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特開2024-56274情報処理装置、情報処理システム、制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056274
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20240416BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240416BHJP
【FI】
G06F16/90 100
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163040
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(72)【発明者】
【氏名】中村 洋次郎
(72)【発明者】
【氏名】平山 あかり
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐司
(72)【発明者】
【氏名】大野 浩輝
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175EA01
5B175HA01
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】本発明では、質問者が閲覧している内容に応じて、質問に対する回答を生成し出力する仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】データを表示させる情報処理装置であって、ユーザからの質問を受け付ける質問受付手段と、表示されているデータのカテゴリを取得する取得手段と、前記受け付けた質問と、前記取得したカテゴリとに基づいて生成される回答を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを表示させる情報処理装置であって、
ユーザからの質問を受け付ける質問受付手段と、
表示されているデータのカテゴリを取得する取得手段と、
前記受け付けた質問と、前記取得したカテゴリとに基づいて生成される回答を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記データは、コンテンツデータであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記データは、コンテンツデータに含まれるページデータであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受け付けた質問と、前記取得したカテゴリとに基づいて、回答を生成するためのテンプレートを選定する選定手段を備え、
前記出力手段は、前記選定されたテンプレートを用いて生成される回答を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記選定されたテンプレートを用い、前記ユーザの属性に基づいて生成される回答を出力することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選定手段によるテンプレートの選定結果に応じて所定のメッセージを通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記出力した回答に対する評価を受け付ける評価受付手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
データを表示させる情報処理システムであって、
ユーザからの質問を受け付ける質問受付手段と、
表示されているデータのカテゴリを取得する取得手段と、
前記受け付けた質問と、前記取得したカテゴリとに基づいて生成される回答を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
データを表示させる情報処理装置の制御方法であって、
質問受付手段が、ユーザからの質問を受け付ける質問受付ステップと、
取得手段が、表示されているデータのカテゴリを取得する取得ステップと、
出力手段が、前記受け付けた質問と、前記取得したカテゴリとに基づいて生成される回答を出力する出力ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
データを表示させる情報処理装置において実行可能なプログラムであって、
前記情報処理装置を、
ユーザからの質問を受け付ける質問受付手段と、
表示されているデータのカテゴリを取得する取得手段と、
前記受け付けた質問と、前記取得したカテゴリとに基づいて生成される回答を出力する出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生命保険等の説明資料は、紙に印刷して営業職員が顧客を訪問して対面で内容を説明していた。しかし、対面では、顧客、営業職員双方の時間や場所が拘束され、双方の負担となっていた。そこで、Webブラウザや専用アプリを使用して顧客がサーバに格納されている当該顧客用の説明資料を閲覧できるデジタルコンテンツが普及しつつある。
【0003】
しかし、顧客自身が任意の時間や場所にて説明資料を閲覧するため、疑問や不明点が発生した場合にすぐに営業職員等に確認することができないという課題がある。
【0004】
そこで、AI(人工知能)などによる質問に対する自動回答の仕組みが開発されている。
【0005】
特許文献1では、アクセスしてきたユーザの属性を特定し、ユーザから受け付けた質問に対して、ユーザの属性に適した回答を作成し、ユーザの端末に表示させる技術が開示されている。
【0006】
特許文献2では、回答に対応付けられた複数の質問をカテゴリー分類し、入力されたテキストの分類カテゴリーを特定し、特定された分類カテゴリーに属する質問を選択して回答を求める技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-28646号公報
【特許文献2】特開2006-85381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、ユーザ(質問者)は提供されたコンテンツをページ操作等を行いながら自由に閲覧することができ、同じ質問であっても、閲覧している内容によって適切な回答が変わってくる場合がある。
【0009】
特許文献1、特許文献2のいずれにおいても、ユーザが閲覧している内容を考慮して回答を生成することはできない。
【0010】
そこで、本発明では、質問者が閲覧している内容に応じて、質問に対する回答を生成し出力する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、質問者が閲覧している内容に応じて、質問に対する回答を生成し出力する仕組みを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の情報処理システムの構成の一例を示す図
図2】サーバ101、クライアント102、103に適用可能なハードウエア構成の一例を示す図
図3】情報処理システムにおける全体処理の一例を示すフローチャート
図4】回答生成処理の一例を示すフローチャート
図5】テンプレート埋め込み処理の一例を示すフローチャート
図6】ページ表示および質問入力受付の一例を示す画面イメージ
図7】テンプレートの一例を示す図
図8】テンプレートの一例を示す図
図9】各種データテーブルおよび回答文作成の一例を示す図
図10】回答表示の一例を示す画面イメージ
図11】回答表示の一例を示す画面イメージ
図12】回答表示の一例を示す画面イメージ
図13】回答評価入力受付の一例を示す画面イメージ
図14】担当者への通知の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の情報処理システムは、サーバ101、クライアント102および103が、ネットワーク104により通信可能に接続された構成をとる。
【0016】
サーバ101は、クライアント102からの閲覧要求を受けて、閲覧コンテンツを生成し、クライアント102に送信、表示させる。また、クライアント102からの質問を受け付けて、当該質問に対する回答を生成し、クライアント102に送信、表示させる。
【0017】
顧客用のクライアント102は、Webブラウザ、または、専用アプリを使用してサーバ101にアクセスし、ユーザからの閲覧指示に応じてサーバ101に閲覧要求を送信し、サーバ101から受信した閲覧コンテンツをWebブラウザ、または、専用アプリで表示する。また、ユーザから都度、質問を受け付けてサーバ101に送信し、サーバ101から受信した回答を表示する。
【0018】
担当者用のクライアント103は、サーバ101から必要時に通知(メール等)を受信し、表示する。
【0019】
図2は、図1に示したサーバ101、クライアント102、103に適用可能なハードウエア構成の一例を示す図である。
【0020】
201はCPUで、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0021】
ROM202あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input / Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。
【0022】
203はRAM(記憶部)で、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM202あるいは外部メモリ211からRAM203にロードして、該ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
【0023】
205は入力コントローラで、キーボード(KB)209や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。
【0024】
206はビデオコントローラで、表示部210への表示を制御する。なお、表示部210はCRTだけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。また表示部は指やペン等にてユーザが表示画面内の対象位置を指定するタッチパネル機能を含むものであってもよい。
【0025】
207はメモリコントローラで、ブートプログラム,各種のアプリケーション,フォントデータ,ユーザファイル,編集ファイル,各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
【0026】
208は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(LAN)300を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0027】
なお、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT上での表示を可能としている。また、CPU201は、CRT上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0028】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられるデータファイル及びデータテーブル等も、外部メモリ211に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0029】
図3は、情報処理システムにおける全体処理の一例を示すフローチャートである。
【0030】
図3の全体処理について説明する。
【0031】
ステップS101では、クライアント102は、ユーザ(顧客)からのコンテンツ閲覧指示を受け付けて、サーバ101にコンテンツ閲覧要求を送信する。当該ユーザは事前にサーバ101にアクセス可能となるようログイン処理を実施しており、コンテンツ閲覧指示は、Webブラウザに表示されるメニュー画面(不図示)、または、専用アプリのメニュー画面(不図示)から実行する。
【0032】
ステップS102では、サーバ101は、クライアント102から送信されたコンテンツ閲覧要求を受信する。コンテンツ閲覧要求には、コンテンツ名またはID、顧客ID、等が含まれる。
【0033】
ステップS103では、サーバ101は、コンテンツ閲覧要求に従ってコンテンツを生成し、クライアント102に送信する。コンテンツのデータはコンテンツデータベースに格納されており、コンテンツ名や顧客IDをもとに検索してデータを抽出する。ここでは、コンテンツ全てのデータを送信してもよいし、一部のページのデータだけを送付してもよい。
【0034】
ステップS104では、クライアント102は、サーバ101からコンテンツを受信し、Webブラウザ、専用アプリなどで表示する。
【0035】
ステップS105では、クライアント102は、ユーザからのページ操作を受け付け、対象ページを表示する。なお、ステップS103において、一部のページのデータだけを送信した場合は、未送信のページを表示する際には、都度サーバに要求して送信させることになる。
【0036】
ステップS106では、クライアント102は、ユーザからの質問の入力を受け付ける。
【0037】
ステップS107では、クライアント102は、ユーザに閲覧されている、つまり表示しているページのカテゴリを取得する。ここでカテゴリとは、ユーザに閲覧されている内容を分類するもので、例えば生命保険の説明資料であれば、「XX保険全般」、「〇〇特約」、「契約上の注意事項」といったものである。カテゴリは、例えば、コンテンツのページごとにタグデータとして埋め込まれ、表示しているページから取得することが可能である。なお、カテゴリは閲覧されている内容を分類するものであればよく、コンテンツ全体や、章ごと、段落ごとに割り当ててもよい。また、事前にカテゴリを割り当てずに、表示されている内容からテキスト等を読み取って解析することによりカテゴリを特定して取得してもよい。
【0038】
ステップS108では、クライアント102は、サーバ101に、ステップS106にて受け付けた質問と、ステップS107にて取得した閲覧カテゴリとを送信する。
【0039】
ここで、ステップS105~S108でのクライアント102における画面表示の一例を図6に示す。
【0040】
ページ表示画面610は、ページ表示ウィンドウ611、ページ操作ボタン612、質問開始ボタン613を含み、ページ操作ボタン612を操作することにより前後のページを表示する。ページ表示操作はスクロールバーやページ指定入力等で実現してもよい。質問開始ボタン613を押下することにより、質問入力受付画面620が表示される。
【0041】
質問入力受付画面620では、質問入力を促すメッセージ621が表示され、質問入力欄622に質問(テキスト)を入力し、送信ボタン623を押下することにより、サーバ101に、入力した質問と、閲覧していたページのカテゴリが送信される。
【0042】
図3の説明に戻る。
【0043】
ステップS109では、サーバ101は、クライアント102から送信された質問と閲覧カテゴリを受信する。
【0044】
ステップS110では、サーバ101は、ステップS108にて受信した質問と閲覧カテゴリに基づいて回答を生成する。回答生成処理については、図4を用いて詳細に説明する。
【0045】
図4は、回答生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS201では、サーバ101は、クライアント102から受信した質問を取得する。具体的には、後続処理で使用するためにRAMに格納する。
【0047】
ステップS202では、サーバ101は、クライアント102から受信した閲覧カテゴリを取得する。具体的には、後続処理で使用するためにRAMに格納する。
【0048】
ステップS203では、サーバ101は、取得した質問と閲覧カテゴリを入力データとして、学習モデル401を用いたAI処理によって、回答用のテンプレートを特定する。テンプレートはテンプレートデータベース402に格納されており、特定されたテンプレートのが後続処理で使用される。
【0049】
本処理で用いる学習モデル401は、例えば、学習用の質問と閲覧カテゴリと、対応するテンプレート(またはそのID)を用いて学習させたモデルで、質問と閲覧カテゴリを入力することにより、対応するテンプレート(またはそのID)が出力として得られるものである。なお、学習モデルについては、質問と閲覧カテゴリを入力として、対応するテンプレートが出力として得られるものであればよく、その構成や学習方法の形態はどのようなものであってもよい。
【0050】
ここで、図7図8を用いて、テンプレートの一例について説明する。
【0051】
テンプレート1(図7の710)は、閲覧カテゴリが「がん特約」、代表質問文が「この特約に入るメリットは何ですか?」の場合に特定されるテンプレートである。つまり、カテゴリが「がん特約」であるページが閲覧されている時に、代表質問文に一致または類似する質問が入力された場合、学習モデル401が本テンプレートを特定することになる。710において、四角で囲んだ711、712、713、714、715の部分はユーザ属性に応じて可変となる表示項目である。
【0052】
テンプレート2(図7の720)は、閲覧カテゴリが「ケガ特約」、代表質問文が「この特約に入るメリットは何ですか?」の場合に特定されるテンプレートである。詳細は前述のテンプレート1と同様であるが、代表質問文が同じであっても、閲覧カテゴリが異なることにより、特定されるテンプレートが変わってくる。
【0053】
テンプレート3(図8の810)は、閲覧カテゴリが「災害特約」、代表質問文が「この特約に入るメリットは何ですか?」の場合に特定されるテンプレートである。テンプレート1やテンプレート2と異なる点は、四角で囲んだ部分がなく、つまりユーザ属性に応じて可変となる表示項目がないため、ユーザ共通のテンプレートである。
【0054】
図4の説明に戻る。
【0055】
ステップS204では、サーバ101は、ステップS203にてテンプレートが特定できたかを判定する。質問の内容や、閲覧カテゴリによっては、AI処理によりテンプレートが特定できない場合がある。特定できた場合(Yes)、ステップS205に進め、特定できなかった場合(No)、ステップS207に進める
ステップS205では、サーバ101は、ステップS203にてテンプレートを特定した際の確度が閾値以上かを判定する。AI処理によりテンプレートが特定できた場合であっても、その確度が低い場合がある。確度はAI処理の結果として出力される。閾値は不図示の設定画面により事前に設定しておく。閾値以上であった場合(Yes)、ステップS206に進め、閾値未満であった場合(No)、ステップS207に進める。
【0056】
ステップS206では、サーバ101は、特定されたテンプレートがユーザ属性による埋め込み処理が必要なテンプレートかを判定する。前述のテンプレートの例では、テンプレート1とテンプレート2がユーザ属性により埋め込みが必要なテンプレート、テンプレート3がユーザ属性による埋め込みが不要なテンプレートである。ユーザ属性により埋め込みが必要な場合(Yes)、ステップS208に進め、ユーザ属性による埋め込みが不要な場合(No)、ステップS209に進める。
【0057】
ステップS207では、サーバ101は、回答不可であることを示す回答を作成する。また、担当者に連絡して、別途担当者から回答する旨を付け加えてもよい。また、ユーザ属性による埋め込みを実施しないため、どのユーザに対しても同じ内容となるが、ユーザの名前等を埋め込んでもよい。
【0058】
ステップS208では、サーバ101は、テンプレート埋め込み処理を実行する。テンプレート埋め込み処理については、図5を用いて詳細に説明する。
【0059】
図5は、テンプレート埋め込み処理の一例を示すフローチャートである。本処理例は、前述のテンプレート1が特定された場合の処理である。特定されるテンプレートにより、処理の構成は変わってくる。図9のデータ例を参照しながら処理について説明する。
【0060】
ステップS301では、サーバ101は、特定されたテンプレートを取得し、ユーザ属性による埋め込みが必要な箇所を抽出する。本例で対象としているテンプレートは、テンプレート1(図7の710)である。
【0061】
ステップS302では、サーバ101は、自身または外部で管理するユーザ情報データベース501から、質問者であるユーザのユーザ属性を取得する。取得するユーザ属性は、ステップS301で抽出した箇所に対応するユーザ属性のみでもよいし、取得できるユーザ属性全てでもよい。図9に、ユーザ情報データベース501に格納されるユーザ情報テーブル950の一例を示す。ユーザ情報テーブル950は、ユーザに対して、健康リスク、年齢、子供有無というユーザ属性を含む。
【0062】
ステップS303からS307の処理は、テンプレート1に依存した処理である。また、ステップS303からS306の処理は、回答候補データべース502に格納されている各テーブルを参照して実行する。
【0063】
ステップS303では、サーバ101は、テンプレート1の711の項目に対して、健康リスクの有無による回答文を埋め込む。つまり、図9の健康リスクによる回答文テーブル910から、ユーザの健康リスクの属性に応じて、回答文を選択し埋め込む。
【0064】
ステップS304では、サーバ101は、テンプレート1の712の項目に対して、同年代のがん罹患率を埋め込む。つまり、図9の年代別がん罹患率テーブル920から、ユーザの年齢の属性に応じて、がん罹患率を選択し埋め込む。
【0065】
ステップS305、S306においても上記同様の埋め込み処理を実施する。
【0066】
ステップS307では、サーバ101は、テンプレート1の715の項目に対して、参考資料(添付資料)としてユーザに応じた保障の詳細説明のコンテンツが表示されるように、コンテンツ自体、または、リンクを埋め込む。
【0067】
上記にてテンプレート1に対してユーザ属性により埋め込みが実施され、回答が生成される。図9では、Aさんへの回答文960、Bさんへの回答文970を一例として示す。
【0068】
以上で図5のテンプレート埋め込み処理の説明を終了し、図4の説明に戻る。
【0069】
ステップS209では、サーバ101は、テンプレートの内容をそのまま回答内容とすることにより回答を作成する。ユーザ属性による埋め込みを実施しないため、どのユーザに対しても同じ内容となるが、ユーザの名前等を埋め込んでもよい。
【0070】
以上で図4の回答生成処理の説明を終了し、図3の説明に戻る。
【0071】
ステップS111では、サーバ101は、ステップS110での回答の生成状況に応じて、担当者への通知が必要かを判定する。ここでは、ステップS110にてテンプレートが特定できなかった場合や、確度が低かった場合、生成された回答に対して担当者のフォローが必要な場合など、事前に設定した条件により判定する。担当者への通知が必要な場合(Yes)、ステップS112へ進め、担当者への通知が不要な場合(No)、ステップS114へ進める。
【0072】
ステップS112では、サーバ101は、担当者への通知を作成して、クライアント103に送信する。ここで送信方法としては、電子メール、SNS、専用アプリによるプッシュ通知、など、どのような形態でもよい。
【0073】
ステップS113では、クライアント103は、サーバ101から担当者への通知を受信して表示する。
【0074】
ここで、図14に担当者への通知の一例を示す。1410は回答生成においてテンプレートを特定できなかった場合、1420は回答生成において確度が閾値未満の場合の通知の例である。
【0075】
図3の説明に戻る。
【0076】
ステップS114では、サーバ101は、クライアント102へステップS110にて生成された回答を送信する。
【0077】
ステップS115では、クライアント102は、サーバ101から送信された回答を受信し、表示する。
【0078】
ここで、図10図11図12を用いて、回答の表示例について説明する。
【0079】
図10の1010は、ユーザ属性による埋め込みが必要なテンプレート1によるAさんへの回答の例である。1011に回答文が表示され、1012に参考資料である保障の詳細説明コンテンツの一部が表示されている。1011の保障内容へのリンク、または、1012の表示箇所をクリック、または、タップすることにより、保障の詳細説明コンテンツの全てが表示される。参考資料はポップアップウィンドウで表示させてもよい。
【0080】
図10の1020は、ユーザ属性による埋め込みが必要なテンプレート1によるAさんへの回答の例である。詳細は1010と同様である。
【0081】
図11の1110は、ユーザ属性による埋め込みが必要なテンプレート2によるCさんへの回答の例である。詳細は1010と同様である。
【0082】
図11の1120は、ユーザ属性による埋め込みが不要なテンプレート3によるユーザ共通の回答の例である。ユーザ属性による埋め込みを実施していないため、どのユーザに対しても同じ内容となる。
【0083】
図12の1210は、テンプレートを特定できなかった、または、確度が閾値未満の場合の回答の例である。ユーザ属性による埋め込みを実施していないため、どのユーザに対しても同じ内容となる。
【0084】
図3の説明に戻る。
【0085】
ステップS116では、クライアント102は、回答に対する評価の入力を受け付ける。
【0086】
ステップS117では、クライアント102は、入力を受け付けた回答評価をサーバ101に送信する。
【0087】
ここで、図13を用いて、回答に対する評価の受け付けの際の表示例について説明する。図13の1310の表示例では、1311に回答に対する評価を促すメッセージが表示され、入力欄に評価を入力し、送信ボタンを押下することにより、回答評価の内容がサーバ101に送信される。
【0088】
ステップS118では、サーバ101は、クライアント102から送信された回答評価を受信し、登録する。ここでは、受信した回答評価を不図示の回答履歴テーブルに登録し、登録された回答評価に基づいて、学習モデル401を強化学習させることにより、AI処理の精度を向上させることが可能となる。
【0089】
以上により、質問者が閲覧している内容に応じて、質問に対する回答を生成し出力することができるようになる。
【0090】
以上、いくつかの実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、コンピュータプログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0091】
また、本発明におけるコンピュータプログラムは、各フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なコンピュータプログラムであり、本発明の記憶媒体は各フローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なコンピュータプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるコンピュータプログラムは各フローチャートの各装置の処理方法ごとのコンピュータプログラムであってもよい。
【0092】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0093】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0094】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0095】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0096】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0097】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0098】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【0099】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0100】
101 サーバ
102 クライアント(顧客用)
103 クライアント(担当者用)
104 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントとサーバとが通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記クライアントは、
前記サーバから取得した文書データを表示する表示手段と、
ユーザからの質問を受け付ける質問受付手段と、
前記質問受付手段による質問の受け付けにより特定される前記文書データにかかる情報を取得する取得手段と、
前記受け付けた質問と、前記取得した文書データにかかる情報とを前記サーバに送信する送信手段と、
を備え、
前記サーバは、
前記クライアントから送信された質問と、前記文書データにかかる情報とに基づいて回答を生成する生成手段と、
前記生成された回答を前記クライアントに送信する回答送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム
【請求項2】
前記サーバは、
前記クライアントから送信された質問と、前記文書データにかかる情報とに基づいて、回答を生成するためのテンプレートを選定する選定手段を備え、
前記サーバの生成手段は、前記選定されたテンプレートを用いて回答を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム
【請求項3】
前記サーバの生成手段は、前記選定されたテンプレートを用い、前記ユーザの属性に基づいて回答を生成することを特徴とする請求項に記載の情報処理システム
【請求項4】
前記サーバは、
前記選定手段によるテンプレートの選定結果に応じて所定のメッセージを通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項に記載の情報処理システム
【請求項5】
前記サーバは、
前記クライアントに送信した回答に対する評価を受け付ける評価受付手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム
【請求項6】
前記文書データにかかる情報は、当該文書データの内容を分類するカテゴリであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記文書データは複数ページから構成され、前記クライアントは、前記サーバから前記文書データの複数ページを一括して取得することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記クライアントの表示手段は、前記サーバと通信することなく前記文書データの任意のページを表示することを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記取得手段は、前記質問受付手段により質問を受け付けた時に表示されていたページ情報を取得することを特徴とし、
前記送信手段は、前記受け付けた質問と、前記取得したページ情報とを前記サーバに送信することを特徴とする請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
文書データを表示するクライアントと通信可能に接続された情報処理装置であって、
前記クライアントで受け付けた質問と、当該質問の受け付けにより特定される前記クライアントにて表示される文書データにかかる情報とに基づいて回答を生成する生成手段と、
前記生成された回答を前記クライアントに送信する回答送信手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
クライアントとサーバとが通信可能に接続された情報処理システムの制御方法であって、
前記クライアントの表示手段が、前記サーバから取得した文書データを表示する表示ステップと、
前記クライアントの質問受付手段が、ユーザからの質問を受け付ける質問受付ステップと、
前記クライアントの取得手段が、前記質問受付ステップにおける質問の受け付けにより特定される前記文書データにかかる情報を取得する取得ステップと、
前記クライアントの送信手段が、前記受け付けた質問と、前記取得した文書データにかかる情報とを前記サーバに送信する送信手段と、
前記サーバの生成手段が、前記クライアントから送信された質問と、前記文書データにかかる情報とに基づいて回答を生成する生成ステップと、
前記サーバの回答送信手段が、前記生成された回答を前記クライアントに送信する回答送信ステップと、
を備えることを特徴とする情報処理システムの制御方法。
【請求項12】
クライアントとサーバとが通信可能に接続された情報処理システムにおいて実行可能なプログラムであって、
前記クライアントを、
前記サーバから取得した文書データを表示する表示手段と、
ユーザからの質問を受け付ける質問受付手段と、
前記質問受付手段による質問の受け付けにより特定される前記文書データにかかる情報を取得する取得手段と、
前記受け付けた質問と、前記取得した文書データにかかる情報とを前記サーバに送信する送信手段と、
として機能させ、
前記サーバを、
前記クライアントから送信された質問と、前記文書データにかかる情報とに基づいて回答を生成する生成手段と、
前記生成された回答を前記クライアントに送信する回答送信手段と、
として機能させるためのプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明は、クライアントとサーバとが通信可能に接続された情報処理システムであって、前記クライアントは、前記サーバから取得した文書データを表示する表示手段と、ユーザからの質問を受け付ける質問受付手段と、前記質問受付手段による質問の受け付けにより特定される前記文書データにかかる情報を取得する取得手段と、前記受け付けた質問と、前記取得した文書データにかかる情報とを前記サーバに送信する送信手段と、を備え、前記サーバは、前記クライアントから送信された質問と、前記文書データにかかる情報とに基づいて回答を生成する生成手段と、前記生成された回答を前記クライアントに送信する回答送信手段と、を備えることを特徴とする。