(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056287
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】カート装置
(51)【国際特許分類】
A47B 31/00 20060101AFI20240416BHJP
A47B 13/00 20060101ALN20240416BHJP
【FI】
A47B31/00 G
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163068
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】山根 隆雅
(72)【発明者】
【氏名】小林 遣
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP07
3B053NQ02
3B053NQ07
(57)【要約】
【課題】移動時における視認性を確保した上で、作業時における作業性を向上させ、移動時及び作業時の双方で使い勝手に優れたカート装置を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係るカート装置は、天板を含む什器本体と、什器本体を支持するとともに、床面上を移動可能な走行部と、什器本体に着脱可能に設けられるとともに、装着状態において天板から上方に起立して天板よりも上方に位置する上方空間を上下方向に交差する方向に仕切るパネル部材と、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を含む什器本体と、
前記什器本体を支持するとともに、床面上を移動可能な走行部と、
前記什器本体に着脱可能に設けられるとともに、装着状態において前記天板から上方に起立して前記天板よりも上方に位置する上方空間を上下方向に交差する方向に仕切るパネル部材と、を備えているカート装置。
【請求項2】
前記什器本体から後方に突出する把持部を備え、
前記パネル部材は、前記装着状態において前記上方空間を前後方向に仕切るメインパネルを備えている請求項1に記載のカート装置。
【請求項3】
前記パネル部材は、前記装着状態において前記上方空間を左右方向に仕切るサブパネルを備えている請求項2に記載のカート装置。
【請求項4】
前記パネル部材は、前記メインパネル及び前記サブパネル同士を連結する連結部を備えている請求項3に記載のカート装置。
【請求項5】
前記メインパネル及び前記サブパネルは、前記連結部によって回動可能に連結されている請求項4に記載のカート装置。
【請求項6】
前記パネル部材の下端部には、前記装着状態において前記パネル部材の厚さ方向に張り出すとともに、前記天板の上面に取り付けられる取付片を備え、
前記取付片は、前記パネル部材に対する前記厚さ方向の向きが変更可能である請求項1から請求項5の何れか1項に記載のカート装置。
【請求項7】
前記取付片は、前記天板の上面に対して磁力によって取り付けられる請求項6に記載のカート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1~3には、物品載置部を有する什器本体と、什器本体を支持するキャスタと、を備えるカート装置が開示されている。カート装置は、什器本体の後部に設けられた把持部を介して押したり引いたりされることで、前進、後退又は旋回できるようになっている。これにより、カート装置は、必要な物品を物品載置部上に載置した状態で、執務空間(オフィスや病院、公共施設等)を移動することができ、必要に応じた場所まで移動して随時作業が行えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5975609号公報
【特許文献2】実用新案登録第3159993号公報
【特許文献3】特許第6013081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したカート装置にあっては、執務者の天板上での作業内容が第三者の視線に入り込まない方が好ましい場合がある。一方で、カート装置では、移動時において周囲との衝突を避けるために、執務者の視界が天板の直上空間を通じて開かれていることが好ましい。
【0005】
本発明は、移動時における視認性を確保した上で、作業時における作業性を向上させ、移動時及び作業時の双方で使い勝手に優れたカート装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
(1)本発明の一態様に係るカート装置は、天板を含む什器本体と、前記什器本体を支持するとともに、床面上を移動可能な走行部と、前記什器本体に着脱可能に設けられるとともに、装着状態において前記天板から上方に起立して前記天板よりも上方に位置する上方空間を上下方向に交差する方向に仕切るパネル部材と、を備えている。
本態様によれば、作業時においてパネル部材を装着状態とすることで、天板の上方空間を仕切ることができる。これにより、パネル部材に対して一方側で執務者が天板を用いて作業を行う場合に、天板上の物品や作業内容等がパネル部材に対して他方側に位置する第三者の視線に写り込むことを抑制できる。また、執務者又は第三者の飛沫等をパネル部材によって遮ることもできる。
一方、カート装置の移動時には、パネル部材を取り外すことで、天板の直上空間がカート装置の周囲に開放される。これにより、執務者の視線がパネル部材によって遮られることを抑制できる。その結果、移動時における視認性を確保した上で、作業時における作業性を向上させ、移動時及び作業時の双方で使い勝手に優れたカート装置を提供できる。
【0007】
(2)上記(1)の態様に係るカート装置において、前記什器本体から後方に突出する把持部を備え、前記パネル部材は、前記装着状態において前記上方空間を前後方向に仕切るメインパネルを備えていることが好ましい。
本態様によれば、パネル部材が装着状態にあるとき、カート装置の前方からの第三者の視線を遮ることができる。一方で、パネル部材を取り外しておくことで、執務者が把持部を把持してカート装置を移動させる際の前方視界を確保し易い。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の態様に係るカート装置において、前記パネル部材は、前記装着状態において前記上方空間を左右方向に仕切るサブパネルを備えていることが好ましい。
本態様によれば、パネル部材が装着状態にあるとき、カート装置の側方からの第三者の視線を遮ることができる。一方で、パネル部材を取り外しておくことで、執務者がカート装置を移動させる際の左右方向の視界を確保し易い。
【0009】
(4)上記(3)の態様に係るカート装置において、前記パネル部材は、前記メインパネル及び前記サブパネル同士を連結する連結部を備えていることが好ましい。
本態様によれば、互いに交差する方向に延びるメインパネル及びサブパネルが連結部を介して連結される。そのため、パネル部材は、装着状態において各パネル同士で互いに支持し合った状態で天板上に起立する。これにより、パネル部材の安定性を向上させることができる。
【0010】
(5)上記(4)の態様に係るカート装置において、前記メインパネル及び前記サブパネルは、前記連結部によって回動可能に連結されていることが好ましい。
本態様によれば、パネル部材を取り外した状態において、メインパネル及びサブパネルを重ね合わせた状態で折り畳むことができる。これにより、未使用状態のパネル部材をコンパクトに保管することができる。また、メインパネルとサブパネルとのなす角度を適宜調整することができるので、パネル部材のレイアウト性を向上させることができる。
【0011】
(6)上記(1)から(5)の何れかの態様に係るカート装置において、前記パネル部材の下端部には、前記装着状態において前記パネル部材の厚さ方向に張り出すとともに、前記天板の上面に取り付けられる取付片を備え、前記取付片は、前記パネル部材に対する前記厚さ方向の向きが変更可能であることが好ましい。
本態様によれば、パネル部材の使用状態において、取付片の向きを調整できる。これにより、装着状態に応じた最適な向きに取付片を設定でき、装着状態におけるパネル部材の安定性や、天板上での作業スペースを確保し易い。
【0012】
(7)上記(6)の態様に係るカート装置において、前記取付片は、前記天板の上面に対して磁力によって取り付けられることが好ましい。
本態様によれば、パネル部材の着脱を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
上記各態様によれば、移動時における視認性を確保した上で、作業時における作業性を向上させ、移動時及び作業時の双方で使い勝手に優れたカート装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係るカート装置の斜視図である。
【
図2】パネルモジュールが第1使用状態にあるときを示すカート装置上部の分解斜視図である。
【
図3】パネル本体を折り畳んだ状態を示す正面図である。
【
図4】移動時における第1実施形態に係るカート装置の動作説明図である。
【
図5】作業時における第1実施形態に係るカート装置の動作説明図である。
【
図6】パネルモジュールが第2使用状態にあるときの第1実施形態に係るカート装置の斜視図である。
【
図7】パネルモジュールが第2使用状態にあるときの第1実施形態に係るカート装置の平面図である。
【
図8】パネルモジュールが第3使用状態にあるときの第1実施形態に係るカート装置の平面図である。
【
図9】第2実施形態における
図2に対応する分解斜視図である。
【
図10】パネルモジュールを折り畳んだ状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。また、本実施形態において、「向かい合う」とは、2つの面それぞれの直交方向(法線方向)が互いに一致している場合に限らず、直交方向同士が交差している場合も含んでいる。
【0016】
(第1実施形態)
[カート装置1]
図1は、第1実施形態に係るカート装置1の斜視図である。
図1に示すカート装置1は、執務空間において物品を搬送するために用いられるとともに、必要に応じた場所まで移動して随時作業が行えるものである。各図では、カート装置1の向き(前後上下左右方向)について座標を用いて表している。この場合、床面Fに垂直な方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向から見て互いに直交する方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印LHが左方)としている。なお、カート装置1の向きとは、カート装置1のうち把持部12が設けられている側に執務者が立った状態で執務者から見た向きである。
【0017】
カート装置1は、什器本体10と、キャスタ(走行部)11と、把持部12と、トレー13と、パネルモジュール15と、を備えている。なお、什器本体10、キャスタ11、把持部12及びトレー13によって、カート本体が構成されている。
什器本体10は、カート装置1の外観を構成するものであって、直方体形状に形成されている。図示の例において、什器本体10の平面視形状は、前後方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とする長方形状に形成されている。なお、カート装置1が病院で使用される場合、カート装置1によって搬送される物品としては、点滴や薬剤等の医薬品、血圧計や体温計等の医療機器、携帯電話やパソコン、タブレット等の携帯電子機器等が挙げられる。
【0018】
什器本体10は、底フレーム31と、縦壁32と、天板33と、を備えている。
底フレーム31は、床面Fに沿って配置されている。底フレーム31は、底板31aと、側部フレーム31bと、を備えている。
底板31aは、什器本体10のうち前部に位置している。側部フレーム31bは、底板31aにおける左右方向の両端縁に、前後方向に沿って設けられている。側部フレーム31bの後部は、底板31aに対して後方に突出している。
【0019】
縦壁32は、前板35と、一対の側板36と、仕切板37と、を備えている。
前板35は、底フレーム31の前端縁から上方に延びている。
側板36は、各側部フレーム31bの後部(底板31aから突出した部分)からそれぞれ上方に延びている。各側板36は、左右方向で向かい合っている。
仕切板37は、底板31aの後端縁から上方に延びている。仕切板37は、一対の側板36の前端縁同士の間を接続している。仕切板37は、前板35と前後方向で向かい合っている。
【0020】
天板33は、平面視で長方形状に形成されている。天板33は、縦壁32(前板35、側板36及び仕切板37)に連結され、縦壁32に下方から支持されている。本実施形態において、天板33は、縦壁32を上方から覆うようにして設けられている。天板33の上面は、物品を載置可能な物品載置面を構成している。なお、天板33は、少なくとも上面が強磁性体(例えば、鉄等)により形成されている。
【0021】
什器本体10のうち、底フレーム31、天板33、側板36及び仕切板37で囲まれた部分は、下肢収容空間41を構成している。下肢収容空間41は、天板33の下方において、仕切板37よりも後方に位置する空間である。すなわち、下肢収容空間41の内外は、天板33によって上下方向に仕切られ、側板36によって左右方向に仕切られ、仕切板37によって前後方向に仕切られている。
【0022】
什器本体10のうち、底フレーム31、天板33、前板35及び仕切板37で囲まれた部分は、物品収容空間42を構成している。物品収容空間42は、天板33の下方において、仕切板37よりも前方に位置する空間である。すなわち、物品収容空間42は、天板33によって上下方向に仕切られ、前板35によって前後方向に仕切られ、仕切板37によって下肢収容空間41との間が仕切られている。物品収容空間42は、左右方向の両側に位置する開口部(右側開口部及び左側開口部)を通じて左右方向の両側に開放されている。なお、物品収容空間42は、左右方向の一方側のみに開放されている構成でもよく、前方に開放されている構成であってもよい。
【0023】
キャスタ11は、什器本体10(底フレーム31)の下面に複数取り付けられている。本実施形態において、キャスタ11は、各側部フレーム31bの前後両端部に設けられている。キャスタ11は、上下方向に沿う軸線回りに旋回可能に構成されるとともに、床面Fに沿う軸線回りに回転可能に構成されている。これにより、カート装置1は、キャスタ11を介して床面F上を走行可能に構成されている。
【0024】
把持部12は、執務者の持ち手となる部分である。把持部12は、平面視において前方に開口するU字状に形成されている。把持部12は、天板33(下肢収容空間41)よりも後方に突出した状態で、天板33の下面に固定されている。なお、把持部12は必須の構成ではない。
【0025】
トレー13は、物品収容空間42内に上下方向に亘って複数段設けられている。各トレー13は、前板35及び仕切板37に設けられた一対のスライドレール45に、それぞれ左右方向にスライド可能に支持されている。トレー13は、物品収容空間42の右側開口部又は左側開口部を通じて出し入れ可能に構成されている。本実施形態では、スライド可能なトレー13が物品収容空間42に設けられた構成について説明したが、この構成に限られない。物品収容空間42は、物品が収容可能な構成であればよく、トレー13に代えて抽斗や棚板等が設けられていてもよい。
【0026】
<パネルモジュール15>
図2は、パネルモジュール15が第1使用状態にあるときを示すカート装置1上部の分解斜視図である。
図1、
図2に示すように、パネルモジュール15は、什器本体10(カート本体)に対して着脱可能に設けられている。パネルモジュール15は、第1使用状態(装着状態)において天板33から上方に起立した状態で什器本体10に装着されている。パネルモジュール15は、天板33の上方空間を上下方向に交差する方向に仕切る。以下の説明では、第1使用状態を基準としてパネルモジュール15の詳細について説明する。なお、本実施形態において、天板33の上方空間とは、天板33の直上空間に限らず、天板33よりも上方に位置する空間を意味する。したがって、天板33の上方空間を仕切るとは、第1使用状態のように、パネルモジュール15が天板33の直上空間と、カート装置1の周囲の空間と、を仕切っている場合も含む。
【0027】
パネルモジュール15は、支持部材51と、パネル本体(パネル部材)52と、を備えている。
支持部材51は、パネル本体52を支持する。支持部材51は、天板33の上面のうち、前端縁及び左右両端縁にそれぞれ設けられている。各支持部材51は、何れも同様の構成であるため、以下では複数の支持部材51のうち一の支持部材51を例にして支持部材51の詳細について説明する。
【0028】
図2に示すように、支持部材51は、取付金具55と、磁石56と、を備えている。
取付金具55は、例えばステンレス等、非磁性の金属材料により形成されている。取付金具55は、L字状に形成されている。具体的に、取付金具55は、取付片55aと、一対の起立片55bと、を備えている。
【0029】
取付片55aは、天板33の上面に沿って延びている。本実施形態において、取付片55aの基端縁は天板33の外周縁と同等の位置に配置されている。なお、取付片55aは、少なくとも一部が天板33上に配置されていれば、取付片55aの基端縁が、天板33の外周縁に一致していてもよく、取付片55aの基端縁が天板33の外周縁に対して内側若しくは外側に配置されていてもよい。
一対の起立片55bは、互いに向かい合った状態で取付片55aの基端縁から上方に延びている。一対の起立片55b同士の間には、パネル本体52が差し込まれる隙間が形成されている。
【0030】
磁石56は、取付片55aの下面に接着等により固定されている。支持部材51は、天板33の上面に磁石56を介して着脱可能に取り付けられる。
【0031】
図2に示すように、パネル本体52は、支持部材51に支持された状態において、天板33の上方空間を上下方向に交差する方向に仕切る。パネル本体52は、透光性有しておらず、厚さ方向において周囲の視線を遮る。パネル本体52は、メインパネル61と、一対のサブパネル62と、連結部63と、を備えている。
メインパネル61は、長方形の板状に形成されている。メインパネル61は、短手方向を上下方向に沿わせて天板33上に設置される。メインパネル61は、長手方向(左右方向)の長さが天板33の左右方向の寸法と同等に形成されている。メインパネル61は、芯材61aと、表皮材61bと、を備えている。
【0032】
芯材61aは、メインパネル61の骨格を形成する部材である。芯材61aは、メインパネル61の外形と同様に長方形の板状に形成されている。芯材61aは、例えばプラスチック段ボール等により形成されている。但し、芯材61aは、金属材料や木材、紙材等により形成されていてもよい。なお、芯材61aは、少なくともメインパネル61の外形を規定する形状であれば枠状等であってもよい。
表皮材61bは、芯材61aの全体を覆っている。表皮材61bは、例えばビニール等の樹脂材料からなるシート状のものである。なお、表皮材61bは、織布や不織布等により形成されていてもよい。
【0033】
一対のサブパネル62は、第1サブパネル62A及び第2サブパネル62Bである。以下の説明において、各サブパネル62A,62Bについて区別する必要がない場合は、単にサブパネル62として説明する。
サブパネル62は、メインパネル61と同様の構成により形成されている。すなわち、サブパネル62は、サブパネル62の骨格を形成する芯材62aと、芯材62aを覆う表皮材62bと、を備えている。サブパネル62は、長手方向を上下方向に沿わせて天板33上に設置される。なお、サブパネル62における短手方向の一方側の端縁(メインパネル61とは反対側の端縁)は、上方に向かうに従いサブパネル62の短手方向の寸法が漸次縮小するように傾斜している。
【0034】
本実施形態において、サブパネル62の長手方向(上下方向)の寸法は、メインパネル61の短手方向(上下方向)の寸法と同等になっている。サブパネル62は、短手方向の寸法が天板33の短手方向(左右方向)の寸法よりも短い。図示の例において、サブパネル62の短手方向の最大寸法は、天板33の短手方向の寸法(メインパネル61の長手方向の寸法)の半分以下になっている。但し、メインパネル61とサブパネル62それぞれの寸法は、適宜変更が可能である。
【0035】
連結部63は、第1サブパネル62A及びメインパネル61を連結する第1連結部63A、及び第2サブパネル62B及びメインパネル61を連結する第2連結部63Bである。
第1連結部63Aは、メインパネル61における長手方向の一方側に位置する端縁と、第1サブパネル62Aにおける短手方向の他方側に位置する端縁と、を連結している。第1連結部63Aは、上述した表皮材61b,62bと一体に形成されている。すなわち、第1連結部63Aは、パネル本体52のうち芯材61a,62aの存在しない部分であって、メインパネル61及び第1サブパネル62Aに対して芯材61a,62aの厚さ分薄肉に形成された部分である。パネル本体52は、第1連結部63Aを起点にメインパネル61の短手方向(第1サブパネル62Aの長手方向)に沿う軸線回りに回動可能に構成されている。本実施形態において、パネル本体52は、メインパネル61と第1サブパネル62Aとが第1連結部63Aを起点に回動することで、重ね合わせ可能(折り畳み可能)に構成されている(
図3参照)。
【0036】
第2連結部63Bは、メインパネル61における長手方向の他方側に位置する端縁と、第2サブパネル62Bにおける短手方向の他方側に位置する端縁と、を連結している。第2連結部63Bは、上述した第1連結部63Aと同様の構成であって、表皮材61b,62bと一体に形成されている。パネル本体52は、第2連結部63Bを起点にメインパネル61の短手方向(第2サブパネル62Bの長手方向)に沿う軸線回りに回動可能に構成されている。すなわち、第2サブパネル62Bは、メインパネル61に折り畳み可能に構成されている。なお、連結部63は、メインパネル61に対してサブパネル62を回動可能とするものであれば、表皮材61b,62bと一体に形成されているものに限られない。また、本実施形態では、連結部63がメインパネル61とサブパネル62との境界部分に上下方向の全長に亘って延びている構成としたが、この構成に限られない。連結部63は、メインパネル61とサブパネル62との間に上下方向に間隔をあけて設けられていてもよい。
【0037】
パネル本体52は、支持部材51に支持された状態で天板33上に起立している。具体的に、パネル本体52は、メインパネル61及びサブパネル62のそれぞれが、対応する支持部材51における向かい合う起立片55bの間に挿し込まれている。これにより、パネル本体52は、パネル本体52の厚さ方向で起立片55bに挟み込まれた状態で、支持部材51に支持されている。
【0038】
本実施形態のパネルモジュール15は、第1使用状態において、天板33の後端縁及び左右両端縁に沿って平面視C字状に配置されている。具体的に、パネル本体52のうち、メインパネル61は天板33の後端縁を左右方向に沿って配置され、第1サブパネル62Aは天板33における左側端縁の前部を前後方向に沿って配置され、第2サブパネル62Bは天板33における右側端縁の前部を前後方向に沿って配置されている。すなわち、メインパネル61は、天板33の上方空間を天板33の直上空間とカート装置1の前方空間とに前後方向で仕切っている。また、サブパネル62は、それぞれ天板33の上方空間を天板33の直上空間とカート装置1の側方空間とに左右方向で仕切っている。これにより、パネルモジュール15は、天板33の前部において、天板33の直上空間を取り囲んでいる。
【0039】
図3は、パネル本体52を折り畳んだ状態を示す正面図である。
図2、
図3に示すように、本実施形態のパネルモジュール15は、天板33から取り外し可能に構成されている。具体的に、パネルモジュール15のうち、パネル本体52は、一対の起立片55bから上方に引き抜くことで、支持部材51に対して取り外される。取り外したパネル本体52は、連結部63を起点に折り畳まれた状態で、例えばトレー13等に収容される。一方、支持部材51は、磁石56を天板33から引き離すことで、天板33に対して取り外される。取り外された支持部材51は、例えばトレー13等に収容される。なお、天板33から取り外したパネルモジュール15は、什器本体10に設けられたフック(不図示)等に引っ掛ける構成等であってもよい。
【0040】
(カート装置1の使用方法)
続いて、カート装置1の使用方法について説明する。以下の説明では、カート装置1の移動時、及びカート装置1を用いた作業時それぞれについて説明する。以下の説明では、パネルモジュール15が天板33から取り外された状態を初期状態として説明する。
【0041】
図4は、移動時におけるカート装置1の動作説明図である。
図4に示すように、カート装置1を執務空間で移動させる場合には、パネルモジュール15を取り外した状態で行う。すなわち、天板33の直上空間が前方及び左右方向の両側に開放された状態で、カート装置1を移動させる。執務者は、カート装置1の後方に立ち、把持部12を把持する。この状態で、カート装置1を押したり引いたりすることで、カート装置1を前進、後退又は旋回させることができる。これにより、カート装置1を必要に応じた場所まで移動させることができる。
【0042】
図5は、作業時におけるカート装置1の動作説明図である。
図2、
図5に示すように、カート装置1を所定場所まで移動させた後、天板33上で作業を行うには、パネルモジュール15を例えば第1使用状態に移行させる。まず、パネル本体52に支持部材51を取り付ける。具体的には、一対の起立片55b間にパネル本体52を挿し込む。この際、第1使用状態では、取付片55aがメインパネル61及びサブパネル62それぞれの厚さ方向において一方側に突出するように、支持部材51をパネル本体52に取り付ける。続いて、磁石56を介して支持部材51を天板33に取り付ける。これにより、パネル本体52が支持部材51を介して天板33で起立する。なお、パネルモジュール15は、支持部材51を天板33に取り付けた後に、パネル本体52と支持部材51とを取り付けてもよい。
【0043】
第1使用状態において、天板33の前端縁及び左右両端縁に沿ってパネル本体52が配置されることで、天板33の前部において天板33の直上空間が前方及び左右両側から囲まれる。すなわち、メインパネル61によって天板33の上方空間が天板33の直上空間とカート装置1の前方空間との間で仕切られるとともに、サブパネル62によって天板33の上方空間が天板33の直上空間とカート装置1の側方空間との間で仕切られる。
【0044】
パネルモジュール15を第1使用状態に移行させた後、天板33を用いて作業を行うにあたって、執務者はカート装置1の後方からカート装置1に向かい合う。この状態において、執務者は、例えばカート装置1の後方に設置した椅子100に着座して、天板33上で作業を行うことができる。この際、執務者は、下肢収容空間41内に下肢を差し入れた状態で執務を行うことができる。
【0045】
そして、パネルモジュール15を第1使用状態にして作業を行うことで、天板33上に載置された物品や天板33上での作業内容等がカート装置1の前方や左右両側に位置する第三者の視線に写り込み難い状態で、作業を行うことができる。また、執務者や第三者の飛沫等がパネル本体52に遮られる。
【0046】
続いて、パネルモジュール15のレイアウトについて説明する。本実施形態のパネルモジュール15は、天板33上における取付位置や、パネル本体52に対する取付片55aの向き、メインパネル61とサブパネル62とのなす角度等を調整することで、様々なレイアウトを採用することが可能である。
【0047】
図6は、パネルモジュール15が第2使用状態にあるときのカート装置1の斜視図である。
図7は、パネルモジュール15が第2使用状態にあるときのカート装置1の平面図である。
例えば
図6、
図7に示すように、パネルモジュール15は、天板33上において天板33の後端縁及び左側端縁に沿ってパネル本体52をL字状に配置してもよい(第2使用状態)。パネルモジュール15を第2使用状態とするには、メインパネル61及び第1サブパネル62Aについて、取付片55aがそれぞれパネルの厚さ方向の一方側に突出するように支持部材51を取り付ける。一方、第2サブパネル62Bについて、取付片55aが第2サブパネル62Bの厚さ方向の他方側に突出するように支持部材51を取り付ける。この状態において、メインパネル61及び第1サブパネル62Aについては、第1使用状態と同様に天板33の後端縁及び左側端縁に沿ってそれぞれ配置する。一方、第2サブパネル62Bは、第2連結部63Bを介してメインパネル61に対して回動させることで、メインパネル61に重ね合わせる。これにより、第2サブパネル62Bは、メインパネル61と同様に天板33の後端縁に沿って配置される。
【0048】
第2使用状態では、天板33の直上空間と、カート装置1の前方空間と、がメインパネル61によって仕切られるとともに、天板33の直上空間と、カート装置1の左側空間と、が第1サブパネル62Aによって仕切られる。一方、第2サブパネル62Bが折り畳まれることで、天板33の直上空間はカート装置1の右側に開放される。この場合、例えば執務者はカート装置1に対して右側に位置した状態で、天板33を用いて作業を行うことができる。この場合には、執務者は、物品収容空間42に簡単にアクセスすることができるため、トレー13に収容された物品等を簡単に出し入れすることができる。
【0049】
図8は、カート装置1が第3使用状態にあるときのカート装置1の平面図である。
上述した各使用状態では、メインパネル61が天板33の後端縁に沿って配置された構成について説明したが、この構成に限られない。例えば
図8に示すように、パネル本体52を天板33上でクランク状に配置してもよい(第3使用状態)。第3使用状態とするには、メインパネル61について、取付片55aが厚さ方向の何れかに突出するように支持部材51を取り付ける。また、第1サブパネル62Aについて、取付片55aが厚さ方向の他方側に突出するように支持部材51を取り付ける。第2サブパネル62Bについて、取付片55aが厚さ方向の一方側に突出するように支持部材51を取り付ける。この状態において、メインパネル61については、天板33の上面における前後方向の中央部において、左右方向に沿わせて配置する。これに対して、第1サブパネル62Aは、メインパネル61に対して前後方向の一方側(図示の例では前方)に屈曲させた状態で天板33の上面に取り付ける。これにより、第1サブパネル62Aは、天板33の左側端縁における前部を前後方向に沿って配置される。第2サブパネル62Bは、メインパネル61に対して前後方向の他方側(図示の例では後方)に屈曲させた状態で天板33の上面に取り付ける。これにより、第2サブパネル62Bは、天板33の右側端縁における後部を前後方向に沿って配置される。
【0050】
第3使用状態では、天板33の直上空間のうちメインパネル61に対して前方に位置する空間(前部空間)は右側に開放された上で、第1サブパネル62Aによってカート装置1の左側空間との連通が遮断される。一方、天板33の直上空間のうちメインパネル61に対して後方に位置する空間(後部空間)については左側に開放された上で、第2サブパネル62Bによってカート装置1の右側空間との連通が遮断されている。この場合、例えば複数の執務者が前後方向にずれた状態で、左右方向の両側から天板33の直上空間を利用することが可能である。すなわち、一の執務者は、天板33の前部空間をカート装置1の右側からアクセスすることができ、他の執務者は、天板33の後部空間をカート装置1の左側からアクセスすることができる。なお、上述した第1~第3使用状態の他にも、様々なレイアウトを採用することが可能である。
【0051】
このように、本実施形態では、第1使用状態において天板33から上方に起立して天板33の上方空間を上下方向に交差する方向に仕切るパネル本体52を有し、什器本体10に着脱可能に設けられたパネルモジュール15を備える構成とした。
この構成によれば、作業時においてパネルモジュール15を第1使用状態とすることで、天板33の上方空間を仕切ることができる。これにより、パネルモジュール15に対して一方側で執務者が天板33を用いて作業を行う場合に、天板33上の物品や作業内容等がパネルモジュール15に対して他方側に位置する第三者の視線に写り込むことを抑制できる。また、執務者又は第三者の飛沫等をパネル本体52によって遮ることもできる。
一方、カート装置1の移動時には、パネルモジュール15を取り外すことで、天板33の直上空間を通じたカート装置1の周囲に開放される。これにより、執務者の視線がパネルモジュール15によって遮られることを抑制できる。その結果、移動時における視認性を確保した上で、作業時における作業性を向上させ、移動時及び作業時の双方で使い勝手に優れたカート装置1を提供できる。
【0052】
本実施形態のカート装置1において、什器本体10から後方に突出する把持部12を備え、パネルモジュール15は第1使用状態において天板33の上方空間を前後方向に仕切るメインパネル61を備えている構成とした。
この構成によれば、パネルモジュール15が第1使用状態にあるとき、カート装置1の前方からの第三者の視線を遮ることができる。一方で、パネルモジュール15を取り外しておくことで、執務者が把持部12を把持してカート装置1を移動させる際の前方視界を確保し易い。
【0053】
本実施形態のカート装置1において、パネルモジュール15は第1使用状態において天板33の上方空間を左右方向に仕切るサブパネル62を備えている構成とした。
この構成によれば、パネルモジュール15が第1使用状態にあるとき、カート装置1の側方からの第三者の視線を遮ることができる。一方で、パネルモジュール15を取り外しておくことで、執務者が把持部12を把持してカート装置1を移動させる際の左右方向の視界を確保し易い。
【0054】
本実施形態のカート装置1において、パネルモジュール15はメインパネル61及びサブパネル62同士を連結する連結部63を備えている構成とした。
この構成によれば、互いに交差する方向に延びるメインパネル61及びサブパネル62が連結部63を介して連結されるので、第1使用状態において互いに支持し合うことができる。そのため、パネルモジュール15の安定性を向上させることができる。
【0055】
本実施形態のカート装置1において、メインパネル61及びサブパネル62は、連結部63を起点に回動可能な構成とした。
この構成によれば、パネルモジュール15を取り外した状態において、メインパネル61及びサブパネル62を重ね合わせた状態で折り畳むことができる。これにより、未使用状態のパネルモジュール15をコンパクトに保管することができる。また、メインパネル61とサブパネル62とのなす角度を適宜調整することができるので、パネルモジュール15のレイアウト性を向上させることができる。
【0056】
本実施形態のカート装置1において、取付片55aはパネル本体52に対する厚さ方向の向きが変更可能である構成とした。
この構成によれば、パネル本体52の使用状態において、取付片55aの向きを調整できる。これにより、各使用状態に応じた最適な向きに取付片55aを設定でき、使用状態におけるパネル本体52の安定性や、天板33上での作業スペースを確保し易い。
【0057】
本実施形態のカート装置1において、取付片55aが天板33の上面に対して磁力によって取り付けられる構成とした。
この構成によれば、パネルモジュール15の着脱を容易に行うことができる。
【0058】
(第2実施形態)
本実施形態では、支持部材51がパネル本体52に一体に形成されている点で、上述した第1実施形態と相違している。
図9は、第2実施形態における
図2に対応する分解斜視図である。
図9に示すパネルモジュール15において、支持部材51はメインパネル61及びサブパネル62それぞれの下端縁に一体で連なっている。図示の例において、各パネル61,62に対して一つの支持部材51が連結されている。但し、各パネル61,62に連結される支持部材51の数は適宜変更が可能である。また、各支持部材51は、何れも同様の構成であることから、以下の説明では、第1サブパネル62Aに連結された支持部材51を例にして支持部材51の詳細について説明する。
【0059】
支持部材51は、薄肉部201と、取付片202と、を備えている。薄肉部201は、第1サブパネル62Aの下端縁において表皮材62bと一体に形成されている。薄肉部201は、第1サブパネル62Aよりも薄肉に形成されるとともに、第1サブパネル62Aの下端縁を第1サブパネル62Aの短手方向に沿って延びている。
【0060】
取付片202は、薄肉部201を介して第1サブパネル62Aに一体に連結されている。取付片202は、矩形板状に形成されている。取付片202は、芯材202aと、磁石202bと、表皮材202cと、を備えている。
芯材202aは、取付片202の外形を構成する。芯材202aは、例えばプラスチック段ボール等の非磁性材料により形成されている。芯材202aには、芯材202aを厚さ方向に貫通する貫通孔202a1が形成されている。
【0061】
磁石202bは、貫通孔202a1内に挿入されている。磁石202bの厚さは、芯材202aの厚さと同等である。磁石202bは、貫通孔202a1を通じて芯材202aにおける厚さ方向の両側に露呈している。
表皮材202cは、薄肉部201と一体に形成されている。表皮材202cは、芯材202a及び磁石202bをまとめて覆っている。なお、本実施形態の支持部材51は、表皮材202cの内側に芯材202aを備える構成について説明したが、この構成に限られない。支持部材51は、表皮材202cの内側に磁石202bのみが収容される構成であってもよい。
【0062】
本実施形態のパネルモジュール15では、第1サブパネル62Aの短手方向に沿う軸線回りに取付片202が第1サブパネル62Aに対して回動可能に構成されている。これにより、第1サブパネル62Aの厚さ方向における第1サブパネル62Aに対する取付片202の向きを一方側及び他方側の双方に変更可能となっている。そのため、パネルモジュール15では、天板33上における取付位置や、パネル本体52に対する取付片202の向き、メインパネル61とサブパネル62とのなす角度等を調整することで、
図9に示す第1使用状態の他、上述した第2使用状態や第3使用状態等、様々なレイアウトが可能になる。なお、本実施形態において、「一体」とは、支持部材51がパネル61,62に対して分離不能に連結されていることを意味し、必ずしも一体成形等されている場合に限られない。例えば、支持部材51は、別部材のパネル本体52に対して縫製や接着等で一体に連結されていてもよい。
【0063】
図10は、パネルモジュール15を折り畳んだ状態を示す正面図である。
図10に示すように、本実施形態のパネルモジュール15においても、パネル本体52(メインパネル61及びサブパネル62)は、連結部63を起点に折り畳むことができる。この状態において、パネルモジュール15は、磁石202bによって什器本体10の任意の位置(例えば、側板36や仕切板37等)に保持させてもよい。なお、各パネル61,62に設けられた支持部材51は、パネル61,62を折り畳んだ状態で互いに重なり合わない位置に設けられていることが好ましい。
【0064】
(その他の変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
上述した実施形態では、パネル本体52がメインパネル61とサブパネル62とを一体で備える構成について説明したが、この構成に限られない。パネル本体52は、メインパネル61とサブパネル62とを別々に備えていてもよい。また、パネル本体52は、メインパネル61とサブパネル62との何れかのみを備えていてもよい。
上述した実施形態では、取付片55a,202がパネル本体52の厚さ方向において、パネル本体52に対する向きを変更可能な構成について説明したが、この構成に限られない。取付片は、パネル本体52の厚さ方向において、パネル本体52に対する向きが固定されていてもよい。
【0065】
また、パネル本体52には、パネル本体52を厚さ方向に貫通する貫通孔が適宜設けられていてもよい。この場合には、天板33上に載置される電子機器の配線を、貫通孔を通じてカート装置1の外部に引き出すこと等が可能である。
上述した実施形態では、パネルモジュール15が使用状態において天板33に対して装着される構成について説明したが、この構成に限られない。パネルモジュール15は、使用状態において、什器本体10(例えば縦壁32)の任意の位置に装着される構成であってもよい。
上述した実施形態では、パネルモジュール15が磁力によって着脱される構成について説明したが、この構成に限られない。パネルモジュール15は、磁力以外の方法(例えば、クランプやねじ止め等)によって什器本体10に着脱される構成であってもよい。
上述した実施形態では、什器本体10が直方体状に形成された構成について説明したが、この構成に限られない。什器本体10は、少なくとも天板33を備えていればよい。この場合、什器本体10は、上下方向に延びる支柱と、支柱の上端部に設けられた天板33と、を備えるような構成等であってもよい。
【0066】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1:カート装置
10:什器本体
12:把持部
33:天板
52:パネル本体(パネル部材)
55a,202:取付片
61:メインパネル
62A,62B:サブパネル
63:連結部
F:床面