。
【0041】
[チャック篏合装置]
本実施形態に係るチャック篏合装置を説明する。第2チャック篏合治具は、チャック篏合治具100~600のいずれを用いることができるが、チャック篏合治具100を例として、
図1~
図2、
図5~
図7、
図15を参照して、説明する。
図15は、チャック付包装体のチャックを本実施形態に係るチャック篏合装置にて嵌合するときの状態を説明する概略図であり、チャック篏合装置の構成を一部省略して記載している。本実施形態に係るチャック篏合装置は、開口部8と開口部8の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部9とを有するチャック付包装体p1,p2のチャック部9を嵌合するチャック篏合装置において、チャック付包装体p1,p2を保持する保持部13と、チャック付包装体p1,p2の袋裏部のうち、チャック部9の背後に配置される第1チャック篏合治具6と、チャック付包装体の袋表部のうち、チャック部9の正面に配置される第2チャック篏合治具100と、第1チャック篏合治具6と第2チャック篏合治具100との間隔を狭めてチャック部9を挟みこみ、又は、間隔を広げてチャック部9を開放する駆動部17と、を有し、第1チャック篏合治具6は、チャック部9の全体を片側から覆う第1表面12を有するプレート状部材であり、第2チャック篏合治具100は、プレート状の基部2と、基部2の長さ方向の一端側又は両端側に配置され、基部2の第2表面11よりも突出した位置に第3表面10(10a,10b)を有する少なくとも一つの突出部3(3a,3b)とを有し、突出部3(3a,3b)は、基部2に弾性部4(4a,4b)を介してつながっており、かつ、第2表面11及び第3表面10(10a,10b)はチャック部9の全体を片側から覆い、第2表面11と第3表面10(10a,10b)とは、突出部3(3a,3b)が駆動部17によって押し込まれたときに、同一平面上に並ぶ。
【0042】
保持部13は、チャック部9の下側の両端を保持することで、チャック付包装体p1,p2を保持することが好ましい。駆動部17は、第2チャック篏合治具100を、固定された第1チャック篏合治具6へ向かう方向7へ移動させ、また、方向7の反対方向へ移動させることができる。駆動部17は、第1チャック篏合治具を、固定された第2チャック篏合治具へ向かう方向へ移動させ、また、方向7の反対方向へ移動させることとしてもよい。チャック篏合装置は、
図14に示すように、チャック部9の上側を保持する押さえ部を有していてもよい。さらに、チャック篏合装置は、チャック付包装体p1,p2を密閉するために開口部8の縁の下方をシールするためのシール部を有していてもよい。チャック篏合装置とシール装置とを別装置としてもよい。チャック付包装体p1,p2をロータリー型の保持部で順次保持させ、チャック篏合装置によって、順次、連続的に、チャック付包装体p1,p2のチャック部を嵌合させてもよい。
【0043】
[チャック篏合方法]
本実施形態に係るチャック篏合方法を説明する。第2チャック篏合治具は、チャック篏合治具100~600のいずれを用いることができるが、チャック篏合治具100を例として、
図1~
図2、
図5~
図7、
図15を参照して、説明する。本実施形態に係るチャック篏合方法は、開口部8と開口部8の縁に沿って基材の内壁側に設けられたチャック部9とを有するチャック付包装体p1,p2のチャック部9を嵌合するチャック篏合方法において、チャック付包装体p1,p2の袋裏部のうち、チャック部9の背後に第1チャック篏合治具6を接触させる工程と、チャック付包装体p1,p2の袋表部のうち、チャック部9の正面に第2チャック篏合治具100を配置する工程と、第1チャック篏合治具6とに第2チャック篏合治具100との距離を狭めて、チャック部9の一端又は両端を挟んで部分嵌合させる工程と、第1チャック篏合治具6と第2チャック篏合治具100との距離をさらに狭めて、チャック部9の中央部を含む全体を挟んで全体嵌合させる工程と、を有する。
【0044】
部分嵌合させる工程においては、端側から順に中央に向かって嵌合させることが好ましい。例えば、
図10、
図11及び
図12に示した第2チャック篏合治具300,400,500において、実現することができる。
【実施例0045】
(実施例1)
184mm×199mmでガゼット幅が50mmのマチ付きのチャック付包装体に液体の内容物を充填する充填機において、金属製平板である第1チャック篏合治具6と第2チャック篏合治具100を用いて、チャック部9の篏合を行った。サンプル数1000個に対して、篏合不良が生じたのは0個であり、篏合成功率は100%であった。
【0046】
(比較例1)
第2チャック篏合治具100に代わりに金属製平板を用いて、金属製平板同士でチャック部を挟むことにより嵌合させることとした。サンプル数1000個に対して、篏合不良が生じたのは121個であり、篏合成功率は87.9%であり、不良率が高かった。