(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024056300
(43)【公開日】2024-04-23
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/50 20060101AFI20240416BHJP
B65D 5/18 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B65D5/50 C
B65D5/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022163086
(22)【出願日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 美孝
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060BB03
3E060BB05
3E060BC02
3E060BC04
3E060CC03
3E060CC17
3E060CC18
3E060CC33
3E060CC54
3E060DA23
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】 被包装物を包装容器内で安定させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
包装容器は、底板と、底板を挟んで互いに対向する第1側板と第2側板と、被包装物を支持する支持部と、を備え、支持部は、第1側板から延びる第1支持片と、第2側板から延びる第2支持片と、を備え、第1支持片は、第1側板から第2側板に向かって延びており、第2側板に近づくのに従って底板に近づく第1部分と、第1部分の第2側板側の端縁から底板に向かって延びる第2部分と、を備え、第2支持片は、第2側板から第1側板に向かって延びており、第1側板に近づくのに従って底板に近づく第3部分と、第3部分の第1側板側の端縁から底板に向かって延びる第4部分と、を備え、第1部分、第2部分、第3部分及び第4部分は、第1支持片と第2支持片とに配置される被包装物の形状に沿った開口を有していてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、前記底板を挟んで互いに対向する第1側板と第2側板とを含み前記底板を囲む側壁と、を備える容器本体と、
前記容器本体に収容される被包装物を支持する支持部と、を備え、
前記支持部は、前記第1側板から延びる第1支持片と、前記第2側板から延びる第2支持片と、を備え、
前記第1支持片は、
前記第1側板から前記第2側板に向かって延びており、前記第2側板に近づくのに従って前記底板に近づく第1部分と、
前記第1部分の前記第2側板側の端縁から前記底板に向かって延びる第2部分と、を備え、
前記第2支持片は、
前記第2側板から前記第1側板に向かって延びており、前記第1側板に近づくのに従って前記底板に近づく第3部分と、
前記第3部分の前記第1側板側の端縁から前記底板に向かって延びる第4部分と、を備え、
前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分及び前記第4部分は、前記第1支持片と前記第2支持片とに配置される前記被包装物の形状に沿った開口を有する、包装容器。
【請求項2】
前記第1部分の前記第2側板側の端縁の前記底板からの距離と、前記第3部分の前記第1側板側の端縁の前記底板からの距離と、のそれぞれは、前記被包装物が前記包装容器に収容されている状態における前記底板と前記被包装物の前記底板から最も離間している部分との距離の1/2以下である、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記第1部分は、前記第1側板の上端縁から延びている、請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記第4部分は、前記開口において前記被包装物を前記底板側から支持する、請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項5】
前記第1側板は、前記底板と折曲線を介して連結されており、前記第1側板と前記底板との間の前記折曲線において、前記底板と同一平板上に位置する第1状態から前記底板に対して立ち上がっている第2状態に折り曲げ可能であり、
前記第2部分は、前記底板側の端において、前記底板に接合されており、
前記第1状態では、前記第1部分と前記第2部分とは同一平板上で前記第1側板及び前記底板と重なっており、
前記第1状態から前記第2状態に折り曲げられる場合に、前記第1部分と前記第2部分との間で折り曲げられて前記第1支持片が形成される、請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項6】
前記第1側板は、前記底板と折曲線を介して連結されており、前記第1側板と前記底板との間の前記折曲線において、前記底板と同一平板上に位置する第1状態から前記底板に対して立ち上がっている第2状態に折り曲げ可能であり、
前記第1部分の前記第1側板側の端縁から前記第2部分側の端縁までの長さと、前記第2部分の前記第1部分側の端縁から前記底板側の端縁までの長さと、の合計の長さは、前記第1側板の前記第1部分の前記第1側板側の前記端縁が位置する箇所から前記底板までの長さと、前記第1側板の前記底板側の端縁から前記第2部分の前記底板側の端縁までの長さと、の合計の長さと等しい、請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項7】
1枚の平板で構成されており、請求項1又は2に記載の包装容器を組み立て可能な展開体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、被包装物を支持する支持部を備える包装容器に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、互いに対向する2個の側板のそれぞれから底板まで延びる傾斜片を備える包装箱が開示されている。傾斜片によって、収納物品の横転転動が防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、包装容器に収容される被包装物が容器内で大きく転がる事態を防止することができる。しかしながら、例えば被包装物が転がりやすい形状を有する場合、傾斜片だけでは、被包装物が安定しない場合がある。
【0005】
本明細書では、被包装物を包装容器内で安定させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される第1の態様は、包装容器に関する。包装容器は、底板と、前記底板を挟んで互いに対向する第1側板と第2側板とを含み前記底板を囲む側壁と、を備える容器本体と、前記容器本体に収容される被包装物を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、前記第1側板から延びる第1支持片と、前記第2側板から延びる第2支持片と、を備え、前記第1支持片は、前記第1側板から前記第2側板に向かって延びており、前記第2側板に近づくのに従って前記底板に近づく第1部分と、前記第1部分の前記第2側板側の端縁から前記底板に向かって延びる第2部分と、を備え、前記第2支持片は、前記第2側板から前記第1側板に向かって延びており、前記第1側板に近づくのに従って前記底板に近づく第3部分と、前記第3部分の前記第1側板側の端縁から前記底板に向かって延びる第4部分と、を備え、前記第1部分、前記第2部分、前記第3部分及び前記第4部分は、前記第1支持片と前記第2支持片とに配置される前記被包装物の形状に沿った開口を有していてもよい。
【0007】
この構成では、互いに対向する第1側板と第2側板のそれぞれから延びる第1支持片と第2支持片とに配置される開口によって、被包装物が支持される。開口は被包装物に沿った形状を有しているため、被包装物が包装容器内で開口に収まっている状態からずれて移動することを抑制することができる。これにより、被包装物を包装容器内で安定させることができる。
【0008】
第2の態様は、上記第1の態様において、前記第1部分の前記第2側板側の端縁の前記底板からの距離と、前記第3部分の前記第1側板側の端縁の前記底板からの距離と、のそれぞれは、前記被包装物が前記包装容器に収容されている状態における前記底板と前記被包装物の前記底板から最も離間している部分との距離の1/2以下であってもよい。
【0009】
この構成では、第1側板と第2側板の中間位置において、支持部は、被包装物よりも1/2以下の位置に配置されている。このため、被包装物は、その1/2以上が支持部から露出している。この構成によると、被包装物が包装容器に収容され、開口に収まっている状態で、被包装物が支持部から露出している部分を大きくして、被包装物を被包装物が包装容器に収容されている状態で外部から視認し易くすることができる。
【0010】
第3の態様は、上記第1から第2の態様のいずれか1つにおいて、前記第1部分は、前記第1側板の上端縁から延びていてもよい。
【0011】
この構成によると、第1部分を第1側板の上下方向における中間位置に配置せずに済む。これにより、第1部分を第1側板の上端縁から第2側板に向かって延ばせばよく、例えば、第1側板の上端縁に配置される折曲線を折り曲げることよって、第1部分を作製することができる。
【0012】
第4の態様は、上記第1から第3の態様のいずれか1つにおいて、前記第4部分は、前記開口において前記被包装物を前記底板側から支持してもよい。
【0013】
この構成によると、被包装物が底板側から、被包装物に沿った形状で支持することができる。これにより、底板で支持する場合と比較して、被包装物を安定して支持することができる。
【0014】
第5の態様は、上記第1から第4の態様のいずれか1つにおいて、前記第1側板は、前記底板と折曲線を介して連結されており、前記折曲線において、前記底板と同一平板上に位置する第1状態から前記底板に対して立ち上がっている第2状態に折り曲げ可能であり、前記第2部分は、前記底板側の端において、前記底板に接合されており、前記第1状態では、前記第1部分と前記第2部分とは同一平板上で前記第1側板及び前記底板と重なっており、前記第1状態から前記第2状態に折り曲げられる場合に、前記第1部分と前記第2部分との間で折り曲げられて前記第1支持片が形成されてもよい。
【0015】
この構成では、第1状態では、第1部分と第2部分とを、同一平板上に配置されている状態で、同一平板上に配置されている第1側板と底板とに重ねて配置される。これにより、第1状態において、第1部分、第2部分、第1側板及び底板を平たく折り畳むことができる。また、底板を第1側板に対して立ち上げるとともに、第1部分と第2部分との間で折り曲げることによって、第2状態を容易に作製することができる。
【0016】
第6の態様は、上記第1から第5の態様のいずれか1つにおいて、前記第1側板は、前記底板と折曲線を介して連結されており、前記折曲線において、前記底板と同一平板上に位置する第1状態から前記底板に対して立ち上がっている第2状態に折り曲げ可能であり、前記第1部分の前記第1側板側の端縁から前記第2部分側の端縁までの長さと、前記第2部分の前記第1部分側の端縁から前記底板側の端縁までの長さと、の合計の長さは、前記第1側板の前記第1部分の前記第1側板側の前記端縁が位置する箇所から前記底板までの長さと、前記第1側板の前記底板側の端縁から前記第2部分の前記底板側の端縁までの長さと、の合計の長さと等しくてもよい。
【0017】
上記した包装容器を作製するための展開体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施例の被包装物を包装している包装状態の包装容器の斜視図。
【
図5】第1実施例の包装容器の搬送状態から包装状態への移行途中の図。
【
図7】第2実施例の被包装物を包装している包装状態の包装容器の斜視図。
【
図10】第2実施例の搬送状態の包装容器の平面図。
【0019】
(第1実施例)
図1に示すように、包装容器10は、被包装物Xを収容する。包装容器10は、
図6に示す蓋部70を上方から被せることによって、被包装物Xを覆う。蓋部70を開いた状態では、包装容器10は、被包装物Xを外側に露出した状態で支持する。包装容器10は、蓋部70を含むが、以下では、蓋部70を含まない身箱部分も包装容器10と呼ぶ。包装容器10は、被包装物Xを搬送するために用いられる。被包装物Xは、円筒形状を有している。なお、包装容器10の用途は、搬送に限られず、保護、保管等に用いられてもよい。本明細書に含まれる前後、左右、及び上下方向は、説明を容易にするために規定されており、実際の使用時の姿勢を規定するものではない。
【0020】
図1に示す包装容器10は、包装状態である。包装容器10は、容器本体11と、支持部40と、を備える。容器本体11は、底板12と、側壁13と、を備える。
図3に示すように、包装容器10は、1枚の平板状の展開体BL1に設けられている複数の折曲線を折り曲げることによって作製される。複数の折曲線のそれぞれは、折曲線に沿って容易に折り曲げられるように、折曲線に沿った溝及びスリットの少なくとも一方を有する。複数の折曲線は、細い破線で表されている。また、接着剤が塗布される箇所は、格子状の細線で表されている。展開体BL1は、1枚の段ボール紙で作製されている。なお、展開体BL1は、段ボール紙以外の紙、又は、樹脂によって作製されていてもよい。
【0021】
底板12は、長方形状を有する。底板12の左右両端縁のそれぞれには、折曲線を介して挿入片12aが連結されている。
【0022】
包装状態では、底板12は、側壁13によって囲まれている。側壁13は、4枚の側板14、16、18、18を備える。側板14は、底板12の後縁に折曲線を介して連結されている。側板14は、長方形状を有する。側板14の左右方向の長さは、底板12の左右方向の長さと略等しい。側板14の左右両端のそれぞれには、折曲線を介して側板18が連結されている。
【0023】
側板18の前後方向の長さは、底板12の前後方向の長さと略等しい。側板18の上端縁には、折曲線を介して接着片18bが連結されている。接着片18bは、側板18に重なるように折り曲げられて、全面に亘って側板18の内側面に接着される。
図3では、接着剤が塗布される領域が平行斜線で示されている。以下、同様である。側板18の側板14と反対側の端縁には、挿入片18aが折曲線を介して連結されている。側板14の左右方向の両端縁の側板18、接着片18b及び挿入片18aは、互いに同一の構成を有する。
【0024】
側板14の底板12と反対側の端縁には、第1支持片20が連結されている。第1支持片20は、第1部分22と第2部分24と接着片26とを備える。側板14には、折曲線を介して第1部分22が連結されている。第1部分22は、長方形状を有する。第1部分22の左右方向の長さは、底板12及び側板14の左右方向の長さと略等しい。第1部分22の左右方向の両端縁のそれぞれには、折曲線を介して挿入片22aが連結されている。
【0025】
第1部分22には、側板14と反対側の端縁に、折曲線を介して第2部分24が連結されている。第2部分24は、長方形状を有する。第2部分24の左右方向の長さは、第1部分22の左右方向の長さと略等しい。第2部分24には、第1部分22と反対側の端縁に、折曲線を介して接着片26が連結されている。接着片26は、底板12に接着される。接着片26の左右方向の長さは、第2部分24の左右方向の長さと略等しい。
【0026】
第1支持片20は、第1部分22と第2部分24とに跨って3個の開口28を備える。各開口28は、第1部分22及び第2部分24のそれぞれを貫通している。各開口28は、包装状態において、被包装物Xの外形に沿った形状を有する。第1部分22には、各開口28を形成するために平板から左右両端縁を切り離して形成された押圧片28aが折曲線を介して連結されている。接着片26の一部は、開口28を作成するために第2部分24を構成する平板から切り離された部分を含む。即ち、接着片26の一部は、接着片26と第2部分24との折曲線を越えて配置される。
【0027】
底板12の前縁には、折曲線を介して側板16が連結されている。側板16の底板12と反対側の端縁には、第2支持片30が連結されている。第2支持片30は、第3部分32と第4部分34と接着片36と2個の挿入片32aとを備える。側板16と、第3部分32と、第4部分34と、接着片36と、2個の挿入片32aとは、側板14と、第1部分22と、第2部分24と、接着片26と、2個の挿入片22aと同様の構成を有する。但し、第3部分32と第4部分34とに配置されている開口38の形状が、開口28と異なる。開口28、38が被包装物Xの形状によって決定されるためである。側板16と第3部分32と第4部分34と接着片36と2個の挿入片32aとは、開口38を除いて、開口28を除く側板14と第1部分22と第2部分24と接着片26と2個の挿入片32aと、底板12の前後方向中央において左右方向に平行な面に対して対称に配置される。なお、側板16には、側板18は連結されていない。
【0028】
第3部分32と第4部分34とに跨って3個の開口38が配置されている。各開口38は、第3部分32及び第4部分34のそれぞれを貫通している。各開口38は、包装状態において、被包装物Xの外形に沿った形状を有する。第3部分32には、各開口38を形成するために平板から左右両端縁を切り離して形成された押圧片38aが折曲線を介して連結されている。接着片36の一部は、開口38を作成するために第4部分34を構成する平板から切り離された部分で構成されている。即ち、接着片36の一部は、接着片36と第4部分34との折曲線を越えて配置される。
【0029】
(搬送状態の包装容器10)
展開体BL1から
図4に示す搬送状態の包装容器10を作製する方法を説明する。まず、展開体BL1を、側板14と第1支持片20との間の折曲線で折り曲げる。これにより、接着片26が底板12に重なる。接着片26は、全面に亘って底板12に接着される。なお、接着片26のうち、展開体BL1において開口28内に配置されていた部分は、接着されていなくてもよい。次いで、側板16と第2支持片30との間の折曲線で折り曲げる。これにより、接着片36が接着片26に重なる。接着片36は、接着片26と重なる部分に接着剤が塗布され、接着片26の上面に接着される。
【0030】
左右両側の接着片18bは、側板18に重なるように折り曲げられて、全面に亘って側板18の内側面に接着される。これにより、搬送状態の包装容器10が作製される。搬送状態では、第1支持片20の第1部分22と第2部分24と接着片26とが同一平板上に配置され、底板12と側板14、16とが同一平板上に配置され、第2支持片30の第3部分32と第4部分34と接着片36とが同一平板上に配置される。搬送状態では、底板12と接着片26と接着片36とが互いに重なっている部分を除いて、同一平板上の第1部分22と第2部分24と接着片26と同一平板上の底板12と側板14とが互いに重なるとともに、同一平板上の第3部分32と第4部分34と接着片36と同一平板上の底板12と側板16とが互いに重なる。
【0031】
これにより、搬送状態では、底板12と接着片26と接着片36とが互いに重なっている部分を除いて、2枚の平板が重なって構成されている。底板12と接着片26と接着片36とが互いに重なっている部分は、3枚の平板が重なって構成されている。この構成によると、搬送状態では、包装容器10を平たく折り畳むことができる。
【0032】
搬送状態の包装容器10では、側板14の第1部分22側の端縁から第2部分24の底板12側の端縁、即ち、第2部分24と接着片26との境界の位置(
図3の位置12b)までの長さD1が、第1部分22の側板14側の端縁から第2部分24の底板12側の端縁までの長さD2と等しい。同様に、側板16の第3部分32側の端縁から第4部分34の底板12側の端縁、即ち、第4部分34と接着片36との境界の位置(
図3の位置12c)までの長さD1が、第3部分32の側板16側の端縁から第4部分34の底板12側の端縁までの長さD2と等しい。
【0033】
(搬送状態から包装状態への変形)
包装容器10を、被包装物Xを収容するために、
図4に示す搬送状態から
図1及び
図2に示す包装状態に変形するために、
図5に示すように、側板14、16のそれぞれを、底板12に対して、上方に折り曲げて立ち上げる。このとき、第1支持片20では、第2部分24を、接着片26に対して上方に折り曲げるとともに、第1部分22を、側板14及び第2部分24に対して、側板14から離間させて、第2部分24の上端から側板14の上端まで延びるように折り曲げる。同様に、第2支持片30では、第4部分34を、接着片36に対して上方に折り曲げるとともに、第3部分32を、側板16及び第4部分34に対して側板16から離間させて、第4部分34の上端から側板16の上端まで延びるように折り曲げる、。
【0034】
次いで、2個の挿入片12aのそれぞれを底板12に対して上方に立ち上げる。また、2個の挿入片22aのそれぞれを第1部分22に対して下方に折り曲げ、2個の挿入片32aのそれぞれを第3部分32に対して下方に折り曲げる。2個の側板18のそれぞれを、側板14に対して折り曲げて、包装容器10の左右両端のそれぞれに配置する。挿入片18aは、側板16の内面に沿って、包装容器10内に挿入される。
【0035】
第4部分34は、開口28、38に配置される被包装物Xを下方から支持する支持部分38bを備える。これにより、円筒形状を有する被包装物Xが底板12に当接することによって支持される場合と比較して、被包装物Xを安定して支持することができる。
【0036】
また、押圧片28aが開口28、38に配置される被包装物Xを前方に押圧し、押圧片38aが開口28、38に配置される被包装物Xを後方に押圧することによって、被包装物Xを安定して支持することができる。
【0037】
第1部分22は、側板14から第3部分32に向かって、即ち、包装容器10の前後方向の中央に向かって、下方に傾斜している。第3部分32も同様に、側板16から第1部分22に向かって、下方に傾斜している。開口28、38に配置されている被包装物Xが底板12から最も離れている部分、即ち、被包装物Xの最も高い点から底板12までの距離は、第1部分22の第2部分24側の端から底板12までの距離の2倍以上であり、第3部分32の第4部分34側の端から底板12までの距離の2倍以上である。第1部分22の第2部分24側の端及び第3部分32の第4部分34側の端は、包装容器10の前後方向の中央部に位置する。被包装物Xの最も高い点も、包装容器10の前後方向の中央部に位置する。このことから、包装容器10の前後方向の中央部では、被包装物Xは、上下方向において、半分以上が、包装容器10から露出している。これにより、被包装物Xは、包装容器10に収容されている状態で、露出部分が大きい。この結果、包装容器10に収容されている状態で、被包装物Xを確認することができる。
【0038】
また、側壁13は、被包装物Xの最も高い点よりも低い。これにより、包装容器10に収容されている状態で、被包装物Xの露出部分を大きくすることができる。
【0039】
第1支持片20は、側板14の上端縁から延びている。これにより、第1支持片20を、側板14の上下方向の中間位置に配置せずに済む。このため、第1支持片20を側板14の上端縁から折曲線のみを介して連結することができ、展開体BL1から第1支持片20を容易に作製することができる。
【0040】
なお、
図7に示すように、蓋部70は、天板78と、側板72、72、74、74と、を備える。側板72、74の角部には、側壁13の上端縁に当接することによって、蓋部70の上下方向の位置決めを行う当接片76を備える。
【0041】
(第2実施例)
図7から
図10を参照して、本実施例の包装容器210について、主に包装容器10との相違点を説明する。
図7に示すように、包装容器210は、1個の被包装物Yを収容する。被包装物Yは、例えば、飲料品用のボトルである。
【0042】
図7に示す包装容器210は、包装状態である。包装容器210は、容器本体211と、支持部240と、を備える。容器本体211は、底板12と同様の底板212と、側壁13と同様の側壁213と、を備える。
図9に示すように、包装容器210は、1枚の平板状の展開体BL2に設けられている複数の折曲線を折り曲げることによって作製される。
【0043】
底板212には、挿入片12aと同様の挿入片212aが連結されている。側壁213は、4枚の側板14、16、18、18と同様の4枚の側板214、216、218、218を備える。側板218には、側板18と同様に、挿入片18a及び接着片18bと同様の挿入片218a及び接着片218bを有する。
【0044】
側板214の底板212と反対側の端縁には、第1支持片220が連結されている。第1支持片220は、第1部分222と第2部分224と接着片226とを備える。側板214には、折曲線を介して第1部分222が連結されている。第1部分222は、長方形状を有する。第1部分222の左右方向の長さは、底板212及び側板214の左右方向の長さと略等しい。第1部分222の左右方向の両端縁のそれぞれには、折曲線を介して挿入片222aが連結されている。
【0045】
第1部分222には、側板214と反対側の端縁に、折曲線を介して第2部分224が連結されている。第2部分224は、長方形状を有する。第2部分224の左右方向の長さは、第1部分222の左右方向の長さと略等しい。第2部分224には、第1部分222と反対側の端縁に、折曲線を介して接着片226が連結されている。接着片226は、底板212に接着される。接着片226の左右方向の長さは、第2部分224の左右方向の長さと略等しい。接着片226の一部は、接着片226と第2部分224との折曲線を越えて、第2部分224側まで延びている。
【0046】
第1支持片220は、第1部分222と第2部分224とに跨って1個の開口228を備える各開口228は、第1部分222及び第2部分224のそれぞれを貫通している。開口228は、包装状態において、被包装物Yの外形に沿った形状を有する。第1部分222には、開口228を形成するために平板に開口228の周縁以外に切込みを入れることによって、開口228の周縁に折曲線を介して連結される複数の押圧片228aが折曲線を介して連結されている。
【0047】
側板216の底板212と反対側の端縁には、第2支持片230が連結されている。第2支持片230は、第3部分232と第4部分234と接着片236と2個の挿入片232aとを備える。第3部分232と、第4部分234と、接着片236と、2個の挿入片232aとは、第1部分222と、第2部分224と、接着片226と、2個の挿入片222aと同様の構成を有する。第3部分232と第4部分234とに配置されている開口238の形状は、被包装物Yの形状に合わせて、開口228の形状と同様である。
【0048】
(搬送状態の包装容器10)
展開体BL2から
図10に示す搬送状態の包装容器210を作製する方法を説明する。展開体BL1から搬送状態の包装容器10を作製する場合と同様に、側板214と第1支持片220との間で折り曲げ、接着片226を底板212に接着する。次いで、側板216と第2支持片230との間で折り曲げ、接着片236を接着片226に接着する。
【0049】
左右両側の接着片218bは、側板218に重なるように折り曲げられて、全面に亘って側板18の内側面に接着される。これにより、搬送状態の包装容器10と同様に、平たく折り畳まれた包装容器210が作製される。
【0050】
搬送状態の包装容器210では、側板214の第1部分222側の端縁から第2部分224の底板212側の端縁、即ち、第2部分224と接着片226との境界の位置(
図9の位置212b)までの長さD3が、第1部分222の側板214側の端縁から第2部分224の底板212側の端縁までの長さD4と等しい。同様に、側板216の第3部分232側の端縁から第4部分234の底板212側の端縁、即ち、第4部分234と接着片236との境界の位置(
図9の位置212c)までの長さD3が、第3部分232の側板214側の端縁から第4部分234の底板212側の端縁までの長さD4と等しい。
【0051】
(搬送状態から包装状態への変形)
包装容器210を、搬送状態から包装状態に変形するためには、包装容器10と同様に、側板214、216のそれぞれを、底板212に対して、上方に折り曲げて立ち上げるとともに、第2部分224を、接着片226に対して上方に折り曲げ、第1部分222を、側板214及び第2部分224に対して側板214から離間させ第2部分224の上端から側板214の上端まで延びるように折り曲げる。包装容器210の外側に折り曲げる。同様に、第2支持片230では、第4部分234を、接着片236に対して上方に折り曲げるとともに、第3部分232を、側板216及び第4部分234に対して側板216から離間させ第4部分234の上端から側板216の上端まで延びるように折り曲げる。
【0052】
次いで、包装容器10と同様に、挿入片212a、222a、232aを折り曲げて、2個の側板218のそれぞれを、側板214に対して折り曲げて、包装容器210の左右両端のそれぞれに配置する。挿入片218aは、側板216の内面に沿って、包装容器210内に挿入される。
【0053】
包装容器210も包装容器10と同様の効果を奏することができる。なお、第4部分234は、開口228、238に配置される被包装物Yを下方から支持する支持部分238bを備える。同様に、第2部分224も開口228、238に配置される被包装物Yを下方から支持する支持部分238bを備える。これにより、円筒形状を有する被包装物Yが底板212に当接することによって支持される場合と比較して、被包装物Yを安定して支持することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0055】
第1支持片20と第2支持片30とは、底板12の前後方向中央において左右方向に平行な面に対して対称に配置されていなくてもよい。例えば、第1部分22の側板14からの長さが、第3部分32の側板16からの長さよりも長くてもよい。
【0056】
第1支持片20と第2支持片30との少なくとも一方は、側板14、16の少なくとも一方の上端縁よりも下方から延びていてもよい。
【0057】
接着片36は、接着片26と重ねて配置されていなくてもよい。例えば、接着片36は、底板12に直接的に接着されていてもよい。また、第1支持片20は、接着片26によってと底板12と接着されていなくてもよい。第1支持片20は、第2部分24が底板12に対して底板12側の端縁を中心に回動するように、底板12に接合されていればよい。第2支持片30も同様に、第4部分34が底板12に対して底板12側の端縁を中心に回動するように、底板12に接合されていればよい。
【0058】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0059】
10:包装容器、11:容器本体、12:底板、13:側壁、14、16、18:側板、20:第1支持片、22:第1部分、24:第2部分、26:接着片、28:開口、30:第2支持片、32:第3部分、34:第4部分、36:接着片、38:開口、38b:支持部分、40:支持部、70:蓋部